(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484883
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】給液装置のヒータユニット及びウォータサーバのヒータユニット
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20190311BHJP
H05B 3/06 20060101ALI20190311BHJP
H05B 3/82 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
B67D1/08 A
H05B3/06 Z
H05B3/82
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-198690(P2014-198690)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-68989(P2016-68989A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】510202167
【氏名又は名称】Next Innovation合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】道脇 裕
【審査官】
加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−240116(JP,A)
【文献】
実開昭54−052742(JP,U)
【文献】
特開2006−008219(JP,A)
【文献】
特開2010−088732(JP,A)
【文献】
特開昭64−058695(JP,A)
【文献】
実開平02−106546(JP,U)
【文献】
特開2012−188163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00−3/04
F25D 11/00
H05B 3/20−3/38
H05B 3/84−3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給液装置に内蔵されるタンク内に収容される流体を加熱及び/又は保温するための給液装置のヒータユニットであって、
前記流体を加熱及び/又は保温する伝熱手段が、前記タンクの底面部に立設するように配置され、且つ、該伝熱手段の一部又は全部が前記タンク内に配置され、
前記タンクは、ソフト容器であることを特徴とする給液装置のヒータユニット。
【請求項2】
前記伝熱手段は、前記タンクの底面部に接合されて一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の給液装置のヒータユニット。
【請求項3】
前記伝熱手段は、外周縁部の基端部に、取付フランジ部が一体に形成され、前記タンクの底面部に形成されたタンク開口部から前記タンク内に配置されて、該伝熱手段の一部又は全部が前記タンク内に収容される流体に対して直接的に接触可能に配置されて、前記取付フランジ部と前記タンク開口部の周縁部の内周面又は外周面とが面接触された状態で接合されることで、前記タンクの底面部に一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給液装置のヒータユニット。
【請求項4】
前記伝熱手段は、奥行き方向の中心が前記タンクの奥行き方向の中心と一致するように、前記タンクの底面部に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の給液装置のヒータユニット。
【請求項5】
前記伝熱手段は、幅方向の中心が前記タンクの幅方向の中心と一致するように、前記タンクの底面部に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の給液装置のヒータユニット。
【請求項6】
水を冷却する冷タンクと水を加熱する温タンクを備えるウォータサーバに内蔵される前記温タンク内に収容される水を加熱及び/又は保温するためのウォータサーバのヒータユニットであって、
前記温タンクは、ソフト容器であり、
前記水を加熱及び/又は保温する伝熱手段が、前記温タンクの底面部に立設するように配置され、且つ、該伝熱手段の一部又は全部が前記温タンク内に配置されていることを特徴とするウォータサーバのヒータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内に収容される流体、特に給液装置に内蔵されるタンク内に収容され
る流体を加熱及び/又は保温するためのヒータユニット
及びウォータサーバのヒータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
給液装置の一種であるウォータサーバは、例えば、サーバ本体の最上部に流体容器を配置し、この流体容器からサーバ本体内の冷タンク及び温タンクに流体を供給して、冷タンクの外側面部等に設置された冷却手段で流体を冷却すると共に、温タンクの外側面部等に設置された加熱手段で流体を加熱する(例えば、特許文献1参照。)。そして、従来のウォータサーバは、冷水用吐出レバーが操作されると、冷タンクに接続された冷水用吐出部から冷水を吐出し、温水用吐出レバーが操作されると、温タンクに接続された温水用吐出部から温水を吐出する。
【0003】
しかしながら、一般的に、熱は鉛直方向の上方に伝わり易く、温められた流体は鉛直方向の上方に移動する性質を有しているので、加熱手段が温タンクの外側面部等に設置されていると、この加熱手段よりも鉛直方向の下方の流体に加熱手段による熱が伝達し難く、温タンク内の流体をまんべんなく加熱し難い。また、外側面部からタンク内を加熱しようと加熱手段を発熱させると、発熱量の半分近い一定割合は外部に放散され、熱ロスが大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−046446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、給液装置に内蔵されるタン
ク内に収容される全流体を効率良く加熱及び/又は保温が可能な給液装置のヒータユニッ
ト
及びウォータサーバのヒータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る給液装置の加熱手段としてのヒータユニットは、給液装置に内蔵されるタンク内に収容される流体を加熱及び/又は保温するためのものであって、前記流体を加熱及び/又は保温する伝熱手段が、前記タンクの底面部に立設するように配置され、且つ、該伝熱手段の一部又は全部が前記タンク内に配置されている。ここで、伝熱手段は、自ら発熱する機能を有していても、或いは、自ら発熱する機能を有していなくてもよく、自ら発熱手段を有していない場合には、発熱手段からの熱を受けて外部に熱を伝達出来るように構成されたものであればよい。
【0007】
また、前記タンクは、容量が可変の可撓性素材を用いて構成されるソフト容器としてもよい。更に、前記タンクは、容量が可変でない非可撓性素材を用いて構成されるハード容器としてもよい。
【0008】
また、前記伝熱手段は、前記タンクの底面部に接合されて一体に取り付けて構成しても良い。更に、前記伝熱手段は、外周縁部の基端部に、取付フランジ部が一体に形成され、前記タンクの底面部に形成されたタンク開口部から前記タンク内に配置されて、該伝熱手段の一部又は全部が前記タンク内に収容される流体に対して直接的に接触可能に配置されて、前記取付フランジ部と前記タンク開口部の周縁部の内周面又は外周面とが面接触された状態で接合されることで、前記タンクの底面部に一体に取り付けられているようにしてもよい。
【0009】
また、前記伝熱手段は、奥行き方向の中心が前記タンクの奥行き方向の中心と一致するように、前記タンクの底面部に取り付けられているようにしてもよい。更に、前記伝熱手段は、幅方向の中心が前記タンクの幅方向の中心と一致するように、前記タンクの底面部に取り付けられているようにしてもよい。
また、本発明に係る給液装置としてのウォータサーバのヒータユニットは、水を冷却する冷タンクと水を加熱する温タンクを備えるウォータサーバに内蔵される前記温タンク内に収容される水を加熱及び/又は保温するためのものであって、前記温タンクは、容量が可変のソフト容器であり、前記水を加熱及び/又は保温する伝熱手段が、前記温タンクの底面部に立設するように配置され、且つ、該伝熱手段の一部又は全部が前記温タンク内に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の給液装置のヒータユニットは、給液装置に内蔵されるタンク内に収容される流体を加熱及び/又は保温する伝熱手段が、該タンクの底面部に立設するように配置され、且つ、該ヒータユニットの一部又は全部がタンク内に収容される流体に対して直接的に接触可能に配置されているので、タンク内の全流体を効率良く加熱し、また保温することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】タンクの底面部に取り付けられたヒータユニットを示した側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した給液装置のヒータユニットについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0013】
本発明を適用したヒータユニットは、例えば、給液装置に内蔵される、流体を収容し、収容した流体を加熱し、所定温度に保持するための容器、即ち温タンクの底面部に取り付けられ、該ヒータユニットの外表面の一部又は全部が温タンク内に収容される流体に対して直接的に接触可能に配置され、温タンク内の全流体を効率良く加熱するためのものである。
【0014】
<第一実施例>
先ず、本発明を適用したヒータユニットが設置される給液装置について説明する。
図1に示すように、給液装置1は、例えばウォータサーバ等である。更に、給液装置1は、例えば、本体10の上面10aに形成された凹部11の底面部又は上面10aに、水やミネラルウォータ等の流体を貯留する流体容器20が装着されるジョイント部材30が取り付けられている。このジョイント部材30は、周囲に、流体容器20から流体を取り込む取込開口部(不図示)が形成されている。そして、ジョイント部材30は、流体容器20が本体10に装着された際に、流体容器20の口部21に連結されることで、取込開口部から流体容器20内の流体を取り込むことが出来る。更に、ジョイント部材30は、第一冷配管80を介して、流体を冷却するための容器、即ち冷タンク40と連通され、第一温配管82を介して温タンク50と連通され、流体容器20から流入された流体を、冷タンク40及び温タンク50に供給する。
【0015】
また、本体10には、
図1に示すように、流体を冷却する冷タンク40と流体を加熱する温タンク50とが内蔵されている。冷タンク40及び温タンク50は、例えば、冷タンク40が本体10の奥行き方向(本体10の前面・後面方向)の一方側(前面10c側)に配置され、温タンク50が他方側(後面10d)に配置されて、本体10の奥行き方向に並べて本体10内に配置されている。更に、冷タンク40及び/又は温タンク50は、冷却又は保温効果を向上させるべく、従来公知の発泡材料、例えば、合成樹脂材料等を発泡させて硬化させた発泡性断熱材やグラスウール等の断熱材を真空パックして成る断熱材等の断熱性を有する断熱材で形成された断熱部材によって覆われて断熱されている。
【0016】
また、本体10の前面10cの上方には、
図1に示すように、冷タンク40で冷却された流体を外部に供給する第一供給口70と、温タンク50で加熱された流体を外部に供給する第二供給口71と、レバー、ボタン、タッチパネル等の第一及び第二吐出操作部72,73とが設置されている。第一供給口70は、例えば第二冷配管81を介して冷タンク40と連結されており、使用者等によって第一吐出操作部72が操作されると、冷タンク40で冷却された流体を外部に供給する。第二供給口71は、例えば第二温配管83を介して温タンク50と連結されており、使用者等によって第二吐出操作部73が操作されると、温タンク50で加熱された流体を外部に供給する。
【0017】
冷タンク40及び温タンク50は、例えば、可撓性を有する可撓性素材によって構成されるソフト容器であって、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形されている。また、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。更に、合成樹脂シートを用いる場合には、このシートは、同種又は異種の複数のシートの積層シートであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の積層シートを用いることが出来る。この際、流体を水とする場合には、水と接する面は、臭いの発生しにくい素材を選択することが望ましい。
【0018】
また、冷タンク40及び温タンク50は、可撓性を有し、収容している水の体積(水量)によって容積が増減する。更に、冷タンク40及び温タンク50は、例えば、収容する水が減少するに連れて折り畳まれる折り目線等が設けられており、水の減少に伴って、漸次織り込まれ減容することで、最後まで、水を吐出可能に構成することも出来る。
【0019】
以上のような冷タンク40及び温タンク50は、収容している水の体積によって容積が可変しないハード容器のように通気口が不要で、収容する水が減少するに連れて容積も減少し、収容された水が外気と触れることが無いため、内部での雑菌等の繁殖が防止され、長期に亘って良好な衛生状態を維持することが出来る。
【0020】
また、冷タンク40は、
図1に示すように、例えば、第一冷配管80を介してジョイント部材30と連結されている。更に、冷タンク40は、例えば、第二冷配管81を介して第一供給口70と連結されている。具体的に、第一冷配管80及び第二冷配管81は、合成樹脂製又は金属製のチューブであって、可撓性を有するものが好ましいが、可撓性を有しないものであっても良い。
【0021】
そして、冷タンク40は、ジョイント部材30に流体容器20が装着されると、ジョイント部材30及び第一冷配管80を介して流体容器20から内部に流体が流入される。すると、冷タンク40は、流体容器20から流入された流体を、冷タンク40の外部又は内部に設置された冷却素子や熱交換器等の冷却機構によって所定の温度となるように冷却する。次いで、冷タンク40は、使用者等によって第一吐出操作部72が操作されると、例えば、冷却機構によって冷却された流体を、第二冷配管81を介して第一供給口70に供給して、第一供給口70から外部に供給する。
【0022】
また、温タンク50は、
図1に示すように、例えば、第一温配管82を介してジョイント部材30と連結されている。更に、温タンク50は、例えば、第二温配管83を介して第二供給口71と連結されている。具体的に、第一温配管82及び第二温配管83は、第一冷配管80及び第二冷配管81と同様に、合成樹脂製又は金属製のチューブであって、可撓性を有するものが好ましいが、可撓性を有しないものであっても良い。
【0023】
そして、温タンク50は、ジョイント部材30に流体容器20が装着されると、ジョイント部材30及び第一温配管82を介して流体容器20から内部に流体が流入される。すると、温タンク50は、流体容器20から流入した流体を、温タンク50内に一部又は全部が配置されつつ温タンク50の底面部50bに設置されたヒータユニット60によって所定の温度となるように加熱する。次いで、温タンク50は、使用者等によって第二吐出操作部73が操作されると、例えば、ヒータユニット60によって加熱された流体を、第二温配管83を介して第二供給口71に供給して、第二供給口71から外部に供給する。
【0024】
次いで、温タンク50の底面部50bに取り付けられるヒータユニット60について説明する。ヒータユニット60は、
図2に示すように、例えば、温タンク50内の流体が加熱及び/又は保温可能であって温タンク50内のミネラルウォータ等の流体が直接的に接触可能なように構成され、例えば、カートリッジヒータ、シーズヒータ、セラミックヒータ等、適宜の発熱手段を用いて構成されている。更に、ヒータユニット60は、外周縁部に合成樹脂材料等が一体成形(インサート成形)されて、外周縁部の基底部の全周に外側に張り出す取付フランジ部62が一体に形成されている。勿論、取付フランジ部62は、必ずしもヒータユニット60の外周縁部の基底部に対して一体に形成される必要はない。
【0025】
このようなヒータユニット60は、
図2に示すように、温タンク50の底面部50bに形成されたタンク開口部51から温タンク50内に挿入されて、温タンク50の底面部50bに立設するように配置され、ヒータユニット60の一部又は全部が温タンク50内に収容された流体に対して直接的に接触可能に配置されている。更に、ヒータユニット60は、取付フランジ部62とタンク開口部51の周縁部51aの内周面又は外周面とが面接触された状態で、取付フランジ部62とタンク開口部51の周縁部51aとが接合されることで、温タンク50の底面部50bに一体化して取り付けられている。
【0026】
ヒータユニット60は、先端部を鉛直上方に向けて鉛直方向に平行に配置されている。更に、ヒータユニット60は、奥行き方向の中心が温タンク50の奥行き方向の中心と一致するように、温タンク50の底面部50bに取り付けられている。更に、ヒータユニット60は、奥行き方向と直交する幅方向(本体10の右側面・左側面方向)の中心が温タンク50の幅方向の中心と一致するように、温タンク50の底面部50bに取り付けられている。
【0027】
以上のように、ヒータユニット60は、温タンク50の底面部50bに立設するように取り付けられている。更に、一般的に、熱は鉛直方向の上方に伝わり易く、温められた流体は鉛直方向の上方に移動する性質を有している。従って、ヒータユニット60は、温タンクの最下部である底面部50bに立設するように配設されているので、加熱ヒータ61によって加熱された流体が温タンク50内の鉛直方向の最下部から上方(最上部)に向けて移動して対流するので、ヒータユニット60からの熱が伝わらない領域が殆ど無くなり、加熱ヒータ61による熱を温タンク50内の全流体に効率良く伝達することが出来、温タンク50内の全流体を効率良く加熱することが出来る。更に、ヒータユニット60は、液中、ここでは温タンク50内に収容された水の中に、全外表面が水没し、ヒータユニット60の全方位が流体に触れるように構成されているので、発熱量の全量を流体に伝達することが出来る。
【0028】
また、ヒータユニット60は、伝熱手段61の外周縁部を合成樹脂で一体的に構成し、合成樹脂製の取付フランジ部62で外周縁部を囲繞して一体的に構成することが可能であり、この場合、取付フランジ部62と温タンク50の底面部50bに形成されたタンク開口部51の周縁部51aとを面接触した状態で接合することが出来るので、温タンク50が容量が可変のソフト容器であっても、容易に取り付けることが出来、確実且つ低コストで水密性を確保することが出来る。
【0029】
また、ヒータユニット60は、先端部を鉛直上方に向けて鉛直方向に平行に配置され、奥行き方向の中心が温タンク50の奥行き方向の中心と一致するように、温タンク50の底面部50bに取り付けられることで、温タンク50内の流体に、伝熱手段61による熱を奥行き方向に均等に伝達することが出来、温タンク50内の全流体を効率良く加熱することが出来る。
【0030】
更に、ヒータユニット60は、先端部を鉛直上方に向けて鉛直方向に平行に配置され、幅方向の中心が温タンク50の幅方向の中心と一致するように、温タンク50の底面部50bに取り付けられることで、温タンク50内の流体に、伝熱手段61による熱を幅方向に均等に伝達することが出来、温タンク50内の全流体を効率良く加熱することが出来る。
【0031】
なお、ヒータユニット60は、取付フランジ部62と温タンク50の底面部50bとが接合されることで、温タンク50の底面部50bに取り付けられることに限定されるものではなく、温タンク50の底面部50bに合成樹脂製或いは金属製の板状の取付部材を接合させて、この取付部材に取付フランジ部62を取り付けて、取付部材を介して温タンク50の底面部50bに取り付けられるようにしても良い。
【0032】
また、ヒータユニット60は、取付フランジ部62と取付部材とが直接的に接合されることで、温タンク50の底面部50bに取り付けられることに限定されるものではなく、例えば、取付フランジ部62と取付部材との間にゴムシート等の水密部材を配置しつつ、取付フランジ部62と取付部材とがねじ止めされることで、取付部材を介して温タンク50の底面部50bに着脱可能に取り付けられるように間接的に接合しても良い。
【0033】
また、ヒータユニット60は、伝熱手段61が予め合成樹脂製或いは金属製のフランジ部を有している場合、伝熱手段61に一体成形して取付フランジ部62を別途設けることなく、予め有するフランジ部を温タンク50の底面部50b又は底面部50bに接合された取付部材に接合して、温タンク50の底面部50bに直接的又は間接的に取り付けるようにしても良い。
【0034】
<第二実施例>
第一実施例において、ヒータユニット60は、合成樹脂材料等によって成形される容量が可変の可撓性のソフト容器で構成される温タンク50の底面部50bに取り付けられていたが、第二実施例において、ヒータユニット60は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂材料をブロー成形、射出成形等によって成形して成る、或いは、金属材料等によって形成されて成る容量が可変でないハード容器で構成される温タンク50の底面部50bに取り付けられる。
【0035】
このようなハード容器で構成される温タンク50の底面部50bに取り付けられる場合であっても、ヒータユニット60は、
図2に示すように、ソフト容器で構成される温タンク50の底面部50bに取り付けられる場合と同様に、温タンク50の底面部50bのタンク開口部51から温タンク50内に挿入されて、温タンク50内に殆ど全体が温タンク50内の流体に直接的に接触可能に配置されている。この際、ヒータユニット60は、鉛直方向に平行に配置されつつ、奥行き方向及び/又は幅方向の中心が温タンク50の奥行き方向及び/又は幅方向の中心と一致するように配置されている。更に、ヒータユニット60は、取付フランジ部62とタンク開口部51の周縁部51aの内周面又は外周面とが面接触された状態で、取付フランジ部62とタンク開口部51の周縁部51aとが溶着されることで、温タンク50の底面部50bに一体化して取り付けられている。従って、ヒータユニット60は、ソフト容器で構成される温タンク50の底面部50bに取り付けられる場合と同様の作用効果を有している。
【0036】
なお、ヒータユニット60は、取付フランジ部62と温タンク50の底面部50bとが直接的に接合されることで、温タンク50の底面部50bに取り付けられることに限定されるものではなく、例えば、取付フランジ部62と温タンク50の底面部50bとの間にゴムシート等の水密部材を配置しつつ、取付フランジ部62と温タンク50の底面部50bとがねじ止めされることで、温タンク50の底面部50bに着脱可能に取り付けられるように間接的に接合しても良い。
【0037】
また、ヒータユニット60は、伝熱手段61が予め合成樹脂製或いは金属製のフランジ部を有している場合、伝熱手段61に一体成形して取付フランジ部62を別途設けることなく、予め有するフランジ部を温タンク50の底面部50b又は底面部50bに接合された取付部材に接合して、温タンク50の底面部50bに直接的又は間接的に取り付けるようにしても良い。
【0038】
<変形例>
なお、ヒータユニット60は、単体で用いるだけでなく、複数体を併設配置したり、ヒートシンクと組み合わせて表面積を向上させても好い。
【0039】
また、冷タンク40及び温タンク50は、
図1に示すように、冷タンク40が本体10の奥行き方向の一方側に配置され、温タンク50が他方側に配置されることに限定されるものではなく、冷タンク40が他方側に配置され、温タンク50が一方側に配置されるようにしても良い。更に、冷タンク40及び温タンク50は、
図1に示すように、本体10の奥行き方向に並べて本体10内に配置されることに限定されるものではなく、冷タンク40を温タンク50よりも上方又は下方に配置させて、縦に並べて本体10内に配置されるようにしても好い。
【0040】
また、供給口及び吐出操作部は、
図1に示すように、冷却された流体を供給する第一供給口70及び第一吐出操作部と、加熱された流体を供給する第二供給口71及び第二吐出操作部とに分かれているが、共通の一つの吐出操作部が操作されると、共通の一つの供給口から、冷却された流体と加熱された流体とを切り替えて供給する構造であっても好い。
【0041】
また、ジョイント部材30は、本体10の上面10aの凹部11又は上面10aに取り付けられることに限定されるものではなく、本体10の下部に形成された空間部内の一側面又はこの空間部内に摺動機構によって摺動可能に設置された摺動板上に取り付けられるようにしても好い。この場合には、下部に形成された空間部に流体容器20を収納することが出来るので、ジョイント部材30が本体10の上面10aの凹部11又は上面10aに取り付けられている場合よりも、流体容器20を持ち上げる負担を軽減することが出来、容易に流体容器20の取り付けを行うことが出来る。
【0042】
また、流体容器20は、流体として、水やミネラルウォータ等の他に、ジュース、コーヒー、紅茶などの清涼飲料、飲料水、酒類、醤油、みりん、ドレッシング、味噌などの流体調味料、みそ汁やコーンスープなどの流体料理等を含む飲食料や、工業品等の流体、粘性流体、ゲル状体、スラリー状体などを貯留するようにしても好い。
【符号の説明】
【0043】
1 給液装置、10 本体、10a 上面、10c 前面、10d 後面、11 凹部、20 流体容器、21 口部、30 ジョイント部材、40 冷タンク、50 温タンク、50b 底面部、51 タンク開口部、51a 周縁部、60 ヒータユニット、61 加熱ヒータ、62 取付フランジ部、70 第一供給口、71 第二供給口、72 第一吐出操作部、73 第二吐出操作部、80 第一冷配管、81 第二冷配管、82 第一温配管、83 第二温配管