(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6485198
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】共振インバータおよび共振型電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20190311BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20190311BHJP
H02M 3/337 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
H02M7/48 P
H02M3/28 Q
H02M3/337 D
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-96989(P2015-96989)
(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公開番号】特開2016-213995(P2016-213995A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今井 克憲
【審査官】
栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−284088(JP,A)
【文献】
米国特許第05450305(US,A)
【文献】
国際公開第2015/156689(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 3/28
H02M 3/337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互にオンオフする第1のスイッチ及び第2のスイッチと、
第1のコンデンサは、前記第1のスイッチと並列に接続され、
第2のコンデンサは、前記第2のスイッチと並列に接続され、
第1のコイルは、前記第1のスイッチと第1の入力端子との間に備え、
第2のコイルは、前記第2のスイッチと前記第1の入力端子との間に備え、
前記第1のスイッチを含み、前記第1のコイルと前記第1のコンデンサによる第1の共振回路を備えた第1のインバータと、
前記第2のスイッチを含み、前記第2のコイルと前記第2のコンデンサによる第2の共振回路を備えた第2のインバータと、を備え、
第3のコンデンサは、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に備えられると共に、直列に接続された前記第1のコイルと前記第2のコイルに対して並列に接続され、
前記第1のコイルと前記第2のコイルと前記第3のコンデンサにより第3の共振回路が構成され、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に備えられ、第4の共振回路を形成する第4のコンデンサ及び第3のコイルを有することを特徴とする共振インバータ。
【請求項2】
交互にオンオフする第1のスイッチ及び第2のスイッチと、
第1のコンデンサは、前記第1のスイッチと並列に接続され、
第2のコンデンサは、前記第2のスイッチと並列に接続され、
第1のコイルは、前記第1のスイッチと第1の入力端子との間に備え、
第2のコイルは、前記第2のスイッチと前記第1の入力端子との間に備え
前記第1のスイッチを含み、前記第1のコイルと前記第1のコンデンサによる第1の共振回路を備えた第1のインバータと、
前記第2のスイッチを含み、前記第2のコイルと前記第2のコンデンサによる第2の共振回路を備えた第2のインバータと、
を備え、
第3のコンデンサは、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に備えられると共に、直列に接続された前記第1のコイルと前記第2のコイルに対して並列に接続され、
前記第1のコイルと前記第2のコイルと前記第3のコンデンサにより第3の共振回路が構成され、
前記第1のスイッチと並列に設けられた第5のコイル及び第5のコンデンサの直列接続を備える第5の共振回路と、前記第2のスイッチと並列に設けられた第6のコイル及び第6のコンデンサの直列接続を備える第6の共振回路を有することを特徴とする共振インバータ。
【請求項3】
交互にオンオフし第1のスイッチ及び第2のスイッチと、1次側の第1巻線と第2巻線を有するトランスと、
第1のコンデンサは、前記第1のスイッチと並列に接続され、
第2のコンデンサは、前記第2のスイッチと並列に接続され、
第1のコイルは、前記第1のスイッチと前記トランスの前記第1巻線の一端に接続され、
第2のコイルは、前記第2のスイッチと前記トランスの前記第2巻線の一端に接続され、
前記第1のスイッチを含み、前記第1のコイルと前記第1のコンデンサによる第1の共振回路を備えた第1のインバータと、
前記第2のスイッチを含み、前記第2のコイルと前記第2のコンデンサによる第2の共振回路を備えた第2のインバータと、を備え、
第3のコンデンサは、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に備えられ、
前記第1のコイルと前記第2のコイルと前記第3のコンデンサにより第3の共振回路が構成さることを特徴とする共振インバータ。
【請求項4】
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとの間に備えられ、第4の共振回路を形成する第4のコンデンサ及び第3のコイルを有することを特徴とする請求項3に記載の共振インバータ。
【請求項5】
前記第1のスイッチと並列に設けられた第5のコイル及び第5のコンデンサの直列接続を備える第5の共振回路と、前記第2のスイッチと並列に設けられた第6のコイル及び第6のコンデンサの直列接続を備える第6の共振回路を有することを特徴とする請求項3に記載の共振インバータ。
【請求項6】
前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記トランスの第1巻線と、前記トランスの第2巻線と、前記第3のコンデンサを備える第7の共振回路を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の共振インバータ。
【請求項7】
前記第1のコイルと、前記第2のコイルは、前記トランスのリーケージインダクタンスにより構成することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の共振インバータ。
【請求項8】
前記トランスの前記第1巻線と前記第2巻線との間に設けられた中間タップは、入力電圧が印加される入力端子と接続されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の共振インバータ。
【請求項9】
前記第3のコンデンサの容量Cfは、前記第1のコイルまたは前記第2のコイルのインダクタンスをLfとし、前記第1のスイッチまたは前記第2のスイッチを駆動する駆動周波数をFsとすると、以下(1)式を満たすことを特徴とする請求項1
又は2に記載の共振インバータ。
【数1】
【請求項10】
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、及び前記第3のコンデンサは、可変容量コンデンサであることを特徴とする請求項1、2又は9に記載の共振インバータ。
【請求項11】
前記第3のコンデンサの容量Cfは、前記第1のコイルまたは前記第2のコイルのインダクタンスをLfとし、前記第1のスイッチまたは前記第2のスイッチを駆動する駆動周波数をFsとすると、以下(1)式を満たすことを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の共振インバータ。
【数1】
【請求項12】
前記第1のコンデンサ、前記第2のコンデンサ、及び前記第3のコンデンサは、可変容量コンデンサであることを特徴とする請求項3〜8及び11のいずれか一項に記載の共振インバータ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の共振インバータと、前記共振インバータと接続される共振整流器を含むことを特徴とする共振型電源装置。
【請求項14】
請求項3〜7及び11〜12のいずれか一項に記載の共振インバータと、前記共振インバータと接続される共振整流器を含み、
前記共振整流器は、複数の共振整流回路を備え
前記第1のスイッチと前記トランスの第1巻線との間、及び前記第2のスイッチと前記トランスの第2巻線との間に、前記共振整流回路をそれぞれ備えることを特徴とする共振型電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチの動作電圧を容易に低減できる共振インバータおよび共振型電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、絶縁型共振コンバータが開示されている。これは、共振インバータ出力を絶縁して負荷に供給する際に、共振整流器側に絶縁トランスを設けたものである。また、特許文献2には、非絶縁共振コンバータが開示されている。これは、180度の位相差を持った2つのスイッチが交互にオン、オフし、負荷に電力供給するものである。開示された共振コンバータ技術を用いることで、スイッチ電圧が低く、電力の大きな、共振コンバータを作成することが可能である。また、特許文献1、特許文献2ともに、スイッチのドレイン−ソースインピーダンスを駆動周波数と駆動周波数の3倍のときに最大にし、駆動周波数の約2倍のときに最低にすることによって、スイッチ電圧を低減することが開示されている。また、下記非特許文献1には、DE級コンバータにおいて、負荷抵抗に電力を供給する為に、スイッチのドレイン−ソース間容量を最適化する方法が開示されている。
【0003】
開示されている共振インバータは、シングルエンドのインバータを2つ結合したものであり、単純にシングルエンドインバータの2倍の電力を扱うことが可能になる。また、一般的に高周波のインバータに於いて、ブリッジ回路等のハイサイドスイッチを高周波で駆動することは、短い時間のデッドタイムを保証しなければならず、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチの貫通電流防止の観点で難しい。これに対して、開示されている共振インバータはローサイドスイッチのみを駆動する為、高周波駆動のインバータの電力範囲を拡大するのに有効な方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7889519号明細書
【特許文献2】米国特許第7924580号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】電子通信情報学会技術報告EEvol.107(330),p51〜56,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば上記非特許文献1に開示されている方法で共振インバータを構成すると、負荷抵抗を最初に決定してドレイン−ソース間容量を決める場合、負荷抵抗が大きいとドレイン−ソース間容量が小さくなるため、スイッチの動作電圧が大きくなってしまう問題がある。これは、スイッチの動作電圧を低減する為にドレイン−ソース間容量を大きくし、ドレイン−ソース間容量を基に各共振器を設定してしまうと、結果的に最適動作となる負荷抵抗値が下がることになり、抵抗値が大きい条件では、最適動作点を外れてしまうからである。この為、負荷抵抗によってスイッチのドレイン−ソース間容量を決定したときに、スイッチのドレイン−ソース間容量に影響を与えずに、スイッチの動作電圧を低減することが課題となる。
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、どのような負荷抵抗であっても、スイッチの動作電圧を低減でき、かつ装置の小型化や低コスト化が可能な共振インバータおよび共振型電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決する為に、本発明に係る共振インバータは、交互にオンオフする第1のスイッチ及び第2のスイッチと、第1のスイッチを含み、第1のコイルと第1のコンデンサによる第1の共振回路を備えた第1のインバータと、第2のスイッチを含み、第2のコイルと第2のコンデンサによる第2の共振回路を備えた第2のインバータと、を備え、第1のコイルと第2のコイルと第3のコンデンサにより第3の共振回路が構成される。これにより、スイッチオフ時に設定した共振周波数でドレイン−ソースインピーダンスを下げる事ができるので、スイッチの動作電圧を低減することができる。
【0009】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のコンデンサは、第1のスイッチと並列に接続され、第2のコンデンサは、第2のスイッチと並列に接続され、第1のコイルは、第1のスイッチと第1の入力端子との間に備え、第2のコイルは、第2のスイッチと第1の入力端子との間に備え、第3のコンデンサは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に備えられると共に、直列に接続された前記第1のコイルと前記第2のコイルに対して並列に接続されていてもよい。これにより、スイッチの動作電圧を低減することができる。
【0010】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に備えられ、第4の共振回路を形成する第4のコンデンサ及び第3のコイルを有していてもよい。これにより、スイッチの動作電圧を低減することができると共に、第4の共振回路が第1のインバータと第2のインバータで共有できるので、装置の小型化や低コスト化に寄与する。
【0011】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のスイッチと並列に設けられた第5のコイル及び第5のコンデンサの直列接続を備える第5の共振回路と、第2のスイッチと並列に設けられた第6のコイル及び第6のコンデンサの直列接続を備える第6の共振回路を有していてもよい。これにより、スイッチの動作電圧を低減することができる。
【0012】
また、本発明に係る共振インバータは、交互にオンオフする第1のスイッチ及び第2のスイッチと、1次側の第1巻線と第2巻線を有するトランスとを備え、第1のスイッチを含み、第1のコイルと第1のコンデンサによる第1の共振回路を備えた第1のインバータと、第2のスイッチを含み、第2のコイルと第2のコンデンサによる第2の共振回路を備えた第2のインバータと、を備え、第1のコイルと第2のコイルと第3のコンデンサにより第3の共振回路が構成される。これによりトランスを備える形態の場合においても、スイッチの動作電圧を低減することができる。
【0013】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のコンデンサは、第1のスイッチと並列に接続され、第2のコンデンサは、第2のスイッチと並列に接続され、第1のコイルは、第1のスイッチとトランスの第1巻線の一端に接続され、第2のコイルは、第2のスイッチとトランスの第2巻線の一端に接続され、第3のコンデンサは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に備えられていてもよい。これによりスイッチの動作電圧を低減することができる。
【0014】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のスイッチと第2のスイッチとの間に備えられ、第4の共振回路を形成する第4のコンデンサ及び第3のコイルを有していてもよい。これにより、スイッチの動作電圧を低減することができると共に、第4の共振回路が第1のインバータと第2のインバータで共有できるので、装置の小型化や低コスト化に寄与する。
【0015】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のスイッチと並列に設けられた第5のコイル及び第5のコンデンサの直列接続を備える第5の共振回路と、第2のスイッチと並列に設けられた第6のコイル及び第6のコンデンサの直列接続を備える第6の共振回路を有していてもよい。これによりスイッチの動作電圧を低減することができる。
【0016】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のコイルと、第2のコイルと、トランスの第1巻線と、トランスの第2巻線と、第3のコンデンサを備える第7の共振回路を有していてもよい。これによりスイッチの動作電圧を低減することができる。
【0017】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のコイルと、第2のコイルは、前記トランスのリーケージインダクタンスにより構成してもよい。これにより、スイッチの動作電圧を低減することができると共に、第1の共振回路や第7の共振回路を構成するコイルを減らせるので、装置の小型化や低コスト化に寄与する。
【0018】
また、本発明に係る共振インバータは、トランスの第1巻線と第2巻線との間に設けられた中間タップは、入力電圧が印加される入力端子と接続されていてもよい。これによりスイッチの動作電圧を低減することができると共に、2次側の整流器に依存することなくトランスの巻数比を決定できるので、容易に出力電圧の調整が可能となる。
【0019】
また、本発明に係る共振インバータは、第3のコンデンサの容量Cfが、第1のコイルまたは第2のコイルのインダクタンスをそれぞれLfとし、スイッチの駆動周波数をFsとすると、以下(1)式を満たしていてもよい。
【0020】
【数1】
【0021】
これにより、スイッチの動作電圧を低減することができる。
【0022】
また、本発明に係る共振インバータは、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、及び第3のコンデンサは、可変容量コンデンサであってもよい。これにより、例えば第1のコンデンサ及び第2のコンデンサは、負荷抵抗が大きくなるほど小さく、負荷抵抗が小さくなるほど大きくなるように調節し、第5のコンデンサCfは負荷抵抗が大きくなるほど大きく、負荷抵抗が小さくなるほど小さくする。これにより、負荷抵抗が変化した場合でもスイッチの動作電圧を低減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、どのような負荷抵抗であっても、スイッチの動作電圧を低減でき、かつ、装置の小型化、コスト低減が可能な共振インバータおよび共振型電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る共振インバータおよび共振コンバータ(共振型電源装置)である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る共振インバータおよび共振コンバータ(共振型電源装置)である。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る絶縁型共振インバータおよび共振コンバータ(共振型電源装置)である。
【
図4】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る絶縁型共振インバータおよび共振コンバータ(共振型電源装置)である。
【
図5】
図5は、本発明の第5の実施形態に係る絶縁型共振インバータおよび共振コンバータ(共振型電源装置)である。
【
図6】
図6は、本発明による共振インバータにおいて、第3の共振器の共振周波数とスイッチの動作電圧の関係を示した説明図である。
【
図7】
図7は、従来の共振型インバータの波形を表し、直列共振点、並列共振点を同じにしてもスイッチの並列容量によってスイッチの動作電圧が変化することを示した説明図である。
【
図8】
図8は、本発明による共振インバータの波形を表し、スイッチの並列容量が小さいときでも、スイッチの動作電圧を低く抑えられることを示した説明図である。
【
図9】
図9は、負荷抵抗と理想ドレインソース間スイッチ容量、スイッチ動作電圧を示した説明図である。
【
図10】
図10は、従来の共振インバータの例を示した説明図である。
【
図11】
図11は、従来のDE級共振インバータの例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明の対象は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれると共に、その構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。
【0026】
発明の実施の形態を図面を参照し、詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る共振コンバータ1a(共振型電源装置)の構成を示す回路図である。
図1に示す共振コンバータ1aは、一対の入力端子である第1の入力端子2aと、第2の入力端子2b(以下、特に指定しないときは入力端子2ともいう)、一対の出力端子である第1の出力端子3aと、第2の出力端子3b(以下、特に指定しないときは出力端子3ともいう)、共振インバータ4a、共振整流器5aを備え、入力端子2に入力される入力電圧(直流電圧)V1を出力電圧(直流電圧)V2に変換して出力端子3から出力する。共振コンバータ1aは、入力端子2に入力電圧V1、入力電流i1を入力して、出力端子3から出力電圧V2、負荷電流i2を出力する。
【0028】
共振インバータ4aは、各インバータ回路に1つずつ、スイッチと入力コンデンサを備える。スイッチは、スイッチ11(第1のスイッチ)、スイッチ15(第2のスイッチ)であり、入力コンデンサは、入力コンデンサ6、入力コンデンサ12である。また、第1のコイル7、第2のコイル13、第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14を備え、さらに第5のコイル9、第5のコンデンサ10、第6のコイル16、第6のコンデンサ17を備えている。共振コンバータ1aの一例として、共振降圧型コンバータの回路方式で構成されており、入力端子2から入力される入力電圧V1を交流電圧に変換する。
【0029】
ここでいう各インバータ回路とは、入力コンデンサ6と、スイッチ11と、第1のコンデンサ8と、第1のコイル7と、第5のコンデンサ10と、第5のコイル9とを含む第1のインバータ回路と、入力コンデンサ12と、スイッチ15と、第2のコンデンサ14と、第2のコイル13と、第6のコンデンサ17と、第6のコイル16とを含む第2のインバータ回路をいう。第1のスイッチ11と、第2のスイッチ15は、同一周波数で180度の位相差をもって相互にオンオフする。
【0030】
第1の入力端子2aは、入力コンデンサ6の一端と第1のコイル7の一端と接続されている。第1のコイル7の他端は、第1のスイッチ11のドレイン及び第1のコンデンサ8の一端、第5のコイル9の一端と接続されている。第1のスイッチ11のソースは、第1のコンデンサ8の他端、入力コンデンサ6の他端、第5のコンデンサ10の一端及び入力端子2bと接続されている。第5のコイル9の他端は第5のコンデンサ10の他端と接続されている。従って、第1のスイッチ11と第1のコンデンサ8は並列に接続され、第5のコイル9と第5のコンデンサ10の直列接続は、第1のスイッチ11及び第1のコンデンサ8と並列に接続されている。第1のスイッチ11は、ボディーダイオードを有し、そのカソードが第1のスイッチ11のドレインと接続され、アノードは第1のスイッチ11のソースと接続されている。第1のスイッチ11のゲートは、図示しない制御回路と接続されている。
【0031】
入力端子2aは、入力コンデンサ12の一端と第2のコイル13の一端と接続されている。第2のコイルの他端は、第2のスイッチ15のドレイン及び第2のコンデンサ14の一端、第6のコイル16の一端と接続されている。第2のスイッチ15のソースは、第2のコンデンサ14の他端、入力コンデンサ12の他端、第5のコンデンサ17の一端及び入力端子2bと接続されている。第6のコイル16の他端は、第6のコンデンサ17の他端が接続されている。従って、第2のスイッチ15と第2のコンデンサ14は並列に接続され、第6のコイル16と第6のコンデンサ17の直列接続は、第2のスイッチ15及び第2のコンデンサ14と並列に接続されている。第2のスイッチ15は、ボディーダイオードを有し、そのカソードが第2のスイッチ15のドレインと接続され、アノードは第2のスイッチ15のソースと接続されている。第2のスイッチ15のゲートは、図示しない制御回路と接続されている。
【0032】
また、第3のコンデンサ18は、第1のインバータ回路と第2のインバータ回路にまたがって挿入されており、第1のスイッチ11と第2のスイッチ15のそれぞれのドレイン端子間に接続され、第1のコイル7と第2のコイル13の直列接続に対して、並列に接続されている。
【0033】
第1のコイル7と第1のコンデンサ8により第1の共振回路を構成し、第2のコイル13と第2のコンデンサ14により第2の共振回路を構成する。第5のコイル9の一端と、第5のコンデンサ10の一端は、直列に接続されている。第5のコイル9の他端は、第1のコイル7の一端、第1のスイッチ11のドレイン及び第1のコンデンサ8の一端と接続される。第5のコンデンサ10の他端は、第1のスイッチ11のソース及び第1のコンデンサ8の他端及び入力端子2bと接続される。同様に第6のコイル16の一端と、第6のコンデンサ17の一端は、直列に接続されている。第6のコイル16の他端は、第2のコイル13の一端、第2のスイッチ15のドレイン及び第2のコンデンサ14の一端と接続される。第6のコンデンサ17の他端は、第2のスイッチ15のソースおよび、第2のコンデンサ14の他端及び入力端子2bと接続される。第5のコイル9と、第5のコンデンサ10により第5の共振回路を構成し、第6のコイル16と、第6のコンデンサ17によって第6の共振回路を構成する。また、第1のスイッチ11と第2のスイッチ15のドレイン間には、第3のコンデンサ18が備えられている。この第3のコンデンサ18は、第1のコイル7と第2のコイル13と共に第3の共振回路を構成する。
【0034】
この時、スイッチ11、15には、それぞれ入力端子2bから2aの方向に逆方向導通ダイオードと2b−2a間端子間容量が含まれるが、前記端子間容量については、それぞれコンデンサ8、コンデンサ14に含まれるものとして考慮する。
【0035】
共振整流器5aは、各インバータ回路に1つずつ共振整流回路を構成する整流ダイオード26、33、共振コイル22、29、共振コンデンサ23、30、共振コイル24、31、共振コンデンサ21、28を備えている。共振コンデンサ25、32には、整流ダイオード26、33の接合容量を含むものとする。各インバータ回路は、出力平滑コンデンサ27、34を経由して出力端子3a、3bに結合される。共振整流器5aは、共振インバータ4aで生成された交流電圧を入力し出力電圧V2に変換して出力端子3に出力する。共振インバータ4aに接続される整流器も共振型とすることで、共振型電源装置全体を小型化することができる。
【0036】
第1の実施形態では、各インバータ回路間に第3のコンデンサ18を設け、スイッチ11、15の駆動周波数をFsとし、第1のコイル、第2のコイルのインダクタンスをLfとし、第3のコンデンサの容量をCfとした場合に、Cfは(1)式を満たす。第3の共振周波数を駆動周波数Fsの2倍以上、3倍以下に設定することでスイッチの動作電圧が低減された共振インバータを提供することができる。
【0037】
図11に示されている共振インバータ回路は、S1、S2の2つのスイッチが交互にオンオフすることで、供給電圧源VDDの電圧を交流に変換し、出力にコイルLallと容量Coによる共振回路を設け、共振した交流電圧を負荷Rに供給するDE級インバータ回路である。第1の共振容量Cds1は、次のように求められる。MOSFETのゲート拡散電位をVbiとし、理想的な共振フィルタを実現するインダクタンス、容量をそれぞれLo、Coとすると、角周波数ωは以下のように表される。
【0039】
出力に接続されるトータルのインダクタンスLallは次の式で表される。このときQは共振の鋭さを表す。
【0041】
また、スイッチ印加電圧をvsとし、vs=0Vのときのスイッチの出力容量Cjoは次の式で与えられる。
【0043】
スイッチの出力容量Cdsは、スイッチ印加電圧vsによって非線形となることが知られている。スイッチに印加される電圧をvsとし、MOSFET内のPN接合部の不純物濃度をmとすると、スイッチの出力容量Cdsは次の式で表される。
【0045】
上記(5)式から不純物濃度mによって、電圧の上昇とともにスイッチの出力容量が減っていくことがわかる。ここでは、Cdsの非線形性を議論しないので、m=0としてスイッチ容量が印加電圧に依存しないものとすると、
【0048】
以上のように(4)式から、負荷Rと印加電圧VDDが決まるとスイッチ容量Cdsが一意に求まる。また、負荷Rが大きいとき(軽負荷のとき)にスイッチ容量Cdsが小さくなることがわかる。しかし、
図7に示すように、上記式から求められた容量値において、必ずしもスイッチの動作電圧を低減できるとは限らない。この例では、スイッチ容量を4倍大きく設定した方が、スイッチの動作電圧を低減できることがわかる。しかし、(4)式からわかるように、スイッチ容量Cdsを大きくした場合、負荷抵抗Rを小さくしないと(重負荷にしないと)動作電圧を低減させることはできない。
図9は、この関係を示した模式図である。
【0049】
第1の実施形態では、スイッチ容量Cdsを(4)式から求めた定数のまま、スイッチの動作電圧を低減することができる。具体的には、スイッチ11とスイッチ15のオフ期間に第1のコイル7と第2のコイル13に蓄積されたエネルギーを第3のコンデンサ18との間で共振させることでスイッチ11、15のドレイン波形を整形する。これにより、スイッチ容量Cdsに影響を与えることなく、負荷抵抗Rが大きい軽負荷のときでも、スイッチの動作電圧を低減させることができる。
図6において、第1のコンデンサ8と第2のコンデンサ14の共振容量を最適値に設定した場合を考える。
図1では、第1のコイル7と第2のコイル13と第3のコンデンサ18による第3の共振器による共振周波数は、スイッチの動作電圧を入力電圧V1の2.4倍に制限した場合、インバータ駆動周波数Fsの3倍以下で効果あることがわかった。また、前記共振周波数を2倍未満に設定した場合、スイッチがZVS(ゼロボルトスイッチ)条件から外れて、スイッチング損失が増加する為、この動作条件を避ける必要がある。
図8に示したように、同じスイッチ容量Cdsであっても第3のコンデンサ18を付加し、且つ、第1のコイル7と第2のコイル13と第3のコンデンサ18による第3の共振器による共振周波数を駆動周波数Fsの2倍にしたところ、スイッチの耐圧を低減できることがわかった。
【0050】
このように、第1の実施形態では、共振インバータ回路が、軽負荷時に第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14を調整することなく、スイッチ動作電圧を容易に低減できる。
図6より、第3のコンデンサ18と第1のコイル7と第2のコイル13による直列共振周波数を駆動周波数Fsの2倍以上3倍以下に設定することで、スイッチの寿命にできるだけ悪影響を及ぼさない信頼性のある共振インバータを実現できる。
【0051】
(実施形態2)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る共振コンバータである。第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、共振インバータ4aにおいて、第1の実施形態で示した第5、第6の共振回路を第3のコイル19と第4のコンデンサ20をインバータ回路間で共有している第4の共振回路を備えることである。他の構成は、第1の実施形態と共通である。第5、第6の共振回路を構成する第5、第6のコイル、第5、第6のコンデンサをそれぞれ一つずつにできるので、実装部品を減らすことができるとともに、第4の共振回路の共振周波数のインバータ回路間ばらつきを抑えることができる。第2の実施形態では、第4の共振回路の共振回路を構成している第3のコイル19と第4のコンデンサ20がインバータ回路間に挿入され、さらに各インバータ回路で共有されている為、第4の共振周波数の調整は1ヶ所で良い。従って、よりバラツキの小さい共振インバータを実現できる。
【0052】
具体的には、同一周波数で180度の位相差をもって交互にオンオフする第1のスイッチ11及び第2のスイッチ15と、第1のスイッチ11及び第2のスイッチ15のそれぞれに並列接続された第1のコンデンサ8及び第2のコンデンサ14と、第1のスイッチ11と入力電圧端子2aとの間に設けられた第1のコイル7と、第2のスイッチ15と入力電圧端子2aとの間に設けられた第2のコイル13と、第1のコイル7と第2のコイル13の直列回路と並列に接続されると共に、互いに直列に接続された第3のコイル19及び第4のコンデンサ20と、第1のコイル7と第2のコイル13の直列回路と並列に接続された第3のコンデンサ18を備え、第1のコイル7と第1のコンデンサ8による第1の共振回路と第2のコイル13と第2のコンデンサ14による第2の共振回路と、第3のコイル19及び第4のコンデンサ20による第4の共振回路を構成し、第1のコイル7、第2のコイル13、第3のコンデンサ18によって第3の共振回路を構成する。
【0053】
これにより、各インバータ回路の第5、第6の共振回路を第4の共振回路1つにすることで、共振回路を構成するコイル素子、コンデンサが減らせるため、装置の小型化、コスト低減が可能であると共に共振周波数のバラツキが排除される共振インバータを提供することができる。したがって、スイッチの電圧ストレスを低減し、スイッチの寿命に悪影響を及ぼすことがない共振インバータを提供することができる。また、第3の共振回路の共振周波数を駆動周波数の2倍以上、3倍以下に設定することで、効果的にスイッチの動作電圧を低減できる。
【0054】
(実施形態3)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る共振コンバータである。第1の実施形態と第3の実施形態との相違点は、絶縁型インバータを構成しており、共振整流器5a側にトランス40を付加した点である。他の構成は、第1の実施形態と共通である。
【0055】
共振整流器5aは、共振整流回路を構成している共振コンデンサ21と共振コイル22の直列回路を、トランス40の1次側第1巻線と第1のスイッチ11のドレインとの間に設けている。また、共振整流回路を構成している共振コンデンサ28と共振コイル29の直列回路を、トランス40の1次側第2巻線と第2のスイッチ15のドレインとの間に設けている。つまり、トランス40とスイッチ11、15の間には、複数の共振整流回路が備えられている。
【0056】
これにより、トランス40を用いた場合であっても、共振条件を維持したまま、絶縁型共振インバータを実現できる。
【0057】
(実施形態4)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る共振コンバータである。第1の実施形態と第4の実施形態との相違点は、第1の実施形態で示した第1のコイル7と第2のコイル13の間に絶縁トランス40を設け、絶縁トランス40の1次側第1巻線と1次側第2巻線の間に設けられた中間タップを入力端子2aに接続した点である。また、共振整流器5aを絶縁トランス40の2次側に付加している。他の構成は、第1の実施形態と共通である。
【0058】
第1のコイル7は、一端が第3のコンデンサ18と接続し、他端がトランス40の1次側第1巻線の一端と接続される。第3のコンデンサ18の他端は、第2のコイル13の一端と接続する。第2のコイルの他端は、トランス40の1次側第2巻線の一端と接続する。トランス40の第1巻線と第2巻線間の中間タップは、第1の入力端子2aに接続する。また、第1のコイル7と第2のコイル13とトランス40の1次側巻線の第1巻線と第2巻線の直列接続と第3のコンデンサ18によって、一つの第7の共振回路が構成されている。
【0059】
これにより、トランス40の第1巻線と第2巻線との間に設けられた中間タップが、入力電圧が印加される入力端子と接続されている場合であっても、共振条件を維持したまま、絶縁型共振インバータを実現できる。
【0060】
(実施形態5)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る共振コンバータである。第4の実施形態と第5の実施形態との相違点は、第4の実施形態で示した第1のコイル7、第2のコイル13をトランス40の第1巻線、第2巻線のリーケージインダクタンスとして構成したものである。他の構成は、第4の実施形態と共通である。トランス40のリーケージインダクタンスが第1のコイル7と第2のコイル13の作用をする。
【0061】
図5は、同一周波数で180度の位相差をもって交互にオンオフする第1のスイッチ11及び第2のスイッチ15と、第1のスイッチ11及び第2のスイッチ15のそれぞれに並列接続された第1のコンデンサ8及び第2のコンデンサ14と、第1のスイッチ11と入力電圧端子2aとの間に設けられた第1のコイル成分を含むトランス40の1次側第1巻線と、第2のスイッチ15と入力電圧端子2aとの間に設けられた第2のコイル成分を含むトランス40の1次側第2巻線と、互いに直列に接続された第3のコイル19及び第4のコンデンサ20と、トランス40の1次側第1巻線と第2巻線の直列接続と並列に接続された第3のコンデンサ18を備え、第1のコンデンサ8とトランス40の1次側第1巻線のリーケージインダクタンスによって、第9の共振回路を構成し、第2のコンデンサ14と、トランス40の1次側第2巻線のリーケージインダクタンスによって、第10の共振回路を構成し、第3のコイル19及び第4のコンデンサ20により第4の共振回路を構成し、トランス40の1次側第1巻線と第2巻線のリーケージインダクタンスと、第3のコンデンサ18によって第8の共振回路を構成する。第8の共振回路は、第3の共振回路と機能的に同一である。また、第9の共振回路及び第10の共振回路は、それぞれ第1の共振回路及び第2の共振回路と機能的に同一である。
【0062】
これにより、第1の共振回路、第2の共振回路、第3の共振回路を構成するコイル素子が減らせるため、装置の小型化、コスト低減が可能な共振インバータを提供することができる。また、第3共振周波数のバラツキが排除されることによりインバータ回路間のスイッチの波形アンバランスが排除されるので、スイッチの電圧ストレスを低減し、スイッチの寿命に悪影響を及ぼすことがない共振インバータを提供することができる。また、第8の共振回路の共振周波数を駆動周波数Fsの2倍以上、3倍以下に設定することで、効果的にスイッチの動作電圧を低減できる。
【0063】
(実施形態6)
図1〜
図5全ての共振インバータに於いて、負荷抵抗Rから第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14の容量を求めた場合、ある負荷抵抗1点のみでの最適動作点を求めることができる。負荷抵抗Rを可変した場合、最適動作点を決定する第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14の容量も可変しなければならない。この為、(4)式から、可変範囲のRに対応したCds(ここではCjoと同じとして扱う)を求め、この範囲を満足するような可変容量コンデンサを第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14に選択する。可変容量コンデンサは、機械的に電極間の距離を可変させて容量を可変させるバリアブルコンデンサや、機械的に対向する電極面積を可変させるトリマーコンデンサ等である。第3の共振回路によるスイッチの動作電圧最低点は、第1のコンデンサ8と、第2のコンデンサ14を可変容量にしてしまうと、スイッチの最低動作電圧となる第3の共振回路の最適値も変化する。ドレイン−ソース電圧を最低とする共振点は、第1、第2の共振容量を小さくすると、第3の共振回路の共振周波数が低くなり、第1、第2の共振容量を大きくすると、第3の共振回路の共振周波数が大きくなる。以上から、第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14を変化させた際にこれに対応するように第3のコンデンサCfを変化させることで、スイッチの動作電圧を低減できる。具体的には、負荷抵抗Rが小さくなり、第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14を大きくした場合、第3の共振回路の共振周波数を高くするために、第3のコンデンサ18の容量Cfを小さくし、負荷抵抗Rが大きくなり、第1のコンデンサ8、第2のコンデンサ14を小さくした場合、第3の共振回路の共振周波数を低くする為に第3のコンデンサCfの容量を大きくする。
図6の場合、負荷抵抗Rを可変して、メインスイッチの動作電圧を入力電圧の2.2倍にしたい場合は、最適値のときに、第3の共振回路の共振周波数を2.3倍に設定し、負荷の下限で、共振周波数を2倍に、負荷の上限で共振周波数の3倍に設定することでスイッチの動作電圧を一定に保つことができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態の共振インバータおよび共振型電源装置について説明したが、上記実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0065】
例えば、第1のスイッチ11と第2のスイッチ15は、FET(Field Effect Transistor)について説明したが、これに限らずバイポーラトランジスタ等の他のスイッチにも適用できる。
【0066】
また例えば、共振インバータは降圧型のものについて説明したが、これに限らず昇圧型の共振インバータにも適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1a 共振コンバータ
2a 入力端子(正極)
2b 入力端子(負極)
3a 出力端子(正極)
3b 出力端子(負極)
4a 共振インバータ
5a 共振整流器
6、12 入力コンデンサ
7 第1のコイル
8 第1のコンデンサ(スイッチ11のドレイン−ソース間容量を含む)
9 第5のコイル
10 第5のコンデンサ
11 第1のスイッチ
13 第2のコイル
14 第2のコンデンサ(スイッチ15のドレイン−ソース間容量を含む)
15 第2のスイッチ
16 第6のコイル
17 第6のコンデンサ
18 第3のコンデンサ
19 第3のコイル
20 第4のコンデンサ
40 トランス
21、28 共振コンデンサ
22、29 共振コイル
23、30 共振コンデンサ
24、31 共振コイル
25、32 共振コンデンサ(整流ダイオード26、33のアノード−カソード間接合容量を含む)
26、33 整流ダイオード
27、34 出力容量