(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486260
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】浸水対策機能付きポンプ設備
(51)【国際特許分類】
F04D 29/08 20060101AFI20190311BHJP
F04D 29/60 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
F04D29/08 A
F04D29/60 B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-227062(P2015-227062)
(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公開番号】特開2017-96122(P2017-96122A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000168193
【氏名又は名称】株式会社ミゾタ
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100106770
【弁理士】
【氏名又は名称】円城寺 貞夫
(72)【発明者】
【氏名】前田 高広
(72)【発明者】
【氏名】迫間 淳一
【審査官】
井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4105511(JP,B2)
【文献】
特開2000−120597(JP,A)
【文献】
実開平06−076691(JP,U)
【文献】
特開2014−040860(JP,A)
【文献】
特開2004−324482(JP,A)
【文献】
実開昭53−046003(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0098793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/08
F04D 29/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ井(3)上部に設置されたポンプ室の床面(2)に設けられるポンプ設備において、
上面(8a)が前記ポンプ室の床面(2)に張り出し、内周面(8b)をポンプ井取り付け穴に表出させ、前記床面(2)を構成する基体に埋設させたポンプベース(8)と、
前記ポンプ設備のポンプ(1)の吊下管(4)のつば部(5a,4b)に水密状態を保持して固定され、前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)との間に対向して設けられる分割形状の支持部材(6)と、
前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)に対向する前記支持部材(6)の外周の溝(6c)に設けられ、前記ポンプ井(3)から前記ポンプ室への浸水防止のため、前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)に接して水密状態を保持する弾性体(9)と、
前記支持部材(6)の内径側には、前記つば部(5a,4b)との間にシール部材(10)を設け、前記支持部材(6)と前記つば部(5a,4b)とが固定されている
ことを特徴とする浸水対策機能付きポンプ設備。
【請求項2】
請求項1に記載された浸水対策機能付きポンプ設備において、
前記弾性体(9)は、ゴム体であることを特徴とする浸水対策機能付きポンプ設備。
【請求項3】
請求項1に記載された浸水対策機能付きポンプ設備において、
前記弾性体(9)は、1個以上で構成されていることを特徴とする浸水対策機能付きポンプ設備。
【請求項4】
請求項1に記載された浸水対策機能付きポンプ設備において、
前記支持部材(6)は、1個以上の前記弾性体(9)を有することを特徴とする浸水対策機能付きポンプ設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸水対策機能付きポンプ設備に関する。更に詳しくは、ポンプ室にポンプ井の水が浸入するのを防止する対策を施したポンプ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ井からポンプを介して水を吸い上げ外部へ供給又は排出する設備において、ポンプはポンプ小屋等の床面に設置される。床面下のポンプ井、或いは水槽にポンプの一部を浸水させ汲み上げている。このポンプ設備において通常は問題なく稼動しているが、ポンプを設置した後、不等沈下等によって小屋等の構造物が傾斜すると、ポンプ設備も傾き歪んでしまう。このためポンプ設備が歪み、それに伴いポンプも傾斜してしまうトラブルが生じていた。
図9、
図10は従来の構成であるが、
図9は通常の状態で設置された直後の状態を示す部分図である。ポンプ50は、ポンプ吊下管51を介してポンプ室の床面52に取り付けられて、下部がポンプ井Aに浸っている。床面52を構成する基体は通常コンクリートで施工されている。
【0003】
その床面52にはソールプレート(以下、「ポンプベース」ともいう。)53が埋設されていて、その上面53aがポンプ吊下管51のフランジ51aの下面に相対し、ボルト等でフランジ51aがソールプレート53に固定されている。ソールプレート53の上面53aに、ループ状に溝53bが設けられていて、水密ゴム54が挿入されている。これらの構造により、ポンプ井Aの水がポンプ井Aから床面52に漏れて浸水することはない。
【0004】
図10は、不等沈下等でポンプ設備に歪が生じた場合の状態を示した部分図である。
図10に示す場合は、ポンプ設備の歪により床面52が傾斜し、ポンプの位置が相対的にずれてしまっていることを示している。即ち、ポンプ設備が傾斜すると、ポンプ軸が床面に対し角度ずれを起こし傾斜してしまっているのである。このためポンプ吊下管51のフランジ51aの下面と、ソールプレート53の上面53aとの間に隙間を持たせ、ポンプ軸を元の姿勢に戻すための修正施工を施さねばならない。
【0005】
従来は、ポンプの姿勢修正のために、この隙間に板状のテーパライナー55を差し込み修正施工したものが、水密ゴム54の弾性範囲を超えてしまったときには浸水を生じさせてしまうことになる。この方法を改善することも行われている。その例として浸水の防止を目的に、水密ゴムをソールプレートの側壁に当接させて、浸水を防止させる技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは不等沈下等があっても浸水しない状態を維持し、ポンプの姿勢修正の施工が行えるとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4105511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
不等沈下等でポンプ設備が傾斜すると、当然のことながらポンプ自体を含めポンプ室も傾斜する。このような傾斜が生じると、ポンプは傾斜し軸心がずれトラブルのもとになるので、姿勢の修正が必要となる。従来はこれを解消するのに前述したように、修正過程で生じたポンプ室の床面とポンプのフランジ面との間の隙間に、テーパライナーを挿入してポンプの姿勢を元の状態に保持するようにしていた。
【0008】
従来の構成は、ポンプ室の床面との間はゴム体を介して水密性を保持している。この構成はポンプのフランジ面がソールプレートの上面に相対して浮き上がる状態となり、ゴム体の弾性許容範囲を超えてしまうと、水密性が保持できなくなることが生じていた。これにより、ポンプ井の水がポンプ室に浸水してしまうトラブルが生じていた。これを解決する一つの提案として、例えば、水槽に通じるポンプ据付穴に設けられたベースの内周面との間に、保持具の弾性リングを配設する構成のものが知られている。これによればポンプ据付後の不等沈下等によって構造物が傾いても、ポンプ据付穴での水密性を保ったまま、ポンプの姿勢を修正できるとするものである(前述の特許文献1参照)。
【0009】
しかし、この構成はメンテナンスに問題を有していて、水密構成にトラブルが発生すると、例えばゴム体の劣化に伴うゴム体の交換、点検等の場合には、これら関連部材の取り外し、取り付けが必要になる。このために多くの施工工数を要し、構造によっては設備の分解が必要になるおそれがある。本発明はこのような従来の問題点を解決するために創案されたもので、次の目的を達成する。
【0010】
本発明の目的は、ポンプ据付後において、不等沈下等が生じても、水密状態を維持したままポンプの姿勢を調整し修正することができる浸水対策機能付きポンプ設備を提供することにある。
本発明の他の目的は、不等沈下等に関わらずメンテナンスの容易な構成にした浸水対策機能付きポンプ設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の浸水対策機能付きポンプ設備は、ポンプ井(3)上部に設置されたポンプ室の床面(2)に設けられるポンプ設備において、上面(8a)が前記ポンプ室の床面(2)に張り出し、内周面(8b)をポンプ井取り付け穴に表出させ、前記床面(2)を構成する基体に埋設させたポンプベース(8)と、前記ポンプ設備のポンプ(1)の吊下管(4)のつば部(5a,4b)に水密状態を保持して固定され、前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)との間に対向して設けられる分割形状の支持部材(6)と、前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)に対向する前記支持部材(6)の外周の溝(6c)に設けられ、前記ポンプ井(3)から前記ポンプ室への浸水防止のため、前記ポンプベース(8)の前記内周面(8b)に接して水密状態を保持する弾性体(9)と、前記支持部材(6)の内径側には、前記つば部(5a,4b)との間にシール部材(10)を設け
、前記支持部材(6)と前記つば部(5a,4b)とが固定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明2の浸水対策機能付きポンプ設備は、本発明1において、前記弾性体(9)は、ゴム体であることを特徴とする。
本発明3の浸水対策機能付きポンプ設備は、本発明1において、前記弾性体(9)は、1個以上で構成されていることを特徴とする。
本発明4の浸水対策機能付きポンプ設備は、本発明1において、前記支持部材(6)は、1個以上の前記弾性体(9)を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、ポンプ室にポンプ井の水が浸水するのを防止する機能を付加したので、ポンプ設置後に不等沈下等でポンプ設備が傾斜しても、ポンプの姿勢をポンプの水密性を維持したまま正常な位置に修正することができ、従来どおりテーパライナーの差込みでその状態を保持できるようにした。更に、メンテナンスの場合には、ポンプ設備の一部のみを取り外し、取り付けることで弾性体交換、点検等が容易に行える構成となった。即ち、不等沈下等が発生した場合如何に関わらず、ポンプの姿勢修正と同時にポンプ構成の点検等も短い施工工数で容易に行える構成となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の構成の部分図で、正規のポンプ設置直後の状態を示す。
【
図2】
図2は、
図1のS部の詳細部分図で、ゴム体が1列の場合を示す。
【
図3】
図3は、
図1のS部の詳細部分図で、ゴム体が2列の場合を示す。
【
図4】
図4は、水密ゴム保持体の分割構成を示す平面図である。
【
図5】
図5は、水密ゴム保持体の合体構成を示す平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の構成の部分図で、ポンプの姿勢を修正した状態を示す。
【
図7】
図7は、他の実施の形態の構成の部分図で、正規のポンプ設置直後の状態を示す。
【
図8】
図8は、他の実施の形態の構成の部分図で、ポンプの姿勢を修正した状態を示す。
【
図9】
図9は、従来の構成の部分図で、正規のポンプ設置直後の状態を示す。
【
図10】
図10は、従来の構成の部分図で、ポンプの姿勢を修正した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示し、立軸を有するポンプ1をポンプ室の床面2に備えた状態の部分断面図である。
図1に示すように、ポンプ1は、水槽に相当するポンプ井3内に挿入されている。ポンプ1の一部は、床面2から上方に張り出し図示しない構造物に連結されている。床面2に対するポンプ1の取り付け部は、ポンプ1の中間部に設けられたポンプ吊下管4に設けられ、このポンプ吊下管4は上端部にフランジ4aを有する形状をなしている。
【0016】
又、このポンプ吊下管4は、下端部につば部4bを有し、このつば部4bを介して、中間軸受け支え5のつば部5aと相対して接合された構成となっている。中間軸受け支え5のつば部5aに、本発明の主要部をなす水密ゴム保持体6がボルトで固定されている(図示せず)。一方、床面2を構成するコンクリート床体7には、ポンプ井3の穴部側の壁面7aにソールプレート8が埋設されている。
【0017】
このソールプレート8は、断面形状がコ字状の環状の円筒体で、この上面8aが床面2と同一平面で露出し、内径部に当たる内周面8bは表面部が穴側に露出した状態で埋設し、コンクリート床体7と一体化している。このソールプレート8の内周面8bと対向する位置に、水密ゴム保持体6が対峙している。水密ゴム保持体6は2つ割の分割構成の支持部材となっている。この水密ゴム保持体6の外周には溝6c(
図4参照)が刻設されていて、ゴム体9が嵌め込まれている。
【0018】
このゴム体9は、水密性を確保するためのものである。この構成は
図1のS部の詳細図である
図2に、その詳細を部分図として示している。この構成ではゴム体9を1列構成としているが、同様の
図3に示すように2列構成であってもよい。水密性を確保するためにポンプのつば部5aへの固定部もその処置がなされていて、本例では同様構成で、水密ゴム保持体6の内径側に刻設された溝6d(
図4参照)にゴム体10を保持させ、つば部5aの外周に接触させシールする構成としている。
【0019】
このつば部5aの水密性を確保するためには、ゴム体10以外の方法であってもよい。この部位は固定部分であるので、不等沈下等が発生しても、つば部5aと水密ゴム保持体6との間で位置ずれを起こすことはない。従って、使用後固化するゲル状のシール材、或いはシート状の弾性体等の水密性を保持する部材を塗布、或いは部材を挟み固定してもよい。又、本例では水密ゴム保持体6を、中間軸受け支え5のつば部5aにボルトで固定するものであるが、水密ゴム保持体6をポンプ吊下管4のつば部4b側に固定した構成であってもよい。
【0020】
次に、2つ割構成にした水密ゴム保持体6について説明する。
図4、
図5は水密ゴム保持体6の単体構成を示す平面図である。分割されている各々の水密ゴム保持体6a,6bは、図に示すように均等に2つ割としたものである。各々の水密ゴム保持体6a,6bには、前述したように外周にゴム体9を挿入するための溝6cが刻設されている。又内径側にはゴム体10の挿入のための溝6dが刻設されている。
【0021】
更に内径側には、この水密ゴム保持体6を中間軸受け支え5のつば部5aに固定するためのボルト穴6eが設けられている。これに使用されるボルトは、ポンプ吊下管4のつば部4bを含めて連通し締結されている(図示せず)。
図4は各々の水密ゴム保持体6a,6bが分離した構成で示しているが、
図5はポンプ1に取り付けた場合の合体構成を示している。この場合の各々の水密ゴム保持体6a,6bは、端部の繋ぎ部を相対させ結合部材11を介しボルトで固定する。この結合部材11は、止水板であり間にゴムパッキンを挟んだ構成となっている。
【0022】
結合部材11にはボルト穴11aが設けられ、各々の水密ゴム保持体6a,6bにはねじ穴6fが設けられている。この合体のときにはゴム体9も溝に挿入し離脱しないようにする。本例で使用するゴム体9は、リング状のものではなく紐状のものである。合体した場合にリング状の形状になるように寸法管理がなされ繋がれる。ゴム体9の繋ぎ部は、結合部材11とともに固定され水密を保持できるようにシールされる。これはゴム体10についても同様な構成となる。
【0023】
次に、不等沈下等により、ポンプ設備が傾斜した場合のポンプの姿勢を修正する方法について
図6をもとに説明する。不等沈下等が生じた場合は、ポンプ設備自体が傾斜しそれに伴いポンプ1も傾斜してしまう。傾斜したまま長時間ポンプ1を稼動させるとトラブルになるので、ポンプ1のみを元の状態の姿勢に修正する必要がある。本発明の場合は、ポンプ吊下管4のフランジ4aをソールプレート8の上面8aから離間させ、ポンプ1を元の姿勢に修正する過程で、この隙間にテーパライナー12を差し込むようにしてその姿勢を保持するようにした。この方法自体は従来と同様であるが、水密ゴム保持体6はソールプレート8の内周面8bに対して若干位置ずれを起こしている。
【0024】
しかし、本構成によれば、この姿勢修正に伴う位置ずれは、ゴム体9の弾性変形の許容範囲以内であり、この修正時の位置ずれが水密効果に悪影響を及ぼすことはない。浸水は水密ゴム保持体6の下部にとどまる構成であり、ポンプ室への浸水を防止する水密状態は確保されているのである。このように水密状態を維持しながらポンプ1の姿勢を修正できるようになっている。
【0025】
又、このポンプ1位置の修正の際に、ポンプ設備点検を容易に行うこともできる。この場合は、例えばゴム体9の劣化等による交換施工が伴う場合に適用されるが、ポンプ1上部の設備の一部を取り外すのみで、ポンプ吊下管4以下のポンプ1本体をポンプ室上部に引き上げることができる。これにより、水密ゴム保持体6部分を点検位置まで引き上げてポンプ1を分解することなく、この状態で水密ゴム保持体6の2つ割部材の固定を解除して、ポンプ1本体から取り外すことができる。点検あるいは部品交換が完了した後、このままの状態で再取り付けし、ポンプを再びポンプ井へ挿入すればよい。
【0026】
ポンプ設備全体の解体等の工事は行わなくてよい。水密ゴム保持体6が仮にリング状部材であると、その取り付け取り外しはポンプ1の形状に制約を受けることになる。メンテナンスの場合には、ポンプ設備の解体に結びつくおそれがある。しかし本発明の場合は、ポンプ1の形状に関わらず、前述した構成によるので、メンテナンスはポンプ1本体を全く解体することなく、水密ゴム保持体6の分割により容易に行うことができる。
【0027】
以上分割構成による水密構成について説明したが、次に他の実施の形態を説明する。
図7、
図8は分割された水密ゴム保持体20を、ポンプ吊下管4のフランジ4aに固定した場合の部分図である。2つのゴム体21をソールプレート8の内周面8bに当接させた構成としている。不等沈下等の場合の歪修正は、前述したものと同様である。水密ゴム保持体20は、上面をポンプ吊下管4のフランジ4aにボルトで固定する。
【0028】
水密ゴム保持体20のボルト締結は、ソールプレート8の上面に対するポンプ吊下管4のフランジ4aとの共締めでもよく、又別に締結する方法でもよい。更に、分割されている水密ゴム保持体20a,20bの合体については、前述の構成に準じる。合体したときに水密状態を維持できるようにすることはいうまでもない。この水密ゴム保持体20とポンプ吊下管4のフランジ4aの間にシール部材22を挟み固定する。
【0029】
これにより、フランジ4aと水密ゴム保持体20との間の水密状態は確保される。
図8は、不等沈下等が生じてポンプ1の姿勢を修正した場合の構成であるが、前述したものと同様に、ポンプ1位置を修正する過程の隙間に、テーパライナー23を差し込んだ状態を示している。テーパライナー23は、水密ゴム保持体20とソールプレート8との間に差し込まれる。ゴム体21の弾性変形は、前述したものと同様に、ゴム体21の弾性変形の許容範囲以内であり、水密状態は保持される。
【0030】
以上、水密ゴム保持体とゴム体について説明したが、この説明内容に限定されることはない。例えば、1つの溝に2個以上、又はらせん状2列以上にゴム体を配置してもよい。この構成によれば、2列以上のゴム体が相互に圧接状態となり、水密性が増す効果がある。又、ゴム体の断面形状は、円形が一般的であるが他の断面形状であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…ポンプ
2…床面
3…ポンプ井
4…ポンプ吊下管
5…中間軸受け支え
6,20…水密ゴム保持体
7…コンクリート床体
8…ソールプレート(ポンプベース)
9,21…ゴム体
10,22…水密部材
11…結合部材
12…テーパライナー