(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486390
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】コミュテーションセル
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20190311BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20190311BHJP
H02M 1/00 20070101ALI20190311BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H02M1/00 Z
H01L25/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-568889(P2016-568889)
(86)(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公表番号】特表2017-523596(P2017-523596A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】EP2015058559
(87)【国際公開番号】WO2015176893
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月21日
(31)【優先権主張番号】102014209690.1
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ワルテル ダヴェス
(72)【発明者】
【氏名】クヌート アレクサンダー カスパー
(72)【発明者】
【氏名】ズィルヴィア デュアンシュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン リトナー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ギュンター
【審査官】
黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−251711(JP,A)
【文献】
特開2004−193476(JP,A)
【文献】
特開2005−303018(JP,A)
【文献】
特開2006−134990(JP,A)
【文献】
特開2007−116013(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/167321(WO,A1)
【文献】
特開2010−251665(JP,A)
【文献】
特開2013−153010(JP,A)
【文献】
特開2007−073674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/04
H01L 25/00
H01L 25/07
H01L 25/18
H02M 1/00
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気容量(8)と、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチ(9)と、前記制御可能な半導体スイッチ(9)に直列に接続された少なくとも1つの半導体(10)とを有するコミュテーションセル(7,16)において、
互いに平行に配置された3つの回路担体(11,12,13)が設けられており、
前記制御可能な半導体スイッチ(9)は、該制御可能な半導体スイッチ(9)と前記半導体(10)との間に部分的に配置された1つの前記回路担体(12)を介して、前記半導体(10)に直列に接続されており、
残りの2つの前記回路担体(11,13)同士は、前記制御可能な半導体スイッチ(9)と、前記半導体(10)と、前記制御可能な半導体スイッチ(9)と前記半導体(10)との間に部分的に配置された前記回路担体(12)とから構成されるユニット(14)を介して、互いに導電的に接続されており、
前記電気容量(8)は、前記ユニット(14)と別々に、前記残りの2つの回路担体(11,13)の間に接続されており、
物理的に実質的に同一の構造を備える、互いに接続可能な2つのコミュテーションセル部分(17,18)が設けられており、
前記制御可能な半導体スイッチ(9)と前記半導体(10)とを直列に接続している前記回路担体(12)は、互いに平行に配置可能であり互いに接続可能である2つの回路担体部分(19,20)を有し、
前記電気容量(8)は、2つの電極(21,22)を有し、
一方の前記コミュテーションセル部分(17)は、一方の前記回路担体部分(19)と、前記電気容量(8)の一方の前記電極(21)と、前記制御可能な半導体スイッチ(9)と、前記残りの2つの回路担体のうちの一方(11)とによって構成されており、
他方の前記コミュテーションセル部分(18)は、他方の前記回路担体部分(20)と、前記電気容量(8)の他方の前記電極(22)と、前記半導体(10)と、前記残りの2つの回路担体のうちの他方(13)とによって構成されており、
前記回路担体部分(19,20)同士、並びに、前記電気容量(8)の前記電極(21,22)同士はそれぞれ、所定の接合方法によって形成された接合層(23)を介して互いに接続されている、
ことを特徴とするコミュテーションセル(7,16)。
【請求項2】
少なくとも一方の前記コミュテーションセル部分(17,18)の、互いに接続されている電気構成素子(9,10,11,13,15,19,20,21,22)同士の間には、所定の接合方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層(15)が配置されている、
請求項1記載のコミュテーションセル(7,16)。
【請求項3】
少なくとも一方の前記コミュテーションセル部分(17,18)の、互いに接続されている電気構成素子(9,10,11,13,15,19,20,21,22)同士の間には、銀焼結方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層(15)が配置されている、
請求項1又は2記載のコミュテーションセル(7,16)。
【請求項4】
少なくとも1つの接合層(15,23)内に、少なくとも1つのスペーサ要素が配置されている、
請求項1から3のいずれか1項記載のコミュテーションセル(7,16)。
【請求項5】
少なくとも1つの接合層(15,23)内に、当該接合層(15,23)を介して互いに接続されている電気構成素子(9,10,11,13,15,19,20,21,22)同士の相異なる熱膨張係数を補償する少なくとも1つの補償要素が配置されている、
請求項1から4のいずれか1項記載のコミュテーションセル(7,16)。
【請求項6】
前記電気容量(8)、前記半導体スイッチ(9)、前記半導体(10)、及び前記3つの回路担体(11,12,13)の熱拡散を可能とする電気絶縁体が設けられている、
請求項1から5のいずれか1項記載のコミュテーションセル(7,16)。
【請求項7】
前記制御可能な半導体スイッチ(9)を制御する少なくとも1つの電子制御ユニットが設けられている、
請求項1から6のいずれか1項記載のコミュテーションセル(7,16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
コミュテーションセル(commutation cell)は、例えば洗濯機、送風機、電動パワーステアリング、及び自動車の電気駆動部において構築されるような電気回路の一部として知られている。
【0002】
図1は、従来のコミュテーションセル1の1つの実施形態の例を図示しており、ここでは、スイッチングプロセスによって開始される電流の変化が発生することがある。コミュテーションセル1は、制御可能な半導体スイッチ2と、該制御可能な半導体スイッチに直列に接続された半導体ダイオード3とを含む。コミュテーションセル1によって、ダイナミックノード4の電位が変化される。コミュテーションセル1の物理的実現は、該コミュテーションセル1を構成するために使用される電気構成素子の幾何形状及び他の特性と、コミュテーションセル1の導体路とによって決められている。コミュテーションセル1によって導体ループ5が形成され、この導体ループ5は、コミュテーションセル1内で寄生インダクタンスを形成する。この寄生インダクタンスは、電気構成素子6によって概略的に示されている。この寄生インダクタンスは、それぞれの電気構成素子の構成と、コミュテーションセル1のそれぞれの構造技術及び接続技術とによって生成される。
【0003】
一般的に、従来のコミュテーションセルは、例えば
図1に図示された装置の場合には回路支持体に隣り合って配置されている複数の電気構成素子から構成されており、例えばボンディングワイヤのような配線要素と、電気構成素子同士の間のとりわけ熱拡散に必要な間隔とによって、高い寄生インダクタンスを有している。
【0004】
本発明の開示
本発明の対象は、少なくとも1つの電気容量と、少なくとも1つの制御可能な半導体スイッチと、該制御可能な半導体スイッチに直列に接続された少なくとも1つの半導体とを有するコミュテーションセルにおいて、互いに平行に配置された3つの回路担体が設けられており、前記制御可能な半導体スイッチは、該制御可能な半導体スイッチと前記半導体との間に部分的に配置された1つの前記回路担体を介して、前記半導体に直列に接続されており、残りの2つの前記回路担体同士は、前記制御可能な半導体スイッチと、前記半導体と、前記制御可能な半導体スイッチと前記半導体との間に部分的に配置された前記回路担体とから構成されるユニットを介して、互いに導電的に接続されており、前記電気容量は、前記ユニットと別々に、前記残りの2つの回路担体の間に接続されている、ことを特徴とするコミュテーションセルである。
【0005】
本発明に係るコミュテーションセルにおいては、電気構成素子同士は、従来のように回路担体に隣り合って配置されていない。さらには、従来では必要とされていたボンディングワイヤのような配線要素は設けられておらず、また、従来ではとりわけ放熱のために必要とされていた電気構成素子同士の間の間隔も設けられていない。従って、本発明によれば、従来のコミュテーションセルに比べて格段にコンパクトな構造を有するコミュテーションセルが提案され、このことは、封入される導体ループの最小化と、ひいてはこれに結びついた寄生インダクタンスの最小化とに結びついている。従って、本発明に係るコミュテーションセルは、上下に重なり合って位置する3つの配線平面を有する。回路担体のために例えば銅のような簡単な材料を使用することによって、従来のコミュテーションセルに比べて格別のコスト的な利点が奏される。本発明に係るコミュテーションセルはさらに、最適な排熱特性を有する。なぜなら、2つの面での冷却が可能であり、且つ、動作中に発熱する電気構成素子の近傍にて熱拡散が可能だからである。より良好な排熱特性により、より高い効率と、とりわけより高い出力密度とを実現することが可能となり、これによって材料をより良好に利用し尽くすことが可能となる。
【0006】
回路担体は、リードフレーム、プリント基板、積層体、AMB("active metal braze" 活性金属ろう接)基板、DCB("direct copper bonded" 直接銅結合)基板、又は、導体路列等として構成することができる。回路担体同士の間の間隔は、制御可能な半導体スイッチの寸法と、接合間隙の寸法と、半導体の寸法とによって規定されている。
【0007】
半導体は、受動的な半導体として、例えば半導体ダイオードとして構成することが可能であるか、又は、同様にして制御可能な半導体スイッチとして構成することも可能である。
【0008】
電気容量は、チップ積層セラミックコンデンサ(MLCC)として構成することが可能であるか、又は、多層シリコン・オン・インシュレータ(SOI)コンデンサとして構成することも可能であり、なお、後者は、本発明に係るコミュテーションセルの省スペースな構成に合致する。
【0009】
有利な1つの実施形態では、前記コミュテーションセルは、物理的に実質的に同一の構造を備える、互いに接続可能な2つのコミュテーションセル部分を有し、前記制御可能な半導体スイッチと前記半導体との間に部分的に配置された前記回路担体は、互いに平行に配置可能であり互いに接続可能である2つの回路担体部分を有し、前記電気容量は、2つの電極を有し、一方の前記コミュテーションセル部分は、一方の前記回路担体部分と、前記電気容量の一方の前記電極と、前記制御可能な半導体スイッチと、前記残りの2つの回路担体のうちの一方とによって構成されており、他方の前記コミュテーションセル部分は、他方の前記回路担体部分と、前記電気容量の他方の前記電極と、前記半導体と、前記残りの2つの回路担体のうちの他方とによって構成されている。2つのコミュテーションセル部分を、互いに接続する前に機能性に関して検査することが可能である。互いに接続可能な2つのコミュテーションセル部分を使用することによって、とりわけ個々のコミュテーションセル部分を2つの面で構成した後、これらを簡単な取り付けステップで互いに接続させることにより、隠蔽式の取り付けにおける取り付けリスクが最小化される。コミュテーションセル部分を2つの面で構成することによってさらに、取り付け時及び検査時に広範囲にアクセス可能となる。この実施形態にはさらに、従来の複雑な製造プロセスに比べて、2つのコミュテーションセル部分が1つのコミュテーションセルへと比較的簡単に接続されることによるコスト的な利点が結びついている。
【0010】
別の1つの有利な実施形態では、前記回路担体部分同士、並びに、前記電気容量の前記電極同士はそれぞれ、所定の接合方法によって形成された接合層を介して互いに接続されている。これは一般的且つ充分に確立された接合技術であり、このことによってコミュテーションセルの製造が容易になる。接合方法としては、例えばろう接方法、とりわけ軟ろう付け、導電性接着、焼結、とりわけ銀焼結等が考慮の対象となる。これらの接合方法の共通点は、これらの接合方法によって、接合すべき構成部材同士の間に金属性のコンタクトを形成することができるということにある。
【0011】
別の1つの有利な実施形態では、少なくとも一方の前記コミュテーションセル部分の、互いに接続されている電気構成素子同士の間には、所定の接合方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層が配置されている。接合方法として例えばろう接方法が選択される場合であって、且つ、コミュテーションセルを形成するために、このようにして形成された一方のコミュテーションセル部分を、同じくろう接方法によってそれぞれ他方のコミュテーションセル部分に接続させたい場合には、一方では、コミュテーションセル部分を形成するために使用されるろう材の特性と、他方では、コミュテーションセルを形成するために使用されるろう材の特性とを、互いに調整する必要がある。ろう接する際には、ろう接の階層(ヒエラルキー)を順守すべきであり、このろう接の階層により、コミュテーションセル部分同士をろう接方法によって接続させる際に、少なくとも一方のコミュテーションセル部分の接合層が再び溶融して合金化されることが阻止され、この場合には、互いに接続される電気構成素子同士の間に、ろう接方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層が配置されている。固体拡散のメカニズムに関する接合方法、例えば拡散ろう接又は焼結を使用する場合には、接合を補助する圧力を加えることができる適切な金属被覆と適切な構造とに注意すべきである。
【0012】
少なくとも一方の前記コミュテーションセル部分の、互いに接続されている電気構成素子同士の間に、銀焼結方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層が配置されている場合には、さらに有利であると見なされる。このことは有利である。なぜなら、銀焼結方法によって形成された接合層は、ろう接方法の場合には典型的である約250℃〜300℃という接合温度では溶融せず、固体の状態に留まるからである。従って、2つのコミュテーションセル部分同士を接続させる際に、個々のコミュテーションセル部分の接合層の溶融を阻止するために、上に挙げた実施形態に基づいて相異なるろう材同士を互いに調節する必要がなくなる。
【0013】
有利には、少なくとも1つの接合層内に、少なくとも1つのスペーサ要素が配置されている。このことは、コミュテーションセルの開発においてより高い形状自由度を提供する。なぜなら、コミュテーションセルを、電気容量、制御可能な半導体スイッチ、及び/又は、半導体のそれぞれの幾何形状にさほど依存せずに設計することが可能となるからである。接合層内に、2つ又は3つ以上のスペーサ要素を配置することも可能である。
【0014】
別の1つの有利な実施形態では、少なくとも1つの接合層内に、当該接合層を介して互いに接続されている電気構成素子同士の相異なる熱膨張係数を補償する少なくとも1つの補償要素が配置されている。補償要素は、例えばモリブデンから構成することができる。補償要素は、同時にスペーサ要素としても使用することが可能である。接合層内に、2つ又は3つ以上の補償要素を配置することも可能である。
【0015】
別の1つの有利な実施形態では、前記コミュテーションセルは、外側の電気絶縁体を有する。外側の電気絶縁体は、注封又は注型によって実現することができる。このような注封又は注型は、コミュテーションセルの充分な機械的安定性を提供するため、及び、環境影響に対する回路の耐性に関する尺度である耐湿レベル(Moisture Sensitivity Level, MSL)に関する要求を満たすためにも使用することができる。外側の電気絶縁体をコミュテーションセルに排他的に配置することによって、コミュテーションセルの電気構成素子の近傍において最大限の熱拡散が可能となる。電気絶縁体は、TIM("Thermal Interface Material")材料を有することも可能である。これに代えて、回路担体を、セラミック・金属・複合体として形成してもよい。
【0016】
前記コミュテーションセルが、前記制御可能な半導体スイッチを制御する少なくとも1つの電子制御ユニットを有する場合には、さらに有利であると見なされる。電子制御ユニットは、従来のボンディング技術を介して、又は、少なくとも1つの回路担体を介して、制御可能な半導体スイッチ及び/又は半導体に接続させることができ、この制御可能な半導体スイッチ及び/又は半導体に、電子制御ユニットが配置されている。
【0017】
以下では、本発明を、複数の有利な実施例に基づいて添付図面を参照しながら例示的に説明する。但し、以下に記載する各特徴は、それぞれ個々でも、互いに異なるように組み合わせられても、本発明の態様とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来のコミュテーションセルの回路図である。
【
図2】本発明に係るコミュテーションセルの1つの実施例の概略断面図である。
【
図3】本発明に係るコミュテーションセルの別の1つの実施例の概略断面図である。
【
図4】
図3に図示されたコミュテーションセルの1つのコミュテーションセル部分の概略断面図である。
【0019】
図2は、本発明に係るコミュテーションセル(commutation cell)7の1つの実施例の概略図を示す。コミュテーションセル7は、電気容量8と、制御可能な半導体スイッチ9と、該制御可能な半導体スイッチ9に直列に接続された半導体10とを有する。コミュテーションセル7はさらに、互いに平行に配置された3つの回路担体11,12,及び13を含み、制御可能な半導体スイッチ9は、該制御可能な半導体スイッチ9と前記半導体10との間に部分的に配置された1つの前記回路担体12を介して、半導体10に直列に接続されている。残りの2つの回路担体11,13同士は、制御可能な半導体スイッチ9と、半導体10と、前記制御可能な半導体スイッチ9と前記半導体10との間に部分的に配置された前記回路担体12とから構成されるユニット14を介して、互いに導電的に接続されている。電気容量8は、ユニット14と別々に、前記残りの2つの回路担体11と13との間に接続されている。コミュテーションセル7の、互いに接続されている電気構成素子8〜13同士の間には、所定の接合方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層15が配置されている。
【0020】
図3は、本発明に係るコミュテーションセル16の別の1つの実施例の概略図を示す。このコミュテーションセル16は、とりわけ物理的に実質的に同一の構造を備える、互いに接続可能な2つのコミュテーションセル部分17及び18を有するという点において、
図2に示された実施例とは異なっている。制御可能な半導体スイッチ9と半導体10とを直列に接続している回路担体12は、互いに平行に配置された2つの回路担体部分19及び20を有し、電気容量8は、2つの電極21及び22を有する。一方のコミュテーションセル部分17は、回路担体部分19と、電気容量8の電極21と、制御可能な半導体スイッチ9と、回路担体11とによって構成されており、他方のコミュテーションセル部分18は、回路担体部分20と、電気容量8の電極22と、半導体10と、回路担体13とによって構成されている。回路担体部分19及び20、並びに、電気容量8の電極21及び22はそれぞれ、所定の接合方法によって形成された接合層23を介して互いに接続されている。コミュテーションセル部分17の、互いに接続されている電気構成素子9,11,15,19,及び21同士の間、又は、コミュテーションセル部分18の、互いに接続されている電気構成素子10,13,15,20,及び22同士の間には、上に挙げられた接合方法に合わせて調整された接合方法によって形成されたそれぞれ1つの接合層15が配置されている。