特許第6484889号(P6484889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484889
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】ヒンジ
(51)【国際特許分類】
   G03B 27/62 20060101AFI20190311BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20190311BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   G03B27/62
   H04N1/00 519
   H04N1/10
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-69484(P2015-69484)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-188974(P2016-188974A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】592264101
【氏名又は名称】下西技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 禎治
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006-201293(JP,A)
【文献】 特開2009-115928(JP,A)
【文献】 特開2011-17391(JP,A)
【文献】 特開2013-25079(JP,A)
【文献】 特開2016-95430(JP,A)
【文献】 特開2016-102879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 27/62
H04N 1/00
H04N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一連結対象物に板状の固定具を介して固定される第一ウイング部材と、
板状部材を折り曲げて形成され、前記第一ウイング部材に固定されるカム部材と、
第二連結対象物に固定されるとともに前記第一ウイング部材に回動軸を介して回動可能に連結され、前記第一ウイング部材に対して開状態と閉状態との間で遷移する第二ウイング部材と、
前記第二ウイング部材に収容されつつ前記カム部材に接近する方向および前記カム部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、
前記スライド部材を前記カム部材に接近する方向に付勢することにより前記スライド部材を前記カム部材に当接させる付勢部材と、を具備し、
前記第一ウイング部材における前記第一連結対象物側の面には、所定幅に形成された孔部が開口され、
前記固定具は、前記第一ウイング部材の側に立設されるとともに挿通孔が開口された板状の固定部が形成され、
前記固定具が前記第一連結対象物に固定され、前記固定部が前記孔部に挿通された状態で、前記第一ウイング部材の側から前記固定部に樹脂製の固定部材が装着されることにより、前記第一ウイング部材が前記第一連結対象物に固定されるヒンジであって、
前記固定部材は、前記固定部に装着した際に前記固定部の一方の面に当接する第一当接部と、前記固定部の他方の面に当接する第二当接部と、前記第一当接部及び前記第二当接部を連結する連結部と、該連結部における前記第一当接部の側に形成されるピン支持部と、前記ピン支持部において前記第二当接部の側に突出するピン部と、を備え、
前記固定部材の前記第一当接部及び前記第二当接部が前記固定部の両面に当接した状態で、前記ピン部が前記固定部の前記挿通孔に挿通されることにより、前記固定部材が前記固定部に装着され、
前記固定部材が前記固定部に装着された際には、前記第一当接部と前記第二当接部とのうち少なくとも何れか一方の先端部が、前記孔部に挿入され、
前記固定部の板厚と、前記孔部に挿入される、前記第一当接部と前記第二当接部とのうち少なくとも何れか一方の先端部の板厚と、の合計の厚さは、前記孔部の所定幅と等しくなるように形成される、ヒンジ。
【請求項2】
前記第一ウイング部材の前記孔部は、前記回動軸に対して直交する方向に長手方向を有する長孔として開口され、
前記固定部が前記長孔に沿って移動することにより、前記第一ウイング部材と前記固定具とが相対変位可能とされ、
前記長孔における一つの長辺の近傍には、前記長手方向に沿って目盛が形成され、
前記固定部材における前記第一当接部、前記第二当接部、前記ピン支持部のうち何れか一つには、前記第一ウイング部材と前記固定具とが相対変位した際に前記目盛に沿って変位する指示部が形成される、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記カム部材は、前記第一ウイング部材において前記回動軸を支持するそれぞれの側板に着脱可能に係止される固定部と、前記固定部の間に配設されて前記第二ウイング部材が閉状態である際の前記スライド部材の側が凸形状となるように前記回動軸と平行な軸回りに屈曲された曲板部と、を備える、請求項1又は請求項2に記載のヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば事務機器の本体に事務機器の原稿圧着板を開閉可能に連結する等、第一連結対象物に第二連結対象物を開閉可能に連結するヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、スキャナー等、オフィスで使用される事務機器の多くは、その本体の上面に原稿読み取り部(コンタクトガラス)を具備するとともに、当該原稿読み取り部を覆う原稿圧着板を具備する。原稿圧着板は、原稿読み取り部に載置された原稿を原稿読み取り部に密着させるとともに原稿読み取り部に対する原稿の位置を保持するものである。
【0003】
事務機器の本体と原稿圧着板とを連結する器具としては、第一ウイング部材と、第一ウイング部材に固定されるカム部材と、第一ウイング部材に回動軸を介して回動可能に連結される第二ウイング部材と、カム部材に接近する方向およびカム部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、スライド部材をカム部材に接近する方向に付勢することによりスライド部材をカム部材に当接させる付勢部材と、を具備するヒンジが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−175130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に係るヒンジによれば、第一ウイング部材を事務機器本体等の第一連結対象物に固定する際に、板状の固定具を用いる方法が知られている。具体的には図14(a)及び(b)に示す如く、第一ウイング部材における第一連結対象物側の面に、所定幅に形成された孔部が開口される。また、固定具には、第一ウイング部材の側に立設されるとともに挿通孔が開口された板状の固定部が形成される。そして、固定具が第一連結対象物に固定され、固定部が孔部に挿通された状態で、ピンが挿通孔に挿入される。その後、第一ウイング部材と固定具とをビス等で連結することにより、第一ウイング部材が第一連結対象物に固定される。
【0006】
しかし、上記の如く構成されたヒンジによれば、孔部と固定部との間に隙間があるため、固定具と第一ウイング部材との間でがたつきが生じ、固定具と第一ウイング部材とをビス等で連結する際に、固定具の固定孔と第一ウイング部材の固定長孔との位置合わせが困難となる場合があった。
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、固定具と第一ウイング部材との間でのがたつきを防止することにより、固定具と第一ウイング部材とをビス等で連結する際の位置合わせが容易となるヒンジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、第一連結対象物に板状の固定具を介して固定される第一ウイング部材と、板状部材を折り曲げて形成され、前記第一ウイング部材に固定されるカム部材と、第二連結対象物に固定されるとともに前記第一ウイング部材に回動軸を介して回動可能に連結され、前記第一ウイング部材に対して開状態と閉状態との間で遷移する第二ウイング部材と、前記第二ウイング部材に収容されつつ前記カム部材に接近する方向および前記カム部材から離間する方向に移動可能なスライド部材と、前記スライド部材を前記カム部材に接近する方向に付勢することにより前記スライド部材を前記カム部材に当接させる付勢部材と、を具備し、前記第一ウイング部材における前記第一連結対象物側の面には、所定幅に形成された孔部が開口され、前記固定具は、前記第一ウイング部材の側に立設されるとともに挿通孔が開口された板状の固定部が形成され、前記固定具が前記第一連結対象物に固定され、前記固定部が前記孔部に挿通された状態で、前記第一ウイング部材の側から前記固定部に樹脂製の固定部材が装着されることにより、前記第一ウイング部材が前記第一連結対象物に固定されるヒンジであって、前記固定部材は、前記固定部に装着した際に前記固定部の一方の面に当接する第一当接部と、前記固定部の他方の面に当接する第二当接部と、前記第一当接部及び前記第二当接部を連結する連結部と、該連結部における前記第一当接部の側に形成されるピン支持部と、前記ピン支持部において前記第二当接部の側に突出するピン部と、を備え、前記固定部材の前記第一当接部及び前記第二当接部が前記固定部の両面に当接した状態で、前記ピン部が前記固定部の前記挿通孔に挿通されることにより、前記固定部材が前記固定部に装着され、前記固定部材が前記固定部に装着された際には、前記第一当接部と前記第二当接部とのうち少なくとも何れか一方の先端部が、前記孔部に挿入され、前記固定部の板厚と、前記孔部に挿入される、前記第一当接部と前記第二当接部とのうち少なくとも何れか一方の先端部の板厚と、の合計の厚さは、前記孔部の所定幅と等しくなるように形成されるものである。
【0010】
請求項2においては、前記第一ウイング部材の前記孔部は、前記回動軸に対して直交する方向に長手方向を有する長孔として開口され、前記固定部が前記長孔に沿って移動することにより、前記第一ウイング部材と前記固定具とが相対変位可能とされ、前記長孔における一つの長辺の近傍には、前記長手方向に沿って目盛が形成され、前記固定部材における前記第一当接部、前記第二当接部、前記ピン支持部のうち何れか一つには、前記第一ウイング部材と前記固定具とが相対変位した際に前記目盛に沿って変位する指示部が形成されるものである。
【0011】
請求項3においては、前記カム部材は、前記第一ウイング部材において前記回動軸を支持するそれぞれの側板に着脱可能に係止される固定部と、前記固定部の間に配設されて前記第二ウイング部材が閉状態である際の前記スライド部材の側が凸形状となるように前記回動軸と平行な軸回りに屈曲された曲板部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るヒンジは、固定具と第一ウイング部材との間でのがたつきを防止することにより、固定具と第一ウイング部材とをビス等で連結する際の位置合わせが容易となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態に係るヒンジを具備する複合機を示す右側面図。
図2】第一実施形態に係るヒンジの60度開放状態を示す右側面図。
図3】第一実施形態に係るヒンジの閉塞状態を示す右側面図。
図4】第一実施形態に係るヒンジの閉塞状態を示す正面図。
図5図4におけるA−A線断面図。
図6】第一実施形態に係るヒンジの60度開放状態を示す断面図。
図7】第一実施形態に係るヒンジの90度開放状態を示す断面図。
図8】カム部材を示す斜視図。
図9】カム部材を形成する前の板状部材を示した図。
図10】(a)は第一ウイング部材の固定状態を示す平面図、(b)は図11(a)におけるB−B線断面図。
図11】(a)及び(b)は固定部材を示す右側斜視図及び左側斜視図。
図12】(a)及び(b)は固定部材を示す正面図及び右側側面図。
図13】(a)及び(b)は10(a)におけるC−C線断面図及びD−D線断面図。
図14】(a)は従来技術に係る第一ウイング部材の固定状態を示す平面図、(b)は図14(a)におけるX−X線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では図1を用いて事務機器の実施の一形態である複合機1について説明する。
複合機1は本体2および原稿圧着板3を具備する。本実施形態において、複合機1は本発明の第一実施形態に係るヒンジ100を具備する構成とするが、複合機1が後述する他の実施形態に係るヒンジを具備する構成とすることも可能である。
【0015】
本体2は本発明に係る第一連結対象物の実施の一形態である。
本体2は原稿読み取り装置、制御装置、印刷装置、表示装置および入力装置を具備する。
原稿読み取り装置は本体2の上面に配置される。原稿読み取り装置は本体2の上面に載置された原稿を読み取る(原稿の画像情報を生成する)。
制御装置は複合機1の各部の動作、より詳細には原稿読み取り装置、後述する印刷装置および後述するADFの動作を制御する。
また、制御装置は原稿読み取り装置が生成した画像情報および本体2に接続された回線(インターネット回線等)を通じて取得した画像情報を記憶することが可能である。
印刷装置は原稿読み取り装置の下方に配置される。印刷装置は制御装置が記憶した画像情報に基づいて所定の用紙に画像を印刷する。
表示装置は例えば液晶パネルからなり、複合機1の動作状況等に係る情報を表示する。
入力装置は例えばボタン、スイッチ等からなり、作業者が複合機1に対する指示等を入力する際に操作する。表示装置および入力装置は本体2の上面前部に配置される。
【0016】
原稿圧着板3は本発明に係る第二連結対象物の実施の一形態である。
原稿圧着板3は原稿読み取り装置の上に載置された原稿を原稿読み取り装置に向かって押さえつける(圧着する)ことにより、原稿読み取り装置が原稿を読み取る際に原稿が動く(原稿読み取り装置との相対的な位置が変化する)ことを防止する。
原稿圧着板3は読取前原稿収容トレイ、ADF(Auto Document Feeder)および読取後原稿収容トレイを具備する。
ADFは読取前原稿収容トレイに積層状態で収容された複数枚の原稿を一枚ずつ順に取り出して原稿読み取り装置の上の所定の読取位置に載置する。原稿読み取り装置による原稿の読み取りが終了した後、ADFは読取位置に載置された原稿を読取後原稿収容トレイに搬送する。
【0017】
「事務機器」は、少なくとも原稿を読み取る(原稿の画像情報を取得する)機能を具備する装置を指す。
事務機器の具体例としては、(a)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報を他の機器(例えば、パーソナルコンピュータ)に送信する機能を具備するスキャナー、(b)原稿を読み取る機能、通信回線を介して読み取った原稿に係る画像情報を他の機器に送信する機能および他の機器から取得した画像情報をプリントアウトする機能を具備するファクス、(c)原稿を読み取る機能および読み取った原稿に係る画像情報をプリントアウトする機能を具備するコピー機、(d)上記スキャナー、ファクス、およびコピー機としての機能を兼ねる複合機、等が挙げられる。
【0018】
以下で詳述する各実施形態に係るヒンジはいずれも複合機1の本体2に原稿圧着板3を開閉可能(回動可能)に連結する用途に用いられるが、本発明に係るヒンジの用途はこれに限定されない。
すなわち、本発明に係るヒンジは、「二つの部材のうちの一方の部材(第一連結対象物)に他方の部材(第二連結対象物)を開閉可能に連結する用途」に広く適用可能である。
本発明に係るヒンジが適用される他の用途の具体例としては、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途、等が挙げられる。
【0019】
以下の説明では、原稿圧着板3が閉じているとき(原稿圧着板3の下面が本体2の上面に当接しているとき)の原稿圧着板3の回動角度θ(より厳密には、本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θ)を「0°」とし、原稿圧着板3が開く方向に回動した場合に回動角度θが増加する(回動角度θが正になる)ように原稿圧着板3の回動角度θを定義する(図1参照)。
【0020】
以下では、図1から図9を用いて本発明に係るヒンジの第一実施形態であるヒンジ100について説明する。
図1に示す如く、ヒンジ100は複合機1の本体2に原稿圧着板3を回動可能に連結する。
図2から図7に示す如く、ヒンジ100は下部固定部材110、中間部材20、第一回動ピン71、一対の軸受け74、上部固定部材30、第二回動ピン72、受圧ピン73、第一スライダ40、第二スライダ50、バネ60、ダンパー62、およびカム部材160を具備する。
以下では便宜上、原稿圧着板3が本体2に対して閉じているとき(回動角度θ=0°のとき)の複合機1の上下方向、前後方向および左右方向を基準として(原稿圧着板3が本体2に対して閉じているときの複合機1の上下方向、前後方向および左右方向をそれぞれヒンジ100の上下方向、前後方向および左右方向に対応させて)ヒンジ100を構成する各部材の形状を説明する。
【0021】
下部固定部材110は本発明に係る第一ウイング部材の実施の一形態である。下部固定部材110は板状の固定具120を介して複合機1の本体2に固定される。
本実施形態の下部固定部材110は一枚の金属板を適宜折り曲げることにより成形される。下部固定部材110は底板111、左右の側板112・112、および背板113を具備する。
【0022】
底板111は下部固定部材110の下部を成す板状の部材である。底板111は上下一対の板面を有する。底板111の形状は平面視で前後方向にやや長い概ね長方形である。
【0023】
側板112は下部固定部材110における左右それぞれの側部を成す板状の部材である。側板112は側面視で概ね前下がりの階段の如き形状を有する。側板112の下端部は底板111の端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板111および側板112・112が形成される)。側板112の後上端部には、第一回動ピン71を挿通するための貫通孔が開口される。貫通孔の下方には固定孔112bが開口される。固定孔112bの後方にはカム部材160を係止するための円筒状の係止部112aが内側(底板111の側)に向かって突出されている。
【0024】
背板113は下部固定部材110の後部を成す板状の部材である。背板113は前後一対の板面を有する。背板113の形状は正面視で左右方向にやや長い概ね長方形である。
背板113の下端部は底板111の後端部に繋がっている(一枚の金属板を直角に折り曲げることにより、底板111および背板113が形成される)。
背板113の左右の端部には側方に突出する図示しない突起部が形成され、この突起部が側板112に貫装されることにより、下部固定部材110は強固な構造体を成す。
【0025】
中間部材20は一枚の金属板を適宜折り曲げることにより、天板及び二枚の側板で形成される略筒状の部材である。中間部材20は、後述する如く第一スライダ40、第二スライダ50、バネ60、ダンパー62等を収容した状態で、第一回動ピン71を介して下部固定部材110に回動可能に支持される。中間部材20の後部には、第一回動ピン71を挿通するための貫通孔が左右方向に開口されている。
【0026】
第一回動ピン71は本発明に係る「第一ウイング部材に対する第二ウイング部材の回動軸(第二ウイング部材を第一ウイング部材に回動可能に連結する回動軸)」の実施の一形態であり、概ね円柱形状の部材である。
軸受け74は概ねリング状(薄い円筒形状)の部材であり、第一回動ピン71を下部固定部材110の側板112に開口された貫通孔に回転可能に軸支する。
【0027】
第一回動ピン71は、中間部材20に形成された貫通孔及び下部固定部材110の側板112に嵌装された軸受け74の貫通孔に挿通される。そして、中間部材20は第一回動ピン71を介して下部固定部材110に回動可能に連結される。
なお、図示せぬEリングが第一回動ピン71の外周面の両端部に嵌装されることにより、第一回動ピン71は中間部材20および下部固定部材110から脱落しない。
【0028】
上部固定部材30は一枚の金属板を適宜折り曲げることにより、天板及び二枚の側板で形成される略筒状の部材である。上部固定部材30は後述する如く第二回動ピン72を介して中間部材20に回動可能に支持される。また、上部固定部材30は原稿圧着板3に固定されている。上部固定部材30の上面には調節ねじ31が螺入されており、調節ねじ31を螺入する長さを調節することにより、上部固定部材30の中間部材20に対する位置を調節することができる。
【0029】
第二回動ピン72は上部固定部材30を中間部材20に回動可能に連結する回動軸を成す部材である。第二回動ピン72は一対の端面および外周面を有する概ね円柱形状の部材であり、上部固定部材30及び中間部材20の前部に挿通される。その結果、上部固定部材30は第二回動ピン72を介して中間部材20に回動可能に連結される。なお、図示せぬEリングが第二回動ピン72の外周面の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装されることにより、第二回動ピン72は上部固定部材30および中間部材20から脱落しない。
【0030】
受圧ピン73は一対の端面および外周面を有する概ね円柱形状の部材であり、受圧ピン73の外周面の両端部(一対の端面の近傍となる部分)には、受圧ピン73の周方向に沿ってリング状の溝が形成される。受圧ピン73を上部固定部材30に貫装することにより、受圧ピン73は上部固定部材30に軸支される。なお、図示せぬEリングが受圧ピン73の外周面の両端部に形成されたリング状の溝に嵌装されることにより、受圧ピン73は上部固定部材30から脱落しない。
【0031】
第一スライダ40は本発明に係るスライド部材の実施の一形態である。本実施形態の第一スライダ40は樹脂材料からなる。
第一スライダ40は後面の下半部で後側に突出して形成されるカム当接面41、及び、後面の上半部に形成される回動ピン支持面42を備える。第一スライダ40にはバネ60の後端部を収容するバネ受け穴が形成されている。バネ受け穴の底面には、ダンパー62の先端部62aを押圧する押圧突起部43が第二回動ピン72の側に向かって突出して形成されている。第一スライダ40は中間部材20の内部における後部で前後方向に摺動可能に収容される。
【0032】
第二スライダ50はカバー部51を具備する部材である。本実施形態の第二スライダ50は樹脂材料からなる。カバー部51は第一スライダ40又は第二スライダ50からグリスが下方に垂れることを防止している。
第二スライダ50にはバネ60の後端部を収容するバネ受け穴が形成されている。カバー部51は板状の部分であり、カバー部51の前端部は第二スライダ50の後端部かつ下端部となる部分に繋がっている。第二スライダ50は中間部材20の内部における前部で前後方向に摺動可能に収容される。
【0033】
本実施形態では、「中間部材20、上部固定部材30、第二スライダ50、第二回動ピン72および受圧ピン73を合わせたもの」が本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態に相当する。言い換えれば、本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態は、中間部材20、上部固定部材30、第二スライダ50、第二回動ピン72および受圧ピン73を具備する。そして、上部固定部材30が原稿圧着板3に固定されることにより、第二ウイング部材は第二連結対象物に固定される。
【0034】
本実施形態においては、第二ウイング部材が第一ウイング部材に最も近接した状態を第二ウイング部材の「閉状態」(原稿圧着板3が本体2に対して閉じている状態(回動角度θ=0°))とし、第二ウイング部材が第一ウイング部材から最も離間した状態を第二ウイング部材の「開状態」(原稿圧着板3が本体2に対して開いている状態(回動角度θ=90°))とする。
【0035】
バネ60は金属製の巻きバネ(圧縮バネ)であり、本発明に係る付勢部材の実施の一形態である。バネ60は中間部材20の内部に収容される。
【0036】
バネ60の後端部は第一スライダ40に形成されたバネ受け穴に挿入されてバネ受け穴の底面に当接する。また、バネ60の前端部は第二スライダ50に形成されたバネ受け穴に挿入されてバネ受け穴の底面に当接する。
【0037】
バネ60が発生する付勢力、すなわち、圧縮される方向に弾性変形したバネ60が元の形状(外力が作用していないときの形状)に戻ろうとする力(弾性力)により、第一スライダ40は中間部材20の長手方向のうち第一回動ピン71に接近する方向に付勢され、第二スライダ50は中間部材20の長手方向のうち受圧ピン73に接近する方向に付勢される。
【0038】
第二スライダ50に形成されたバネ受け穴には、ダンパー62が収容されている。ダンパー62は、その先端部62aが第一回動ピン71の側に突出するように配設されている。ダンパー62は、第一スライダ40のバネ受け穴に形成された押圧突起部43によって先端部62aが押圧力を受けたときに反力を発生させる。このため、当該反力により第一スライダ40が移動する速度が小さくなり、ダンパー62による緩衝効果が発生する。ダンパー62は一般的な流体ダンパーであり、ダンパー62の本体部は第二スライダ50の内部における所定の位置に固定される。
【0039】
カム部材160は本発明に係るカム部材の実施の一形態である。
カム部材160は図8及び図9に示す如く、金属製の板状部材16を折り曲げて形成された部材であり、下部固定部材110に固定される。カム部材160は、固定部として板状の上側固定部161・161と、板状の下側固定部162・162とを備える。そして、それぞれの上側固定部161・161及び下側固定部162・162の間に配設される曲板部163を備えて構成される。
【0040】
カム部材160を形成する際は、図9に示す如く、矩形形状の四隅に上側固定部161・161及び下側固定部162・162が形成されるように板状部材16を切り取る。そして、上側固定部161・161及び下側固定部162・162を板状部材16における同じ側に90度折り曲げ、矩形形状の中央部(図9における点線斜線部分)を180度屈曲させて曲板部163を形成することにより、図8に示す如くカム部材160を形成するのである。
【0041】
上側固定部161・161及び下側固定部162・162は、下部固定部材110において第一回動ピン71を支持するそれぞれの側板112・112に着脱可能に係止される。具体的には、それぞれの上側固定部161・161には、内周部が略半円状に形成された第一係止部161a・161aが形成されている。図5から図7に示す如く、第一係止部161a・161aの内周形状は第一回動ピン71の外周形状と略同径に形成されている。そして、第一係止部161a・161aを第一回動ピン71に係止することにより、上側固定部161・161が側板112・112に係止されるのである。
【0042】
また、それぞれの下側固定部162・162には、内周部が半円状に、上側固定部161・161よりも小径に形成された第二係止部162a・162aが形成されている。図5から図7に示す如く、第二係止部162a・162aの内周形状は側板112・112から突出する係止部112aの外周形状と略同径に形成されている。そして、第二係止部162a・162aを係止部112aに係止することにより、下側固定部162・162が側板112・112に係止されるのである。
【0043】
上記の如く、第一係止部161a・161a及び第二係止部162a・162aはそれぞれ、略半円状に形成されている。そして、第一係止部161a・161a及び第二係止部162a・162aを第一回動ピン71及び係止部112aに係止する構成であるため、カム部材160は下部固定部材110に対して容易に着脱することができる。
【0044】
本実施形態においては、カム部材160を下部固定部材110に取付けた状態において、下側固定部162における側板112の固定孔112bと同じ位置となるように、固定孔162bが開口されている。そして、固定孔112bと固定孔162bとに図示しないボルト等の固定具を挿通し、ナット等で締結することにより、カム部材160を下部固定部材110に対して堅固に固定することができる。
【0045】
カム部材160を下部固定部材110に対して取付けた際には、図5から図7に示す如く、曲板部163は前方(本実施形態における第二回動ピン72の側)に向かうように配設される。換言すれば、曲板部163は、第二ウイング部材が閉状態である際の第一スライダ40部材の側が凸形状となるように、第一回動ピン71と平行な軸回りに屈曲されているのである。
【0046】
カム部材160を下部固定部材110に取付け、第二ウイング部材を閉状態とした際には、第一スライダ40のカム当接面41はカム部材160の曲板部163に当接するとともに、第二スライダ50が受圧ピン73の外周面に当接する。
【0047】
その結果として、バネ60に生じる弾性力により、中間部材20(ひいては本発明に係る第二ウイング部材の実施の一形態)は下部固定部材110に対して開く方向(本実施形態では、右側面視で反時計回りとなる方向)に回動するように付勢され、上部固定部材30は中間部材20に対して閉じる方向(本実施形態では、右側面視で反時計回りとなる方向)に回動するように付勢される。この際、ダンパー62の先端部62aは第一スライダ40の押圧突起部43によって押圧され、本体部の側に押し込まれる。
【0048】
本実施形態では、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θが0°からφ°までの範囲にあるとき(0°≦θ≦φ°のとき)、上部固定部材30に固定された原稿圧着板3の自重に起因してヒンジ100を閉じようとする回転力(中間部材20を下部固定部材110に対して右側面視で時計回りに回動させようとする回転力)と、バネ60の付勢力に起因してヒンジ100を開こうとする回転力(中間部材20を下部固定部材110に対して右側面視で反時計回りに回動させようとする回転力)と、が概ね平衡するように、第一スライダ40のカム当接面41の形状等が予め定められる。
このように構成することにより、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θが0°からφ°までの範囲において作業者が原稿圧着板3から手を離した場合には、回動角度θが保持される。
【0049】
また、本実施形態では、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θがφ°から90°までの範囲にあるとき(φ°<θ≦90°のとき)、第一スライダ40の回動ピン支持面42が第一回動ピン71の外周面に当接し、第一スライダ40がカム部材160に接近する方向に移動することが規制されるとともに、第一スライダ40のカム当接面41がカム部材160の曲板部163から離間する。
本実施形態の第一回動ピン71の軸線方向に垂直な面における断面形状は円形であるため、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θがφ°から90°までの範囲で変化しても、(厳密には中間部材20に対する上部固定部材30の回動角度が変化しない限りにおいて)中間部材20に対する第一スライダ40の位置、ひいてはバネ60の全長(バネ60が発生する付勢力)は変化しない。
【0050】
従って、複合機1の本体2に対する原稿圧着板3の回動角度θがφ°から90°までの範囲にあるときには、(厳密にはバネ60の付勢力に起因して第一スライダ40の回動ピン支持面42と第一回動ピン71の外周面との当接部分には摩擦力が作用するが)実質的にはバネ60の付勢力が第一スライダ40を介してカム部材160に作用しなくなり、ひいてはバネ60の付勢力に起因してヒンジ100を開こうとする回転力(中間部材20を下部固定部材110に対して右側面視で反時計回りに回動させようとする回転力)がヒンジ100に作用しなくなる。
なお、φの値は後述するカム部材160によるバネ60の付勢力の調整の結果、多少変動する場合がある。
【0051】
本実施形態に係るヒンジ100によれば、カム部材160を別形状のカム部材に付け替えることにより、バネ60の付勢力を調整することができる。即ち、本体2と原稿圧着板3との連結状態を維持したままで、第一スライダ40がカム部材に当接する位置を変更可能とし、バネ60を交換するといった作業を伴わずにバネ60の付勢力を調整できる。
【0052】
また、カム部材160は、金属製の板状部材16を折り曲げて形成された単一の部材で構成されるため、部品点数を増加させることなく、コストを抑制してバネ60の付勢力を調整可能とできる。
さらに、カム部材を別形状とすることで当接部(曲板部)の位置を任意に設定することができる。つまり、第一スライダ40がカム部材に当接する位置を変更してバネ60の付勢力を柔軟に調整することが可能となるのである。
【0053】
また、本実施形態に係るヒンジ100において、カム部材160は、固定部の一端部である上側固定部161・161に第一係止部161a・161aが形成される。そして、第一係止部161a・161aが第一回動ピン71に着脱可能に係止されている。また、固定部の他端部である下側固定部162・162に第二係止部162a・162aが形成される。そして、第二係止部162a・162aが下部固定部材110の側板112・112から突出した係止部112aに着脱可能に係止される。これにより、ボルト等の固定具を外すだけで下部固定部材110に対してカム部材160を容易に着脱することができる。つまり、カム部材160を別形状のカム部材に付け替えることを容易に行うことができる。
【0054】
以下では、図10から図13を用いて本発明に係るヒンジ100における下部固定部材110を本体2に対して固定する手法について説明する。
【0055】
図10(a)及び(b)に示す如く、本実施形態において下部固定部材110は、板状の固定具120(具体的には、固定具120の底部を形成する固定板部121)を介して本体2に固定される。詳細には、下部固定部材110において、底板111の後端部かつ左右中央部となる部分には貫通孔111aが形成される。また、背板113の下部かつ左右略中央部となる部分には、固定孔113aが形成される。固定板部121には、下部固定部材110の側(上側)に立設されるとともに、固定孔122aが開口された固定部122が形成されている。固定孔122aの内周面には雌ねじ部が形成されている。
【0056】
また、図10(a)及び(b)に示す如く下部固定部材110における本体2の面(底板111)には、第一回動ピン71に対して直交する方向(前後方向)に長手方向を有する孔部であり、左右方向が所定幅dに形成された長孔111bが開口される(図13を参照)。また、底板111には前後方向に長手方向を有する固定長孔111dが開口される。さらに、固定板部121には、下部固定部材110の側(上側)に立設されるとともに挿通孔123aが開口された板状の固定部123が形成されている。そして、固定板部121には、下部固定部材110に組付けた際に固定長孔111dと対応する部分に固定孔124が開口されている。
【0057】
このような構成において、固定板部121が本体2に固定された後に、固定部122が貫通孔111aに挿通されると同時に固定部123が長孔111bに挿通される。そして、固定孔113aに固定ボルト141が挿入され、固定孔122aに固定ボルト141が螺入される。さらに、下部固定部材110の側である上側から固定部123に樹脂製の固定部材150が装着される。その後、固定板部121の固定孔124と下部固定部材110の固定長孔111dとに図示しないビス等を螺入させることにより、下部固定部材110が本体2に固定される。本実施形態においては、固定孔122aに対する固定ボルト141の螺入長さを調節することにより、固定板部121及び本体2に対する下部固定部材110の前後位置を調節可能としている。
【0058】
図11から図13に示す如く、固定部材150は、固定部123に装着した際に固定部123の左面に当接する第一当接部151・151と、固定部123の右面に当接する第二当接部152と、第一当接部151・151及び第二当接部152を連結する連結部153と、連結部153における第一当接部151・151の側であって第一当接部151・151の間に形成されるピン支持部154と、ピン支持部154において第二当接部152の側である右側面に突出するピン部155と、を備える。
【0059】
第一当接部151・151は連結部153の左側端部から下方に延出された二本の角柱状に形成される。第二当接部152は連結部153の右側端部から下方に延出された板状に形成される。第二当接部152の右側面にはストッパ部152a・152aが突出して形成される。また、第二当接部152には厚さ方向に貫通する貫通孔152bが形成される。固定部材150が固定部123に装着された状態では、この貫通孔152bを通ってピン部155を押してピン指示部154を弾性変形させることにより、固定部材150を固定部123から取り外すことができる。ピン支持部154の左側面には指示部156が突出して形成される。
【0060】
固定部材150を固定部123に装着する際には、固定部123の上方から固定部材150を近接させる。そして、固定部材150の第一当接部151・151及び第二当接部152で固定部123を挟んだ状態で、第一当接部151・151及び第二当接部152を固定部123の両面に当接させる(固定部123を第一当接部151・151及び第二当接部152の間に挿入する)。さらに固定部材150を下方に移動させると、ピン指示部154のピン部155が固定部123に押圧されてピン指示部154が右側に弾性変形する。その後、図13(a)及び(b)に示す如く、ピン部155が固定部123の挿通孔123aに挿入されてピン指示部154が元の状態に戻る。これにより、ピン部155が挿通孔123aに係合することで、固定部材150が固定部123に装着される。
【0061】
固定部材150が固定部123に装着された際には、図13(a)及び(b)に示す如く、第一当接部151・151と第二当接部152の先端部が、長孔111bに挿入される。この際、第二当接部152のストッパ部152a・152aは底板111に当接する。本実施形態において、固定部123の板厚と、長孔111bに挿入される第一当接部151・151と第二当接部152の先端部との先端部の板厚と、の合計の厚さは、長孔111bの所定幅dと等しくなるように形成される。
【0062】
本実施形態に係るヒンジ100によれば上記の如く、長孔111bの所定幅dを、固定部123、第一当接部151・151、及び、第二当接部152で充足する構成としている。これにより、長孔111bの所定幅dの方向に隙間が生じなくしている。このため、固定具120と下部固定部材110との間でがたつきを防止することができる。即ち、固定具120と下部固定部材110とをビス等で連結する際に、固定具120の固定孔124と下部固定部材110の固定長孔111dとの位置合わせが容易となる。
【0063】
なお、本実施形態においては、第一当接部151・151と第二当接部152との双方の先端部が長孔111bに挿入される構成としたが、長孔111bの所定幅dが充足される構成であれば、第一当接部151・151と第二当接部152とのうち何れか一方の先端部が長孔111bに挿入される構成としても差し支えない。
【0064】
また、本実施形態においては、作業者が手作業で固定部材150を用いて下部固定部材110を固定板部121に対して固定することができるため、作業効率が向上する。また、金属製の圧入ピンではなく、樹脂製の固定部材150を用いているため、ヒンジ100を軽量化することができる。また、挿通孔123aに対してピン部155が水平方向に挿入される構成であるため、輸送時等の振動によって固定部材150が脱落することを防止できる。
【0065】
また、本実施形態に係るヒンジ100によれば、固定孔122aに対する固定ボルト141の螺入長さを調節することにより、固定板部121及び本体2に対する下部固定部材110の前後位置を調節可能としている。この際、固定部123が長孔111bに沿って移動することにより、下部固定部材110と固定具120とが相対変位可能とされる。また、長孔111bにおける左側の長辺の近傍には、長手方向である前後方向に沿って目盛111cが形成されている。そして、下部固定部材110と固定具120とが相対変位した際に、ピン支持部154の左側面に形成された指示部156が目盛111cに沿って変位する。
【0066】
上記の如く本実施形態に係るヒンジ100においては、指示部156と目盛111cとの位置関係を用いて、固定板部121及び本体2に対する下部固定部材110の前後位置を調節することができる。なお、本実施形態において、支持部156はピン指示部154に形成したが、ピン支持部を第一当接部151又は第二当接部152に形成する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
20 中間部材(第二ウイング部材の一部)
30 上部固定部材(第二ウイング部材の一部)
40 第一スライダ(スライド部材)
50 第二スライダ(第二ウイング部材の一部)
60 バネ(付勢部材)
71 第一回動ピン(回動軸)
110 下部固定部材(第一ウイング部材)
111b 長孔
120 固定具
123 固定部
150 固定部材
d 所定幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14