(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、以下に示す化合物(A)と化合物(B)とを必須成分として含有する。また、液体洗浄剤組成物は以下に示す化合物(C)を含有することが好ましい。
【0021】
<化合物(A)>
化合物(A)は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【0023】
R
1は炭素数7〜21のアルキル基又は炭素数7〜21のアルケニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基は、ヒドロキシ基等の置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、アルキル基およびアルケニル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
R
1の炭素数が7以上であれば洗浄性が良好となり、臭気が少なくなる。一方、R
1の炭素数が21以下であれば洗浄性、低温安定性が良好となる。
【0024】
洗浄性がより向上する観点からは、R
1としては炭素数11〜21のアルキル基が好ましく、炭素数11〜21であり、置換基を有さない、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
低温安定性がより向上する観点からは、R
1の質量に対して5質量%以上が、炭素数7〜21のアルケニル基であることが好ましく、R
1中に含まれる炭素数7〜21のアルケニル基の割合が多いほど低温安定性が高まる傾向にあり、R
1の全てが炭素数7〜21のアルケニル基であることがより好ましく、炭素数17のアルケニル基が最も好ましい。
【0025】
(R
2O)で表されるn個のアルキレンオキシ基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合、(R
2O)
nはブロック付加であってもよいし、ランダム付加であってもよいし、交互付加であってもよい。
nは(R
2O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数である。
【0026】
Zは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又は(R
3O)
mHを表す。R
3は炭素数2〜3のアルキレン基を表す。
Zが炭素数1〜3のアルキル基である場合、アルキル基の炭素数が上記範囲内であれば洗浄性、低温安定性が良好となる。
Zが炭素数2〜3のアルケニル基である場合、アルケニル基の炭素数が上記範囲内であれば洗浄性、低温安定性が良好となる。
【0027】
(R
3O)で表されるm個のアルキレンオキシ基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合、(R
3O)
mはブロック付加であってもよいし、ランダム付加であってもよいし、交互付加であってもよい。
mは(R
3O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数である。
【0028】
洗浄性がより向上する観点からは、Zとしては水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基が好ましく、水素がより好ましい。
低温安定性がより向上する観点からは、Zとしては(R
3O)
mHが好ましい。
【0029】
また、洗浄性がより向上する観点からは、(R
2O)で表されるn個のアルキレンオキシ基と(R
3O)で表されるm個のアルキレンオキシ基との合計100質量%中、50質量%以上がエチレンオキシ基であることが好ましく、80質量%以上がエチレンオキシ基であることがより好ましく、100質量%、すなわち全ての(R
2O)および(R
3O)がエチレンオキシ基であることが特に好ましい。
低温安定性がより向上する観点からは、(R
2O)
nおよび(R
3O)
mは、それぞれエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とのランダム付加であることが好ましく、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との質量比(配合比率)が、エチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=50:50〜80:20であることが好ましい。
【0030】
n+mは6〜50である。n+mが5以上であれば低温安定性、水溶解性が良好となる。一方、n+mが50以下であれば低温安定性、着色防止性、洗浄性が良好となる。
洗浄性と低温安定性と着色防止性とのバランスに優れる観点から、n+mは6〜40であることが好ましい。特に、Zが水素、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基の場合、nは10〜30であることがより好ましく、Zが(R
3O)
mHの場合、n+mは6〜15であることがより好ましい。
【0031】
化合物(A)は、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸又は炭素数8〜22の脂肪酸のメチルエステルと、アルカノールアミンとを反応させることによって得られるアルカノールアミドに、炭素数2〜3のアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。
炭素数8〜22の脂肪酸としては、例えば、アマニ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サンフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油等の植物性油脂;牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂などから得られる脂肪酸;前記脂肪酸の硬化脂肪酸などが挙げられる。
また、化合物(A)としては、例えば、アミゼットシリーズ、アミネックスシリーズ(以上、川研ファインケミカル株式会社製)などの市販品を使用することもできる。
化合物(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
<化合物(B)>
化合物(B)は、下記一般式(2)で表される化合物である。
【0034】
R
4は炭素数8〜30のアルキル基、炭素数8〜30のアルケニル基、炭素数6〜50のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。アルキル基およびアルケニル基は、ヒドロキシ基等の置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、アルキル基およびアルケニル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよい。
【0035】
R
4が炭素数8〜30のアルキル基である場合、アルキル基の炭素数が8以上であれば洗浄性が良好となる。一方、アルキル基の炭素数が30以下であれば低温安定性が良好となる。
R
4が炭素数8〜30のアルケニル基である場合、アルケニル基の炭素数が8以上であれば洗浄性が良好となる。一方、アルケニル基の炭素数が30以下であれば低温安定性が良好となる。
【0036】
R
4が炭素数6〜50のアリール基である場合、アリール基の炭素数が6以上であれば洗浄性が良好となる。一方、アリール基の炭素数が50以下であれば低温安定性が良好となる。
炭素数6〜50のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、クミルフェニル基、ビフェニル基、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換クミルフェニル基、置換ビフェニル基などが挙げられる。置換基としては、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基及び1〜5個のスチレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
【0037】
R
4が炭素数7〜10のアラルキル基である場合、アラルキル基の炭素数が7以上であれば洗浄性が良好となる。一方、アラルキル基の炭素数が10以下であれば低温安定性が良好となる。
炭素数7〜10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
【0038】
洗浄性と低温安定性とのバランスに優れる観点から、R
4としては炭素数8〜22のアルキル基、炭素数8〜22のアルケニル基、炭素数6〜50のアリール基が好ましく、炭素数12〜18のアルキル基、炭素数12〜18のアルケニル基、炭素数15〜30のアリール基がより好ましく、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
【0039】
(R
5O)で表されるk個のアルキレンオキシ基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合、(R
5O)
kはブロック付加であってもよいし、ランダム付加であってもよいし、交互付加であってもよい。
kは(R
5O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、1〜50である。kが50以下であれば洗浄性、低温安定性が良好となる。特に、洗浄性がより向上する観点からkは1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましい。
【0040】
洗浄性がより向上する観点からは、(R
5O)で表されるk個のアルキレンオキシ基100質量%中、50質量%以上がエチレンオキシ基であることが好ましく、80質量%以上がエチレンオキシ基であることがより好ましく、100質量%、すなわち全ての(R
5O)がエチレンオキシ基であることが特に好ましい。
低温安定性がより向上する観点からは、(R
5O)
kはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とのランダム付加であることが好ましく、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との質量比(配合比率)が、エチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=50:50〜80:20であることが好ましい。
化合物(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
<化合物(C)>
化合物(C)は、下記一般式(3)で表される化合物である。
【0043】
R
6は炭素数7〜21のアルキル基又は炭素数7〜21のアルケニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基は、ヒドロキシ基等の置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、アルキル基およびアルケニル基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
R
6の炭素数が7以上であれば洗浄性が良好となり、臭気が少なくなる。一方、R
6の炭素数が21以下であれば洗浄性、低温安定性が良好となる。
【0044】
洗浄性がより向上する観点からは、R
6としては炭素数11〜21のアルキル基が好ましく、炭素数11〜21であり、置換基を有さない、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
低温安定性がより向上する観点からは、R
6の質量に対して5質量%以上が、炭素数7〜21のアルケニル基であることが好ましく、R
6中に含まれる炭素数7〜21のアルケニル基の割合が多いほど低温安定性が高まる傾向にあり、R
6の全てが炭素数7〜21のアルケニル基であることがより好ましく、炭素数17のアルケニル基が最も好ましい。
【0045】
R
7は炭素数2〜3のアルキレン基を表す。R
7の炭素数が上記範囲内であれば、洗浄性、低温安定性が良好となる。
【0046】
Qは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はR
8OHを表す。R
8は炭素数2〜3のアルキレン基を表す。
Qが炭素数1〜3のアルキル基である場合、アルキル基の炭素数が上記範囲内であれば、洗浄性、低温安定性が良好となる。
Qが炭素数2〜3のアルケニル基である場合、アルケニル基の炭素数が上記範囲内であれば、洗浄性、低温安定性が良好となる。
QがR
8OHである場合、R
8の炭素数が上記範囲内であれば、洗浄性、低温安定性が良好となる。
洗浄性と低温安定性とのバランスに優れる観点から、Qとしては水素が好ましい。
【0047】
化合物(C)は、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸又は炭素数8〜22の脂肪酸のメチルエステルと、下記一般式(4)で表される化合物(D)とを反応させることによって得られる。
炭素数8〜22の脂肪酸としては、化合物(A)の説明において先に例示した脂肪酸が挙げられる。
【0049】
式(4)中、R
7は炭素数2〜3のアルキレン基を表し、Qは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又はR
8OHを表し、R
8は炭素数2〜3のアルキレン基を表す。
【0050】
また、化合物(C)としては、例えば、アミゾールシリーズ(川研ファインケミカル株式会社製)などの市販品を使用することができる。
化合物(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
<含有量>
化合物(A)および化合物(C)と化合物(B)との質量比(化合物(A)+化合物(C):化合物(B))は、1:5〜5:1である。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性および低温安定性が良好となる。
特に、化合物(A)において式(1)中のZが水素、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基である場合、液体洗浄剤組成物をpHが6以上9未満の範囲で使用するときは、化合物(A)+化合物(C):化合物(B)=1:5〜1:3がより好ましく、液体洗浄剤組成物をpHが9以上11以下の範囲で使用するときは、化合物(A)+化合物(C):化合物(B)=1:2〜2:1がより好ましい。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性がより向上する。
また、化合物(A)において式(1)中のZが(R
3O)
mHである場合、液体洗浄剤組成物を使用する際のpHに関係なく、化合物(A)+化合物(C):化合物(B)=1:2〜2:1がより好ましい。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性がより向上する。
【0052】
また、化合物(A)と化合物(C)との質量比(化合物(A):化合物(C))は、100:0〜75:25である。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性および低温安定性が良好となる。洗浄性がより向上する観点から、化合物(A):化合物(C)=99:1〜80:20が好ましく、98:2〜80:20がより好ましい。
特に、化合物(A)において式(1)中のZが水素、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基である場合、化合物(A):化合物(C)=97:3〜90:10がさらに好ましい。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性がより向上する。
また、化合物(A)において式(1)中のZが(R
3O)
mHである場合、化合物(A):化合物(C)=95:5〜80:20がさらに好ましい。質量比が上記範囲内であれば、洗浄性がより向上する。
【0053】
本発明の液体洗浄剤組成物は、低温安定性と流動性に優れるため、界面活性剤を多量に含むいわゆる高濃度化(濃縮型)液体洗浄剤とすることができる。本発明の液体洗浄剤組成物は、高濃度化と低温安定性と扱いやすさの観点から、化合物(A)と化合物(B)と化合物(C)との含有量の合計が、液体洗浄剤組成物100質量%中、30〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは35〜80質量%であり、さらに好ましくは40〜70質量%である。
【0054】
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、任意成分として水、他の界面活性剤、ハイドロトロープ剤、金属イオン封鎖剤、アルカリビルダー、水酸化ナトリウム、香料、色素などを含有してもよい。
他の界面活性剤としては、非イオン界面活性剤(ただし、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)を除く。)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
ハイドロトロープ剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、エタノール、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン4 酢酸塩(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸及びこれらの塩等のアミノカルボン酸類;クエン酸、グルコン酸、グリコール酸、酒石酸およびこれらの塩等のオキシカルボン酸類などが挙げられる。
アルカリビルダーとしては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム 、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウムなどが挙げられる。
【0055】
液体洗浄剤組成物100質量%中の任意成分の含有量は、10〜70質量%が好ましく、20〜65質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。
【0056】
<製造方法>
本発明の液体洗浄剤組成物は、化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)と、必要に応じて任意成分とを混合することで得られる。
【0057】
ところで、アルカノールアミドにアルキレンオキサイドを付加すると、化合物(A)に加えて、下記一般式(5)で表されるアミドエステル(以下、「化合物(E)」と略す。)と、下記一般式(6)で表されるトリアルカノールアミン(以下、「化合物(F)」と略す。)とが等モル副生する。さらに、副生した化合物(E)と等モルの化合物(D)とを反応させると、化合物(E)と等モルの化合物(A)および化合物(C)を含む生成物(X)が得られる。
【0059】
式(5)中、R
9およびR
11はそれぞれ独立して、炭素数7〜21のアルキル基又は炭素数7〜21のアルケニル基を表し、R
10は炭素数2〜3のアルキレン基を表し、jは(R
10O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、Pは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基又は(R
12O)
iHを表し、R
12は炭素数2〜3のアルキレン基を表し、iは(R
12O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、j、iはそれぞれ1以上である。
【0060】
式(6)中、R
13、R
14およびR
15はそれぞれ独立して、炭素数2〜3のアルキレン基を表し、aは(R
13O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、bは(R
14O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、cは(R
15O)で表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数であり、a、b、cはそれぞれ1以上である。
【0061】
本発明においては、液体洗浄剤組成物を製造するにあたり、上述した方法によって得られた生成物(X)を用いてもよい。また、蒸留等により生成物(X)を精製処理した後に、液体洗浄剤組成物の製造に用いてもよい。
なお、液体洗浄剤組成物の製造に生成物(X)を用いる場合、この生成物(X)には、化合物(A)および化合物(C)に加えて、化合物(D)、化合物(E)、化合物(F)が含まれていてもかまわない。ただし、洗浄性と高濃度化と低温安定性と扱いやすさのバランスを考慮すると、化合物(D)と化合物(E)と化合物(F)との含有量の合計は、液体洗浄剤組成物100質量%中、5質量%以下であることが好ましい。
【0062】
<使用方法>
本発明の液体洗浄剤組成物は、衣料用洗浄剤組成物あるいは台所用洗浄剤組成物として好適に使用することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物を衣料用として使用する場合、使用方法としては特に限定されず、洗濯機、手洗い、つけ置き洗いなどの通常の洗浄方法で使用することができる。また、洗濯物の汚れの強い部分に本発明の液体洗浄剤組成物を塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗浄を行う方法で使用することもできる。また、本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄剤の自動投入システムや洗濯予約タイマーを有する全自動洗濯機等へ好適に使用することができる。使用量は特に制限されず、通常の使用量で使用すればよい。
一方、本発明の液体洗浄剤組成物を台所用として使用する場合、食器用、調理器具用、台所まわり用などの洗浄剤として好適に用いることができ、それらの材質はどのようなものであってもかまわない。
【0063】
<作用効果>
以上説明した本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)とを特定の質量比で含有するので、良好な洗浄性と良好な低温安定性とを有する。
また、本発明の液体洗浄剤組成物によれば、衣料の油脂汚れ、泥汚れに対し良好な洗浄効果が得られ、本発明の液体洗浄剤組成物を中性領域で使用する場合であっても、従来の液体洗浄剤をアルカリ領域で使用したときと同程度に良好な洗浄効果が得られる。
【0064】
従来の液体洗浄剤組成物は、高濃度化した場合、低温で白濁、分離、固化などが起こるため、高濃度化することが困難であった。
しかし、本発明の液体洗浄剤組成物であれば、高濃度化しても低温安定性が良好であるため、従来の液体洗浄剤組成物に比べてより高濃度化することが可能であり、高濃度化液体洗浄剤として好適に用いることができる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は生分解性が良好と考えられる原料を使用しているため、環境負荷低減を図ることができるものと考えられる。
【実施例】
【0065】
以下、本発明の効果を実施例および比較例により具体的に示すが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例15、21は参考例である。
【0066】
「製造例1」
オートクレーブにヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド244質量部(1モル)と、エチレンオキサイド440質量部(10モル)と、アルカノールアミドとアルキレンオキサイドとの合計に対して0.1質量%のナトリウムメトキシドを加え、80℃で3時間反応して、生成物(1)を684質量部得た。IR分析と
1H−NMR分析を行ったところ、アミドエステルが5モル%含まれていた。よって、ポリオキシエチレン(10モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(以下、「化合物A1」と略す。)と、アミドエステル(ポリオキシエチレン(10モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドのヤシ油脂肪酸エステル)と、トリアルカノールアミンとの質量比(モル比)を、90:5:5と算出した。
【0067】
なお、IR分析は、1730cm
−1のアミドエステルのエステル基のC=O伸縮の吸収で、アミドエステルの有無を確認した。
1H−NMR分析(300MHz、CDCl
3、内部標準TMS)は、アミドエステルの−CH
2−OCO−Rのメチレン基のシグナル〔δ4.22ppm(t、0.13H、−CH
2−OCO−R)〕の積分値と、CH
3基のシグナル〔δ0.88ppm(t、CH
3)〕の積分値から、アミドエステル含有量を下記の計算式で求めた。
アミドエステル含有量(モル%)=[(4.22ppmの積分値)×100]/[2−(4.22ppmの積分値)]
【0068】
化合物A1の分子量は684であることから、生成物(1)684質量部中に化合物A1は684×0.9モル=615.6質量部含まれており、生成物(1)中の化合物A1の濃度(含有量)は615.6×100/684=90質量%と算出した。
同様に、アミドエステルの分子量は867であることから、生成物(1)中にアミドエステルは867×0.05モル=43.4質量部含まれており、生成物(1)中のアミドエステルの濃度は43.4×100/684=6.3質量%と算出した。
生成物(1)中のトリアルカノールアミン濃度を3.7質量%と算出した。
生成物(1)中の化合物(A)と化合物(C)との合計の濃度は90質量%であった。
生成物(1)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=100:0であった。
【0069】
「製造例2」
製造例1で得られた生成物(1)684質量部に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミン3質量部(0.05モル)を加え、80℃で1時間反応させた後、触媒と同量の氷酢酸を加えて中和し、生成物(2)を687質量部得た。IR分析と
1H−NMR分析を行ったところ、アミドエステル体のピークは観測されなかった。よって、アミドエステルとモノエタノールアミンとが反応して、アミドエステルと等モルの化合物A1(化合物A1の分子量684×0.05モル=34.2質量部)と、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(以下、「化合物C1」と略す。)(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの分子量244×0.05モル=12.2質量部)とが生成したものと推定した。
生成物(1)中に化合物A1は615.6質量部存在することから、生成物(2)687質量部中の化合物A1の濃度は、(615.6+34.2)×100/687=94.6質量%と算出した。
同様に、生成物(2)中の化合物C1の濃度を12.2×100/687=1.8質量%と算出した。
生成物(2)中のトリアルカノールアミン濃度を3.6質量%と算出した。
生成物(2)中の化合物(A)と化合物(C)との合計の濃度は96.4質量%であった。
生成物(2)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=98.1:1.9であった。
【0070】
「製造例3」
製造例1において、反応温度を100℃に変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが10モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)として化合物A1と、化合物(C)として化合物C1と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(3)を得た。生成物(3)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、89.2:3.5:7.3であった。
生成物(3)中の化合物(A)と化合物(C)との合計の濃度は92.7質量%であった。
生成物(3)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=96.2:3.8であった。
【0071】
「製造例4」
製造例1において、反応温度を130℃に変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが15モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)として化合物A1と、化合物(C)として化合物C1と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(4)を得た。生成物(4)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、83.9:5.3:10.8であった。
生成物(4)中の化合物(A)と化合物(C)との合計の濃度は89.2質量%であった。
生成物(4)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=94.1:5.9であった。
【0072】
「製造例5」
製造例1において、エチレンオキサイドを20モル、反応温度を100℃に変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが12.5モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)としてポリオキシエチレン(20モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(以下、「化合物A2」と略す。)と、化合物(C)として化合物C1と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(5)を得た。生成物(5)中の化合物A2と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、86.9:2.7:10.4であった。
生成物(5)中の化合物(A)と化合物(C)との合計の濃度は89.6質量%であった。
生成物(5)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=97.0:3.0であった。
【0073】
「製造例6」
製造例1において、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの代わりにオレイン酸モノエタノールアミドを用い、エチレンオキサイドを20.0モル、反応温度を130℃に変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが12.5モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)としてポリオキシエチレン(20モル)オレイン酸モノエタノールアミド(以下、「化合物A3」と略す。)と、化合物(C)としてオレイン酸モノエタノールアミド(以下、「化合物C2」と略す。)と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(6)を得た。生成物(6)中の化合物A3と化合物C2とトリアルカノールアミンとの質量比は、87.0:3.3:9.7であった。
生成物(6)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は90.3質量%であった。
生成物(6)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=96.3:3.7であった。
【0074】
「製造例7」
製造例1において、エチレンオキサイドを5.0モルに変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが3.5モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのモノエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)としてポリオキシエチレン(5モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(以下、「化合物A6」と略す。)と、化合物C1と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(7)を得た。生成物(7)中の化合物A6と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、96.1:1.8:2.1であった。
生成物(7)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は97.9質量%であった。
生成物(7)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=98.2:1.8であった。
【0075】
「製造例8」
製造例1において、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの代わりにヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを用い、エチレンオキサイドを4モル、反応温度を130℃に変更した以外は製造例1と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステルが35モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステルに対し1モルのジエタノールアミンを加え、製造例2と同様にして反応を行い、化合物(A)としてポリオキシエチレン(4モル)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(以下、「化合物A4」と略す。)と、化合物(C)としてヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(以下、「化合物C3」と略す。)と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(8)を得た。生成物(8)中の化合物A4と化合物C3とトリアルカノールアミンとの質量比は、60.2:20.1:19.6であった。
生成物(8)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は80.4質量%であった。
生成物(8)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=75.0:25.0であった。
【0076】
「製造例9」
製造例8において、エチレンオキサイド4モルをエチレンオキサイド8モルとプロピレンオキサイド3モルに、反応温度を100℃に、触媒量を2倍に変更した以外は製造例8と同様にして反応を行い、反応生成物を得た。この反応生成物にはアミドエステル体が33.3モル%含まれていた。
得られた反応生成物に、アミドエステル体に対し1モルのジエタノールアミンを加え、製造例8と同様にして反応を行い、化合物(A)としてポリオキシエチレン(8モル)ポリオキシプロピレン(3モル)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(以下、「化合物A5」と略す。)と、化合物(C)として化合物C3と、トリアルカノールアミンとを含む生成物(9)を得た。生成物(9)中の化合物A5と化合物C3とトリアルカノールアミンとの質量比は、64.0:11.3:24.7であった。
生成物(9)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は75.3質量%であった。
生成物(9)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=85.0:15.0であった。
【0077】
「製造例10」
製造例3で得られた反応性生物にヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを添加し、化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとを含む生成物(10)を得た。生成物(10)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、85.4:7.6:7.0であった。
生成物(10)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は93.0質量%であった。
生成物(10)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=91.8:8.2であった。
【0078】
「製造例11」
製造例3で得られた反応性生物にヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを添加し、化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとを含む生成物(11)を得た。生成物(11)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、81.0:12.4:6.6であった。
生成物(11)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は93.4質量%であった。
生成物(11)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=86.7:13.3であった。
【0079】
「製造例12」
製造例3で得られた反応性生物にヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを添加し、化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとを含む生成物(12)を得た。生成物(12)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、75.8:18.0:6.2であった。
生成物(12)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は93.8質量%であった。
生成物(12)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=80.8:19.2であった。
【0080】
「製造例13」
製造例3で得られた反応性生物にヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを添加し、化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとを含む生成物(13)を得た。生成物(13)中の化合物A1と化合物C1とトリアルカノールアミンとの質量比は、69.5:24.8:5.7であった。
生成物(13)中の化合物(A)と化合物(C)との濃度は94.3質量%であった。
生成物(13)中の化合物(A)と化合物(C)との質量比は、(A):(C)=73.7:26.3であった。
【0081】
「製造例14」
炭素数12のアルコール(新日本理化株式会社製、商品名「コノール1275」、以下、「C12アルコール」と略す。)1モル、アルコールと後述のアルキレンオキサイドとの合計に対して0.1質量%の水酸化カリウムをオートクレーブ中に採取し、容器内を窒素置換した後、100℃に昇温し、減圧して1時間脱水した。減圧脱水終了後、150℃まで昇温し、エチレンオキサイド9モルを、反応温度が150±5℃、圧力が0.4±0.05MPaになるように添加速度を調整しながら徐々に加えて反応を行った。その後、同温度で1時間熟成を行い、冷却後、反応触媒と同量の氷酢酸を加え中和し、化合物(B)としてC12アルコールのエチレンオキサイド9モル付加物(C
12H
25O(EO)
9H、以下、「化合物B1」と略す。)を得た。
【0082】
「製造例15」
製造例14において、減圧脱水終了後の温度を130℃にし、アルキレンオキサイドをエチレンオキサイド4モルとプロピレンオキサイド3モルとの混合液にし、反応温度を130±5℃に変更して1段目の反応を行い、その後、同温度で1時間熟成を行った。ついで、150℃まで昇温し、エチレンオキサイド1.5モルを反応温度が150±5℃、圧力が0.4±0.05MPaになるように添加速度を調整しながら徐々に加えて2段目の反応を行った。その後、同温度で1時間熟成を行った。冷却後、反応触媒と同量の氷酢酸を加え中和し、化合物(B)としてC12アルコールのエチレンオキサイド4モルプロピレンオキサイド3モルランダム付加物のエチレンオキサイド1.5モル付加物(C
12H
25O(EO)
4/(PO)
3−(EO)
1.5H、以下、「化合物B2」と略す。)を得た。
【0083】
「製造例16」
製造例14において、C12アルコールの代わりに炭素数16のアルコール(新日本理化株式会社製、商品名「コノール1695」、以下、「C16アルコール」と略す。)を用い、1段目の反応において、アルキレンオキサイドをエチレンオキサイド6.5モルとプロピレンオキサイド3.5モルとの混合液に変更し、2段目の反応において、アルキレンオキサイドをエチレンオキサイド8モルに変更した以外は製造例14と同様にして反応を行い、化合物(B)としてC16アルコールのエチレンオキサイド6.5モルプロピレンオキサイド3.5モルランダム付加物のエチレンオキサイド8モル付加物(C
16H
33O(EO)
6.5/(PO)
3.5−(EO)
8H、以下、「化合物B3」と略す。)を得た。
【0084】
「製造例17」
製造例14において、C12アルコールの代わりに炭素数13のアルコール(シェルケミカルズジャパン株式会社製、商品名「ネオドール23」、以下、「C13アルコール」と略す。)を使用し、エチレンオキサイドを7.0モルに変更した以外は製造例14と同様にして反応を行い、化合物(B)としてC13アルコールのエチレンオキサイド7.0モル付加物(C
13H
27O(EO)
7H、以下、「化合物B4」と略す。)を得た。
【0085】
「製造例18」
製造例14において、C12アルコールの代わりにトリスチレン化フェノール(三光株式会社製、商品名「TSP」)を用い、エチレンオキサイドを5モルに変更した以外は製造例14と同様にして反応を行い、化合物(B)としてトリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド5モル付加物(以下、「化合物B5」と略す。)を得た。
【0086】
「実施例1」
製造例4で得られた生成物(4)を9.3質量部(化合物(A)と化合物(C)との含有量の合計として8.3質量部)と、製造例14で得られた化合物B1を41.7質量部と、水49質量部とを混合し、液体洗浄剤組成物100質量部を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、以下に示す条件にて洗浄性および低温安定性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0087】
「実施例2〜31、比較例1〜14」
表2〜8に示す配合組成に従って各成分を混合し、液体洗浄剤組成物100質量部を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、以下に示す条件にて洗浄性および低温安定性の評価を行った。結果を表2〜8に示す。
【0088】
<評価>
(洗浄性の評価)
以下に示す湿式人工汚染布又は泥汚染布を用い、下記の洗濯条件で洗濯を行い、洗濯後の湿式人工汚染布又は泥汚染布の反射率を反射率計(株式会社村上色彩技術研究所製、「色彩計CM−53D型」)を用いて測定し、下記式より洗浄率に換算した。洗浄率の値が大きいほど、洗浄性が良好であると判定する。なお、洗浄浴のpHは、クエン酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとを使用して、7.0±0.5(液体洗浄剤条件)と10.0±0.5(粉末洗浄剤条件)に調整した。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の汚染布の反射率)−(洗浄前の汚染布の反射率)]/[(白布の反射率)−(洗浄前の汚染布の反射率)]
【0089】
洗濯条件:
・洗浄試験機:ターゴトメータ
・攪拌羽回転数:120rpm
・洗浄剤濃度:150ppm(洗浄剤純分として)
・試験水の硬度:90ppm(塩化カルシウム2水和物にて調整)
・洗濯温度:30℃
・洗濯時間:10分
・すすぎ:3分×2回
・浴量:1000mL
【0090】
白布としては、JIS C9606−1993に記載の木綿布を使用した。
湿式人工汚染布は、ワイシャツ等の襟、袖の汚れを想定した汚染布であり、財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(汚垢組成は表1に記載。)を用いた。
【0091】
【表1】
【0092】
泥汚染布は、泥汚れを想定した汚染布である。
泥汚れとしてJIS試験用粉体1の11種(関東ローム)30質量部をイオン交換水1000質量部に添加し、ホモジナイザー(KINEMATICA社製、商品名「ポリトロン TYPE PT10−35」)にて1000rpmで5分間分散させ泥分散液を調製した。
得られた泥分散液中に、縦20cm、横25cmに裁断した綿メリヤスニット(染色試材株式会社谷頭商店製)を浸漬させ、布全体に泥分散液を含ませた。布を取り出し、マングルで余分な水分を絞った。布全体に均一に泥汚れを付着させるために、これを3回繰り返した後、しわにならないようにして、50℃の恒温槽にて2時間乾燥させた。これを4cm×4cmに分断し、泥汚染布として用いた。
【0093】
(低温安定性1の評価)
液体洗浄剤組成物200mlを250mlサンプル瓶に入れ蓋をして、−5℃の恒温槽に7日間静置した。静置後の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて低温安定性を評価した。
○:外観が透明液状であり、流動性がある。
×:外観が白濁または分離または固化している。
なお、ここでいう「流動性がある」とは、液体洗浄剤組成物が入った容器を傾けたときに、液体洗浄剤組成物の表面が動くことをいう。
【0094】
(低温安定性2の評価)
各実施例について、化合物(A)と化合物(B)と化合物(C)との質量比が表2〜6に示すように、かつこれらの含有量の合計が60質量%になるように水の量を調整してサンプルを調製した。得られたサンプルについて、低温安定性1と同様にして評価した。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】
表2〜8中、「A+C:B」は、化合物(A)および化合物(C)と化合物(B)との質量比(化合物(A)+化合物(C):化合物(B))である。「A:C」は、化合物(A)と化合物(C)との質量比(化合物(A):化合物(C))である。「A+B+Cの濃度」は、液体洗浄剤組成物100質量%中の化合物(A)と化合物(B)と化合物(C)の含有量の合計(質量%)である。
【0103】
また、表2〜8中の略号は、以下の通りである。
A1:ポリオキシエチレン(10モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
A2:ポリオキシエチレン(20モル)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
A3:ポリオキシエチレン(20モル)オレイン酸モノエタノールアミド
A4:ポリオキシエチレン(4モル)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
A5:ポリオキシエチレン(8モル)ポリオキシプロピレン(3モル)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
A6:ポリオキシエチレン(5モル)ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド
C1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
C2:オレイン酸モノエタノールアミド
C3:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
C4:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(川崎ファインケミカル株式会社製、商品名「アミゾールCME」)
B1:C
12H
25O(EO)
9H
B2:C
12H
25O(EO)
4/(PO)
3−(EO)
1.5H
B3:C
16H
33O(EO)
6.5/(PO)
3.5−(EO)
8H
B4:C
13H
27O(EO)
7H
B5:トリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド5モル付加物
Z1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Z2:ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム
Z3:ポリオキシエチレン(3)ドデシル硫酸エステルナトリウム
Z4:ジヘキシルジメチルアンモニウムカプリレート
Z5:カルボキシメチルセルロース(分子量82万)
Z6:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
Z7:p−トルエンスルホン酸
Z8:炭酸カリウム
Z9:炭酸カルシウム
Z10:ポリオキシエチレン(2モル)ラウリン酸モノエタノールアミド(川崎ファインケミカル株式会社製、商品名「アミゼット2L−Y」)
【0104】
各表の結果に示す通り、各実施例で得られた液体洗浄剤組成物は、良好な洗浄性と良好な低温安定性とを有していた。また、各実施例で得られた液体洗浄剤組成物は、高濃度化しても低温安定性に優れていた。
一方、各比較例で得られた液体洗浄剤組成物は、洗浄性および低温安定性の両方を満足するものではなかった。