(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主内層ハーフカットラインが、前記本体部分と前記剥離用タブとの間の境界を画定し、かつ前記本体部分の外周縁に略沿って延びている主線、及び前記主線の両方の端部から前記本体部分の外周縁に向かって延びて前記蓋材の外周縁に達する末端線を有する、請求項1に記載の剥離部付き蓋材。
前記主線が、前記補助内層ハーフカットラインと略平行であり、かつ前記本体部分と前記剥離用タブとの間の境界を画定している平行線部、及び前記平行線部の両方の端部から前記本体部分の外周縁に略沿って前記末端線まで延びている湾曲線部を有する、請求項2又は3に記載の剥離部付き蓋材。
前記補助内層ハーフカットラインを前記剥離用タブの外周縁に達するまで延長することにより得られる線の長さに対して、前記補助内層ハーフカットラインの長さが、5%〜70%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離部付き蓋材。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0023】
なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施されることができる。
【0024】
〈剥離部付き蓋材〉
剥離部付き蓋材は、容器の開口部を密封するための要素である。
【0025】
図1及び3に示されるように、本発明の剥離部付き蓋材は、本体部分(10)、及び本体部分(10)の周縁から突出している少なくとも1つの剥離用タブ(20)を有する。また、この本発明の剥離部付き蓋材は、外層(50)及び内層(60)の積層体で構成されており、かつ外層(50)は、少なくとも本体部分(10)において、内層(60)から剥離可能である。
【0026】
図1及び3に示されるように、内層(60)は、主内層ハーフカットライン、及び1又は複数の補助内層ハーフカットラインを有する。
【0027】
〈蓋材の構成要素〉
以下、蓋材の構成要素である「本体部分」、「剥離用タブ」、「開封用タブ」、「外層」及び「内層」について、それぞれ説明する。
【0028】
(本体部分)
蓋材の本体部分は、蓋材の主たる部分である。
【0029】
蓋材の本体部分は、例えばシール法により、容器の少なくとも一部分と接合されて、容器の開口部を覆うことができる。例えば、剥離部付き蓋材で封をされた容器を製造するために、フランジシール部にて蓋材の本体部分の内層側を容器のフランジ部とシールすることができる。
【0030】
シール法としては、例えば、熱溶融法、接着剤法、機械的結束法などが挙げられる。蓋材と成形容器をシールするときには、熱溶融法が好ましく、ヒートシール法がより好ましい。
【0031】
内容物を含む容器と蓋材とを接合して蓋付容器を製造した後に、蓋付容器から内容物を取り出すために、蓋材の本体部分は、容器から取り外されることができる。
【0032】
蓋材の本体部分は、任意の形状であってよい。例えば、本体部分の形状としては、略円形、略四角形、楕円形、平行四辺形、角丸長方形、卵形、三角形、五角形以上の多角形などが挙げられ、一般に、ハンドリング性及び製造プロセスの簡易性を考慮して、円形、楕円形、正方形、長方形、角丸正方形、角丸長方形、卵形などが好ましい。
【0033】
(剥離用タブ)
剥離用タブは、本体部分において外層を内層から剥離するために、蓋材の少なくとも一部分を摘み易くするための要素であり、
図1及び3に示されるように、剥離用タブ(20)は、蓋材の本体部分(10)の周縁から突出している。また、剥離用タブは、剥離用の、つまみ、摘み片、摘み部、突出部、突出片、ツメ、プルタブ、プルトップと呼ばれることもある。
【0034】
より詳細には、
図1(b)及び3に示されるように、主内層ハーフカットライン(42)により画定されている剥離用タブ(20)を摘まんで引き上げることによって、主内層ハーフカットライン(42)、又は1若しくは複数の補助内層ハーフカットラインを境に、蓋材の外層(50)を内層(60)から剥離することができる。
【0035】
(開封用タブ)
随意の開封用タブは、容器に接合されている内層を容器から剥離するために、蓋材の少なくとも一部分を摘み易くするための要素であり、剥離用タブと同様に、蓋材の本体部分の周縁から突出している。開封用タブは、内層、又は内層及び外層の積層体で構成されている。また、開封用タブは、開封用の、つまみ、摘み片、摘み部、突出部、突出片、ツメ、プルタブ、プルトップと呼ばれることもある。
【0036】
(外層)
蓋材の外層は、蓋材が容器に取り付けられたときに、蓋付容器の最外層となる層である。また、外層は、蓋材の内層に積層接着され、その後に内層から剥離されることができる。
【0037】
例えば、
図3に示されるように、外層(50)は、内層(60)に積層されることにより蓋付容器の最外層となる。また、剥離用タブ(20)を摘んで引き上げることにより、外層(50)を内層(60)から剥離させることができる。
【0038】
外層は、単層構造、又は複数の層が積層されている多層構造を有してよい。
【0039】
外層は、例えば、基材、印刷パターン、接着剤層、易剥離性樹脂層、ニス層、バリア層、シーラント層及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されることができる。また、外層は、同じ種類の層を複数含んでよい。
【0040】
本発明の実施形態では、外層は、基材、印刷パターン、バリア層、接着剤層、易剥離性樹脂層、ニス層及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つで形成されることが好ましい。
【0041】
所望により、外層にハーフカットラインを形成してもよい。その場合、ハーフカットラインが、外層及び内層の積層方向において、外層の一部又は全体を貫通するようにして、外層はハーフカットラインを形成するための刃を受け入れることができる。
【0042】
外層の厚さは、限定されるものではないが、8μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
【0043】
(内層)
蓋材の内層は、蓋材が容器に取り付けられたときに、最内層となる層である。
【0044】
また、内層は、蓋材の外層と積層され、その後に外層を剥離させることができる。さらに、ハーフカットラインが、外層及び内層の積層方向において、内層の一部又は全体を貫通するようにして、内層はハーフカットラインを形成するための刃を受け入れることができる。
【0045】
例えば、
図3(a)に示されるように、蓋材の内層(60)は、フランジシール部(72)にて容器のフランジ部(70)と接合されることにより、蓋付容器の蓋材の最内層になる。
【0046】
内層は、単層構造、又は複数の層が積層されている多層構造を有してよい。
【0047】
内層は、例えば、基材、印刷パターン、接着剤層、易剥離性樹脂層、ニス層、バリア層、シーラント層及びこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されることができる。また、内層は、同じ種類の層を複数含んでよい。
【0048】
本発明の実施形態では、内層は、基材、バリア層、接着剤層、易剥離性樹脂層、ニス層、バリア層、シーラント層及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つで形成されることが好ましい。
【0049】
内層の厚さは、限定されるものではないが、8μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
【0050】
〈外層又は内層の構成要素〉
以下、蓋材の外層又は内層を構成する要素である「基材」、「印刷パターン」、「接着剤層」、「易剥離性樹脂層」、「ニス層」、「バリア層」及び「シーラント層」について、それぞれ説明する。
【0051】
(基材)
基材は、蓋材に所定の強度又は剛性を付与する要素である。
【0052】
一般に、蓋材は、シート、ロールなどの形態の積層体を打ち抜いて成形されるので、基材は、積層体を所定の形態に保つために十分な強度又は剛性を有することができる。
【0053】
また、基材は、蓋材に所定の硬度を付与することが好ましい。例えば、蓋材の内層からロータリーダイカッターによりハーフカットラインを刻設するときに、内層が厚さ方向に変形することによって、ハーフカットラインの深さが変動することがある。これに対して、基材は、内層の変形を防ぐための硬質層又は補強層となることにより、ハーフカットラインの深さの変動を抑制することができる。
【0054】
基材の材料としては、例えば、紙、金属箔、樹脂、天然又は合成繊維などが挙げられる。
【0055】
基材を形成するための樹脂は、ポリエステル又はポリエチレンを主成分とすることが好ましい。
【0056】
ポリエステルを主成分とする樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。ポリエチレンを主成分とする樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などが挙げられる。本発明の実施形態では、基材は、PETフィルム又はHDPEフィルムで形成されることが好ましい。
【0057】
基材を形成するための紙としては、例えば、上質紙、コート紙、アート紙などが挙げられる。所望により、紙の表面にニスを塗布することにより、紙を硬質化させることができる。
【0058】
基材の厚さは、8μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
【0059】
(印刷パターン)
印刷パターンは、印刷により形成されたパターンである。一般に、印刷パターンは、基材の面の一部分又は全てに形成されることができる。
【0060】
印刷パターンには、任意の形状、色及び用途があり、例えば、文字、イラスト、模様、凹凸、光透過性領域と光不透過性領域の組み合わせなどの形状;白黒、グレースケール、カラーなどの色;容器の識別力を高めるためのパターン、容器を管理するためのパターン、容器に様々な機能を付与するためのコーティングパターンなどがある。
【0061】
(接着剤層)
接着剤層は、接着剤で形成されている層である。
【0062】
接着剤層は、蓋材を構成する2つの層を積層するときに、2つの層に挟まれて、2つの層を接着することができる。
【0063】
接着剤としては、例えば、ドライラミネート接着剤、押出ラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤などが挙げられる。
【0064】
一般に、接着剤は、例えば、2液型ウレタン接着剤、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコールなどを含んでよい。
【0065】
本発明の実施形態では、接着剤は、ドライラミネート接着剤であることが好ましい。ドライラミネート接着剤としては、2液型ウレタン接着剤が好ましく、例えば、東洋モートン株式会社製主剤「TM−569」、東洋モートン株式会社製硬化剤「CAT RT37」、及び酢酸エチルなどの溶剤を含む組成物でよい。
【0066】
(易剥離性樹脂層)
易剥離性樹脂層は、易剥離性樹脂で形成されている層である。また、易剥離性樹脂層は、蓋材の外層に含まれるか、蓋材の内層に含まれるか、又は外層と内層の間に介在してよい。
【0067】
易剥離性樹脂層は、特定の層と積層された後に、外部から力を受けると、易剥離性樹脂層と特定の層の界面から特定の層を剥離させることができる。それ故に、蓋材の易剥離性を確保するためには、易剥離性樹脂層と特定の層の剥離強度を制御することが好ましい。
【0068】
例えば、剥離させたい層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度を、剥離させたくない層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度より低くすることにより、剥離させたい層を易剥離性樹脂層との界面で剥離可能にすることができる。
【0069】
より詳細には、蓋材の外層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度を、蓋材の内層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度より低くなるように調整することによって、蓋材の剥離用タブが引き上げられるときに、外層と易剥離性樹脂層の界面から外層のみを剥離させることができる。
【0070】
一方で、蓋材の内層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度を、蓋材の外層と易剥離性樹脂層の間の剥離強度より低くなるように調整することによって、蓋材の剥離用タブが引き上げられるときに、内層と易剥離性樹脂層の界面から外層及び易剥離性樹脂層を剥離させることができる。
【0071】
易剥離性樹脂は、ポリオレフィンに環状オレフィンコポリマー(COC)を所定の比率で混合した樹脂であることが好ましい。
【0072】
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプ口ピレン樹脂などが挙げられ、低密度ポリエチレン(LDPE)を使用することが好ましい。LDPEとしては、例えば、東ソー株式会社製の商品名「ペトロセン」、旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名「サンテック」などが挙げられる。
【0073】
ポリオレフィンのMFR(Melt Flow Rate)は、温度190℃のとき、0.01g/10分以上であってよく、また、このMFRは、温度190℃のとき、60g/10分以下であってよい。
【0074】
ポリオレフィンの密度は、0.89g/cm
3以上であってよく、また、この密度は、0.94g/cm
3以下であってよい。
【0075】
本明細書では、「環状オレフィンコポリマー(COC)」とは、α−オレフィンと環状オレフィンとを、へキサン、へプタン、オクタン、シクロへキサン、べンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中で、いわゆるチーグラー触媒、メタロセン触媒などの触媒を調合することにより得ることができる共重合体をいう。このような共重合体としては、例えば、三井化学株式会社の商品名「アペル」などが挙げられる。
【0076】
COCのMFRは、温度190℃のとき、0.1g/10分以上であってよく、また、このMFRは、温度190℃のとき、40g/10分以下であってよい。
【0077】
易剥離性樹脂層は、LDPEとCOCとの混合比率を変えることにより、剥離されることになる層との界面剥離強度を制御し、かつ所望の値に調整することができる。
【0078】
易剥離性樹脂中のCOCの含有量は、1質量%以上であってよく、また、この含有量は、24質量%以下であってよい。COCの含有量は、1質量%以上であると、剥離されることになる層と易剥離性樹脂層の剥離強度が最適化されて両者の界面剥離が容易になり、一方で、24質量%以下であると、両者の剥離強度の制御が容易になるので好ましい。
【0079】
易剥離性樹脂層の厚さは、剥離されることになる層との接着性及び剥離性を両立させるために、10μm以上であってよく、また、この厚さは、30μm以下であってよい。
【0080】
(ニス層)
ニス層は、ニスで形成されている層である。
【0081】
ニス層は、例えば、補強ニス層、目止めニス層、剥離ニス層などとして使用されることができる。
【0082】
補強ニス層は、補強ニス層と接触している他の層を硬質化させて、他の層を強化することができる。例えば、補強ニス層が他の層と接触して形成されると、他の層の表面に補強ニスが吸収されて、補強ニス層と他の層の接着強度が強まる。
【0083】
補強ニスとしては、例えば、水性ニス、油性ニス、紫外線硬化型ニスなどが挙げられ、より詳細には、アクリル系ニス、ウレタン系ニス、ニトロセルロース系ニスなどが挙げられる。補強ニスは、適度な硬度を得るという観点から、ニトロセルロース系ニスであることが好ましい。
【0084】
目止めニス層は、目止めニス層と接触している他の層の目止めをして、他の層への異物の混入を防ぐことができる。目止めニスとしては、例えば、ニトロセルロース樹脂と、ウレタン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリアミド系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂との混合物などが挙げられる。
【0085】
剥離ニス層は、剥離ニス層と隣接している他の層に易剥離性を付与することができる。また、剥離ニス層は、蓋材の外層に含まれるか、蓋材の内層に含まれるか、又は外層と内層の間に介在してよい。
【0086】
剥離ニスが使用されるときには、「易剥離性」とは、剥離試験に於ける接着強度が10g/15mm以上、20g/15mm以下であることをいう。接着強度が、10g/15mm以上であると、剥離ニス層の層間剥離を防ぐことができるので好ましく、一方で、20g/15mm以下であると、剥離ニス層と隣接している他の層のピッキングを防ぐことができるので好ましい。
【0087】
例えば、剥離ニス層が、基材と接着剤層の間に部分的に配置(パターン塗布)されると、剥離ニス層が配置された部分のみから基材を剥離させることができる。この場合、基材と剥離ニス層の間の接着強度は、基材と接着剤層の間の接着強度より低い。
【0088】
また、剥離ニスが、剥離ニス層と隣接している他の層に浸透・吸収されて、接着阻害剤としてのニスの役割が失われたり、他の層が硬質化されると、剥離ニス層と他の層の間の接着強度が20g/15mmを超えることがある。これに対しては、剥離ニス層と他の層の間に、目止めニス層を配置することによって、他の層への浸透・吸収を抑制でき、接着阻害剤としての機能を失うことなく、他の層を容易に剥離させることができる。
【0089】
剥離ニスは、剥離性樹脂を含むことが好ましい。
【0090】
また、剥離ニスは、剥離性樹脂とワックスの混合物であることがより好ましい。混合物中のワックスの含有率は、混合物の質量を基準として、20質量%以上であってよく、また85質量%以下であってよい。
【0091】
ワックスの含有率が、20質量%以上であると、剥離ニス層と隣接している他の層のピッキングを防ぐことができるので好ましく、一方で、85質量%以下であると、剥離ニス層の層間剥離を防ぐことができるので好ましい。
【0092】
剥離性樹脂としては、例えば、ニトロセルロース樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。
【0093】
ワックスは、剥離性樹脂との相溶性を有することが好ましい。ワックスとしては、限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリエステルワックスなどが挙げられる。
【0094】
(バリア層)
バリア層は、ガスバリア性を付与するための層である。
【0095】
バリア層としては、例えば、アルミニウム箔などの金属箔、アルミやシリカを蒸着した無機蒸着フィルム、又はポリ塩化ビニリデン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)などのガスバリア性の高い合成樹脂フィルムが使用されることができる。
【0096】
バリア層の厚さは、200Å以上、又は6μm以上であってよく、また、この厚さは、15μm以下であってよい。
例えば、バリア層が、他の基材又は層に無機材料を蒸着させることにより形成されるときには、バリア層の厚さは、200Å以上であることが好ましい。
さらに、バリア層としては、アルミニウム箔単層又は無機蒸着フィルムを使用することができる。アルミニウム箔単層を使用する場合には、バリア層の厚さは、6μm以上であることが好ましい。
【0097】
(シーラント層)
シーラント層は、蓋材によって封止すべき容器へ蓋材をヒートシールするための層である。
【0098】
シーラント層の材料は、封止対象の材質によって選択されるが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリプロピレン(PP)などの樹脂である。この樹脂は、例えば、延伸若しくは無延伸フィルム、押出積層用の溶融樹脂、ホットメルト用の塗料などの形態でよい。
【0099】
より詳細には、シーラント層は、アイセロ化学株式会社製「スズロンL」、又は三井デュポン・ポリケミカル株式会社製「CMPS(登録商標)」イージーオープンフィルムで形成されることができる。
【0100】
シーラント層の厚さは、1μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
【0101】
〈外層と内層の剥離〉
蓋材の外層と内層の剥離は、作用機序に拘束されるものではないが、界面剥離又は凝集破壊によって達成されることができる。
【0102】
例えば、外層と内層の間に上記の易剥離性樹脂層を配置することによって、外層と易剥離性樹脂層の界面から外層を剥離させるか、又は内層と易剥離性樹脂層の界面から外層及び易剥離性樹脂層を剥離させることができる。
【0103】
本発明の実施形態では、易剥離性樹脂層を使用して、外層と易剥離性樹脂層の界面から外層を剥離させることが好ましい。
【0104】
例えば、外層と内層の間に上記の剥離ニス層を配置することによって、剥離ニス層から外層を剥離させるか、又は内層から外層及び剥離ニス層を剥離させることができる。一般に、内層の表面に接着剤層を配置し、外層と接着剤層の間に剥離ニス層を部分的に配置することによって、剥離ニス層を配置した部分のみから外層を剥離させることが好ましい。
【0105】
また、凝集力の弱い樹脂で形成されている層を外層と内層の間に配置して、その樹脂に応力を掛けて破壊することにより、外層と内層の剥離を達成することもできる。
【0106】
〈ハーフカットライン〉
ハーフカットラインは、蓋材の表面から蓋材の厚さ未満の深さで形成された切り込みである。
【0107】
例えば、ハーフカットラインは、蓋材の表面にカッターなどの切断機を入れることにより、形成されることができる。また、ハーフカットラインは、蓋材の内層側及び/又は外層側に形成されることができる。
【0108】
ハーフカットラインは、実線であってもよく、また、破線であってもよい。ここで、破線とは、一定の間隔で切れ目を有する線であり、点線、ミシン目、鎖線(例えば、一点鎖線、二点鎖線など)を含むものとする。
【0109】
(内層ハーフカットライン)
内層側ハーフカットラインは、蓋材の内層の表面から、内層の少なくとも一部分又は全てを貫通する深さまで形成されている。
【0110】
内層ハーフカットラインは、蓋材の内層の厚さ方向において、内層の少なくとも一部分又は全てを貫通する深さで形成されている。したがって、内層ハーフカットラインの深さは、蓋材の内層の厚さと概ね等しい。
【0111】
例えば、蓋材の外層と内層の間に易剥離性樹脂層を配置するときには、内層ハーフカットラインは、内層の表面から易剥離性樹脂層に達する深さまで、好ましくは、内層の厚さと易剥離性樹脂層の厚さの合計値以上の深さで、形成されることができる。
【0112】
例えば、蓋材の外層と内層の間に剥離ニス層を部分的に配置するときには、内層ハーフカットラインは、内層の表面から剥離ニス層に達する深さまで形成されることができる。
【0113】
なお、内層ハーフカットラインは、蓋材の内層に剥離用タブの領域を画定するだけでなく、蓋材の内層に開孔を形成するように刻設されることができる。開孔は、容器の内容物を通過させるために使用されることができる。
【0114】
本発明の剥離部付き蓋材の内層は、主内層ハーフカットライン、及び1又は複数の補助内層ハーフカットラインを有する。下記に示すように、主内層ハーフカットラインと補助内層ハーフカットラインとの組み合わせにより、容器をシールする際の位置ずれに対応することができ、かつ脱落タブ片が生じないようにすることができる。
【0115】
(主内層ハーフカットライン)
主内層ハーフカットラインは、剥離用タブの突出方向と交わる方向で、本体部分と剥離用タブとの間の境界を画定するように刻設されている。これにより、剥離用タブをつまんで外層を内層から剥離するときにこの主内層ハーフカットラインが剥離きっかけになると、内層が、主内層ハーフカットラインに沿って蓋材の外周縁まで破断し、それによって本体部分において外層が内層から剥離する。
【0116】
主内層ハーフカットラインは、本体部分と剥離用タブとの間の境界を画定し、かつ本体部分の外周縁に略沿って延びている主線、及び主線の両方の端部から本体部分の外周縁に向かって延びて蓋材の外周縁に達する末端線を有することができる。
【0117】
主線は、補助内層ハーフカットラインと略平行であり、かつ本体部分と剥離用タブとの間の境界を画定している平行線部、及び平行線部の両方の端部から本体部分の外周縁に略沿って末端線まで延びている湾曲線部を有することができる。
【0118】
主線に湾曲線部を設け、本体部分の外周縁に向かって延びる末端線の位置を剥離用タブから離すことで、外層剥離後に残る内層の形状が、容器フランジ形状に略沿った形になるため、見栄えが良くなる。また、外層剥離後に、容器フランジ部に口を付けて喫食をする際に、外層剥離後に残る内層の口当たりが良くなる。
【0119】
すなわち、
図1に示すように、主内層ハーフカットライン(42)は、主線(42a)及び末端線(42b)を有することができる。主線(42a)は、補助内層ハーフカットライン(44a、44b)と略平行であり、かつ本体部分(10)と剥離用タブ(20)との間の境界を画定している平行線部(42a1)、及び平行線部(42a1)の両方の端部から本体部分(10)の外周縁に略沿って末端線(42b)まで延びている湾曲線部(42a2)を有することができる。末端線(42b)は、湾曲線部(42a2)の両方の端部から本体部分(10)の外周縁に向かって延びて蓋材の外周縁に達する。
【0120】
この剥離部付き蓋材(100)が、主内層ハーフカットライン(42)よりも内側の領域にフランジシール部(72)の外縁が存在する場合、剥離用タブ(20)をつまんで外層を内層から剥離するときに、この主内層ハーフカットライン(42)が剥離きっかけになり、内層が、主内層ハーフカットラインに沿って蓋材の外周縁まで破断し、それによって本体部分(10)において外層が内層から剥離することができる。すなわち、この場合、
図2(a)において太線で示す破断線(46a)に沿って内層が破断することができる。
【0121】
末端線(42b)が蓋材の外周縁に達する箇所において、末端線(42b)と蓋材の外周縁の接線との角度は、60°以上120°以下、70°以上110°以下、80°以上100°以下、又は略垂直、すなわち90°±30°、90°±20°、90°±10°、又は略90°であってよい。このように末端線(42b)と蓋材の外周縁の接線との角度が略垂直に近いことによって、この箇所での外層の捲れ及び剥離を抑制することができる。
【0122】
(補助内層ハーフカットライン)
1又は複数の補助内層ハーフカットラインは、主内層ハーフカットラインよりも蓋材の外周縁側に、剥離用タブの突出方向と交わる方向で、蓋材の外周縁に達しないように刻設されている。これにより、剥離用タブをつまんで外層を内層から剥離するときに補助内層ハーフカットラインのうちの少なくとも1つが剥離きっかけになると、内層が、補助内層ハーフカットラインのうちの少なくとも1つから主内層ハーフカットラインまで破断し、そして主内層ハーフカットラインに沿って蓋材の外周縁まで破断し、それによって本体部分において外層が内層から剥離する。
【0123】
補助内層ハーフカットライン(44a、44b)は、
図1に示すように、主内層ハーフカットライン(42)の平行線部(42a1)と略平行な2本の線であってよい。
【0124】
この剥離部付き蓋材(100)が、主内層ハーフカットライン(42)よりも外周縁側の領域にフランジシール部(72)の外縁が存在する場合、剥離用タブ(20)をつまんで外層を内層から剥離するときに、補助内層ハーフカットライン(44a、44b)が剥離きっかけになる。
【0125】
具体的には、剥離部付き蓋材(100)が、主内層ハーフカットライン(42)と内側の補助内層ハーフカットライン(44a)との間の領域にフランジシール部(72)の外縁が存在する場合、剥離用タブ(20)をつまんで外層を内層から剥離するときに、内側の補助内層ハーフカットライン(44a)が剥離きっかけとなることができる。すなわち、この場合、
図2(b)において太線で示す破断線(46b)に沿って内層が破断することができる。
【0126】
また、剥離部付き蓋材(100)が、主内層ハーフカットライン(42)と外側の補助内層ハーフカットライン(44b)との間の領域にフランジシール部(72)の外縁が存在する場合、剥離用タブ(20)をつまんで外層を内層から剥離するときに、外側の補助内層ハーフカットライン(44b)が剥離きっかけとなることができる。すなわち、この場合、
図2(c)において太線で示す破断線(46c)に沿って内層が破断することができる。
【0127】
上記のように、補助内層ハーフカットラインが剥離きっかけとなることができることにより、蓋材で容器に封をする際のシール位置の位置ずれに対応することができ、また、補助内層ハーフカットラインが内層を分断していないことにより、脱落タブ片の発生を防止することができる。
【0128】
補助内層ハーフカットライン(44a、44b)を剥離用タブ(20)の外周縁に達するまで延長することにより得られる線の長さに対して、補助内層ハーフカットラインの長さが、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上であってよい。また、この長さの比は、70%以下、60%以下、50%以下、又は40%以下であってよい。
【0129】
補助内層ハーフカットラインは、1本でも複数本でもよく、例えば、2本以上、4本以上、6本以上、8本以上、又は10本以上であってよい。補助内層ハーフカットラインは、10本以下、8本以下、6本以下、又は4本以下であってよい。
【0130】
補助内層ハーフカットラインが複数本ある場合、これらは直線でも曲線でもよく、また、これらは互いに略平行であってよく、またこれらの長さは主内層ハーフカットラインに近くなるに従って段階的に長くなっていることが好ましい。このように補助内層ハーフカットラインが段階的に長くなっていることで、
図2(c)に示すように2つの補助内層ハーフカットライン(44b及び44a)の間にフランジシール部(72)が存在する場合であっても、外側の補助内層ハーフカットライン(44b)で剥離し、その両端から裂けて、内側の補助内層ハーフカットライン(44a)に到達し、そしてその両端から裂けて主内層ハーフカットライン(42)に到達し、開封に至ることができる。
【0131】
(開口用内層ハーフカットライン)
本発明の剥離部付き蓋材の内層は、随意に、開口用ハーフカットラインを有することができる。この開口用ハーフカットラインは、蓋材の本体部分において閉じた内層除去領域を形成し、それによって外層を内層から剥離して除去する際に、外層に伴って内層除去領域を除去し、容器の内容物を通過させるか、又はストローなどの他の物品を容器に挿入するための開口を形成することができる。
【0132】
〈蓋材の製造方法〉
蓋材は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
外層及び内層を積層して、積層体を得る積層工程;
積層体の内層側から主内層ハーフカットライン及び補助内層ハーフカットラインを含む内層ハーフカットラインを刻設するハーフカットライン刻設工程;及び
積層体を蓋状にする成形工程。
【0133】
積層工程は、例えば、サンドラミネート、押出しラミネート、ドライラミネートなどにより行なわれることができる。
【0134】
積層工程では、外層及び内層を個別に形成してから、外層及び内層を積層してよい。この場合、外層と内層の間に、易剥離性樹脂を押出積層することによって、積層体を得ることが好ましい。
【0135】
また、積層工程では、複数の層を順次積層して、最終的に外層及び内層を含む層構成を得てもよい。
【0136】
ハーフカットライン刻設工程は、内層ハーフカットラインの所定の厚さと概ね等しい刃長を有する切断機を用いて、行なわれることができる。切断機としては、例えば、ロータリーダイカッター、レーザー光照射などが挙げられる。
【0137】
成形工程は、外層及び内層を含む積層体を蓋の形状に切断するか、又は打ち抜くことにより行なわれることができる。所望により、積層体をロール又はシートの形態で得るために、成形工程を省略してもよい。
【0138】
〈容器〉
容器は、開口部を有し、かつ開口部に物を入れることができる器である。また、容器の開口部は、蓋材により密封されることができる。
【0139】
容器は、例えば、容器の開口部の周縁に、蓋材を結合させるために使用されるフランジ部を有していてもよい。また、フランジシール部には、蓋材との結合を促進するために、接着剤などの結合促進剤が配置されていてもよい。
【0140】
容器には、固体、液体、気体、ゲルなどの内容物を収納することができる。例えば、飲料、ポットヌードル、やきそば、パスタ、みつ豆、くずきり、ところてん、杏仁豆腐などの食料品;化学薬品、化粧品、洗剤、芳香剤、医薬品などの物品;空気、酸素などのガス状物質を容器に収納することができる。
【0141】
容器の材料は、容器の内容物に応じて、任意に選択されることができる。
【0142】
例えば、容器の内容物が容器から染み出さないようにするために、容器は、内容物に対して不透過性を有する材料で形成されることができる。より詳細には、容器は、ポリプロピレンなどの樹脂から形成されてよい。
【0143】
〈蓋付容器〉
剥離部付き蓋材で封をされている本発明の容器は、本発明の剥離部付き蓋材の本体部分と、容器のフランジとをシールすること、特にヒートシールすることにより得られる。
【0144】
剥離部付き蓋材で封をされている本発明の容器は、
図3(b)に示すように、容器から蓋材の外層(50)を剥離すること、及びその後、内層(60)を含む蓋材の残部を容器から除去して、容器を完全に開封することができる。
【0145】
また、蓋付容器にヒートシールされている蓋材の剥離用タブを摘まみ、300mm/分の引張速度で、90°剥離を行なったときに、蓋付容器の開封強度は、12N以下であってよい。一方で、蓋付容器の開封強度の下限値は、内層と外層を積層して結合させることができる最低値でよく、より詳細には、30g/15mm以上であってよい。
【実施例】
【0146】
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【0147】
以下では、剥離部付き蓋材で封をされている容器を作製し、それぞれの容器について、脱落タブ片の個数を評価した。
【0148】
以下に示される材料を用意した:
PETフィルム(厚さ:12μm): E5100、東洋紡績株式会社
アルミニウム箔(厚さ:7μm): 1N30、東洋アルミニウム株式会社
CPPフィルム(厚さ:30μm): P1128、東洋紡績株式会社
易剥離性樹脂フィルム(厚さ:20μm): 95質量%のLDPE及び5質量%のCOCの混合物で形成されたフィルム
LDPE: ペトロセン226、東ソー株式会社
COC: アペル6013T、三井化学株式会社
ドライラミネート接着剤: LX−500/KW−75、DIC株式会社
【0149】
この実施例で得た積層体は、PETフィルム(12μm)//アルミニウム箔(7μm)//PETフィルム(12μm)/易剥離性樹脂フィルム(20μm)/PETフィルム(25μm)//CPPフィルム(30μm)という層構成(ただし、「//」はドライラミネート接着剤を表す)を有していた。この積層体のうち、PETフィルム(12μm)//アルミニウム箔(7μm)//PETフィルム(12μm)が剥離部付き蓋材の外層を構成しており、かつ残りの層が積層体の内層を構成している。
【0150】
〈外層の作製〉
ラミネーターを使用し、ドライラミネート接着剤の塗布量を3g/m
2に設定し、PETフィルム(12μm)及びアルミニウム箔(7μm)をドライラミネート接着剤を介して積層した。
【0151】
ラミネーターを使用し、ドライラミネート接着剤の塗布量を3g/m
2に設定し、上記のようにして積層体PETフィルム(12μm)及びアルミニウム箔(7μm)のアルミニウム箔側に、PETフィルム(12μm)を、ドライラミネート接着剤を介して積層して、外層を得た。
【0152】
〈内層の作製〉
ラミネーターを使用し、ドライラミネート接着剤の塗布量を3g/m
2に設定し、PETフィルム(25μm)とCPPフィルム(30μm)をドライラミネート接着剤を介して積層して、内層を得た。
【0153】
〈外層と内層の積層〉
ラミネーターを使用し、内層のPETフィルム側と、外層のPETフィルム側とを向かい合わせ、約320℃〜約345℃の温度で、内層のPETフィルム側と外層のPETフィルム側との間に易剥離性樹脂フィルム(20μm)をサンドラミネートして、蓋材形成用積層体を得た。
【0154】
〈内層ハーフカットラインの形成〉
ロータリーダイカッターを用意した。ロータリーダイカッターの刃長を、蓋材形成用積層体の内層の厚さ以上であり、かつこの積層体の全厚よりも低くなるように設定した。
【0155】
ロータリーダイカッターを使用し、蓋材形成用積層体のCPPフィルム側から、易剥離性樹脂フィルムを貫通する深さで、内層ハーフカットラインを
図8(a)〜(d)に示すように刻設し、剥離用タブ(80a、80b、80c、80d)、及びストロー開口用領域(85)を形成した。
図8(a)〜(d)の態様をそれぞれ、実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例1とする。
【0156】
実施例1〜3、及び比較例3の内層ハーフカットラインの詳細は下記のとおりである:
【0157】
(実施例1)
図8(a)で示す態様。末端線と蓋材の外周縁の接線との角度は90°。
【0158】
(実施例2)
図8(b)で示す態様。主線を短くしたことを除いて実施例1と同じ。
【0159】
(実施例3)
図8(c)で示す態様。末端線と蓋材の外周縁の接線との角度が40°(140°)であることを除いて実施例1と同じ。
【0160】
(比較例1)
図8(d)で示す態様。特許文献1に記載の発明による内層ハーフカットライン。
【0161】
〈蓋材及び蓋付容器の作製〉
充填シール機により、以下の工程で、容器に内容物を充填し、そして剥離部付き蓋材で封をした。具体的には、高さ109mm、容器内径φ61、容器外径φ69の容器に内容物を満注充填した。その後、150℃のシール温度及び0.4MPaの圧力で、2秒間に亘って、積層体dの内層側を、リングシール幅3.5mmとして容器のフランジ部とヒートシールするとともに、蓋の形状(蓋外径=φ69)に打ち抜いて、剥離部付き蓋材で封をされている容器を得た。
【0162】
〈評価1〉
実施例1〜3の蓋付容器について、剥離用タブを摘まんで引き上げたところ、主内層ハーフカットライン又は補助内層ハーフカットラインのいずれかが剥離きっかけとなり、内層からの外層の剥離を良好に達成することができた。なお、補助内層ハーフカットラインは、蓋材の外周縁にまでは達していなかったので、脱落タブ片の問題は生じなかった。
【0163】
〈評価2〉
実施例1〜3、及び比較例1の蓋付容器について、末端線が蓋材の外周縁に達する箇所における剥がれの発生数を目視にて評価した。結果を表1に示す。
【0164】
【表1】
【0165】
表1から明らかなように、実施例1〜3の蓋付容器、特に実施例1及び2の蓋付容器は、比較例1の蓋付容器と比較して、末端線が蓋材の外周縁に達する箇所における剥がれの発生率が少なかったことが理解される。