特許第6486654号(P6486654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486654
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】画像表示システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-226353(P2014-226353)
(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公開番号】特開2016-92647(P2016-92647A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】501159133
【氏名又は名称】株式会社キッズウェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100192083
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸広
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 史也
(72)【発明者】
【氏名】藤井 尚
(72)【発明者】
【氏名】川本 祐司
(72)【発明者】
【氏名】永井 和志
【審査官】 益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−088005(JP,A)
【文献】 特開2003−264790(JP,A)
【文献】 特開2011−248935(JP,A)
【文献】 特開2003−018525(JP,A)
【文献】 特開2007−300549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆無線回線網を通じてクラウドサーバー装置と無線通信を行うカメラを備え、前記カメラによって被写体を撮像して生成した画像データが、前記無線通信によって前記クラウドサーバー装置に送信されて格納され、前記クラウドサーバー装置に格納された前記画像データに対応する画像を表示手段に表示する画像表示システムにおいて、
前記クラウドサーバー装置に対する前記カメラの前記無線通信が確立されているか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段によって、前記無線通信が確立されていないことを検出したときに、前記カメラによって生成した画像データを記憶手段に記憶する制御を行う記憶制御手段と、
前記検出手段によって、前記無線通信が確立されたことを検出したときに、前記記憶制御手段によって前記記憶手段に記憶された前記画像データを、前記無線通信により、前記クラウドサーバー装置に送信する制御を行う送信制御手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記カメラによって生成した画像データを、該画像データを生成した時間を識別する識別情報を付与して前記記憶手段に記憶し、
前記無線通信によって、前記送信制御手段が前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信し、前記識別情報が付与された前記画像データを、前記識別情報に対応付けて前記クラウドサーバー装置に設けられたデータ格納部に格納する制御を行う格納制御手段と、
前記格納制御手段によって前記識別情報が付与された前記画像データが前記データ格納部に格納されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記データ格納部に前記識別情報が付与された前記画像データが格納されていないと判定したときに、該識別情報に対応する前記画像データを前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信することを要求する要求手段と、
前記要求手段によって要求された前記識別情報に対応する画像データを、前記無線通信により、前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信する制御を行う要求送信制御手段と、を備え
前記記憶制御手段は、前記検出手段によって前記無線通信が確立されていないことを検出した時刻から所定の時間幅の第1期間を前記識別情報として付与した前記画像データを前記記憶手段に記憶し、
前記要求送信制御手段の制御によって、前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信された前記画像データに付与された前記第1期間が、予め定められた時刻から所定の時間幅の基準期間と一致するか否か確認する確認手段を備え、
前記クラウドサーバー装置に、前記基準期間に対応付けて前記データ格納部が設けられ、
前記確認手段によって、前記第1期間が前記基準期間と一致しないことを確認したときに、前記第1期間が付与された前記画像データを、前記識別情報として前記基準期間が付与された前記画像データに編集する編集手段を備え、
前記格納制御手段は、前記編集手段によって編集されて前記基準期間が付与された画像データを、該基準期間に対応付けて設けられた前記データ格納部に格納することを特徴とする画像表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、公衆無線回線網を通じてクラウドサーバー装置と無線通信を行うカメラで被写体を撮像して生成した画像データが、前記無線通信によって前記クラウドサーバー装置に送信されて格納され、該クラウドサーバー装置に格納された前記画像データに対応する画像を表示手段に表示する画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、有線回線網や無線回線網のような公衆回線網を通じてクラウドサーバー装置と通信を行う監視用カメラを備え、監視用カメラによって被写体を撮像して生成した画像データが、公衆無線回線網を通じて行われる無線通信により、クラウドサーバー装置に送信されて格納される画像表示システムが開示されている。特許文献1に記載の画像表示システムでは、例えば、クラウドサーバー装置は、監視用カメラから離れた場所に設置されたパーソナルコンピュータに前記画像データを送信し、パーソナルコンピュータのディスプレイに、該画像データに対応する画像を表示する。このようにすることで、監視用カメラによって撮影した画像を、監視用カメラから離れた場所から必要に応じて確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−137674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の画像表示システムでは、公衆無線回線網の故障等が原因となってクラウドサーバー装置に対するカメラの無線通信が確立できなくなった場合には、カメラによって生成する画像データを、公衆無線回線網を通じてクラウドサーバー装置に送信できなくなることが懸念されていた。
【0005】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、クラウドサーバー装置に対するカメラの無線通信が確立できないときにカメラによって生成した画像データを、クラウドサーバー装置に送信可能な画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る画像表示システムは、公衆無線回線網を通じてクラウドサーバー装置と無線通信を行うカメラを備え、前記カメラによって被写体を撮像して生成した画像データが、前記無線通信によって前記クラウドサーバー装置に送信されて格納され、前記クラウドサーバー装置に格納された前記画像データに対応する画像を表示手段に表示する画像表示システムにおいて、前記クラウドサーバー装置に対する前記カメラの前記無線通信が確立されているか否かを検出する検出手段と、前記検出手段によって、前記無線通信が確立されていないことを検出したときに、前記カメラによって生成した画像データを記憶手段に記憶する制御を行う記憶制御手段と、前記検出手段によって、前記無線通信が確立されたことを検出したときに、前記記憶制御手段によって前記記憶手段に記憶された前記画像データを、前記無線通信により、前記クラウドサーバー装置に送信する制御を行う送信制御手段と、を備え
前記記憶制御手段は、前記カメラによって生成した画像データを、該画像データを生成した時間を識別する識別情報を付与して前記記憶手段に記憶し、前記無線通信によって、前記送信制御手段が前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信し、前記識別情報が付与された前記画像データを、前記識別情報に対応付けて前記クラウドサーバー装置に設けられたデータ格納部に格納する制御を行う格納制御手段と、前記格納制御手段によって前記識別情報が付与された前記画像データが前記データ格納部に格納されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記データ格納部に前記識別情報が付与された前記画像データが格納されていないと判定したときに、該識別情報に対応する前記画像データを前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信することを要求する要求手段と、前記要求手段によって要求された前記識別情報に対応する画像データを、前記無線通信により、前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信する制御を行う要求送信制御手段と、を備え
前記記憶制御手段は、前記検出手段によって前記無線通信が確立されていないことを検出した時刻から所定の時間幅の第1期間を前記識別情報として付与した前記画像データを前記記憶手段に記憶し、前記要求送信制御手段の制御によって、前記記憶手段から前記クラウドサーバー装置に送信された前記画像データに付与された前記第1期間が、予め定められた時刻から所定の時間幅の基準期間と一致するか否か確認する確認手段を備え、前記クラウドサーバー装置に、前記基準期間に対応付けて前記データ格納部が設けられ、前記確認手段によって、前記第1期間が前記基準期間と一致しないことを確認したときに、前記第1期間が付与された前記画像データを、前記識別情報として前記基準期間が付与された前記画像データに編集する編集手段を備え、前記格納制御手段は、前記編集手段によって編集されて前記基準期間が付与された画像データを、該基準期間に対応付けて設けられた前記データ格納部に格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明に係る画像表示システムによれば、仮に、クラウドサーバー装置に対するカメラの無線通信が確立できなくなったとしても、無線通信が確立されると、該無線通信が確立される前に記憶手段に記憶された画像データを、送信制御手段によって、クラウドサーバー装置に送信できる。これにより、無線通信が確立される前の画像データを、該無線通信の確立後にクラウドサーバー装置に送信することが可能になる。
また、クラウドサーバー装置に対するカメラの無線通信が確立できないことが原因となり、判定手段によって、クラウドサーバー装置のデータ格納部に識別情報が付与された画像データが格納されていないと判定した場合でも、要求送信制御手段の制御により、無線通信が確立される前に記憶手段に記憶されて識別情報に対応する画像データを、記憶手段からクラウドサーバー装置に送信することが可能になる。
さらに、クラウドサーバー装置に対するカメラの無線通信が確立する前に、クラウドサーバー装置のデータ格納部と対応付けた基準期間と一致しない第1期間が付与された画像データが、記憶手段に記憶されている場合でも、編集手段及び格納制御手段によって、基準期間に対応付けたデータ格納部に、該基準期間が付与された画像データを編集して格納することが可能になる。

【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の画像表示システムのブロック図である。
図2】同画像表示システムを構成する監視用カメラが実行する処理に関するフローチャートである。
図3】同画像表示システムを構成するクラウドサーバー装置が実行する処理に関する第1フローチャートである。
図4】その第2フローチャートである。
図5】第1期間が付与された画像データを基準期間が付与された画像データに編集する処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を図1ないし図5を参照しつつ説明する。図1に示すように画像表示システム1は、監視用カメラ2と、無線通信部3と、クラウドサーバー装置4と、パーソナルコンピュータ5とを備えている。以下に、監視用カメラ2、無線通信部3、クラウドサーバー装置4、パーソナルコンピュータ5の順でそれぞれの構成を説明する。
【0012】
<監視用カメラ2、無線通信部3の構成>
監視用カメラ2は、ここでは工事現場の状況を撮影するものであり、工事現場の所定の位置に立設した単管パイプに取り付けられている。監視用カメラ2は、第1演算処理部7と、撮像素子8と、メモリカードスロット10と、プログラム格納メモリ11とを備えている。第1演算処理部7には撮像素子8が接続されている。撮像素子8は、撮影領域の被写体を撮像して生成した画像データを第1演算処理部7に出力する。また、第1演算処理部7には、監視用カメラ2と別個に設けた無線通信部3が接続されている。この無線通信部3は、携帯電話網15の基地局16と無線通信を行い、この携帯電話網15に繋がるインターネット網17に接続されている。インターネット網17にはクラウドサーバー装置4が接続されている。よって、監視用カメラ2に接続された無線通信部3とクラウドサーバー装置4との無線通信を確立することが可能になる。さらに、無線通信部3は、該無線通信が確立されているか否かを監視し、該無線通信が確立されていると、フラグを1にセットする。一方、無線通信部3は、前記無線通信が確立されていなければ、フラグを0にセットする。なお、監視用カメラ2は本発明のカメラの一例であり、携帯電話網15は本発明の公衆無線回線網の一例である。
【0013】
図1に示すように第1演算処理部7には、メモリカードスロット10及びプログラム格納メモリ11も接続されている。メモリカードスロット10には、記憶媒体(ここではSDカード)が挿入される。プログラム格納メモリ11には、第1演算処理部7から出力される画像データをSDカードに記憶する記憶制御プログラムや、前記画像データをクラウドサーバー装置4に送信する送信制御プログラムが格納されている。第1演算処理部7は、記憶制御プログラムに基づいて、前記画像データをSDカードに記憶させる。なお、SDカードは本発明の記憶手段の一例である。
【0014】
<クラウドサーバー装置4の構成>
図1に示すクラウドサーバー装置4は、監視用カメラ2の第1演算処理部7から出力された画像データを格納するものである。クラウドサーバー装置4は、第2演算処理部19と、メモリ20とを備えている。第2演算処理部19はインターネット網17に接続され、この第2演算処理部19にはメモリ20が接続されている。メモリ20は、基準期間別データ格納フォルダ21と、プログラム格納フォルダ22とを備えている。基準期間別データ格納フォルダ21は、予め定められた時刻から所定の時間幅(ここでは1分間)に当たる基準期間に対応付けて画像データを格納するようにしている。本実施形態では、この基準期間を、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立された時刻(00時00分00秒)から2週間後迄を1分毎に等分割した各分割期間とした。また、プログラム格納フォルダ22には、第1演算処理部7から携帯電話網15及びインターネット網17を介して第2演算処理部19に送信された画像データを基準期間別データ格納フォルダ21に格納する格納制御プログラム、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在するときに該基準期間別データ格納フォルダ21に格納されていない画像データを第1演算処理部7に要求する要求プログラム、後述するように識別情報が前記基準期間と一致しないときに画像データを編集する編集プログラムが記憶されている。そして、第2演算処理部19は、格納制御プログラムに基づいて、第1演算処理部7から出力された画像データを基準期間別データ格納フォルダ21に格納する。なお、基準期間別データ格納フォルダ21は本発明のデータ格納部の一例である。
【0015】
<パーソナルコンピュータ5の構成>
図1に示すように、パーソナルコンピュータ5はインターネット網17に接続されている。パーソナルコンピュータ5は、図示しないディスプレイを備えている。クラウドサーバー装置4は、パーソナルコンピュータ5を認証すると、基準期間別データ格納フォルダ21に格納された画像データをパーソナルコンピュータ5に送信する。パーソナルコンピュータ5は、画像表示プログラムに基づいて、受信した画像データに対応する工事現場の画像をディスプレイに表示する。なお、パーソナルコンピュータ5のディスプレイは本発明の表示手段の一例である。
【0016】
続いて、図2を用い、監視用カメラ2の第1演算処理部7が実行する処理の例を説明する。以下では、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立されているときに第1演算処理部7が画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理、前記無線通信が確立されていないときに第1演算処理部7が画像データをSDカードに記憶する処理、第1演算処理部7がSDカードに記憶された画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理を順番に説明する。
【0017】
<第1演算処理部7が画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理>
監視用カメラ2に電源が供給されると、第1演算処理部7は、プログラム格納メモリ11に記憶された送信制御プログラム、記憶制御プログラムに基づいて、図2のスタートからエンドまでの処理を繰り返し実行する。前記電源が供給されると、第1演算処理部7は、無線通信部3にセットされているフラグを検出し、このフラグが1にセットされて、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立されているか否かを判断する(S1)。なお、第1演算処理部7は本発明の検出手段の一例である。
S1において、前記無線通信が確立されていると判断した場合には、第1演算処理部7は、S2で、後述する画像データ送信要求処理(S12、図4参照。)により、SDカードに記憶された画像データ(記憶画像データ)の送信要求がされていないと判断すると、撮影画像データ送信制御処理(S3)を実行する。撮影画像データ送信制御処理(S3)では、第1演算処理部7によって、撮像素子8から順次受信した画像データを、有線通信にて無線通信部3に送信する処理を実行する。この画像データには、無線通信部3に送信されるときに、該画像データを生成した時間を識別する識別情報(ここでは上述した基準期間)が付与されている。さらに、撮影画像データ送信制御処理(S3)では、有線通信にて画像データを送信した後に、無線通信部3に対し、前記画像データを無線通信にて携帯電話網15(基地局16)及びインターネット網17を介してクラウドサーバー装置4に送信することを指示する処理を実行する。これにより、無線通信部3は、基準期間が付された画像データをクラウドサーバー装置4に送信する。
【0018】
<第1演算処理部7が画像データをSDカードに記憶する処理>
上記のS1において、第1演算処理部7は、無線通信部3にセットされているフラグが0であることを検出し、無線通信が確立されていないと判断した場合には、画像データ記憶制御処理(S5)を実行する。画像データ記憶制御処理(S5)では、前記無線通信が確立されていないときに、第1演算処理部7によって、撮像素子8から受信した画像データをSDカードに記憶する処理を実行する。この画像データには、記憶制御プログラムに基づいて、監視用カメラ2に電源が供給された後で、前記無線通信が確立されていないと判断された時刻から所定の時間幅(ここでは1分間)に当たる第1期間が付与されている。また、第1期間が前記基準期間と一致する状況が発生した場合には、該基準期間が画像データに付与される。なお、第1演算処理部7は本発明の記憶制御手段の一例である。
【0019】
<第1演算処理部7がSDカードに記憶された画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理>
前回のS1において、無線通信が確立されていないと判断した後で、次回のS1において、無線通信が確立されていると判断した場合には、撮影画像データ送信制御処理(S3)の後に、S7において、画像データ記憶制御処理(S5)により、第1期間又は基準期間が付与された画像データがSDカードに記憶されているか否かを判断する。S7において、SDカードに画像データが記憶されていると判断されると、記憶画像データ送信制御処理(S8)を実行する。記憶画像データ送信制御処理(S8)では、SDカードに記憶されている画像データを、有線通信にて無線通信部3に送信する処理を実行する。さらに、記憶画像データ送信制御処理(S8)では、前記有線通信にて前記画像データを送信した後に、無線通信部3に対し、前記画像データを無線通信にて携帯電話網15(基地局16)及びインターネット網17を介してクラウドサーバー装置4に送信することを指示する処理を実行する。このようにしたことで、前回のS1において、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できなかったと判断しても、次回のS1において、前記無線通信が確立されていると判断すると、該無線通信が確立される前に画像データ記憶制御処理(S5)によりSDカードに記憶された画像データを、記憶画像データ送信制御処理(S8)により、クラウドサーバー装置4に送信できる。よって、前記無線通信が確立される前の画像データを、該無線通信の確立後にクラウドサーバー装置4に送信することが可能になる。なお、第1演算処理部7は本発明の送信制御手段の一例である。
【0020】
次に、図2ないし図4を用い、第1演算処理部7や、クラウドサーバー装置4の第2演算処理部19が実行する処理の例を説明する。以下では、無線通信部3からクラウドサーバー装置4に送信された画像データを第2演算処理部19が基準期間別データ格納フォルダ21に格納する処理、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在しているときに第2演算処理部19が、該基準期間別データ格納フォルダ21に格納する画像データの送信を要求する処理、この要求処理に応じ第1演算処理部7がSDカードに記憶された画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理、無線通信部3からクラウドサーバー装置4に送信された画像データに付与された識別情報が基準期間と一致しないときに第2演算処理部19が、基準期間別データ格納フォルダ21に格納する画像データを編集する処理を順番に説明する。
【0021】
<第2演算処理部19が画像データを基準期間別データ格納フォルダ21に格納する処理>
第2演算処理部19は、プログラム格納フォルダ22(図1参照。)に格納された格納制御プログラム、要求プログラム、編集プログラム(例えばffmpeg)に基づいて、図3及び図4のスタートからエンドまでの処理を繰り返し実行する。図3に示すように第2演算処理部19は、撮影画像データ送信制御処理(S3)によって、無線通信部3から、基準期間が付与された撮影画像データ(撮像素子8によって生成した画像データ)を受信したか否かを判断する(S9)。S9において、撮影画像データを受信していないと判断した場合には、引き続きS9の判断を行う。一方S9において、撮影画像データを受信したと判断した場合には、第2演算処理部19は、画像データ格納制御処理(S10)を実行する。画像データ格納制御処理(S10)では、S9によって受信して基準期間が付与された各撮影画像データを、該基準期間に対応付けて基準期間別データ格納フォルダ21に格納する処理を実行する。
【0022】
<第2演算処理部19が、基準期間別データ格納フォルダ21に格納する画像データの送信を要求する処理>
図4に示すように第2演算処理部19は、S11において、第1期間又は基準期間が付与された画像データがSDカードに記憶されているか否かを判断する。これは、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できない期間が存在したことで、画像データがSDカードに記憶されていることから、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在することを確認できるからである。なお、第2演算処理部19は本発明の判定手段の一例である。
このS11では、SDカードにアクセスし、アクセスしたSDカードに画像データが記憶されているか否かを判断する。S11において、SDカードに画像データが記憶されていると判断した場合には、画像データ送信要求処理(S12)を実行する。画像データ送信要求処理(S12)では、第2演算処理部19が、第1演算処理部7に対し、インターネット網17、携帯電話網15、無線通信部3を経由して画像データ出力要求信号を出力し、SDカードから第2演算処理部19に画像データを送信することを要求する処理を実行する。なお、第2演算処理部19は本発明の要求手段の一例である。
【0023】
<第1演算処理部7が、画像データ出力要求信号に応じ、SDカードに記憶された画像データをクラウドサーバー装置4に送信する処理>
図2のS2において第1演算処理部7が、画像データ出力要求信号を受信することにより、図4のS11で、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在することを確認したと判断した場合には、記憶画像データ送信制御処理(S8)を実行する。記憶画像データ送信制御処理(S8)では、第1演算処理部7が、SDカードから読み出して第1期間又は基準期間が付与された画像データを、有線通信にて無線通信部3に送信する処理を実行する。さらに、記憶画像データ送信制御処理(S8)では、前記有線通信にて前記画像データを送信した後に、無線通信部3に対し、前記画像データを無線通信にて携帯電話網15(基地局16)及びインターネット網17を介してクラウドサーバー装置4に送信することを指示する処理を実行する。このようにしたことで、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できないことが原因となり、S11において、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在すると判断した場合でも、記憶画像データ送信制御処理(S8)により、前記無線通信が確立される前にSDカードに記憶されて、第1期間又は基準期間が付与された画像データを、SDカードからクラウドサーバー装置4に送信することが可能になる。なお、第1演算処理部7は本発明の要求送信制御手段の一例である。
【0024】
図4のS13において、記憶画像データ送信制御処理(S8)によりクラウドサーバー装置4に送信された画像データを受信したと判断すると、第2演算処理部19は、この画像データに付与された識別情報が基準期間と一致するか否かを判断する(S14)。S14では、各画像データに付与された識別情報の初期時刻に00秒が含まれ(例えば、00時00分00秒)、識別情報の終了時刻が初期時刻の1分後(例えば、00時01分00秒)である場合には、識別情報が基準期間と一致すると判断する。これに対し、前記初期時刻に00秒が含まれず(例えば、00時00分45秒)、前記終了時刻が該初期時刻の1分後(例えば、00時01分45秒)となるように、識別情報が第1期間である場合には、識別情報が基準期間と一致しないと判断する。
S14において、識別情報が基準期間と一致すると判断した場合には、第2演算処理部19は、画像データ格納制御処理(S15)を実行する。画像データ格納制御処理(S15)では、S13によって受信して基準期間が付与された各画像データを、該基準期間に対応付けて基準期間別データ格納フォルダ21に格納する処理を実行する。なお、第2演算処理部19は、本発明の格納制御手段の一例である。
【0025】
<第2演算処理部19が、基準期間別データ格納フォルダ21に格納する画像データを編集する処理>
S14において第2演算処理部19が、記憶画像データ送信制御処理(S8)によりSDカードからクラウドサーバー装置4に送信された画像データに第1期間(識別情報)が付与されており、識別情報が基準期間と一致しないと判断すると、格納画像データ編集処理(S18)を実行する。なお、第2演算処理部19は本発明の確認手段の一例である。
格納画像データ編集処理(S18)では、第2演算処理部19が、ffmpegにより、第1期間が付与された画像データを基準期間が付与された画像データに編集する処理を実行する。その具体例を、図5を用いて説明する。
図5には、画像データAに第1期間(00時01分30秒〜00時02分30秒)が付与され、画像データBに第1期間(00時02分30秒〜00時03分30秒)が付与された場合を示した。格納画像データ編集処理(S18)では、画像データAから指定した時間(00時02分00秒〜00時02分30秒)の画像データを切り出し、画像データBから指定時間(00時02分30秒〜00時03分00秒)の画像データを切り出す。その後、切り出した2つの画像データを結合させる。このようにして、画像データA,Bから基準期間(00時02分00秒〜00時03分00秒)が付与された画像データを編集する。なお、第2演算処理部19は本発明の編集手段の一例である。
【0026】
第2演算処理部19は、格納画像データ編集処理(S18)の後に画像データ格納制御処理(S15)を実行する。画像データ格納制御処理(S15)では、格納画像データ編集処理(S18)により編集され、基準期間が付与された画像データを、該基準期間に対応付けて基準期間別データ格納フォルダ21に格納する処理を実行する。この画像データ格納制御処理(S15)が終了することにより、図4に示す例では、前回のS1において、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できなかったと判断し、画像データ記憶制御処理(S5)により第1期間が付与された画像データA,BがSDカードに記憶される。このため、次回のS1において前記無線通信が確立されていると判断される以前に、基準期間ではなく第1期間が付与された画像データA,BがSDカードに記憶されている場合でも、格納画像データ編集処理(S18)により編集され、基準期間が付与された画像データを、該基準期間に対応させて基準期間別データ格納フォルダ21に格納することが可能になる。
【0027】
<本実施形態の効果>
本実施形態の画像表示システム1では、前回のS1(図2参照。)において、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できなかったと判断しても、次回のS1において、前記無線通信が確立されていると判断すると、該無線通信が確立される前に画像データ記憶制御処理(S5)によりSDカードに記憶された画像データを、記憶画像データ送信制御処理(S8)により、クラウドサーバー装置4に送信できる。よって、前記無線通信が確立される前の画像データを、該無線通信の確立後にクラウドサーバー装置4に送信することが可能になる。
【0028】
また、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できないことが原因となり、S11(図4参照。)において、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21が散在すると判断した場合でも、記憶画像データ送信制御処理(S8)により、前記無線通信が確立される前にSDカードに記憶されて、画像データが格納されていない基準期間別データ格納フォルダ21に対応する基準期間が付与された画像データを、SDカードからクラウドサーバー装置4に送信することが可能になる。この他にも、記憶画像データ送信制御処理(S8)により、第1期間が付与された画像データを、SDカードからクラウドサーバー装置4に送信することが可能になる。
【0029】
さらに、前回のS1において、クラウドサーバー装置4に対する監視用カメラ2の無線通信が確立できなかったと判断し、画像データ記憶制御処理(S5)により第1期間が付与された画像データA,BがSDカードに記憶される。このため、次回のS1において前記無線通信が確立されていると判断される以前に、基準期間ではなく第1期間が付与された画像データA,BがSDカードに記憶されている場合でも、格納画像データ編集処理(S18)により編集され、基準期間が付与された画像データを、該基準期間に対応させて基準期間別データ格納フォルダ21に格納することが可能になる。
【0030】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば、監視用カメラ2は、撮影領域に光を照射する照明装置を備え、夜間においても撮影領域の被写体を撮影可能なものとしてもよい。また、監視用カメラ2の設置場所は、工事現場に限らず、不審者を監視するために、駐車場、店舗内、学校やビルの出入口等の遠方から監視が必要な場所であってもよい。加えて、上述した実施形態とは異なり、監視用カメラ2を複数台設置して、異なる複数の位置を監視してもよい。さらに、上述した実施形態とは異なり、クラウドサーバー装置4は、パーソナルコンピュータ5以外にも、インターネット網17に接続されたスマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯電話を認証し、工事現場の画像をスマートフォンの画面等に表示してもよい。さらには、上述した実施形態とは異なり画像表示システムは、第1演算処理部7を監視用カメラ2とは別個に設けて構成したり、第2演算処理部19をクラウドサーバー装置と別個に設けた装置に内蔵させて構成してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1・・画像表示システム、2・・監視用カメラ、4・・クラウドサーバー装置、5・・パーソナルコンピュータ、7・・第1演算処理部、15・・携帯電話網、19・・第2演算処理部。
図1
図2
図3
図4
図5