(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486475
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】自動車に設けられる弁装置
(51)【国際特許分類】
F16K 1/226 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
F16K1/226 C
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-533214(P2017-533214)
(86)(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公表番号】特表2018-500520(P2018-500520A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】EP2015079820
(87)【国際公開番号】WO2016096874
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年6月19日
(31)【優先権主張番号】102014226733.1
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター コーレン
(72)【発明者】
【氏名】ライナー ヨハネス モンティニー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン コップ
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102005027684(DE,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第0223046(EP,A2)
【文献】
米国特許第5081972(US,A)
【文献】
独国特許出願公開第102008018494(DE,A1)
【文献】
特公昭62−13550(JP,B2)
【文献】
特開2009−228740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00 − 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に設けられる燃料電池アセンブリ用の弁装置であって、ハウジング内に延びる流れ通路と、流れ横断面に影響を与えるフラップと、該フラップを駆動する駆動装置とを備え、前記フラップが、シャフトに取り付けられており、該シャフトが、前記ハウジングに回転可能に支持されており、さらに、前記流れ通路に配置された弁座と、前記フラップの、周方向に延びる縁部に配置されたPTFEから成るシールとを備え、該シールが、前記フラップの閉鎖位置で前記弁座と接触しており、前記シャフトが、前記フラップを貫通している、弁装置において、
前記シール(8)がばねエレメント(9)を含み、
前記ばねエレメント(9)が、環状の基体(11)を有し、該基体(11)から半径方向外側に向かって複数のばね舌片(10)が突出している、
ことを特徴とする、弁装置。
【請求項2】
前記ばねエレメント(9)が、周方向に延びるように形成されている、請求項1記載の弁装置。
【請求項3】
前記ばねエレメント(9)が、前記シール(8)に取り付けられている、請求項2記載の弁装置。
【請求項4】
前記ばねエレメント(9)が、前記シール(8)に組み込まれている、請求項2記載の弁装置。
【請求項5】
前記ばねエレメント(9)が、10〜30個のばね舌片(10)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁装置。
【請求項6】
前記ばねエレメント(9)が、金属から成っている、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁装置。
【請求項7】
前記シール(8)と前記ばねエレメント(9)とがフラップ材料(3)によって部分的に取り囲まれている、請求項1から6までのいずれか1項記載の弁装置。
【請求項8】
前記ばねエレメント(9)が、前記環状の基体(11)の半径方向外側に、前記基体(11)の半径方向外側を覆うように相欠き継ぎ(12)を形成する少なくとも1つの区分を有し、該区分が、フラップ材料(3)で満たされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、ハウジング内に延びる流れ通路と、流れ横断面に影響を与えるフラップと、フラップを駆動する駆動装置とを備え、フラップがシャフトに取り付けられており、シャフトがハウジングに回転可能に支持されており、流れ通路に配置された弁座と、フラップの、周方向に延びる縁部に配置されたシールとをさらに備え、シールがフラップの閉鎖位置で弁座と接触しており、シャフトがフラップを所定の角度で貫通している、自動車に設けられる燃料電池アセンブリ用の弁装置である。
【背景技術】
【0002】
このような弁装置は、たとえば管片形のスロットルバルブアセンブリとして使用されていて、久しく以前より知られている。旋回可能に支持されたフラップにより、流れ通路を完全に閉じるか、または質量通過量を制御するように開くことが可能となる。このときに、不都合な環境影響が存在していると、流れ通路内やフラップに氷結が生じるおそれがある。特に、停車した車両において、流れ通路の小さなギャップしか開放しない非常位置にフラップが位置している場合、フラップのこの位置が氷結を促進してしまう。氷結の結果、フラップの均一な運動経過が妨げられる。最悪の場合、氷結はフラップによる流れ通路の密な閉鎖を阻止してしまう。特に、同じく空気流が制御されなければならない燃料電池における使用のための弁装置では、この事情は特に重大な影響を及ぼす。なぜならば、シール性に関する要求が、慣用の管片形のスロットルバルブアセンブリの場合よりも10〜20倍高いからである。その結果、このような弁装置は手間をかけて構成されており、ひいては比較的コストがかかるものとなる。氷結を回避するために、シールをPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から形成することが知られている。これによって、シールの領域での氷結を回避しようとするものである。このようなシールの撥水性作用によって、氷結に基づいたシール性問題を回避することができる。しかし、PTFEは弾性材料ではないので、そのシール作用は、同一に形成されたエラストマの場合よりも悪くなる。特に緩和速度に関して、このようなシールには改善の余地が残されており、また質量通過量の制御品質についても、PTFE材料のクリープ特性に基づいて最適であるとは云えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の弁装置を改良して、極めて僅かな漏れしか生じない流れ通路の信頼性の高いシールを可能にすると同時に、不都合な気候条件における氷結を阻止するような弁装置を提供することである。さらに、このために必要となるシールは単純でかつ廉価であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、シールがばねエレメントを含むことによって解決される。
【0005】
ばねエレメントを配置して、シールの弾性度および緩和速度を高めることにより、シールのシール機能および質量通過量の制御品質が助成され、かつ改善される。
【0006】
シールに加えられる負荷は全周にわたって種々異なるので、このために必要となる個所にのみばねエレメントを配置すれば十分であるが、しかし、これにより条件付けられる、フラップに対するばねエレメントの位置正確な配置は、組立時に必要となる手間が増え、かつ欠陥の源となる。このことは、好適な態様によれば、周方向に延びるようにばねエレメントを形成して、これによりフラップに対する位置正確な配置を不要にすることで回避することができる。
【0007】
ばねエレメントがシールに取り付けられていると、組立を一層簡単にすることができる。これにより、ばねエレメントとシールとを予め組み付けておき、そして1つの構成部材としてフラップに配置することができる。
【0008】
別の構成では、ばねエレメントがシールに組み込まれていると、ばねエレメントは、環境影響に対してシールドされる。このようにばねエレメントをシールに組み込むことは、たとえばシールの射出成形時にシールの材料によってばねエレメントを取り囲んで被覆することであってよい。
【0009】
ばねエレメントが環状の基体を有し、この基体から半径方向外側に向かって少なくとも1つのばね舌片が突出していると、ばねエレメントを特に簡単に製作することができる。
【0010】
ばねエレメントが、周方向に延びる1つのばね舌片を有していると、ばねエレメントは構造的に特に単純に形成される。
【0011】
シールは、流れ通路内でのフラップの配置に基づき、全周にわたって分配された形で種々異なって作動しなければならないので、1つのばね舌片しか設けられていないと、この1つのばね舌片に、種々異なる負荷が加えられる結果となる。このことは、別の好適な構成によれば、ばねエレメントに複数のばね舌片が設けられることにより回避される。ばねエレメントが、10〜30個のばね舌片を有していると、フラップの大きさ、ひいてはシールの大きさに応じて、かつ用途に応じて、ばね作用を一層良好に使用することができる。
【0012】
最も単純な事例では、全てのばね舌片が同一に形成されているので、いずれのばね舌片も、同一のばね定数を有している。
【0013】
特別な要求に対しては、シールのばね作用を、特に位置調整に適合させることが必要となり得る。この場合には、種々異なるばね定数を有する複数のばね舌片を形成することが有利である。種々異なるばね定数は、種々異なる長さ、種々異なる幅および/または種々異なる相互間隔により、形成することができる。
【0014】
有利には、金属から成る構成を用いると、頑丈なばねエレメントが得られる。
【0015】
さらに別の有利な構成によれば、シールとばねエレメントとが、好ましくはフラップ成形時の射出成形を用いて、フラップ材料によって部分的に取り囲まれていると、シールとばねエレメントとの取付けを簡単に達成することができる。
【0016】
ばねエレメントが、相欠き継ぎを形成する少なくとも1つの区分を有し、この区分が、フラップ材料で満たされていると、射出成形時に取り囲まれるべき領域を減少させることができる。こうして、ばねエレメントの保持に影響を与えることなしにフラップ材料を節約することができる。なぜならば、少なくとも1つの相欠き継ぎを介して確実な保持が保証されるからである。
【0017】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、管片形のスロットルバルブアセンブリが図示されている。このスロットルバルブアセンブリは、ハウジング1と、このハウジング1に設けられた流れ通路2とを備えており、流れ通路2内には、ディスク形のフラップ3が配置されている。このフラップ3は、シャフト4に固く結合されており、このシャフト4はハウジング1に回転可能に支持されている。シャフト4は、ハウジング1内に配置された電動モータ5によって駆動され、シャフト4と電動モータ5との間には、変速機6が接続されている。
【0020】
図2には、シャフト4の一部とともにフラップ3が図示されている。フラップ3の半径方向外側の縁部7には、シール8が配置されている。シール8は、この縁部7の周面に沿って延びており、こうして、フラップ3が閉鎖位置に位置しているときに、流れ通路2のシールを行う。図示されているように、シール8には、ばねエレメント9が配置されている。このばねエレメント9は、同一に形成された複数のばね舌片10を有している。これらのばね舌片10は、半径方向外側に向けられてシール8に載着しており、こうしてシールのばね作用を助成している。ばね舌片10は、全周にわたって均一に分配されて配置されている。
【0021】
図3には、フラップ3の一部として、PTFEから成るシール8と、ばねエレメント9とを備えた、半径方向外側の縁部7が図示されている。ばねエレメント9は、環状の基体11を有しており、この基体11からは、半径方向外側に向かってばね舌片10が延びている。基体11と、シール8の半径方向内側の部分とは、フラップ3の射出成形時にフラップ材料により取り囲まれて被覆されているので、基体11と、シール8の半径方向内側の部分とは、フラップ3に固く結合される。
【0022】
図4には、
図3に比べて少しだけ異なるばねエレメント9が図示されている。基体11は、全周にわたって分配された形で、幾つかの個所においてそれぞれ2つのばね舌片10の間に、より小さな半径方向延在長さを有するので、基体11とシール8の一部とを取り囲むようにフラップ3を射出成形する際には、フラップ材料がシール8にまで到達する。こうして形成された相欠き継ぎ12により、ばねエレメント9は、紛失しないようにフラップ3に結合される。