(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データを送信する宛先の複数の受信機に対して、前記宛先の複数の受信機の各々が自身の確認応答信号の送信に使用する前記宛先の複数の受信機毎に異なる無線リソースを示す情報を送信する送信機と、
前記送信機から受信した前記情報で示される無線リソースを使用して前記送信機へ確認応答信号を送信する受信機と、を備え、
前記送信機は、前記データの送信の開始から前記宛先の複数の受信機からの全ての確認応答信号の受信の完了までの所要時間を他の無線通信装置に示す情報を、前記データと共に送信する、無線通信システムであって、
前記送信機が送信する無線フレームはPHYヘッダとデータ部から構成され、
前記データは前記データ部に格納され、
前記PHYヘッダの先頭部分にプリアンブルフィールドとシグナルフィールドを設け、
前記プリアンブルフィールドはフレーム検出用の信号であるプリアンブル信号を格納し、
前記シグナルフィールドは伝送速度及び伝送データ長の情報を格納し、
前記送信機は、前記シグナルフィールドに格納される伝送速度及び伝送データ長の情報を使用して前記所要時間を他の無線通信装置に通知する、
無線通信システム。
送信機が、データを送信する宛先の複数の受信機に対して、前記宛先の複数の受信機の各々が自身の確認応答信号の送信に使用する前記宛先の複数の受信機毎に異なる無線リソースを示す情報を送信するステップと、
受信機が、前記送信機から受信した前記情報で示される無線リソースを使用して前記送信機へ確認応答信号を送信するステップと、を含む無線通信方法であって、
前記送信機は、前記データの送信の開始から前記宛先の複数の受信機からの全ての確認応答信号の受信の完了までの所要時間を他の無線通信装置に示す情報を、前記データと共に送信し、
前記送信機が送信する無線フレームはPHYヘッダとデータ部から構成され、
前記データは前記データ部に格納され、
前記PHYヘッダの先頭部分にプリアンブルフィールドとシグナルフィールドを設け、
前記プリアンブルフィールドはフレーム検出用の信号であるプリアンブル信号を格納し、
前記シグナルフィールドは伝送速度及び伝送データ長の情報を格納し、
前記送信機は、前記シグナルフィールドに格納される伝送速度及び伝送データ長の情報を使用して前記所要時間を他の無線通信装置に通知する、
無線通信方法。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末に代表されるユーザ端末がデータ通信を移動しながら行う技術(移動無線データ通信の技術)の進歩は目覚ましく、様々な無線通信方式の技術革新がなされ実用化されている。近年では、直交周波数分割多元アクセス(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)の技術を用いたLTE(Long Term Evolution)方式あるいはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)方式といった第4世代のデータ通信を高速化した通信規格が主流となっている。OFDMAでは、直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)によって複数の端末装置のアクセスを可能としている。
【0003】
一方、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)などを中心に搭載されてきた無線LAN(Local Area Network)の通信方式は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式を用いた基地局装置との通信手順を基本として発展してきている。
【0004】
図13は、CSMA/CA方式による通信手順の説明図である。
図13を参照してCSMA/CA方式による通信手順を説明する。無線LANの通信方式は同一の周波数資源を複数の端末で使用するために、周波数資源を時間的に譲り合ってお互いの通信を成立させる。
図13の例では、3台の端末A,B,Cが一つの周波数チャネルを共有している。ある端末が無線フレームを送信している時は、他の端末はその送信を検知し、当該周波数チャネルがビジー(使用中)であると識別する。各端末A,B,Cが送信したい場合であっても、
図13に示すように端末Aが最初に送信すると、端末Bと端末Cは、端末Aが送信を完了するのを待たなければならない。端末Aの送信完了を検知した端末Bと端末Cは、規定のIFS(Inter-Frame Space)時間とランダム(不定長)なバックオフ時間だけ待機したのちに自身の無線フレーム送信を試みる。このとき端末B,Cの無線フレームが衝突しないように各端末B,Cがランダムなバックオフ時間を決定する機構が設けられている。この機構では、各端末に公平に送信機会が与えられるようにアルゴリズムが規定されている。
【0005】
また、既存の無線LANの通信手順では、一つの無線フレームの送信でただ一つの宛先の端末にしか当該無線フレームを送り届けることができない。このために
図13の通信手順によると、無線基地局であるアクセスポイント(Access Point:AP)から配下の接続している複数の端末に対して送信したいデータがある場合には、一台一台に宛てて順次無線フレームを送信する必要があり、送信手順の完了に時間を要する。このような課題に対して、無線LANの通信方式の規格を策定しているIEEE802.11作業委員会は、より高効率にデータ通信を行うことを実現するために、現状のCSMA/CAをベースとした無線LANの通信方式に対してOFDMAの技術を適用することを検討し始めている。
【0006】
図14(a)は既存の無線LANの通信手順の説明図、
図14(b)はOFDMAの技術を適用した場合の通信手順の説明図である。
図14(a),(b)共に、APから4台の端末A,B,C,Dに対してデータを送信するイメージを示している。
図14(a)の既存の無線LANの通信手順によるデータ送信では、4台の端末A,B,C,Dに対して、一台一台に宛てて順次無線フレームを送信する。これに対して、
図14(b)のOFDMAの技術を適用した場合の通信手順によるデータ送信によれば、同時に複数の端末に対してデータを送信することによりデータ送信の完了までの時間を短縮することができ、伝送効率の向上を図ることが可能になる。
【0007】
ここで、APから端末へのデータ送信に関し、受信側の端末は、無線フレームの送達確認のための確認応答(ACK)フレームをAPへ送信する必要がある。上述したように、無線LANでは一つの周波数チャネルを複数の端末で時間を譲り合って使用する通信方式のために、複数の端末からAPへ送信する必要のあるACKフレームも時間を譲り合って送信することになる。特許文献1には、ACKフレームの送信手順の従来技術が開示されている。特許文献1の従来技術では、APと端末間でポーリング方式によりACKフレームを受信する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る無線LANシステム1を示す構成図である。
図1において、無線LANシステム1は、1つの基地局装置10と複数の端末装置20を備える。無線LANシステム1はOFDMA方式を使用する。基地局装置10は、無線LANのアクセスポイント(AP)として機能する。基地局装置10の無線LANエリア内に存在する端末装置20は、基地局装置10を経由して、インターネット等の他の通信ネットワーク2に接続したり、又は同じ無線LANエリア内に存在する他の端末装置20と通信したりすることができる。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る基地局装置10を示す構成図である。
図2において、基地局装置10は、アンテナ101と無線部102とOFDMA処理部103とフレーム生成部104とACKリソース割当部105とフレーム受信部106と制御部107と記憶部108を備える。無線部102はアンテナ101を介して無線フレームを無線により送信及び受信する。OFDMA処理部103はOFDMA方式の送信処理及び受信処理を行う。フレーム生成部104は、送信データを格納したデータフレーム等の各種のフレームを生成する。
【0022】
ACKリソース割当部105は、端末装置20から送信されるACKフレームに使用されるリソースブロック(Resource block)の割当てを行う。リソースブロックは、無線LANシステム1の無線リソースの割当単位である。リソースブロックは周波数リソースと時間リソースから成る。ACKリソース割当部105は、リソースブロックの割当結果の情報であるリソースブロック情報をフレーム生成部104へ出力する。フレーム生成部104は、ACKリソース割当部105から入力されたリソースブロック情報を格納したフレームを生成する。
【0023】
フレーム生成部104によって生成されたフレームは、OFDMA処理部103で送信処理されてから無線部102で無線フレームに変換された後にアンテナ101から無線により送信される。
【0024】
アンテナ101により受信された無線フレームは、無線部102を介してOFDMA処理部103に入力されてからOFDMA処理部103で受信処理された後にフレーム受信部106に入力される。フレーム受信部106は、OFDMA処理部103から入力された各種のフレームの受信処理を行う。例えば、フレーム受信部106は、データフレームから受信データを取得して出力する。制御部107は、基地局装置10の制御を行う。記憶部108は、各種のデータを記憶する。
【0025】
図3は、第1実施形態に係る端末装置20を示す構成図である。
図3において、端末装置20は、アンテナ201と無線部202とOFDMA処理部203とフレーム生成部204とACK制御部205とフレーム受信部206と制御部207と記憶部208を備える。無線部202はアンテナ201を介して無線フレームを無線により送信及び受信する。OFDMA処理部203はOFDMA方式の送信処理及び受信処理を行う。フレーム生成部204は、送信データを格納したデータフレーム等の各種のフレームを生成する。ACK制御部205は、フレーム生成部204に対して、ACKフレームの生成を指示する。フレーム生成部204は、ACK制御部205からの指示に従って、ACKフレームを生成する。
【0026】
フレーム生成部204によって生成されたフレームは、OFDMA処理部203で送信処理されてから無線部202で無線フレームに変換された後にアンテナ201から無線により送信される。
【0027】
アンテナ201により受信された無線フレームは、無線部202を介してOFDMA処理部203に入力されてからOFDMA処理部203で受信処理された後にフレーム受信部206に入力される。フレーム受信部206は、OFDMA処理部203から入力された各種のフレームの受信処理を行う。例えば、フレーム受信部206は、データフレームから受信データを取得して出力する。また、フレーム受信部206は、受信したフレームからリソースブロック情報を取得してACK制御部205へ出力する。
【0028】
ACK制御部205は、フレーム受信部206から入力されたリソースブロック情報に基づいて、ACKフレームの送信に使用するリソースブロックを判断する。ACK制御部205は、その判断の結果のリソースブロックをOFDMA処理部203へ通知する。OFDMA処理部203は、ACK制御部205から通知されたリソースブロックを、フレーム生成部204から入力されたACKフレームの送信に使用する。制御部207は、端末装置20の制御を行う。記憶部208は、各種のデータを記憶する。
【0029】
図4は、第1実施形態に係る無線フレームの構成例を示す概略図である。無線フレームはPHYヘッダとデータ部から構成される。PHYヘッダは、データ部からデータを読み出すための手順に必要な符号化レートやデータ長などの情報を格納する。PHYヘッダの詳細は、無線LANシステム1の無線方式に基づく。また、PHYヘッダは、フレーム同期用ビットパターンを格納する。無線フレームを受信する無線部102,202は、アンテナ101,201の受信信号から既知のフレーム同期用ビットパターンを検出し、無線フレームのタイミングの同期を取る。同期するタイミングが確からしいことは、受信信号と既知のフレーム同期用ビットパターンとの相関が高いことを基準として判定されるため、高い相関が得られるように無線方式ごとにフレーム同期用ビットパターンが設計されている。なお、PHYヘッダ中のフレーム同期用ビットパターンの配置は、無線LANシステム1の無線方式に基づく。
【0030】
上記の
図14(b)に示したように、一つの無線フレームで複数の端末装置20に対して同時にデータを送信するOFDMA方式のデータ送信を行うときには、無線フレームのデータ部に複数の端末装置20宛てのデータが格納される。無線フレームのデータ部への複数の端末装置20宛てのデータの格納方法や該データ部からのデータの読み出し方法、当該PHYヘッダの構成などの詳細は、無線LANシステム1の無線方式に基づく。
【0031】
OFDMA方式のデータ送信において基地局装置10から無線により送信された無線フレームを受信する各端末装置20は、無線フレームの送信帯域全体を対象にして受信信号と既知のフレーム同期用ビットパターンとの相関を取ることによって無線フレームを検出し、自端末装置20宛てのデータを読み出す。なお、
図4の例では、無線フレームの送信帯域全体は20MHzである。
【0032】
ここで、上記の
図14(b)に示したように、基地局装置10からOFDMA方式のデータ送信により一つの無線フレームで複数の端末装置20に対して同時にデータ送信をした場合に、複数の端末装置20から同じタイミングでACKフレームが返信されることを考慮する。このために、各ACKフレームが基地局装置10で受信する際に周波数的に衝突しないように、
図5に例示されるように、周波数帯域を複数の端末装置20間で分割して利用する。
図5の例では、20MHzの周波数帯域を4分割し、一つの端末装置20が5MHzの帯域を使用してACKフレームを送信する。この場合、同時に最大4つの端末装置20が各々5MHzの帯域を使用してACKフレームを送信できる。
【0033】
なお、
図5の場合、ACKフレームの送信帯域が狭くなるので、フレーム同期用ビットパターンに用いられる周波数帯域も同じように狭くなる。フレーム同期用ビットパターンは、
図4の場合の20MHzの周波数帯域で用いられるものと異なってもよい。但し、基地局装置10が無線フレームを正常に受信するためには、受信信号と既知のフレーム同期用ビットパターンの間で十分に相関を得る必要がある。このため、ACKフレームの多重数には上限が生じる可能性がある。
【0034】
図6は、第1の実施形態に係る無線通信方法の説明図である。基地局装置10(AP)は、OFDMAフレーム300によって、複数の端末装置20宛てに同時にデータ送信を行う。OFDMAフレーム300はリソースブロック情報を格納する。
図6の例では、OFDMAフレーム300のリソースブロック情報は、第1リソースブロックから第12リソースブロックまでの12個のリソースブロックを、ACKフレームの送信用に指定する。第1リソースブロックから第4リソースブロックまでは時間リソースの指定が時刻T1であり、第5リソースブロックから第8リソースブロックまでは時間リソースの指定が時刻T2であり、第9リソースブロックから第12リソースブロックまでは時間リソースの指定が時刻T3である。なお、最初の時間リソースの指定の時刻T1は、OFDMAフレーム300の送信完了から規定のSIFS(Short Inter-Frame Space)時間だけ後の時刻である。時間tは、連続するACKフレームの受信のために設けられる隙間の時間であり、所定値である。
【0035】
また、第1リソースブロックと第5リソースブロックと第9リソースブロックは周波数リソースの指定が周波数f
+2であり、第2リソースブロックと第6リソースブロックと第10リソースブロックは周波数リソースの指定が周波数f
+1であり、第3リソースブロックと第7リソースブロックと第11リソースブロックは周波数リソースの指定が周波数f
−1であり、第4リソースブロックと第8リソースブロックと第12リソースブロックは周波数リソースの指定が周波数f
−2である。
【0036】
OFDMAフレーム300を受信した各端末装置20は、OFDMAフレーム300のリソースブロック情報に基づいて、自身のACKフレームの送信に使用するリソースブロックを判断する。OFDMAフレーム300のリソースブロック情報は、各端末装置20がACKフレームの送信に使用するリソースブロックが重複しないように定められる。例えば、OFDMAフレーム300には、宛先の端末装置20毎にリソースブロック情報が格納される。各端末装置20のリソースブロック情報は、端末装置20間で使用するリソースブロックが重複しないように、各々異なるリソースブロックを示す。したがって、OFDMAフレーム300の各端末装置20のリソースブロック情報は、第1リソースブロックから第12リソースブロックまでの12個のリソースブロックのうちから、端末装置20毎に異なる一つのリソースブロックを示す。OFDMAフレーム300を受信した各端末装置20は、自身宛てのリソースブロック情報で示される一つのリソースブロックをACKフレームの送信に使用する。これにより、各端末装置20が基地局装置10へ送信するACKフレームの衝突が防止される。
【0037】
また、基地局装置10は、同じ時間リソースで複数の端末装置20からACKフレームを受信できる。
図6の例では、基地局装置10は、同じ時間リソースで最大4つの端末装置20からACKフレームを受信できる。これにより、従来技術のポーリング方式によるACKフレームの受信に比較して全ACKフレームの受信までに要する時間を短縮することができるので、ACKフレームの伝送効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0038】
図7は、第1の実施形態に係るOFDMAデータフレームの構成例を示す図である。
図7に示すOFDMAデータフレームは、OFDMA方式により多重された基地局装置10からの送信波を端末装置20で受信して復号した結果として得られる。端末装置20は、該送信波の受信信号から自身宛てのサブキャリアのデータ列を復号することによりMAC(Media Access Control)フレームを取得する。このMACフレームの一つが
図7に示すOFDMAデータフレームである。
図7に示すOFDMAデータフレームの形式は、既存の無線LAN標準のMACフレームの形式である。
【0039】
図7において、OFDMAデータフレームは、少なくとも、フレーム制御、デュレーション、宛先アドレス、AP識別子、送信元アドレス、シーケンス制御、QoS(Quality of Service)制御、OFDMA制御、データ、及びFCS(Frame Check Sequence)の各フィールドを含む。フレーム制御フィールドは、各種フレームの制御情報を含む。
図7に示すOFDMAデータフレームのフレーム制御フィールドは、少なくともOFDMAデータフレームの識別子を含む。例えば、
図7に示すようにフレーム制御フィールド中のフレームタイプがOFDMAデータフレームを示す。
【0040】
デュレーションフィールドは、無線を利用する予定時間を示す情報を格納する。宛先アドレスフィールドは、自OFDMAデータフレームの宛先の端末装置20のMACアドレスを格納する。AP識別子フィールドは、AP識別子としてAPのMACアドレスを格納する。AP識別子はBSSID(Basic Service Set ID)とも呼ばれる。送信元アドレスは、データの送信元であるサーバやルータなどのMACアドレスを格納する。シーケンス制御フィールドは、MACフレームのシーケンス番号などの情報を格納する。QoS制御フィールドは、QoS制御に関連する情報を格納する。データフィールドは、送付するデータを格納する。FCSフィールドは、MACフレーム全体の誤り検出に用いられるFCSを格納する。以上の
図7に示すOFDMAデータフレームの形式は、IEEE802.11シリーズの無線LANの通信規格に規定されるデータフレームの形式と同様である。
【0041】
本実施形態では、さらに、
図7に示すOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドは、少なくともリソースブロック情報を含む。リソースブロック情報は、例えば、上記の
図6に示す第1リソースブロックから第12リソースブロックまでの12個のリソースブロックのうちから、自OFDMAデータフレームの宛先の端末装置20に指定する一つのリソースブロックを示すリソースブロック識別情報である。
図6の例では、リソースブロック識別情報として、例えば、第1リソースブロックから第12リソースブロックまでに各々対応する1から12までの整数を使用する。また、
図7に示すOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドは、ACK多重数を格納してもよい。ACK多重数は、同じタイミングで応答してもよいACKフレームの多重数の上限値である。例えば、
図6の例では、ACK多重数は4である。
【0042】
図6の例では、OFDMAフレーム300を受信した各端末装置20は、受信したOFDMAフレーム300から自身宛てのOFDMAデータフレームを取得する。各端末装置20は、該取得した自身宛てのOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドからリソースブロック情報を取得する。各端末装置20は、該取得したリソースブロック情報で示されるリソースブロックを使用して、ACKフレームの送信を行う。
【0043】
図8は、第1の実施形態に係るACKフレームの構成例を示す図である。
図8に示すACKフレームは、
図7に示すOFDMAデータフレームに対する確認応答として端末装置20から送信されるACKフレームである。
図7において、ACKフレームは、少なくとも、フレーム制御、デュレーション、受信局アドレス、送信局アドレス、及びFCSの各フィールドを含む。ACKフレームは固定長である。
図8の例ではACKフレームのフレーム長は20バイトである。
【0044】
(ACKリソース判断方法の例)
次に、ACKフレームの送信に使用するリソースの判断方法の例を説明する。端末装置20は、リソースブロック情報に基づいて自身のACKフレームの送信に使用するリソースブロックの周波数リソースと時間リソースを判断する。ここでは、上記の
図6、
図7及び
図8の例を使用して説明する。
【0045】
端末装置20において、OFDMA処理部203は、受信したOFDMAフレーム300を復号する。次いで、フレーム受信部206は、OFDMAフレーム300の復号結果から、自端末装置20のアドレスが宛先アドレスであるOFDMAデータフレームを取得する。次いで、ACK制御部205は、該取得されたOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドからリソースブロック情報及びACK多重数を取得する。次いで、ACK制御部205は、OFDMA制御フィールドから取得したリソースブロック情報及びACK多重数に基づいて、ACKフレームの送信に使用するリソースブロックの周波数リソースと時間リソースを判断する。
【0046】
以下、リソースブロック情報をRB、ACK多重数をMとして説明する。リソースブロック情報RBは、
図6に示す第1リソースブロックから第12リソースブロックまでに各々対応する1から12までのいずれかの整数とする。つまり、第Nリソースブロックに対応するリソースブロック情報RBはNである。ACK多重数Mは4とする。
【0047】
ACK制御部205は、「RB−1」をACK多重数Mで除した結果のうち、商Dで時間リソースを決定し、余りReで周波数リソースを決定する。商Dが0である場合には
図6に示す時刻T1の時間リソースであり、商Dが1である場合には
図6に示す時刻T2の時間リソースであり、商Dが2である場合には
図6に示す時刻T1の時間リソースである。余りReが0である場合には
図6に示す周波数f
+2の周波数リソースであり、余りReが1である場合には
図6に示す周波数f
+1の周波数リソースであり、余りReが2である場合には
図6に示す周波数f
−1の周波数リソースであり、余りReが3である場合には
図6に示す周波数f
−2の周波数リソースである。
【0048】
図6において、時刻T1は、端末装置20がOFDMAフレーム300の受信を完了した時点からSIFS時間経過後の時刻である。IEEE802.11シリーズの無線LANの通信規格の規定では、SIFS時間は16μsである。
【0049】
時刻T2は、「T2=T1+Len
ack+t」で表される時刻である。時刻T3は、「T3=T2+Len
ack+t」で表される時刻である。但し、Len
ackは、ACKフレームの時間長である。
図8に示すACKフレームのフレーム長は20バイトである。よって、ACKフレームのPHYヘッダ時間長をLen
header(μs)、ACKフレームの伝送速度をRATE
ack(Mbps)とすると、ACKフレームの時間長Len
ackは次式で表される。
Len
ack(μs)=Len
header+(20×8)/RATE
ack
【0050】
時間tは、連続するACKフレームの受信のために設けられる隙間の時間である。時間tとして、例えば4μsに設定することが挙げられる。
【0051】
商Dが0である端末装置20は、時刻T1にACKフレームの送信を開始する。商Dが1である端末装置20は、時刻T2にACKフレームの送信を開始する。商Dが2である端末装置20は、時刻T3にACKフレームの送信を開始する。また、余りReが0である端末装置20は、周波数f
+2でACKフレームを送信する。余りReが1である端末装置20は、周波数f
+1でACKフレームを送信する。余りReが2である端末装置20は、周波数f
−1でACKフレームを送信する。余りReが3である端末装置20は、周波数f
−2でACKフレームを送信する。
【0052】
なお、複数の端末装置20から時刻T1に送信される各ACKフレームの終了タイミングを揃えて各端末装置20で時刻T2の計算を行うために、ACKフレームの伝送速度RATE
ack(Mbps)は一定として時刻T2の計算を行う。ACKフレームの伝送速度RATE
ack(Mbps)として、例えば、IEEE802.11ac方式の最低伝送速度である6.5MbpsをACK多重数Mである4で除した結果の商の値「1.625Mbps」に基づいて設定することが挙げられる。
【0053】
なお、上述したACKリソース判断方法の例では、ACK多重数を使用したが、ACK多重数を使用しないで、ACKフレームの送信に使用するリソースブロックの周波数リソースと時間リソースを判断できるようにしてもよい。例えば、リソースブロック情報で指定可能な各リソースブロックに対して、周波数リソースと時間リソースの対応関係を示すリソース対応関係情報を予め基地局装置10と端末装置20間で共有してもよい。これにより、端末装置20は、リソースブロック情報で識別したリソースブロックに対して、リソース対応関係情報に基づいて周波数リソースと時間リソースを判断することができる。
【0054】
上述した第1実施形態によれば、基地局装置10は、OFDMA方式によりデータ送信する宛先の複数の端末装置20に対して、各端末装置20が自身のACKフレームの送信に使用する端末装置20毎に異なるリソースブロックを示すリソースブロック情報を送信する。端末装置20は、基地局装置10から受信したリソースブロック情報で示されるリソースブロックを使用して基地局装置10へACKフレームを送信する。これにより、各端末装置20が基地局装置10へ送信するACKフレームの衝突が防止される。
【0055】
また、上述した第1実施形態によれば、従来技術のポーリング方式によるACKフレームの受信に比較して全ACKフレームの受信までに要する時間を短縮することができる。以下に具体例を挙げて、ポーリング方式と本実施形態とのACKフレームの受信の所要時間の比較を説明する。
【0056】
無線フレームのプリアンプルを含むPHYヘッダの時間長は40μsであるとする。また、ポーリングのトリガとなるブロックACK要求(BAR)フレームのフレーム長は20バイトであり、ACKフレームのフレーム長は20バイトであるとする。また、SIFS時間は16μsであるとする。また、OFDMA方式によりデータ送信する宛先の端末の台数は4台であるとする。この条件でポーリング方式により、データ送信の宛先の4台の端末から6.5MHzの伝送速度でACKフレームを受信する場合、4台の端末の全てからACKフレームを受信完了するまでに要する時間Resp1は、次式で表される。
Resp1={(PHYヘッダ時間長+BARフレーム時間長)+SIFS+(PHYヘッダ時間長+ACKフレーム時間長)}×4+SIFS×3
={(40+20/6.5)+16+(40+20/6.5)}×4+16×3
=456(μs)
【0057】
これに対して本実施形態により、基地局装置10が4台の端末装置20の全てからACKフレームを受信完了するまでに要する時間Resp2は、ACK多重数を4にすることで伝送速度が6.5MHzの1/4程度に低下すると考えると、次式で表される。ここでは、伝送速度は1.5MHzであるとする。
Resp2=PHYヘッダ時間長+ACKフレーム時間長
=40+20/1.5
=53(μs)
【0058】
上記のように本実施形態によれば、従来技術のポーリング方式によるACKフレームの受信に比較して全ACKフレームの受信までに要する時間を短縮することができる。これにより、ACKフレームの伝送効率の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0059】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る無線通信方法の説明図である。第2実施形態の無線LANシステム1、基地局装置10及び端末装置20の各構成は、上記の
図1、
図2及び
図3と同様である。以下、主に、第2実施形態において第1実施形態と異なる点を説明する。
【0060】
第2実施形態では、
図9に示す仮想的な帯域確保時間T
useを占有することを図る。帯域確保時間T
useとして、OFDMAフレーム300の送信の開始から全ACKフレームの受信の完了までの所要時間を想定する。
【0061】
基地局装置10は、OFDMAフレーム300に対して、帯域確保時間T
useの占有のための設定を行う。この設定を以下に説明する。
図10は、第2実施形態に係る無線フレームの構成例を示す概略図である。
図10に示すように、無線フレームのPHYヘッダの先頭部分に、プリアンブル(preamble)フィールドとシグナル(SIGNAL)フィールドを設ける。プリアンブルフィールドとシグナルフィールドは、IEEE802.11シリーズの無線LANの通信規格で規定されている。プリアンブルフィールドはフレーム検出用の信号であるプリアンブル信号を格納する。シグナルフィールドは、伝送速度や伝送データ長(バイト)などの情報を格納する。
【0062】
プリアンブル信号は、無線フレームの検出用のビットパターンであって、これにより既存の無線LAN標準の無線LANデバイスも、本実施形態の無線フレームを検出することができる。プリアンブルフィールドに続くシグナルフィールドに格納される伝送速度や伝送データ長などの情報は、無線フレームからデータを取得するために、既存の無線LAN標準の無線LANデバイスにも使用される。本実施形態では、シグナルフィールドに格納される伝送速度及び伝送データ長の情報を使用して、帯域確保時間T
useの使用を表す。これにより、既存の無線LAN標準の無線LANデバイスとの互換性を維持しながら、帯域確保時間T
useの占有を図る。
【0063】
本実施形態では、帯域確保時間T
useの占有のための設定として、無線フレームのシグナルフィールドに格納される伝送速度及び伝送データ長を、次式を満たすように設定する。
T
use(μs)=伝送データ長(バイト)×8÷伝送速度(Mbps)
【0064】
この式を満たす伝送速度及び伝送データ長を無線フレームのシグナルフィールドに格納することによって、当該無線フレームを受信した無線LANデバイスに対して帯域確保時間T
useに渡る無線フレームの継続を通知することができる。当該無線フレームを受信した無線LANデバイスは、無線フレームのシグナルフィールドに格納される伝送速度及び伝送データ長で示される帯域確保時間T
useには、自身の無線フレームを送信しない。但し、当該無線フレームを受信した本実施形態の端末装置20であって、当該無線フレームに自身が宛先であるデータが格納されている場合には、当該帯域確保時間T
useにおける無線フレーム送信停止を解除してACKフレームの送信を行う。これにより、既存の無線LAN標準の無線LANデバイスとの互換性を維持しながら帯域確保時間T
useの占有を図り、安定したACKフレームの応答を実現することができる。
【0065】
上述した第2実施形態によれば、所謂隠れ端末問題に対処することができる。基地局装置10が送信した無線信号を受信できる位置に存在し且つ当該基地局装置10と通信しない無線LANデバイスであって、当該基地局装置10に接続するいずれかの端末装置20からの無線信号を受信できない位置に存在する無線LANデバイス(この無線LANデバイスを、説明の便宜上、隠れデバイスと称する)を想定する。当該隠れデバイスが、自身の周辺に存在するいずれの無線LANデバイスも通信していないと判断したために、端末装置20からACKフレームを送信するのと同じタイミングで無線信号を送信すると、該無線信号と端末装置20から送信されたACKフレームとが衝突してしまう。
【0066】
しかし、本実施形態によれば、基地局装置10がOFDMAフレーム300の無線フレームに帯域確保時間T
useを示す情報を格納することにより、該無線フレームを受信した隠れデバイスは該帯域確保時間T
useにおける無線フレーム送信停止を行う。これにより、基地局装置10から送信したOFDMAフレーム300に対する端末装置20のACKフレームの応答の際に、隠れデバイスによる無線送信信号との衝突が防止されるので、ACKフレームの応答の確実性が向上する。
【0067】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態に係る無線通信方法の説明図である。第3実施形態の無線LANシステム1、基地局装置10及び端末装置20の各構成は、上記の
図1、
図2及び
図3と同様である。以下、主に、第3実施形態において第1実施形態と異なる点を説明する。
【0068】
第3実施形態は、複数(n個、但し、nは2以上の整数)のOFDMAフレーム300を集約して送信するアグリゲーション送信に対するブロックACK(BA)による応答への応用例である。基地局装置10は、複数の宛先の端末装置20の各々に対して連続して送信すべきデータがある場合に、n個のOFDMAフレーム300を連続して送信するアグリゲーション送信を行う。このアグリゲーション送信に対して複数の宛先の端末装置20の各々は、アグリゲーション送信によるn個のOFDMAフレーム300の受信が完了した後に、BAの応答により、基地局装置10に対して、正しく受信できたデータの通知を行う。つまり、端末装置20は、BAにより、n個のOFDMAフレーム300に対するACKをまとめて基地局装置10へ送信する。したがって、各OFDMAフレーム300に対する個別のACKフレームの応答は行われない。これにより、フレーム交換数が削減されるので、データ伝送効率が向上する。
【0069】
アグリゲーション送信が行われるn個のOFDMAフレーム300のうちの少なくとも1つのOFDMAフレーム300(第m番目のOFDMAフレーム300、但し、mはn以下の整数)は、各宛先の端末装置20に宛てた
図7に示すOFDMAデータフレームを有する。このOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドは、少なくともBA応答用のリソースブロック情報を含む。各端末装置20は、自身宛てのOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドからリソースブロック情報を取得する。各端末装置20は、該取得したリソースブロック情報で示されるリソースブロックを使用して、BAの送信を行う。
【0070】
端末装置20がBAの送信に使用するリソースブロックの時間リソース及び周波数リソースをリソースブロック情報に基づいて判断する方法は、上述の第1実施形態のACKリソース判断方法の例と同様であってもよい。この場合、OFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドは、少なくともBA応答用のリソースブロック情報及びACK多重数を含む。BA応答用のACK多重数は、同じタイミングで応答してもよいBAの多重数の上限値である。例えば、
図11の例では、BA応答用のACK多重数は4である。
【0071】
また、上述の
図9に示す第2の実施形態と同様に、
図11に示す仮想的な帯域確保時間T
use(1)〜(n)を占有することを図ってもよい。この場合、基地局装置10は、各OFDMAフレーム300(1)〜(n)の無線フレームのシグナルフィールドに、各帯域確保時間T
use(1)〜(n)を示す伝送速度及び伝送データ長の情報を格納する。
【0072】
また、アグリゲーション送信が行われるn個のOFDMAフレーム300の各々は、自身の以降の残りのOFDMAフレーム300の個数である集約残量値を有してもよい。第p番目のOFDMAフレーム300の集約残量値は「n−p」となる。但し、pはn以下の整数である。集約残量値は、OFDMAフレーム300のOFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドに格納してもよい。端末装置20は、受信したOFDMAフレーム300内の集約残量値に基づいて、アグリゲーション送信におけるOFDMAフレーム300の残数を認識する。端末装置20は、受信したOFDMAフレーム300内の集約残量値が0である場合に、当該受信したOFDMAフレーム300がアグリゲーション送信の最後のOFDMAフレーム300であると判断する。端末装置20は、アグリゲーション送信の最後のOFDMAフレーム300の受信完了から規定のSIFS時間経過後の時刻が時刻T1であると判断する。
【0073】
なお、端末装置20は、アグリゲーション送信の無線フレームの連続が途切れたことを無線フレーム間隔の閾値超過判定などで検出することにより、アグリゲーション送信の終了を判断してもよい。端末装置20は、アグリゲーション送信の終了を検出した場合、最後に受信済みのOFDMAフレーム300をアグリゲーション送信の最後のOFDMAフレーム300として時刻T1を算出する。この場合、集約残量値は不要である。
【0074】
また、OFDMAフレーム300の集約の方法は無線LANシステム1で任意に規定すればよく、また、集約されて送信される最後のOFDMAフレーム300の判定方法は、OFDMAフレーム300の集約の方法に応じて決めればよい。
【0075】
上述した第3実施形態によれば、複数のOFDMAフレーム300を集約して送信するアグリゲーション送信に対するBAによる応答に応用することができる。
【0076】
上述した各実施形態において、基地局装置10は送信機の例である。また、端末装置20は受信機の例である。また、ACKフレーム及びBAは確認応答信号の例である。また、リソースブロックは無線リソースの例である。
【0077】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0078】
上述した実施形態において、OFDMAデータフレームのOFDMA制御フィールドに格納されたリソースブロック情報が端末装置20のACKフレームの送信に使用されるリソースブロックを明示的に示した。他方、端末装置20は、基地局装置10から送信されるOFDMAフレームに多重される各端末装置20宛てのデータの位置や順序に基づいて、自身のリソースブロックを判断してもよい。例えば、
図12に示されるように、OFDMAフレームに10台の端末装置20宛てのデータが多重された場合、当該OFDMAフレームを受信した端末装置20は、当該OFDMAフレームにおける端末装置20の多重数「10」をリソースブロックの総数「RB数=10」であると認識する。また、当該OFDMAフレームを受信した端末装置20は、当該OFDMAフレームにおける自身のデータの位置によって、自身の使用するリソースブロックの順番を認識する。例えば、端末装置20「STA2」は、自身の使用するリソースブロックの順番が2番目のリソースブロック「RB=2」であると認識する。この場合、OFDMAフレームにおける端末装置20の多重数と、OFDMAフレームにおける端末装置20のデータの位置とが、リソースブロックを示す情報に相当する。
【0079】
また、ACK多重数については、無線LANシステム1の規定で予め所定数に決定されて、基地局装置10及び端末装置20に共有されてもよい。また、基地局装置10は、ビーコン(Beacon)信号などのブロードキャスト信号を送信する際に、ブロードキャスト信号中の制御情報としてACK多重数を含めてもよい。端末装置20は、基地局装置10から受信したブロードキャスト信号からACK多重数を取得する。
【0080】
また、上述の実施形態では無線LANシステムに適用したが、無線LANシステム以外の無線通信システムに適用してもよい。
【0081】
また、上述した基地局装置10又は端末装置20の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0082】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。