特許第6486275号(P6486275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローバス メディカル インコーポレイティッドの特許一覧

特許6486275脊柱変形を治療するための装置および方法
<>
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000002
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000003
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000004
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000005
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000006
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000007
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000008
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000009
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000010
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000011
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000012
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000013
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000014
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000015
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000016
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000017
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000018
  • 特許6486275-脊柱変形を治療するための装置および方法 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486275
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】脊柱変形を治療するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
   A61B17/70
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-534785(P2015-534785)
(86)(22)【出願日】2013年9月28日
(65)【公表番号】特表2015-531279(P2015-531279A)
(43)【公表日】2015年11月2日
(86)【国際出願番号】US2013062502
(87)【国際公開番号】WO2014052944
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年6月30日
(31)【優先権主張番号】61/744,525
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/039,660
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン,ジェフリー デイヴィッド
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0058371(KR,A)
【文献】 特表2011−517594(JP,A)
【文献】 特表2008−534050(JP,A)
【文献】 特表2007−516808(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/018470(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/013623(WO,A2)
【文献】 国際公開第1993/007823(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/146982(WO,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第2781359(FR,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0149019(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0047282(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0248077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎システムであって、
椎骨に取り付けられる第1の椎弓根スクリューと、
前記椎骨に取り付けられ、前記第1の椎弓根スクリューに対して横方向に配置される第2の椎弓根スクリューと、
前記椎骨を横切って前記第1の椎弓根スクリューおよび前記第2の椎弓根スクリューに取り付けられる細長棒と、
前記第1の椎弓根スクリューおよび前記第2の椎弓根スクリューの間において、クランプ及び留め具によって前記細長棒と係合するテザーと、
前記細長棒をその中に受け取るための前記クランプであって、前記細長棒を受け取るための第一開口部、および前記テザーの第一の部分を受け取るための前記第一開口部を横切る第二開口部を備える前記クランプと、
前記クランプの前記第一開口部で受け取られる前記留め具と、
腸骨の一部上に配置されるボーリング孔を有するアンカーであって、前記ボーリング孔が前記テザーの第二部分を受け取るアンカーと、
を備え、
前記細長棒は前記テザーと前記留め具との間に配置され、
前記留め具が前記第一開口部内へと作動されると、前記第一開口部に配置される前記細長棒が前記第二開口部に配置される前記テザーへ接触および加圧し、前記留め具が前記クランプ内で前記細長棒および前記テザーを確実にロックする、脊椎システム。
【請求項2】
前記クランプが、前記第1の椎弓根スクリューおよび前記第2の椎弓根スクリューの間の前記細長棒上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記クランプが、前記留め具を締める前に前記細長棒上で側方に動かされ得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記留め具が、止めネジである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記留め具が締められると、前記留め具は、前記テザーおよび前記細長棒の両方を前記クランプ内で確実にロックするために前記テザーに対して力を印加する前記細長棒に対して力を印加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アンカーが、前記腸骨に係合するためのネジ山を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記テザーの前記第二部分が、前記アンカーの前記ボーリング孔を通過して留め輪に結合する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第二開口部が、スロットの形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記テザーが、前記スロットを複数回通過する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記テザーが、前記アンカーにて輪を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記テザーがケーブルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記テザーが弾性のあるバンドである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記テザーが織物で構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記テザーがポリマーで構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、脊柱変形を治療するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
この特許出願は、その全体が本明細書に組み込まれる2012年9月28日に出願された米国仮出願第61/744,525号に対する優先権を主張する非仮出願である。
【0003】
脊柱側弯症は、冠状面における脊椎の異常湾曲を特徴とする脊柱変形である。思春期特発性側弯症(AIS)は、そうでなければ健康な患者において思春期に発症し、一般的には骨格成熟の開始時に止まる、最もよく見られるタイプの脊柱側弯症である。この疾患の原因は、現在のところ不明である。
【0004】
現在の脊柱側弯症の外科的治療は、脊柱の操作および脊椎の一部を固定するための矯正装置の取り付けを必然的に含む。一つのかかるシステムである、コトレル・デュボセシステムは、硬質金属棒を脊椎に取り付けて活用する。棒は、異常湾曲および脊柱の回転を減少させる試みにおいて外科手術中に操作される。患者の神経症状のリスクを伴う大きな負荷が、矯正のために脊椎に対してかかる。これらの外科手術からの回復は、長期にわたり痛みを伴い得る。また、正常な脊椎前湾症および脊椎後湾症が修復されない場合は、慢性疼痛を引き起こす「フラットバック症候群」と呼ばれる症状が起こる可能性がある。成功した外科手術でさえ、結果として正常な脊椎湾曲をもたらすことはまれであり、患者は運動不能な脊椎部分を持ち続ける。固定領域の上下の椎間板は、それらへの力学的要求が増加することに起因する将来的な変性の危険にさらされる。
【0005】
それゆえ、既存技術の方法および装置に欠陥があるということが明白である。ほとんどの既存技術の装置は、脊柱の負荷経路の一部である。例えば、コトレル・デュボセシステムは、硬い金属棒を脊椎に堅く取り付けることが理解される。二つの概ね平行な支持部材を有する構造は、負荷の分布について、主に二つの部材のより硬い方に依存する。それゆえ、装着された脊椎にかかる負荷は、脊椎の代わりに挿入物を通して伝達される。脊柱負荷は、非常に大きくなり得、挿入物はかかる負荷を無期限に支えないだろう。固定が遅れたら、挿入物の疲労破損が起きるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、脊柱変形を矯正するための、新しくより優れたシステムを提供するという、取り組まれていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、既存技術の方法および装置に対して大幅な改善を提示する、脊柱変形を処置するための方法および装置を記載する。一般的に言えば、本発明は、脊椎湾曲を矯正または維持のいずれかのために腸骨と脊椎との間の距離を確保するために使用される。記載された目的を達成する本発明の多くの実施形態が存在し、そのいくつかを以下の概要において提示する。
【0008】
本発明の一実施形態では、少なくとも一つの可動性テザーを組み込む少なくとも一つの装置を、脊椎と骨盤との間に取り付ける。可動性テザーを脊椎および腸骨へ取り付けることは、係留手段の挿入、次いでテザーを係留手段に取り付けることを必然的に含む。例えば、少なくとも一つの骨ネジ、椎弓根スクリュー、カニューレ骨ネジ、クランプ、プレート、骨アンカー、またはシャックルが、腸骨の一部に少なくとも一つの椎骨と交互に係留され得、可動性テザーは両方に取り付けられ得る。取り付けの他の手段は当業者には明らかであるだろう。あるいは、素材の輪が骨構造(例えば、棘突起、横突起、椎弓板または骨部(pars))または可動性テザーが通過する骨構造を通る孔の周囲に置かれてもよい。
【0009】
本発明は、脊柱の操作し、テザーを腸骨の一部および脊柱の一部に固定することによって変形を矯正すること、経時的に腸骨と椎骨との間のテザーの有効長を矯正することにより変形を矯正する能力、およびテザーが脊柱と腸骨との間の有効長の維持することを可能にすることによって、脊椎の自然成長による変形の矯正を可能にすることに留意されたい。
【0010】
脊椎と腸骨との間の距離の調整は、テザーが係留手段に取り付けられる位置を変動させることによって達成される。テザーは、調整工程の間は長さを変えないが、ウエスト周りのベルトを調節するように、取り付け点間の距離は変える。脊椎構造に固有の粘弾性を利用して、湾曲は長い期間をかけて少しずつ矯正を増すことによって徐々に矯正されてよく、これは元々の切開が再開されるか、または元々の切開の隣に新しい切開を造り、取り付け手段が係合を解除し、次いでテザーに沿って異なる位置で再係合されることによる。あるいは患者の成長が矯正を達成するために使用されてよい。
【0011】
あるいは、テザーは多数のテザーに枝分かれして、脊椎および/または腸骨への複数の取り付け部を提供してよい。一つより多いテザーが使用される場合、それぞれ異なる椎骨に取り付けられ得、または多数のテザーが同一の椎骨に取り付けられ得る。脊柱変形の矯正を生成するのに必要なテザーは、脊柱の片側もしくは両側および、腸骨のいずれか反対側に取り付けられ得る。テザーが椎骨の右側(例えば、右椎弓根)および左腸骨、またはその反対に取り付けられることによる交差パターンも可能である。また、テザーを椎骨に取り付け、次いで腸骨(または両腸骨)に取り付けられるアイスクリューまたは他の案内装置を通過させ、次いで椎弓根スクリューまたは他の手段で第二椎骨に取り付けてもよい。案内装置は多数の椎骨または腸骨または複数の腸骨に活用されても良いことが当業者によって想定され得る。テザーはまた、骨盤への取り付けに始まり、脊椎に取り付けられた任意の数の案内部材を通過し、それから再度骨盤で終了してもよい。
【0012】
本発明のこれらおよび他の態様は、その中の変形および修正が、本開示の新規概念の精神および範囲から逸脱することなく影響を受けるかもしれないが、以下の図面と併せて以下の実施形態の説明から明らかになるだろう。
【0013】
本発明は、少なくとも一つの装置を外科手術的に脊椎と腸骨との間に取り付けることによって、脊柱変形を阻止する改善された方法を提供する。また、本発明は、少なくとも一つの装置を外科手術的に脊椎と腸骨との間に取り付けることによって、脊柱変形を矯正するためのシステムおよび方法を提供する。
【0014】
本発明は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る、埋め込まれた装置を伴う変形したヒト脊椎の後面像を図示したものである。
図2図1に示した埋め込まれた装置を伴う矯正されたヒト脊椎の後面像を図示したものである。
図3】取り付け機構およびテザーを固定する、二つの椎弓根スクリューおよび棒の形の脊椎係留手段を示す。
図4】取り付け機構およびそれを脊椎係留機構に取り付ける方法を図示する。
図5】は、腸骨(図示されず)の係留機構およびテザーをそれに取付ける方法を示す。
図6】テザーを皮下に通すために使用する長対の鉗子を示す。
図7】テザーを皮下に通すときの図6の鉗子の使用を図示する。
図8】本発明に係る、テザークランプおよび細長棒の代替の実施形態を図示する。
図9】本発明に係る、クランプまたはアンカーの別の実施形態を図示する。
図10図9に示す装置の横断面図を示す。
図11】本発明に係る、クランプまたはアンカーの別の実施形態を示す。
図12】本発明に係る、頭部閉鎖型クランプを示す。
図13】本発明に係る、頭部閉鎖型クランプを示す。
図14】本発明に係る、頭部閉鎖型クランプのさらに別の実施形態を示す。
図15】本発明に係る、頭部閉鎖型クランプのさらに別の実施形態を示す。
図16】脊椎および/または腸骨の部分にテザーを結合させる様々な方法を図示する。
図17】脊椎および/または腸骨の部分にテザーを結合させる様々な方法を図示する。
図18】脊椎および/または腸骨の部分にテザーを結合させる様々な方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい実施形態の以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本発明、その用途または使用を決して限定することを意図するものではない。本発明はこのように説明され、それは多くの方法で変形されてよいことは明白であるだろう。かかる変更は、本発明の精神および範囲から逸脱するものとして見なされるものではなく、当業者に明白であるだろう全てのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれると意図される。
【0017】
図1は、装置200の好ましい実施形態が、腸骨102および椎骨100に取り付けられた、変形した脊椎104の後面像を図示したものである。装置200は、自由端206を有するテザー204を含み、それは腸骨および椎骨の一部に取り付けられるように構成される。具体的には、一実施形態では、椎弓根スクリュー300などの二つの取り付け機構を、対向する椎弓根への挿入によって脊椎の椎骨に係留し、椎弓根スクリュー300に横棒311を取り付ける。椎弓根スクリューがこの特定の実施形態で提供されるが、フックなどの、任意の他のタイプの係留機構も使用されてよいことに留意されたい。テザークランプ310を、棒311に取り付け、テザー204はテザークランプ310を通過し、次いで腸骨102まで通り、それによって取り付けられた椎骨と腸骨との間の接続を固定する。テザー204を腸骨102に取り付けるために、腸骨アンカー210が提供される。腸骨アンカー210は、穴211を含み、アンカー210(ねじ切り加工)を、腸骨102を通ってドリルまたは穴あけされた孔へと挿入することによって腸骨に取り付けられるように構成される。アンカー210を腸骨102に取り付けるための任意の他の類似機構も活用されてよいことに留意されたい。テザー204は孔または腸骨アンカー210内の穴211を通過し、次いで椎骨100まで戻され、テザークランプ310を再度通過する。他の実施形態では、テザー204は、テザークランプおよび腸骨アンカー210を一度通過するのみでもよい。
【0018】
図2は、装置200を使用して図1の脊椎の矯正を図示した。図2に示すように、テザー204の自由端206は引っ張られ、脊椎は外科手術の間、変形の矯正を達成するために手動で操作される。十分な湾曲大きさが達成されると、テザー204をテザークランプ内に締め付け、効果的に椎骨100と腸骨102との間の距離をロックする。
【0019】
様々な水準の脊柱の操作が装置を使用して行われ得ることに留意されたい。例えば、異なる脊椎の湾曲を、脊柱および腸骨に関するテザー上でアンカーおよびクランプの位置を変えることによって達成することができる。クランプおよびアンカーを取り付けるテザーに沿った位置は、取り付けられた椎骨が、テザーが腸骨に取り付けられた位置に対して動いてよい距離を最大にする、テザーの有効長を決定する。側弯カーブは、テザーに沿ってクランプおよびアンカー位置を調整することによって矯正される(または維持される)。
【0020】
図3は、椎弓根スクリュー300、横棒311、テザークランプ310およびテザー204の詳細な図を示す。好ましい実施形態では、テザークランプ310は、テザークランプ310を棒311上に留め、同様にテザー204をクランプ310内にロックする緩み止めネジ312を含む。
【0021】
図4は、横棒に結合されたテザークランプ310の詳細な図を示す。テザークランプ310は、テザークランプ310およびテザー204がスロット501を通過することを通して提供されるスロット501を伴って構成される。テザーは、必要に応じてスロットを複数回通過してもよいことに留意されたい。緩み止めネジ312は横棒311をテザークランプ310上に固定するために使用され、テザー204上へと棒311上に圧力を印加し、それによってテザー204を所定の位置に確実に留める。ネジ状止めネジが本実施形態で活用されるが、当該技術分野で既知のテザーをテザークランプに固定するための、任意のタイプの締付要素が使用されてもよいことに留意されたい。
【0022】
図5は、腸骨アンカー210の詳細な図を示す。腸骨アンカー210は、腸骨102(図示せず)と係合するためのネジ山212を含む。テザー204は穴211を通過し、それから脊柱に戻される。テザー204をそれ自身に隣接して保持する留め輪215を示す。
【0023】
図6は、極めて長い対の鉗子900を示す。図7は、切開845を通って、皮下および他の軟組織にテザーを通す好ましい方法を示す。鉗子900は、テザークランプの開口部を通ってテザーを通すために使用され、脊椎における湾曲の変形を矯正するためにテザーを引っ張るために使用される。
【0024】
図8は、本発明に係る、テザークランプ320の別の実施形態を図示する。この実施形態では、テザークランプ320は、脊柱の一部に固着される細長棒326内の通り穴324に対応するように構成される通り穴322を伴って構成される。止めネジなどの締結要素328をテザークランプ320および細長棒326を一緒に結合するために提供する。テザークランプ320は、テザー334をクランプ320に受取り、確実に結合するように寸法される開口部330、332も含む。テザー334は、それぞれの開口部330、332を通して引かれ、テザー334をクランプ320および細長棒326へと確実に取り付ける。
【0025】
図9および10は、テザー252を脊柱または腸骨の一部のいずれかに固定するために使用され得るクランプおよび/またはアンカー250の代替の実施形態を図示する。より具体的には、図9および10のアンカー250は、脊柱の一部に取り付けられるように構成および寸法されてよく、またはテザーを腸骨に固定するように構成されてよい。アンカー250は、プレートを骨に固着させることが可能な留め具258、260を受け取るための少なくとも二つの開口部254、256を有するプレート251として構成される。プレート251は、テザー252を受け取ることが可能な開口部264を有する中央部分262を含む。プレート251の中央部分262は、さらにテザー252をプレート251に固定するための締結要素266を伴って提供される。図10により明確に図示するように、締結要素266は、テザー252をプレート251に固定するために締め付ける際に、テザー252に直接接する止めネジであってよい。ピンなどの、テザーをアンカーに固定することが可能な任意の他のタイプの締結要素が使用されてよいことに留意されたい。
【0026】
図11は、本発明に係る、クランプまたはアンカー400のなおも別の実施形態を図示する。この実施形態では、クランプおよび/またはアンカー400は、お互いに締結要素406を介して固定される第一プレート402および第二プレート404を含む。第一および第二プレート402、404は、スパイク408または骨に食い込む類似のタイプの機構も含んでよい。第一または第二プレート402、404のいずれかまたは両方が、テザーを受け取るための開口部410も含む。第一および第二プレート402、404は、腸骨または脊柱の一部などの骨が、その間にあるように配置される。第一および第二プレート402、404は骨内へと押し付けられ、開口部410を通って、第一および第二プレート402、404の間に配置されるテザーもプレートと骨との間に確実にロックされ、それによってテザーをプレート402、404の間に固定する。代替の実施形態では、テザーは開口部を通過し、ベルトクランプなどのクランプ装置によってアンカー400に固定されるかまたは、テザーをアンカー400の端部の周りに結ぶことによって固定される。テザーをアンカーに取り付けるための任意のタイプの機械的機構が使用されてよいことに留意されたい。
【0027】
図12−15は、本発明に係る、クランプのさらに別の実施形態を図示する。図12および13に図示される頭部閉鎖型(closed head)クランプ420は、第一の方向にクランプ420を通って延びる第一開口部422および第二の方向に延びる第二開口部424を含む。第一および第二方向は、概してお互いに垂直である。第一開口部422は細長棒426を受け取るように構成され、第二開口部424はテザー428を受け取るように構成される。クランプ420は、棒426およびテザー428の両方を固定するために使用される締結要素430をさらに装備する。この実施形態では、図12および13は、第二開口部424がクランプ420の底部に配置され、ゆえに締結要素430が締められる際、締結要素430がテザー428に押し付けられる棒426に接触し、それによってテザー428および棒426をクランプ内に固定することも図示する。
【0028】
図14および15に図示される頭部閉鎖型クランプの代替の実施形態では、頭部閉鎖型クランプ432は、第一開口部434および第二開口部436を含む。第一開口部434および第二開口部436は概してお互いに横断するように構成される。第一開口部434は細長棒438を受け取るように寸法され、第二開口部436はテザー440を受け取るように寸法される。クランプ432は、絞められたときにテザー440および細長棒438をクランプ432内に固定およびロックする、止めネジなどの締結要素442も含む。この特定の実施形態では、第二開口部436は、締結要素442と細長棒438の間に配置される。締結要素442が締められるとき、締結要素442は、細長棒438に接触するテザー440に直に接触し、それによってテザー440および細長棒438を頭部閉鎖型クランプ432内に確実にロックする。
【0029】
図16−18は、本発明の装置の代替の実施形態を図示する。具体的には、図16はテザーを椎骨の椎弓板に取り付けるクランプの使用を図示する。図示のように、テザーは椎弓版を丸で囲んでよく、ベルトクランプを使用して締めてよい。テザーの他端は、先の実施形態に示すように、腸骨の一部に結合される。この機構を使用して、必要に応じて、テザーを操作することならびにクランプを配置することによって、脊椎の変形は矯正される可能性がある。
【0030】
図17は、テザーを横棒に固着するために、テザーを横棒に結合するために使用される輪を含むテザーを示す。図18は、他のタイプのテザークランプを使用して、腸骨へのテザーの直接的な結合を図示する。アンカーおよびクランプの両方の提供される例では、これらの機械的装置は互換的であることに留意されたい。
【0031】
本発明のテザーが、織物、PETなどのポリマー、または任意の他の生体適合素材で構成されてよいことにも留意されたい。テザーは、ケーブルであり得、有利に組織裂傷または損傷へのリスクを減らす幅広弾性バンドであるよう寸法され得る。いくつかの実施形態において、テザーは、2〜900mmであり得る。また、変形の適切な矯正を保証するために、張力調整装置がシステムの一部として含まれ得、テザーが適切な張力および締付であることを確認する。
【0032】
様々な修正および変形が、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明でなされ得ることが当業者には明らかであろう。さらには、改良された骨ネジ組立および使用の関連方法は、上述の目的、利点、特徴および態様のすべてを備えている必要はない。従って、例えば、当業者は本発明が、本明細書に教示または示唆されている可能性があるように、他の目的または利点を必ずしも達成せずに、本明細書に教示のように一利点または利点群を達成するまたは最適化する方法で具体化または実行され得ると認識するだろう。加えて、本発明の多くの変形が示し、詳細に説明してきたが、本発明の範囲内である他の修正形態および使用の方法は、本開示に基づいて当業者に容易に明らかであるだろう。実施形態のこれらの特定の特徴および態様の、様々な組み合わせまたは部分的組み合わせがなされてよく、なおも本発明の範囲内に入ると考えられる。従って、開示された実施形態の様々な特徴および態様が、記載された骨ネジ組立の変化様式を形成するために組み合され得る、または互いに置換され得ることに理解されたい。ゆえに、本発明はそれらが添付の特許請求またはその等価物の範囲内に入る、本発明の修正および変形を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18