(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向や位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明器具1の横側面図である。
図3は、本実施の形態に係る照明器具1の照明器具本体部100の分解斜視図である。
図4は、本実施の形態に係る照明器具1の放熱部200の展開図であり、(a)は放熱部200の側面図、(b)は放熱部200を放熱フィン部210が形成された側(Z方向側)から見た図である。
図5は、本実施の形態に係る放熱部200の
図4の(b)に示すA−A断面図である。
【0017】
図1〜
図5を用いて、本実施の形態に係る照明器具1の全体構成について説明する。
本実施の形態では、ライティングダクトなどに嵌着して使用するスポットライト型照明器具を、照明器具1の一例として説明する。
【0018】
照明器具1は、ライティングダクト(図示なし)に嵌着する電源ブロック10と、電源ブロック10の下面側(ライティングダクトと反対側)に固定され、固定部を軸に水平方向に所定角度回動するコの字形状に形成された保持部20と、保持部20のコの字形状内側に固定される照明器具本体部100とを備える。
照明器具本体部100は、保持部20に固定された箇所を軸として垂直方向(下方向)に所定角度回動する(
図9等参照)。
【0019】
図1〜3に示すように、照明器具本体部100は、LEDなどの発光素子111が基板部112に実装された発光基板部110と、発光基板部110の前面に配設される配光カバー部120と、発光基板部110が取り付けられ発光基板部110から発生する熱を放熱する放熱部200と、放熱部200の一部を覆う外装部130とを備えている。
【0020】
図1に示すように、保持部20は、一対のアーム部21を備える。保持部20は、一対のアーム部21のそれぞれの端部に設けられた固定部を備え、この固定部により回動可能に放熱部200の側部を保持する。固定部は、アーム部21の端部に形成された孔と、この孔に挿入され、アーム部21と放熱部200とを固定するネジとから構成される。
なお、固定部は、アーム部21の孔及びネジから構成されていなくてもよい。例えば、一対のアーム部21はそれぞれの端部から内側に突き出した突起を有し、この突起により放熱部200を回動可能に保持する構成でもよい。また、放熱部200が放熱部200において固定部に対応する位置から突き出た突起を備え、この突起とアーム部21に形成された孔とが係合することにより、放熱部200が回動可能にアーム部21に保持される構成でもよい。
【0021】
また、
図2に示すように、放熱部200は、保持部20に保持された状態で、一対のアーム部21のそれぞれの端部に挿入されるネジ同士、すなわち一対のアーム部21のそれぞれの固定部同士を結ぶ直線を軸25として上下方向に回動する。
なお、保持部20は、放熱部200を回動可能に固定するアーム部21を有していればよく、コの字形状でなくても構わない。例えば、保持部20は、U字形状、V字形状、I字形状、L字形状などでもよい。
L字形状の保持部20とは、例えば、保持部20が電源ブロック10に固定されている保持部固定部分(
図1参照)から左右方向にL字状に形成された1対のアーム部21のうち、いずれか一方のみのアーム部21で放熱部200を保持するものである。
I字形状の保持部20とは、例えば、保持部20が電源ブロック10に固定されている保持部固定部分(
図1参照)から放熱部200に向かってI字状(棒状)に形成されたアーム部21で放熱部200を保持するものである。I字形状の保持部20は、一方の端部が電源ブロック10に固定され、他方の端部が放熱部200における隣り合う放熱フィン部210同士の間に放熱部200を回動可能に保持する。
【0022】
発光基板部110は、LEDなどの複数の発光素子111が、円板形状をした基板部112に略等間隔に放射状に配置され実装されている。
また、発光基板部110は、発光素子111が実装された面(基板部表面110b)の反対面(基板部裏面110a)が放熱部200に当接し固定されている。
【0023】
配光カバー部120は、透過性を有した樹脂などの部材を有底円筒形状に成形したものであり、発光基板部110の基板部表面110bを覆うように放熱部200に保持されている。
また、配光カバー部120は、発光基板部110に対向する面に、発光素子111に対向するように略半円形状をした配光レンズ(図示なし)が配設されている。
【0024】
なお、発光基板部110の形状は、円形でなくても構わない。楕円形、矩形、多角形、不定形等であっても、本実施の形態を適用することができる。
【0025】
放熱部200は、アルミニウムなど放熱性能を有した材料を成形したものである。放熱部200は、発光基板部110が取り付けられる基板取付面201と、基板取付面201の反対面(基板取付裏面201b)(
図2参照)に形成された複数の放熱フィン部210とを備えている。
【0026】
基板取付面201は、略円形状をしており発光基板部110が取り付けられる。
図3,
図5に示すように、基板取付面201は、略円形状の周部より発光素子照射方向側へ略垂直に取付側辺部201aが形成されており、取付側辺部201aの内側に配光カバー部120が保持されている。また、取付側辺部201aの外周には化粧部202(または前面放熱部)が形成されている。
また、基板取付面201には、発光基板部110が電源ブロック10から電力供給を受ける為の電源線(図示なし)と接続する為の電源挿通孔220が形成されている。
【0027】
化粧部202は、基板取付面201の略円形状周部より照射方向にいくに従って広角方向(外側へ広がる方向)へ形成されており、
図5に示すように取付側辺部201aの外周に配設されている。
また、化粧部202は、基板取付面201に固定された発光基板部110からの熱を、後述する放熱フィン部210とともに放熱している。
【0028】
図4,
図5に示すように、基板取付面201の発光基板部110が取り付けられる面の反対面を基板取付裏面201bとする。基板取付裏面201bには、複数の放熱フィン部210が基板取付裏面201bに立つように形成されている。
放熱フィン部210は、隣り合う2つの放熱フィン211と、この隣り合う2つの放熱フィン211を連結するフィン連結部212とを備える。
放熱フィン部210は、
図4の(b)に示すように、基板取付裏面201bの中央に開放部201cを形成するように放射状に配設された放熱フィン211のうち、隣接する放熱フィン211の2個をフィン連結部212により連結して、一体に構成したものである。
よって、本実施の形態では放熱フィン211が12個配設されており、放熱フィン部210が6個配設されている。
【0029】
放熱フィン211は、
図5に示すように、略台形の板状であり、内側面は基板取付裏面201bから略垂直に立ち上がっており、外側面211aは基板取付裏面201bから徐々に内側に傾斜するよう形成されている。放熱フィン211の上面は、基板取付裏面201bの中央部に向かって徐々に基板取付裏面201bの方に傾斜している。放熱フィンの外側面211aにあたる傾斜は、化粧部202の外周面202aの傾斜と略同一の傾斜角度で形成されている。
【0030】
図4(a)に示すように、放熱部200において、発光素子の照射方向と反対方向、すなわち、放熱フィン211の先端の方向を放熱部上方向とする。
放熱フィン211は、放熱部上方向にいくに従い、徐々に板厚が薄くなるよう形成されている。つまり、放熱フィン211は、基板取付裏面201b側から先端にいくに従って、徐々に板厚が薄くなる。
【0031】
放熱フィン211は、高温となる基板取付裏面201b近傍では、板厚が厚い為、熱抵抗が小さくなる。また、放熱フィン211は、放熱効果により温度が抑制されていく放熱部上方向にいくに従って、徐々に板厚が薄くなる為、熱抵抗が徐々に大きくなる。
このように、本実施の形態に係る放熱フィン211によれば、放熱フィン211を均一の板厚にするよりも、放熱フィン211の部位により必要な放熱温度を考慮した(熱抵抗を有する)板厚にしており、重量の削減をする事ができる。よって、製造コストを低減させることができる。
なお、放熱フィン211は、上方向にいくにつれ(連続的に)板厚が薄くなる形状であり鋳造成形、ダイカスト成形で上方向へ金型が抜きやすい形状であり、成形性に長けている形状である。
なお、放熱フィンの形状は、徐々に薄くなるような形状でなくてもよく、段階的に薄くなる形状でもよい。
【0032】
フィン連結部212は、基板取付裏面201bから突き出して隣り合う2つの放熱フィン211を連結する。フィン連結部212は、隣り合う放熱フィン211同士の間の基板取付裏面201b側、かつ、基板取付裏面201b中央部側を充てんすることにより、2つの放熱フィン211を連結する。フィン連結部212は、隣り合う放熱フィン211同士の間の基板取付裏面201b側、かつ、基板取付裏面201bの中央部側に、柱状に形成される。
【0033】
フィン連結部212は、放熱フィン211の基板取付裏面201bの中央部側(中央の開放部201c側)に配設されている。また、フィン連結部212の基板取付裏面201bから先端までの高さは、放熱フィン211の基板取付裏面201bから放熱フィン211の先端までの高さより短く形成されている。このため、放熱フィン部210の先端には凹形状をした放熱フィン先端凹部210aが形成される(
図4参照)。
この放熱フィン先端凹部210aにより、放熱部200を放熱部上方向から見た場合(
図4(b))の意匠性が向上する。
【0034】
フィン連結部212の放熱部上方向の上面は、放熱部200を金型から押し出すときの押し出しピンのボス部(基部)となる。よって、フィン連結部212の上面と放熱フィン211の先端との差分(放熱フィン先端凹部210aの凹み幅)は、押し出しピンがフィン連結部212の上面に届く程度の長さとする。
また、フィン連結部212の上面の広さは、押し出しピンのボス部として機能する程度の広さとなる。フィン連結部212の上面の広さは、例えば、押し出しピンの先端面の直径などにより決まる。フィン連結部212の上面のうち外装固定孔214が形成される上面の広さは、外装固定孔214が固定孔として機能するように外装固定孔214の周囲の肉厚が薄くなりすぎない程度の広さとする。
【0035】
また、フィン連結部212は、放熱フィン211の補強効果を果たしており、放熱部200をアルミなどで鋳造成形する際に、成形金型の受部・ボスの機能を果たすとともに、成形時の加圧に対する放熱フィン211の補強となるものである。
【0036】
なお、成形形状によってはフィン連結部212を減らしてもよいが、フィン連結部212を設けない場合は、放熱フィン形状自体で強度を維持する必要があり、巾を大きくする、板厚を厚くするなど意匠、コスト面を考慮する必要がある。
また、本実施の形態では、放熱フィン部210は、2つの放熱フィン211と、この2つの放熱フィン211を連結するフィン連結部212とを備えるが、フィン連結部212により連結される放熱フィン211は2つでなくてもよい。例えば、3つあるいは4つの放熱フィン211が連結されていてもよい。
また、金型から取り出すときに押し出しピンがフィン連結部を押すようにすることで、押し出しピン用のボスを別途設ける必要がなくなり、意匠性が向上する。
【0037】
放熱フィン部210は、2つの放熱フィン211とフィン連結部212から構成されているが、基板取付裏面201bにおける配設箇所に応じて、切り欠きなどが形成されている。
たとえば、
図4の(b)に示すように、放熱フィン部210と放熱フィン部210の間には、アーム部21と連結するアーム連結孔213aを有したアーム連結部213が形成されている。アーム連結部213の下方向(
図4の(a)(b)におけるY軸下方向)に隣接する放熱フィン211には、照明器具本体部100が所定角度回動できるように、一部が切り欠かれた切り欠き2131が形成されている。
【0038】
また、
図4の(b)におけるX軸方向中央に位置する一対のフィン連結部212の先端には外装部130を固定する為の外装固定孔214(外装固定部)が形成されている。外装固定孔214には、後述する外装部130の第2突起部135(
図6参照)が当接され、ねじ1302(
図7,8参照)などにより外装部130が取り付けられる。
【0039】
また、
図4の(a)(b)におけるY軸下方向に配設された2つの放熱フィン部210の放熱フィン211には、後述する外装部130の第1突起部134(
図6参照)が係合する為の外装取付用切欠部215と外装挿入孔216とが形成されている。
【0040】
また、隣接する放熱フィン部210と放熱フィン部210との間は、空隙218が形成される。この空隙218は、放熱フィン211の板厚変化に応じて、基板取付裏面201b側が狭く、放熱部上方向にいくにつれて広くなるように形成されており、効果的に空気循環ができるようになっている。
【0041】
図6は、本実施の形態に係る外装部130の斜視図である。
図7は、本実施の形態に係る照明器具1の分解側面図である。
図8は、本実施の形態に係る照明器具1の後方視点(放熱部上方向から見た)の分解斜視図である。
図9は、本実施の形態に係る照明器具本体部100のアーム部21に対する可動動作(a)〜(c)を示す図である。
図10は、本実施の形態に係る放熱部200における仕切面1301のバリエーション(a)〜(c)を示す図である。
図11は、本実施の形態に係る放熱部200の変形例を示す図である。
【0042】
図6に示す外装部130は、放熱フィン部210の一部を覆うものである。
図7に示すように、放熱部200は、アーム連結孔213a(アーム部21の固定部)を結ぶ線を軸25として、上下方向に回動する。このとき、軸25を含み基板取付裏面201bと略直交する面を仕切面1301とする。仕切面1301は、仮想的に設定される面である。外装部130は、放熱部200に設けられた放熱フィン部210において、放熱部200が回動する場合に外側となる放熱フィン部210の部分を覆うように、放熱フィン部210に取り付けられる。
図9に示すように、外装部130により覆われる放熱フィン部210は、照明器具本体部100(放熱部200)が保持部20に固定されアーム連結孔213aを軸25として
図9(a)から
図9(b)まで回動したとき、仕切面1301より外側に位置する放熱フィン部210である。
【0043】
図6に示すように、外装部130は、両端部が開口する略半円筒形である。外装部130は、照射方向側の端部である前円弧部131より、放熱部上方向側の端部である後円弧部132が小さく形成されている。前円弧部131は、外装部130において、照射方向側に開口137を形成する周縁部である。
外装部130は、前円弧部131と後円弧部132との円中心が同軸になるように形成される。外装部130は、側面は放熱フィン211の外側面211a(
図5参照)の傾斜に応じるよう傾斜側面部133が形成されている。
【0044】
傾斜側面部133は、前円弧部131側の内側側面(内壁133c)に側面凸部133a,133bが形成されている。側面凸部133aには、前円弧部131から突出するように第1突起部134が配設されている。
また、傾斜側面部133は、後円弧部132側の内側側面(内壁133c)から略円中央方向に突き出した第2突起部135(係合部)が形成される。第2突起部135には、外装部130略半円筒形の軸方向に貫通する固定孔135aが形成される。
【0045】
なお、第1突起部134、第2突起部135は、傾斜側面部133と一体に形成されたものでも良く、別体のものを組み合わせても良い。
また、放熱部200の外装挿入孔216に替えて、第1突起部134に相当する第1突起部134’’(図示なし)を形成し、側面凸部133a側に第1突起部134’’(図示なし)を挿入するための挿入孔を設けてもよい。
なお、別体で形成された第1突起部134’(図示なし)を、放熱部200の外装挿入孔216(
図4参照)に予め固定し、側面凸部133a側に、外装挿入孔216に挿入された第1突起部134’(図示なし)を挿入するための挿込孔を設けてもよい。
【0046】
外装部130では、前円弧部131と後円弧部132との円中心は同軸になるように配設されているが、前円弧部131側より後円弧部132側は円周角度が大きく形成されている。よって、外装部130の後円弧部132側は、前円弧部131側より多くの放熱フィン部210を覆っている。
【0047】
また、傾斜側面部133には、アーム用切欠部136が形成されている。アーム用切欠部136(切欠部)は、保持部20に照明器具本体部100を回動自在に取り付けた場合に、外装部130がアーム部21に干渉しないように形成された切り欠きである。
【0048】
次に、
図7及び
図8を用いて、外装部130を放熱部200へ取り付ける取り付け方法について説明する。
まず、外装部130は、放熱部200へ、
図7に示す矢印方向へ挿し込まれる。このとき、第1突起部134は外装挿入孔216に挿し込まれる。
また、第2突起部135(係合部)は、外装固定孔214(外装固定部)を有する放熱フィン部210の放熱フィン先端凹部210aに嵌入される。第2突起部135(係合部)は、外装固定孔214(外装固定部)と係合する。第2突起部135は外装固定孔214と同軸に配置され、ねじ1302などの螺合手段により第2突起部135は外装固定孔214が形成されたフィン連結部212へ固定される。これにより、外装部130は放熱部200に固定される。第2突起部135と外装固定孔214との係合方法は、ねじ止め以外の方法、例えば、嵌め合い構造などでもよい。
【0049】
なお、外装部130の第1突起部134が外装挿入孔216に挿し込まれた際、側面凸部133aが外装取付用切欠部215の底部(外装挿入孔216が形成される面部)に当接する。
図7に示すように、外装挿入孔216は、基板取付裏面201bから先端の方(放熱部上方向)に所定幅(L1)ずれた位置に形成されている。よって、外装部130の前円弧部131と基板取付裏面201bとの間に所定幅(L1)の隙間部101(
図2参照)が形成される。言い換えると、前円弧部131と基板取付裏面201bとの間に所定幅の隙間部101が形成されるように、外装取付用切欠部215が設けられる。
【0050】
外装部130は、第1突起部134と外装挿入孔216とによる第1接続部と、第2突起部135と外装固定孔214による第2接続部とにより、照明器具本体部100の後方より挿し込む事で固定ができるとともに、照明器具本体部100が保持部20に接続していても容易に着脱する事ができる。
また、外装部130がアーム用切欠部136を有していることで、照明器具本体部100が所定の方向へ回動するとき、外装部130とアーム部21とが干渉しないで回動することができる。
【0051】
図7及び
図9に示すように、外装部130は、アーム連結孔213aを通る軸25を含むとともに基板取付裏面201bと略直交する面を仕切面1301として、照明器具本体部100が保持部20に固定され軸25を中心に回動したとき、仕切面1301から外側に位置する放熱部200を覆うように取り付けられる。
【0052】
照明器具本体部100は、
図9の(a)から
図9の(c)まで回動する。
図9の(a)は、発光素子の照射方向が略水平方向となる状態であり、この状態を放熱部200の第1状態とする。また、
図9の(c)は、発光素子の照射方向が略下方向となる状態であり、この状態を放熱部200の第2状態とする。
仕切面1301から外側に位置する放熱フィン部210とは、複数の放熱フィン部210のうち、照明器具本体部100が回動する場合に、アーム部21が外側面211a近傍を通過しない放熱フィン部210(放熱フィン211)のことである。よって、放熱フィン部210の2つの放熱フィン211のうち、一方が外装部130に覆われ、他方が外外装部130に覆われない場合もある。
【0053】
外装部130が、仕切面1301から外側に位置する放熱フィン211を覆っていることにより、照明器具1が所定の方向(例えば、
図9の(a)または(b)など)を照射しているときに、下方向から電源線などが見え難くなる。また、化粧部202と傾斜側面部133は傾斜が略同一の直線上になるよう形成されている(
図9(a)参照)。よって、照明器具1の意匠性が向上する。
なお、
図9(a)に示すように、化粧部202の外周面202aと外装部130の傾斜側面部133とは、一直線状になるように形成されているが、直線でなくとも滑らかな曲線状となるように形成してもよい。つまり、化粧部202の外周面202aと外装部130の傾斜側面部133とが、全体としてあたかも1つの連続する滑らかな曲面(略連続する曲面、略面一形状)をなすように形成される。このように、化粧部202と外装部130とを形成することにより、意匠性が向上する。
【0054】
図10は、本実施の形態に係る仕切面1301のバリエーション(a)〜(c)を示す図である。
図10の(a)は、上述してきたように、軸25を含み、基板取付裏面201bに略直交する仕切面1301を示す。斜線により覆われた放熱フィン部210の部分R1は、仕切面1301より外側に位置する放熱フィン部210を示している。
図10の(b)は、軸25を含み、外側に傾斜するように基板取付裏面201bと交差する仕切面1301aを示す。
図10の(b)に示す仕切面1301aによれば、放熱フィン部210を覆う部分R2が
図10の(a)のR1よりも狭くなるので、外装部130を小型化することができ、意匠性を保ちつつ製造コストを低減することができる。
図10の(c)は、軸25を含み、内側に傾斜するように基板取付裏面201bと交差する仕切面1301bを示す。
図10の(c)に示す仕切面1301bによれば、放熱フィン部210を覆う部分R3が
図10の(a)のR1よりも広くなり、より多くの放熱フィン部210を覆うので、意匠性がより向上する。
【0055】
次に、放熱効果に関して説明する。
放熱部200は、基板取付面201の発光基板部110の点灯に伴う発熱を放熱フィン部210により放熱する。
放熱フィン部210の放熱フィン211は、板厚が基板取付裏面201b側が厚く、放熱部上方向(発光素子の照射方向と反対方向)にいくに従い薄くなるよう形成されており、高温となる基板取付裏面201bでは熱抵抗が小さく(板厚が厚い為)、放熱効果により温度が抑制されていく放熱部上方向にいくに従って熱抵抗が大きくなる。
【0056】
また、放熱部200は、放熱フィン部210が、隣接する放熱フィン部210との間に空隙218を設けるよう配設されているとともに、外装部130の前円弧部131と基板取付裏面201bとの間には隙間部101(
図2参照)が形成されている。そして、空隙218と隙間部101とは連通している。よって、一番高温になると予測される基板取付裏面201b周部の空気循環を促進し、放熱効果を向上させている。
【0057】
また、隙間部101を有していることにより、放熱部200内部への埃などが抜けやすくしており、埃などの蓄積による放熱部200の空気循環、放熱能力の低下が起こりにくくなるようにしている。
【0058】
本実施の形態では、放熱部200は、板厚が基板取付裏面201b側が厚く、放熱部上方向(発光素子111の照射方向と反対方向)にいくに従い薄くなるよう形成された放熱フィン211を有しており、隣接する2つの放熱フィン211はフィン連結部212により一体に形成されている。
このような放熱部上方向へ板厚が薄くなる傾斜により、アルミ鋳造(もしくはインジェクション成形)などで放熱部200を成形する際、放熱部上方向(発光基板と反対方向)へ成形金型が抜きやすくなっているとともに、フィン連結部212が成形時の放熱フィン211の補強効果を果たしおり、放熱部200は容易に成形する事ができる。
また、放熱フィン211は、フィン連結部212と一体に形成されていることで、放熱フィン211単体で成形するよりも板厚を薄くできる。また、板厚を薄くした事によって、放熱フィン部210の配設数を増やす事ができ、さらに放熱効果を高くすることができる。
【0059】
本実施の形態では、外装部130は、第1突起部134と外装挿入孔216とによる第1接続部と、第2突起部135と外装固定孔214とによる第2接続部とにより、照明器具本体部100の後方より挿し込む事で固定ができるとともに、照明器具本体部100がアーム部21に接続していても着脱する事ができる。
よって、製品組立の組立順番の制限をなくす事ができ、組立作業を容易にしている。また、清掃などのメンテナンスの際も、外装部130を容易に着脱する事ができる。
【0060】
本実施の形態では、放熱部200は、放熱フィン211が基板取付裏面201b側の板圧が厚く、上方向(発光素子の照射方向と反対方向)にいくに従い薄くなるよう形成されており、高温となる基板取付裏面201bでは熱抵抗が小さく形成されているとともに、隣接する放熱フィン部210は隙間を設け配設されるとともに、外装部130と基板取付裏面201bの間に隙間部101が形成されていることで、基板取付裏面201b周部の空気循環を効率的に行っている。
【0061】
図11は、本実施の形態における放熱部200の変形例(a)(b)を示す図である。
本実施の形態では、基板取付裏面201bにおける各部の配置を
図4の(b)を用いて説明したが、
図11の(a)のよう放熱フィン部210’の内側(2つの放熱フィン211’の間)にアーム連結部213’を配設してもよい。アーム連結部213’は、2つの放熱フィン211’を連結するフィン連結部212’の外側面に形成される。また、外装固定孔214は、このフィン連結部212’の上端面に形成される。
図11の(a)のような構成とすることにより、
図4の(b)ではアーム連結部213となっていた部分に空隙218aが形成される。よって、基板取付裏面201bへの空気注入口を増やすことができ、放熱効率を向上させることができる。
【0062】
また、
図11の(b)に示すように電源挿通孔220’はY軸下側に配設してもよく、電源線(図示なし)をフィン連結部212もしくは放熱フィン部210の放熱フィン先端凹部210aに固定し、可動するときの電源線の支持部などにしてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうちの2つ以上の部分を組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。