【実施例】
【0033】
最初に、本発明の上述した実施形態を適用した第1実施例について説明する。
図2は、本発明の第1実施例を説明する第1の説明図である。また、
図3は、本発明の第1実施例を説明する第2の説明図である。
図4は、本発明の第1実施例を説明する第3の説明図である。
【0034】
本発明の第1実施例は、フィットネススタジオにおける格闘技系プログラムの照明演出において最初に行う「ウォーミング・アップ・パート」に関する
図2に示すいわゆるコリオシートに基づき音楽同期型照明制御を具体的に行った一例である。なお、ここでいうコリオシートとは、コリオグラフィー(コンビネーション・振り付け)シートの略称であり、運動の一連の振り付け又は連続した動きの流れを明記したシートである。
【0035】
ここで注目すべき点として、最初に行う空手の型においては、LED照明装置のブルー光が所定時間フェードインして(徐々に照度を高めていき)、さらに所定時間ブルー光を80%の照度で点灯させ、その後ブルー光を所定時間フェードアウトして(徐々に照度を低めていき)最終的に消灯する。これによって、ブルー光の色彩が持つ落ち着いた視覚イメージをプログラム参加者(以下、単に「参加者」とする)に与えることで空手の型を落ち着いて行うことができる。また、所定時間続くブルー光のフェードイン動作とフェードアウト動作によって,空手の「型」の始まりと終わりのタイミングをインストラクターの指示だけに頼ることなく視覚的に認識しかつ1度これを体験するだけでこの色の照明パターンになると空手の「型」を行うものとであることを強く記憶にとどめることができ、初心者でも2回目からは大きな音量で鳴り響く音楽の楽曲を聴きながらインストラクターの指示を意識し集中することなく心理的な余計な緊張感を感ずることなく身体の各部位の筋肉の動きに意識を向けてリラックスして空手の「型」を行うことができるようになる。
【0036】
続いて、「インターバル」の時間は続く「パンチ・フットワーク」の練習のための準備期間として設けられている。この際、本実施例においては、インターバルにおける最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅する。これによって、参加者は「インターバル」が終了し続く「パンチ・フットワーク」の練習が開始されることを視覚的に認識して記憶することができる。
【0037】
続いて、「パンチ・フットワーク」の練習モードに入る。この際パンチとフットワーク動作を分けて行うプログラムとなっているので、後半のフットワークを行う場合のみ楽曲の効果音の長さに合わせてグリーン光100%の照度でLEDライトを点滅する。これによって、大きな音量で鳴り響く音楽の楽曲を聴きながらインストラクターの指示に意識を集中して聞くことなく視覚から認識した発光色に合わせてパンチからフットワークに容易に変更できる。また、初心者であっても視覚情報からパンチとフットワークの切り替えを簡単に認識して数回の練習で動作の切り替えタイミングをすぐにこれを覚えることができる。
【0038】
続いて、上述した照明の仕方と同様の「インターバル」を経て「キック」の練習モードに入る。この「キック」においては膝蹴りや前蹴り、回し蹴り、横蹴りの動作を順々に行うが、これらの動作の切り替えを視覚的に瞬時に認識できるようにするために、本実施例においては、例えば途中で行われる回し蹴りの動作中や後半で行われる横蹴りの動作中のみにレッド光100%の照度でLEDライトを点滅する。これによって、大きな音量で鳴り響く音楽の楽曲を聴きながらインストラクターの指示に意識を集中して聞くことなく視覚から動作の切り替えタイミングを認識して回し蹴りや横蹴りの練習を容易にできる。また、初心者であっても視覚情報から数回の練習で回し蹴りや横蹴りの練習モードであることを覚えることができる。
【0039】
以下、
図3及び
図4に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を用いた場合のフィットネスプログラムの音楽の楽曲に合わせた照明演出の一形態を説明する。
図3は、フィットネスプログラムにおける格闘技系プログラムの照明演出を行う場合の一例であり、ウォーミング・アップ・パートの照明プランを説明したものである。
【0040】
このプログラムにおいて最初に、「型」におけるフェードインに際しては、ブルー光を8小節の長さで消灯0%から100%点灯まで徐々に明るくする。型におけるブルー光が80%点灯する。型におけるフェードアウトに際してはブルー光を8小節の長さで100%点灯から消灯0%まで徐々に暗くする。そして、インターバルにおける最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅する。
【0041】
次いで、「パンチ・フットワーク」におけるグリーン光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、グリーン光をパンチパートの効果音カラーとする演出を3回行う。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅する。
【0042】
次いで、「キック」におけるレッド光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際してはレッド光をキックパートの効果音カラーとする演出を3回行う。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅する。
【0043】
次いで、「パンチ・フットワー
ク」におけるグリーン光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、グリーン光をパンチパートの効果音カラーとする演出を3回行う。そして、インターバルにおける最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーンを1回点滅する。
【0044】
次いで、「キック」におけるレッド光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際してはレッド光をキックパートの効果音カラーとする演出を3回行う。そして、インターバルにおける最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅する。
【0045】
次いで、ホワイト光100点灯(100%効果音の長さでフェードアウト)ホワイト光をフィニッシュ時の効果音カラーとして演出する。
【0046】
以上の格闘技系プログラムにおいて本発明に係る音楽同期型照明制御装置を用いた場合のウォーミング・アップ・パートの照明効果の狙いは以下の通りとなる。
【0047】
「型」におけるフェードインに際しては、プログラムの始まりをブルー光照明で「型の静なイメージ」を表現する。そのため、「型」においては、ブルー光が80%点灯するようにする。「型」におけるフェードアウトに際しては、型の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅させ、運動の始まりをレースのスタートシグナルに重ねて表現する。
【0048】
「パンチ・フットワーク」におけるグリーン光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、決めのパンチ動作で殴ったイメージ音に合わせて点灯させ、タイミングをガイドする演出を2回行なう。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては、4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅させ、運動の始まりをレースのスタートシグナルに重ねて表現する。
【0049】
「キック」におけるレッド光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、決めのキック動作で蹴ったイメージ音に合わせて点灯させタイミングをガイドする演出を3回行う。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては、4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅させ、運動の始まりをレースのスタートシグナルに重ねて表現する。
【0050】
「パンチ・フットワーク」におけるグリーン光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、決めのパンチ動作で殴ったイメージ音に合わせて点灯させタイミングをガイドする演出を2回行なう。そして、「インターバル」における最終1小節に際しては、4分音符でレッド光を3回の後でグリーン光を1回点滅させ、運動の始まりをレースのスタートシグナルに重ねて表現する。
【0051】
「キック」におけるレッド光100%点灯(効果音の長さに合わせて点滅)に際しては、決めのキック動作で蹴ったイメージ音に合わせて点灯させタイミングをガイドする演出を3回行う。
【0052】
ホワイト光100点灯(100%効果音の長さでフェードアウト)ホワイト光をフィニッシュ時の効果音カラーとして演出する。
【0053】
この第1実施例によると、従来のスタジオ演出装置のように単に音楽の音量に反応してランダムな色の照明を点灯・点滅させたりするのではなく、例えば音楽を聴きながらフィットネスプログラムを行う人の体の動作の種類や体の動かし方に応じてLED照明の発光色を特定したり照度を変化させたりすることで、LED照明の光らせ方自体に特徴を持たせることができ、これによってフィットネスプログラムを行う人の情動面をより効果的に刺激して60分にも及ぶ運動強度の高いプログラムをより楽しくかつより効果的に行うことができる。
【0054】
特に、パンチやキックなどの力を入れる部分において暖色系の光を充分な照度で発光させることによって、参加者の体内においてアドレナリンやその前駆体であるノルアドレナリンの分泌を促進し、これによって交感神経を刺激してより効果的なエクササイズを行うことができるようになる。
【0055】
また、フィットネスプログラムをインストラクターの説明だけでは効果的なエクササイズができない運動初心者や高齢者にとって、本発明に係る装置を用いた場合のLED照明による複雑な光らせ方がガイドになり、視覚的な情報を介してフィットネスプログラムをより楽しくかつより効果的に行うことができるようになる。
【0056】
また、音楽の楽曲やインストラクターの声による指示によらずLED照明の色の種類、照度の光具合、照度の変化に合わせて重要な部分の身体動作を行うことができるので、他人よりリズム感に劣っていることを自覚する参加者であっても、動作中に主に視覚情報が脳内の視覚野に入り込むことによって身体動作に集中できる。これによって、周囲の参加者のリズム感に自分がついていけないようなネガティブな意識を感じることなく、自分なりのエクササイズを充実して行うことができる。
【0057】
続いて、本発明の上述した実施形態を適用した第2実施例について説明する。
図5は、本発明の第2実施例を説明する説明図である。以下、
図5に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を用いた場合のリラクゼーションプログラムに使用される例えば環境音楽に合わせたLED照明装置による照明演出の使用形態の具体例について説明する。
【0058】
最初に「全体ほぐし」におけるフェードインに際しては施術の始まりをブルー光照明で「落ち着く気持ち」を表現する。「全体ほぐし」においてはブルー光50%点灯する。「全体ほぐし」におけるブルー光照明フェードアウトに際しては施術の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節に際してはグリーン光照明フェードインに際しては施術の始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0059】
次いで、「足裏」におけるグリーン光照明50%点灯のちグリーン光照明フェードアウトに際しては、施術の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節に際してはブルー光照明フェードインに際しては施術の始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0060】
次いで、「股,ふくらはぎ」におけるブルー光照明50%点灯のちブルー光照明フェードアウトに際しては、施術の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節に際してはグリーン光照明フェードインに際しては、施術の始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0061】
次いで、「腰」におけるグリーン光照明50%点灯のちグリーン光照明フェードアウトに際しては、施術の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節に際しては、ブルー光照明フェードインに際しては施術の始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0062】
次いで、「肩、頭」におけるブルー光照明50%点灯のちブルー光照明フェードアウトに際しては、施術の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、ホワイト光照明100%点灯(効果音の長さでフェードアウト)に際しては、施術の終わりを知らせる効果音に合わせて「終了の合図」として表現する。
【0063】
この実施例2によると、リラクゼーションプログラムへの参加者は、本発明に係る音楽同期型照明制御装置1によってリラクゼーションルーム内で環境音楽や波音、鳥のさえずり等様々な自然の音の組み合わせによるナチュラルな音楽の流れの適当な箇所に合わせて特別な色彩やその変化を視覚から脳内に取り込むことができる。これによって、本実施例においてほぐす体の部位に応じた色彩に適したブルーやグリーンの落ち着いた色の色彩を視覚から感じながらリラクゼーションのための体の各部の身体のほぐしを受けることができる。これによって、気持ちの落ち着く音楽と気持ちの落ち着く色彩との相乗効果が生じて身体の各部のほぐしを受けながら脳内にもα波が多く生じるようになり、身体のリラクゼーションのみならず心のリラクゼーションも行うことが可能となる。このような効果は、上述したような従来型の単なる照明制御装置を用いて実現することは到底不可能である。
【0064】
なお、この実施例2のようなリラクゼーションプログラムと同等の例えばヨガや瞑想のプログラムを行う場合であっても、息を吸う場合と息を吐く場合とで発光色の色彩を異なるようにしたり、息を吸ったり吐いたりする場合のスピードを発光色のグラデーション(光具合のフェードインやフェードアウトのスピード)によって指示することで、スタッフがあえて声で指示する必要がなくなり、精神の適度な集中と十分なリラックス感が混ざり合ったいわゆるトランス状態を維持することができ、充実したひとときを過ごすことが可能となる。
【0065】
続いて、本発明の上述した実施形態を適用した第3実施例について説明する。
図6は、本発明の第3実施例を説明する説明図である。
【0066】
以下、
図6に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を用いた場合のリハビリテーションプログラムに使用される例えば環境音楽に合わせたLED照明装置による照明演出の使用形態の具体例について説明する。
【0067】
最初に「筋力」における最初の1小節のレッド光照明フェードインに際しては、「筋力」をレッド光照明で表現、始まりを早めに段々明るくして合図する。「筋力」におけるレッド光照明50%〜100%の間で照度調整して点灯に際しては、プログラムの中で力の入れ具合に合わせて照度調整で表現する。「筋力」におけるレッド光照明フェードアウトに際しては、プログラムの終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節のグリーン光照明フェードインに際しては、「柔軟性」をグリーン光照明で表現、始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0068】
次いで、「柔軟性」におけるグリーン光照明50%〜100%の間で照度調整して点灯するに際しては、プログラムの中で力の入れ具合に合わせて照度調整で表現する。「柔軟性」におけるグリーン光照明フェードアウトに際しては、プログラムの終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節のイエロー光照明フェードインに際しては、「持久性」をイエロー光照明で表現、始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0069】
次いで、「持久性」におけるイエロー光50%〜100%の間で照度調整して点灯するに際しては、プログラムの中で力の入れ具合に合わせて照度調整で表現する。「持久性」におけるイエロー光フェードアウトに際しては、プログラムの終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、「インターバル」におけるラスト1小節でホワイト光フェードインに際しては、「バランス」を白色照明で表現、始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0070】
次いで、「バランス」におけるホワイト光50%〜100%の間で照度調整して点灯するに際しては、プログラムの中で力の入れ具合に合わせて照度調整で表現する。「バランス」におけるホワイト光フェードアウトに際しては、プログラムの終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、インターバルにおけるラスト1小節でブルー光フェードインに際しては、「緊張緩和・血流促進」をブルー光照明で表現、始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0071】
次いで、「緊張緩和・血流促進」におけるブルー光50%〜100%の間で照度調整して点灯するに際しては、プログラムの中で力の入れ具合に合わせて照度調整で表現する。「緊張緩和・血流促進」におけるブルー光フェードアウトに際しては、プログラムの終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、ホワイト光100%効果音の長さでのフェードアウトに際しては、プログラムの終わりを知らせる効果音に合わせて「終了の合図」として表現する。
【0072】
この実施例3によると、本発明に係る音楽同期型照明制御装置によって、普段やりにくい手や足の曲げ伸ばしをあえて行うようなリハビリテーションプログラムに参加することに気の進まない参加者にとっても、この手や足のそれぞれの曲げ伸ばし動作に対応した色彩や曲げ伸ばしに伴う力の入れ具合や曲げ伸ばし動作の速度をスタッフの声による指示によらず視覚から受ける情報によってより確実に判断できるとともに、スタッフから執拗に受ける指示と異なり、この視覚情報が脳内の記憶により深く定着し、通常のリハビリテーション動作と異なり行い易さや親しみを覚え、リハビリテーション動作をすぐに習得できる。
【0073】
そのため、このプログラムの参加者は、たとえ当初参加に意欲的でなくてもこのリハビリテーションプログラムを継続するためのモチベーションを高めることができ、途中挫折して参加しなくなるようなことが少なくなる。また、聴覚能力が低下した参加者であってスタッフの指示内容が上手く聞き取れない参加者であっても、視覚情報から動作の内容を理解することができ、かつ手足のどれを動かすかや手足の力の入れ具合、手足を動かす動作の速度等を視覚情報のみから判断することができるので、このような参加者にとっても非常に有益なリハビリテーションとなる。
【0074】
続いて、本発明の上述した実施形態を適用した第4実施例について説明する。
図7は、本発明の第4実施例を説明する説明図である。以下、
図7に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置をカラオケ楽曲の照明演出に使用した場合の具体例について説明する。
【0075】
最初に照明プランに関しては、バラード系楽曲なのでグリーン光やブルー光を中心に、サビ部のみホワイト光を使用する。そして、楽曲の「イントロ1」においては最初の1小節でグリーン光フェードインする。この際、楽曲の始まりを早めに段々明るくして合図する。
【0076】
次いで、楽曲の「A1、B1、C1」においてはグリーン光50%〜100%の間で照度調整して点灯するに際して、楽曲の流れに合わせて照度調整で表現する。そして、楽曲の「サビ1」においてはホワイト光→グリーン光→レッド光→ブルー光→ホワイト光100%でランダム点灯する。この際、一番盛り上がる部分なので、パーティー照明風に点灯して表現する。そして、楽曲の「間奏」においてはブルー光50%で点灯する。これに際して間奏部分をおとなし目に表現する。
【0077】
次いで、楽曲の「A2、B2、C2」においてはグリーン光50%〜100%の間で照度調整して点灯する。これに際して楽曲の流れに合わせて照度調整で表現する。そして、楽曲の「サビ2、サビ3」においてはホワイト光→グリーン光→レッド光→ブルー光→ホワイト光100%でランダム点灯する。この際、一番盛り上がる部分なので、パーティー照明風に点灯して表現する。そして、楽曲の「エンディング」においてはブルー光フェードアウトに際して楽曲の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。そして、最後にホワイト光100%点灯から4分音符の長さでフェードアウトするに際して照明プランの終わりを知らせる「終了の合図」として表現する。
【0078】
この実施例4によると、カラオケルームの利用者は、本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を使用することで、その楽曲から受けるイメージをさらに高めるような様々な色の光を楽曲中の特定の箇所で光らせたり、色自体の照度に変化をもたせたりすることができるため、通常のカラオケルームで利用客が歌うことによって感じる情動面の意識をさらに高め、曲を歌っている最中にさらなる高揚感を与えるように脳の意識を変性させる効果があり、同じ楽曲を歌っても歌い終わった後に通常の照明装置を用いたカラオケルームで歌い終わった時の印象とは異なる深い満足感を味わい充実した時間を堪能することができる。
【0079】
続いて、本発明の上述した実施形態を適用した第5実施例について説明する。
図8は、本発明の第5実施例を説明する説明図である。以下、数8に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置を用いた場合の結婚披露宴の照明演出の具体的形態の一例について説明する。
【0080】
最初に楽曲1において「入場一礼・入場」を行う。この際、最初の1拍目からホワイト光100%で点灯する。これにより、スポット照明と合わせて宴の始まりを盛り上げる演出を行う。
【0081】
次いで、楽曲2において「入場」を行う。この際、ホワイト光100%で2拍ずつ点滅を繰り返す。これにより、ホワイト光の点滅で抑え目な楽しさを表現する。
【0082】
次いで、楽曲3において「新郎新婦着席」を行う。この際、ホワイト光とレッド光を2拍ずつ交互に点滅する。これにより、ホワイト光とレッド光でおめでたい席を表現する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0083】
次いで、楽曲4において「新郎主賓挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0084】
次いで、楽曲5において「新婦主賓挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0085】
次いで、楽曲6において「乾杯発声」を行う。この際、ホワイト光100%で点灯する。これにより、スポット照明と合わせて全体を明るく演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0086】
次いで、楽曲7において「生立ちスライド紹介」を行う。この際、消灯する。これにより会場全体を暗くするため消灯する。
【0087】
次いで、楽曲8において「友人挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。続いて、楽曲9において「友人挨拶」を行う。この際、イエロー光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。更に、楽曲10において「友人挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。更に、楽曲11において「友人挨拶」を行う。この際、イエロー光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0088】
次いで、楽曲12において「新郎新婦退場」を行う。この際、ブルー光100%で2拍ずつ点滅を繰り返す。これにより、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0089】
次いで、楽曲13において「新郎新婦再入場」を行う。そして、楽曲14、楽曲15、楽曲16において「キャンドルサービス」を行う。この際、ホワイト光→グリーン光→レッド光→ブルー光→ホワイト光100%でランダム点灯する。これによって、一番盛り上がる部分なのでパーティー照明風に点灯して演出する。
【0090】
次いで、楽曲17において「新郎新婦着席」を行う。この際、ホワイト光とレッド光を2拍ずつ交互に点滅する。これによって、ホワイト光とレッド光でおめでたい席を表現する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0091】
次いで、楽曲18、楽曲19、楽曲20、楽曲21において「歓談」する。この際、レッド光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。
【0092】
次いで、楽曲22において「新郎親挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0093】
次いで、楽曲23において「新婦親挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯する。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0094】
次いで、楽曲24において「両家一礼・退場」する。この際、100%最後の1小節でフェードアウトする。これによって、楽曲の終わりを段々と暗くなり消灯する照明で表現する。
【0095】
本実施例5によると、結婚披露宴の招待者は、本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を使用することで、披露宴会場という閉じられた空間内で様々な色彩の照明をその照度の強弱や照度の変化を含めた状態で音楽の楽曲に合わせて視覚情報として脳の視覚野に取り込むことができるので、一般的な披露宴とは異なる披露宴であることを強く脳裏に記憶することができる。これによって、この披露宴の主役である新郎新婦の結婚式を他の同時期に行われる結婚式に比べて格段に印象付けることができる。
【0096】
一方、新郎新婦は自分たちの好みの楽曲に合わせて好みの色彩を用いて上述した色彩の変化、光の照度の強弱、照度の変化を伴う披露宴を自らプロデュースすることができるため、新郎新婦にとっても非常に印象深くかつ感動的な披露宴となり、結婚後においても披露宴の録画映像などを見ることによってその時の映像を鮮明に思い出して二人の気持ちの一体感を体感することで、その都度2人の間のラポール(互いの深い心理的信頼関係)を高めることができる。
【0097】
続いて、本発明の上述した実施形態を適用した第6実施例について説明する。
図9は、本発明の第6実施例を説明する説明図である。以下、
図9に基づき本発明に係る音楽同期型照明制御装置1を用いた場合の告別式の照明演出の具体的形態の一例について説明する。
【0098】
最初に、楽曲1乃至楽曲6において「受付開始」する。楽曲1においては、ブルー光最初の1小節でフェードインのちブルー光50%〜80%で照度調整して点灯する。続く楽曲2においては、ブルー光→グリーン光にグラデーションのちグリーン光50%〜80%で照度調整して点灯する。続く楽曲3においては、グリーン光→ブルー光にグラデーションのちグリーン光50%〜80%で照度調整して点灯する。続く楽曲4においては、ブルー光→グリーン光にグラデーションのちグリーン光50%〜80%で照度調整して点灯する。続く楽曲5においては、グリーン光→ブルー光にグラデーションのちグリーン光50%〜80%で照度調整して点灯する。続く楽曲6においては、ブルー光→グリーン光にグラデーションのちグリーン光50%〜80%で照度調整して点灯し、最後1小節でフェードアウトする。これによって、ブルー光とグリーン光を中心に点灯して連続した抑え目な演出を行う。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0099】
次いで、楽曲7においては「遺族・関係者の着席」を行う。この際、グリーン光最初の1小節でフェードインのちグリーン光50%〜80%の間で照度調整して点灯、最後1小節でフェードアウトする。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0100】
次いで、楽曲8において「開式の言葉」を行う。この際、イエロー光50%〜100%の間で照度調整して点灯する。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0101】
次いで、楽曲9では最初に「僧侶の入場・経読」を行う。この際、イエロー光最初の1小節でフェードインのちイエロー光50%〜100%で照度調整して点灯する。続いて、弔事の拝読・弔電の紹介を行う。この際、イエロー光→ブルー光にグラデーションのちグリーン光50%〜100%で照度調整して点灯する。続いて、「僧侶の焼香」を行う。この際、ブルー光→イエロー光にグラデーションのちグリーン光50%〜100%で照度調整して点灯する。続いて、「遺族・参列者の焼香」を行う。この際、イエロー光→ブルー光にグラデーションのちグリーン光50%〜100%で照度調整して点灯する。続いて、「僧侶の退席」を行う。この際、ブルー光→イエロー光にグラデーションのちイエロー光50%〜100%で照度調整して点灯し最後1小節でフェードアウトする。これによって、後光をイエロー光で悲しみをブルー光で表現し、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0102】
次いで、楽曲10では「喪主の挨拶」を行う。この際、グリーン光50%〜100%の間で照度調整して点灯する。これによって、楽曲の流れに合わせて照度調整で演出する。そして、「インターバル」においては消灯する。
【0103】
次いで、楽曲11では「閉式の言葉」を行う。この際、ブルー光50%〜100%の間で照度調整して点灯最後の1小節でフェードアウトする。これによって、楽曲の終わりを段々と暗くなり余韻を残すように消灯する照明で表現する。
【0104】
この実施例6によると、告別式への参列者は、本発明に係る音楽同期型照明制御装置によって閉塞された空間であるセレモニーホール内において、故人を偲ぶための音楽やスライドに合わせて、本発明特有の照明制御装置によってホール内を照明する光の色彩や、照度の強弱、照度の変化度合いを適切に調整することで、ホール内の告別式のメモリアルな雰囲気を高め、その時間内において参列者に個人を偲ぶ気持ちをより高めさせることで、参列者がカタルシス(悲しみを真に実感することによる精神的浄化)を得ることができ、故人を清らかな気持ちで送ることができる。
【0105】
以上説明した本発明に係る音楽同期型照明制御装置は、実際にはサウンドシンクロシステムという名称を付すことで市場への供給を出願人は検討している。以下にこの市場への供給に合わせた本発明に係る音楽同期型照明制御装置の概略仕様についても念のため説明しておく。
【0106】
サウンドシンクロシステムとは、ステレオ(L/R)音源の再生機器(オーディオ機器等)で再生する際、音源をモノラル(L)で再生し、照明演出を制御する信号音をもう一方のモノラル(R)で再生して音源と照明を同期(シンクロ)させるシステムである。
【0107】
本システム専用機材(システムコントローラー)を既存の再生機器に接続するだけで、信号音の周波数帯によって予め照明演出をプログラムした信号(R)が、再生する音源(L)の意図した箇所で完全に同期(シンクロ)した照明演出付音源として再生される。
【0108】
照明演出用の照明機材も、超高輝度フルカラーLEDを使用したLEDバーライトを開発し、そのままの使用でフルカラーの鮮やかな直接照明を、更に追加開発したバーライト高演色ランプシェードを取付ければ昼間室内光でもくっきりとした間接照明も演出できる。
【0109】
このサウンドシンクロシステムの仕様について説明する。サウンドシンクロシステムでは、接続されたLED照明装置を、外部から入力された信号音によってコントロールする。
【0110】
再生音源は2チャンネル(L/R)で入力されるものとし、Lチャンネルには実際に再生する音源を入力し、Rチャンネルで照明演出用の信号音を入力する。
【0111】
Lチャンネルの音源は内部で処理され、LとRで同じ音が出るように出力端子から出力される。
【0112】
Rチャンネルにて受ける照明演出用の信号音は、周波数によって演出する割り当てを振り分ける。複数の周波数を検知する仕組みとなるため、様々な演出ができる。(現段階では最大7つの周波数帯に分けた信号音を予定している)。
【0113】
特定の周波数の音量の増減を検知しているため、照明のフェードインやフェードアウト、フラッシングなど様々な演出ができる。
【0114】
LEDライトのレッド光(RED光:赤色光)、グリーン光(Green光:緑色光)、ブルー光(Blue光:青色光)の色の三原色を各々別の周波数帯に振り分けることにより、各色の混合比率や照度を変化させることができると共にイエロー光やホワイト光とすることも可能である。
【0115】
システムコントローラーのフロントパネルにあるスイッチ切り替えにより、試作版サウンドシンクロシステム用に作成した音源も利用可能である。
【0116】
電源OFF時は入力信号をスルーアウト(本システム接続前と同じ接続状況と)するため、分配器やオーディオミキサーの準備が不要である。
なお、ここでいうスルーアウト機能とは入力端子から入ってきた音声信号をそのまま出力端子から外部へ出力(通過)させる機能をいう。
【0117】
照明装置にLEDバーライトを使用するため、一般的な演出照明(ハロゲンランプ等)に比べ省エネタイプである。
【0118】
なお、システムコントローラー背面に設けたコントロール端子を利用して、照明の各演出を外部入力で行うことも可能である。DC0V〜5Vで入力することで直接操作が可能になる。
【0119】
本発明に係るサウンドシンクロシステムでは、Rチャンネルを照明演出信号音専用チャンネルとすることにより、フェードイン、フェードアウト、フラッシング、フルカラー調色など、多彩な演出が可能なっている。
【0120】
また、従来から解決すべきと要望されていた以下の問題点を解決することができる。この問題点とは、従来型のサウンドシンクロシステムではL/Rの両チャンネルを音源兼信号音入力として使用し、出力もそれぞれ別々の2系統として出力していた。そのため、ランダムモード(音量のピークを検出して照明が点灯するモード)での再生時等に稀にステレオで作成された楽曲等、左右の音量が異なる場合に2つの系統のうち一方が点灯し、もう一方が点灯していない状況が発生する場合があった。
【0121】
しかしながら、本発明に係るサウンドシンクロシステムでは、全ての照明を1系統に集約することにより各LEDライトが均一に点灯する構成をとっている。
【0122】
また、出力される音源においても全てのスピーカーから同一の音が出る(モノラル再生)ため、リスニングポイントを限定しない均一な音空間を実現することができる。音声再生のモノラル音源化は最近のスポーツクラブ等のスタジオ音響の傾向とも合致するという特徴がある。
【0123】
最後に、発明の実施の形態の前半で説明した本実施形態に係る構成の補足説明を行う。上述の実施形態においては、従来の回路である照明オンオフ制御信号処理部と本発明に係るフルカラー調光制御回路及びこれらの何れかを選択する切り替えスイッチを備えていたが、必ずしも従来型の照明オンオフ制御信号処理部及びこの回路を選択するための切り替えスイッチを備えることは必ずしも必要とせず、本発明に必須の構成要件であるフルカラー調光制御回路のみを備えていても良い。
【0124】
同様に、上述の実施形態においては照明装置としてLEDライトを挙げていたが、本発明に係る音楽同期型照明制御装置の照明対象は必ずしもLEDライトに限定されない。
【0125】
同様に、上述の実施形態においては、記録媒体とその再生機器としていわゆるCD(コンパクトディスク)とCDプレーヤーを挙げていたが、必ずしもこのような形態に限らず、Blu−ray(登録商標)Disc、DVD、USBメモリ、カード型のメモリ等の他の記録媒体とその再生機器を含む実施形態についても適用対象となる。
【0126】
同様に、上述の実施形態においては、L(左)・R(右)音楽信号の何れか片方のみの信号を音楽再生情報として利用し、残りの信号を照明制御情報として利用切り替えスイッチを備えていたが、必ずしもこのような構成に限定されず、マルチトラック信号の一部を用いてより臨場感にあふれたステレオ音楽を再生すると共に、残りの一部を用いて照明制御情報として利用することも可能である。