【実施例】
【0036】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
以下の実施例では、各種溶媒によって抽出された抽出液から該溶媒を除去したものを“抽出物”と呼ぶ。また、抽出溶媒における“%”は、水で希釈した場合の該溶媒の体積%を表し、%の記載のないものは溶媒100%であることを表す。その他、含有量、収率、及び配合量における“%”は“重量%”である。
最初に、実施例で行ったCOX-2阻害活性の測定方法について説明する。
【0037】
<COX-2阻害活性の測定>
前述したように、COX-2は、当該シクロオキシダーゼ活性によってアラキドン酸をPGG2に変換し、当該ヒドロペルオキシダーセ活性によって前記PGG2をPGH2に変換する酵素である。本願実施例では、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman Chemical社製)を用いて、COX-2、アラキドン酸、及び被験物質の存在下で生じるPGH2量(厳密には当該還元産物量)を測定した。陰性コントロール(ジメチルスルホキシドのみ)を添加した場合に生じる前記PGH2量を100%(=COX-2活性が100%の状態)として、各被験物質を添加した場合に生じる前記PGH2量との差分をCOX-2活性阻害率(%)として算出した。なお、陽性コントロールとしては、代表的なCOX-2であるアセチルサリチル酸を用いた。
【0038】
[実施例1:イグサ抽出物のCOX-2阻害活性]
乾燥イグサをミルで粉砕し、得られたイグサ粉砕物0.5gを10mlの抽出溶媒に懸濁して、室温で30分間超音波処理を行った(超音波処理終了後の液温は約35−40℃)。使用した抽出溶媒は、n-ヘキサン、メタノール、エタノール、含水エタノール(エタノール濃度:70%、50%、又は30%)、又は熱水である。その後遠心を行って上清を回収し、減圧溶媒留去して抽出物を得た。当該抽出物を終濃度50μg/mlとなるようにジメチルスルホキシドに溶解し、手法1に従ってCOX-2阻害活性を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示されるように、イグサをn-ヘキサン、メタノール、100%エタノールで抽出した抽出物には高いCOX-2阻害活性が認められた。これに対し、70%エタノール抽出物のCOX-2阻害活性は100%エタノール抽出物の活性の約43%であり、エタノール濃度が50%以下の含水エタノール抽出物ではCOX-2阻害活性は検出されなかった。さらに、熱水で抽出した抽出物にはCOX-2阻害活性は検出されなかった。
よって、イグサにはCOX-2活性を阻害する成分が含まれており、当該成分は熱水では抽出されないが有機溶媒によって抽出されることが明らかとなった。
【0041】
前述したように、イグサの熱水抽出物は医薬品だが、当該熱水抽出残渣、具体的にはイグサ地上部を100℃で8分間以上抽出した後の残渣は非医薬品として扱われている(https://hfnet.nih.go.jp/usr/annzenn/image/iyakuhin2参照)。そこで、前記COX-2活性を阻害する成分が熱水では抽出されないことを確認するために、以下の実験を行った。
乾燥イグサ5gを2-3cm長に切断し、該切断物に熱水200mlを加えて、100℃で8分間抽出した。その後濾過を行い、濾液と残渣に分けた。前記濾液に対しては、減圧溶媒留去を行い、熱水抽出物0.41gを得た。前記残渣に対しては、100%エタノール200mlを加えて80℃で2時間還流抽出を行い、濾過して得られた濾液を減圧溶媒留去して、エタノール抽出物(熱水抽出残渣の100%エタノール抽出物)0.34gを得た。これら2種類の抽出物に対し、手法1に従ってCOX-2阻害活性を解析した(表2)。
【0042】
【表2】
【0043】
表2より、イグサ中のCOX-2阻害成分は熱水では抽出されず、熱水抽出後の残渣にすべて残留することが確認された。これにより、本発明において見出されたイグサCOX-2阻害成分は、これまで知られているイグサの効能を担う成分とは別物であることが示された。
【0044】
[比較例1:イグサ灯芯部のCOX-2阻害活性]
イグサの灯芯部は、煎じて飲むと消炎効果が得られることから、特に薬効が高い部位とされている。そこで、イグサの灯芯部から有機溶媒抽出物を作製して、COX-2阻害活性の有無を検討した。
イグサ灯芯部(=花茎の髄のみ)0.6gを1-2cmに切断し、メタノール100mlを加えて70℃で2時間還流抽出を行った。その後濾過を行い、得られた濾液を減圧溶媒留去して、イグサ灯芯部メタノールエキス28.1mgを得た。当該抽出物を終濃度50μg/mlとなるようにジメチルスルホキシドに溶解し、手法1に従ってCOX-2阻害活性を測定した。なお、比較のために、後述する実施例2で製造したメタノール抽出物(表4)をイグサ全草メタノール抽出物として解析した。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
表3に示されるように、灯芯部のメタノール抽出物にはCOX-2阻害活性が検出されなかった。よって、民間薬として周知のイグサ由来消炎剤は、本発明のCOX-2阻害成分とは異なる成分を有効成分としていることが示された。また、本発明のイグサ由来COX-2阻害剤の製造には、灯芯部を除去したイグサを用いてもよいことも示された。
【0047】
[実施例2:イグサCOX-2阻害成分の抽出及び分画]
イグサを有機溶媒で段階的に抽出して、COX-2阻害成分の濃縮を試みた。具体的には、イグサをメタノールで抽出し、さらに(該メタノール抽出物から)n-ヘキサン可溶性成分と酢酸エチル可溶性成分を抽出し、これらの抽出物をカラムクロマトグラフィーで分画してCOX-2阻害活性を測定した。抽出及び分画工程のフローチャートを
図1に示す。
【0048】
<抽出及び分画>
乾燥イグサ400gを2-3cm長に切断し、メタノール8リットルを加えて70℃で2時間還流抽出を行った後、濾過を行って濾液と残渣を得た。当該残渣に6リットルのメタノールを加え、70℃で2時間還流抽出を行った後、濾過して濾液と残渣を得た。前記2回目の還流抽出で得られた濾液を前記1回目の還流抽出で得られた濾液と合わせてイグサのメタノール抽出液とし、当該メタノール抽出液を減圧溶媒留去してメタノール抽出物(
図1及び表4中の試料1)45gを得た。
前記メタノール抽出物に温水1リットルを加えて懸濁させた後、n-ヘキサン1リットルを加えて液液分配抽出を行い、ヘキサン層と水層を得た。当該水相に対してn-ヘキサンによる液液分配抽出をさらに3回行い、計4回の液液分配抽出で得られたヘキサン層を合わせてヘキサン抽出液とした。当該ヘキサン抽出液を減圧溶媒留去し、乾燥させて、ヘキサン抽出物(試料6)4.36gを得た。
前記液液分配抽出で得られた水層に対し、酢酸エチル1リットルを用いた液液分配抽出を計3回行い、得られた酢酸エチル層をすべて合わせて酢酸エチル抽出液とした。当該酢酸エチル抽出液を減圧溶媒留去し、乾燥させて、酢酸エチル抽出物(試料2)6.64gを得た。
【0049】
前記水−酢酸エチル液液分配後で得られた水層をすべて合わせた後、減圧溶媒留去し、水を加えて再溶解させた。当該溶解液を、合成吸着樹脂(ダイアイオンHP-20(三菱化成製)、750ml)を用いたカラムクロマトグラフィーに供した。水、50%メタノール、100%メタノールの3種類の溶出液でステップワイズ溶出を行い、各溶出液で得られた分画を減圧溶媒留去し乾燥させて、酢酸エチル−水抽出物(試料3)28.72g、酢酸エチル−50%メタノール抽出物(試料4)2.58g、酢酸エチル−100%メタノール抽出物(試料5)1.17gを得た。
【0050】
<COX-2阻害活性の測定>
上記抽出及び分画によって得られた各抽出物を、終濃度20μg/ml又は50μg/mlとなるようにジメチルスルホキシドに溶解し、手法1に従ってCOX-2阻害活性を測定した。結果を表4に示す。なお、表4中の“収率”は、得られた各抽出物の総重量の、初期材料(乾燥イグサ400g)に対する割合を表す。
【0051】
【表4】
【0052】
表4に示されるように、前記ヘキサン抽出物(試料6:イグサのメタノール抽出物をさらにn-ヘキサンで抽出した抽出物)は、メタノール抽出物(試料1)及び陽性コントロールのアセチルサリチル酸よりも強くCOX-2活性を阻害した。これに対し、前記酢酸エチル抽出物(試料2:イグサのメタノール抽出物のうち、n-ヘキサン不溶性且つ酢酸エチル可溶性成分)にはCOX-2阻害活性が検出されず、該酢酸エチル抽出物をさらに分画して得られた抽出物(試料3−5)にもCOX-2阻害活性は認められなかった。
よって、イグサのCOX-2阻害成分は、メタノールで抽出後さらにヘキサンで抽出することによって濃縮されることがわかった。また、試料2−5にはCOX-2阻害活性が検出されなかったことから、当該COX-2阻害成分は脂溶性の高い成分であることが示唆された。
【0053】
[実施例3:イグサCOX-2阻害成分の同定]
実施例2で得られたヘキサン抽出物から、イグサのCOX-2阻害成分の同定を試みた。
前記ヘキサン抽出物4.36gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200ml)に供し、クロロホルム:メタノール:水=95:5:0、90:10:0、78:20:2の3種類の溶出液でステップワイズ溶出を行い、10の分画(分画Aから分画J)に分画した。各分画を減圧溶媒留去して乾燥させた後、終濃度20μg/ml又は50μg/mlとなるようにジメチルスルホキシドに溶解し、手法1に従ってCOX-2阻害活性を測定した。結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5に示されるように、分画A−GにCOX-2阻害活性が検出され、特に分画B−Eには高いCOX-2阻害活性が認められた。このうち、最も活性の高い分画C(1.61g)を下記条件の逆相クロマトグラフィー(分取HPLC)によって展開し、複数の化合物を分取した。当該分取HPLCのチャートを
図2に示す。
<分取HPLC条件>
装置:Prominence UFLCシステム(株式会社島津製作所製)、ソフトウエア:LabSolutions v.5.57、カラム:COSMOSIL 2.5Cholester(2.5μm)径3.0×100mm(ナカライテスク株式会社製)、移動相:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル=50:50、流速:0.75ml/min、カラム温度40℃、検出:UV203−400nm
【0056】
前記分取HPLCで得られた化合物(分画)のCOX-2阻害活性を測定した。その結果、当該HPLCチャート(
図2)において、溶出開始から9.387分、10.012分、10.641分、11.708分後の溶出ピークを含む4分画(
図2中の分画i−iv)に、顕著なCOX-2阻害活性が検出された(表6)。当該4分画を前記分取HPLCと同じクロマトグラフィー条件で展開すると、いずれも単一の溶出ピークが得られたことから(
図3)、各分画は単一の化合物を含むと考えられる。そこで、当該4分画に含まれる化合物を、溶出時間の早い順に化合物1−4と呼ぶことにした。なお、前記分画C(1.61g)から分取HPLCによって得られた各化合物量は、化合物1が2.2mg、化合物2が2.0mg、化合物3が2.3mg、化合物4が2.5mgであった。
【0057】
【表6】
【0058】
前記化合物1−4の化学構造を決定するために、NMRスペクトルを測定した。結果を以下に示す。
<化合物1>
1H−NMR(CDCL3)δ:0.87(3H,t,J=7Hz),1.23−1.31(12H,m),1.38−1.42(2H,m),1.59−1.63(2H,m),2.26−2.31(2H,m),2.33(2H,t,J=7.5Hz),2.52(2H,t,J=7.5Hz),5.88(1H,dt,J=11,7.5Hz),6.10(1H,t,J=11Hz),6.16(1H,d,J=15.5Hz),7.47(1H,dd,J=15.5,11.5Hz).
<化合物>
1H−NMR(CDCL3)δ:0.87(3H,t,J=7Hz),1.23−1.31(12H,m),1.38−1.42(2H,m),1.61(2H,m),2.26−2.29(2H,m),2.32(2H,t,J=7.5Hz),2.52(2H,t,J=7.5Hz),5.89(1H,dt,J=11,7.5Hz),6.09(1H,t,J=11Hz),6.14(1H,d,J=15.5Hz),7.47(1H,dd,J=15.5,11.5Hz).
<化合物>
1H−NMR(CDCL3)δ:0.87(3H,t,J=7Hz),1.23−1.35(12H,m),1.4(2H,m),1.57−1.63(2H,m),2.14−2.16(2H,m),2.33(2H,t,J=7.5Hz),2.51(2H,t,J=7.5Hz),6.06(1H,d,J=11.5Hz),6.13−6.15(2H,m),7.11(1H,dm,J=15.5Hz).
<化合物>
1H−NMR(CDCL3)δ:0.87(3H,t,J=7Hz),1.23−1.30(12H,m),1.38−1.44(2H,m),1.57−1.62(2H,m),2.13−2.17(2H,m),2.32(2H,t,J=7.5Hz),2.51(2H,t,J=7.5Hz),6.05(1H,d,J=11.5Hz),6.14−6.16(2H,m),7.11(1H,dm,J=15.5Hz).
<参考文献>
Claire Dufour and Mich`ele Loonis, Chemistry and Physics of Lipids, 138:60-68, 2005, “Regio- and stereoselective oxidation of linoleic acid bound to serum albumin: identification by ESI-mass spectrometry and NMR of the oxidation products.”
【0059】
上記参考文献と、市販の標準品のHPLC溶出時間との比較により、前記化合物1−4は、いずれもオキソオクタデカジエン酸の立体異性体であることがわかった。具体的には、化合物1は、下記式(1)で表される(9Z,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、化合物2は、下記式(2)で表される(10E,12Z)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸、化合物3は、下記式(3)で表される(9E,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、化合物4は、下記式(4)で表される(10E,12E)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸である。
【0060】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0061】
表6の結果と合わせると、化合物1−4のうち化合物1(=(9Z,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)のCOX-2阻害活性が最も高く、単位重量当たりの比活性はアセチルサリチル酸を遥かに超えていた。続いて、化合物4(=(10E,12E)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸)の活性が高く、その次に化合物3(=(9E,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)の活性が高いことがわかった。これまで、オキソオクタデカジエン酸がCOX-2活性を阻害し得ることは知られてなく、また、オキソオクタデカジエン酸がイグサに含まれることも、本発明において初めて明らかとなったことである。
【0062】
以上より、イグサの有機溶媒抽出物にはオキソオクタデカジエン酸、さらに詳細には、(9Z,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、(10E,12Z)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸、(9E,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、及び(10E,12E)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸の4種類の立体異性体が含まれており、これらの異性体はすべてCOX-2阻害活性を有することが明らかとなった。
【0063】
[実施例4:イグサ有機溶媒抽出物のオキソオクタデカジエン酸含有量]
イグサから種々の有機溶媒を用いて抽出されるオキソオクタデカジエン酸の量を測定した。
乾燥イグサをミルで粉砕し、得られたイグサ粉砕物0.5gを10mlの抽出溶媒に懸濁して、室温で30分間超音波処理を行った(超音波処理終了後の液温は約35−40℃)。使用した抽出溶媒は、n-ヘキサン、メタノール、エタノール、70%エタノール、又は熱水である。その後遠心を行って上清を回収し、該上清を前記分取HPLC法を用いて展開、化合物1−4の含有量を算出した。乾燥イグサ1gあたりの含有量に換算した値を表7に示す。
【0064】
【表7】
【0065】
表7より、メタノール又は70%エタノールを用いて抽出した場合には、乾燥イグサ1gから約0.3-0.45mg程度のオキソオクタデカジエン酸が得られ、(9Z,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸(化合物1)、(10E,12Z)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸(化合物2)、(9E,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸(化合物3)、及び、(10E,12E)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸(化合物4)としては各々、約0.06-0.1mg、約0.1-0.13mg、約0.06-0.08mg、及び約0.08-0.14mg程度得られることが明らかとなった。また、100%エタノールを用いて抽出した場合にも、化合物1−4として各々、約0.04-0.07mg、約0.07-0.09mg、約0.03-0.06mg、約0.06-0.08mg、オキソオクタデカジエン酸としては約0.2-0.3mg程度得られることがわかった。n-ヘキサンを用いた場合には、メタノール又はエタノール(100%又は70%)を用いた場合と比べてオキソオクタデカジエン酸の収量は減少したが、抽出物に占めるオキソオクタデカジエン酸の割合は高かった。
これに対し、乾燥イグサを熱水で抽出した抽出物中には、オキソオクタデカジエン酸は検出されなかった。
【0066】
以上より、イグサを有機溶媒で抽出することにより、オキソオクタデカジエン酸、さらに詳細には、(9Z,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、(10E,12Z)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸、(9E,11E)-13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸、及び、(10E,12E)-9-オキソ-10,12-オクタデカジエン酸が得られることが確認された。
【0067】
以下に、本発明に係るCOX-2阻害剤を配合した製品の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の配合量はいずれも重量%を表し、各製品は特に断りがない場合には定法に従って製造した。
【0068】
[実施例5:錠剤]
<処方>
成分 配合量
乳糖 84.0
アスコルビン酸ナトリウム 10.0
乾燥コーンスターチ 3.0
タルク 1.8
イグサヘキサン抽出物(実施例3の分画iから溶媒除去したもの) 1.0
ステアリン酸ナトリウム 0.2
合計 100.0
<製法>
上記成分を均一に混合した混合物を単発式打錠機を用いて打錠し、直径5mm、質量15mgの錠剤を得た。
【0069】
[実施例6:トローチ]
<処方>
成分 配合量
ブドウ糖 74.3
乳糖 16.5
アラビアガム 5.0
イグサヘキサン抽出物(実施例2のヘキサン抽出物) 2.5
香料 1.0
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7
合計 100.0
【0070】
[実施例7:練り歯磨き]
成分 配合量
炭酸カルシウム 50.0
グリセリン 25.0
イグサn-ヘキサン抽出物(実施例1のn-ヘキサン抽出物) 4.0
カルボキシメチルセルロース 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 2.0
香料 1.0
ラクトフェリン 0.6
サッカリン 0.1
クロルヘキシジン 0.01
精製水 残余
合計 100.
【0071】
[実施例8:乳液]
成分 配合量
(油相)
セチルアルコール 1.0
ミツロウ 0.5
ワセリン 2.0
スクワラン 5.0
ジメチルポリシロキサン(6cs) 2.0
イグサn-ヘキサン抽出物(実施例1のn-ヘキサン抽出物) 1.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 1.0
グリセロールモノステアリン酸エステル 1.0
香料 適量
防腐剤 適量
(水相)
グリセリン 4.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
精製水 残余
合計 100.0
(製法)
水相及び油相をそれぞれ70℃で加熱溶解し、該水相をホモミキサーで攪拌しながら、該水相に前記油相を添加して乳化させた。その後、当該混合液を脱気し、室温にまで冷却して水中油型乳液を得た。
【0072】
[実施例9:クリーム]
成分 配合量
(油相)
マイクロクリスタリンワックス 10.0
固形パラフィン 2.0
ミツロウ 3.0
ワセリン 7.0
スクワラン 34.0
イグサメタノール抽出物(実施例1の100%メタノール抽出物) 1.0
モノオレイン酸グリセリン 3.0
POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
(水相)
プロピレングリコール 4.0
精製水 残余
合計 100.0
(製法)
水相及び油相をそれぞれ70℃で加熱溶解し、該油相をホモミキサーで攪拌しながら、該油相に前記水相を徐々に添加して乳化させた。その後、当該混合液を脱気し、室温にまで冷却して油中水型クリームを得た。
【0073】
[実施例10:グミゼリー]
成分 配合量
ゼラチン 60.0
水飴 20.0
砂糖 8.0
イグサエタノール抽出物(実施例1の100%エタノール抽出物) 5.0
植物油脂 4.5
マンニトール 2.0
香料 0.5
合計 100.0