【文献】
センサの用語解説,日本,パナソニックデバイスSUNX株式会社 マーケティング統括部,2012年 7月,No.246 Ver1.0,干渉防止フィルタ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内であっても、前記出力部と前記被吐出体との水平距離が所定の距離範囲外であるときには、前記反射波検出部が前記反射波を検出しないように、
前記出力部からの前記光の出力と、前記反射波検出部による検出能力と、のうちの少なくともいずれか一方が設定されている請求項1に記載のディスペンサー。
液剤を貯留する貯留部と、前記液剤を泡体として下方に吐出する吐出口から前記泡体を吐出させる吐出機構と、を備えるディスペンサーから前記泡体を吐出して泡造形物を作成する方法であって、
前記吐出機構は、前記吐出口と、前記吐出口から吐出された前記泡体を受け取る被吐出体と、の高低差が所定範囲内に調節された状態で前記被吐出体に対して前記泡体が吐出された場合に、前記泡体が目的形状に成形されるように構成され、
前記ディスペンサーは、
前記吐出口と前記被吐出体との高低差が前記所定範囲内であるか否かを検出する検出部と、
前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内であることが前記検出部により検出された場合に、前記吐出機構を制御して前記吐出口から前記泡体を吐出させる吐出制御部と、
を更に備え、
前記検出部は、
前記吐出口の下方の空間に向けて光をパルス光として水平に出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記光の反射波を検出する反射波検出部と、
を有し、
前記反射波検出部は、受光した光と前記パルス光とが一致しているか否かを判定し、一致している場合に、受光した光を前記反射波として扱い、
当該方法は、前記吐出口と前記被吐出体との高低差が前記所定範囲内となるように前記被吐出体を位置合わせすることにより、前記吐出口から前記泡体を前記被吐出体に吐出させて、前記泡体を前記目的形状の泡造形物に成形する工程を含む泡造形物作成方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0014】
〔第1の実施形態〕
図1から
図7を用いて第1の実施形態を説明する。
本実施形態に係るディスペンサー100は、吐出対象物(例えば液剤70)を貯留する貯留部10と、吐出対象物を下方に吐出する吐出口236から吐出対象物を吐出させる吐出機構20と、吐出口236と吐出口236から吐出された吐出対象物を受け取る被吐出体H(例えば掌)との高低差が所定範囲内であるか否かを検出する検出部30と、吐出機構20を制御する吐出制御部(例えば主制御部40)を備える。吐出制御部は、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、吐出機構20を制御して吐出口236から吐出対象物を吐出させる。
【0015】
ここで、本実施形態では、吐出対象物が液剤70である場合を例示するが、本発明における吐出対象物は、液剤70に限定されず、固体のもの(粒状、顆粒状、又は粉状(粉体)のものなど)であっても良い。
また、本実施形態では、液剤70として、泡状にして吐出されるものを例示する。このような液剤としては、ハンドソープを代表例として挙げることができるが、これに限られず、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用クリーム、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬など、泡状で用いられる種々のものを例示することができる。
なお、本発明における液剤70としては、泡状にして吐出されるものに限られず、流動性の液体のまま吐出されるものも含まれ、そのような液剤70としては、ハンドソープ、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用ジェル、ファンデーションや美容液等の肌用化粧料、染毛剤、消毒薬などを例示することができる。
ここで、吐出対象物を吐出する方向を規定する下方は、鉛直下方に限られず、鉛直下方成分を含む方向(斜め下方)も含む。
【0016】
被吐出体Hとしては、例えば、ユーザーの掌、スポンジ、ブラシ等の各種の塗布具、食器、食品、食器に注がれた飲料などを例示することができる。以下では、被吐出体Hが掌であるものとして説明を行う。
吐出口236とは、例えば、液剤70を泡体BUとして吐出する吐出ノズル235の最下端に形成された開口である。本実施形態では、吐出口236は、例えば、一平面に含まれる形状であり、且つ、水平に配置されている。すなわち、吐出口236は、水平面に含まれるように配置されている。このため、吐出口236と被吐出体H(掌)との高低差DLは、吐出口236における任意の部位(いずれかの部位)と被吐出体Hの上面との高低差とすることができる。ただし、本発明において、吐出口236は、必ずしも水平面に含まれるように配置されている必要は無く、互いに高さ位置が異なる複数箇所を含んでいても良い。この場合に、吐出口236と被吐出体H(掌)との高低差DLとは、例えば、吐出口236における最下位置と被吐出体Hの上面との高低差を意味していても良いし、吐出口236における最上位置と被吐出体Hの上面との高低差を意味していても良いし、吐出口236における各部の高さ位置の平均の高さ位置と被吐出体Hの上面との高低差を意味していても良い。
【0017】
検出部30は、上述のように、吐出口236と被吐出体Hとの高低差DLが所定範囲内であるか否かを検出するものである。
検出部30は、高低差DLの値を検出(計測)するものであっても良いが、高低差DLが所定範囲内であるかどうかを判定可能な位置及び向きに配置されたものであっても良い。なお、第1の実施形態における検出部30は、これらのうち後者に該当する。
図1の形態においては、検出部30が吐出口236に対して適正な高さ位置に配置されている。そして、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが所定範囲内であることが検出部30により検出されるとは、被吐出体Hが検出部30に検知されることである。
【0018】
検出部30としては、光又は音を出力し、その反射波(反射光、反射音)を検出するセンサを用いることができる。ここで、光は、赤外光であっても良いし、可視光であっても良いし、可視光よりも短波長の光であっても良い。また、音は、超音波であっても良いし、可聴音であっても良い。
また、検出部30としては、様々な検出方式のものを用いることができ、例えば、光電センサ等の透過型センサ、反射型センサ、静電容量センサ、接触センサ、或いは超音波センサ等を用いることが挙げられる。
このうち検出部30として光電センサを用いる場合の詳細については、本実施形態において後述する。また、検出部30として超音波センサを用いる場合は、例えば、ヘッド部62から下方に超音波(音)を出力し、被吐出体Hで反射した超音波を検出することによって、高低差DLを測定することができる。また、静電容量センサや接触センサは、例えば、
図1に示される検出部30の位置に配置することができる。また、検出部30は、複数の方式のセンサを組み合わせることにより構成されていても良い。例えば、本実施形態で後述する光電センサと超音波センサとを組み合わせることにより、差し出された掌などの被吐出体H(すなわち吐出対象物を受容する受容体)の3次元的な傾きや形状を検出することによって更に高精度に被吐出体Hの位置を検出したり、或いは、被吐出体Hの最適範囲と被吐出体Hの実際の位置との差分に基づいて被吐出体Hを最適範囲内の領域に誘導したりすることなども可能となる。
【0019】
また、超音波センサは、本実施形態で後述する方式と同様に、超音波を水平に出力するように構成しても良い。すなわち、検出部30は、吐出口236の下方の空間に向けて超音波(音)を水平に出力する出力部と、出力部から出力された音の反射波を検出する反射波検出部と、を有する構成とすることができる。
この場合、出力される超音波の指向性を向上できるように、複数の超音波発振器により構成されたアレイを用いて超音波を出力してもよい。
【0020】
本実施形態の場合、吐出機構20及び吐出口236は、吐出対象物である液剤70を泡体BUとして吐出するように構成されているとともに、被吐出体H(掌)と吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内となっている状態で被吐出体Hに対して泡体BUが吐出された場合に、泡体BUが目的形状に成形されるように構成されている。
ここで、目的形状は、例えば、文字、図形または記号などを模した形状とすることができる。このうち図形としては、動物、植物、人間、アニメのキャラクタ、幾何学的な図形などが挙げられる。目的形状の平面形状(平面視における形状)は、例えば、非回転対称形とすることができるが、回転対称形であっても良い。また、目的形状は、平面視非円形であっても良いし、平面視円形であっても良い。平面視円形の形状には、球形、球形を上下方向に押しつぶした形状、円盤形などが含まれる。なお、本実施形態では、目的形状が音符を模した形状(
図7)である場合を例示する。
高低差DLが上記所定範囲内となっている状態で被吐出体Hに対して泡体BUが吐出された場合に、泡体BUが目的形状となるように、吐出口236の幅(開口幅)及び形状が設定されている。
本実施形態では、例えば、泡体BUの吐出完了時の高低差DLが上記所定範囲内となっている状態で被吐出体Hに対して泡体BUが吐出された場合に、泡体BUが目的形状となるようになっている。
ここで、上記高低差DLの適正値は、液剤70の粘性や泡体BUの気液比に応じて異なるが、例えば、上記所定範囲は、例えば、下限を5mm、又は10mmなどとすることができ、上限を40mm、30mm、20mm又は15mmなどにすることができる。
ここで、本願発明者等は、所定の目的形状の泡造形物FBを成形することを目的として吐出口236の幅(開口幅)及び形状が設定されたディスペンサー100から泡体BUを吐出した場合に、泡体BUを再現性良く所定の目的形状に成形するためには、高低差DLを所定範囲内に調節した状態で、被吐出体Hに泡体BUを吐出する必要があることを、繰り返し行った実験により見出した。更には、泡体BUの吐出完了時の吐出口236と被吐出体Hとの高低差が重要であることを見出した。
したがって、被吐出体H(掌)と吐出口236との高低差が上記所定範囲から外れた状態で、泡体BUが被吐出体H上に吐出された場合には、泡体BUは所定の目的形状とは異なる形状になってしまう。つまり、被吐出体Hが吐出口236に近すぎる場合、吐出口236から遠すぎる場合のいずれにおいても、泡体BUを所定の目的形状に成形することは困難である。
泡体BUが目的形状とならなくなってしまうような、上記所定範囲からの被吐出体Hのずれ量は、目的形状、液剤70の粘性、或いは泡体BUの気液比などによっても異なるが、例えば、5mm以上であったり、10mm以上であったり、20mm以上であったりする。すなわち、上記所定範囲は、泡体BUを目的形状に成形可能な高低差DLの範囲に内包されている。
本実施形態では、被吐出体Hと吐出口236との高低差が上記所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、吐出制御部が吐出機構20を制御して吐出口236から吐出対象物を吐出させるので、目的形状の泡造形物FBを容易且つ確実に成形することが可能である。
なお、本実施形態のように吐出口236から吐出された泡体BUを目的形状の泡造形物FBに成形する場合、吐出口236からの泡体BUの吐出方向は鉛直下方であることが好ましい。
【0021】
図1に示すように、ディスペンサー100は、例えば、筐体60と、筐体60に設けられた各種の構成部品と、により構成されている。これら構成部品としては、貯留部10、吐出機構20、検出部30、主制御部40などが含まれる。
ここで、
図1において、筐体60については概略的な側面形状を示し、ノズルユニット23(吐出口236を含む)及び検出部30については、ディスペンサー100を側面視したときの概略的な配置(筐体60における配置)を示している。更に、
図1において、ノズルユニット23については、当該ノズルユニット23の各部の概略的な断面形状を示している。また、
図1において、液体ポンプ21、気体ポンプ22及び主制御部40については、ブロック構成を示している。
筐体60は、例えば、本体部61と、本体部61の上部と一体的に設けられているとともに、本体部61の上部から水平に突出してオーバーハング状態となっているヘッド部62と、を有している。ヘッド部62は、例えば、本体部61の上部から前方に突出している。そして、ヘッド部62の下面に吐出口236が露出している。本実施形態では、例えば、ヘッド部62の下面から吐出ノズル235が下方に突出していることにより、吐出ノズル235の最下端に形成された吐出口236もヘッド部62の下面に露出している。
本体部61は、貯留部10、液体ポンプ21、気体ポンプ22、検出部30及び主制御部40等を収容している。
なお、本体部61は、例えばその背面(
図1における)又は側面(
図1の紙面における奥側又は手前側の面)などが壁面に固定されるようになっていても良いし、洗面台などの台上に載置されるようになっていても良い。
貯留部10は、例えばキャップがボトル本体の口頸部に着脱可能に装着されたボトル容器であり、内部に液剤70を貯留している。筐体60は、例えば、当該筐体60に対して貯留部10を着脱可能に構成されている。液剤70を補充する方法としては、貯留部10を新しいものに交換する方法、又は、ボトル本体の口頸部からキャップを取り外した状態でボトル本体に液剤70を充填する方法などが挙げられる。
【0022】
吐出機構20は、例えば、液剤70を貯留部10から送出する液体送出アクチュエータとして例示される液体ポンプ21と、気体を送出する気体送出アクチュエータとして例示される気体ポンプ22と、吐出口236を含むノズルユニット23と、貯留部10に差し込まれているとともに液体ポンプ21に接続されている吸引管24と、液体ポンプ21とノズルユニット23とを接続している給液管21aと、気体ポンプ22とノズルユニット23とを接続している給気管22aと、を備えている。
ノズルユニット23は、例えば、混合室231と、前室232と、メッシュ233と、メッシュ234と、吐出ノズル235と、を有している。
液体ポンプ21は、吸引管24を介して、貯留部10内の液剤70を吸引し、該液剤70を給液管21aを介して混合室231に送液する。一方、気体ポンプ22は、気体ポンプ22の周囲の雰囲気(つまり空気)を吸引し、該空気を給気管22aを介して混合室231に送気する。
混合室231では、供給された液剤70の膜が形成されるようになっているとともに、当該膜に対して、気体ポンプ22から送られる空気が吹き付けられるようになっている。液剤70に対して空気が吹き付けられることにより、液剤70が粗い泡になる。この粗い泡は、気体ポンプ22から送られる空気によって付勢されて、混合室231の後段に配置されたメッシュ233を介して前室232に導入された後、前室232における下流側端部に配置されたメッシュ234を通過することにより、きめ細かく均一な泡体BUとなる。この泡体BUは、更に、気体ポンプ22から送られる空気によって付勢されて、吐出ノズル235に形成された吐出路235aを通過した後、吐出ノズル235の下流側端部の開口である吐出口236から吐出される。
【0023】
ここで、メッシュ233と吐出路235aとの間の前室232は、バッファーとなる平面視円形の空洞であり、前室232にて泡体BUが平面方向に広がった後、
図6のような目的形状と対応する形状に形成された吐出路235a及び吐出口236を泡体BUが通過することにより、吐出路235a及び吐出口236を介して泡体BUが押し出されるようにして、吐出される。
ここで、前室232と吐出路235aとの境界では、泡体BUの流路の断面積が変化しており、空洞における断面積よりも吐出路235aにおける断面積の方が狭くなっている。空洞と吐出路235aとの境界には、もう1つのメッシュ234が配置されている。
また、吐出ノズル235の下端部は、当該下端部の外周面が下方に向けて縮径するテーパー状に形成されていることが好ましく、このような形状となっていることにより、吐出ノズル235の泡切れ(吐出ノズル235からの泡体BUの分離性)が良好になる。
【0024】
掌と吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内であることが検出部30により検出された場合には、主制御部40の制御下で、吐出機構20が所定量の泡体BUを吐出口236から吐出するようになっている。この所定量は、特に限定されないが、例えば、人の掌に載る程度の量(体積)である1cm
3以上60cm
3以下とすることができる。
ここで、吐出路235a及び吐出口236の平面形状は、目的形状と対応する形状となっている。ここで、対応する形状とは、泡体BUを所定の目的形状に成形するために設計された形状を意味し、目的形状と同一の形状には限定されない。
掌と吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内となっている状態で、吐出口236から掌に対して泡体BUが吐出された場合には、泡体BUが目的形状に成形される。
吐出口236は、下向きに開口して形成されており、吐出口236は、泡体BUを下向きに吐出する。吐出口236は、下向きに開口して形成されていることにより、泡体BUを下方に吐出するように構成されている。泡体BUは、気体ポンプ22から送られる空気の圧力により圧送されて吐出路235aを通過し、吐出口236から吐出される。このため、泡体BUは、吐出口236から吐出された直後に大気圧に開放されることにより、全体的には吐出口236の形状を維持しながら膨張し、掌の上において、目的形状の泡造形物FBとなる。
なお、吐出口236は、1つの開口を有していても良いし、複数の開口を有していても良い。後者の場合、複数の開口から吐出された泡体BUが互いにくっついて1つの泡造形物FBが形成されても良いし、互いに離間した複数の泡体BUにより1つの泡造形物FBが形成されても良い。
【0025】
図2に示すように、液体ポンプ21及び気体ポンプ22は、主制御部40の制御下で動作し、それぞれ液剤70及び空気を混合室231に供給する。
また、検出部30は、吐出口236と掌との高低差DLが所定範囲内であるか否かを検出し、その検出結果を主制御部40に通知する。
主制御部40は、吐出口236と掌との高低差DLが所定範囲内である旨の通知を検出部30から受けると、吐出機構20に指令を送信し、吐出口236から所定量の泡体BUを吐出させる。
主制御部40は、液体ポンプ21及び気体ポンプ22の制御用プログラムを記憶保持している第1ROM(Read Only Memory)と、この制御用プログラムに従って制御動作を実行する第1CPU(Central Processing Unit)と、この第1CPUの作業領域などとして機能する第1RAM(Random Access Memory)と、を備えて構成されている。
なお、ディスペンサー100の主制御部40、検出部30、液体ポンプ21及び気体ポンプ22の電源は、商用電源であっても良いし、電池であっても良い。
【0026】
図3に示すように、検出部30は、例えば、吐出口236の下方の空間に向けて光又は音を水平に出力する出力部31と、出力部31から出力された光又は音の反射波を検出する反射波検出部32と、を有する。すなわち、検出部30は、反射型センサである。
本実施形態では、出力部31は、赤外光などの光を出力(照射)する発光部であり、反射波検出部32は、反射光を検出(受光)する受光部である。すなわち、検出部30は、光電センサである。
ここで、出力部31が光を出力する方向を規定する水平(水平方向)とは、厳密な水平方向に限られず、実質的に水平な方向(略水平方向)であれば良い。また、実際には、出力部31からの出力光はある程度の広がりを持つ光となるが、このような出力光に、光路が水平方向の光が含まれていれば良い。
検出部30は、出力部31及び反射波検出部32の制御や主制御部40に対する検出結果の通知等を含む各種の制御動作を行う検出制御部33を有する。検出制御部33は、制御用などのプログラムを記憶保持している第2ROMと、このプログラムに従って制御動作を実行する第2CPUと、この第2CPUの作業領域などとして機能する第2RAMと、を備えて構成されている。
なお、検出部30に対する所定の設定操作により、出力部31の出力の調整(例えば光量の調整)と、反射波検出部32による検出能力の調整(ゲイン調整)とが可能となっている。
【0027】
図4及び
図5に示すように、出力部31は、例えば、本体部61の前面側に配置され、且つ、前方に向けて光を出力するように配置されている。
また、反射波検出部32は、本体部61の前方から到来する反射光を受光可能な向きに配置されている。
例えば、出力部31及び反射波検出部32は、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置することができる。
なお、本体部61は、例えば、出力部31からの出力光及びその反射光を透過可能なポリプロピレン等の樹脂材料により構成されている。ただし、本体部61には、出力部31からの出力光及びその反射光を透過させる開口部が形成されていても良い。
掌が出力部31の前方に配置され、且つ、吐出口236と掌との高低差DLが上記所定範囲のときには、出力部31からの出力光が掌(掌の側面)で反射して反射光となり、当該反射光が反射波検出部32により検出されるように、出力部31及び反射波検出部32の配置が設定されている。すなわち、出力部31及び反射波検出部32の高さ位置や、出力部31と反射波検出部32との距離などが設定されている。
一方、高低差DLが上記所定範囲から外れたときには、出力光の反射光が生じないために当該反射光が反射波検出部32により検出されないか、又は、反射光が反射波検出部32により検出されるに足る十分な強度の光とならないため当該反射光が反射波検出部32により検出されないようになっている。
本実施形態では、例えば、掌が出力部31の前方に配置され、且つ、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内であっても、出力部31と被吐出体Hとの水平距離(平面距離)が所定の距離範囲外であるときには、反射波検出部32が反射光を検出しないように、出力部31からの光の出力と、反射波検出部32による検出能力と、のうちの少なくともいずれか一方が設定(抑制)されている。
すなわち、高低差DLが上記所定範囲内であり、且つ、上記水平距離が上記所定の距離範囲内であるときには、出力光が掌にて反射して反射波検出部32により反射波として検出される一方で、高低差DLが上記所定範囲内であっても、上記水平距離が上記所定の距離範囲外であるときには、出力光が掌にて反射して反射波が反射波検出部32に達しても、当該反射波検出部32により反射光が有効に検出されないようになっている。ここで、反射光を有効に検出するとは、外乱光などのノイズと識別可能に反射光を検出することを意味する。
これにより、出力部31と被吐出体Hとの水平距離が所定の距離範囲外である場合、すなわち掌が出力部31から遠すぎる場合には、泡体BUが吐出されないため、より確実に、掌の上に泡体BUを吐出させることができる。
上記水平距離についての上記所定の距離範囲の上限は、例えば、10cmとすることができ、下限は、例えば1cmとすることができる。この場合、上記水平距離が10cmを超えている場合と、1cm未満である場合には、泡体BUが吐出されない。
好ましくは、上記水平距離についての上記所定の距離範囲の上限は、出力部31と吐出口236との水平距離(平面距離)と等しい距離に設定することができる。このようにすることにより、例えば、掌を出力部31の前方から水平方向に動かして徐々に出力部31に近づける際に、平面視において掌が吐出口236における出力部31側の端部に達した時点で、検出部30により掌が検出され、掌に泡体BUが吐出されるようにすることができる。また、平面視において吐出口236の領域を完全に覆うように平均的な大きさの掌を配置することによって、検出部30により掌が検出されるように、上記所定の距離範囲の上限と下限とが設定されていることが好ましい。
ここで、反射波検出部32は、例えば、検出した反射光の強度が予め定められた閾値よりも大きい場合には、上記水平距離が上記所定の距離範囲よりも小さいと判断するように構成することができ、このようにすることにより、上記水平距離が短すぎる場合に泡体BUが吐出されないようにすることができる。これにより、例えば、掌の中央に泡体BUが吐出されるようにすることができる。
なお、上記水平距離が短すぎる場合には出力部31からの出力光が反射波検出部32に入射しないようになっていることによって、上記水平距離が短すぎる場合に泡体BUが吐出されないようにしても良い。或いは、例えば、光電センサ以外の方式のセンサ(例えば静電容量センサ)を組み合わせて用いることにより、上記水平距離が短すぎることを検出できるようになっていても良い。
【0028】
ここで、上述のように、検出部30は、吐出口236の下方の空間に向けて超音波(音)を水平に出力する出力部31と、出力部31から出力された超音波の反射波を検出する反射波検出部32と、を有する構成であっても良い。
そして、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが所定範囲内であっても、出力部31と被吐出体Hとの水平距離が所定の距離範囲外であるときには、反射波検出部32が反射波を検出しないように、出力部31からの超音波の出力と、反射波検出部32による検出能力と、のうちの少なくともいずれか一方が設定されている構成とすることができる。例えば、検出部30に対する所定の設定操作により、出力部31の出力の調整(超音波の音圧の調整)と、反射波検出部32による検出能力の調整(ゲイン調整)とが可能となっている。
【0029】
図4に示すように、ディスペンサー100は、被吐出体Hの適正位置を示す標示部80を有している。
標示部80は、例えば、本体部61の外面(例えば前面、すなわち正面側を向く面)に付されている。標示部80は、印刷により付されていても良いし、刻設により付されていても良いし、標示部80の表示が付されたラベルの貼り付けにより付されていても良い。
一例として、標示部80は、検出部30(出力部31及び反射波検出部32)と対応する高さ位置において、水平に伸びる線とすることができ、例えば、正面視において検出部30と重なる位置に配置することができる。ただし、標示部80は、その他の形状又は配置の標示であっても良い。
標示部80は、本体部61の外面ではなく内部に配置されていても良く、この場合、標示部80が本体部61の外部から透視可能となっていれば良い。また、標示部80は、発光表示などであっても良い。
ユーザーは、標示部80の存在により、(掌などの被吐出体Hを位置合わせする対象である)検出部30に気づき易くなる。また、標示部80が水平に伸びる線であるため、掌を水平に伸びた形(姿勢)に誘導しやすくなる。
ユーザーが標示部80に対して掌を位置合わせすることにより、掌と吐出口236との高低差DLが容易に上記所定範囲に調整され、掌の上に泡体BUが吐出されて、目的形状の泡造形物FBが成形されるようになっている。なお、標示部80は、それ自体に掌を位置合わせすることにより掌が適正位置に調整されるような標示に限らず、標示部80による指示に従って掌を標示部80とは異なる位置に位置合わせすることにより、掌が適正位置に調整されるような標示であっても良い。標示部80は、掌の適正位置を説明する説明書きであっても良い。
また、
図4に示すように、ヘッド部62は、下方に向けて伸びる垂下部621を有しており、垂下部621の下面から吐出ノズル235が下方に突出している。
ここで、垂下部621は、下方に向けて先細に形成されている。これにより、ヘッド部62の斜め上方から標示部80を視認しやすくなっている。
また、更に、垂下部621が下方に向けて先細に形成されていることにより、ヘッド部62の斜め上方から吐出ノズル235を視認しやすくなる。このため、吐出口236の位置を認識し易くなるため、ユーザーが掌を吐出口236に対して容易に位置合わせすることができる。
なお、吐出ノズル235と垂下部621とが互いに異なる色となっていることが好ましく、このようにすることにより、吐出ノズル235を更に視認しやすくすることができる。
【0030】
図6に示すように、吐出ノズル235の吐出路235a及び吐出口236は、一例として、音符(八分音符)と対応する形状に形成されている。
これにより、
図7に示したように音符記号(八分音符)を模した目的形状の泡造形物FBを成形することが可能である。
なお、一例として、泡造形物FBの成形の際には、吐出ノズル235の下端或いはヘッド部62における吐出ノズル235の周囲の部分と、被吐出体Hとの間で、泡体BUが押しつぶされながら広がることにより、目的形状の泡造形物FBが成形される。この際、泡体BUは、後から吐出される泡体BUにより押されることにより変形する。この場合、泡体BUの吐出完了後に被吐出体Hを吐出口236の下方に離間させて、泡体BUを吐出口236から引き離すことにより、被吐出体H上に泡造形物FBを受け取ることができる。
ただし、泡造形物FBの成形の際には、泡体BUが、吐出ノズル235の下端或いはヘッド部62における吐出ノズル235の周囲の部分と被吐出体Hとの間で押しつぶされること無く、被吐出体H上に流下しても良い。
【0031】
次に、動作を説明する。
なお、以下に行う動作の説明は、本実施形態に係る泡造形物作成方法の説明を含む。この泡造形物作成方法は、液剤70を貯留する貯留部10と、液剤70を泡体として下方に吐出する吐出口236から泡体BUを吐出させる吐出機構20と、を備えるディスペンサー100から泡体BUを吐出して泡造形物FBを作成する方法であり、吐出口236と被吐出体Hとの高低差が上記所定範囲内となるように被吐出体Hを位置合わせすることにより、吐出口236から泡体BUを被吐出体Hに吐出させて、泡体BUを目的形状の泡造形物FBに成形する工程を含む。
ディスペンサー100の稼働中、出力部31は、随時、出力光を出力している。また、反射波検出部32は、反射光を検出すべく作動している。
ここで、省電力のため、出力部31は、間欠的に出力光を出力することが好ましく、反射波検出部32は、出力部31からの出力光の発光タイミングと同期して間欠的に反射光を検出することが好ましい。ユーザが被吐出体Hをかざしたときに即座に吐出対象物が吐出されるように、出力部31からの出力光の出力、並びに、反射波検出部32による反射光の検出は、1秒間に複数回ずつ行うことが好ましい。
そして、検出制御部33は、常時、反射光の有無(反射光が有効に検出されたか否か)を監視している。また、ディスペンサー100の稼働中、主制御部40は、常時、検出制御部33から送られる通知(吐出口236と掌との高低差DLが所定範囲内である旨の通知)の有無を監視している。
掌の上に泡造形物FBを形成するには、先ず、掌を吐出口236の下方に配置するとともに、掌を出力部31の前方に配置して高低差DLを上記所定範囲内に調節し、且つ、出力部31と掌との水平距離を上記所定の距離範囲内に調節する。
すると、高低差DLが上記所定範囲内となったことを検出部30が検出し、その旨が主制御部40に通知される。その通知を受けた主制御部40は、液体ポンプ21及び気体ポンプ22を制御することにより、吐出機構20の吐出口236から泡体BUを吐出させる。
これにより、掌の上に所定の目的形状の泡造形物FBを成形することができる。
その後、泡造形物FBが吐出ノズル235やヘッド部62と掌との間で押しつぶされないように、掌を下降させることにより、掌の上に成形された泡造形物FBをユーザーが視認可能な状態となる。
なお、上述のように、泡体BUの吐出完了時の吐出口236と被吐出体Hとの高低差が重要であるため、吐出動作中は、ユーザーが掌を一定位置に保持することが好ましい。また、吐出動作時には、掌を平らに開いた状態に維持し、掌の上面を略水平に保つことが好ましい。
【0032】
本実施形態では、検出部30の高さ位置は固定されていて、検出部30により被吐出体Hを横方向から検出するため、1つの検出部30によって、高低差DLが所定範囲内であることを簡単に検出することができる。
また、検出部30は、筐体60の本体部61に固定されており、泡体BUの吐出方向(下方)に対して横方向から光を照射し、且つ、その光の反射光を検出する。
そして、横方向から光を照射し、且つ、その光の反射光を検出する場合における指向性が高い検出部30を用いることにより、良好な検出精度を実現できる。すなわち、検出部30により被吐出体Hが検出されるような被吐出体Hの位置の範囲が狭い(検出領域が狭い)検出部30を用いることが好ましく、特に、高さ方向における検出領域が狭い検出部30を用いることが更に好ましい。例えば、出力部31及び反射波検出部32の双方が、箱状(あるいは筒状)の導波部(指向性向上部、進路規制部)を介して正面方向に向けて光を出力又は正面方向からの反射光を検出する構成とすることにより、正面方向への指向性が極めて良好な構成の検出部30を実現できる。
また、後述する他の実施形態で説明するように、仕切壁613(
図9)を出力部31と反射波検出部32との間に配置しても良い。
【0033】
以上のような第1の実施形態によれば、主制御部40は、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、吐出機構20を制御して吐出口236から吐出対象物を吐出させる。よって、吐出対象物を好ましい態様で吐出することが可能となる。
本実施形態では、主制御部40は、高低差DLが上記所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、吐出機構20を制御して吐出口236から泡体BUを吐出させるので、泡体BUを容易に所定の目的形状の泡造形物FBに成形することができる。
【0034】
〔第2の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第1の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、ディスペンサー100は、反射波の指向性と、出力部31から吐出口236の下方の空間に向かう光又は音の指向性(例えば光の指向性)と、のうちの少なくとも一方を高める指向性向上部を備えている。
ここで、指向性向上部とは、特定の方向から反射波検出部32に到来する光又は音を選択的に反射波検出部32により検出させるべく反射波の指向性を向上させるもの、又は、特定の方向に向かう光又は音を選択的に出力部31から吐出口236の下方の空間に向けて出力させるべく光又は音の指向性を向上させるものとの少なくともいずれか一方により構成されている。指向性向上部としては、例えば、反射波の進路と、出力部31から吐出口236の下方の空間に向かう光又は音の進路と、のうちの少なくとも一方を特定の進路に規制する進路規制部が挙げられる。
【0035】
本実施形態の場合、
図8に示すように、指向性向上部(進路規制部)は、例えば、反射波の光路上に配置された偏光フィルタ91を含み、反射波検出部32は、偏光フィルタ91を通過した反射波を検出する。
ここで、偏光フィルタ91は、互いに平行に配置された複数のスリットを有し、これらスリットが光を透過させる光透過部となっている一方で、スリットの非形成部位は光を遮る格子部となっている。このため、偏光フィルタ91は、スリットの長手方向に対して平行な光については、様々な方向の光を透過させるが、スリットの長手方向に対して交差する光路の光については、格子部によって遮られるか、又は部分的に遮られる。
反射波検出部32が偏光フィルタ91を通過した反射波を検出するため、外乱光を反射波として誤検出してしまう可能性が低減される。すなわち、反射波検出部32に向けてランダムな方向から到来する外乱光は反射波検出部32に到達しにくくすることができるため、外乱光を反射波として誤検出してしまう可能性が低減される。よって、検出部30による検出精度を向上することができる。
本実施形態のように反射波検出部32が水平方向に向けて配置されている場合、より多くの外乱光が反射波検出部32に入射しやすくなるが、偏光フィルタ91が配置されていることにより、反射波検出部32への外乱光の入射を抑制することができる。
また、偏光フィルタ91により反射光の一部がカットされるため、反射波検出部32に入射する光量が抑制される。このことにより、反射波検出部32による検出能力を抑制することができるため、反射波検出部32により反射光が有効に検出されるような掌と出力部31との水平距離を容易に短くすることができる。
偏光フィルタ91は、当該偏光フィルタ91のスリットが水平に延在するように配置されていることが好ましく、このようにすることによって、より水平に近い光路で反射波検出部32に到来する反射光を選択的に反射波検出部32により検出できるようになる。これにより、検出部30によって上記高低差DLをより高精度に検出することが可能となる。
【0036】
〔第3の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態または第2の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第1の実施形態または第2の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
図9は第3の実施形態に係るディスペンサー100の一部分を示す平断面図である。なお、
図9において、出力部31、反射波検出部32及び被吐出体H(掌)については、平面形状を示している。
図9に示すように、本実施形態の場合、指向性向上部は、反射波の進路と、出力部31から吐出口の下方の空間に向かう光又は音の進路(例えば光の進路)と、のうちの少なくとも一方を規制する進路規制部(例えば仕切壁613及び遮蔽膜614)を含む。
仕切壁613は、出力部31の配置領域と反射波検出部32の配置領域とを相互に仕切るものであり、例えば、本体部61の前面壁61aから後方に向けて延びていて、当該仕切壁613の壁面が鉛直に配置されている。
仕切壁613の表面には、例えば、光を遮蔽する遮蔽膜614が形成されている。遮蔽膜614は、例えば、黒色のマスキングテープであり、仕切壁613の表面に貼着されている。例えば、仕切壁613の一方の側面、後端面および他方の側面に亘って遮蔽膜614が設けられている。
これにより、出力部31からの出力光のうち、正面方向(前方)の光が選択的に前面壁61aを介して前方に向けて出力されるようにでき、また、反射波検出部32に向かう光のうち、反射波検出部32の正面方向(前方)からの光が選択的に反射波検出部32により受光されるようにできる。
よって、出力部31及び反射波検出部32の双方が、正面方向への指向性が高い構成の検出部30を実現できる。
このため、反射波検出部32による誤検出を抑制できる。すなわち、出力部31から反射波検出部32に対して直接的に光が入光してしまうことによる誤検出、出力部31からの出力光が前面壁61aの内面615で後方に向けて反射してその反射光が反射波検出部32に入光してしまうことによる誤検出、出力部31からの出力光が前面壁61aの外面616で後方に向けて反射してその反射光が反射波検出部32に入光してしまうことによる誤検出、及び、外乱光が反射波検出部32に入光してしまうことによる誤検出などを抑制することができる。
したがって、検出部30による検出精度が向上する。
【0037】
本体部61は、例えば、出力部31及び反射波検出部32の配置領域の両側方において前面壁61aから後方に伸びる一対の壁部611と、一対の壁部611の間に架け渡されている固定板612と、を備えている。
固定板612に対して、出力部31と反射波検出部32とがそれぞれ固定されている。
出力部31は、例えば、光の放射面を有する発光部311と、一対のリード312と、を含んで構成されている。発光部311は、固定板612の前面側に固定されており、一対のリード312は、固定板612に形成されている導出孔612aを介して、固定板612の後方側に導出されている。
反射波検出部32は、例えば、反射光の受光面を有する受光部321と、一対のリード322と、を含んで構成されている。発光部311は、固定板612の前面側に固定されており、一対のリード322は、固定板612に形成されている導出孔612bを介して、固定板612の後方側に導出されている。
仕切壁613は、発光部311と受光部321との間に配置されており、発光部311の配置領域と受光部321の配置領域とを相互に仕切っている。
【0038】
ここで、上述のように、検出部30は、吐出口236の下方の空間に向けて超音波(音)を水平に出力する出力部31と、出力部31から出力された超音波の反射波を検出する反射波検出部32と、を有する構成であっても良い。
この場合にも、上述した仕切壁613を備えることにより、出力部31及び反射波検出部32の双方が、正面方向への指向性が高い構成の検出部30を実現できる。なお、この場合は、遮蔽膜614は不要である。
【0039】
〔第4の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第1〜第3の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第1〜第3の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、検出部30は、被吐出体Hにおける複数点の位置をそれぞれ検出するように構成されている。
一例として、検出部30は、
図10に示すように、複数対(例えば2対)の出力部31及び反射波検出部32を備えている。
一方の出力部31(出力部31A)と一方の反射波検出部32(反射波検出部32A)とは、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置されている。
同様に、他方の出力部31(出力部31B)と他方の反射波検出部32(反射波検出部32B)とは、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置されている。
出力部31A及び反射波検出部32Bと、出力部31B及び反射波検出部32Bとは、互いに同等の高さ位置に配置され、且つ、水平方向において互いに離間して配置されている。
そして、一方の出力部31(出力部31A)から出力された光の反射光が反射波検出部32Aにより検出され、出力部31Bから出力された光の反射光が反射波検出部32Bにより検出されるようになっている。
本実施形態の場合、検出制御部33は、反射波検出部32Aと反射波検出部32Bとの双方によって同時に反射光が検出されたときに、高低差DLが所定範囲内である旨の通知を主制御部40に通知する。
このため、例えば、
図10に示すように掌が水平に配置されている場合には、泡体BUが吐出されるが、掌が傾いて配置されている場合には、泡体BUが吐出されないようにすることができる。つまり、目的形状の泡造形物FBを精度良く(好ましい形状に)形成できる条件においてのみ、泡体BUが吐出されるようにすることができる。
【0040】
〔第5の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第1〜第4の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第1〜第4の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、ディスペンサー100は、吐出機構20による吐出対象物の吐出動作中である旨を報知する報知部を備える。報知部の機能は、例えば、
図11及び
図12に示される報知出力部110と、この報知出力部110を制御する主制御部40とにより実現される。
主制御部40は、吐出機構20に対して吐出動作を指令するとともに、報知出力部110に対して報知動作を指令する。すると、報知出力部110は、予め定められた一定時間の間、報知動作を行う。
報知出力部110は、例えば、可視光を発光する発光部、可聴音を発音する発音部、又はそれらの両方を備える。したがって、ユーザーは、報知出力部110からの発光、又は発音の少なくとも一方により、吐出動作が行われていることを認識することができる。
報知出力部110による発光動作としては、一定時間の間、光を点滅させたり、点灯させたりする動作が挙げられる。
なお、発音部が発する音は、液体ポンプ21、気体ポンプ22等のアクチュエータの作動音と識別容易な音とすることが好ましい。
報知部による報知動作は、吐出動作の開始時から完了時まで継続的又は断続的に行われ、吐出動作の完了後は終了するようになっていることが好ましい。これにより、泡体BUの吐出が完了するまでユーザーが手の位置を保持することを促すことができるので、より確実に、所定の目的形状の泡造形物FBを成形することが可能となる。
報知出力部110は、例えば、
図11に示すように検出部30や標示部80の近傍位置に配置することができるが、その他の位置に配置されていても良い。
なお、吐出口236の下方などに被吐出体Hが配置されていないにもかかわらず、報知出力部110が報知動作を行う場合には、ディスペンサー100に不具合が生じていることが分かる。よって、報知出力部110による報知動作を故障の診断に利用することができる。
【0041】
〔第6の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第1〜第5の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第1〜第5の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
本実施形態の場合、吐出機構20は、液剤70を泡状にせず流動性の液状のまま吐出するように構成されている。
図13に示すように、本実施形態に係るディスペンサー100の吐出機構20は、液体ポンプ21、給液管21a及びノズルユニット23を備えている。
液体ポンプ21は、吸引管24を介して貯留部10から汲み上げた液剤70を、給液管21aを介してノズルユニット23に送液し、該ノズルユニット23から非泡状の液剤70のまま吐出させる。ノズルユニット23は、泡体BUを生成するための混合室231、前室232、メッシュ234及び吐出ノズル235を備えていない。
本実施形態の場合、上記所定範囲の高低差DLは、掌などの被吐出体Hに吐出された液剤70が被吐出体Hで跳ね返って飛び散ってしまう、いわゆる液はねが生じない程度に設定されている。
従って、被吐出体Hと吐出口236との高低差が所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、主制御部40が吐出機構20を制御して吐出口236から液剤70を吐出させることにより、液はねが生じてしまうことを抑制できる。
なお、上記所定範囲の高低差DLは、掌などの被吐出体Hが吐出ノズル235(吐出口236)やその周辺部位に接触してしまうことを抑制できる程度に設定されていることも好ましい。つまり、掌を吐出口236から一定以上遠ざけた状態でのみ液剤70が吐出されるようになっていることも好ましく、このようにすることにより、吐出ノズル235(吐出口236)やその周辺部位を清潔に維持することができる。
本実施形態によれば、主制御部40は、被吐出体Hと吐出口236との高低差DLが上記所定範囲内であることが検出部30により検出された場合に、吐出機構20を制御して吐出口236から液剤70を吐出させる。よって、吐出対象物を好ましい態様で吐出することが可能となる。
本実施形態では、例えば、液はねを抑制したり、掌などの被吐出体Hが吐出ノズル235(吐出口236)やその周辺部位に接触してしまうことを抑制したりすることができる。
【0042】
〔第7の実施形態〕
本実施形態に係るディスペンサー100は、以下に説明する点で、上記の第6の実施形態に係るディスペンサー100と相違し、その他の点では、第6の実施形態に係るディスペンサー100と同様に構成されている。
液剤70を泡状にせず流動性の液状のまま吐出する場合、液剤70が掌からこぼれてしまうことを抑制できるように、例えば、側面形状がV字またはU字となるように掌を曲げた状態で、液剤70の吐出を行うようにすることが好ましい。
そこで、本実施形態では、側面形状がV字またはU字となるように掌が曲げられたことが検出部30により検出された場合に、主制御部40が吐出機構20を制御して吐出口236から液剤70を吐出させる例を説明する。
このような動作を実現するため、本実施形態の場合、上記第4の実施形態と同様に、検出部30は、被吐出体Hにおける複数点の位置をそれぞれ検出するように構成されている。
更に、本実施形態では、検出部30が検出する、被吐出体Hにおける複数点には、高さ位置が互いに異なる複数点が含まれる。
一例として、
図14に示すように、検出部30は、3対以上(例えば3対)の出力部31及び反射波検出部32を備えている。
このうち第1の出力部31(出力部31A)と第1の反射波検出部32(反射波検出部32A)とは、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置されている。
同様に、第2の出力部31(出力部31B)と第2の反射波検出部32(反射波検出部32B)とは、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置されている。
同様に、第3の出力部31(出力部31C)と第3の反射波検出部32(反射波検出部32C)とは、互いに横並びに、且つ、互いに近接して配置されている。
そして、出力部31Aから出力された光の反射光が反射波検出部32Aにより検出され、出力部31Bから出力された光の反射光が反射波検出部32Bにより検出され、出力部31Cから出力された光の反射光が反射波検出部32Cにより検出されるようになっている。
本実施形態の場合、検出制御部33は、反射波検出部32A、反射波検出部32B及び反射波検出部32Cの3つの反射波検出部32が同時に反射光を検出したときに、高低差DLが所定範囲内である旨の通知を主制御部40に通知する。
ここで、出力部31A及び反射波検出部32Aと、出力部31C及び反射波検出部32Cとは、互いに同等の高さ位置に配置されている。ただし、中央に配置された出力部31B及び反射波検出部32Bは、出力部31A、反射波検出部32A、出力部31C及び反射波検出部32Cよりも下方に配置されている。
このため、
図14に示すように掌がV字またはU字となることにより、各反射波検出部32A〜32Cによって同時に反射光を検出できる。
よって、
図14に示すように掌がV字またはU字となっている場合には液剤70が吐出されるが、掌がその他の形状、姿勢となっている場合には液剤70が吐出されないようにすることができる。よって、液剤70が掌からこぼれてしまうことを抑制できるとともに、液はねが生じてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0043】
なお、上記の第7の実施形態では、側面形状がV字またはU字となるように掌が曲げられたことが検出部30により検出された場合に、吐出口236から液剤70を吐出させる例を説明したが、第7の実施形態で説明したような検出部30の構成は、以下に説明するようにして、泡体BUを吐出するディスペンサー100に応用することができる。
すなわち、ディスペンサー100は、掌がU字ないしはV字になっているときには、掌をまっすぐに直すことを促す報知(例えば、表示報知、又は音声報知)を行うように構成されていても良い。例えば、3つの反射波検出部32A、32B、32Cのうち、下方に位置する反射波検出部32Bだけが反射光を検出した場合には、もう少し掌を上昇させることを促す報知を行うことが挙げられる。
【0044】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、出力部31から光をパルス光として出力し、反射波検出部32は、受光した光と出力部31から出力したパルス光とが一致しているか否かを判定し、一致している場合に、受光した光を反射波として扱うようにしても良い。このように、出力光を特定の周期のパルス光とすることによって、外乱光と反射光との識別が容易となるため、ディスペンサー100の誤動作を更に抑制することができる。
よって、上記のように、出力部31からの光の出力と、反射波検出部32による検出能力と、のうちの少なくともいずれか一方が抑制されていても、検出部30によって掌を好適に検出することができる。
例えば、検出制御部33は、出力部31からパルス光を出力しているときに反射波検出部32により検出される光と、出力部31からパルス光を出力していないときに反射波検出部32により検出される光と、の差分(差分信号)を抽出し、当該差分信号がパルス光と相関のあるものであるか否かを判定し、相関があれば、被吐出体Hを検出したものとして、その旨を主制御部40に通知する。このようにすることにより、外乱光と反射光との識別が更に容易になる。
また、上述した検出制御部33の機能の少なくとも一部の機能を主制御部40が担うようになっていても良い。或いは、1つのCPUによって、検出制御部33及び主制御部40の動作を実現するためのプログラムを実行するようになっていても良い。
また、出力部31からの出力光を、一定周期の単なるパルス光ではなく、所定の信号が重畳されたパルス光とすることによって、より一層、外乱光と反射光との識別が容易となる。
また、上記の第1〜第5の実施形態では、一塊の泡造形物FBを吐出成形することを例示したが、本発明はこれに限られない。複数の塊部分を有する泡造形物FBを吐出成形する場合には、それぞれの塊部分に対応する複数の吐出部を有する吐出口とすればよい。
また、上記においては、液体送出アクチュエータ及び気体送出アクチュエータがそれぞれポンプ(液体ポンプ21、気体ポンプ22)である例を説明したが、液体送出アクチュエータ及び気体送出アクチュエータは、モータであっても良い。
また、液剤70は、予め気体と混合して加圧状態で貯留部10に貯留されていても良い。この場合、吐出機構20が液剤70を吐出時に大気圧に解放させることにより、液剤70が泡状に変化する。また、ボンベ等に貯留された高圧ガスなどを用いて液剤70(及び泡体BU)を吐出するようにしても良い。
その他、互いに相反しない限りにおいて、上記各実施形態の相互間で、構成要素を組み合わせることができる。
【0045】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
<1>吐出対象物を貯留する貯留部と、前記吐出対象物を下方に吐出する吐出口から前記吐出対象物を吐出させる吐出機構と、前記吐出口と、前記吐出口から吐出された前記吐出対象物を受け取る被吐出体と、の高低差が所定範囲内であるか否かを検出する検出部と、前記吐出機構を制御する吐出制御部と、を備え、前記吐出制御部は、前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内であることが前記検出部により検出された場合に、前記吐出機構を制御して前記吐出口から前記吐出対象物を吐出させるディスペンサー。
<2>前記検出部は、前記吐出口の下方の空間に向けて光又は音を水平に出力する出力部と、前記出力部から出力された前記光又は前記音の反射波を検出する反射波検出部と、を有する<1>に記載のディスペンサー。
<3>前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内であっても、前記出力部と前記被吐出体との水平距離が所定の距離範囲外であるときには、前記反射波検出部が前記反射波を検出しないように、前記出力部からの前記光又は前記音の出力と、前記反射波検出部による検出能力と、のうちの少なくともいずれか一方が設定されている<2>に記載のディスペンサー。
<4>前記反射波の指向性と、前記出力部から前記吐出口の下方の空間に向かう前記光又は前記音の指向性と、のうちの少なくとも一方を高める指向性向上部を更に備えている<2>又は<3>に記載のディスペンサー。
<5>前記出力部は前記光を出力するものであり、前記指向性向上部は、前記反射波の光路上に配置された偏光フィルタを含み、前記反射波検出部は、前記偏光フィルタを通過した前記反射波を検出する<4>に記載のディスペンサー。
<6>前記出力部は前記光をパルス光として出力するものであり、前記反射波検出部は、受光した光と前記パルス光とが一致しているか否かを判定し、一致している場合に、受光した光を前記反射波として扱う<2>から<5>のいずれか一項に記載のディスペンサー。
<7>前記検出部は、前記被吐出体における複数点の位置をそれぞれ検出するように構成されている<1>から<6>のいずれか一項に記載のディスペンサー。
<8>前記被吐出体における前記複数点には、高さ位置が互いに異なる複数点が含まれる<7>に記載のディスペンサー。
<9>前記被吐出体の適正位置を示す標示部を有する<1>から<8>のいずれか一項に記載のディスペンサー。
<10>前記吐出機構及び前記吐出口は、前記吐出対象物である液剤を泡体として吐出するように構成されているとともに、前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内となっている状態で前記被吐出体に対して前記泡体が吐出された場合に、前記泡体が目的形状に成形されるように構成されている<1>から<9>のいずれか一項に記載のディスペンサー。
<11>液剤を貯留する貯留部と、前記液剤を泡体として下方に吐出する吐出口から前記泡体を吐出させる吐出機構と、を備えるディスペンサーから前記泡体を吐出して泡造形物を作成する方法であって、前記吐出機構は、前記吐出口と、前記吐出口から吐出された前記泡体を受け取る被吐出体と、の高低差が所定範囲内に調節された状態で前記被吐出体に対して前記泡体が吐出された場合に、前記泡体が目的形状に成形されるように構成され、前記ディスペンサーは、前記吐出口と前記被吐出体との高低差が前記所定範囲内であるか否かを検出する検出部と、前記被吐出体と前記吐出口との高低差が前記所定範囲内であることが前記検出部により検出された場合に、前記吐出機構を制御して前記吐出口から前記泡体を吐出させる吐出制御部と、を更に備え、当該方法は、前記吐出口と前記被吐出体との高低差が前記所定範囲内となるように前記被吐出体を位置合わせすることにより、前記吐出口から前記泡体を前記被吐出体に吐出させて、前記泡体を前記目的形状の泡造形物に成形する工程を含む泡造形物作成方法。
<12>前記出力部は、所定の信号が重畳された前記パルス光を出力する上記いずれかのディスペンサー。
<13>前記吐出機構による前記吐出対象物の吐出動作中である旨を報知する報知部を備える上記いずれかのディスペンサー。
<14>前記貯留部に貯留された前記吐出対象物を備える上記いずれかのディスペンサー。