(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の前記無線基地局群の前記起動状態の無線基地局は、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記第2の前記無線基地局群の前記起動状態の無線基地局から、前記無線端末との間の第2の電波状態を取得することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
前記所定の条件は、前記第1の無線基地局群と前記第2の無線基地局群のうち電波状態がより良い無線基地局群であることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。
前記第1の無線基地局は、前記第1の無線基地局群内で電波状態が最良であり、前記第2の無線基地局は、前記第2の無線基地局群内で電波状態が最良であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
異なる前記無線基地局群に属する前記起動状態の無線基地局同士の間の距離は、同一の前記無線基地局群に属する前記起動状態の無線基地局と前記スタンバイ状態の無線基地局との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記第1の前記無線基地局群の前記起動状態の無線基地局が、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記第2の前記無線基地局群の前記起動状態の無線基地局から、前記無線端末との間の第2の電波状態を取得するステップを備えることを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について以下に添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。無線通信システムは、複数のアクセスポイント100、複数の無線端末200を含む。アクセスポイント100は、任意の無線LAN規格に準拠して無線端末200との間で無線通信を行うことが可能な無線基地局である。無線端末200は、例えばコンピュータ、携帯型無線端末、組込機器等であり得る。アクセスポイント100及び無線端末200の数は限定されず、任意の数のアクセスポイント100及び無線端末200が無線通信システムに含まれていて良い。
【0016】
本実施形態では、便宜上、アクセスポイント100及び無線端末200のみを図示するが、これ以外の構成要素が無線通信システムに含まれていても良い。例えば、公衆網と接続された有線のルータ、ハブ等の中継装置がさらに含まれていても良い。なお、無線通信システムは、インターネット等の公衆網に接続されていても良く、また、公衆網には接続されず、独立した状態で構築されていても良い。
【0017】
アクセスポイント100は、通信機能を一部無効にする機能を有している。具体的には、無線通信による送信機能を無効とし、ビーコン及びプローブ応答といったアクセスポイント100からの発信を停止することができる。以下の説明において、アクセスポイント100の通信機能が一部無効にされている状態を「スタンバイ状態」と呼ぶ。一方、通常の状態、すなわちアクセスポイント100の通信機能がすべて有効にされている状態を「起動状態」と呼ぶ。
【0018】
図2は、本実施形態に係るアクセスポイント100のブロック図である。アクセスポイント100は、無線通信部11、状態管理部12、制御部13、有線通信部14を含む。無線通信部11は、受信部101、送信部102を含み、無線端末200との間の無線通信を制御する。アクセスポイント100が起動状態の場合は、受信部101と送信部102の双方が動作する。一方、アクセスポイント100がスタンバイ状態の場合は、送信部102は動作を停止する。送信部102の動作停止に伴い、ビーコンの生成及びプローブ応答の生成も停止する。
【0019】
状態管理部12は、電波状態測定部103、データベース104、電波状態比較部105を含む。電波状態測定部103は、受信部101が受信した電波に基づいて、電波状態を測定する。電波状態の指標として、無線端末200から送信された信号のアクセスポイント100における電波強度である受信電波強度が用いられる。受信電波強度に代えて、C/N比(Carrier to Noise ratio)が用いられてもよい。データベース104には、電波状態測定部103により測定された電波状態、他のアクセスポイント100の情報等が記憶される。
【0020】
スタンバイ状態のアクセスポイント100bは、起動状態のアクセスポイント100aに関連付けられており、関連付けられたアクセスポイント100とともに無線基地局群を形成する。無線基地局群内において、スタンバイ状態のアクセスポイント100bは、起動状態のアクセスポイント100aによって制御され得る。アクセスポイント100aのデータベース104には、アクセスポイント100bの情報が予め登録される。一方、アクセスポイント100bのデータベース104には、アクセスポイント100aの情報が予め登録される。また、起動状態のアクセスポイント100aは、他の起動状態のアクセスポイント100aとグループ化されており、各アクセスポイント100aのデータベース104には、同一グループに属する他のアクセスポイント100aの情報が予め登録される。これらの関連付け及びグループ化は、例えばシステムインテグレーションを行うものによって、アクセスポイント100の設置図面等を参照して予め行われる。
【0021】
電波状態比較部105は、自身(アクセスポイント100)の受信電波強度と、他のアクセスポイント100の受信電波強度とを比較する。アクセスポイント100は、起動状態にある場合は比較結果に基づいて他のアクセスポイント100の動作状態を切り替える処理等を行うが、スタンバイ状態にある場合はこのような処理は行わない。よって、アクセスポイント100は、スタンバイ状態にある場合は受信電波強度の比較をしなくて良い。
【0022】
制御部13は、接続制御部106、起動パケット送受信部107、状態切替部108を含む。接続制御部106は、電波状態比較部105からの情報に基づいて無線端末200の接続先を決定する。起動パケット送受信部107は、起動パケットの送受信を行う。起動パケットは、有線通信部14を介して、起動状態のアクセスポイント100aから送信され、スタンバイ状態のアクセスポイント100bにて受信される。状態切替部108は、起動パケットの受信を契機として、自身の状態をスタンバイ状態から起動状態へと切り替える。制御部13は、本発明の制御装置として機能し得る。有線通信部14は、他のアクセスポイント100との間の有線LAN通信を制御する。
【0023】
図3は、本実施形態に係るアクセスポイント100のハードウェア構成を示すブロック図である。アクセスポイント100は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、記憶装置114、無線LANユニット115、有線LANユニット116を含む。CPU111は、ROM112から所定のプログラムを読み出し、実行することにより、アクセスポイント100の機能を実現する。ROM112は不揮発性メモリから構成され、プログラム等を記憶する。RAM113は、CPU111の動作に必要なメモリ領域を提供する。記憶装置114は、ハードディスク等の大容量記憶装置である。無線LANユニット115は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11b規格に基づく無線通信インターフェースである。有線LANユニット116は、例えばイーサネット(登録商標)規格に基づく有線通信インターフェースであって、通信ケーブルを介して他のアクセスポイント100に接続される。
【0024】
図4は、本実施形態に係るアクセスポイント100の通信範囲を示す模式図である。アクセスポイント100がカバーできる通信範囲は、要求される伝送速度に従って定まる。すなわち、要求される伝送速度を満たす範囲を通信範囲と考える。遮蔽物等が存在するといった例外を考慮しない場合、無線端末200がアクセスポイント100から離れるほど、無線通信が提供できる伝送速度は遅くなる。したがって、伝送速度が高速な場合の通信範囲は狭く、伝送速度が低速な場合の通信範囲は広くなる。
【0025】
図4では一例として、IEEE802.11bに準拠した通信範囲が図示されている。ビーコン及びプローブ応答等に要求される伝送速度(例えば1Mbps、2Mbps)は、データ通信に要求される伝送速度(例えば5.5Mbps、11Mbps)よりも低速である。したがって、ビーコン及びプローブ応答等に対する通信範囲(ビーコン通信範囲)は、データ通信に対する通信範囲(データ通信範囲)よりも広くなる。
【0026】
図5は、本実施形態に係るアクセスポイント(AP)100の配置を示す模式図である。起動状態のアクセスポイント(起動AP)100aと、アクセスポイント100aに関連付けられたスタンバイ状態のアクセスポイント(スタンバイAP)100bとは、有線LANにより接続されている。アクセスポイント100a同士の間の距離は、アクセスポイント100aとアクセスポイント100bとの間の距離よりも大きい。アクセスポイント100aのデータ通信範囲400は、アクセスポイント100aを中心に実線で囲われた円形領域で表される。ビーコン通信範囲401は、アクセスポイント100aを中心に破線で囲われた円形領域で表される。アクセスポイント100bの送信部102は無効にされているため、アクセスポイント100bの通信範囲は表されない。起動状態のアクセスポイント100aはグループ化されており、無線端末200との電波状態が悪い場合、グループ内の他のアクセスポイント100aと情報の共有を行うことができる。例えば、
図5において、アクセスポイントD1、D2は同一グループに属するものとする。
【0027】
なお、
図5では、1つのアクセスポイント100aに対して、4つのアクセスポイント100bが関連付けられた構成が例示されているが、1つのアクセスポイント100aに対して関連付けられるアクセスポイント100bの数は3以下、または5以上であっても良い。
【0028】
図6A、
図6Bは、本実施形態に係るアクセスポイント100の動作を説明するための図であって、
図5からアクセスポイントD1に関連する部分を抜き出して示している。まず、
図6Aに示すように、アクセスポイントD1は無線端末200からの接続要求を受信部101で受信する。または、アクセスポイントD1が無線端末200への接続要求を送信部102から送信し、無線端末200からの接続要求応答を受信部101で受信する。このとき、アクセスポイントD1は、受信電波強度を電波状態測定部103で測定し、無線端末200との電波状態をデータベース104に保存する。電波状態は、データベース104に登録されているアクセスポイント100bの情報とともに電波状態比較部105へ出力される。
【0029】
電波状態比較部105は、アクセスポイントD1の受信電波強度(例えば−67[dBm])を、予め設定された閾値(例えば−65[dBm])と比較し、比較結果を接続制御部106に出力する。接続制御部106は、受信電波強度が閾値以上である場合、自身(アクセスポイントD1)に無線端末200を接続させ、無線端末200との通信を開始させる。接続制御部106は、受信電波強度が閾値を下回る場合、有線通信部14を介して、アクセスポイント100b(アクセスポイントS1〜S4)に電波状態を要求する。なお、電波状態比較部105が接続制御部106に対してアクセスポイントS1〜S4から電波状態を取得するように命令し、接続制御部106が命令に従って、アクセスポイントS1〜S4に電波状態を要求するように構成されても良い。
【0030】
アクセスポイントS1〜S4のそれぞれは、アクセスポイントD1の無線通信を監視している。例えば、受信部101は、通信パケット中のMAC(Media Access Control)アドレスに基づいて、アクセスポイントD1に接続しようとしている無線端末200を特定する。電波状態測定部103は、特定された無線端末200からの受信電波強度を測定し、データベース104に保存する。アクセスポイントS1〜S4のそれぞれは、アクセスポイントD1から電波状態の要求を受けると、データベース104に保存された電波状態をアクセスポイントD1に送信する。アクセスポイントD1の接続制御部106は、アクセスポイントS1〜S4から取得された電波状態を電波状態比較部105へ出力する。電波状態比較部105は、自身(アクセスポイントD1)の受信電波強度と、アクセスポイントS1〜S4の受信電波強度とを比較する。接続制御部106は、アクセスポイントD1、S1〜S4のうち受信電波強度が最も高いアクセスポイントに無線端末200を接続させる。
【0031】
図6Bに示すように、比較の結果、アクセスポイントS4の受信電波強度が最も高い場合、アクセスポイントD1の起動パケット送受信部107は、アクセスポイントS4に起動パケットを送出する。アクセスポイントS4の起動パケット送受信部107は、起動パケットを受け取ると、状態切替部108に対して、自身(アクセスポイントS4)を起動状態に切り替えるように命令を行う。状態切替部108は切替命令を受けると、スタンバイ状態によって制限されていた無線通信部11の機能制限を解除する。接続制御部106は、自身(アクセスポイントS4)に無線端末200を接続させ、無線端末200との通信を開始させる。その後、通信が終了し一定時間が過ぎると、状態切替部108は、自身(アクセスポイントS4)を再びスタンバイ状態へと切り替える。
【0032】
図7A、
図7Bは、本実施形態に係るアクセスポイント100の動作を説明するための図であって、
図5からアクセスポイントD1、D2に関連する部分を抜き出して示している。ここでは、受信電波強度を閾値と比較した際に、アクセスポイントD1、S1〜S4のすべての受信電波強度が閾値を下回っている場合の動作を説明する。
【0033】
アクセスポイントD1の電波状態比較部105は、アクセスポイントD1、S1〜S4の受信電波強度を閾値と比較し、比較結果を接続制御部106に出力する。接続制御部106は、すべての受信電波強度が閾値を下回っている場合、アクセスポイントD2に電波状態を要求する。なお、電波状態比較部105が接続制御部106に対してアクセスポイントD2から電波状態を取得するように命令し、接続制御部106が命令に従って、アクセスポイントD2に電波状態を要求するように構成されても良い。
【0034】
アクセスポイントD2は、アクセスポイントD1から電波状態の要求を受けると、アクセスポイントD1に接続しようとしている無線端末200からの受信電波強度を電波状態測定部103で測定し、データベース104に保存する。また、アクセスポイントD2は、有線通信部14を介して、アクセスポイントS5〜S8にも同様の電波状態を要求する。
【0035】
アクセスポイントS5〜S8のそれぞれは、アクセスポイントD2から電波状態の要求を受けると、無線端末200からの受信電波強度を電波状態測定部103で測定し、データベース104に保存する。アクセスポイントS5〜S8のそれぞれは、データベース104に保存された電波状態を、有線通信部14を介してアクセスポイントD2に送信する。アクセスポイントD2は、自身の電波状態と、アクセスポイントS5〜S8の電波状態をアクセスポイントD1に提供する。
【0036】
アクセスポイントD1は、アクセスポイントD2から電波状態が提供されると、電波状態をデータベース104に保存するとともに、電波状態比較部105に出力する。電波状態比較部105は、アクセスポイントD2、S5〜S8の受信電波強度を、予め設定された閾値(例えば−65[dBm])と比較する。接続制御部106は、比較結果に基づき、受信電波強度が閾値以上であるものの中で、最も受信電波強度の強いアクセスポイントに無線端末200を接続させる。
【0037】
図7Bに示すように、アクセスポイントS6の受信電波強度が閾値以上かつ最も強い場合、アクセスポイントD1は、アクセスポイントD2に対して、アクセスポイントS6に起動パケットを送出するように指示する。アクセスポイントD2は、アクセスポイントS6に起動パケットを送出し、起動状態になったアクセスポイントS6に無線端末200を接続させる。また、アクセスポイントD1は、アクセスポイントD2、S5〜S8のすべての受信電波強度が閾値を下回る場合には、アクセスポイントD1、D2、S1〜S8のうち、最も高い受信電波強度のアクセスポイントに無線端末200を接続させる。
【0038】
図8A、
図8Bは、本実施形態に係るアクセスポイント100の動作を示すフローチャートである。
図8Aのフローチャートは、主にスタンバイ状態のアクセスポイント100bの動作を示し、
図8Bのフローチャートは、起動状態のアクセスポイント100aの動作を示す。
【0039】
図8Aにおいて、アクセスポイント100の電源がONされると、アクセスポイント100は、スタンバイ状態となるように設定されているか否かを確認する(ステップS11)。スタンバイ状態となるように設定されていない場合、すなわち起動状態に設定されている場合(ステップS11でNO)、アクセスポイント100は、起動状態となり、
図8BのステップS31に移行する。一方、スタンバイ状態となるように設定されている場合(ステップS11でYES)、アクセスポイント100は、スタンバイ状態となり、ステップS12に進む。例えば、
図7Aにおいて、アクセスポイントD1、D2はステップS31に移行し、アクセスポイントS1〜S8はステップS12に進む。
【0040】
スタンバイ状態のアクセスポイント100bは、自身が登録されている起動状態のアクセスポイント100aを探索し(ステップS12)、自身が登録されているか否かを判断する(ステップS13)。自身が登録された起動状態のアクセスポイント100aが発見されない場合(ステップS13でNO)、アクセスポイント100bは探索を継続する。自身が登録された起動状態のアクセスポイント100aが発見された場合(ステップS13でYES)、アクセスポイント100bは、ステップS14に進む。例えば、
図7Aにおいて、アクセスポイントS1〜S4、アクセスポイントS5〜S8は、自身が登録されているアクセスポイントD1、D2をそれぞれ発見する。
【0041】
アクセスポイント100bは、周囲の無線通信を監視する(ステップS14)。例えば、アクセスポイント100bは、通信パケットをキャプチャして送信元及び送信先の解析を行う。アクセスポイント100bは、アクセスポイント100aから電波状態の要求があったか否かを判断する(ステップS15)。電波状態の要求がない場合(ステップS15でNO)、アクセスポイント100bは、ステップS14に戻る。電波状態の要求があった場合(ステップS15でYES)、アクセスポイント100bは、ステップS16に進む。
【0042】
アクセスポイント100bは、無線端末200からのアクセスポイント100aへの接続要求または接続応答を観測し、アクセスポイント100aに接続してきた無線端末200からの受信電波強度を測定する(ステップS16)。アクセスポイント100bは、測定した受信電波強度を含む電波状態をデータベース104に記憶するとともに、電波状態をアクセスポイント100aに送信する(ステップS17)。例えば、
図7Aにおいて、アクセスポイントS1〜S4のそれぞれは、アクセスポイントD1に電波状態を送信し、アクセスポイントS5〜S8のそれぞれは、アクセスポイントD2に電波状態を送信する。
【0043】
アクセスポイント100bは、アクセスポイント100aから起動パケットを受信したか否かを判定する(ステップS18)。起動パケットを受信していない場合(ステップS18でNO)、アクセスポイント100bは、ステップS14に戻る。起動パケットを受信した場合(ステップS18でYES)、アクセスポイント100bは、スタンバイ状態から起動状態へと移行する(ステップS19)。アクセスポイント100bは、起動状態へと移行した後、無線端末200と接続し、通信を開始する(ステップS20)。例えば、
図7Bにおいて、アクセスポイントS6は、アクセスポイントD1から起動パケットを受信し、起動状態へと移行する。アクセスポイントS6は、無線端末200と接続し、通信を開始する。
【0044】
無線端末200との通信が完了した後、アクセスポイント100bは一定時間待機する(ステップS21)。アクセスポイント100bは、一定時間内に無線端末200との通信が再開したか否かを判断する(ステップS22)。通信が再開した場合(ステップS22でNO)、アクセスポイント100bは、ステップS20に戻る。一方、一定時間内に無線端末200との通信が発生せず、一定時間を経過した場合(ステップS22でYES)、アクセスポイント100bは、起動状態からスタンバイ状態へと移行し(ステップS23)、ステップS14に戻る。
【0045】
図8Bにおいて、アクセスポイント100aは、周囲の無線通信を監視し(ステップS31)、無線端末200からの接続要求(または接続要求応答)があったか否かを判断する(ステップS32)。接続要求がない場合(ステップS32でNO)、接続要求があるまで待機する。接続要求があった場合(ステップS32でYES)、無線端末200からの受信電波強度を測定し、受信電波強度を含む電波状態をデータベース104に保存する(ステップS33)。
【0046】
アクセスポイント100aは、受信電波強度を予め設定された閾値と比較して、強弱を判断する(ステップS34)。例えば、
図7Aにおいて、アクセスポイントD1は、受信電波強度−74[dBm]を閾値−65[dBm]と比較する。比較の結果、受信電波強度が強かった場合、すなわち受信電波強度が閾値以上である場合(ステップS34でNO)、アクセスポイント100aは、ステップS40に進む。アクセスポイント100aは、無線端末200との通信を開始し(ステップS40)、ステップS31に戻る。一方、比較の結果、受信電波強度が弱かった場合、すなわち受信電波強度が閾値を下回る場合(ステップS34でYES)、アクセスポイント100aは、ステップS35に進む。
【0047】
ステップS35において、アクセスポイント100aは、自身に登録されたスタンバイ状態のアクセスポイント100bのそれぞれから、電波状態を取得する。アクセスポイント100aは、アクセスポイント100bから取得されたすべての受信電波強度を比較する(ステップS36)。アクセスポイント100aは、アクセスポイント100bの最も強い受信電波強度を予め設定された閾値と比較して、強弱を判断する(ステップS37)。例えば、
図7Aにおいて、アクセスポイントD1は、アクセスポイントS1〜S4の受信電波強度のうち最も強い−70[dBm]を閾値−65[dBm]と比較する。
【0048】
比較の結果、受信電波強度が強かった場合、すなわち最も強い受信電波強度が閾値以上である場合(ステップS37でNO)、アクセスポイント100aは、ステップS41に進む。アクセスポイント100aは、最も強い受信電波強度のアクセスポイント100bに対して起動パケットを送出する(ステップS41)。起動パケットを受信したアクセスポイント100bは、無線端末200との通信を開始し(ステップS42)、ステップS31に戻る。一方、比較の結果、受信電波強度が弱かった場合、すなわち最も強い受信電波強度が閾値を下回る場合(ステップS37でYES)、アクセスポイント100aは、ステップS38に進む。
【0049】
アクセスポイント100aは、同一グループに属する他のアクセスポイント100aから、電波状態を取得する(ステップS38)。他のアクセスポイント100aは、アクセスポイント100aからの要求に応じて、自身に関連づけられたアクセスポイント100bから受信電波強度を取得し、自身が測定した受信電波強度とともにアクセスポイント100aに送信する。例えば、
図7Bにおいて、アクセスポイントD1は、アクセスポイントD2から、アクセスポイントD2及びアクセスポイントS5〜S8のそれぞれにおいて測定された受信電波強度を取得する。
【0050】
アクセスポイント100aは、他のアクセスポイント100aから取得されたすべての受信電波強度を比較する。アクセスポイント100aは、最も強い受信電波強度を予め設定された閾値と比較して、強弱を判断する(ステップS39)。例えば、
図7Bにおいて、アクセスポイントD1は、アクセスポイントD2から取得されたアクセスポイントD2、S5〜S8の受信電波強度のうち、最も強い受信電波強度−60[dBm]を閾値−65[dBm]と比較する。ステップS34、S37、S39で用いられる閾値は、それぞれ異なっていても良い。
【0051】
比較の結果、受信電波強度が強かった場合、すなわち最も強い受信電波強度が閾値以上である場合(ステップS39でNO)、アクセスポイント100aは、ステップS41に進む。アクセスポイント100aは、最も強い受信電波強度のアクセスポイントがスタンバイ状態である場合、該アクセスポイントに対して起動パケットを送出する(ステップS41)。起動パケットを受信したアクセスポイント、または起動状態のアクセスポイントは、無線端末200との通信を開始し(ステップS42)、ステップS31に戻る。例えば、
図7Bにおいて、アクセスポイントD1は、アクセスポイントS6の受信電波強度が最も強いものと判断する。アクセスポイントD1は、無線端末200との接続制御をアクセスポイントD2に渡し、接続制御を渡されたアクセスポイントD2は、アクセスポイントS6に起動パケットを送出する。起動パケットを受信したアクセスポイントS6は、無線端末200との通信を開始する。
【0052】
一方、比較の結果、受信電波強度が弱かった場合、すなわち最も強い受信電波強度が閾値を下回る場合(ステップS39でYES)、アクセスポイント100aは、ステップS40に進む。アクセスポイント100aは、無線端末200との通信を開始し(ステップS40)、ステップS31に戻る。
【0053】
本実施形態によれば、グループ化された起動状態のアクセスポイント100a間で無線端末200との間の受信電波強度が共有されるため、接続要求を行ってきた無線端末200を電波状態が最良のアクセスポイント100aに接続させることが可能となる。
【0054】
例えば、
図7A、
図7Bにおいて、アクセスポイントD1、D2が使用するチャネルをそれぞれ36CH、48CHとし、無線端末200におけるアクセスポイントD1からの電波強度がアクセスポイントD2からの電波強度より弱い、という状態を想定する。無線端末200が、チャネルの若いアクセスポイントから接続を試みる接続アルゴリズムを有する場合、電波強度の強いアクセスポイントD2ではなく、電波強度の弱いアクセスポイントD1に対して接続要求が行われることになる。仮にアクセスポイントD1、D2間で電波状態が共有されないものとすると、無線端末200は、接続要求がなされたアクセスポイントD1に関連付けられたアクセスポイントS4に接続されてしまう。
図7Bに示すように、アクセスポイントS4の電波状態はアクセスポイントS6の電波強度よりも悪いため、アクセスポイントS4は適切なアクセスポイントではない。これに対し、本実施形態においては、接続要求がなされていないアクセスポイントD2に関連付けられたアクセスポイントS5〜S8の電波状態も知ることができるため、無線端末200を適切なアクセスポイントS6に接続させることが可能となる。
【0055】
[第2実施形態]
本実施形態に係る無線通信システムは、複数のアクセスポイント100を管理するサーバ301(または無線LANコントローラ302)をさらに含む。サーバ301は、第1実施形態における制御部13と同様の構成を有している。以下、第1実施形態に係る無線通信システムと異なる点を中心に説明する。
【0056】
図9は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。無線通信システムは、複数のアクセスポイント100、複数の無線端末200、サーバ301を含む。
図9において、無線端末200の図示は省略されている。起動状態のアクセスポイント100aとしてアクセスポイントD11、D21がフロアに設置されている。また、スタンバイ状態のアクセスポイント100bとしてアクセスポイントS11〜S14、S21〜24がフロアに設置されている。
【0057】
アクセスポイントS11〜S14は、アクセスポイントD11に関連付けられており、アクセスポイントS21〜S24は、アクセスポイントD21に関連付けられている。アクセスポイントD11、D21と、アクセスポイントS11〜S14、S21〜24のそれぞれは、サーバ301と有線LANで接続されている。アクセスポイントD11と、アクセスポイントS11〜S14のそれぞれは、図示を省略したハブ等を介して接続され得る。アクセスポイントD21と、アクセスポイントS21〜S24のそれぞれも同様に接続されている。また、アクセスポイントD11、D21は、同一グループにグループ化されている。
【0058】
サーバ301は、例えばサーバルームに設置されており、各アクセスポイント100の動作を制御する。サーバ301は、起動状態のアクセスポイント100aに加え、スタンバイ状態のアクセスポイント100bからも無線端末200との電波状態を受け取る機能を有する。なお、本実施形態では、サーバ301がすべてのアクセスポイント100と通信を行うため、アクセスポイント100aが、自身に関連付けられているアクセスポイント100bと接続されていなくてもよい。なお、サーバ301及びアクセスポイント100の設置場所はサーバルーム及びフロアに限定されない。
【0059】
無線端末200からアクセスポイントD11に接続要求が来た場合、サーバ301は各アクセスポイント100と無線端末200の間の電波状態をそれぞれ取得する。サーバ301は、受信電波強度を比較し、どのアクセスポイント100が無線端末200と最も電波状態の良いアクセスポイントかを判断する。
【0060】
最も電波状態の良いアクセスポイント100がアクセスポイントD11であった場合には、サーバ301は、アクセスポイントD11に無線端末200を接続させ、通信を開始させる。一方、最も電波状態の良いアクセスポイント100がアクセスポイントS11〜S14の何れかであった場合には、サーバ301は、そのアクセスポイントに対して起動パケットを送信する。サーバ301は、最も電波強度の良いアクセスポイント100を起動状態に切り替えた後、最も電波状態の良いアクセスポイント100に無線端末200を接続させ、通信を開始させる。
【0061】
アクセスポイントD11、S11〜S14のいずれも電波状態が良くない場合、サーバ301は、アクセスポイントD21の電波状態を取得する。アクセスポイントD11の電波状態よりもアクセスポイントD21の電波状態の方が良い場合、サーバ301は、無線端末200をアクセスポイントD21、S21〜24の何れかへ接続させる。すなわち、上述のアクセスポイントD11、S11〜S14間の電波状態の比較と同様に、アクセスポイントD21、S21〜S24間の電波状態の比較を行い、最も電波強度の良いアクセスポイント100に無線端末200を接続させ、通信を開始させる。
【0062】
無線端末200とアクセスポイント100の通信完了後、この通信を行っていたアクセスポイント100が元々スタンバイ状態であった場合、このアクセスポイント100bは一定時間が過ぎると自動的にスタンバイ状態へと切り替わる。
【0063】
本実施形態によれば、サーバ301で複数のアクセスポイント100の電波状態を一元管理し、複数のアクセスポイント100の制御を行う。これにより、従来のアクセスポイントのハードウェアを変更せずに、汎用のサーバにソフトウェア等を追加するだけで本発明を実現することができる。
【0064】
また、汎用のサーバにソフトウェアを追加するのではなく、サーバ301の機能を搭載した無線LANコントローラ302をハードウェア及びソフトウェアの組合せにより実現しても良い。サーバ301及び無線LANコントローラ302は、本発明の制御装置として機能する。
【0065】
[第3実施形態]
図10は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。無線通信システムは、無線端末200との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群100gと、無線基地局群100gを制御するための制御装置300とを備える。無線基地局群100gは、起動状態の無線基地局100aと、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局100bとを含む。無線端末200は、無線基地局100aからのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、無線基地局100aに対して接続要求を行う。
【0066】
制御装置300は、接続要求が行われた無線基地局100aを含む第1の無線基地局群100gと無線端末200との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、第1の無線基地局群100g内の第1の無線基地局に無線端末200を接続させる。また、制御装置300は、第1の電波状態が所定の条件を満さない場合、無線端末200との間の第2の電波状態が所定の条件を満たす第2の無線基地局群100g内の第2の無線基地局に無線端末200を接続させる。
【0067】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、上述の実施形態では、2つの起動状態のアクセスポイント100aをグループ化したものについて説明したが、グループ化する起動状態のアクセスポイント100aは2つ以上であっても良い。また、無線通信システム内のすべての起動状態のアクセスポイント100aを、1組としてグループ化しても良く、1つの無線通信システム内に複数のグループが設定されていても良い。
【0068】
また、
図8Bのフローチャートに示すステップS34において、接続要求を受けたアクセスポイント100aの受信電波強度が、閾値とではなく他のアクセスポイント100aの受信電波強度と比較されても良い。すなわち、ステップS34において、同一グループの他のアクセスポイント100aから受信電波強度が取得され、グループ内で受信電波強度が最も強いアクセスポイント100aが判断されても良い。
【0069】
また、無線端末200からアクセスポイント100が受信した電波の受信電波強度を測定する代わりに、アクセスポイント100から無線端末200が受信した電波の受信電波強度を測定し、それを電波状態の指標として用いるようにしてもよい。アクセスポイント100から無線端末200が受信した電波の受信電波強度は、無線端末200が測定し、アクセスポイント100に上り信号で伝えることができる。なお、本発明は、アクセスポイント100のみならず、一般の無線基地局(例えば、携帯電話網の無線基地局)に適用することができる。
【0070】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラム(より具体的には、
図8A、
図8Bに示す方法をコンピュータに実行させるプログラム)を記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0071】
該記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0072】
上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0073】
(付記1)
無線端末との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群と、前記無線基地局群を制御するための制御装置とを備える無線通信システムであって、
前記2以上の無線基地局群のそれぞれは、起動状態の無線基地局と、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局とを含み、
前記無線端末は、前記起動状態の無線基地局からのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、前記起動状態の無線基地局に対して接続要求を行い、
前記制御装置は、前記接続要求が行われた無線基地局を含む第1の前記無線基地局群と前記無線端末との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、前記第1の無線基地局群内の第1の無線基地局に前記無線端末を接続させ、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記無線端末との間の第2の電波状態が前記所定の条件を満たす第2の前記無線基地局群内の第2の無線基地局に前記無線端末を接続させることを特徴とする無線通信システム。
【0074】
(付記2)
前記所定の条件は、前記第1の無線基地局群と前記第2の無線基地局群のうち電波状態がより良い無線基地局群であることを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
【0075】
(付記3)
前記所定の条件は、受信電波強度が閾値以上であることを特徴とする付記1または2に記載の無線通信システム。
【0076】
(付記4)
前記第1の無線基地局は、前記第1の無線基地局群内で電波状態が最良であり、前記第2の無線基地局は、前記第2の無線基地局群内で電波状態が最良であることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の無線通信システム。
【0077】
(付記5)
前記制御装置は、前記第1の無線基地局または前記第2の無線基地局がスタンバイ状態である場合、起動パケットを送出することにより前記スタンバイ状態を解除することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の無線通信システム。
【0078】
(付記6)
異なる前記無線基地局群に属する前記起動状態の無線基地局同士の間の距離は、同一の前記無線基地局群に属する前記起動状態の無線基地局と前記スタンバイ状態の無線基地局との間の距離よりも大きいことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の無線通信システム。
【0079】
(付記7)
前記制御装置は、前記無線基地局に、または前記2以上の無線基地局群を管理するサーバに設けられたことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の無線通信システム。
【0080】
(付記8)
無線端末との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群を備える無線通信システムにおいて、前記無線基地局群を制御するための制御装置であって、
前記2以上の無線基地局群のそれぞれは、起動状態の無線基地局と、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局とを含み、
前記無線端末は、前記起動状態の無線基地局からのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、前記起動状態の無線基地局に対して接続要求を行い、
前記制御装置は、前記接続要求が行われた無線基地局を含む第1の前記無線基地局群と前記無線端末との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、前記第1の無線基地局群内の第1の無線基地局に前記無線端末を接続させ、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記無線端末との間の第2の電波状態が前記所定の条件を満たす第2の前記無線基地局群内の第2の無線基地局に前記無線端末を接続させることを特徴とする制御装置。
【0081】
(付記9)
無線端末との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群を備える無線通信システムにおいて、前記無線基地局群を制御するための制御方法であって、
前記2以上の無線基地局群のそれぞれは、起動状態の無線基地局と、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局とを含み、
前記無線端末は、前記起動状態の無線基地局からのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、前記起動状態の無線基地局に対して接続要求を行い、
前記接続要求が行われた無線基地局を含む第1の前記無線基地局群と前記無線端末との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、前記第1の無線基地局群内の第1の無線基地局に前記無線端末を接続させるステップと、
前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記無線端末との間の第2の電波状態が前記所定の条件を満たす第2の前記無線基地局群内の第2の無線基地局に前記無線端末を接続させるステップとを備えることを特徴とする制御方法。
【0082】
(付記10)
無線端末との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群を備える無線通信システムにおいて、前記無線基地局群を制御するためのプログラムであって、
前記2以上の無線基地局群のそれぞれは、起動状態の無線基地局と、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局とを含み、
前記無線端末は、前記起動状態の無線基地局からのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、前記起動状態の無線基地局に対して接続要求を行い、
コンピュータを、
前記接続要求が行われた無線基地局を含む第1の前記無線基地局群と前記無線端末との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、前記第1の無線基地局群内の第1の無線基地局に前記無線端末を接続させ、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記無線端末との間の第2の電波状態が前記所定の条件を満たす第2の前記無線基地局群内の第2の無線基地局に前記無線端末を接続させる制御装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【0083】
(付記11)
無線端末との間で無線通信を行うための2以上の無線基地局群と、前記無線基地局群を制御するための制御装置とを備える無線通信システムに用いられる無線基地局であって、
前記2以上の無線基地局群のそれぞれは、起動状態の無線基地局と、無線通信による送信機能が停止されたスタンバイ状態の無線基地局とを含み、
前記無線端末は、前記起動状態の無線基地局からのビーコンまたはプローブ応答に基づいて、前記起動状態の無線基地局に対して接続要求を行い、
前記無線基地局は、前記制御装置に対して前記無線端末との間の電波状態を提供し、
前記制御装置は、前記接続要求が行われた無線基地局を含む第1の前記無線基地局群と前記無線端末との間の第1の電波状態が所定の条件を満たす場合、前記第1の無線基地局群内の第1の無線基地局に前記無線端末を接続させ、前記第1の電波状態が前記所定の条件を満さない場合、前記無線端末との間の第2の電波状態が前記所定の条件を満たす第2の前記無線基地局群内の第2の無線基地局に前記無線端末を接続させことを特徴とする無線基地局。