特許第6485912号(P6485912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6485912-金型の位置決め装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6485912
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】金型の位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/30 20060101AFI20190311BHJP
   B29C 45/64 20060101ALI20190311BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   B29C33/30
   B29C45/64
   B22D17/22 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-159719(P2015-159719)
(22)【出願日】2015年7月27日
(65)【公開番号】特開2017-24384(P2017-24384A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】大久保 芳樹
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−020401(JP,A)
【文献】 特開2000−349108(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178041(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/30,
B22D 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機の固定壁(1)に固定されるベース部材(2)と、
前記ベース部材(2)の上側に上下方向へ移動可能に配置される受け部材(5)であって、前記成形機の金型(10)を下側から受け止め可能な受け部材(5)と、
前記ベース部材(2)と前記受け部材(5)との間に所定の隙間(G)を形成するように当該受け部材(5)を上限位置に向けて押す付勢手段(15)と、
前記隙間(G)に着脱可能に装着されるサポートブロック(25)と、
前記受け部材(5)に設けられる着座検出用スイッチ(31)と、を備え、
前記付勢手段(15)によって前記上限位置へ移動された前記受け部材(5)が、前記金型(10)の重量によって下降され、前記サポートブロック(25)または前記ベース部材(2)に着座したときに、その前記受け部材(5)の着座状態を前記着座検出用スイッチ(31)が検知する、ことを特徴とする金型の位置決め装置。
【請求項2】
請求項1の金型位置決め装置において、
前記付勢手段(15)がバネ(17)の付勢力を利用している、ことを特徴とする金型の位置決め装置。
【請求項3】
請求項1又は2の金型位置決め装置において、
前記サポートブロック(25)は、上下方向の寸法が異なる複数のサポートブロックを備える、ことを特徴とする金型の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、成形機の金型を上下方向に位置決めする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の位置決め装置には、従来では、特許文献1(日本国・特開2012−20401号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
成形機の固定壁にベース部材が固定され、そのベース部材の上側に配置された受け部材が流体圧シリンダによって上下方向に移動される。前記ベース部材と受け部材との間にサポートブロックが着脱可能に装着され、成形機の金型が受け部材とサポートブロックとを介してベース部材に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2012−20401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は次の問題がある。
上記の受け部材が流体圧シリンダによって上限位置から下降位置へ移動されるときに、その受け部材が何らかの原因によって下降途中位置でロックされることがある。このような場合には、その受け部材に載置される金型を、成形機の固定壁の所定位置に固定できない。
本発明の目的は、上記の受け部材に載置される金型を、成形機の固定壁の所定位置に固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明は、例えば、図1Aから図3に示すように、金型の位置決め装置を次のように構成した。
成形機の固定壁1に固定されるベース部材2の上側に、受け部材5を上下方向へ移動可能に配置し、その受け部材5によって成形機の金型10を下側から受け止め可能に構成する。前記受け部材5を上限位置に向けて押す付勢手段15によって、前記ベース部材2と前記受け部材5との間に所定の隙間Gを形成し、その隙間Gにサポートブロック25を着脱可能に装着する。前記付勢手段15によって前記上限位置へ移動された前記受け部材5が前記金型10の重量によって下降され、その受け部材5が前記サポートブロック25、または前記ベース部材2に着座したときに、その前記受け部材5の着座状態を前記着座検出用スイッチ31が検知する。
【0006】
本発明は、次の作用効果を奏する。
上記の付勢手段によって上限位置に支持された受け部材に金型が載置されると、その金型の重量によって受け部材が付勢手段に抗して下降していく。すると、受け部材がサポートブロックまたはベース部材に着座される。これと同時に、上記の受け部材に設けられた着座検出用スイッチにより、当該受け部材が、サポートブロックまたはベース部材上に着座したことを確実に検知する。これにより、受け部材に載置された金型を、固定壁の所定位置に固定できる。
また、上記受け部材から金型を搬出すると、付勢手段が受け部材を上限位置に向けて移動させる。これにより、着座検出用スイッチにより、上記の受け部材がサポートブロックまたはベース部材から離間されたことを確実に検出する。
【0007】
本発明では、前記付勢手段15がバネ17の付勢力を利用していることが好ましい。
この場合、前記の従来の位置決め装置とは異なり、流体圧シリンダが不要になるうえ、その流体圧シリンダに圧力流体を給排する手段も省略できるので、金型の位置決め装置の全体を簡素かつコンパクトに構成できる。
【0008】
また、本発明では、前記サポートブロック25は、上下方向の寸法が異なる複数のサポートブロックを備えることが好ましい。
この場合、金型の背丈に応じて当該金型の高さ位置を調節できるので、交換可能な金型の種類を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、本発明の一実施形態を示し、金型の位置決め装置の立面図である。図1Bは、上記装置の受け部材に金型が載置された状態を示し、図1Aに類似する図である。
図2図2Aは、上記装置のベース部材の上面にサポートブロックが装着された状態を示し、図1Aに類似する図である。図2Bは、上記受け部材に金型が載置された状態を示し、図1Bに類似する図である。
図3図3は、金型の位置決め装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図1Aから図3によって説明する。
射出成形機のプラテン又は当該プラテンに固定された取付けプレート等(固定壁1)に、ベース部材2が複数のボルト3によって固定される。
上記ベース部材2の上側に受け部材5が上下方向へ移動可能に配置される。即ち、ベース部材2の左右方向(水平方向)の中央部に、ガイド溝(又はガイド孔)6が上下方向に形成される。また、受け部材5の左右方向の中央部からガイド部材7が下向きに突出される。上記ガイド溝6にガイド部材7が上下移動可能に嵌合される。
【0011】
上記受け部材5の左右方向の中央部から位置決めピン9が上方へ突出され、その位置決めピン9が、金型10の下面に形成された位置決め穴11に嵌合される(図1Bを参照)。これにより、金型10が左右方向に位置決めされる。
【0012】
また、上記受け部材5を上方へ押す付勢手段15が、前記ガイド部材7を挟んで2つ設けられる。その付勢手段15は、バネ筒16と、そのバネ筒16に挿入された上昇用バネ17とを備える。上記バネ筒16が、ベース部材2の縦孔19に上下移動可能に挿入される。上記バネ17の下端が、縦孔19の下部の周壁に固定したバネ受け20によって受け止められ、そのバネ17の上端が上記バネ筒16の上部によって受け止められる。そのバネ筒16の上部が、受け部材5の下面に形成した凹所5aに嵌入される。なお、バネ筒16が所定量以上に上昇することは、そのバネ筒16の下部に設けた下フランジ22によって阻止される。
【0013】
図2Aに示すように、上記の付勢手段15によって、前記ベース部材2と受け部材5との間に所定の隙間Gが形成され、その隙間Gにサポートブロック25が着脱可能に装着される。なお、ここでは、上記サポートブロック25の下部からピン26が下方へ突出され、そのピン26が、ベース部材2の上面に形成した上穴27に着脱可能に嵌合される。
【0014】
前記受け部材5の左右の両端部に、金型10の有無を検出する金型検出用スイッチ30,30が設けられる。また、その受け部材5の左右の前面には、着座検出用スイッチ31,31が設けられる。この実施形態では、上記の着座検出用スイッチ31は、受け部材5の下面がベース部材2の上面に接当した状態(図1Bを参照)と、その受け部材5の下面がサポートブロック25の上面に接当した状態(図2Bを参照)との2つの状態を検出できる。
【0015】
上記の金型検出用スイッチ30の検出信号および着座検出用スイッチ31の検出信号が制御手段(図示せず)に伝達される。その結果、上記の金型10が受け部材5を介して、または受け部材5とサポートブロック25とを介してベース部材2に着座されたことが制御手段によって検知される。
【0016】
ところで、受け部材5が上限位置から下降位置へ移動される途中で何らからの原因によってロックされ、その受け部材5がサポートブロック25またはベース部材2に傾いて載置されることがある。この場合、上記左側の着座検出用スイッチ31と、右側の着座検出用スイッチ31とのうちのいずれか一方のスイッチが、受け部材5の下面がベース部材2の上面またはサポートブロック25の上面に接当した状態を検出し、他方のスイッチがベース部材2またはサポートブロック25を検出しない。これにより、受け部材5がベース部材2またはサポートブロック25上に傾いて載置されていることが着座検出用スイッチ31,31によって検出される。
【0017】
上記の位置決め装置は、図1Aから図3に示すように、次のように作動する。
図1Aに示すように、受け部材5に金型10を載置していない初期状態では、前記バネ17の付勢力によって受け部材5が上限位置に上昇され、その受け部材5の下面とベース部材2の上面との間に所定の隙間Gが形成されている(図3のステップS1)。この初期状態では、金型検出用スイッチ30が金型10を検出せず、着座検出用スイッチ31も前記ベース部材2及び前記サポートブロック25を検出していない。
【0018】
上記の金型10を上下方向へ位置決めするときには、図2Aに示すように、まず、受け部材5に金型10を載置していない状態で、前記隙間Gに所定高さのサポートブロック25を装着する(図3のステップS2)。
次いで、図2Bに示すように、受け部材5に金型10を載置する(図3のステップS3)。
このとき、金型検出用スイッチ30が接触子30aを介して金型10を検出する。(図3のステップS4)。その金型検出用スイッチ30が金型載置の検出信号を制御手段(図示せず)に伝達する(図3のステップS5)。
これと同時に、その金型10の重量が前記バネ17の付勢力に抗して受け部材5を下降させていく。すると、その受け部材5の下面がサポートブロック25の上面に接当し、上記金型10が受け部材5とサポートブロック25とを介してベース部材2に受け止められる(図3のステップS6)。
【0019】
上記の受け部材5がサポート部材25に着座されたときには、着座検出用スイッチ31が、その接触子31aを介して、上記の受け部材5とサポートブロック25との上記の接当状態を検出する(図3のステップS11)。その着座検出用スイッチ31の検出信号が制御手段(図示せず)に伝達される(図3のステップS12)。
【0020】
ところで、初期状態において、受け部材5の下面とベース部材2の上面との間に形成された所定の隙間Gに、サポートブロック25を装着しない状態で(図3のステップS2)、上記の受け部材5に金型10を載置する(図3のステップS7)。
このとき、金型検出用スイッチ30が接触子30aを介して金型10を検出する。(図3のステップS8)。その金型検出用スイッチ30が金型載置の検出信号を制御手段(図示せず)に伝達する(図3のステップS9)。
【0021】
次いで、その金型10の重量が前記バネ17の付勢力に抗して受け部材5を下降させる。すると、その受け部材5の下面がサポートブロック25の上面に接当し、上記金型10が受け部材5とサポートブロック25とを介してベース部材2に受け止められる(図3のステップS10)。これにより、上記の受け部材5がベース部材2に着座されたときには、着座検出用スイッチ31が、その接触子31aを介して、上記の受け部材5とベース部材2との上記の接当状態を検出する(図3のステップS11)。その着座検出用スイッチ31の検出信号が制御手段(図示せず)に伝達される(図3のステップS12)。
【0022】
本実施形態では、上記の受け部材5に着座検出用スイッチ31が設けられることにより、当該受け部材5がサポートブロック25またはベース部材2上に着座したことを確実に検知できる。これにより、受け部材5に載置された金型10を、成形機の固定壁1の所定位置に固定できる。
【0023】
上記の実施形態は次のように変更可能である。
前記の付勢手段15の設置箇所や設置数量は、例示の形態に限定されず、必要に応じて変更可能である。その付勢手段15の上昇用の弾性体は、例示のバネ17に代えてゴム等であってもよい。また、上記付勢手段15は、弾性体の付勢力を利用する構造に代えて、ガススプリングや流体圧シリンダを利用してもよい。
着座検出用スイッチ31は、2つ設けることに代えて、1つだけ設けてもよい。また、金型検出用スイッチ30も、2つ設けることに代えて、1つだけ設けてもよい。各スイッチ30,31の配置箇所は、例示の形態に限定されず、必要に応じて変更可能である。
上記の各スイッチ30,31は、上記の実施形態ではリミットスイッチを採用しているが、他の種類のスイッチであってもよい。
前記ガイド溝6およびガイド部材7は、左右方向の中央部に1つ配置することに代えて、又はこれに加えて、左右方向の両側部に2つ配置してもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更可能を行えることは勿論である。
【符号の説明】
【0024】
1:固定壁,2:ベース部材,5:受け部材,10:金型,15:付勢手段,17:バネ,25:サポートブロック,31:着座検出用スイッチ,G:隙間.
図1
図2
図3