特許第6486054号(P6486054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486054
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】開閉装置及び開閉方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 19/18 20060101AFI20190311BHJP
   B63B 19/26 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   B63B19/18 101
   B63B19/26 B
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-206376(P2014-206376)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-128983(P2015-128983A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2017年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】514254700
【氏名又は名称】株式会社井筒造船所
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】若杉 博
【審査官】 葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭39−029294(JP,Y1)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2013−0005700(KR,U)
【文献】 実開昭58−078293(JP,U)
【文献】 実開昭56−014169(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 19/14,19/18
B63B 19/26
E05F 15/00−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の直行ガイド部と、該直行ガイド部の一端部に傾斜をつけることで形成された陥入ガイド部とを有し、前記直行ガイド部と前記陥入ガイド部は船倉の口に向けて設けられたガイド部と、
船倉の口を開閉する蓋体と、該蓋体に設けられ、前記ガイド部に移動可能に嵌装されると共に、前記陥入ガイド部に陥入する滑動子とを有するハッチカバー部材と、
該ハッチカバー部材に一部が取り付けられた索体と、該索体をけん引することで同ハッチカバー部材を前記ガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部とを備え、
前記操作装置は船体に固定されており、前記ハッチカバー部材は、同ハッチカバー部材が前記陥入ガイド部に落ち込む際の下がり幅を、同ハッチカバー部材に設けられた連結ピンが前記索体に取付けられた連結鉤に沿って下方へ移動することにより吸収して、上記陥入ガイド部に沿って下降する
開閉装置。
【請求項2】
直線状の直行ガイド部と、該直行ガイド部の一端部に傾斜をつけることで形成された陥入ガイド部とを有し、前記直行ガイド部と前記陥入ガイド部は船倉の口に向けて設けられたガイド部と、船倉の口を開閉する蓋体と、該蓋体に設けられ、前記ガイド部に移動可能に嵌装されると共に、前記陥入ガイド部に陥入する滑動子とを有するハッチカバー部材と、該ハッチカバー部材に一部が取り付けられた索体と、該索体をけん引することで同ハッチカバー部材を前記ガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部とを備え、
前記駆動部による前記ハッチカバー部材の移動操作を途中で停止したときに、同時に、同ハッチカバー部材を固定するためのロック装置を備える
開閉装置。
【請求項3】
前記駆動部が、前記ハッチカバー部材に一部を取り付けた前記索体が、二つのプーリー間で無端状にかけられており、前記操作装置で前記プーリーを正逆方向に回転させることで、同索体が周動操作されるようにしてある
請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記ロック装置が、一方のギヤが操作軸方向に進退動可能でロック方向へ付勢されており、前記一方のギヤがロック方向へ移動したときに他方のギヤと噛み合って、前記プーリーの回転にロックがかかるようにした
請求項2又は請求項3に記載の開閉装置。
【請求項5】
船倉の口に向かうガイド部に沿って移動可能なハッチカバー部材を、船倉の口に向けて移動させる工程と、
前記ハッチカバー部材を、前記ガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部を操作して、前記ガイド部に沿って陥入して下降させ、船倉の口の縁部と当接させて船倉の口を閉じる工程と、
前記ハッチカバー部材を前記ガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部を操作して、前記陥入状態から離脱して上昇させた後移動させ、船倉の口を開ける工程とを備え、
前記操作装置は船体に固定されており、前記船倉の口を閉じる工程及び前記船倉の口を開ける工程での同ハッチカバー部材の移動量を、同ハッチカバー部材に設けられた連結ピンが前記索体に取付けられた連結鉤に沿って移動することにより吸収して、同ハッチカバー部材を上記陥入ガイド部に沿って移動させる
開閉方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は開閉装置及び開閉方法に関する。詳しくは、船体の甲板上において船舶のハッチを開閉するために使用される開閉装置及び開閉方法であって、使い勝手が良く、安全性に優れた開閉装置及び開閉方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハッチとは、船体の甲板上に、貨物倉への物資の出し入れのために設けられた、船倉の開口をいい、ハッチを密閉する蓋をハッチカバーという。
【0003】
従来は、複数枚のハッチカバーをハッチに敷設することで、ハッチを閉じ、ハッチを開ける際は、ハッチカバーを一枚ずつ取り除く作業を行っていた。しかし、このような作業は手間がかかるだけでなく、船体が波で揺れるため、甲板上で行う作業としては、非常に危険でもあった。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、例えば特許文献1に記載された船艙用ハッチカバーがある。
【0005】
特許文献1に記載の船艙用ハッチカバーは、二枚のハッチカバー本体が移動することによって、両開きの構造としたものであり、ハッチを開ける際は、ハッチカバー本体がそれぞれ、ハッチカバー本体収納部に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4015579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の船艙用ハッチカバーは、レバーによるロック装置が4か所にあり、ハッチを開閉するごとに、甲板上でロック装置の解除を行わなければならない。このような作業は、揺れる甲板上で行われるため、スムーズに実行することが困難であり、また、揺れが激しいときなどは、危険な作業でもあった。
【0008】
また、このロック装置は、構造が非常に複雑であり、部品数も多いため、製造やメンテナンスにコストがかかっていた。
【0009】
また、船艙用ハッチカバーは、ワイヤー駆動の装置で開閉するため、左右のワイヤーを均等に張ることが難しく、頻繁に調整する必要があった。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みて発明されたものであり、船体の甲板上において船舶のハッチを開閉するために使用される開閉装置及び開閉方法であって、使い勝手が良く、安全性に優れた開閉装置及び開閉方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を達成するために、本発明の開閉装置は、直線状の直行ガイド部と、該直行ガイド部の一端部に傾斜をつけることで形成された陥入ガイド部とを有し、前記直行ガイド部と前記陥入ガイド部は船倉の口に向けて設けられたガイド部と、船倉の口を開閉する蓋体と、該蓋体に設けられ、前記ガイド部に移動可能に嵌装されると共に、前記陥入ガイド部に陥入する滑動子とを有するハッチカバー部材と、該ハッチカバー部材に一部が取り付けられた索体と、該索体をけん引することで同ハッチカバー部材を前記ガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部とを備える。
【0012】
ここで、直線状の直行ガイド部と、直行ガイド部の一端部に傾斜をつけることで形成された陥入ガイド部とを有し、直行ガイド部と陥入ガイド部は船倉の口に向けて設けられたガイド部と、船倉の口を開閉する蓋体と、蓋体に設けられ、ガイド部に移動可能に嵌装される滑動子とを有するハッチカバー部材とによって、ハッチカバー部材をガイド部に沿って進退動可能に設けることができる。
【0013】
また、直行ガイド部の一端部に傾斜をつけることで形成された陥入ガイド部とを有し、直行ガイド部と陥入ガイド部は船倉の口に向けて設けられたガイド部と、船倉の口を開閉する蓋体と、蓋体に設けられ、ガイド部に移動可能に嵌装されると共に、陥入ガイド部に陥入する滑動子とを有するハッチカバー部材とによって、滑動子が陥入ガイド部に陥入すると、ハッチカバー部材を固定し、簡単に移動しないようにすることができる。
【0014】
また、船倉の口を開閉する蓋体と、蓋体に設けられ、ガイド部に移動可能に嵌装される滑動子とを有するハッチカバー部材とハッチカバー部材に一部が取り付けられた索体と、索体をけん引することでハッチカバー部材をガイド部に沿って進退動させる操作装置を有する駆動部とによって、索体を操作装置を使ってけん引して、ハッチカバー部材を移動させることができる。
【0015】
また、ハッチカバー部材の、船倉の口と対向する側の面と、船倉の口の縁部の、ハッチカバー部材に接する側の面の何れか一方、または双方に、船倉内部を水密にする密閉材を備える場合には、船倉の口とハッチカバーを隙間なく密着させることができ、水密な状態とすることができる。
【0016】
また、駆動部によるハッチカバー部材の移動操作を途中で停止したときに、同時に、ハッチカバー部材を固定するためのロック装置を備える場合には、ハッチカバーの移動及び停止を容易に制御することができる。
【0017】
また、駆動部が、ハッチカバー部材に一部を取り付けた索体が、二つのプーリー間に無端状にかけられており、操作装置でプーリーを正逆方向に回転させることで、索体が周動操作されるようにしてある場合には、プーリーを制御することで索体の周動方向を変えることができる。
【0018】
また、ロック装置が、一方のギヤが操作軸方向に進退動可能でロック方向へ付勢されており、一方のギヤがロック方向へ移動したときに他方のギヤと噛み合って、プーリーの回転にロックがかかるようにした場合には、索体が取り付けられたハッチカバー部材の移動を容易に停止させることができる。
【0019】
また、上記問題を達成するために、本発明の開閉方法は、船倉の口に向かうガイド部に沿って移動可能なハッチカバー部材を、船倉の口に向けて移動させる工程と、前記ハッチカバー部材を前記ガイド部に沿って陥入させ、船倉の口の縁部と当接させて船倉の口を閉じる工程と、前記ハッチカバー部材を前記陥入状態から離脱させて移動させ、船倉の口を開ける工程とを備える。
【0020】
ここで、船倉の口に向かうガイド部に沿って移動可能なハッチカバー部材を、船倉の口に向けて移動させる工程によって、ハッチカバー部材を船倉の口方向に移動させることができる。
【0021】
また、ハッチカバー部材をガイド部に沿って陥入させ、船倉の口の縁部と当接させて船倉の口を閉じる工程によって、ハッチカバー部材が、自身の重さで、ガイド部の陥入部から離脱しにくくなるため、ハッチカバー部材が固定され、容易に移動することがないので、安全に作業することができる。
【0022】
また、ハッチカバー部材を陥入状態から離脱させて移動させ、船倉の口を開ける工程によって、ハッチカバー部材を進退動可能にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る開閉装置及び開閉方法は、船体の甲板上において船舶のハッチを開閉するために使用される開閉装置及び開閉方法であって、使い勝手が良く、安全性に優れたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る開閉装置を備えた船体の船首側の一部を示した平面視説明図である。
図2図1におけるA−A拡大断面を示した説明図である。
図3】本発明に係る密閉装置の一実施の形態を示す平面図である。
図4図3におけるB−B断面を示した説明図である。」
図5図3におけるC−C、D−D拡大断面を示した説明図である。
図6図3におけるE−E拡大断面を示し、(a)はハッチカバー部材の移動時の状態を示し、(b)はハッチカバー部材の陥入状態を示す説明図である。
図7】ハッチカバー部材の進退動を示し、(a)は後退時の状態、(b)は前進時の状態、(c)は陥入時の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図7を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0026】
(開閉装置)
開閉装置Aは、船倉の一例である魚艙1の開口部10の両側に、平行に設けられたガイド部2と、開口部10を開閉するハッチカバー3と、ハッチカバー3をガイド部2に沿って進退動させる駆動装置4を備える。魚艙1の開口部10の下部には、魚などを収容するタンク部11が備えられている。
【0027】
ガイド部2は、後述するハッチカバー3の収容部36の両側から開口部10へ向けて延設された、平行な二本のL字形鋼L1、L2を備える。
【0028】
L字形鋼L1、L2の、開口部10側の内壁には、ほぼ全長にわたり、板体をL1、L2から所要の高さで横方向へ延設し、かつL1、L2を縁取るように形成されたハウジング20a、20bと、ハウジング20c、20dが、それぞれ設けられている。
【0029】
ハウジング20a、20b、20c、20dは、それぞれ、略直線状に形成された直行ガイド部200と、その進行方向終端部(魚艙1の開口部10の方向側の端部)に続けて設けられた陥入ガイド部201を有する。陥入ガイド部201は、直行ガイド部200と約22.5°の角度をもって下方へ傾斜して形成されている。
【0030】
ハッチカバー3は、鋼鉄製の蓋体30と、滑動子の一例である、ボールベアリング32a、32b、32c、32dを備える。蓋体30は、天板300、側板301a、301b、301c、底板302を有する。側板301a、301bは、L字形鋼L1、L2と平行に、天板300の左右に対向するように配置されている。底板302は、天板300と平行に設けられ、底板302と天板300との間には、側板301a、301b、301cが位置する。
【0031】
底板302には、押圧されると、圧縮される性質を有するスポンジパッキン34が設けられている。ハッチカバー3が魚艙1の開口部10を密閉する際、スポンジパッキン34は、押圧、圧縮され、魚艙1の内部を水密に保つ。
【0032】
側板301aには、側板301aを貫通して、軸31a、31bが設けられている。側板301bには、側板301bを貫通して、軸31a、31bと対応する位置に、軸31c、31dが設けられている。
【0033】
ボールベアリング32aと32cは、それぞれ、軸31aと31cにより同軸線上に設けられている。ボールベアリング32bと32dは、それぞれ、軸31bと31dにより同軸線上に設けられ、ボールベアリング32aと32cと並設されている。ボールベアリングはそれぞれ、正逆方向に回転することができる。
【0034】
軸31aと軸31b、軸31cと軸31dの間の間隔は、同一に設けられている。この間隔は、ハウジング20a、20bの各直行ガイド部200のそれぞれの後端部同士の間の距離(または、各陥入ガイド部201のそれぞれの前端部同士の間の距離)である。
【0035】
側板301a側の各ボールベアリング32a、32bは、ハウジング20a、20bの直行ガイド部200または陥入ガイド部201に嵌装され、側板301b側の各ボールベアリング32c、32dは、ハウジング20c、20dの直行ガイド部200または陥入ガイド部201に嵌装されており、これによりハッチカバー3はガイド部2に沿って進退動が可能である。
【0036】
ボールベアリング32a、32b、32c、32dが、直行ガイド部200内を移動する際、底板302は、トッププレート100から離れた位置を保ちながら、トッププレート100と平行な面上を直進することになる。
【0037】
側板301cは、側板301a及び301bの退行方向の端部(ハッチカバー3の収容部36の方向側の端部)と略直角に交わる位置に配置されている。側板301cには、後述する連結アーム35が設けられており、連結アーム35の連結ピン350を介して、後述する連結鉤47が取り付けられる
【0038】
駆動部の一例である駆動装置4は、操作装置40と、索体の一例であるチェーン41を備える。操作装置40は、第一のプーリー42及び第二のプーリー43、ロック装置の一例であるロック部44、ギヤボックス45及び操作レバー46を備える。
【0039】
操作装置40は、ロック部44の回転を、ギヤボックス45を介して、第一のプーリー42に伝え、回転させる。第一のプーリー42の回転により、第一のプーリー42と第二のプーリー43の間に備えられた、無端状のチェーン41が円滑に周動し、第二のプーリー43が回転する。
【0040】
チェーン41は、その一部は長いループ形状で、チェーン41と一体に形成され、その他の部分が細長いU字形状に形成され、連結鉤47を備える。連結鉤47の細長いU字形状に形成されたスライド枠470は、ハッチカバー3の連結アーム35に設けてある連結ピン350とスライド可能に係合している。チェーン41の動きが連結鉤47を介して、ハッチカバー3の連結アーム35に伝わり、ハッチカバー3が移動する。
【0041】
ロック部44は、ギヤ440と、ギヤ440と略垂直に係合することで、ギヤ440が回転しないようロックをかける係止ギヤ441と、ギヤ440を上方向へ付勢するバネ442を備える。
【0042】
ギヤ440は、回転軸444に固着されていて、回転軸444が軸方向に進退動する。回転軸444は、バネ442でロック方向(図5で上方向)に付勢されている。回転軸443は係合軸で、四角棒状である。操作レバー46の先端には、係合軸443に嵌め込む四角穴状の係合孔460が設けられ、操作レバー46は係合軸443に係合孔460を嵌め込んで係合し回転操作するものである。
【0043】
係止ギヤ441は、載置台48に固定されている。なお、載置台48は、船舶において充分な強度を有する安定した箇所に固定されている。ギヤ440が上方向へ移動したときに係止ギヤ441と噛み合うことで、第一のプーリー42が回転しないよう、停止させることができる。
【0044】
ギヤ440と係止ギヤ441の噛合せを解除する場合は、操作レバー46を垂直下方に押下げる。操作レバー46を押し下げれば、ギヤ440は、係止ギヤ441から離れ、回転可能になる。この状態において、操作レバー46を任意の方向へ回転させると、回転軸443が回転する。これにより、第一のプーリー42が回転してチェーン41が周動し、ハッチカバー3を移動操作することができる。
【0045】
ここで、ハッチカバー3の材質は、鋼製に限定されることなく、衛生管理が必要なものを積む場合には、アルミ製やステンレス製にすることができる。
【0046】
また、ハッチカバー3の形状も、本実施例の形状に限定されることなく、適宜変更がすることができる。
【0047】
また、天板30の内部空間に発泡剤を充填することで、直射日光による過熱を防止することもできる。
【0048】
また、天板30の上面を縞板にすることで、作業中に作業員が滑ることを防ぐこともできる。
【0049】
また、ガイド部2のハウジング20a、20b、20c、20dの形状は、本実施の形態に限定されることはなく、例えば、ハウジング20a、20b、20c、20dの退行方向の端部(ハッチカバー3の収容部36の方向側の端部)側に、陥入ガイド部を新たに設けることもできる。この様にすることで、魚艙1の開口部10の開放時にも、ハッチカバーが移動しないように固定することができる。
【0050】
また、駆動装置4は、ギヤ440及び係止ギヤ441を設けずに、油圧モータ(図示省略)によって第一のプーリー42等を回転させるようにし、ハッチカバー3の開閉を自動化することも可能である。この場合、油圧モータに油圧ポンプからオイルが供給されない状態では油圧モータの回転軸は回らないので、油圧モータの停止状態では、上記ロック部44と同様にハッチカバー3の移動をロックすることができ、安全性も確保できる。
【0051】
また、開閉装置Aは、魚艙1の開口部10を開閉するための開閉装置としてだけでなく、タンク部11のくびれ部分に中蓋として設けることもできる。これにより、タンク部11内の魚がタンク部11内で動いて傷がつくのを防ぐことができる。
【0052】
また、ハッチカバー3を開閉する方法として、ねじ山が切られたボールねじの途中をハッチカバー3の下部に取り付けたナットと螺合させ、ボールねじを回転させることで、ハッチカバー3を移動させることもできる。
【0053】
(開閉装置の作用)
図1に示すように、舷側寄りに駆動装置4が位置するよう、開閉装置Aを、船体Sの甲板D下の空間に収容する。操作装置40は、載置台48に固定する(図2参照)。操作レバー46は、甲板Dから突出させて設置する。これにより、甲板D上で、ハッチカバー3の動きを目視しながら操作することができる。
【0054】
魚艙1の開口部10を密閉する場合には、まず、操作レバー46を垂直方向に押下げ、ギヤ440と係止ギヤ441の噛み合いを解除して、操作レバー46を自由に回転できるようにする。次に、操作レバー46を押し下げた状態のまま、操作レバー46を所定の方向へ回転させると、その動きはギヤボックス45を介して、第一のプーリー42に伝えられる。
【0055】
この時、第一のプーリー42は、図5において反時計回りに回転し、第一のプーリー42と第二のプーリー43とにループ状にかけられたチェーン41も反時計回りに周動する。
【0056】
チェーン41に取り付けられた連結鉤47は、チェーン41と一体となって、図5において、右から左へ移動する。ここで、連結鉤47は、ハッチカバー3の連結アーム35の連結ピン350をスライド枠470で挟持しているので、連結鉤47にけん引されて、ハッチカバー3は図5の左方向へ移動する。
【0057】
なお、ハッチカバー3の、左方向への移動に際しては、ボールベアリング32a、32b、32c、32dがそれぞれ、ガイド部2のハウジング20a、20b、20c、20d内を滑動することにより、振動することなく、スムーズに移動することができる。
【0058】
図7に示すように、ハッチカバー3がガイド部2の直行ガイド部200の終端まで移動すると、直行ガイド部200の端部に設けられた陥入ガイド部201に、ボールベアリング32a、32b、32c、32dが入り込む。
【0059】
このとき、ハッチカバー3が落ち込み、連結アーム35の連結ピン350の高さも低くなるが、その移動量は、連結ピン350が連結鉤47に沿って下方へ移動することで吸収され、チェーン41や第二のプーリー43等の作動に支障は生じない。
【0060】
陥入ガイド部201は、約22.5度の角度で、下方に傾斜していることにより、一旦、ボールベアリング32a、32b、32c、32dが陥入ガイド部201に入り込むと、ハッチカバー3が約400kgの重さを有することもあり、容易には陥入ガイド部201から離脱することがなく、安定して閉鎖状態を保つことができる。
【0061】
このため、ハッチカバー3は、実質的にロックがかけられた状態となり、魚艙1の開口部10は、ハッチカバー3によって、密閉された状態となる。
【0062】
また、魚艙1の開口部10が密閉されたことを確認した後、操作レバー46から手を離すと、ギヤ440は、バネ442により、垂直上方に付勢されているので、ギヤ440は上方に押し上げられ、係止ギヤ441と係合する。
【0063】
これにより、ギヤ440は固定されるので、ギヤ440とギヤボックス45を介して連動している第一のプーリー42及び第二のプーリー43が回転することはないので、ハッチカバー3が移動することはない。
【0064】
また、魚艙1の開口部10の開閉作業の途中であっても、操作レバー46から手を離せば、ロック部44によって、自動的に開閉装置Aにロックがかかる。したがって、船の大きな揺れ等によって作業者がハッチカバー3の開閉操作中に危険を感じた場合に、操作レバー46から手を離しても、ハッチカバー3は、操作の停止とほぼ同時に止まっており、ハッチカバー3がガイド部2に沿って暴走、または乱動する危険はなく、作業者の安全を確保できる。
【0065】
ボールベアリング32a、32b、32c、32dがそれぞれ、陥入ガイド部201に入り込むと、ハッチカバー3全体も水平を保ったままで下降する。このとき、陥入ガイド部201の垂直方向の下がり幅は、底板302のスポンジパッキン34の下面とトッププレート100との距離よりも大きいので、ハッチカバー3が下降すると、スポンジパッキン34がトッププレート100に押し付けられ、圧縮される。
【0066】
このとき、ハッチカバー3の自重が有効に作用して、ハッチカバー3とトッププレート100はより密着するので、魚艙1の開口部10の内部は水密になる。
【0067】
このとき、連結ピン350はスライド枠470内をスライド可能に嵌合されているので、連結ピン350がスライド枠470内を移動することで、ハッチカバー3の下がり幅に対応することができる。
【0068】
また、ハッチカバー3を閉じた状態においては、ボールベアリング32a、32b、32c、32dが陥入ガイド部201に入り込むことによるロック機能と、ギヤ440が係止ギヤ441と係合することによるロック機能の二重のロックがかけられるので、ハッチカバー3を確実に固定することができ、安全に作業することができる。
【0069】
魚艙1の開口部10を開放する場合には、まず、操作レバー46を垂直方向に押下げ、ギヤ440と係止ギヤ441の噛み合わせを解除する。次に、操作レバー46を押し下げた状態のまま、操作レバー46を、魚艙1の開口部10を密閉する時とは反対方向に回転させると、その動きはギヤボックス45を介して、第一のプーリー42に伝えられる。
【0070】
この時、第一のプーリー42は、図5において時計回りに回転し、第一のプーリー42と第二のプーリー43とに無端状にかけられたチェーン41も時計回りに周動する。
【0071】
チェーン41に取り付けられた連結鉤47は、チェーン41と一体となって、図5において、左から右へ移動する。ここで、連結鉤47は、ハッチカバー3の連結アーム35の連結ピン350をスライド枠470で挟持しているので、連結鉤47にけん引されて、ハッチカバー3は図5の右方向へ移動し、開口部10は解放される。
【0072】
なお、ハッチカバー3の、右方向の移動に際しては、ガイド部2の陥入ガイド部201内に入り込んだボールベアリング32a、32b、32c、32dを引き出すことで、ハッチカバー3を移動可能にする。
【0073】
解除した後は、ボールベアリング32a、32b、32c、32dは、ガイド部2の直行ガイド部200上を滑動するので、ハッチカバー3をスムーズに移動させることができる。
【0074】
ハッチカバー3が最も後退して、ハッチカバー収容部36に入り込み、魚艙の開口部10が完全に開けられたところで、操作レバー46から手を離すと、ギヤ440は、バネ442により、垂直上方に付勢されているので、ギヤ440は上方に押し上げられ、係止ギヤ441と係合する。
【0075】
このため、ギヤ440は固定されるので、第一のプーリー42および第二のプーリー43が回転することはなく、ハッチカバー3は後退位置であるハッチカバー収容部36で停止する。
【0076】
図1に示すように、船体Sは、甲板D上に複数の魚艙1を備える。魚艙1は、図2に示すように、魚などを出し入れする開口部10と、開口部10から投入した魚などを貯蔵するタンク部11を有する。
【0077】
本発明の一実施の形態に係る開閉装置Aは、各開口部10近傍に、上記したようにガイド部2を開口部10へ向けるようにして設置されている。開口部10を密閉する際、甲板D下に収容されていたハッチカバー3が駆動装置4を操作することにより、徐々に表れ、開口部10を密閉する。魚艙1の開口部10を開放する際、ハッチカバー3は、駆動装置4により徐々に甲板下のハッチカバー収納部36に収容される。
【0078】
このとき、操作装置40は、図2に示すように、甲板下の空間に設けられた載置台48に取り付けられている。開口部10を開閉させる際は、作業員は、開口部10側を向き、ハッチカバー3の移動する様を目視しながら、操作レバー46を回転する。
【0079】
ここで、作業員は、ハッチカバー3の移動を目視しながら操作することができるので、ハッチカバー3の自重によるロックが確実にかけられたことを確認しやすいため、安全に作業を行うことができる。
【0080】
また、魚艙1の開口部10の開閉作業の途中であっても、操作レバー46から手を離せば、ロック部44によって、自動的に開閉装置Aにロックがかかる。したがって、船の大きな揺れ等によって作業者がハッチカバー3の開閉操作中に危険を感じた場合に、操作レバー46から手を離しても、ハッチカバー3は、操作の停止とほぼ同時に止まっており、ハッチカバー3がガイド部2に沿って暴走、または乱動する危険はなく、作業者の安全を確保できる。
【0081】
そして、魚艙1のタンク部11に魚を入れる際は、ハッチカバー3を開放し、魚艙1の開口部10から魚を投入する。投入後は、ハッチカバー3を閉じる。また、タンク部11から魚を取り出す場合には、ハッチカバー3を開放し、魚を取り出す。
【符号の説明】
【0082】
A 開閉装置
D 甲板
L1 L字形鋼
L2 L字形鋼
1 魚艙
10 開口部
11 タンク部
100 トッププレート
2 ガイド部
20a ハウジング
20b ハウジング
20c ハウジング
20d ハウジング
200 直行ガイド部
201 陥入ガイド部
3 ハッチカバー
30 蓋体
300 天板
301a 側板
301b 側板
301c 側板
302 底板
31a 軸
31b 軸
31c 軸
31d 軸
32a ボールベアリング
32b ボールベアリング
32c ボールベアリング
32d ボールベアリング
34 スポンジパッキン
35 連結アーム
350 連結ピン
36 ハッチカバー収容部
4 駆動部
40 操作装置
41 チェーン
42 第一のプーリー
43 第二のプーリー
44 ロック部
440 ギヤ
441 係止ギヤ
442 バネ
443 係合軸
444 回転軸
45 ギヤボックス
46 操作レバー
460 係合孔
47 連結鉤
470 スライド枠
48 載置台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7