(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ワークを支持するワーク支持部と、マスクを支持するマスク支持部と、光源からの露光光を反射する請求項1〜4のいずれかに記載の反射鏡ユニットを備えた照明光学系と、を備え、前記光源からの露光光を前記マスクを介して前記ワークに照射して前記マスクのパターンを前記ワークに転写することを特徴とする露光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平面ミラーを屈曲させる際、曲げ量を大きくするためには、平面ミラーを薄くする必要がある。しかしながら、平面ミラーを薄くすると、自重たわみの影響が大きくなり、光源の性能を確保することが難しい。また、特許文献1において、支持部材の数を増加することで対応することもできるが、コストが嵩むと共に重量が増加するという課題がある。
【0005】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射鏡を屈曲させることができるように薄い反射鏡を採用した場合であっても、反射鏡の自重たわみの影響を抑制して、光源の性能を確保することができる露光装置用反射鏡ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 光源からの露光光を反射する反射鏡と、
該反射鏡の裏面にそれぞれ取り付けられ、前記反射鏡を支持する複数の支持部材と、
前記複数の支持部材をそれぞれ駆動する複数の駆動装置と、
を備え、前記各駆動装置によって前記各支持部材を駆動することで、前記反射鏡の反射面を変形させる露光装置用反射鏡ユニットであって、
少なくとも二つの前記支持部材に取り付けられ、該少なくとも二つの支持部材の中間位置で、前記反射鏡の裏面に取り付けられた中間パッドを保持する保持部材が設けられることを特徴とする露光装置用反射鏡ユニット。
(2) 前記保持部材は、前記複数の支持部材に取り付けられた単一の保持板であり、
前記保持板と、該保持板に保持される前記中間パッドとの距離が調整可能に構成されていることを特徴とする(1)に記載の露光装置用反射鏡ユニット。
(3) 前記保持板は、前記支持部材と前記中間パッドとを結んだ接続部分以外の部分に、肉抜き部を有することを特徴とする請求項2に記載の露光装置用反射鏡ユニット。
(4) 前記複数の支持部材は、ボールジョイントをそれぞれ備え、
前記保持板は、ボールジョイントよりも前記反射鏡側で、前記複数の支持部材に取り付けられることを特徴とする(2)又は(3)に記載の露光装置用反射鏡ユニット。
(5) ワークを支持するワーク支持部と、マスクを支持するマスク支持部と、光源からの露光光を反射する(1)〜(4)のいずれかに記載の反射鏡ユニットを備えた照明光学系と、を備え、前記光源からの露光光を前記マスクを介して前記ワークに照射して前記マスクのパターンを前記ワークに転写することを特徴とする露光装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の露光装置用反射鏡ユニットによれば、少なくとも二つの支持部材に取り付けられ、該少なくとも二つの支持部材の中間位置で、反射鏡の裏面に取り付けられた中間パッドを保持する保持部材が設けられるので、反射鏡を屈曲させることができるように薄い反射鏡を採用した場合であっても、反射鏡の自重たわみの影響を抑制して、光源の性能を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る露光装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の露光装置を示す図である。
図1に示すように、近接露光装置PEは、被露光材としてのワークWより小さいマスクMを用い、マスクMをマスクステージ1で保持すると共に、ワークWをワークステージ(ワーク支持部)2で保持し、マスクMとワークWとを近接させて所定の露光ギャップで対向配置した状態で、照明光学系3からパターン露光用の光をマスクMに向けて照射することにより、マスクMのパターンをワークW上に露光転写する。また、ワークステージ2をマスクMに対してX軸方向とY軸方向の二軸方向にステップ移動させて、ステップ毎に露光転写が行われる。
【0010】
ワークステージ2をX軸方向にステップ移動させるため、装置ベース4上には、X軸送り台5aをX軸方向にステップ移動させるX軸ステージ送り機構5が設置されている。X軸ステージ送り機構5のX軸送り台5a上には、ワークステージ2をY軸方向にステップ移動させるため、Y軸送り台6aをY軸方向にステップ移動させるY軸ステージ送り機構6が設置されている。Y軸ステージ送り機構6のY軸送り台6a上には、ワークステージ2が設置されている。ワークステージ2の上面には、ワークWがワークチャック等で真空吸引された状態で保持される。また、ワークステージ2の側部には、マスクMの下面高さを測定するための基板側変位センサ15が配設されている。従って、基板側変位センサ15は、ワークステージ2と共にX、Y軸方向に移動可能である。
【0011】
装置ベース4上には、複数(図に示す実施形態では4本)のX軸リニアガイドのガイドレール51がX軸方向に配置され、それぞれのガイドレール51には、X軸送り台5aの下面に固定されたスライダ52が跨架されている。これにより、X軸送り台5aは、X軸ステージ送り機構5の第1リニアモータ20で駆動され、ガイドレール51に沿ってX軸方向に往復移動可能である。また、X軸送り台5a上には、複数のY軸リニアガイドのガイドレール53がY軸方向に配置され、それぞれのガイドレール53には、Y軸送り台6aの下面に固定されたスライダ54が跨架されている。これにより、Y軸送り台6aは、Y軸ステージ送り機構6の第2リニアモータ21で駆動され、ガイドレール53に沿ってY軸方向に往復移動可能である。
【0012】
Y軸ステージ送り機構6とワークステージ2の間には、ワークステージ2を上下方向に移動させるため、比較的位置決め分解能は粗いが移動ストローク及び移動速度が大きな上下粗動装置7と、上下粗動装置7と比べて高分解能での位置決めが可能でワークステージ2を上下に微動させてマスクMとワークWとの対向面間のギャップを所定量に微調整する上下微動装置8が設置されている。
【0013】
上下粗動装置7は後述の微動ステージ6bに設けられた適宜の駆動機構によりワークステージ2を微動ステージ6bに対して上下動させる。ワークステージ2の底面の4箇所に固定されたステージ粗動軸14は、微動ステージ6bに固定された直動ベアリング14aに係合し、微動ステージ6bに対し上下方向に案内される。なお、上下粗動装置7は、分解能が低くても、繰り返し位置決め精度が高いことが望ましい。
【0014】
上下微動装置8は、Y軸送り台6aに固定された固定台9と、固定台9にその内端側を斜め下方に傾斜させた状態で取り付けられたリニアガイドの案内レール10とを備えており、該案内レール10に跨架されたスライダ11を介して案内レール10に沿って往復移動するスライド体12にボールねじのナット(図示せず)が連結されると共に、スライド体12の上端面は微動ステージ6bに固定されたフランジ12aに対して水平方向に摺動自在に接している。
【0015】
そして、固定台9に取り付けられたモータ17によってボールねじのねじ軸を回転駆動させると、ナット、スライダ11及びスライド体12が一体となって案内レール10に沿って斜め方向に移動し、これにより、フランジ12aが上下微動する。
なお、上下微動装置8は、モータ17とボールねじによってスライド体12を駆動する代わりに、リニアモータによってスライド体12を駆動するようにしてもよい。
【0016】
この上下微動装置8は、Z軸送り台6aのY軸方向の一端側(
図1の左端側)に1台、他端側に2台、合計3台設置されてそれぞれが独立に駆動制御されるようになっている。これにより、上下微動装置8は、後述するマスク側変位センサ27を構成するギャップセンサによる複数箇所でのマスクMとワークWとのギャップ量の計測結果に基づき、3箇所のフランジ12aの高さを独立に微調整してワークステージ2の高さ及び傾きを微調整する。
なお、上下微動装置8によってワークステージ2の高さを十分に調整できる場合には、上下粗動装置7を省略してもよい。
【0017】
また、Y軸送り台6a上には、ワークステージ2のY方向の位置を検出するY軸レーザ干渉計18に対向するバーミラー19と、ワークステージ2のX軸方向の位置を検出するX軸レーザ干渉計に対向するバーミラー(共に図示せず)とが設置されている。Y軸レーザ干渉計18に対向するバーミラー19は、Y軸送り台6aの一側でX軸方向に沿って配置されており、X軸レーザ干渉計に対向するバーミラーは、Y軸送り台6aの一端側でY軸方向に沿って配置されている。
【0018】
Y軸レーザ干渉計18及びX軸レーザ干渉計は、それぞれ常に対応するバーミラーに対向するように配置されて装置ベース4に支持されている。なお、Y軸レーザ干渉計18は、X軸方向に離間して2台設置されている。2台のY軸レーザ干渉計18により、バーミラー19を介してY軸送り台6a、ひいてはワークステージ2のY軸方向の位置及びヨーイング誤差を検出する。また、X軸レーザ干渉計により、対向するバーミラーを介してX軸送り台5a、ひいてはワークステージ2のX軸方向の位置を検出する。
【0019】
マスクステージ1は、略長方形状の枠体からなるマスク基枠24と、該マスク基枠24の中央部開口にギャップを介して挿入されてX,Y,θ方向(X,Y平面内)に移動可能に支持されたマスクフレーム25とを備えており、マスク基枠24は装置ベース4から突設された支柱4aによってワークステージ2の上方の定位置に保持されている。
【0020】
マスクフレーム25の中央部開口の下面には、枠状のマスクホルダ(マスク支持部)26が設けられている。即ち、マスクフレーム25の下面には、図示しない真空式吸着装置に接続される複数のマスクホルダ吸着溝が設けられており、マスクホルダ26が複数のマスクホルダ吸着溝を介してマスクフレーム25に吸着保持される。
【0021】
マスクホルダ26の下面には、マスクMのマスクパターンが描かれていない周縁部を吸着するための複数のマスク吸着溝(図示せず)が開設されており、マスクMは、マスク吸着溝を介して図示しない真空式吸着装置によりマスクホルダ26の下面に着脱自在に保持される。
【0022】
図2に示すように、本実施形態の露光装置PEの照明光学系3は、紫外線照射用の光源である例えば高圧水銀ランプ61、及びこの高圧水銀ランプ61から照射された光を集光するリフレクタ62をそれぞれ備えたマルチランプユニット60と、光路ELの向きを変えるための平面ミラー63と、照射光路を開閉制御する露光制御用シャッターユニット64と、露光制御用シャッターユニット64の下流側に配置され、リフレクタ62で集光された光を照射領域においてできるだけ均一な照度分布となるようにして出射するオプティカルインテグレータ65と、オプティカルインテグレータ65から出射された光路ELの向きを変えるための平面ミラー66と、高圧水銀ランプ61からの光を平行光として照射するコリメーションミラー67と、該平行光をマスクMに向けて照射する平面ミラー68と、を備える。なお、オプティカルインテグレータ65と露光面との間には、DUVカットフィルタ、偏光フィルタ、バンドパスフィルタが配置されてもよい。また、光源は、高圧水銀ランプは、単一のランプであってもよく、或いは、LEDによって構成されてもよい。
【0023】
そして、露光時にその露光制御用シャッターユニット64が開制御されると、マルチランプユニット60から照射された光が、平面ミラー63、オプティカルインテグレータ65、平面ミラー66、コリメーションミラー67、平面ミラー68を介して、マスクホルダ26に保持されるマスクM、ひいてはワークWの表面にパターン露光用の光として照射され、マスクMの露光パターンがワークW上に露光転写される。
【0024】
ここで、
図3に示すように、平面ミラー68は、正面視矩形状に形成されたガラス素材からなる。平面ミラー68は、平面ミラー68の裏面側に設けられた複数のミラー変形ユニット70によりミラー変形ユニット保持枠71に支持されている。
【0025】
各ミラー変形ユニット70は、平面ミラー68の裏面に接着剤で固定されるパッド72と、一端がパッド72に固定された支持部材73と、支持部材73を駆動する駆動装置であるアクチュエータ74と、を備える。
【0026】
支持部材73には、保持枠71に対してパッド72寄りの位置に、±0・5deg以上の屈曲を許容する屈曲機構としてのボールジョイント76が設けられており、保持枠71に対して反対側となる他端には、アクチュエータ74が取り付けられている。
【0027】
さらに、マスク側のアライメントマーク(図示せず)の位置に露光光を反射する平面ミラー68の各位置の裏面には、複数の接触式センサ81が取り付けられている。
【0028】
これにより、平面ミラー68は、接触式センサ81によって平面ミラー68の変位量をセンシングしながら、各ミラー変形ユニット70のアクチュエータ74によって支持部材73を駆動することにより、各支持部材73が長さの違いによって、平面ミラー68の曲率を局部的に補正し、平面ミラー68のデクリネーション角を補正することができる。
【0029】
その際、各ミラー変形ユニット70には、ボールジョイント76が設けられているので、支持部側の部分を三次元的に回動可能とすることができ、各パッド72を平面ミラー68の表面に沿って傾斜させることができる。このため、各パッド72と平面ミラー68との接着剥がれを防止するすると共に、移動量の異なる各パッド72間における平面ミラー68の応力が抑制され、平均破壊応力値が小さいガラス素材からなる場合であっても、平面ミラー68の曲率を局部的に補正する際、平面ミラー68を破損することなく、10mmオーダーで平面ミラー68を曲げることができ、曲率を大きく変更することができる。
【0030】
また、平面ミラー68の裏面で、複数の支持部材73の中間位置、具体的には、平面ミラー68の直交する2辺の方向においてそれぞれ隣接して四角形を構成するように配置される4つの支持部材73毎の各中心位置にそれぞれ、複数の中間パッド72aが接着剤により固定されている。また、複数の支持部材73には、ボールジョイント76よりも平面ミラー68側に、複数の中間パッド72aを保持する単一の保持板82が取り付けられている。即ち、保持板82は、すくなくとも二つの支持部材73に取り付けられ、少なくとも二つの支持部材73の中間位置に配置される中間パッド72aを保持する。
【0031】
各中間パッド72aには、平面ミラー68と反対側に雄ねじ部83が形成されており、保持板82の両側に位置する2つのナット84を両側から雄ネジ部83に締結することによって、保持板82を固定すると共に、保持板82と中間パッド72aとの距離を調整する高さ調整機構85を構成する。
【0032】
また、保持板82の材質は、平面ミラー68の変形に追従可能な材料であれば任意であり、例えば、アルミ材から構成されてもよい。あるいは、保持板82は、平面ミラー68を構成するガラス素材と縦弾性係数が略等しい材料から構成されてもよい。
【0033】
また、
図4に示すように、保持板82は、各支持部材73に嵌合する複数の円孔82cを有する一方、平面ミラー68の曲げに追従しやすいように、各雄ねじ部83に対して遊びを持った複数の円孔82dを有している。また、保持板82の板厚は、ミラー変形ユニット70のアクチュエータ74の推力を無駄に消費するのを防止するため、平面ミラー68の板厚の略半分に設定されている。
【0034】
即ち、本実施形態の平面ミラー68と、複数のパッド72、複数の支持部材73、複数のアクチュエータ74、及び複数のボールジョイント76を有するミラー変形ユニット70と、複数の中間パッド72aと、複数の高さ調整機構85と、保持板82とは、本発明の露光装置用反射鏡ユニットを構成する。
【0035】
したがって、ミラー変形ユニット70による撓み性を考慮して平面ミラー68を薄肉にした場合、支持部材73間の中間部分が自重により撓む可能性があるが、該中間部分を保持板82によって保持することで、自重たわみの影響を抑制して、光源の性能を確保することができる。また、雄ねじ部83と2つのナット84によって高さ調整機構85を構成することで、さらに、保持板82と中間パッド72aとの距離を任意に調整することができる。
【0036】
また、
図3に示すように、保持板82は、中間パッド72aを中心として、四角形を構成するように四隅に配置された4つの支持部材73に向かってそれぞれ延びる接続部分82aを有すると共に、支持部材73とパッド72aとを結んだ接続部分以外の部分に、肉抜き部82bを有する。即ち、保持板82は、網目状に形成されており、軽量化が図られている。
【0037】
図2に戻って、本実施形態では、平面ミラー68の曲率を補正した際に、ワークWのひずみ量に対応する平面ミラー68の曲率補正が行われたかどうかを判断するための曲率補正量検出系90が設けられている。曲率補正量検出系90は、露光光の光束の光路ELにおいて平面ミラー68より露光面側(本実施形態では、マスク近傍)から平面ミラー68に向けて指向性を有する光としてレーザー光Lを照射するレーザー光源としての複数(本実施形態では、4つ)のレーザーポインタ91と、オプティカルインテグレータ65の近傍に、露光光の光束の光路ELから退避可能に配置された反射板92と、平面ミラー68を介して、反射板92に映りこんだレーザー光Lを撮像する撮像手段としてのカメラ93と、カメラ93と平面ミラー68のミラー変形ユニット70のアクチュエータ74との間に設けられ、平面ミラー68の曲率を補正した際に撮像されるレーザー光Lの変位量を検出し、該変位量が、算出されたひずみ量と対応するようにミラー変形ユニット70のアクチュエータ74を制御する制御部94と、を有する。
【0038】
レーザーポインタ91は、アライメントを検出するための、例えば不図示のCCDカメラの上部に取り付けられ、CCDカメラがマスク側のアライメントマークが視認できる位置へ進退するのと同期して移動する。
【0039】
反射板92は、コリメーションミラー67によって反射されることで最も集光された光となるインテグレータ近傍に配置されているので、平面ミラー68、コリメーションミラー67、平面ミラー66で反射された4つのレーザーポインタ91からのレーザー光Lを比較的小さな面積の反射板92によって捉えることができる。また、反射板92は、通常の露光時、光源からの露光光の光束をマスクMに照射する際に、図示しない駆動機構によって、該光束の光路ELから退避可能に配置される。さらに、反射板92は、低反射率の反射面とすることで、カメラ93でのレーザー光Lの視認性を上げることができる。
【0040】
カメラ93は、露光光の光束に影響を与えないように、光源からの該光束の光路EL上から離れた位置に配置されている。
【0041】
また、制御部94は、カメラ93によって撮像されたレーザー光Lの位置を、曲率補正前と曲率補正後の変位量として検出し、該変位量がワークWのひずみ量に対応しているかどうかを確認して、平面ミラー68のミラー変形ユニット70のアクチュエータ74に制御信号を与える。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の露光装置用反射鏡ユニットによれば、複数の支持部材73に取り付けられ、該複数の支持部材73の各中間位置で、平面ミラー68の裏面に取り付けられた複数の中間パッド72aを保持する保持板82が設けられる。これにより、平面ミラー68を屈曲させることができるように薄い平面ミラー68を採用した場合であっても、平面ミラー68の自重たわみの影響を抑制して、光源の性能を確保することができる。
【0043】
また、保持板82は、全ての支持部材73に取り付けられた単一部材であり、保持板82と、該保持板82に保持される中間パッド72aとの距離が調整可能に構成されているので、簡単な構成で、且つ、2つの支持部材73の中間位置で任意のたわみ量に調整することができる。
【0044】
また、保持板82は、支持部材73とパッド72aとを結んだ接続部分82a以外の部分に、肉抜き部82bを有するので、反射鏡ユニットの軽量化を図ることができる。
【0045】
さらに、複数の支持部材73は、ボールジョイント76をそれぞれ備え、保持板82は、ボールジョイント76よりも平面ミラー68側で、複数の支持部材73に取り付けられるので、アクチュエータ74の推力に影響するのを抑制し、また、保持板82を平面ミラー68の変形に沿って変形させることができる。
【0046】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
たとえば、
図5に示す変形例ように、平面ミラー68の一辺の方向で隣接する2つの支持部材73の中間位置毎に複数の中間パッド72aが配置され、単一の保持板82が、これら中間パッド72aを保持するようにしてもよい。したがって、保持板82には、該一辺と直交方向に並ぶ2つの支持部材73と2つの中間パッド72aによって矩形状に囲まれる領域に、略矩形の肉抜き部82bがそれぞれ形成される。
【0047】
また、本実施形態の保持板82は、全ての支持部材73に取り付けられ、それぞれ所定の二つの支持部材73の中間位置に設けられた中間パッド72aを保持するようにしている。しかしながら、本発明の保持板82は、これに限定されず、少なくとも二つの支持部材73に取り付けられ、該少なくとも二つの支持部材73の中間位置で、平面ミラー68の裏面に取り付けられた中間パッド72aを保持するようにしてもよい。即ち、複数の保持板82を用いて、各中間パッド72aを保持するようにしてもよい。
【0048】
また、
図6に示す他の変形例のように、保持部材は、支持部材73と中間パッド72aとを接続する接続部分にバネなどの弾性部材88を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、平面ミラー68の周縁部が支持部材73によって支持されており、二つの支持部材73の中間位置に中間パッド72aが設けられているが、平面ミラー68の周縁部が支持部材73のよりも外側に位置する場合には、平面ミラー68の周縁部にパッドを別途設けて、保持板82によって保持するようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、保持板82と中間パッド72aとの距離調整は、中間パッド72aに取り付けられた雄ねじ部83を有するボルトに対して、保持板82の両側から2つのナット84を締め付けることで行われている。
一方、
図7(a)、(b)に示す変形例のように、ナット84は、保持板82の中間パッド72aから離間した側のみで、ボルトの雄ねじ部83と螺合させてもよい。この場合、保持板82の中間パッド72a側にナット84が設けられていないので、距離調整をより簡単に行うことができ、また、保持板82が撓んだ場合の応力集中の発生を抑制することができる。そのため、平面ミラー68が撓んだ際の保持精度を高めることができ、光源の性能を確保することができる。
【0050】
また、ボルトの雄ねじ部83は、
図7(a)に示すように、保持板82の円孔82dに遊びを持って挿通されてもよいし、或いは、
図7(b)に示すように、保持板82に、円孔82dの代わりに形成された雌ねじ孔82eと螺合させてもよい。なお、保持板82の雌ねじ孔82eに雄ねじ部83を螺合させておくことで、平面ミラー68が撓んだときにも保持板82がずれることがなく、平面ミラー68が撓んだ際の保持精度をより高めることができ、光源の性能を確保することができる。
【0051】
さらに、本発明の反射鏡は、平面ミラー68に限定されず、凸面ミラーや凹面ミラーであってもよい。