(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6485939
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】無菌手袋を手に装着するための自動装置
(51)【国際特許分類】
A41D 19/00 20060101AFI20190311BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20190311BHJP
A61B 42/50 20160101ALI20190311BHJP
【FI】
A41D19/00 Z
A41D19/015 610Z
A61B42/50
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-506495(P2018-506495)
(86)(22)【出願日】2016年4月25日
(65)【公表番号】特表2018-521238(P2018-521238A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】IL2016050437
(87)【国際公開番号】WO2016174672
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2017年11月30日
(31)【優先権主張番号】238458
(32)【優先日】2015年4月26日
(33)【優先権主張国】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】517373365
【氏名又は名称】アヴシャロム,シモン
【氏名又は名称原語表記】AVSHALOM,Shimon
(73)【特許権者】
【識別番号】517373376
【氏名又は名称】サールデヘリ, ヨームトーブ
【氏名又は名称原語表記】SARDEHELI, Yomtov
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】アヴシャロム,シモン
(72)【発明者】
【氏名】サールデヘリ, ヨームトーブ
【審査官】
▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−229872(JP,A)
【文献】
特開平10−108870(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0094468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D19/00−19/04
A61B42/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手袋用ボックスと、手袋つり上げ機構と、手袋開口機構と、手袋膨張機構と、を備える、手袋装着装置であって、
前記手袋用ボックスは、手袋を水平状態に重ねて収容するように設計され、
前記手袋つり上げ機構は、前記手袋用ボックスから一度に1つずつ手袋を持ち上げるように、及び、前記手袋の開口に前記手袋開口機構を挿入させるように設計され、
前記手袋つり上げ機構は、下端部に2のファスニング手段を有する垂直ロッド並びに垂直及び水平アクチベータを備え、
前記ファスニング手段は、手袋用ボックスの最上部の手袋の上背部と接触する位置まで下降し、その地点でファスニング手段が手袋を持ち上げるように構成され、
垂直ロッドが上昇し、当該手袋を垂直ロッドで搬送し、手袋の開口の下背部の重力の引っ張りによって手袋の開口が開くように構成され、
前記手袋開口機構は、前記手袋の開口を広げるための4つの拡開フィンガーを有し、
前記4つの拡開フィンガーのそれぞれは、2つのアクチベータを使用して水平、及び、垂直に動くことができ、
前記手袋つり上げ機構は、水平運動で後退し、手袋の開口に手袋開口機構の前記4つの拡開フィンガーを挿入させ、
前記拡開フィンガーは、互いに離れるように移動し、移動の結果形成される四角形の開口が広くなり、人の手を容易に挿入することを可能とするように、手袋の開口を引き伸ばして広げるように構成され、
前記手袋膨張機構は、前記拡開フィンガーにより広げられた前記手袋の開口に挿入されるシールリングと、前記シールリングに設けられ空気を手袋に注入するための空気用細管と、前記シールリングを前後に動かすことができるアクチベータと、を備える手袋装着装置。
【請求項2】
ケーシングと、手袋つり上げ及び位置づけ機構と、手袋開口機構と、手袋膨張機構と、を備える、手袋装着装置であって、
前記手袋つり上げ及び位置づけ機構は、アクチベータと、把持器と、真空管と、垂直ガイドと、水平ガイドと、を備え、
前記手袋つり上げ及び位置づけ機構は、前記垂直ガイド上を上下に移動可能、及び、前記水平ガイド上を前後に移動可能に構成され、
前記真空管及び前記把持器は前記手袋の手首部を保持するように構成され、
前記アクチベータは、把持器を閉じて手袋の手首部分を把持させるとともに、前記真空管は手袋の手首部分を保持し、
前記手袋開口機構は、多角形外周フレーム及びいくつかの拡開ロッドを備え、
それぞれの拡開ロッドの外側端は、軸方向継手を介して前記多角形外周フレームに取り付けられ、
それぞれの拡開ロッドの内側端は、把持ピンを備え、
前記手袋つり上げ及び位置づけ機構の前記把持器は、手袋の手首部分を把持して手袋を持ち上げ、及び、前記把持ピンを手袋の開口に挿入させるように設計され、
前記手袋開口機構の拡開ロッドは、多角形外周フレームの中心に近い閉鎖位置から多角形外周フレームの中心から遠い開放位置に移動することができ、前記手袋の開口を引き伸ばして広げ前記多角形外周フレームの形状をとらせ、
前記手袋膨張機構は、エアポンプにて前記ケーシング内に気圧を生成することができ、前記手袋を手が挿入しやすい形に膨張させる、手袋装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌手袋を手に装着するための自動装置、すなわち、手袋装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願に添付された図面の意図は、本発明の範囲及びその適用の範囲を限定するものではない。本図面は、本発明を説明することだけを意図しており、本図面は、多くの可能な実施形態のうちただ1つを構成している。
【0003】
図1は、上(指)部(101)、下(手首)部(102)、及び開口(103)を有する標準的な無菌手袋(100)の図である。
図2は、手袋用ボックス(2)、手袋つり上げ機構(3)、手袋開口機構(4)、及び手袋膨張機構手袋(5)を備える手袋装着装置(1)の図である。
図3は、手袋つり上げ機構(3)が、手袋(100)を保持し、手袋の開口(103)が開いている、手袋装着装置(1)の図である。
図4は、手袋(100)の開口(103)が、まだ閉鎖位置にあるスプレッダ(41)の上にはめ込まれている手袋装着装置(1)の図である。
図5は、拡開フィンガー(spreading finger)(41)が手袋の開口(103)を伸ばして広げている手袋装着装置(1)の図である。
図6は、手袋の開口(103)の縁部がシールリング(51)の上にはめ込まれ、手袋が手形状の「バルーン」に膨張している手袋装着装置(1)の図である。
図7は、手袋(100)が膨張し、まだ手袋装着装置(1)によって保持されている膨張した手袋に使用者が手を挿入している手袋装着装置(1)の図である。
図8は、手袋装着装置(1)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図9は、手袋装着装置(1)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図10は、手袋装着装置(1)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図11は、手袋装着装置(1)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図12は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図13は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図14は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図15は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図16は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図17は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図18は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図19は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図20は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図21は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図22は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図23は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図24は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図25は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図26は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
図27は、手袋装着装置(1000)及びそのパーツをいくつかの観点から示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の主な目的は、使用者に手に手袋を装着させるように設計された手袋装着装置(1)を提供することである。手袋装着装置(1)は、以下の主要部分、すなわち、手袋のボックス(2)、手袋つり上げ機構(3)、手袋開口機構(4)、及び手袋膨張機構を備える。
【0005】
手袋用ボックス(2)は、手袋、特に無菌手袋を収容するように設計されている。手袋は、開放された平らなボックスの中に順に重ねて置かれる。手袋用ボックスは、手袋がなくなると補充される手袋装着装置の固定型かつ恒久型部分であってもよく、あるいは、ボックス全体が、一種の使い捨て手袋カートリッジとして機能する新しい手袋用ボックスと交換されてもよい。手袋の無菌性が維持されなければならない場合、使い捨ての交換可能な手袋用ボックスの設定がより適切であり、推奨される。
【0006】
手袋つり上げ機構(3)は、一度に1つの手袋を手袋用ボックス(2)から持ち上げ、手袋の開口(103)を手袋開口機構(4)の上に位置づけるように設計されている。これらの動作により、使用者の手に手袋を装着するプロセスが開始する。手袋つり上げ機構(3)は、下端に、例えば、小さな吸引カップにて構成され得るファスニング手段(32)を備える垂直ロッド(31)からなる。手袋つり上げ機構(3)は、実際には2つのファスニング手段(32)を装備することができ、かつ2つのファスニング手段(32)を備えていなければならない。
【0007】
垂直ロッド(31)は、ファスニング手段(32)が手袋用ボックス(2)の最上部の手袋(100)の上背部(101)と接触する位置まで下降し、その地点でファスニング手段(32)が手袋を持ち上げる。その後、垂直ロッド(31)が上昇し、当該手袋(100)を垂直ロッドで搬送し、手袋の開口(103)の下背部(102)の重力の引っ張りによって手袋の開口(103)が若干開く。
【0008】
その後、手袋つり上げ機構(3)は、水平運動で後退し、手袋の開口(103)を手袋開口機構(4)の上にはめ込む。手袋つり上げ機構(3)はまた、垂直ロッド(31)を下降及び上昇させる垂直アクチベータ(33)と、手袋(100)を水平運動で移動させる水平アクチベータ(34)とを装備し、手袋開口機構(4)の上に手袋をはめ込む。明確にするために、
図1は、手袋(100)のパーツ及びそれぞれの番号を提示している。
【0009】
手袋開口機構(4)は、他の3つの拡開フィンガー(41)とは独立して、それぞれが水平及び垂直の両方に移動することができる4つの拡開フィンガー(41)を備える。開始位置では、4つの拡開フィンガー(41)は纏って、ピン状の構造を形成する。前述のように、手袋つり上げ機構(3)は、手袋(100)を持ち上げ、その開口(103)が拡開フィンガー(41)の上にはめ込まれるように手袋を位置づける。
【0010】
次いで、拡開フィンガー(41)は、互いに離れるように移動し、移動の結果形成される四角形の開口(103)が広くなり、人の手を容易に挿入することを可能とするまで、手袋(100)の開口(103)を引き伸ばして広げる。まず、2つの右の拡開フィンガーが右に移動する一方、2つの左の拡開フィンガーが左に移動し、同時に、又は横方向の動きの直後に、2つの上部の拡開フィンガーが上方に移動する一方、2つの下部の拡開フィンガーが下方に移動して、結果として手袋の開口(103)を上述の位置に引き伸ばす。手袋開口機構(4)は、拡開フィンガー(41)を上、下及び横に動かすように設計されているアクチベータ(42)を備えている。それぞれの拡開フィンガー(41)は、2つのアクチベータを備えていなければならない。
【0011】
手袋膨張機構(5)は、シールリング(51)、空気用細管(air tubule)(52)、及びアクチベータ(53)を備える。シールリング(51)は、拡開フィンガー(41)間を水平に移動し、手袋(100)の開口(103)にわずかに挿入される。手袋膨張機構(5)のアクチベータ(53)は、シールリング(51)を手袋の開口(103)内に導き、その結果、手袋の内側がシールリング(51)を取り囲む。空気は、空気用細管(52)を通って手袋(100)の内側に流れ、手袋(100)を膨張させる。
【0012】
空気用細管(52)は、シールリング(51)に内蔵される薄い空気ダクトとすることができ、当該空気ダクトを通って、空気が1つ又は2つ以上の隙間(54)を通って手袋に流れる。送気機若しくは送風機又は任意の他の適切な機構を使用して、空気を手袋に注入することができる。手袋(100)が膨張した後、使用者は、手が手袋(100)に完全に挿入されるまで、シールリング(51)を通って手を挿入することができる。
【0013】
手袋(100)の膨張を容易にし、膨張した手袋から空気が漏れ出ることを防ぐために、シールリング(51)の中間部分は、使用者が膨張した手袋(100)に手を挿入する中央穴(56)を有する可撓性膜(55)で閉じられてもよい。このようにして、空気の流れが手袋を膨張させ、使用者が中央穴(56)を通って手を挿入すると、密封性が大きくなるので、手袋(100)を標準的な手のサイズを超えるサイズに膨張させ、使用者が迅速、効果的、簡単かつ完全な方法で指を手袋の指に挿入することが可能になる。
【0014】
上述のように、使用者の手が手袋(100)に挿入された後、拡開フィンガー(41)は、上下に移動し、シールリング(51)は、後退し、手袋から解放され、手袋は前方に移動し、拡開フィンガー(41)の保持から解放される。この時、手袋(100)は、使用者の手の上に完全に装着され、使用者は、手袋を装着した手を装置から引き出すことができる。
【0015】
手袋の開口(103)の縁部をシールリング(51)から解放するために、シールリングは、開口(103)の縁部がシールリング(51)から解放されるまで後退することができる。
【0016】
手袋装着装置(1)は、2つの手袋用ボックス(2)を備えてもよい。つまり、1つは、右手手袋を収容し、もう1つは、左手手袋を収容することとするものである。装置(1)はまた、必要に応じて適切なボックスを位置づける機構を装備することもできる。言い換えれば、使用者が右手又は左手に手袋を装着したい場合、使用者は、手袋つり上げ機構の正しい位置に正しい手袋用ボックスを位置づけるボタンを押す。
【0017】
手袋装着装置(1)はまた、要求される動作に従って、迅速かつ正確な順序で動作することを可能にするコントローラ及びセンサを装備することもできる。したがって、例えば、装置は、手がシールリング(51)に近づいたか、又はシールリング(51)内にはめ込まれた時に手を識別し、手袋を持ち上げ、手袋を拡開フィンガー(41)に配置する手袋つり上げ機構(3)を起動させる、起動センサ(61)を有してもよい。次に、その拡開フィンガーは、横及び上下に移動し、その後、上述のように、シールリング(51)が前方に移動し、手袋の開口(103)がシールリング(51)の上にはめ込まれる。
【0018】
手袋装着装置(1)はまた、起動センサ(61)を必要とせずにシステムを起動させる機械式ボタン又は電動ボタンを備えていてもよい。手袋装着装置(1)はまた、手が手袋(100)の中に完全に挿入された瞬間を識別し、使用者が手袋を装着した手を装置から引き出すことができるように、シールリング(51)から手袋を解放する手袋装着完了センサ(62)を備えていてもよい。手袋装着完了センサ(62)は、手が完全に手袋の中にあることを示すことができる手袋の指の前進運動を識別する光学センサであってもよい。具体的には、手袋が膨張すると、膨張した手袋の指の端部がある点まで延出する。使用者が手を手袋の指に挿入すると、手袋の指の端部を前方に僅かに押すので、手袋装着完了センサ(62)は、この動きを識別し、上述の終了段階を起動する光学ビームに基づいてもよい。あるいは、装置(1)の操作の開始から数秒の時間枠内で、手袋装着動作がこの時間内に完了したと仮定して、解放動作は、終了段階の実行を示すタイマに基づいてもよいと考えられる。手袋装着装置(1)はまた、表示灯を備えていてもよい。例えば、緑色の光は、使用者がシールリングを介して手を挿入することができることを使用者に示し、赤色の光は、使用者が手袋を装着した手を装置から引き出す時であることを示してもよいと考えられる。
【0019】
図2は、手袋装着装置(1)を示し、その内側部分を明らかにするために、ケーシング又はシェルが一切ない図である。
図2は、手袋用ボックス(2)、手袋つり上げ機構(3)、手袋開口機構(4)、及び手袋膨張機構(5)を備える手袋装着装置(1)の主要部分を示す。
【0020】
図2に示す手袋装着装置は、動作を開始し、使用者の手に手袋をはめる前の開始位置において図示されている。
【0021】
図3は、手袋つり上げ機構(3)が、手袋(100)を保持し、手袋の開口(103)が開いている手袋装着装置(1)を示している。
図4は、手袋(100)の開口(103)が、まだ閉鎖位置にある拡開フィンガー(41)の上にはめ込まれている手袋装着装置(1)を示している。
図5は、拡開フィンガー(41)が開口(103)を伸ばして広げた手袋装着装置(1)を示している。
図6は、手袋の開口(103)の縁部がシールリング(51)の上にはめ込まれ、手袋が手形状の「バルーン」に膨張している手袋装着装置(1)を示している。
図7は、手袋が使用者の手の上に解放される前に、手袋(100)が膨張し、そこへ使用者の手が挿入される手袋装着装置(1)を示している。
図8〜
図11は、手袋装着装置(1)及びそのパーツをいくつかの観点から示している。
【0022】
本発明の第2のバージョンは、
図12〜
図27に示す手袋装着装置(1000)に関する。手袋装着装置(1000)は、ケーシング(200)、手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)、手袋開口機構(400)、及び手袋膨張機構(500)を備える。ケーシング(200)は、
図12に部分的に示されており、手袋装着装置(1000)の上述の部分を収容する。ケーシング(200)はまた、手袋用ボックス(201)を収容してもよい。
【0023】
手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、
図15〜
図21に示され、アクチベータ(301)、把持器(302)、真空管(303)、垂直ガイド(304)、及び水平ガイド(305)を備える。アクチベータにより、手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、垂直ガイド(304)上を上下に移動し、同様に水平ガイド(305)上を前後に移動することができる。
【0024】
手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)が降下し、手袋用ボックス(201)に到達し、真空管(303)の下部開口端が、手袋(100)、好ましくは手首領域で接触すると、手袋(100)は、真空管によって「持ち上げられる」。これは、内部ポンプ又は任意の他の適切な手段によって生成され、吸引動作を生成する、真空管内の真空によって生じる。次いで、手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、数ミリメートル上昇し、その結果、真空管(303)は、手首領域において手袋を保持する。
【0025】
この段階では、手袋は、空中に吊り下がっており、手袋の上(指)部分の重力の引っ張りにより僅かに開いている一方、手袋の下(手首)部分は真空管によって保持されている。この位置において、アクチベータ(301)は、把持器(302)を閉じ、その後、手袋の手首部分を把持する。真空管は、手袋の重量のために手袋を数ミリメートル超持ち上げることができないので、手袋を必要な高さまで把持し確実に持ち上げることができる把持器の必要性があることに留意されたい。把持器(302)が手袋(100)の手首部分を把持している手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、次に、手袋を上方かつ僅かに前方に持ち上げ、手袋開口機構(400)に手袋を提示する。
【0026】
図15は、アクチベータ(301)、真空管(303)、及び開放位置にある把持器(302)を備える手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)を示している。
図16及び
図17は、真空管(303)によって機構に取り付けられた手袋(100)を有する手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)を示している。
図18〜
図21は、把持器(302)が手袋(100)の手首部分を保持している手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)を示している。
【0027】
図22〜
図27は、多角形外周フレーム(401)及びいくつかの拡開ロッド(402)を備える手袋開口機構(400)を示す。拡開ロッド(402)の数は、多角形外周フレーム(401)の側面の数に対応しなければならない。
【0028】
本出願に伴う図面は、六面体のフレームを示すが、本発明は、6個より多いか又は少ない側面を有するフレームで実施されてもよい。それぞれの拡開ロッド(402)の外側端(403)は、軸方向継手を介して多角形外周フレーム(401)に取り付けられている。
【0029】
それぞれの拡開ロッド(402)の内側端(404)は、把持ピン(405)を備えている。
図22及び
図23は、把持ピン(405)が多角形外周フレーム(401)の中心に、すなわち閉鎖位置に集中している手袋開口機構(400)を示している。手袋開口機構(400)はまた、拡開ロッド(402)と多角形外周フレーム(401)との間の関節角度を変化させる機構を備える。
図24は、部分的に開放位置にある手袋開口機構(400)を示し、すなわち、拡開ロッド(402)は、その内側端部(404)が多角形外周フレーム(401)の側面により近くなるように、わずかに回転する。
図25は、開放位置にある手袋開口機構(400)を示している。すなわち、拡開ロッド(402)が多角形外周フレーム(401)の側面に平行であり、隣接していて、把持ピン(405)が、多角形外周フレーム(401)の当該側面間の角度に位置づけられている場合を示している。
【0030】
手袋装着装置(1000)の操作方法:
手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、上述のように下降し、手袋(100)を持ち上げる。次いで、例えば、
図16に示すように、手袋(100)の開口が開いた状態で、機構は、手袋(100)の手首部分をつかむ把持器(302)と共に上昇する。例えば、
図26に示されるように、手袋の開口が把持ピン(405)に対向して位置づけられると、手袋の開口が把持ピン(405)の上にはめ込まれるまで、手袋つり上げ及び位置づけ機構(300)は、例えば、
図27に示されるように水平移動し、同時に把持器(302)は、手袋を解放する。この時点で、手袋開口機構(400)は、閉鎖位置から開放位置、すなわち、手袋の開口が多角形外周フレームの形状に引き伸ばされた位置に移動し、手袋は、実際には手袋開口機構(400)の開口を封止する。例えば、エアポンプで構成することができる手袋膨張機構(500)は、次に、ケーシング(200)内で副加圧を生成させ、手袋を膨張させる。使用者は、その僅かな内側への動きによりとして、使用者の手に残っている、把持ピン(405)から解放された膨張した手袋に手を挿入することができる。
【0031】
手袋への手の完全な挿入を識別するセンサは、ピン(405)による手袋の解放を制御する。更に、手袋装着装置(1000)は、上述の装置のパーツのそれぞれを起動させるいくつかのアクチベータ、並びに手袋装着装置(1000)が自動的に動作することを可能にするセンサを備えている。