(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6485756
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 41/12 20060101AFI20190311BHJP
A01F 12/60 20060101ALI20190311BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
A01D41/12 HZAB
A01F12/60
F01N3/08 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-103485(P2017-103485)
(22)【出願日】2017年5月25日
(65)【公開番号】特開2018-198538(P2018-198538A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2017年9月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上路 嘉隆
(72)【発明者】
【氏名】村本 恭平
(72)【発明者】
【氏名】藤田 靖
(72)【発明者】
【氏名】井原 靖
(72)【発明者】
【氏名】市丸 智之
(72)【発明者】
【氏名】上田 光瑠
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−007397(JP,A)
【文献】
特許第5945937(JP,B2)
【文献】
特開2016−185128(JP,A)
【文献】
特開2017−029017(JP,A)
【文献】
特開2011−046320(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0250864(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00 − 41/12
A01F 12/60
B60K 13/00 − 13/06
F01N 3/00 − 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を脱穀選別する脱穀装置(4)の右側前部に操縦者が搭乗する操縦部(5)を配置し、該操縦部(5)の下部にエンジン(E)を配置し、前記操縦部(5)の後側に脱穀選別された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を配置し、該グレンタンク(7)の後側に貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガ(8)の揚穀部(8A)を配置したコンバインにおいて、
前記エンジン(E)から排出される排出ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、
該排気浄化装置(20)は、エンジン(E)から排出される排出ガス中の有害成分を酸化する触媒であるDOC(21)と、該DOC(21)通過後の排出ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR(22)と、該DOC(21)とSCR(22)の接続管(12)内に尿素水を噴射する噴射装置(23)と、該噴射装置(23)に尿素水を圧送する供給装置(24)と、該供給装置(24)によって供給する尿素水を貯留する尿素水タンク(25)を備え、
前記グレンタンク(7)と揚穀部(8A)の間に、前記尿素水タンク(25)を配置し、
前記グレンタンク(7)の後側に設けられた上下方向に延在する支軸(30)を中心として、前記グレンタンク(7)を収納位置と開放位置に回動可能な構成とし、
前記グレンタンク(7)の後壁(7B)に上下方向に所定の幅を有して左右方向に延在する凹部(35)を形成し、
前記グレンタンク(7)が収納位置にある場合には、前記尿素水タンク(25)の給水口(25A)は前記グレンタンク(7)の後壁(7B)よりも後側に位置し、
前記グレンタンク(7)を開放位置に回動させると、前記給水口(25A)が前記凹部(35)に入り込む構成とし、
前記給水口(25A)を尿素水タンク(25)の右側の部位に形成し、
平面視において、前記支軸(30)を尿素水タンク(25)の前後方向の中心よりも後部に偏移した位置に設け、且つ、前記支軸(30)を尿素水タンク(25)の左右方向の中心よりも給水口(25A)に偏移した位置に設け、
平面視において、前記凹部(35)の水平断面形状を二等辺三角形状に形成し、前記凹部(35)の頂部(35A)を支軸(30)の前側に位置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記尿素水タンク(25)を、グレンタンク(7)の底部と揚穀部(8A)の下部とを連通する前側連通部(16)の上側に配置した請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記脱穀装置(4)の右壁の下部とグレンタンク(7)の左壁(7C)の上部を脱穀選別された穀粒を揚穀する後下がり傾斜した第1揚穀筒(9)で連通し、該第1揚穀筒(9)の後側に2番物を揚穀する後下がり傾斜した第2揚穀筒(10)を配置し、前後方向において、前記供給装置(24)を第1揚穀筒(9)の下部と第2揚穀筒(10)の下部の間に配置し、左右方向において、前記供給装置(24)を、前記第2揚穀筒(10)の下部とグレンタンク(7)の底部(7E)の間に配置した請求項1又は2記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置を備えたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインでは、エンジンで燃焼された排気ガス中の窒素酸化物質を浄化するために排気浄化装置にSCRを備え、SCRに供給する尿素水溶液を貯留するタンクを操縦部のステップ部の下側に配置する技術が知られている。(特許文献1)
また、尿素水溶液を貯留するタンクを脱穀装置とグレンタンクの間に形成される空間に配置する技術も知られている。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−7397号公報
【特許文献2】特開2016―158591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、タンクに尿素水溶液を給水する場合に、ステップ部を取外す必要があり給水作業を簡単に行えないという問題がある。
また、特許文献2の技術では、グレンタンクの底部における脱穀装置と対向する部位に凹部を形成する必要がありグレンタンクの貯留容量が少なくなるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、グレンタンクの大きな貯留容量を維持し、タンクに尿素水溶液を容易に給水することができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、穀稈を脱穀選別する脱穀装置(4)の右側前部に操縦者が搭乗する操縦部(5)を配置し、該操縦部(5)の下部にエンジン(E)を配置し、前記操縦部(5)の後側に脱穀選別された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を配置し、該グレンタンク(7)の後側に貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガ(8)の揚穀部(8A)を配置したコンバインにおいて、
前記エンジン(E)から排出される排出ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、該排気浄化装置(20)は、エンジン(E)から排出される排出ガス中の有害成分を酸化する触媒であるDOC(21)と、該DOC(21)通過後の排出ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR(22)と、該DOC(21)とSCR(22)の接続管(12)内に尿素水を噴射する噴射装置(23)と、該噴射装置(23)に尿素水を圧送する供給装置(24)と、該供給装置(24)によって供給する尿素水を貯留する尿素水タンク(25)を備え、前記グレンタンク(7)と揚穀部(8A)の間に、前記尿素水タンク(25)を配置し、前記グレンタンク(7)の後側に設けられた上下方向に延在する支軸(30)を中心として、前記グレンタンク(7)を収納位置と開放位置に回動可能な構成とし、前記グレンタンク(7)の後壁(7B)に上下方向に所定の幅を有して左右方向に延在する凹部(35)を形成し、前記グレンタンク(7)が収納位置にある場合には、前記尿素水タンク(25)の給水口(25A)は前記グレンタンク(7)の後壁(7B)よりも後側に位置し、前記グレンタンク(7)を開放位置に回動させると、前記給水口(25A)が前記凹部(35)に入り込む構成とし
、前記給水口(25A)を尿素水タンク(25)の右側の部位に形成し、平面視において、前記支軸(30)を尿素水タンク(25)の前後方向の中心よりも後部に偏移した位置に設け、且つ、前記支軸(30)を尿素水タンク(25)の左右方向の中心よりも給水口(25A)に偏移した位置に設け、平面視において、前記凹部(35)の水平断面形状を二等辺三角形状に形成し、前記凹部(35)の頂部(35A)を支軸(30)の前側に位置させたことを特徴とするコンバインである。
【0007】
【0008】
請求項
2記載の発明は、前記尿素水タンク(25)を、グレンタンク(7)の底部と揚穀部(8A)の下部とを連通する前側連通部(16)の上側に配置した請求項
1記載のコンバインである。
【0009】
請求項
3記載の発明は、前記脱穀装置(4)の右壁の下部とグレンタンク(7)の左壁(7C)の上部を脱穀選別された穀粒を揚穀する後下がり傾斜した第1揚穀筒(9)で連通し、該第1揚穀筒(9)の後側に2番物を揚穀する後下がり傾斜した第2揚穀筒(10)を配置し、前後方向において、前記供給装置(24)を第1揚穀筒(9)の下部と第2揚穀筒(10)の下部の間に配置し、左右方向において、前記供給装置(24)を、前記第2揚穀筒(10)の下部とグレンタンク(7)の底部(7E)の間に配置した請求項
1又は2記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、エンジン(E)から排出される排出ガスを浄化する排気浄化装置(20)を設け、排気浄化装置(20)は、エンジン(E)から排出される排出ガス中の有害成分を酸化する触媒であるDOC(21)と、DOC(21)通過後の排出ガス中の窒素酸化物質を尿素水から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR(22)と、DOC(21)とSCR(22)の接続管(12)内に尿素水を噴射する噴射装置(23)と、噴射装置(23)に尿素水を圧送する供給装置(24)と、供給装置(24)によって供給する尿素水を貯留する尿素水タンク(25)を備え、グレンタンク(7)と揚穀部(8A)の間に、尿素水タンク(25)を配置し、グレンタンク(7)の後側に設けられた上下方向に延在する支軸(30)を中心として、グレンタンク(7)を収納位置と開放位置に回動可能な構成とし、グレンタンク(7)の後壁(7B)に上下方向に所定の幅を有して左右方向に延在する凹部(35)を形成し、グレンタンク(7)が収納位置にある場合には、尿素水タンク(25)の給水口(25A)はグレンタンク(7)の後壁(7B)よりも後側に位置し、グレンタンク(7)を開放位置に回動させると、給水口(25A)が凹部(35)に入り込む構成としたので、支軸(30)を中心としてグレンタンク(7)を収納位置と開放位置に容易に回動させることができ、グレンタンク(7)の大きな貯留容量を維持することができる。また、グレンタンク(7)と縦排出オーガ(8A)の間に形成された空間を有効に活用することができ、尿素水タンク(25)に尿素水を容易に補給することができる。
【0011】
また、給水口(25A)を尿素水タンク(25)の右側の部位に形成したので、尿素水タンク(25)に尿素水をより容易に補給することができる。
【0012】
請求項
2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明による効果に加えて、尿素水タンク(25)を、グレンタンク(7)の底部と揚穀部(8A)の下部とを連通する前側連通部(16)の上側に配置したので、グレンタンク(7)と揚穀部(8A)の間に形成される空間をより有効に活用することができる。
【0013】
請求項
3記載の発明によれば、請求項
1又は2記載の発明による効果に加えて、脱穀装置(4)の右壁の下部とグレンタンク(7)の左壁(7C)の上部を脱穀選別された穀粒を揚穀する後下がり傾斜した第1揚穀筒(9)で連通し、該第1揚穀筒(9)の後側に2番物を揚穀する後下がり傾斜した第2揚穀筒(10)を配置し、前後方向において、供給装置(24)を第1揚穀筒(9)の下部と第2揚穀筒(10)の下部の間に配置し、左右方向において、供給装置(24)を、第2揚穀筒(10)の下部とグレンタンク(7)の底部(7E)の間に配置したので、噴射装置(23)と供給装置(24)を接続する接続管(12)を容易に配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図6】尿素水水溶液タンクを説明する背面図である。
【
図7】尿素水水溶液タンクを説明する右側面図である。
【
図8】グレンタンクの凹部と尿素水水溶液タンクの給水口を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明について図面を参照しつつ説明する。なお、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明する。
【0016】
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後側左部に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後側右部に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0017】
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部8Aと前後方向に延在する横排出オーガ8Bからなる排出オーガ8が設けられている。
【0018】
図3〜5に示すように、脱穀装置4の右壁7Dの下部とグレンタンク7の左壁7Cの上部は、脱穀装置4によって脱穀・選別処理された穀粒をグレンタンク7に搬送する第1揚穀筒9で連通されている。また、脱穀装置4の右壁7Dにおける第1揚穀筒9の後側の部位には、刺さり粒等の2番物を選別装置に搬送する第2揚穀筒10が設けられている。
【0019】
エンジンEで燃焼された排気ガスは、排気浄化装置20によって排気ガス中の不純物が浄化された後に外部に排気される。排気浄化装置20は、排気ガス中の有害成分を酸化する触媒であるDOC21と、DOC21から排気された排気ガス中の窒素酸化物質を尿素水溶液(以下、尿素水と言う。)から発生するアンモニアで還元して浄化するSCR22と、SCR22に尿素水を噴射するドージングモジュール(請求項における「噴射装置」)23と、ドージングモジュール23に尿素水を圧送するサプライモジュール(請求項における「供給装置」)24と、サプライモジュール24に供給される尿素水を貯留する尿素水タンク25とから形成されている。
【0020】
エンジンEの排気口と長手方向を上下方向に配置したDOC21の下部に形成された吸気口は、可撓性の接続管11で接続されている。DOC21の上部に形成された排気口と長手方向を前後方向に配置したSCR22の後部に形成された吸気口は、可撓性の接続管12で接続されている。また、接続管12における上流側の部位には、ドージングモジュール23が設けられている。SCR22の前部に形成された排気口には、排気管(図示省略)が接続される。
【0021】
機体側面視において、DOC21とSCR22は、グレンタンク7の前壁7Aと第1揚穀筒9の間に配置されている。左右方向において、DOC21とSCR22は、脱穀装置4とグレンタンク7の間、より詳細には、グレンタンク7の右下がり傾斜に形成された底壁7Eの下側に配置されている。これにより、DOC21とSCR22に雨水や直射日光、洗車時の高圧水が直接当たることを抑制することができる。
【0022】
ドージングモジュール23の給水口とサプライモジュール24の排水口は、可撓性の接続管13で接続されている。また、接続管13の前部は、ドージングモジュール23よりも上側に配置されている。これにより、尿素水が凍結した場合においても、所定量の凍結していない尿素水をドージングモジュール23に圧送することができる。なお、エンジンEによって加熱された冷却水をラジエータに戻す接続管(図示省略)を接続管13に沿わせて配置している。これにより、接続管13内の尿素水の凍結を防止することができ、また、凍結した接続管13内および尿素水タンク25内の尿素水を溶かすことができる。
【0023】
前後方向において、サプライモジュール24は、ドージングモジュール23の後側における第1揚穀筒9の下部と第2揚穀筒10の下部の間に配置され、より詳細には、第2揚穀筒10の近傍に配置されている。左右方向において、サプライモジュール24は、第2揚穀筒10の下部とグレンタンク7の間、より詳細には、グレンタンク7の底部における右下がり傾斜に形成された底壁7Eの下側に配置されている。これにより、第1揚穀筒9を迂回させて第1揚穀筒9の右側に接続管13を容易に配置することができる。また、グレンタンク7の右下がり傾斜の底壁7Eの下側に形成された空間を有効活用することもできる。
【0024】
サプライモジュール24の給水口と尿素水タンク25の排水口は、可撓性の接続管14で接続されている。また、接続管14は、サプライモジュール24よりも上側に配置されている。これにより、尿素水が凍結した場合においても、所定量の凍結していない尿素水をサプライモジュール24に供給することができる。なお、サプライモジュール24の給水口と排水口の間の内部配管には、開閉バルブが設けられ、開閉バルブには開閉バルブを操作するハーネス15が接続されている。これにより、尿素水タンク25内に貯留された尿素水が所定温度よりも低温や高温になった場合に、開閉バルブを閉じて尿素水タンク25からサプライモジュール24への尿素水の供給を停止することができる。なお、尿素水の温度は、尿素水タンク25の上部に設けられたセンサー25Bにより測定される。
【0025】
前後方向において、尿素水タンク25は、グレンタンク7の後壁7Bと揚穀部8Aの間に配置されている。左右方向において、尿素水タンク25は、グレンタンク7の左右方向の中心よりも右側に偏移した部位に配置され、尿素水タンク25の給水口25Aは、尿素水タンク25の右側の部位に形成された右下がり傾斜の傾斜壁に形成されている。これにより、尿素水タンク25の給水口25Aから尿素水を容易に補給することができ、また、尿素水タンク25が外部と衝突して破損するのを防止することができる。
【0026】
グレンタンク7の底部には、グレンタンク7から漏下した穀粒を後側に搬送する搬送螺旋が設けられ、搬送螺旋の後部には、前側連通部16が形成されている。また、揚穀部8Aの下部には、後側連通部17が形成されている。グレンタンク17が機体フレーム1上の収納位置にある場合には、前側連通部16と後側連通部17は連通し、グレンタンク17の前部が機体フレーム1の右側に移動した開放位置にある場合には、前側連通部16と後側連通部17の連通は解除される。
【0027】
上下方向において、尿素水タンク25は、前側連通部16の上側に配置され、また、尿素水タンク25の排水口は、サプライモジュール24の給水口よりも上側に配置されている。これにより、前側連通部16の上側に形成された空間を有効に活用することができ、尿素水タンク25からサプライモジュール24に尿素水を容易に供給することができる。
【0028】
尿素水タンク25は、前側連通部16の上側に設けられた板状の置台18に上載され、置台18は、後側連通部17から前上側に延在する支持部材19の上部に固定されている。また、脱穀装置4の後側下部には、エンジンEに供給する軽油を貯留する燃料タンク26が配置されている。
【0029】
図6〜9に示すように、グレンタンク7は、機体フレーム1におけるグレンタンク7の後壁7Bよりも後側に設けられた上下方向に延在する支軸30を中心に回動する。なお、平面視において、前後方向において、支軸30は、尿素水タンク25の前後方向の中心よりも後部に偏移した位置に設けられている。左右方向において、支軸30は、尿素水タンク25の左右方向の中心よりも給水口25Aに偏移した位置に設けられている。また、グレンタンク7の後壁7Bの上部は、連結フレーム31を介して揚穀部8Aに回転自在に支持されている。これにより、グレンタンク7を支軸30を中心に回動させて収納位置から開放位置に、又は、開放位置から収納位置に容易に移動させることができる。
【0030】
グレンタンク7の後壁7Bには、凹部35が形成されている。グレンタンク7を収納位置から開放位置に回動させた場合に、凹部35に尿素水タンク25の給水口25Aが入り込むように形成されている。平面視において、凹部35の水平断面形状は二等辺三角形状に形成され、その頂部35Aは、支軸30の前側に位置し、上下方向において、凹部35の上下方向の幅は、尿素水タンク25の給水口25の上下方向の間隔の略2倍に形成されている。これにより、グレンタンク7の大きな貯留容量を維持して、グレンタンク7を支軸30を中心として容易に回動させることができる。
【符号の説明】
【0031】
4 脱穀装置
5 操縦部
7 グレンタンク
7B 後壁
7C 左壁
7E 底壁
8 排出オーガ
8A 揚穀部
9 第1揚穀筒
10 第2揚穀筒
12 接続管
16 前側連通部
20 排気浄化装置
21 DOC
22 SCR
23 ドージングモジュール(噴射装置)
24 サプライモジュール(供給装置)
25 尿素水タンク
25A 給水口
30 支軸
35 凹部
E エンジン