特許第6486615号(P6486615)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486615
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】二次電池の製造方法及び二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20190311BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20190311BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20190311BHJP
   B29C 33/12 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M2/30 D
   H01M2/06 A
   H01M2/08 A
   B29C45/14
   B29C33/12
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-121703(P2014-121703)
(22)【出願日】2014年6月12日
(65)【公開番号】特開2016-1580(P2016-1580A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】川住 民生
(72)【発明者】
【氏名】井上 悟郎
(72)【発明者】
【氏名】清野 允中
【審査官】 山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−212111(JP,A)
【文献】 特開2013−165012(JP,A)
【文献】 特開2013−168239(JP,A)
【文献】 特開2009−104793(JP,A)
【文献】 特開2008−027849(JP,A)
【文献】 特開2012−209238(JP,A)
【文献】 特開2012−238473(JP,A)
【文献】 特開2011−077501(JP,A)
【文献】 特開2011−165475(JP,A)
【文献】 特開2006−302736(JP,A)
【文献】 特開2001−135299(JP,A)
【文献】 特開2011−238412(JP,A)
【文献】 特開2011−096485(JP,A)
【文献】 特表2010−541131(JP,A)
【文献】 特開2013−171692(JP,A)
【文献】 図解入門 よくわかる 最新プラスチックの仕組みとはたらき,株式会社 秀和システム,2005年,第1版,pp. 24−26
【文献】 プラスチックポケットブック,2003年,全面改訂版,p.12−13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 2/30
H01M 2/06
H01M 2/08
B29C 33/12
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極外部端子及び正極外部端子がそれぞれ電池蓋を貫通した状態となるように、前記電池蓋に対して前記負極外部端子及び前記正極外部端子をそれぞれ固定する第1工程と、
前記負極外部端子と、電池缶の内部に配置されて発電体の負極電極に対して接合される負極内部端子と、を相互に接合するとともに、前記正極外部端子と、前記電池缶の内部に配置されて前記発電体の正極電極に対して接合される正極内部端子と、を相互に接合する第2工程と、
をこの順に行い、
前記第2工程では、前記負極外部端子と前記負極内部端子との接合、並びに、前記正極外部端子と前記正極内部端子との接合を、板ばねを用いて係合固定する方法で行い、
前記負極外部端子と前記負極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起前記差込孔に差し込まれるとともに、
前記正極外部端子と前記正極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起が前記差込孔に差し込まれる、二次電池の製造方法。
【請求項2】
前記負極外部端子及び前記正極外部端子はそれぞれ直線状の形状に形成され、
前記負極内部端子及び前記正極内部端子はそれぞれ屈曲した形状又は分岐した形状に形成されている請求項1に記載の二次電池の製造方法。
【請求項3】
前記第1工程では、第1貫通孔及び第2貫通孔が形成された前記電池蓋の前記第1貫通孔に前記負極外部端子を挿通するとともに、前記第2貫通孔に前記正極外部端子を挿通した状態で、熱可塑性樹脂組成物を射出成形することによって、前記負極外部端子を前記電池蓋における前記第1貫通孔の縁部に対して固定する第1固定部と、前記正極外部端子を前記電池蓋における前記第2貫通孔の縁部に対して固定する第2固定部と、を形成する請求項1又は2に記載の二次電池の製造方法。
【請求項4】
前記射出成形は、インサート成形又はアウトサート成形である請求項3に記載の二次電池の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂組成物が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルおよびポリスルホンからなる群から選ばれる少なくともいずれか一つの熱可塑性樹脂を含有する請求項3又は4に記載の二次電池の製造方法。
【請求項6】
前記負極外部端子、前記負極内部端子、前記正極外部端子及び前記正極内部端子は、銅系金属又はアルミニウム系金属からなる請求項1乃至5の何れか一項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項7】
一端に開口部を有する電池缶と、
負極電極と正極電極とを有し、前記電池缶内に収容されている発電体と、
前記電池缶の前記開口部を封止している電池蓋と、
前記電池蓋を貫通した状態で、それぞれ前記電池蓋に対して外部端子固定部において固定されている負極外部端子及び正極外部端子と、
前記電池缶の内部に配置され、前記負極外部端子における前記電池缶の内部の部分に対して、前記外部端子固定部とは別の第1接合部において接合されているとともに、前記負極電極に対しても接合されている負極内部端子と、
前記電池缶の内部に配置され、前記正極外部端子における前記電池缶の内部の部分に対して、前記外部端子固定部とは別の第2接合部において接合されているとともに、前記正極電極に対しても接合されている正極内部端子と、
を有し、
前記負極外部端子と前記負極内部端子との接合、並びに、前記正極外部端子と前記正極内部端子との接合は、板ばねを用いて係合固定する方法で行われており、
前記板ばねを用いて係合固定する方法において
前記負極外部端子と前記負極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起前記差込孔に差し込まれているとともに、
前記正極外部端子と前記正極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起が前記差込孔に差し込まれている、二次電池。
【請求項8】
前記負極外部端子及び前記正極外部端子はそれぞれ直線状の形状に形成され、
前記負極内部端子及び前記正極内部端子はそれぞれ屈曲した形状又は分岐した形状に形成されている請求項7に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の製造方法及び二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、リチウムイオン二次電池に代表されるように自動車用途等に幅広く利用されている。特に、高出力、高エネルギー密度を実現するためには、角缶型の二次電池を用いることが好ましいと考えられている。
【0003】
例えば、角形のリチウムイオン二次電池の場合、上部に開口部を持つ直方体形状の有底の電池缶に発電体を収容し、電池缶の開口部を電池蓋で封止した構造が一般的である。発電体の負極電極及び正極電極には、それぞれ端子が接合され、これら端子は、それぞれ電池蓋を貫通して外部に突出している(例えば、特許文献1、2)。
【0004】
特許文献1には、貫通孔が形成された電池蓋に端子を挿通し、この端子と電池蓋とを絶縁性シール材を介して相互に固定することが記載されている。
【0005】
特許文献2の技術では、端子を、突起を有する直方体形状の外部端子と、集電体とにより構成する。そして、外部端子の突起を電池蓋に挿通し、この突起を集電体の一端部に対してかしめ固定することによって、外部端子と集電体とを含む端子が電池蓋に対して固定されるとともに端子が電池蓋を貫通した構造とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−238412号公報
【特許文献2】国際公開第2014/033827号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1、2の技術では、それぞれ以下に説明するように、製造性について改善の余地がある。
【0008】
特許文献1の技術では、射出成形により上記の絶縁性シール材を形成する。この射出成形の際には、端子の全体を金型に固定する必要があるため、複雑な形状の金型を用いる必要がある。また、発電体の形状に応じて長尺に形成された端子を取り回す必要があるため、端子の集電体の取り回し(ハンドリング)が容易ではない。
【0009】
また、特許文献2の技術では、発電体の形状に応じて長尺に形成された集電体に対して、電池蓋を挟んで外部端子を固定する必要があるため、集電体の取り回しが容易ではない。
【0010】
特に、二次電池は将来的に高出力化、高エネルギー密度化が進むと考えられており、その場合、端子において、電池缶の内部に配置されて発電体に対して接合される部位は、複雑に屈曲した形状となったり、分岐した形状となったりすることが予想される。このため、なおさら、端子を固定する金型の形状が複雑化したり、端子の取り回しが困難となったりするため、二次電池の製造が困難となる。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、二次電池を効率よく簡単に製造することが可能な二次電池の製造方法、及び、効率よく簡単に製造することが可能な構造の二次電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
負極外部端子及び正極外部端子がそれぞれ電池蓋を貫通した状態となるように、前記電池蓋に対して前記負極外部端子及び前記正極外部端子をそれぞれ固定する第1工程と、
前記負極外部端子と、電池缶の内部に配置されて発電体の負極電極に対して接合される負極内部端子と、を相互に接合するとともに、前記正極外部端子と、前記電池缶の内部に配置されて前記発電体の正極電極に対して接合される正極内部端子と、を相互に接合する第2工程と、
をこの順に行い、
前記第2工程では、前記負極外部端子と前記負極内部端子との接合、並びに、前記正極外部端子と前記正極内部端子との接合を、板ばねを用いて係合固定する方法で行い、
前記負極外部端子と前記負極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起前記差込孔に差し込まれるとともに、
前記正極外部端子と前記正極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起が前記差込孔に差し込まれる、二次電池の製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、
一端に開口部を有する電池缶と、
負極電極と正極電極とを有し、前記電池缶内に収容されている発電体と、
前記電池缶の前記開口部を封止している電池蓋と、
前記電池蓋を貫通した状態で、それぞれ前記電池蓋に対して外部端子固定部において固定されている負極外部端子及び正極外部端子と、
前記電池缶の内部に配置され、前記負極外部端子における前記電池缶の内部の部分に対して、前記外部端子固定部とは別の第1接合部において接合されているとともに、前記負極電極に対しても接合されている負極内部端子と、
前記電池缶の内部に配置され、前記正極外部端子における前記電池缶の内部の部分に対して、前記外部端子固定部とは別の第2接合部において接合されているとともに、前記正極電極に対しても接合されている正極内部端子と、
を有し、
前記負極外部端子と前記負極内部端子との接合、並びに、前記正極外部端子と前記正極内部端子との接合は、板ばねを用いて係合固定する方法で行われており、
前記板ばねを用いて係合固定する方法において
前記負極外部端子と前記負極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起前記差込孔に差し込まれているとともに、
前記正極外部端子と前記正極内部端子のうちの一方の端子には前記板ばねを有する差込孔が形成され、他方の端子には差込突起が形成され、前記差込突起が前記差込孔に差し込まれている、二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、二次電池を効率よく簡単に製造することができる。
また、本発明によれば、効率よく簡単に製造することが可能な構造の二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る二次電池の製造方法における各工程を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る二次電池を示す図であり、このうち(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る二次電池の外部端子と内部端子との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
図4】第2の実施形態に係る二次電池の外部端子と内部端子との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
図5】第3の実施形態に係る二次電池の外部端子と内部端子との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
図6】第4の実施形態に係る二次電池の外部端子と内部端子との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合前の分解断面図、(c)は接合後の構造を示す断面図である。
図7】第5の実施形態に係る二次電池の外部端子と内部端子との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合前の分解正面図、(c)は接合後の構造を示す正面断面図である。
図8】第6の実施形態に係る二次電池の外部端子及び内部端子の構造を説明するための斜視図である。
図9】第7の実施形態に係る二次電池の外部端子及び内部端子の構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は内部端子の平面図である。
図10】第7の実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1は実施形態に係る二次電池の製造方法における各工程を示す斜視図である。
図2は実施形態に係る二次電池100を示す図であり、このうち(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。なお、図2(a)においては、栓23の図示を省略し、代わりに、栓23によって閉塞される注液孔21を示している。
図3は第1の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)と内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
【0018】
本実施形態に係る二次電池100の製造方法では、第1工程と、第2工程と、をこの順に行う。
第1工程では、負極外部端子50a及び正極外部端子50bがそれぞれ電池蓋20を貫通した状態となるように、電池蓋20に対して負極外部端子50a及び正極外部端子50bをそれぞれ固定する。
第2工程では、負極外部端子50aと、電池缶10の内部に配置されて発電体30の負極電極31に対して接合される負極内部端子60aと、を相互に接合するとともに、正極外部端子50bと、電池缶10の内部に配置されて発電体30の正極電極32に対して接合される正極内部端子60bと、を相互に接合する。
【0019】
本実施形態に係る二次電池100は、一端に開口部10aを有する電池缶10と、負極電極31と正極電極32とを有するとともに電池缶10内に収容されている発電体30と、電池缶10の開口部10aを封止している電池蓋20と、を有する。
二次電池100は、更に、負極外部端子50aと、正極外部端子50bと、負極内部端子60aと、正極内部端子60bと、を有する。
負極外部端子50a及び正極外部端子50bは、電池蓋20を貫通した状態で、それぞれ電池蓋20に対して外部端子固定部(第1固定部41、第2固定部42)において固定されている。
負極内部端子60aは、電池缶10の内部に配置され、負極外部端子50aにおける電池缶10の内部の部分に対して、外部端子固定部(第1固定部41)とは別の第1接合部71において接合されているとともに、負極電極31に対しても接合されている。
正極内部端子60bは、電池缶10の内部に配置され、正極外部端子50bにおける電池缶10の内部の部分に対して、外部端子固定部(第2固定部42)とは別の第2接合部72において接合されているとともに、正極電極32に対しても接合されている。
【0020】
本明細書において、二次電池100における各構成要素の上下の位置関係は、水平な面上に二次電池100を立てて置いたときにおける位置関係であるものとして説明する。ただし、この位置関係は、二次電池100の製造時、使用時、保管時、運搬時等における位置関係とは必ずしも一致しない。
【0021】
先ず、図2を参照して、二次電池100の構造について詳細に説明する。
【0022】
二次電池100は、例えば、角缶型のリチウムイオン二次電池であり、電池缶10と、電池蓋20と、発電体30と、負極外部端子50aと、正極外部端子50bと、負極内部端子60aと、正極内部端子60bと、第1固定部41と、第2固定部42と、栓23(図2(b))と、を有する。
【0023】
電池缶10は、例えば、直方体形状に形成されている。電池缶10は、その一端に開口部10aを有する有底の箱形に形成されている。電池缶10は、アルミニウム合金等の金属材料により構成されている。
【0024】
電池蓋20は、例えば、平板状に形成されており、開口部10aを閉塞して封止している。電池缶10と電池蓋20とにより確定される電池内部領域には、電解液が収容されている。電池蓋20は、アルミニウム合金等の金属材料により構成されている。電池蓋20には、負極外部端子50aを挿通させる第1貫通孔(図示略)と、正極外部端子50bを挿通させる第2貫通孔(図示略)と、がそれぞれ電池蓋20の表裏を貫通して形成されている。
【0025】
電池蓋20には、更に、電池缶10内に電解液を注入するための注液孔21と、ガスを二次電池100の外部に放出するための圧力開放弁22と、が形成されている。
注液孔21は、該注液孔21に設けられた栓23(図2(b))によって封止されている。
圧力開放弁22は、電池蓋20における圧力開放弁22以外の部分よりも薄肉に形成されており、電池蓋20と電池缶10とにより確定される電池内部領域の圧力が上昇したときに破断してガスを放出するようになっている。
【0026】
負極外部端子50a及び正極外部端子50bは、例えば、それぞれ板状に形成されている。負極外部端子50a及び正極外部端子50bは、それぞれ直線状の形状に形成されている。
負極外部端子50aは、電池蓋20の第1貫通孔に挿通されて、電池蓋20を貫通している。同様に、正極外部端子50bは、電池蓋20の第2貫通孔に挿通されて、電池蓋20を貫通している。
【0027】
第1固定部41は、負極外部端子50aを電池蓋20における第1貫通孔の縁部に対して固定しているとともに、負極外部端子50aを電池蓋20に対して絶縁している。
同様に、第2固定部42は、正極外部端子50bを電池蓋20における第2貫通孔の縁部に対して固定しているとともに、正極外部端子50bを電池蓋20に対して絶縁している。
また、第1固定部41は、第1貫通孔を密閉するシール材としても機能する。同様に、第2固定部42は、第2貫通孔を密閉するシール材としても機能する。
【0028】
第1固定部41及び第2固定部42は、熱可塑性樹脂組成物により構成されている。この熱可塑性樹脂組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルおよびポリスルホンからなる群から選ばれる少なくともいずれか一つの熱可塑性樹脂を含有する。
【0029】
負極内部端子60a及び正極内部端子60bは、例えば、それぞれ板状に形成されている。負極内部端子60a及び正極内部端子60bはそれぞれ屈曲した形状又は分岐した形状に形成されている。本実施形態の場合、負極内部端子60a及び正極内部端子60bはそれぞれ屈曲した形状に形成されている。
【0030】
負極外部端子50aの下端部51には、負極内部端子60aの上端部61が接合されており、負極内部端子60aは、負極外部端子50aに対して連接されている。負極外部端子50aと負極内部端子60aとの接合部は、第1接合部71である。
同様に、正極外部端子50bの下端部51には、正極内部端子60bの上端部61が接合されており、正極内部端子60bは、正極外部端子50bに対して連接されている。正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合部は、第2接合部72である。
【0031】
本実施形態の場合、第1接合部71における負極外部端子50aと負極内部端子60aとの接合、並びに、第2接合部72における正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合は、それぞれ冶金的接合である。より具体的には、例えば、図3に示すように、負極外部端子50aと負極内部端子60a、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bは、それぞれ溶接により接合されている。
【0032】
負極外部端子50a及び負極内部端子60aは、それらの長手方向が電池蓋20に対して略直交する方向に延在している。
同様に、正極外部端子50b及び正極内部端子60bは、それらの長手方向が電池蓋20に対して略直交する方向に延在している。
【0033】
負極内部端子60aは、例えば、銅合金等の銅系の金属材料により構成されており、負極外部端子50aは、負極内部端子60aと同種の金属材料により構成されている。
一方、正極内部端子60bは、例えば、アルミニウム合金等のアルミニウム系の金属材料により構成されており、正極外部端子50bは、正極内部端子60bと同種の金属材料により構成されている。
【0034】
発電体30は、いわゆるゼリーロールと称されるものである。図示は省略するが、発電体30は、第1セパレータ、負極層、第2セパレータ及び正極層の順に積層され、これら第1セパレータ、負極層、第2セパレータ及び正極層がまとめて捲回されることにより構成された、捲回電極群である。発電体30(捲回電極群)は、その一端部に負極電極31を有し、他端部に正極電極32を有する。なお、図2(a)では、発電体30が断面楕円形状となっている例を示しているが、発電体30は、図2(a)に示すよりも扁平な形状となるように押しつぶされていても良い。
【0035】
なお、二次電池100が有する発電体30の数は、単数でも複数でも良い。本実施形態の場合、二次電池100は、例えば、2つの発電体30を有する。
【0036】
各発電体30の負極電極31は、負極内部端子60aに対して接合されている。
各発電体30の正極電極32は、正極内部端子60bに対して接合されている。
このため、各発電体30は、それぞれ負極内部端子60aから正極内部端子60bに亘って架設されている。
【0037】
電池缶10には、各発電体30、負極内部端子60a、正極内部端子60b、負極外部端子50aにおける電池蓋20よりも下側の部分、正極外部端子50bにおける電池蓋20よりも下側の部分、第1固定部41における電池蓋20よりも下側の部分、及び、第2固定部42における電池蓋20よりも下側の部分が挿入されている。
そして、電池蓋20の周縁部が電池缶10の開口部10aの縁部に対して接合され、封止されている。
【0038】
次に、二次電池100を製造する方法の一例を説明する。
【0039】
先ず、負極外部端子50a及び正極外部端子50bの表面を粗面化する処理を行う。
【0040】
次に、第1工程を行う。第1工程では、負極外部端子50a及び正極外部端子50bがそれぞれ電池蓋20を貫通した状態となるように、電池蓋20に対して負極外部端子50a及び正極外部端子50bをそれぞれ固定する。
【0041】
より具体的には、例えば、第1工程では、第1貫通孔及び第2貫通孔が形成された電池蓋20の第1貫通孔に負極外部端子50aを挿通するとともに、第2貫通孔に正極外部端子50bを挿通した状態で、熱可塑性樹脂組成物を射出成形する。これにより、負極外部端子50aを電池蓋20における第1貫通孔の縁部に対して固定する第1固定部41と、正極外部端子50bを電池蓋20における第2貫通孔の縁部に対して固定する第2固定部42と、を形成する。
第1工程においては、図示しないインサート成形用の金型又はアウトサート成形用の金型に負極外部端子50a及び正極外部端子50bをそれぞれ固定した状態で、第1固定部41及び第2固定部42を一括して射出成形により形成する。すなわち、射出成形として、インサート成形又はアウトサート成形を行う。
なお、負極外部端子50a及び正極外部端子50bの表面が予め粗面化されているため、負極外部端子50aに対する第1固定部41の接合強度、並びに、正極外部端子50bに対する第2固定部42の接合強度を、それぞれ十分に得ることができる。
【0042】
図1(a)は、第1工程後の組み立て構造を示す。
【0043】
次に、第2工程を行う。第2工程では、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを第1接合部71において相互に接合するとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを第2接合部72において相互に接合する。
【0044】
より具体的には、本実施形態の場合、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを相互に溶接するとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを相互に溶接する(図3参照)。
【0045】
図1(b)は、第2工程後の組み立て構造を示す。
【0046】
次に、発電体30を負極内部端子60a及び正極内部端子60bに対してそれぞれ接合する。負極内部端子60a及び正極内部端子60bに対する発電体30の接合は、例えば、超音波溶接(超音波溶着)により行うことができる。
これにより、図1(c)に示す状態となる。
なお、発電体30を負極内部端子60a及び正極内部端子60bに対してそれぞれ接合する工程は、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを相互に接合するとともに正極外部端子50bと正極内部端子60bとを相互に接合する工程の前に行っても良い。
【0047】
次に、各発電体30、負極内部端子60a、正極内部端子60b、負極外部端子50aにおける電池蓋20よりも下側の部分、正極外部端子50bにおける電池蓋20よりも下側の部分、第1固定部41における電池蓋20よりも下側の部分、及び、第2固定部42における電池蓋20よりも下側の部分を、電池缶10に挿入する。
【0048】
そして、電池蓋20の周縁部を電池缶10の開口部10aの縁部に対して接合し、封止する。この接合は、例えば、レーザー光を照射することによる溶接によって行う。
【0049】
次に、注液孔21を介して電解液を電池缶10内に注入する。次に、注液孔21に栓23を設け、栓23を電池蓋20における注液孔21の縁部に対して接合する。この接合は、例えば、レーザー光を照射することによる溶接によって行う。
【0050】
こうして、二次電池100が得られる(図2(b))。
【0051】
以上のような第1の実施形態によれば、二次電池の製造方法では、第1工程と、第2工程と、をこの順に行う。すなわち、負極端子及び正極端子をそれぞれ2分割した構成としておき、先ず負極外部端子50a及び正極外部端子50bを電池蓋20に固定した後で、負極内部端子60a及び正極内部端子60bをそれぞれ負極外部端子50a及び正極外部端子50bに対して接合する。
よって、第1工程において、射出成形によって第1固定部41及び第2固定部42を形成し、負極外部端子50a及び正極外部端子50bを電池蓋20に固定する場合でも、負極端子及び正極端子の各々の全体を金型に固定する必要がない。すなわち、負極外部端子50a及び正極外部端子50bを金型に固定すれば良い。このため、金型の構造を簡素化することができるとともに、第1工程の際における負極端子及び正極端子の取り回し(ハンドリング)が容易となる。
よって、二次電池を効率よく簡単に製造することができる。
【0052】
特に、負極外部端子50a及び正極外部端子50bはそれぞれ直線状の形状に形成されているため、負極外部端子50a及び正極外部端子50bを電池蓋20に固定する第1工程をより容易に行うことができる。
二次電池100の高容量化、高エネルギー密度化が進むのに伴い、負極内部端子60a及び正極内部端子60bはより複雑に屈曲したり、分岐したりすると考えられるが、第1工程では、負極内部端子60a及び正極内部端子60bは取り扱う必要がない。
第1工程において、射出成形によって第1固定部41及び第2固定部42を形成し、負極外部端子50a及び正極外部端子50bを電池蓋20に固定する場合でも、それぞれ直線状に形成された負極外部端子50a及び正極外部端子50bを金型に固定すれば良い。このため、金型の構造を更に簡素化することができるとともに、第1工程の際における負極端子及び正極端子の取り回し(ハンドリング)が更に容易となる。
【0053】
また、第2工程では、負極外部端子50aと負極内部端子60aとの接合、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合を、それぞれ冶金的接合方法で行うので、容易に、且つ、優れた接合強度で、負極外部端子50aと負極内部端子60a、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bをそれぞれ接合することができる。
【0054】
〔第2の実施形態〕
図4は第2の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)と内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
【0055】
本実施形態に係る二次電池100は、第1接合部71及び第2接合部72の構造が、上記の第1の実施形態に係る二次電池100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る二次電池100と同様に構成されている。
【0056】
本実施形態の場合、第1接合部71における負極外部端子50aと負極内部端子60aとの接合、並びに、第2接合部72における正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合は、それぞれ機械的接合である。
【0057】
すなわち、図4に示すように、負極外部端子50aと負極内部端子60aとが相互に差し込み固定されているとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとが相互に差し込み固定されている。
【0058】
より具体的には、例えば、内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の上端部61には、上方に向けて突出する差込突起62が形成され、外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)の下端部51には、下方に向けて開口した差込孔52が形成されている。
そして、差込突起62が差込孔52に差し込まれることによって、内部端子60と外部端子50とが相互に接合されている。差込突起62は、例えば、差込孔52に対して圧入固定されている。
なお、これとは逆に、内部端子60に差込孔が形成され、外部端子50に差込突起が形成されていても良い。
【0059】
内部端子60と外部端子50とは、差込固定に加えて、部分的な圧着、接着又は超音波溶接によって固定されていても良い。部分的な接着は、導電性接着剤を用いて行うことが好ましい。
【0060】
なお、外部端子50を電池蓋20に対して固定し、且つ、内部端子60を外部端子50に対して固定し、電池蓋20を図2(b)に示すように電池缶10の開口部10aの縁部に対して接合した状態で、内部端子60の下端部が電池缶10の底部に接するか又は近接するようになっている。これにより、差込孔52からの差込突起62の脱落が規制されるようになっている。
【0061】
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法は、第2工程において、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを接合する方法、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを接合する方法が、上記の第1の実施形態に係る二次電池の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る二次電池の製造方法と同様に構成されている。
【0062】
本実施形態の場合、第2工程では、負極外部端子50aと負極内部端子50bとの接合、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合を、それぞれ機械的接合方法で行う。より具体的には、機械的接合方法は、差し込み固定する方法である。
【0063】
以上のような第2の実施形態によっても、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1接合部71における負極外部端子50aと負極内部端子60aとの接合、並びに、第2接合部72における正極外部端子50bと正極内部端子60bとの接合は、それぞれ機械的接合であるので、冶金的な接合を行わなくても、負極外部端子50aと負極内部端子60a、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bを接合することが可能である。
【0064】
〔第3の実施形態〕
図5は第3の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)と内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は接合前の分解斜視図である。
【0065】
本実施形態に係る二次電池100は、第1接合部71及び第2接合部72の構造が、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と同様に構成されている。
【0066】
本実施形態の場合、図5に示すように、負極外部端子50aと負極内部端子60aとが相互に係合固定されているとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとが相互に係合固定されている。
【0067】
より具体的には、例えば、内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の上端部61には、逆J字型の係合フック63が形成され、外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)の下端部51には、J字型の係合フック53が形成されている。
そして、係合フック63と係合フック53とが相互に係合することによって、内部端子60と外部端子50とが相互に接合されている。
【0068】
係合フック63の上端部63a(例えば、上端面)が、電池蓋20の下面に当接するようになっていることが好ましい。この場合、係合フック63が係合フック53に対して相対的に上方に移動することが規制される。この場合、図5(b)に示すように、係合フック63と係合フック53とを相互に水平移動させることによって、係合フック63と係合フック53とを相互に係合させることができる。
【0069】
内部端子60と外部端子50とは、係合固定に加えて、部分的な圧着、接着又は超音波溶接によって固定されていても良い。部分的な接着は、導電性接着剤を用いて行うことが好ましい。
【0070】
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法は、第2工程において、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを接合する機械的接合方法、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを接合する機械的接合方法が、係合固定する方法である点で、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と同様に構成されている。
【0071】
以上のような第3の実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
〔第4の実施形態〕
図6は第4の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)と内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合前の分解断面図、(c)は接合後の構造を示す断面図である。
【0073】
本実施形態に係る二次電池100は、第1接合部71及び第2接合部72の構造が、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と同様に構成されている。
【0074】
本実施形態の場合、図6に示すように、負極外部端子50aと負極内部端子60aとが板ばねを用いて係合固定されているとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとが板ばねを用いて係合固定されている。
【0075】
より具体的には、例えば、内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の上端部61には、上方に向けて突出する差込突起64が形成されている。差込突起64の先端部には、係止突起64aが形成されている。
外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)の下端部51には、下方に向けて開口した差込孔54が形成されている。差込孔54内には板ばね部54aが設けられている。板ばね部54aは、外部端子50と一体形成されていても良いし、外部端子50とは別体に形成された後、外部端子50に対して差込固定されていても良い。
【0076】
差込突起64が差込孔54に差し込まれることによって、内部端子60と外部端子50とが相互に接合されている。板ばね部54aは、差込突起64に対して弾性的に圧接され、板ばね部54aの先端部に対して、係止突起64aが係止されている。
【0077】
なお、これとは逆に、内部端子60に差込孔が形成され、外部端子50に差込突起が形成されていても良い。
【0078】
内部端子60と外部端子50とは、板ばねを用いた係合固定に加えて、部分的な圧着、接着又は超音波溶接によって固定されていても良い。部分的な接着は、導電性接着剤を用いて行うことが好ましい。
【0079】
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法は、第2工程において、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを接合する機械的接合方法、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを接合する機械的接合方法が、板ばねを用いて係合固定する方法である点で、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と同様に構成されている。
【0080】
以上のような第4の実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
〔第5の実施形態〕
図7は第5の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)と内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)との接合構造を説明するための図であり、このうち(a)は接合前の分解斜視図、(b)は接合前の分解正面図、(c)は接合後の構造を示す正面断面図である。
【0082】
本実施形態に係る二次電池100は、第1接合部71及び第2接合部72の構造が、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池100と同様に構成されている。
【0083】
本実施形態の場合、図7に示すように、負極外部端子50aと負極内部端子60aとが相互にかしめ固定されているとともに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとが相互にかしめ固定されている。
【0084】
より具体的には、例えば、内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の上端部61には、上方に向けて突出する差込突起65が形成され、差込突起65の基端部には、差込突起65の上端部よりも細い括れ部65aが形成されている。
外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)の下端部51には、下方に向けて開口した差込孔55が形成されている。
そして、差込突起65が差込孔55に差し込まれた後、外部端子50の下端部51がかしめられることによって、内部端子60と外部端子50とが相互に接合されている。
【0085】
また、本実施形態に係る二次電池の製造方法は、第2工程において、負極外部端子50aと負極内部端子60aとを接合する機械的接合方法、並びに、正極外部端子50bと正極内部端子60bとを接合する機械的接合方法が、かしめ固定する方法である点で、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第2の実施形態に係る二次電池の製造方法と同様に構成されている。
【0086】
以上のような第5の実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
〔第6の実施形態〕
図8は第6の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)及び内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の構造を説明するための斜視図である。
【0088】
本実施形態の場合、第1接合部71及び第2接合部72の構造は、上記の第1乃至第5の実施形態の何れかの構造である。
【0089】
本実施形態の場合、内部端子60は、複数の部分に分岐した形状に形成されている。より具体的には、例えば、内部端子60は、上端部61から2分岐した一対の分岐部67を有する。各分岐部67は、上端部61の下側に連接されているとともに上端部61に対して傾斜している傾斜部67aと、傾斜部67aの下側に連接されているとともに上端部61に対して平行に形成されている対向部67bと、を有する。一対の分岐部67の対向部67bは、互いに対向している。
【0090】
本実施形態の場合、負極内部端子60aの一方の対向部67bに対し、一方の発電体30(図示略)の負極電極31が接合され、他方の対向部67bに対し、他方の発電体30(図示略)の負極電極31が接合されている。
また、正極内部端子60bの一方の対向部67bに対し、一方の発電体30の正極電極32が接合され、他方の対向部67bに対し、他方の発電体30の正極電極32が接合されている。
【0091】
以上のような第6の実施形態によっても、上記の第1乃至第5の実施形態と同様の効果が得られる。
また、内部端子60の各分岐部67に、それぞれ発電体30を設けることができる。
【0092】
〔第7の実施形態〕
図9は第7の実施形態に係る二次電池100の外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)及び内部端子60(負極内部端子60a、正極内部端子60b)の構造を説明するための斜視図であり、このうち(a)は接合後の構造を示す斜視図、(b)は内部端子の平面図である。
図10は第7の実施形態に係る二次電池100の分解斜視図である。
【0093】
本実施形態の場合、第1接合部71及び第2接合部72の構造は、上記の第1乃至第5の実施形態の何れかの構造である。
【0094】
図9に示すように、本実施形態の場合、内部端子60は、その板面が、内部端子60の長手軸周りに90度捻られた形状に形成されている。すなわち、内部端子60は、上から順に、上端部61と、捻れ部68と、発電体保持部69と、を有している。そして、上端部61と発電体保持部69とが相互に直交するように、内部端子60は捻れ部68において90度捻られた構造となっている。
【0095】
図10に示すように、本実施形態の場合、発電体保持部69は、発電体30の端面に接合されている。このため、発電体30の実質的にほぼ全体を、発電に寄与する有効発電領域とすることができる。よって、二次電池100の高出力化、高エネルギー密度化を好適に実現することができる。
【0096】
以上のような第7の実施形態によっても、上記の第1乃至第5の実施形態と同様の効果が得られる。
また、内部端子60は、その板面が、内部端子60の長手軸周りに90度捻られた形状に形成されているので、内部端子60を発電体30の端面に接合することができる。よって、二次電池100の高出力化、高エネルギー密度化を好適に実現することができる。
【0097】
なお、上記の各実施形態では、外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)をそれぞれ電池蓋20に挿通した状態で、熱可塑性樹脂組成物を射出成形することによって、外部端子50を電池蓋20に対して固定する例を説明したが、本発明は、この例に限らない。例えば、外部端子50(負極外部端子50a、正極外部端子50b)をそれぞれ第1部分と第2部分とに分割し、第1部分が有する突起を電池蓋20に挿通し、該突起を第2部分に対して固定することによって、外部端子50がそれぞれ電池蓋20を貫通した状態となるように、電池蓋20に対して外部端子50をそれぞれ固定しても良い。
【符号の説明】
【0098】
10 電池缶
10a 開口部
20 電池蓋
21 注液孔
22 圧力開放弁
23 栓
30 発電体
31 負極電極
32 正極電極
41 第1固定部(外部端子固定部)
42 第2固定部(外部端子固定部)
50 外部端子
50a 負極外部端子
50b 正極外部端子
51 下端部
52 差込孔
53 係合フック
54 差込孔
54a 板ばね部
55 差込孔
60 内部端子
60a 負極内部端子
60b 正極内部端子
61 上端部
62 差込突起
63 係合フック
63a 上端部
64 差込突起
64a 係止突起
65 差込突起
65a 括れ部
67 分岐部
67a 傾斜部
67b 対向部
68 捻れ部
69 発電体保持部
71 第1接合部
72 第2接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10