【課題を解決するための手段】
【0014】
表記法および専門用語
特定の略語、記号、および用語が以下の説明および特許請求の範囲を通じて使用され、以下を含む。本明細書中で用いられるとき、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数を意味する。
【0015】
本明細書中で用いられるとき、用語「約(approximately)」または「約(about)」は、明記された値の±10%を意味する。
【0016】
本明細書中で用いられるとき、用語「エッチ」または「エッチング」は、マスクされた特徴の端縁に沿って基材に直角に垂直側壁が形成されるようにイオン衝撃が垂直方向に化学反応を促進するプラズマエッチプロセス(すなわち、ドライエッチプロセス)を指す(Manos and Flamm,Plasma Etching An Introduction,Academic Press,Inc.1989 pp.12−13)。エッチングプロセスは、例えばビア、トレンチ、チャネル孔、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、キャパシタ孔、コンタクト孔等のアパーチャーを基材内に製造する。アパーチャーは、高さ対幅の比として定義されるアスペクト比を有する(20:1のアスペクト比が20x高さおよび1x幅を有し、ここで、x≧1、好ましくは1≦x≦5である(
図5を参照))。
【0017】
用語「パターンエッチ」または「パターン化されたエッチ」は、例えばパターン化されたマスク層を金属含有層および/またはシリコン含有層の積層体上に置くこと、およびエッチングビアまたはトレンチ等をマスクによって覆われていない領域内にエッチングすることにより、非平面構造物をエッチングすることを指す。用語「マスク」は、エッチングを防止する層を指す。マスク層は、エッチングされる層の上または下に配置されてもよい(エッチ停止層)。マスク層は、TiNもしくはTaNなどの硬質マスク、またはポリマーもしくは他の有機「軟質」レジスト材料などの軟質マスクであってもよい。「犠牲マスク」材料は、基材をパターン化するために使用され、かつ次いで除去される材料である。
【0018】
用語「選択性」は、1つの材料のエッチ速度の、別の材料のエッチ速度に対する比を意味する。用語「選択的エッチ」または「選択的にエッチングする」は、1つの材料を別の材料よりも多くエッチングすること、または換言すれば2つの材料間で1:1より大きいかまたはより小さいエッチ選択性を有することを意味する。
【0019】
本明細書中で用いられるとき、「−C」、「=C」および「>C」は、Cが残余の構造にどのように結合されるかを指し、「−」が単結合であり、「=」が二重結合であり、「>」が環構造である。例えば、「>CHF」はcC
4H
5F
3を指すことができ、ここで、C
4環状構造の少なくとも1個のCがHおよびF置換基を有する。
【0020】
元素の周期表からの元素の標準的な略語が本明細書において使用される。元素がこれらの略語によって示されてもよいことは理解されるはずである(例えば、Sは硫黄を指し、Siはケイ素を指し、Hは水素を指す等)。
【0021】
例えば、SiNおよびSiOなどのSi含有フィルムがそれらの適切な化学量論を参照せずに本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって記載されることに留意されたい。シリコン含有層は、高純度シリコン(Si)層、例えば結晶Si、ポリシリコン(ポリSiもしくは多結晶Si)、もしくは非晶質シリコン;炭化シリコン(Si
oC
p)層;窒化シリコン(Si
kN
l)層;酸化シリコン(Si
nO
m)層;またはそれらの混合物(ここで、k、l、m、n、o、およびpが包括的に1〜6の範囲である)を含有してもよい。好ましくは、窒化シリコンがSi
kN
l(ここで、kおよびlが各々、0.5〜1.5の範囲である)である。より好ましくは窒化シリコンがSi
1N
1である。好ましくは酸化シリコンがSi
nO
m(ここで、nが0.5〜1.5の範囲であり、mが1.5〜3.5の範囲である)である。より好ましくは、酸化シリコンがSiO
2またはSiO
3である。シリコン含有層がシリコンであってもよい。代わりに、シリコン含有層が、酸化シリコン系誘電体材料、例えば有機系または酸化シリコン系低k誘電体材料、例えばApplied Materials,Inc.によるBlack Diamond IIまたはIII材料であってもよい。また、シリコン含有層が例えばB、C、P、Asおよび/またはGeなどのドーパントを含有してもよい。
【0022】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法が開示される。シリコン含有基材をフッ素含有エッチング流体でプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材を形成する。水素含有ポリマー堆積流体のプラズマでポリマーをエッチングされたシリコン含有基材上に堆積させる。循環プラズマエッチングおよびポリマー堆積工程が繰り返される。
【0023】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法も開示される。また、シリコン含有基材をフッ素含有エッチング流体でプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材を形成する。水素含有ポリマー堆積流体をプラズマ処理することによって、C
aH
bF
c種(ここで、a=1または2、b=1または2、およびc=1〜3である)を生じさせ、ここで、種の総数の約50%〜約100%が1:2より大きいC:F比を有する。C
aH
bF
c種が、エッチングされたシリコン含有基材上にポリマーを堆積させる。プラズマエッチング、プラズマ処理およびポリマー堆積工程が繰り返される。
【0024】
開示された方法の何れも以下の態様の1つまたは複数を含み得る:
− シリコン含有基材がシリコンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が式C
xH
yF
z(ここで、1≦x<7、1≦y≦13、1≦z≦13である)を有する;
− 水素含有ポリマー堆積流体が=CH
2、=CF
2、=CFH、−CF
2H、CH
2F、>CHF、および>CH
2からなる群から選択される以下の配位子のうちの少なくとも1つを含有する;
− 水素含有ポリマー堆積流体がトリフルオロエチレンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
【0025】
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
【0026】
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘプタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテネルである;
【0027】
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロイソブチレンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がシス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がトランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロイソブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エンである;
【0028】
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1である;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1である;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンである;
【0029】
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオ−1−ブテンである;
【0030】
− 水素含有ポリマー堆積流体が4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2−トリフルオロブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が2−(トリフルオロメチル)プロペンである;
【0031】
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,ジフルオロ−2−(フルオロメチル)シクロプロパンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3−トリフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1−ジフルオロブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,4−ジフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,1−ジフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1−ジフルオロ−2−メチル−1−プロペンである;
【0032】
− 水素含有ポリマー堆積流体がノナフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(1E)−1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,4,4,5−ヘプタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロシクロペンテンである;
【0033】
− 水素含有ポリマー堆積流体がペンタフルオロ(ビニル)シクロプロパンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,4−ペンタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオロ−1−メチルシクロブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンである;
【0034】
− 水素含有ポリマー堆積流体がオクタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,1,1,2,3,4,5,5−オクタフルオロペント−2−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,4,5−ペンタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオロ−2−メチル−1−ブテンである;
【0035】
− エッチング流体がSF
6である;
− エッチング流体がSF
5CF
3である;
− エッチング流体がSF
4である;
− エッチング流体がPF
3である;
− エッチング流体がSi
2F
6である;
− エッチング流体がBF
3である;
− エッチング流体がCF
3Iである;
− エッチング流体がC
2F
5Iである;
− エッチング流体がC
3F
7Iである;
− エッチング流体がSOF
4である;
− エッチング流体がIF
5である;
− エッチング流体がCOF
2である;
【0036】
− アパーチャーが、約2:1〜約100:1の範囲のアスペクト比を有する;
− アパーチャーが、約40nm〜約2000υm(ミクロンまたはマイクロメートル)の範囲の幅を有する;
【0037】
− シリコンエッチング方法が酸化シリコンよりも多くシリコンをエッチングする;
− シリコンエッチング方法が窒化シリコンよりも多くシリコンをエッチングする;
− シリコンエッチング方法が不活性ガスを利用しない;
− シリコンエッチング方法が酸素含有ガスを利用しない;および
【0038】
− 酸素含有ガスがオゾン、酸素、H
2O、N
2O、NO、およびそれらの組合せである。
【0039】
本発明の性質および目的をさらに理解するために、添付した図面と併せて、以下の詳細な説明が参照されるべきであり、同じ要素は同じかまたは類似の参照番号を与えられる。