特許第6485972号(P6485972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6485972TSV/MEMS/パワーデバイスエッチング用の化学物質
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6485972
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】TSV/MEMS/パワーデバイスエッチング用の化学物質
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 104C
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-571169(P2016-571169)
(86)(22)【出願日】2015年6月17日
(65)【公表番号】特表2017-518645(P2017-518645A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】JP2015003044
(87)【国際公開番号】WO2015194178
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年4月18日
(31)【優先権主張番号】62/013,959
(32)【優先日】2014年6月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ペン・シェン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・デュサラ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス・アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ラウル・グプタ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント・エム・オマージー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン・スタッフォード
【審査官】 杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−270348(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02733725(EP,A1)
【文献】 国際公開第2004/093176(WO,A1)
【文献】 特開2009−206444(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/100254(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0105947(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法であって、
a.前記シリコン含有基材をフッ素含有エッチング流体でプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材を形成する工程と、
b.水素含有不飽和ポリマー堆積流体をプラズマ処理することによって種(ここで、a=1または2、b=1または2、およびc=1〜3である)を生じさせ、種の総数の約50%〜約100%が1:2より大きいC:F比を有するように生じさせる工程と、
c.前記C種から、前記エッチングされたシリコン含有基材上にポリマーを堆積させる工程と、
d.工程a〜cを繰り返す工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記水素含有ポリマー堆積流体が、(Z)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、(E)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブト−1−エン、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、およびシス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水素含有ポリマー堆積流体が、(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテントランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンおよびヘキサフルオロイソブテンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シリコン含有基材がシリコンである、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項5】
前記エッチング流体が、SF、SFCF、SF、PF、Si、BF、CFI、CI、CI、SOF、IF、およびCOFからなる群から選択される、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記エッチング流体が、SF、SF、PF、Si、BF、SOF、およびIFからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アパーチャーが約2:1〜約100:1の範囲のアスペクト比を有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アパーチャーが約40nm〜約2000μm(ミクロンまたはマイクロメートル)の範囲の幅を有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法が酸化シリコンよりも多くシリコンを選択的にエッチングする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法が窒化シリコンよりも多くシリコンを選択的にエッチングする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
不活性ガスを利用しない、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
酸素含有ガスを利用しない、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月18日に出願された米国仮特許出願第62/013,959号明細書(その内容全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
ボッシュエッチ法においてcC不動態化ガスの代替化学物質およびそれを使用する方法が開示される。これらの化学物質は、式C(ここで、1≦x<7、1≦y≦13、および1≦z≦13、好ましくは2≦x<4および1≦y≦2である)を有する。代替化学物質は、反応性イオンエッチングラグ(RIEラグ)またはアスペクト比依存エッチング(ARDE)を低減する。
【0003】
深いシリコンエッチングは、3D集積回路(3D−IC)設計、マイクロ電子機械システム(MEMS)、およびパワーデバイス製造のために重要である。3D−ICについては、複数ダイ(デバイス)を縦に積層してデバイスの「最小サイズ」を実現する。深いエッチングは孔/ビアを作った後に、導電性金属を充填して積層物間の連通(シリコン貫通ビアとも呼ばれる)を実現することを目的とする。MEMSについて、異なる種類のセンサーは、高アスペクト比を有する異なる構造を有する。また、超接合ダイオードなどのパワーデバイスは、深いトレンチエッチングを必要とする。
【0004】
深い反応性イオンエッチング(DRIE)を使用して、このような高アスペクト比構造物を形成する(通常>15:1が将来の技術のために必要とされる)。工業は、エッチングガス(SF)と、その後に側壁不動態化ガス(cC)を循環的に供給する、切換可能ボッシュ法を採用している(例えば、米国特許第5,501,893号明細書、米国特許第6,531,068号明細書、および米国特許第6,284,148号明細書を参照)。この方法は、高い選択性および高いエッチ速度を提供する。しかしながら、3D−ICおよびMEMS.JVST A 24,1283,2006などの将来の技術において利用される高アスペクト比孔/ビアの底部に達するのにイオン/種が有する物理的困難のために、不均一なエッチング速度が、異なるアスペクト比を有する構造物間に観察される(RIEラグまたはアスペクト比依存エッチングとも呼ばれる)。また、より小さいサイズの開口は、深いエッチングをより困難にする。Owen et al.,IEEE MEMS 2012。換言すれば、アスペクト比が高くなり孔が狭くなると、ボッシュ法を使用するエッチ速度は遅くなる。ボッシュ法の別の不便な点は、エッチング後にポリマー残渣を除去することが難しいことである。Journal of the Korean Physical Society,49(2006)1991−1997。
【0005】
現在の工業用途、特にMEMSにおいて、エッチ停止層をシリコン層の底部に設けて、異なる開口サイズに対して同じエッチ深さに物理的に達するようにしてもよい。JVST A 24,1283,2006。
【0006】
別の解決策は、エッチングパラメーターを調整する。LAM Research Corpに対する国際公開第2009/036053号パンフレットには、RIEラグの解決策としてボッシュ法において基材バイアスを変えることが開示されている。また、国際公開第2009/036053号パンフレットは、ボッシュ法においてSFをNFまたはCHFと取り替え、かつcCをCFと取り替える。
【0007】
Fuller等に対する米国特許出願公開第2013/105947号明細書には、エッチング剤ガスとポリマー堆積ガスとを交互に使用して深いトレンチを半導体基板にエッチングする異方性エッチプロセスにおいて、ポリマー堆積ガスとして使用されるハイドロフルオロカーボンガスが開示されている。
【0008】
本出願と同じ譲受人を有する国際公開第2014/070838号パンフレットには、基材上のSi含有層にチャネル孔、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、キャパシタ孔、コンタクト孔等をプラズマエッチングするためのエッチング流体が開示されている。
【0009】
DuPontに対する国際公開第2014/160910号パンフレットには、CVDチャンバ内の表面堆積物を除去するために有用なハイドロフルオロオレフィン組成物が開示されている。
【0010】
本出願と同じ譲受人を有する国際公開第2015/035381号パンフレットには、Si含有層およびマスク材料にチャネル孔、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、キャパシタ孔、コンタクト孔等をプラズマエッチングするための硫黄含有化合物が開示されている。
【0011】
Trapp(Micron)に対する米国特許第6,569,774号明細書には、Cエッチガス(ここで、xが1〜2であり、yが0〜3であり、およびzが2x−y+2であるか、またはxが3〜6であり、yが0〜3であり、およびzが2x−yである)を使用して、酸化シリコン層を貫通して開いている高アスペクト比コンタクトを形成するためのプラズマエッチプロセスが開示されている。
【0012】
Solvay Fluor GmbHに対する国際公開第2010/100254号パンフレットには、半導体エッチングのためのエッチング流体としてまたはチャンバの清浄化用としてなど、様々なプロセスのための特定のハイドロフルオロアルケンの使用が開示されている。ハイドロフルオロアルケンには、以下の群a)およびb)のそれぞれから選択される少なくとも1つの化合物の混合物を含めてもよい:
a)(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロブト−2−エン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロブト−2−エン、または2,4,4,4−テトラフルオロブト−1−エン、ならびに
b)1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、および1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
高アスペクト比アパーチャーを形成するボッシュ型エッチング方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
表記法および専門用語
特定の略語、記号、および用語が以下の説明および特許請求の範囲を通じて使用され、以下を含む。本明細書中で用いられるとき、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数を意味する。
【0015】
本明細書中で用いられるとき、用語「約(approximately)」または「約(about)」は、明記された値の±10%を意味する。
【0016】
本明細書中で用いられるとき、用語「エッチ」または「エッチング」は、マスクされた特徴の端縁に沿って基材に直角に垂直側壁が形成されるようにイオン衝撃が垂直方向に化学反応を促進するプラズマエッチプロセス(すなわち、ドライエッチプロセス)を指す(Manos and Flamm,Plasma Etching An Introduction,Academic Press,Inc.1989 pp.12−13)。エッチングプロセスは、例えばビア、トレンチ、チャネル孔、ゲートトレンチ、階段状コンタクト、キャパシタ孔、コンタクト孔等のアパーチャーを基材内に製造する。アパーチャーは、高さ対幅の比として定義されるアスペクト比を有する(20:1のアスペクト比が20x高さおよび1x幅を有し、ここで、x≧1、好ましくは1≦x≦5である(図5を参照))。
【0017】
用語「パターンエッチ」または「パターン化されたエッチ」は、例えばパターン化されたマスク層を金属含有層および/またはシリコン含有層の積層体上に置くこと、およびエッチングビアまたはトレンチ等をマスクによって覆われていない領域内にエッチングすることにより、非平面構造物をエッチングすることを指す。用語「マスク」は、エッチングを防止する層を指す。マスク層は、エッチングされる層の上または下に配置されてもよい(エッチ停止層)。マスク層は、TiNもしくはTaNなどの硬質マスク、またはポリマーもしくは他の有機「軟質」レジスト材料などの軟質マスクであってもよい。「犠牲マスク」材料は、基材をパターン化するために使用され、かつ次いで除去される材料である。
【0018】
用語「選択性」は、1つの材料のエッチ速度の、別の材料のエッチ速度に対する比を意味する。用語「選択的エッチ」または「選択的にエッチングする」は、1つの材料を別の材料よりも多くエッチングすること、または換言すれば2つの材料間で1:1より大きいかまたはより小さいエッチ選択性を有することを意味する。
【0019】
本明細書中で用いられるとき、「−C」、「=C」および「>C」は、Cが残余の構造にどのように結合されるかを指し、「−」が単結合であり、「=」が二重結合であり、「>」が環構造である。例えば、「>CHF」はcCを指すことができ、ここで、C環状構造の少なくとも1個のCがHおよびF置換基を有する。
【0020】
元素の周期表からの元素の標準的な略語が本明細書において使用される。元素がこれらの略語によって示されてもよいことは理解されるはずである(例えば、Sは硫黄を指し、Siはケイ素を指し、Hは水素を指す等)。
【0021】
例えば、SiNおよびSiOなどのSi含有フィルムがそれらの適切な化学量論を参照せずに本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって記載されることに留意されたい。シリコン含有層は、高純度シリコン(Si)層、例えば結晶Si、ポリシリコン(ポリSiもしくは多結晶Si)、もしくは非晶質シリコン;炭化シリコン(Si)層;窒化シリコン(Si)層;酸化シリコン(Si)層;またはそれらの混合物(ここで、k、l、m、n、o、およびpが包括的に1〜6の範囲である)を含有してもよい。好ましくは、窒化シリコンがSi(ここで、kおよびlが各々、0.5〜1.5の範囲である)である。より好ましくは窒化シリコンがSiである。好ましくは酸化シリコンがSi(ここで、nが0.5〜1.5の範囲であり、mが1.5〜3.5の範囲である)である。より好ましくは、酸化シリコンがSiOまたはSiOである。シリコン含有層がシリコンであってもよい。代わりに、シリコン含有層が、酸化シリコン系誘電体材料、例えば有機系または酸化シリコン系低k誘電体材料、例えばApplied Materials,Inc.によるBlack Diamond IIまたはIII材料であってもよい。また、シリコン含有層が例えばB、C、P、Asおよび/またはGeなどのドーパントを含有してもよい。
【0022】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法が開示される。シリコン含有基材をフッ素含有エッチング流体でプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材を形成する。水素含有ポリマー堆積流体のプラズマでポリマーをエッチングされたシリコン含有基材上に堆積させる。循環プラズマエッチングおよびポリマー堆積工程が繰り返される。
【0023】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法も開示される。また、シリコン含有基材をフッ素含有エッチング流体でプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材を形成する。水素含有ポリマー堆積流体をプラズマ処理することによって、C種(ここで、a=1または2、b=1または2、およびc=1〜3である)を生じさせ、ここで、種の総数の約50%〜約100%が1:2より大きいC:F比を有する。C種が、エッチングされたシリコン含有基材上にポリマーを堆積させる。プラズマエッチング、プラズマ処理およびポリマー堆積工程が繰り返される。
【0024】
開示された方法の何れも以下の態様の1つまたは複数を含み得る:
− シリコン含有基材がシリコンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が式C(ここで、1≦x<7、1≦y≦13、1≦z≦13である)を有する;
− 水素含有ポリマー堆積流体が=CH、=CF、=CFH、−CFH、CHF、>CHF、および>CHからなる群から選択される以下の配位子のうちの少なくとも1つを含有する;
− 水素含有ポリマー堆積流体がトリフルオロエチレンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペンである;
【0025】
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,3,3,3−テトラフルオロプロペンである;
【0026】
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘプタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(Z)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテネルである;
【0027】
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロイソブチレンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がシス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がトランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロイソブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エンである;
【0028】
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1である;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1である;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンである;
【0029】
− 水素含有ポリマー堆積流体が2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオ−1−ブテンである;
【0030】
− 水素含有ポリマー堆積流体が4,4,4−トリフルオロ−1−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2−トリフルオロブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が2−(トリフルオロメチル)プロペンである;
【0031】
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,ジフルオロ−2−(フルオロメチル)シクロプロパンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3−トリフルオロシクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1−ジフルオロブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,4−ジフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,1−ジフルオロ−2−ブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1−ジフルオロ−2−メチル−1−プロペンである;
【0032】
− 水素含有ポリマー堆積流体がノナフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(1E)−1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(2E)−1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,4,4,5−ヘプタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体がヘキサフルオロシクロペンテンである;
【0033】
− 水素含有ポリマー堆積流体がペンタフルオロ(ビニル)シクロプロパンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,3,4−ペンタフルオロシクロペンテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオロ−1−メチルシクロブテンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンである;
【0034】
− 水素含有ポリマー堆積流体がオクタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブト−1−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が(E)−1,1,1,2,3,4,5,5−オクタフルオロペント−2−エンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が1,2,3,4,5−ペンタフルオロシクロペンタンである;
− 水素含有ポリマー堆積流体が3,3,4,4−テトラフルオロ−2−メチル−1−ブテンである;
【0035】
− エッチング流体がSFである;
− エッチング流体がSFCFである;
− エッチング流体がSFである;
− エッチング流体がPFである;
− エッチング流体がSiである;
− エッチング流体がBFである;
− エッチング流体がCFIである;
− エッチング流体がCIである;
− エッチング流体がCIである;
− エッチング流体がSOFである;
− エッチング流体がIFである;
− エッチング流体がCOFである;
【0036】
− アパーチャーが、約2:1〜約100:1の範囲のアスペクト比を有する;
− アパーチャーが、約40nm〜約2000υm(ミクロンまたはマイクロメートル)の範囲の幅を有する;
【0037】
− シリコンエッチング方法が酸化シリコンよりも多くシリコンをエッチングする;
− シリコンエッチング方法が窒化シリコンよりも多くシリコンをエッチングする;
− シリコンエッチング方法が不活性ガスを利用しない;
− シリコンエッチング方法が酸素含有ガスを利用しない;および
【0038】
− 酸素含有ガスがオゾン、酸素、HO、NO、NO、およびそれらの組合せである。
【0039】
本発明の性質および目的をさらに理解するために、添付した図面と併せて、以下の詳細な説明が参照されるべきであり、同じ要素は同じかまたは類似の参照番号を与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】アパーチャーのエッチングを行なうために使用される典型的な装置の概略図である。
図2】SFによってエッチングされた後に明記した水素含有ポリマー堆積流体で処理される(異なる幅2umまたは20umを有する)アパーチャーの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。各々の画像内の矢印は、アパーチャーの高さを示す。エッチング時間は各々の実験について10分である。
図3】SFを使用した後に4つの明記したC水素含有ポリマー堆積流体(ここで、yが0〜2であり、zが8〜6である)を使用することによる異なるアパーチャーのボッシュエッチングの速度を示すグラフである。
図4】SFを使用した後に3つの明記したC水素含有ポリマー堆積流体(ここで、yが0〜2であり、zが6〜4である)を使用することによる異なるアパーチャーのボッシュエッチングの速度を示すグラフである。
図5】ポリマー堆積速度およびエッチ耐性の評価のために使用されるアパーチャーの斜視図である。
図6a図5の予め作られたアパーチャー内のポリマーフィルムの堆積速度のグラフである。
図6b図6aに堆積されるポリマーフィルムのエッチ耐性のグラフである。エッチングガスとしてSFを使用してエッチ耐性が定量される。
図7図6aの堆積されたままのポリマーフィルムおよび図6bのエッチング後のポリマーフィルムの組成のXPSグラフである。
図8】8つのC水素含有ポリマー堆積流体(ここで、xが3または4であり、yが0〜2であり、zが8〜5である)のイオン化エネルギーの70eVでのQ−MS分析結果を与える表である。
図9】基材上に堆積されるポリマーフィルムの剥離試験結果の写真である。剥離試験をASTM D3359によって実施した。
【発明を実施するための形態】
【0041】
循環法を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをエッチングする方法が開示される。上に記載されたように、先行技術の循環法は、シリコン基材にアパーチャーをエッチングするために、SFをエッチングガスとして導入して、cCを使用してポリマーをアパーチャー上に堆積させる。ボッシュ法のcCを水素含有ポリマー堆積流体と取り替える同様の方法が本明細書に記載されている。本出願人は、水素含有ポリマー堆積流体がcCを使用して製造されるものよりも高いアスペクト比を有するアパーチャーのエッチングを可能にすることを見出し、それは、技術が進展するときに重要である。さらに、水素含有ポリマー堆積流体は、同様の速度で異なるアスペクト比を有するアパーチャーのエッチングを可能にし得る。
【0042】
開示された方法は、F含有エッチング流体を使用してシリコン含有基材にアパーチャーをプラズマエッチングして、エッチングされたシリコン含有基材および揮発性SiFガス(ここで、xが1〜4である)を形成する。エッチング流体はSF、SFCF、SF、PF、Si、BF、CFI、CI、CIおよびSOF、IF、COF、またはそれらの組合せであってもよい。これらの流体は市販されている。これらのエッチング流体は、基材からシリコンを急速にエッチングする。
【0043】
一代替形態において、エッチング流体はSF、SF、PF、Si、BF、SOF、IF、またはそれらの組合せであり、なぜなら、これらの流体が炭素原子を含有しないからである。炭素を含有するエッチング流体は、炭素を含有しないエッチング流体と比較してより低いエッチング速度を示す。また、炭素原子は、若干のフィルム堆積をもたらし得る。
【0044】
水素含有ポリマー堆積流体のプラズマは、ポリマーをエッチングされたシリコン含有基材上に堆積させる。水素含有ポリマー堆積流体は、式C(ここで、1≦x<7、1≦y≦13、および1≦z≦13である)を有する。水素含有ポリマー堆積流体の沸点は、標準温圧において約50℃より低いのがよい。水素含有ポリマー堆積流体は、環状構造を有してもよくおよび/または二重結合を含んでもよい。環状構造および/または二重結合は、ポリマーフィルムを形成するのを一層容易にし得る。好ましい水素含有ポリマー堆積流体は、以下の置換基:=CH、=CF、=CHF、−CHF、−CFH、>CHF、または>CHの少なくとも1つを含有する。
【0045】
典型的な水素含有ポリマー堆積流体には、トリフルオロエチレン、(Z)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、(E)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、(E)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,3,3−テトラフルオロプロペン、(Z)−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブト−1−エン、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、ヘプタフルオロシクロブタン、(Z)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、(E)−1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン、1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、ヘキサフルオロイソブチレン、シス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、トランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、ヘキサフルオロイソブテン、2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1、1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,4,4,4−ペンタフルオロブテン−1、1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、3,3,4,4−テトラフルオ−1−ブテン、4,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブト−1−エン、2−(トリフルオロメチル)プロペン、1,1,ジフルオロ−2−(フルオロメチル)シクロプロパン、1,2,3−トリフルオロシクロブタン、1,1−ジフルオロブテン、(2E)−1,4−ジフルオロ−2−ブテン、(2E)−1,1−ジフルオロ−2−ブテン、1,1−ジフルオロ−2−メチル−1−プロペン、ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタン、(1E)−1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン、1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン、(2E)−1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン、1,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、1,2,3,3,4,4,5−ヘプタフルオロシクロペンテン、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、ヘキサフルオロシクロペンテン、ペンタフルオロ(ビニル)シクロプロパン、1,2,3,3,4−ペンタフルオロシクロペンテン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1−メチルシクロブテン、1,2,3−トリフルオロ−4−(トリフルオロメチル)シクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、オクタフルオロシクロペンタン、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ブト−1−エン、(E)−1,1,1,2,3,4,5,5−オクタフルオロペント−2−エン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロシクロペンタン、および3,3,4,4−テトラフルオロ−2−メチル−1−ブテンが含まれる。これらの化合物は市販されているか、または当技術分野で公知の方法によって合成される。
【0046】
一代替形態において、水素含有ポリマー堆積流体は、(Z)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、(E)−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン;2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン;1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロブト−1−エン、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン、シス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、またはそれらの組合せであってもよい。
【0047】
別の代替形態において、水素含有ポリマー堆積流体は、(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;(E)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン;トランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン;ヘキサフルオロイソブテン;またはそれらの組合せであってもよい。
【0048】
開示された水素含有ポリマー堆積流体は、99.9%v/v超の純度、好ましくは99.99%v/v超の純度、およびより好ましくは99.999%v/v超の純度で提供される。開示された流体は、0.1体積%未満の微量不純物を含有し、前記微量不純物中に含有されるNおよび/またはHOおよび/またはCOなどの窒素含有および酸素含有流体150体積ppm未満を有する。好ましくは、流体中の含水量は20重量ppm未満である。精製生成物は、ガスまたは液体を蒸留しておよび/または4A分子篩などの適した吸着剤に通すことによって製造されてもよい。
【0049】
一実施形態において、開示された水素含有ポリマー堆積流体は、その異性体の何れかを5%v/v未満、好ましくは1%v/v未満、より好ましくは0.1%v/v未満、およびさらにより好ましくは0.01%v/v未満含有する。この実施形態は、より良いプロセス反復性を提供し得る。この実施形態は、ガスまたは液体の蒸留によって製造されてもよい。別の実施形態において、特に異性体混合物が改良されたプロセスパラメーターを提供するかまたは目標異性体の単離が非常に難しいかまたは費用がかかる場合、開示された水素含有ポリマー堆積流体は、その異性体の1つまたは複数を5%v/v〜50%v/v含有してもよい。例えば、異性体の混合物は、プラズマ反応器への2つ以上のガスラインの必要性を低下させ得る。
【0050】
水素含有ポリマー堆積流体のプラズマによって製造されるC種(a=1または2、b=1または2、およびc=1〜3である)の総数の約50%〜約100%が1:2より大きいC:F比を有する。C種はポリマーをエッチングされたシリコン含有基材上に形成する。これらの小さいC種は、より大きい種(C+)によって形成されるフィルムと比較したときにより高密度のフィルムを形成するのに役立ち得る。高密度フィルムは、各々の単位面積がエッチング流体と反応するより多くの原子を含有するため、エッチング流体からのエッチングに対してより耐性がある。また、水素は小さいC種および得られる高密度フィルム中に必要である。フィルム中のH原子は、エッチプロセス中にエッチング流体と反応し、CおよびF原子をポリマーフィルム中に残存させる。
【0051】
以下の実施例において説明されるように、QMS試験は、提案された水素含有ポリマー堆積流体の或るものによって製造されるC種の大部分(すなわち、約50原子%〜約100原子%、より詳しくは約60原子%〜約96原子%)が1:2より大きいC:F比を有することを示す。1:2より大きいC:F比を有するC種は、高密度ポリマーフィルムを形成するのに役立ち得る。提案されたC種によって製造される高密度ポリマーフィルムは、構造物から容易にエッチングされない。C種は、少なくとも、高アスペクト比孔/ビアの底部に達するのにイオン/種が有する物理的困難のために、低アスペクト比構造物(例えば<5:1)よりも高アスペクト比構造物(例えば、>15:1)上により薄い高密度ポリマーフィルムを形成する。以下の実施例において説明されるように、このため、現在の堆積流体を使用して製造されるフィルムよりも、低アスペクト比構造物上に製造される厚めの高密度フィルムをエッチングするのにより長い時間を必要とするため、提案された水素含有ポリマー堆積流体を使用することによってRIEラグまたはアスペクト比依存エッチングが先行技術の方法よりも低減され得る。結果として、低アスペクト比構造物のエッチング時間は、高アスペクト比構造物において製造される薄めのフィルムのエッチング時間と同様であり得る。好ましくは、C種はまた、Hを含有し、それはFをエッチ流体から消費し、さらなるエッチ耐性を与え得る。
【0052】
また、C種は、cCによって形成されるポリマーよりもシリコン基材に対するポリマー接着力が弱いポリマーをもたらし、それはポリマーをアパーチャーから除去するのを一層容易にする。
【0053】
実施例に示されるように、最初の試験結果は、C水素含有ポリマー堆積流体(ここで、1≦x<7、1≦y≦13、および1≦z≦13である)中のHの量の増加によって、エッチングされるアパーチャーの幅または所望のアスペクト比にかかわらず、同様のエッチング速度を可能にすることを示す。換言すれば、アパーチャーが2nmまたは20nmまたは100nmの幅を有し、高アスペクト比(10〜50)を有する場合、エッチング速度は、標準cCボッシュポリマー堆積ガスよりも多くの水素を有する水素含有ポリマー堆積流体を使用するときには同様である。
【0054】
開示された水素含有ポリマー堆積流体は、アパーチャーのサイズにかかわらず、エッチ速度をより安定したものにすることができるため、開示された方法は、停止層を使用せずに深いアパーチャーシリコンエッチングを可能にし得る。停止層の堆積に伴う加工費および時間の低減に加えて、開示された水素含有ポリマー堆積流体を使用して停止層の必要をなくすことはまた、停止層とSi層の境界面での一切のノッチングを防止することができる。
【0055】
エッチング流体の蒸気が、エッチングされる基材がその中に保有されているプラズマ反応チャンバに導入される。導入時間は約0.001秒〜約30秒の範囲であってもよい。その後に水素含有ポリマー堆積流体の蒸気が反応チャンバに導入される。導入時間は、約0.001秒〜約30秒の範囲であってもよい。エッチング流体の導入時間は常に、水素含有ポリマー堆積流体の導入時間よりも長い。アパーチャーが所望のアスペクト比を有するまでプラズマエッチングおよびポリマー堆積工程が繰り返される。得られたアパーチャーは、約2:1〜約100:1の範囲のアスペクト比および約10nm〜約2000υm(ミクロンまたはマイクロメートル)の範囲の幅を有してもよい。長さは、10nm〜450mmの範囲であってもよい。
【0056】
エッチング方法は、基材がその中に配置されているプラズマ反応チャンバ内で行なわれる。プラズマ反応チャンバは、例えば、限定しないが、反応性イオンエッチング(RIE)、単一または多重周波数RF源を有するデュアル容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング(ICP−RIE)、マイクロ波プラズマ反応装置、磁気強化反応性イオンエッチング(MERIE)またはSi含有層の一部を選択的に除去し得るかまたは活性種を生成し得る他のタイプのエッチングシステムなど、エッチング方法がその中で行なわれるデバイス内の任意のエンクロージャーまたはチャンバであってもよい。当業者は、異なるプラズマ反応チャンバ設計が異なる電子温度制御を提供することを認識するであろう。適した市販のプラズマ反応チャンバには、限定されないが、商標Centura Silvia(商標)として販売されているApplied Materialsのエッチャーまたは商標2300(登録商標)Syndion(商標)として販売されているLam Researchのエッチャー製品ファミリーが含まれる。
【0057】
プラズマ反応チャンバは、1つ以上の基材を含有してもよい。基材は一般的に、プロセスをその上で行なう材料として定義される。基材は、半導体、光電池、フラットパネル、またはLCD−TFTデバイスの製造において使用される任意の適した基材であってもよい。適した基材の例には、例えばシリコン、炭化シリコン、シリカ、ガラス、GaAs、またはGaNウエハーなどのウエハーが含まれる。例えば、プラズマ反応チャンバは、25.4mm〜450mmの直径を有する1〜200のシリコンウエハーを含有してもよい。ウエハーは、先行の製造工程からその上に堆積された異なる材料の1つまたは複数の層を有してもよい。例えば、ウエハーは、シリコン層(結晶、非晶質、多孔質等)、炭化シリコン層、酸化シリコン層、窒化シリコン層、シリコンオキシ窒化物層、炭素ドープト酸化シリコン(SiCOH)層、またはそれらの組合せを含有してもよい。さらに、ウエハーは、GaN層、アルミニウム層、銅層、タングステン層、または貴金属層(例えば、白金、パラジウムロジウム、または金)を含有してもよい。例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)[PEDOT:PSS]などのプラスチック層も使用され得る。層は平面であるかまたはパターン化されてもよい。開示された方法は、ウエハー上にアパーチャーを直接エッチングするかまたはウエハーの上の層の(基材からパターン化層の場合)1つ以上の層上に直接にエッチングしてもよい。さらに、当業者は、本明細書において使用される用語「フィルム」または「層」が、表面上に置かれるかまたは塗布される或る材料の厚みを指すことおよび表面がトレンチまたはラインであってもよいことを認識するであろう。本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、ウエハーおよびその上の任意の関連付けられた層が基材と称される。例えば、Si層がSiO層上に堆積されてもよい。後続の加工において、TiNマスク層がSi層の一部の上に堆積されてもよく、次にそれが本明細書に開示された方法によってエッチングされてもよい。
【0058】
開示されたエッチング流体および水素含有ポリマー堆積流体のガス形態をプラズマ反応チャンバに導入する。それぞれの流体を約0.1sccm〜約1slmの範囲の流量でチャンバに導入してもよい。例えば、200mmのウエハーサイズについては、それぞれの流体を約50sccm〜約200sccmの範囲の流量でチャンバに導入してもよい。代わりに、450mmのウエハーサイズについては、それぞれの流体を約100sccm〜約2000sccmの範囲の流量でチャンバに導入してもよい。当業者は、流量がツール毎に変化することを認識するであろう。一代替形態において、水素含有ポリマー堆積流体およびエッチング流体を別々にチャンバに導入する。別の代替形態において、水素含有ポリマー堆積流体が連続的にチャンバに流入し、エッチング流体がチャンバにパルス導入される。
【0059】
エッチング流体および水素含有ポリマー堆積流体の或るものは室温および大気圧においてガス状である。ノンガス(すなわち、液体)化合物について、ガス形態は、直接気化または通気によるなどの従来の気化工程によって化合物を気化することによって製造されてもよい。化合物は液体状態で気化器に供給されてもよく、それは反応器に導入される前に気化される。代わりに、化合物は、キャリヤーガスを化合物を保有する容器内に送るかまたはキャリヤーガスを化合物中に通気することによって気化されてもよい。キャリヤーガスには、限定されないが、Ar、He、N、およびそれらの混合物が含まれてもよい。また、キャリヤーガスによる通気は、エッチングガス中に存在している一切の溶解された酸素を除去することができる。次に、キャリヤーガスおよび化合物が蒸気として反応器に導入される。
【0060】
必要に応じて、エッチング流体および水素含有ポリマー堆積流体のそれぞれを保有する容器は、化合物がエッチングツールへの供給のために十分な蒸気圧を有することを可能にする温度まで加熱されてもよい。容器は、例えば、約25℃〜約100℃、好ましくは約25℃〜約50℃の範囲の温度に維持されてもよい。より好ましくは、容器は、エッチツールへのラインを加熱することを避けるために室温(〜25℃)に維持される。当業者は、容器の温度を公知の方法で調節して、気化される化合物の量を制御してもよいことを認識する。
【0061】
使用されるプラズマ反応チャンバに応じて、より良いイオン衝撃をもたらすため、不活性ガスもエッチング流体および/または水素含有ポリマー堆積流体と共にプラズマ反応チャンバに導入され得る。他の選択肢において、プラズマを発生するエネルギーならびにエッチング流体および/または水素含有ポリマー堆積流体の流量が不活性ガスの付加的な補助がなくてもプラズマを持続するために十分であるため、不活性ガスは必要でない。不活性ガスが必要であるとき、不活性ガスはHe、Ar、Xe、Kr、Ne、またはそれらの組合せであってもよい。不活性ガスは、チャンバに導入する前にエッチング流体または水素含有ポリマー堆積流体と混合されてもよく、不活性ガスは得られた混合物の約0%v/v〜約95%v/vを占める。代わりに、エッチング流体および不活性ガスをチャンバにパルス状に導入しながら、水素含有ポリマー堆積流体をチャンバに連続的に導入してもよい。
【0062】
開示されたエッチング流体および水素含有ポリマー堆積流体をプラズマによって活性化して、活性化種を生じさせる。プラズマは、エッチング流体および水素含有ポリマー堆積流体をラジカル形態(すなわち、活性化エッチング流体または活性化水素含有ポリマー堆積流体(前にC種と称される))に分解する。プラズマはRFまたはDC電力を印加することによって発生されてもよい。プラズマは、約25W〜約10,000Wの範囲のRF電力によって発生されてもよい。プラズマは、反応器自体の中に発生されるかまたは存在していてもよい。プラズマは、両方の電極に印加されるRFによってデュアルCCPまたはICP方式で発生されてもよい。プラズマのRF周波数は、200KHz〜1GHzの範囲であってもよい。異なる周波数の異なるRF源を結合して同じ電極に印加することができる。さらに、プラズマRFパルス化を使用して、基材における分子フラグメンテーションおよび反応を制御してもよい。当業者は、このようなプラズマ処理に適する方法および装置を認識するであろう。
【0063】
四重極型質量分析計(QMS)、発光分光分析装置、FTIR、または他のラジカル/イオン測定器によって活性化エッチング流体または活性化水素含有ポリマー堆積流体を測定して、生成される種のタイプおよび数を求めてもよい。必要に応じて、エッチング流体、水素含有ポリマー堆積流体、および/または不活性ガスの流量を調節して、生成されるラジカル種の数を増大または減少させてもよい。
【0064】
開示されたエッチング流体は、プラズマ反応チャンバ内への導入前に、またはプラズマ反応チャンバ内部で他のガスと混合されてもよい。典型的なガスには、限定しないが、例えばO、O、CO、CO、NO、NO、NO、およびそれらの組合せなどの酸化剤が含まれる。国際公開第2014/070838号パンフレットに開示されるように、シリコン含有基材のエッチングは、酸素含有ガスと開示された水素含有ポリマー堆積流体との組合せから行なわれる。したがって、開示された水素含有ポリマー堆積流体は、本明細書に開示されたボッシュ型エッチング方法を行なうために酸素含有ガスと混合されるべきでない。開示されたエッチング流体と酸化剤とは、プラズマ反応チャンバ内への導入前に一緒に混合されてもよい。代わりに、酸化剤を連続的にチャンバ内に導入し、エッチング流体をチャンバ内にパルス状に導入してもよい。酸化剤は、チャンバ内に導入される混合物の約5%v/v〜約100%v/vを占めてもよい(100%v/vは、連続的な導入の代替形態として純粋な酸化剤の導入を表す)。
【0065】
エッチング流体および/または水素含有ポリマー堆積流体を混合してもよい他の典型的なガスには、プラズマ反応チャンバ内への導入前または後の、付加的なエッチングガス、例えばcC、C、CF、CHF、CFH、CH、COS、CS、CFI、CI、CI、およびSOが含まれる。付加的なエッチングガスは、チャンバ内に導入される混合物の約1%v/v〜約99.9%v/vを占めてもよい。
【0066】
Si含有層と活性化エッチング流体とが反応して、プラズマ反応チャンバから除去される揮発性副生成物を形成する。開示されたエッチング方法は、SiO層、SiN層、アモルファスカーボンマスク、反射防止コーティング、およびフォトレジスト層よりもシリコン層を選択的にエッチングする。
【0067】
プラズマ反応チャンバ内の温度および圧力は、活性化エッチング流体と反応するためにシリコン含有層に適した条件に保持される。例えば、チャンバ内の圧力は、エッチングパラメーターによる必要に応じて約0.1mTorr〜約1000Torr、好ましくは約1mTorr〜約10Torr、より好ましくは約10mTorr〜約1Torr、およびより好ましくは約10mTorr〜約100mTorrに保持されてもよい。同じく、チャンバ内の基材温度は約−196℃〜約500℃、好ましくは−120℃〜約300℃、およびより好ましくは5℃〜約30℃の範囲であってもよい。チャンバ壁温度はプロセス要件に応じて約−196℃〜約300℃、好ましくは100℃〜250℃の範囲であってもよい。
【0068】
Si含有層と活性化エッチング流体との間の反応は、基材からのSi含有層の異方性除去を達成する。また、窒素、酸素、および/または炭素の原子が、Si含有層中に存在していてもよい。除去は、(プラズマによって促進された)プラズマイオンからのSi含有層の物理的スパッタリングによるおよび/またはSiをSiF(ここで、xが1〜4の範囲である)などの揮発性種に変換するプラズマ種の化学反応による。
【0069】
1つの非限定的な典型的なプラズマエッチプロセスにおいて、SFとトランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンとは独立に、制御ガスフローデバイスを使用して200mmのICP−RIEプラズマエッチツールに導入される。制御ガスフローデバイスは、マスフロー制御装置であってもよい。プラズマ反応チャンバは、0.4mmのSi層の上に5umフォトレジストマスクを有する基材を保有する。基材温度は20℃に維持される。プラズマ反応チャンバの圧力は約45mbarに設定される。トランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン供給源は、この化合物の沸点が約27℃であるため、高い蒸気圧を維持するために40℃〜50℃に加熱される。基材からプラズマ供給源までの距離が10cmに保たれ、頂部電極のRF電力が1800Wに固定される。底部電極の低周波RF電力は100Wとして設定され、SFエッチングプロセス中に10msのタ―ンオンと90msのターンオフがある。エッチング工程としてSFを7秒間にわたって300sccmでチャンバ内に導入して、シリコン層をエッチングする。トランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンポリマーの堆積プロセス中、底部電極の低周波RF電力は0Wとして設定される。ポリマー生成工程としてトランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンを2秒間にわたって150sccmでチャンバ内に導入する。サイクルが繰り返され、後続のSFサイクルによりトランス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンから形成される底部ポリマーフィルムならびにSi層の両方を除去する。
【0070】
方法は、ポリマーを深いエッチアパーチャー内に形成することができる小さめの種を生成し、次世代TSV、MEMS、およびパワーデバイスのエッチングを可能にする水素含有ポリマー堆積流体を開示する。また、堆積されたポリマーは、cCによって製造されるポリマーよりもアパーチャーから除去するのが容易であり得る。
【0071】
また、開示された方法は、TSV、MEMS、およびパワーデバイスの製造中に深いシリコンエッチングのRIEラグを低減することができる(または異なるオープンマスクのエッチ速度の差をなくす)。結果として、各々のデバイスのために複雑なプロセスパラメーターの最適化を必要とせずに水素含有ポリマー堆積流体を使用してもよい。
【実施例】
【0072】
以下の非限定的な実施例は、本発明の実施形態をさらに説明するために提供される。しかしながら、実施例は、全てを包括的であることを意図せず、本明細書に記載される本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0073】
以下の試験は、図1に示されるデバイスと同様の反応性イオンエッチャー(RIE)またはICP−RIEエッチャーを使用して行なわれた。
【0074】
実施例1
SFおよび3つの異なるポリマー形成流体(cC、CHFおよびC)を使用して、3つが2ミクロンの幅を有し、かつ3つが20ミクロンの幅を有する、6つの深いトレンチを作った。ICP電源は1800Wであり、バイアス低周波電源は100Wであり、10msのターンオンおよび90msのターンオフがあり、圧力は45mbarであり、SFの流量は7秒間で300sccmであり、ポリマー形成流体の流量は2秒間で150sccmであり、基材の温度は20℃であり、および全プロセス時間は10分であった。結果の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示す。
【0075】
図3は、4つのC流体の組合せ(すなわち、SF/cC、SF/CHF、SF/c−C、SF/lin−C)の異なるエッチ速度を各々の幅について示す。SF/Cは、SFがエッチ工程において使用され、かつC(ここで、y=0、1、または2;z=6、7、または8;およびy+z=8)がポリマー堆積工程において使用されたことを意味する。見ることができるように、小さい(2ミクロン)トレンチと大きい(20ミクロン)トレンチとの間のエッチ速度の差は、分子の水素含有量の増加と共に減少する。
【0076】
図4は、3つのC流体の組合せ(すなわち、SF/C、SF/C、SF/CHF)の異なるエッチ速度を各々の幅について示す。SF/C(ここで、y=0、1、または2;z=4、5、または6;およびy+z=6)は、SFがエッチ工程において使用され、かつCがポリマー堆積工程において使用されたことを意味する。見ることができるように、小さい(2ミクロン)トレンチと大きい(20ミクロン)トレンチとの間のエッチ速度の差は、分子、特に=CHを含有する分子について水素含有量の増加と共に減少する。
【0077】
実施例2
ポリマー堆積およびエッチ速度を以下のように評価した:
(1)循環ボッシュ法を使用して均一なトレンチを作るため、SFを使用してエッチングし、cCでポリマーを堆積させ、それによって同じ深さを有するトレンチを製造する。トレンチを作るために使用されるパラメーターは以下の通りであった:ICP電源は1800Wであり、バイアス低周波電源は100Wであり、10msのターンオンおよび90msのターンオフがあり、圧力は45mbarであり、SFの流量は7秒間で300sccmであり、cCの流量は2秒間で150sccmであり、基材の温度は20℃に保たれ、全プロセス時間は10分であった。
【0078】
(2)ポリマーを堆積させるため、各々の流体(cC、C、C、CHF、CHF、C、またはcC)のプラズマをトレンチ内に導入し、ポリマーの厚さをSEMによって測定する。堆積条件は各々の流体について同じであった:ICP電源は1800Wであり、バイアス電源は印加されず、圧力は45mbarであり、各々の流体の流量は3分間で150sccmであり、基材の温度は20℃に保たれた。
【0079】
(3)堆積されたポリマーフィルムを同じ条件およびSEMによる実測厚さでSFによってエッチングする。エッチング前および後の厚さの差がポリマーエッチ耐性である。エッチングのパラメーターは以下の通りであった:ICP電源は1800Wであり、バイアス低周波電源は100Wであり、10msのターンオンおよび90msのターンオフがあり、圧力は45mbarであり、SFの流量は1分間で300sccmであり、基材の温度は20℃に保たれた。
【0080】
工程(2)および(3)においてポリマーフィルムの厚さは、図5に示されるように、トレンチ上面、トレンチ底部、トレンチ側壁の頂部、トレンチ側壁の中央部およびトレンチ側壁の底部であるトレンチの異なる箇所で測定された。図6aは、工程2で得られたポリマー堆積速度を示す。図6bは、工程3で得られた図6aの堆積されたポリマーフィルムのポリマーエッチ耐性を示す。図7は、X線光電子分光法(XPS)によるポリマー組成物の分析を示す。XPSにより狭いトレンチ内の分析を行なうのは難しいため、ポリマーフィルムを基材の上面で分析した。C−CF(ここで、x=1〜3)の量がより多いことは、フィルムが、幾何学形状においてより高密度に充填されていると共に、SFによってエッチングされることが難しい高めの炭素濃度を有することを意味する。このような高密度充填フィルムは、より高いSFエッチ抵抗率を示すことが予想される。
【0081】
実施例3
図8は、各々の流体の四重極型質量分析計(Q−MS)分析を示す。測定を行なうため流体をQ−MS分析チャンバ内に流入させ、そこで70eVのイオン化エネルギーを加えた。CHF、c−C、lin−C、およびCHFは、多くの高C:F比の種(高C:F比は、ここで、C:F≧1:2、例えば、F=2であるときにC>1であることを意味する)を含有し、それらの種は、より高いエッチ耐性を示す高密度ポリマーフィルムを形成するために重要である。Q−MSは、実施例2において得られた好ましくない結果のために、Cに関して行なわれなかった。
【0082】
実施例4
ブランクシリコンウエハーに対するポリマーフィルムの接着力を評価した。ASTM D3359テープ剥離試験を評価のために基準として使用した。3Mブランド610テープを剥離試験のために使用した。ポリマーフィルムを1mm×1mmでクロスカットした。テープで剥離した後、除去されたポリマーの領域を光学顕微鏡画像によって評価した。図9は、剥離試験の前および後のポリマーフィルムの光学顕微鏡画像を示す。最終結果の写真がカメラによって撮られ、低拡大画像を示す。接着力は、同じ炭素数を有して水素含有量がより高くなると減少する。
【0083】
実施例5
2ミクロン〜20ミクロンのトレンチのサイズの範囲に加えて、2ミリメートルまでのより大きいトレンチのサイズも試験した。RIEラグの低減傾向は、2ミクロン〜20ミクロンで観察した場合と同じである。
【0084】
本発明の実施形態を示し、記載したが、それらの改良形態は、本発明の趣旨または教示から逸脱することなく当業者が行うことができる。本明細書中に記載される実施形態は例示的なものにすぎず、限定的なものではない。組成物および方法の多くの変形形態および改良形態が可能であり、本発明の範囲内である。そのため、保護範囲は本明細書中に記載される実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、その範囲は、特許請求の範囲の主題のあらゆる均等物を含むものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9