(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
版胴からゴム胴にインキを転写し、このインキが転写されたゴム胴を回転させながら、前処理工程で処理された伸縮し易い基材からなるシート状の被印刷物に電子回路の印刷を行う電子回路の印刷方法において、
前記前処理工程で、前記被印刷物の天地方向に離れた位置に1対の基準マークを付加する基準マーク付加工程と、
前記被印刷物の1対の基準マークのうち一方の基準マークを含む領域を撮像する第1の撮像工程と、
前記被印刷物の1対の基準マークのうち他方の基準マークを含む領域を撮像する第2の撮像工程と、
前記第1の撮像工程で撮像された前記被印刷物の画像から前記一方の基準マークの位置を検出する第1の基準マーク位置検出工程と、
前記第2の撮像工程で撮像された前記被印刷物の画像から前記他方の基準マークの位置を検出する第2の基準マーク位置検出工程と、
前記第1の基準マーク位置検出工程で検出された一方の基準マークの位置および前記第2の基準マーク位置検出工程で検出された他方の基準マークの位置より前記1対の基準マーク間の距離を求める基準マーク間距離演算工程と、
前記基準マーク間距離演算工程で求められた1対の基準マーク間の距離に応じて前記被印刷物への電子回路の印刷時のゴム胴の回転速度を調整する回転速度調整工程と、
前記第1の基準マーク位置検出工程で検出された一方の基準マークの位置と、この一方の基準マークに対して予め定められている基準位置とから、前記一方の基準マークの位置と前記基準位置との間の天地方向のずれ量を求める天地方向ずれ量演算工程と、
前記天地方向ずれ量演算工程によって求められた天地方向のずれ量に基づいて前記被印刷物への前記電子回路の印刷開始位置を補正する印刷開始位置補正工程と
を備えることを特徴とする電子回路の印刷方法。
版胴からゴム胴にインキを転写し、このインキが転写されたゴム胴を回転させながら、前処理工程で処理された伸縮し易い基材からなるシート状の被印刷物に電子回路の印刷を行う電子回路の印刷装置において、
前記前処理工程で、前記被印刷物の天地方向に離れた位置に1対の基準マークを付加する基準マーク付加手段と、
前記被印刷物の1対の基準マークのうち一方の基準マークを含む領域および他方の基準マークを含む領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された前記被印刷物の画像から前記一方の基準マークの位置を検出する第1の基準マーク位置検出手段と、
前記撮像手段で撮像された前記被印刷物の画像から前記他方の基準マークの位置を検出する第2の基準マーク位置検出手段と、
前記第1の基準マーク位置検出手段で検出された一方の基準マークの位置および前記第2の基準マーク位置検出手段で検出された他方の基準マークの位置より前記1対の基準マーク間の距離を求める基準マーク間距離演算手段と、
前記基準マーク間距離演算手段で求められた1対の基準マーク間の距離に応じて前記被印刷物への電子回路の印刷時のゴム胴の回転速度を調整する回転速度調整手段と、
前記第1の基準マーク位置検出手段で検出された一方の基準マークの位置と、この一方の基準マークに対して予め定められている基準位置とから、前記一方の基準マークの位置と前記基準位置との間の天地方向のずれ量を求める天地方向ずれ量演算手段と、
前記天地方向ずれ量演算手段によって求められた天地方向のずれ量に基づいて前記被印刷物への前記電子回路の印刷開始位置を補正する印刷開始位置補正手段と
を備えることを特徴とする電子回路の印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子回路の印刷方法の実施に用いる電子回路の印刷装置の一実施の形態の要部を示す図である。
【0014】
この電子回路の印刷装置は、版胴(P)1とゴム胴(B)2と平台(テーブル)3とを備えたフラットベッドタイプの印刷機(平台印刷機)100と、この印刷機100に対して設けられた平台印刷制御装置200とを備えている。
【0015】
印刷機100において、版胴1およびゴム胴2は回転可能に支持されており、テーブル3には所定の位置に被印刷物4がセットされ、版胴1にはテーブル3上の被印刷物4に電子回路を印刷するための版が装着されている。被印刷物4は、1枚のフィルムであり、1度目の回路が印刷されている。
【0016】
この印刷機100では、版胴1からゴム胴2にインキが転写され、このインキが転写されたゴム胴2がテーブル3に降ろされ、このテーブル3に降ろされたゴム胴2が回転しながら図示右方向に移動することによって、被印刷物4への電子回路(2度目の回路)の印刷が行われる。
【0017】
被印刷物4は、同じ印刷機100で1度目の回路を印刷し、乾燥させた後、絶縁膜をその上に塗布した状態で、再度この印刷機100にセットされている。すなわち、被印刷物4には前処理工程で、1度目の回路の印刷や絶縁膜の塗布が行われている。
【0018】
また、本実施の形態では、この被印刷物4への2度目の回路の印刷を行う前の前処理工程において、1度目の回路の印刷と同時に、
図2に示すように、被印刷物4に4つのレジスタマークRM1を印刷している。
【0019】
この例では、ゴム胴2が移動する方向を被印刷物4の天地方向(Y方向)とし、この天地方向と直交する方向を被印刷物4の左右方向(X方向)とし、被印刷物4の左側の天地方向に離れた位置に1対のレジスタマークRM1
L1とRM1
L2を、被印刷物4の右側の天地方向に離れた位置に1対のレジスタマークRM1
R1とRM1
R2を、1度目の回路の印刷と同時に印刷している。
【0020】
この例において、レジスタマークRM1は円形とされているが、このような形のマークに限られるものではない。また、このレジスタマークRM1は、必ずしも1度目の回路の印刷と同時に印刷されたものでなくてもよく、後から塗布されたようなものであっても構わない。
【0021】
なお、本発明でいう1対の基準マークは、被印刷物4Aの天地方向に離れた位置に印刷されたレジスタマークRM1の対(RM1
L1とRM1
L2との対、RM1
R1とRM1
R2との対)に相当する。
【0022】
また、この印刷機100には、テーブル3上の被印刷物4を挾んでゴム胴2とは反対側の位置に、2つのカメラ210(210L,210R)が設けられている。
【0023】
第1のカメラ210L(以下、左カメラと呼ぶ)は、テーブル3上の被印刷物4の1対のレジスタマークRM1
L1とRM1
L2の印刷位置に対応して設けられており、後述するように、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1
L1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1
L2を含む領域を撮像する。
【0024】
第2のカメラ210R(以下、右カメラと呼ぶ)は、テーブル3上の被印刷物4の1対のレジスタマークRM1
R1とRM1
R2の印刷位置に対応して設けられており、後述するように、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に移動して、第1のマーク位置PM1においてレジスタマークRM1
R1を含む領域を撮像し、第2のマーク位置PM2においてレジスタマークRM1
R2を含む領域を撮像する。
【0025】
図3に平台印刷制御装置200の要部のブロック図を示す。平台印刷制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、入力装置204、表示器205、出力装置(FDドライブ、プリンタ等)206、印刷準備開始スイッチ207、印刷開始スイッチ208、カメラ210(左カメラ210L、右カメラ210R)、カメラ移動用モータ211、カメラ移動用モータドライバ212、カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213、カメラ位置検出用カウンタ214、D/A変換器215、カメラの原点位置検出器216、版胴駆動用モータ217、版胴駆動用モータドライバ218、版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219、版胴回転位相検出用カウンタ220、D/A変換器221を備えている。
【0026】
また、ゴム胴駆動用モータ222、ゴム胴駆動用モータドライバ223、ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225、D/A変換器226、ゴム胴天地方向移動用モータ227、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228、ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229、ゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230、D/A変換器231、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232、ゴム胴昇降用エアシリンダ233、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234、インキ装置235、胴着脱装置236、メモリ237、入出力インターフェイス(I/O,I/F)238−1〜238−16を備えている。
【0027】
この平台印刷制御装置200において、CPU201は、インターフェイス238−1〜238−16を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM203やメモリ237にアクセスしながら、ROM202に格納されたプログラムに従って動作する。
【0028】
カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213は、カメラ移動用モータ211の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、カメラ移動用モータドライバ212およびカメラ位置検出用カウンタ214に出力する。また、カメラ移動用モータ用ロータリエンコーダ213は、カメラ移動用モータ211の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、カメラ位置検出用カウンタ214にゼロパルスを出力する。カメラ移動用モータ211は、テーブル3上の被印刷物4の上面を天地方向に、左カメラ210Lと右カメラ210Rとを同時に移動させる。カメラの原点位置検出器216は、左カメラ210Lと右カメラ210Rとを同時に移動させる際の最初の位置を原点位置として検出する。
【0029】
版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219は、版胴駆動用モータ217の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、版胴駆動用モータドライバ218および版胴回転位相検出用カウンタ220に出力する。また、版胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ219は、版胴駆動用モータ217の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、版胴回転位相検出用カウンタ220にゼロパルスを出力する。
【0030】
ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224は、ゴム胴駆動用モータ222の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、ゴム胴駆動用モータドライバ223およびゴム胴回転位相検出用カウンタ225に出力する。また、ゴム胴駆動用モータ用ロータリエンコーダ224は、ゴム胴駆動用モータ222の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225にゼロパルスを出力する。
【0031】
ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229は、ゴム胴天地方向移動用モータ227の所定回転角毎にクロックパルスを発生して、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228およびゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230に出力する。また、ゴム胴天地方向移動用モータ用ロータリエンコーダ229は、ゴム胴天地方向移動用モータ227の所定回転角度位置毎にゼロパルスを発生して、ゴム胴天地方向位置検出用カウンタ230にゼロパルスを出力する。ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232は、ゴム胴2を天地方向に移動させる際の最初の位置を原点位置として検出する。
【0032】
図4〜
図9にメモリ237の内容を分割して示す。メモリ237にはメモリM1〜M61が設けられる。メモリM1にはカメラ移動用モータの回転速度Vcが記憶されている。メモリM2にはカメラ位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM3にはカメラの現在位置PCM
Rが記憶される。メモリM4には第1のマーク位置PM1が記憶されている。メモリM5にはカウント値Yが記憶される。メモリM6にはカウント値Xが記憶される。メモリM7には左のカメラの第1のマーク位置PM1における撮像データが記憶される。メモリM8にはカメラ(左右のカメラ)の左右方向の画素数aが記憶されている。メモリM9にはカメラ(左右のカメラ)の天地方向の画素数bが記憶されている。メモリM10には第2のマーク位置PM2が記憶されている。
【0033】
メモリM11には右のカメラの第1のマーク位置PM1における撮像データが記憶される。メモリM12には左のカメラの第2のマーク位置PM2における撮像データが記憶される。メモリM13には右のカメラの第2のマーク位置PM2における撮像データが記憶される。メモリM14にはカウント値Nが記憶される。メモリM15にはカウント値Mが記憶される。メモリM16にはレジスタマークの画素データが記憶されている。メモリM17にはレジスタマークの左右方向の画素数cが記憶されている。メモリM18にはレジスタマークの天地方向の画素数dが記憶されている。メモリM19には左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークの測定位置(M1x1
L,M1y1
L)が記憶される。メモリM20には左の第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークの測定位置(M1x2
L,M1y2
L)が記憶される。
【0034】
メモリM21には第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向の基準位置M1y1rが記憶されている。メモリM22には左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔM1y1
Lが記憶される。メモリM23には左のレジスタマーク間の距離LM1
Lが記憶される。メモリM24には右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークの測定位置(M1x1
R,M1y1
R)が記憶される。メモリM25には右の第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークの測定位置(M1x2
R,M1y2
R)が記憶される。メモリM26には右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔM1y1
Rが記憶される。メモリM27には第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)が記憶される。メモリM28には右のレジスタマーク間の距離LM1
Rが記憶される。メモリM29にはレジスタマーク間の距離の平均値LM1が記憶される。メモリM30にはレジスタマーク間の基準距離LM1rが記憶されている。
【0035】
メモリM31にはレジスタマーク間の伸縮率ηが記憶される。メモリM32には基準の印刷開始位置PRT
STが記憶されている。メモリM33には補正された印刷開始位置PRT
ST’が記憶される。メモリM34には印刷長さlが記憶されている。メモリM35には補正された印刷長さl’が記憶される。メモリM36には印刷終了位置PRT
ENDが記憶される。メモリM37にはゴム胴の基準回転速度VBrが記憶されている。メモリM38には印刷中のゴム胴の回転速度VBpが記憶される。メモリM39には版胴の基準回転速度VPrが記憶されている。メモリM40には版胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。
【0036】
メモリM41には版胴の現在の回転位相φ
Rが記憶される。メモリM42には版胴の印刷開始位置φ
STが記憶されている。メモリM43には版胴の印刷終了位置φ
ENDが記憶されている。メモリM44にはゴム胴回転位相検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM45にはゴム胴の現在の回転位相ψ
Rが記憶される。メモリM46にはゴム胴の印刷開始位置ψ
STが記憶されている。メモリM47にはゴム胴の印刷終了位置ψ
ENDが記憶されている。メモリM48にはゴム胴の移動開始位置ψ
MSTが記憶されている。メモリM49にはゴム胴の天地方向の移動速度vB
Mが記憶されている。メモリM50にはゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正の完了の有無を示す値が記憶される。
【0037】
メモリM51にはゴム胴の天地方向位置検出用カウンタのカウント値が記憶される。メモリM52にはゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが記憶される。メモリM53には補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBM
R’が記憶される。メモリM54にはゴム胴の天地方向−あるべきゴム胴の回転位相変換テーブルが記憶されている。メモリM55にはあるべきゴム胴の回転位相ψmが記憶される。メモリM56にはゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rが記憶される。メモリM57にはゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値が記憶される。メモリM58にはゴム胴の回転位相差の許容値αが記憶されている。メモリM59にはゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルが記憶されている。メモリM60には回転速度の補正値ΔVが記憶される。メモリM61には補正したゴム胴の回転速度VBr’が記憶される。
【0038】
〔平台印刷制御装置の動作〕
次に、この電子回路の印刷装置における平台印刷制御装置200の動作について、
図10〜
図41のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
なお、以下の動作において、平台印刷制御装置200のCPU201は、演算により求めた各種データのメモリMへの書き込みやメモリMからの各種データの読み込みなどを必要に応じて行うが、ここでは説明が煩雑となることを避けるために、またメモリMの名称やそのメモリM中に付記した記号などからも明らかであるので、メモリMへのリードライト動作の説明を省略する場合もある。
【0040】
〔印刷の準備〕
〔レジスタマークの撮像〕
平台印刷制御装置200のCPU201は、印刷準備開始スイッチ207がオンとされると(
図10:ステップS101のYES)、メモリM1からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(ステップS102)、カメラ移動用モータドライバ212に正転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS103)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで正転し、
図1(
図2)に示された最初の位置を原点位置として、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rがテーブル3上を左方向へ同時に移動する。
【0041】
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(ステップS104)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rを演算し(ステップS105)、メモリM4から第1のマーク位置PM1を読み込み(ステップS106)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rが第1のマーク位置PM1に達したか否かを確認する(ステップS107)。
【0042】
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rが第1のマーク位置PM1に達したことを確認すると(ステップS107のYES)、カメラ移動用モータドライバ212に停止指令を出力して(ステップS108)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を停止する。そして、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS109)、テーブル3にセットされている被印刷物4上のレジスタマークRM1
L1を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4上のレジスタマークRM1
R1を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
【0043】
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(
図11:ステップS110)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS111のYES)、メモリM5中のカウント値Yを1とし(ステップS112)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS113)、カウント値X,Yで特定される画素位置の左カメラ210Lからの撮像データをメモリM7の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS114)。
【0044】
そして、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(ステップS115)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS116)、ステップS117でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS114〜S117の処理動作を繰り返す。
【0045】
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS117のYES)、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS118)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS119)、ステップS120でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS113〜S120の処理動作を繰り返す。
【0046】
これにより、メモリM7中に、第1のマーク位置PM1における左カメラ210Lからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、
図42(a)に示すように、被印刷物4のレジスタマークRM1
L1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM7中に記憶される。
【0047】
なお、メモリM16には、
図42(b)に示すように、レジスタマークRM1のc×dの画素データがパターンマッチング用のデータとして記憶されている。また、カメラの天地方向は被印刷物4の天地方向と同方向とされ、カメラの左右方向は被印刷物4の左右方向と同方向とされている。
【0048】
次に、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(
図12:ステップS121)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS122のYES)、メモリM5中のカウント値Yを1とし(ステップS123)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS124)、カウント値X,Yで特定される画素位置の右カメラ210Rからの撮像データをメモリM11の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS125)。
【0049】
そして、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(ステップS126)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS127)、ステップS128でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS125〜S128の処理動作を繰り返す。
【0050】
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS128のYES)、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS129)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS130)、ステップS131でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS124〜S131の処理動作を繰り返す。
【0051】
これにより、メモリM11中に、第1のマーク位置PM1における右カメラ210Rからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、
図43(a)に示すように、被印刷物4のレジスタマークRM1
R1を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM11中に記憶される。
【0052】
次に、CPU201は、メモリM1からカメラ移動用モータの回転速度Vcを読み込み(
図13:ステップS132)、カメラ移動用モータドライバ212に逆転指令およびカメラ移動用モータの回転速度VcをD/A変換器215を介して出力する(ステップS133)。これにより、カメラ移動用モータ211が回転速度Vcで逆転し、
図1(
図2)において第1のマーク位置PM1に停止していた左カメラ210Lおよび右カメラ210Rが、テーブル3上を右方向へ同時に移動する。
【0053】
CPU201は、この左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動中、カメラ位置検出用カウンタ214のカウント値を読み込み(ステップS134)、このカメラ位置検出用カウンタ214のカウント値より左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rを演算し(ステップS135)、メモリM10から第2のマーク位置PM2を読み込み(ステップS136)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rが第2のマーク位置PM2に達したか否かを確認する(ステップS137)。
【0054】
CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの現在位置PCM
Rが第2のマーク位置PM2に達したことを確認すると(ステップS137のYES)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rに撮像指令を出力し(ステップS138)、被印刷物4上のレジスタマークRM1
L2を含む領域を左カメラ210Lで撮像し、被印刷物4上のレジスタマークRM1
R2を含む領域を右カメラ210Rで撮像する。
【0055】
そして、CPU201は、左カメラ210Lに撮像データの送信指令を送り(ステップS139)、この送信指令に応じて左カメラ210Lから撮像データが送られてくると(ステップS140のYES)、メモリM5中のカウント値Yを1とし(ステップS141)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(
図14:ステップS142)、カウント値X,Yで特定される画素位置の左カメラ210Lからの撮像データをメモリM12の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS143)。
【0056】
そして、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(ステップS144)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS145)、ステップS146でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS143〜S146の処理動作を繰り返す。
【0057】
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS146のYES)、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS147)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS148)、ステップS149でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS142〜S149の処理動作を繰り返す。
【0058】
これにより、メモリM12中に、第2のマーク位置PM2における左カメラ210Lからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、
図44(a)に示すように、被印刷物4のレジスタマークRM1
L2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM12中に記憶される。
【0059】
次に、CPU201は、右カメラ210Rに撮像データの送信指令を送り(ステップS150)、この送信指令に応じて右カメラ210Rから撮像データが送られてくると(ステップS151のYES)、メモリM5中のカウント値Yを1とし(
図15:ステップS152)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS153)、カウント値X,Yで特定される画素位置の右カメラ210Rからの撮像データをメモリM13の(X,Y)のアドレス位置に書き込む(ステップS154)。
【0060】
そして、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(ステップS155)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aを読み込み(ステップS156)、ステップS157でカウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えるまで、ステップS154〜S157の処理動作を繰り返す。
【0061】
そして、カウント値Xがカメラの左右方向の画素数aを超えれば(ステップS157のYES)、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS158)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bを読み込み(ステップS159)、ステップS160でカウント値Yがカメラの天地方向の画素数bを超えるまで、ステップS153〜S160の処理動作を繰り返す。
【0062】
これにより、メモリM13中に、第2のマーク位置PM2における右カメラ210Rからのa×bの画素の撮像データが記憶されるものとなる。ここでは、
図45(a)に示すように、被印刷物4のレジスタマークRM1
R2を含む撮像データがa×bの画素の撮像データとしてメモリM13中に記憶される。
【0063】
そして、CPU201は、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を続け、カメラの原点位置検出器216が左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの原点位置(最初の位置)への復帰を検知すると(ステップS161のYES)、カメラ移動用モータドライバ212に停止指令を送り(ステップS162)、左カメラ210Lおよび右カメラ210Rの移動を停止させる。
【0064】
〔パターンマッチングによるレジスタマークの位置の検出〕
次に、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yを1とし(
図16:ステップS163)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS164)、メモリM14中のカウント値Nを1とし(ステップS165)、メモリM15中のカウント値Mを1とする(ステップS166)。
【0065】
そして、メモリM7中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データを読み込み(ステップS167)、メモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS168)、この読み込んだメモリM7中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS169、
図42(a),(b)参照)。
【0066】
ここで、メモリM7中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS169のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第1のマーク位置PM1の左のレジスタマークRM1
L1が無いことになるので、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(
図17:ステップS170)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM17中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS171,S172)、ステップS173でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS165〜S173の処理動作を繰り返す。
【0067】
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS173のYES)、左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS174)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM18中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS175,S176)、ステップS177でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS164〜S177の処理動作を繰り返す。
【0068】
この処理動作中、メモリM7中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(
図16:ステップS169のYES)、CPU201は、メモリM15中のカウント値Mに1を加算し(
図18:ステップS179)、メモリM17からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS180)、ステップS181でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS167〜S181の処理動作を繰り返す。
【0069】
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS181のYES)、CPU201は、メモリM14中のカウント値Nに1を加算し(ステップS182)、メモリM18からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS183)、ステップS184でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS166〜S184の処理動作を繰り返す。
【0070】
このようにして、CPU201は、メモリM7中のa×bの画素の撮像データ(左の第1のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS184のYES)、メモリM7中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1(RM1
L1)が含まれていたと判断する。
【0071】
なお、ステップS177でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS177のYES)、左のカメラ210Lの第1のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1
L1)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS178)。
【0072】
CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1
L1が含まれていたと判断すると(ステップS184のYES)、その時のメモリM6中のカウント値Xを読み込み(ステップS185)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1
L1のX方向の測定位置M1x1
Lを演算し、メモリM19中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS186)。また、その時のメモリM5中のカウント値Yを読み込み(ステップS187)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1
L1のY方向の測定位置M1y1
Lを演算し、メモリM19中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS188、
図42(c)参照)。
【0073】
尚、レジスタマークRM1
L1のX方向の測定位置M1x1
Lは、左カメラ210Lが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y1
Lは、第1のマーク位置PM1とカウント値Yから求められる。
【0074】
次に、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yを1とし(
図19:ステップS189)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS190)、メモリM14中のカウント値Nを1とし(ステップS191)、メモリM15中のカウント値Mを1とする(ステップS192)。
【0075】
そして、メモリM12中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データを読み込み(ステップS193)、メモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS194)、この読み込んだメモリM12中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS195,
図44(a),(b)参照)。
【0076】
ここで、メモリM12中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS195のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第2のマーク位置PM2の左のレジスタマークRM1
L2が無いことになるので、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(
図20:ステップS196)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM17中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS197,S198)、ステップS199でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS191〜S199の処理動作を繰り返す。
【0077】
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS199のYES)、左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS200)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM18中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS201,S202)、ステップS203でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS190〜S203の処理動作を繰り返す。
【0078】
この処理動作中、メモリM12中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の左カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(
図19:ステップS195のYES)、CPU201は、メモリM15中のカウント値Mに1を加算し(
図21:ステップS205)、メモリM17からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS206)、ステップS207でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS193〜S207の処理動作を繰り返す。
【0079】
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS207のYES)、CPU201は、メモリM14中のカウント値Nに1を加算し(ステップS208)、メモリM18からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS209)、ステップS210でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS192〜S210の処理動作を繰り返す。
【0080】
このようにして、CPU201は、メモリM12中のa×bの画素の撮像データ(左の第2のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS210のYES)、メモリM12中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1(RM1
L2)が含まれていたと判断する。
【0081】
なお、ステップS203でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS203のYES)、左のカメラ210Lの第2のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1
L2)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS204)。
【0082】
CPU201は、左カメラ210Lが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1
L2が含まれていたと判断すると(ステップS210のYES)、その時のメモリM6中のカウント値Xを読み込み(ステップS211)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1
L2のX方向の測定位置M1x2
Lを演算し、メモリM20中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS212)。また、その時のメモリM5中のカウント値Yを読み込み(ステップS213)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1
L2のY方向の測定位置M1y2
Lを演算し、メモリM20中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS214、
図44(c)参照)。
【0083】
尚、レジスタマークRM1
L2のX方向の測定位置M1x2
Lは、左カメラ210Lが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y2
Lは、第2のマーク位置PM2とカウント値Yから求められる。
【0084】
そして、CPU201は、メモリM19のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の測定位置M1y1
Lを読み込み(
図22:ステップS215)、またメモリM21から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の基準位置M1y1rを読み込み(ステップS216)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の測定位置M1y1
Lから第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の基準位置M1y1rを減算し、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向のずれ量ΔM1y1
Lを求め(
図42(c)参照)、この求めたレジスタマークRM1
L1のY方向のずれ量ΔM1y1
LをメモリM22に書き込む(ステップS217)。
【0085】
また、CPU201は、メモリM19のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の測定位置M1y1
Lを読み込み(ステップS218)、メモリM20のY方向のアドレス位置より第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1
L2のY方向の測定位置M1y2
Lを読み込み(ステップS219)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向の測定位置M1y1
Lより第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1
L2のY方向の測定位置M1y2
Lを減算して左のレジスタマーク間の距離LM1
Lを求め(
図46(a)参照)、この求めた左のレジスタマーク間の距離LM1
LをメモリM23に書き込む(ステップS220)。
【0086】
次に、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yを1とし(
図23:ステップS221)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS222)、メモリM14中のカウント値Nを1とし(ステップS223)、メモリM15中のカウント値Mを1とする(ステップS224)。
【0087】
そして、メモリM11中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データを読み込み(ステップS225)、メモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS226)、この読み込んだメモリM11中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS227、
図43(a),(b)参照)。
【0088】
ここで、メモリM11中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS227のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第1のマーク位置PM1の右のレジスタマークRM1
R1が無いことになるので、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(
図24:ステップS228)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM17中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS229,S230)、ステップS231でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS223〜S231の処理動作を繰り返す。
【0089】
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS231のYES)、右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS232)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM18中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS233,S234)、ステップS235でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS222〜S235の処理動作を繰り返す。
【0090】
この処理動作中、メモリM11中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(
図23:ステップS227のYES)、CPU201は、メモリM15中のカウント値Mに1を加算し(
図25:ステップS237)、メモリM17からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS238)、ステップS239でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS225〜S239の処理動作を繰り返す。
【0091】
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS239のYES)、CPU201は、メモリM14中のカウント値Nに1を加算し(ステップS240)、メモリM18からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS241)、ステップS242でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS224〜S242の処理動作を繰り返す。
【0092】
このようにして、CPU201は、メモリM11中のa×bの画素の撮像データ(右の第1のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS242のYES)、メモリM11中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1(RM1
R1)が含まれていたと判断する。
【0093】
なお、ステップS235でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS235のYES)、右のカメラ210Rの第1のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1
R1)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS236)。
【0094】
CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第1のマーク位置PM1における画像の中にレジスタマークRM1
R1が含まれていたと判断すると(ステップS242のYES)、その時のメモリM6中のカウント値Xを読み込み(ステップS243)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1
R1のX方向の測定位置M1x1
Rを演算し、メモリM24中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS244)。また、その時のメモリM5中のカウント値Yを読み込み(ステップS245)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1
R1のY方向の測定位置M1y1
Rを演算し、メモリM24中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS246、
図43(c)参照)。
【0095】
尚、レジスタマークRM1
R1のX方向の測定位置M1x1
Rは、右カメラ210Rが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y1
Rは、第1のマーク位置PM1とカウント値Yをから求められる。
【0096】
次に、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yを1とし(
図26:ステップS247)、メモリM6中のカウント値Xを1とし(ステップS248)、メモリM14中のカウント値Nを1とし(ステップS249)、メモリM15中のカウント値Mを1とする(ステップS250)。
【0097】
そして、メモリM13中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データを読み込み(ステップS251)、メモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データを読み込み(ステップS252)、この読み込んだメモリM13中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置の画素データとが一致しているか否かを確認する(ステップS253,
図45(a),(b)参照)。
【0098】
ここで、メモリM13中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していなければ(ステップS253のNO)、その時の(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データのいずれかの画素データがレジスタマークの画素データと異なり、(X、Y)のアドレスから始まる範囲に第2のマーク位置PM2の右のレジスタマークRM1
R2が無いことになるので、CPU201は、メモリM6中のカウント値Xに1を加算し(
図27:ステップS254)、メモリM8中のカメラの左右方向の画素数aとメモリM17中のレジスタマークの左右方向の画素数cとを読み込み(ステップS255,S256)、ステップS257でカウント値Xが「a−c+1」を超えるまで、ステップS249〜S257の処理動作を繰り返す。
【0099】
この処理動作中、カウント値Xが「a−c+1」を超えれば(ステップS257のYES)、右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データの左右方向の端を越えたことになるので、CPU201は、メモリM5中のカウント値Yに1を加算し(ステップS258)、メモリM9中のカメラの天地方向の画素数bとメモリM18中のレジスタマークの天地方向の画素数dとを読み込み(ステップS259,S260)、ステップS261でカウント値Yが「b−d+1」を超えるまで、ステップS248〜S261の処理動作を繰り返す。
【0100】
この処理動作中、メモリM13中の(X+M−1、Y+N−1)のアドレス位置の右カメラの画素データとメモリM16中の(M,N)のアドレス位置のレジスタマークの画素データとが一致していることが確認されると(
図26:ステップS253のYES)、CPU201は、メモリM15中のカウント値Mに1を加算し(
図28:ステップS263)、メモリM17からレジスタマークの左右方向の画素数cを読み込み(ステップS264)、ステップS265でカウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えるまで、ステップS251〜S265の処理動作を繰り返す。
【0101】
カウント値Mがレジスタマークの左右方向の画素数cを超えると(ステップS265のYES)、CPU201は、メモリM14中のカウント値Nに1を加算し(ステップS266)、メモリM18からレジスタマークの天地方向の画素数dを読み込み(ステップS267)、ステップS268でカウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えるまで、ステップS250〜S268の処理動作を繰り返す。
【0102】
このようにして、CPU201は、メモリM13中のa×bの画素の撮像データ(右の第2のマーク位置の撮像データ)に対してメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データのパターンマッチングを行い、カウント値Nがレジスタマークの天地方向の画素数dを超えると(ステップS268のYES)、メモリM13中のa×bの画素の撮像データの(X、Y)のアドレスから(X+c−1、Y+d−1)のアドレスまでの範囲にメモリM16中のc×dのレジスタマークの画素データが含まれていたと判断する。すなわち、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1(RM1
R2)が含まれていたと判断する。
【0103】
なお、ステップS261でカウント値Yが「b−d+1」を超えた場合には(ステップS261のYES)、右のカメラ210Rの第2のマーク位置の撮像データの天地方向の端を越えたことになり、CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にはレジスタマークRM1(RM1
R2)が含まれていなかったと判断し、表示器205にエラー表示を行う(ステップS262)。
【0104】
CPU201は、右カメラ210Rが撮像した第2のマーク位置PM2における画像の中にレジスタマークRM1
R2が含まれていたと判断すると(ステップS268のYES)、その時のメモリM6中のカウント値Xを読み込み(ステップS269)、その読み込んだカウント値XよりレジスタマークRM1
R2のX方向の測定位置M1x2
Rを演算し、メモリM25中のX方向のアドレス位置に書き込む(ステップS270)。また、その時のメモリM5中のカウント値Yを読み込み(ステップS271)、その読み込んだカウント値YよりレジスタマークRM1
R2のY方向の測定位置M1y2
Rを演算し、メモリM25中のY方向のアドレス位置に書き込む(ステップS272、
図45(c)参照)。
【0105】
尚、レジスタマークRM1
R2のX方向の測定位置M1x2
Rは、右カメラ210Rが設けられた左右方向位置とカウント値Xから求められ、Y方向の測定位置M1y2
Rは、第2のマーク位置PM2とカウント値Yから求められる。
【0106】
そして、CPU201は、メモリM24のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の測定位置M1y1
Rを読み込み(
図29:ステップS273)、またメモリM21から第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の基準位置M1y1rを読み込み(ステップS274)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の測定位置M1y1
Rから第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の基準位置M1y1rを減算し、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向のずれ量ΔM1y1
Rを求め(
図43(c)参照)、この求めたレジスタマークRM1
R1のY方向のずれ量ΔM1y1
RをメモリM26に書き込む(ステップS275)。
【0107】
〔第1のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量の算出〕
そして、CPU201は、メモリM22より左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向のずれ量ΔM1y1
Lを読み込み(ステップS276)、この読み込んだ左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向のずれ量ΔM1y1
LにメモリM26に書き込まれている右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向のずれ量ΔM1y1
Rを加算し、この左の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
L1のY方向のずれ量ΔM1y1
Lと右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向のずれ量ΔM1y1
Rとの合計値を2で除算して、左右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1の平均値ΔM1y1を求め(ΔM1y1=(ΔM1y1
L+ΔM1y1
R)/2)、この求めた左右の第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1の平均値ΔM1y1を第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1としてメモリM27に書き込む(ステップS277、
図46(a),(b),(c)参照)。
【0108】
〔レジスタマーク間の距離の算出〕
また、CPU201は、メモリM24のY方向のアドレス位置より第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の測定位置M1y1
Rを読み込み(ステップS278)、メモリM25のY方向のアドレス位置より第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1
R2のY方向の測定位置M1y2
Rを読み込み(
図30:ステップS279)、第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1
R1のY方向の測定位置M1y1
Rより第2のマーク位置PM2におけるレジスタマークRM1
R2のY方向の測定位置M1y2
Rを減算して右のレジスタマーク間の距離LM1
Rを求め(
図46(b)参照)、この求めた右のレジスタマーク間の距離LM1
RをメモリM28に書き込む(ステップS280)。
【0109】
そして、CPU201は、メモリM23から左のレジスタマーク間の距離LM1
Lを読み込み(ステップS281)、この読み込んだ左のレジスタマーク間の距離LM1
LにメモリM28に書き込まれている右のレジスタマーク間の距離LM1
Rを加算すると共に、この左のレジスタマーク間の距離LM1
Lと右のレジスタマーク間の距離LM1
Rとの合計値を2で除算して、左右のレジスタマーク間の距離の平均値LM1を求め(LM1=(LM1
L+LM1
R)/2)、この求めた左右のレジスタマーク間の距離の平均値LM1を天地方向に離れた1対のレジスタマーク間の距離としてメモリM29に書き込む(ステップS282、
図46(a),(b),(d)参照)。
【0110】
〔レジスタマーク間の伸縮率の算出〕
そして、CPU201は、メモリM30からレジスタマーク間の基準距離LM1rを読み込み(ステップS283)、メモリM29に書き込まれているレジスタマーク間の距離(左右のレジスタマーク間の距離の平均値)LM1をレジスタマーク間の基準距離LM1rで除算し、その除算結果を天地方向に離れた1対のレジスタマーク間の伸縮率η(η=LM1/LM1r)としてメモリM31に書き込む(ステップS284、
図46(e)参照)。
【0111】
〔印刷〕
CPU201は、この印刷の準備の終了後、印刷開始スイッチ208がオンとされると(
図31:ステップS285のYES)、メモリM32から基準の印刷開始位置PRT
STを読み込む(ステップS286)。この基準の印刷開始位置PRT
STは、
図47に示すように、テーブル3にセットされる被印刷物4に対する基準の印刷開始位置として予め定められている。
【0112】
そして、CPU201は、被印刷物4から得られた第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)をメモリM27から読み込み(ステップS287)、ステップS286で読み込んだ基準の印刷開始位置PRT
STに第1のマーク位置PM1におけるレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1(ΔM1y1)を加算して補正された印刷開始位置PRT
ST’を求め、メモリM33に書き込む(ステップS288)。
【0113】
次に、CPU201は、メモリM34から被印刷物4に対して定められている印刷長さlを読み込み(ステップS289)、メモリM31からレジスタマーク間の伸縮率η(被印刷物4の天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1間の伸縮率η)を読み込み(ステップS290)、印刷長さlにレジスタマーク間の伸縮率ηを乗算し、補正された印刷長さl’(l’=l×η)を求め、メモリM35に書き込む(ステップS291)。
【0114】
そして、CPU201は、メモリM33から補正された印刷開始位置PRT
ST’を読み込み(ステップS292)、補正された印刷開始位置PRT
ST’に補正された印刷長さl’を加算して印刷終了位置PRT
ENDを求め、その求めた印刷終了位置PRT
ENDをメモリM36に書き込む(ステップS293)。
【0115】
また、CPU201は、メモリM37からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(
図32:ステップS294)、メモリM31からレジスタマーク間の伸縮率ηを読み込み(ステップS295)、ゴム胴の基準回転速度VBrにレジスタマーク間の伸縮率ηの逆数を乗算して印刷中のゴム胴の回転速度VBpを求め(VBp=VBr×1/η)、この求めた印刷中のゴム胴の回転速度VBpをメモリM38に書き込む(ステップS296)。
【0116】
〔版胴へのインキの供給〕
そして、CPU201は、メモリM39から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS297)、この読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS298)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始める。
【0117】
CPU201は、版胴1を基準回転速度VPrで回転させた状態で、インキ装置235にインキ供給開始指令を出力する(ステップS299)。これにより、インキ装置235から版胴1にインキが供給され始める。
【0118】
CPU201は、このインキ装置235からの版胴1へのインキの供給中、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(ステップS300)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φ
Rを演算し(ステップS301)、メモリM42より版胴の印刷開始位置φ
STを読み込み(ステップS302)、版胴の現在の回転位相φ
Rが版胴の印刷開始位置φ
STに達したか否かを確認する(ステップS303)。
【0119】
そして、CPU201は、版胴の現在の回転位相φ
Rが版胴の印刷開始位置φ
STに達したことを確認すると(ステップS303のYES)、版胴回転位相検出用カウンタ220よりカウント値を読み込み(
図33:ステップS304)、この読み込んだ版胴回転位相検出用カウンタ220のカウント値より版胴の現在の回転位相φ
Rを演算し(ステップS305)、メモリM43より版胴の印刷終了位置φ
ENDを読み込み(ステップS306)、版胴の現在の回転位相φ
Rが版胴の印刷終了位置φ
ENDに達したか否かを確認する(ステップS307)。
【0120】
CPU201は、版胴の現在の回転位相φ
Rが版胴の印刷終了位置φ
ENDに達したことを確認すると(ステップS307のYES)、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力すると共に(ステップS308)、インキ装置235にインキ供給停止指令を出力する(ステップS309)。これにより、版胴1の印刷開始位置φ
STから印刷終了位置φ
ENDまでの区間にインキが供給され、このインキが供給された状態で版胴1の回転が停止される。
【0121】
〔版胴からゴム胴へのインキの転写〕
次に、CPU201は、メモリM37からゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS310)、その読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS311)。これにより、ゴム胴2がゴム胴の基準回転速度VBrで回転し始める。この時、ゴム胴2は、版胴1には接触していない。
【0122】
CPU201は、ゴム胴2を基準回転速度VBrで回転させた後、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(
図34:ステップS312)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψ
Rを演算し(ステップS313)、メモリM46よりゴム胴の印刷開始位置ψ
STを読み込み(ステップS314)、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の印刷開始位置ψ
STに達したか否かを確認する(ステップS315)。
【0123】
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の印刷開始位置ψ
STに達したことを確認すると(ステップS315のYES)、胴着脱装置236に着指令を出力し(ステップS316)、ゴム胴2を版胴1に接触させる。そして、CPU201は、メモリM39から版胴の基準回転速度VPrを読み込み(ステップS317)、その読み込んだ版胴の基準回転速度VPrを版胴駆動用モータドライバ218にD/A変換器221を介して出力する(ステップS318)。これにより、版胴1が基準回転速度VPrで回転し始め、版胴1からのインキがゴム胴2に転写され始める。
【0124】
版胴1からゴム胴2へインキを転写している間、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(
図35:ステップS319)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψ
Rを演算し(ステップS320)、メモリM47よりゴム胴の印刷終了位置ψ
ENDを読み込み(ステップS321)、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の印刷終了位置ψ
ENDに達したか否かを確認する(ステップS322)。
【0125】
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の印刷終了位置ψ
ENDに達したことを確認すると(ステップS322のYES)、胴着脱装置236に脱指令を出力し(ステップS323)、ゴム胴2を版胴1から離す。すなわち、胴抜きを行う。これにより、ゴム胴2の印刷開始位置ψ
STから印刷終了位置ψ
ENDまでの区間に、版胴1からのインキが転写される。
【0126】
〔ゴム胴の下降〕
CPU201は、版胴1からのゴム胴2へのインキの転写を終えると、版胴駆動用モータドライバ218に停止指令を出力し(ステップS324)、版胴1の回転を停止させる。そして、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(
図36:ステップS325)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψ
Rを演算し(ステップS326)、メモリM48よりゴム胴の移動開始位置ψ
MSTを読み込み(ステップS327)、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の移動開始位置ψ
MSTに達したか否かを確認する(ステップS328)。
【0127】
そして、CPU201は、ゴム胴の現在の回転位相ψ
Rがゴム胴の移動開始位置ψ
MSTに達したことを確認すると(ステップS328のYES)、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に下降指令を出力する(ステップS329)。これにより、ゴム胴昇降用エアシリンダ233が作動し、ゴム胴2がテーブル3に降ろされる(
図48参照)。
【0128】
〔ゴム胴の天地方向への移動〕
次に、CPU201は、メモリM49からゴム胴の天地方向移動速度vB
Mを読み込み(ステップS330)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に正転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vB
MをD/A変換器231を介して出力する(ステップS331)。これにより、ゴム胴2が回転しながら天地方向の下流側へ、すなわちテーブル4上の被印刷物4のある方向へ、天地方向移動速度vB
Mで移動し始める。
【0129】
次に、CPU201は、メモリM50にゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了していないことを示す値として「2」を書き込む(
図37:ステップS332)。そして、このゴム胴2の天地方向の下流側への移動中、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS333)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rを演算してメモリM52に書き込むと共に(ステップS334)、メモリM33から補正された印刷開始位置PRT
ST’を読み込み(ステップS335)、ステップS334で演算したゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが補正された印刷開始位置PRT
ST’に達したか否かを確認する(ステップS336)。
【0130】
〔ゴム胴の回転位相の調整〕
CPU201は、ステップS336においてゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rの補正された印刷開始位置PRT
ST’への到達が確認されるまでの間、ステップS337(
図38)〜S356(
図39)の処理動作を繰り返す。このステップS337〜S356の処理ではゴム胴の回転位相の調整を行う。このゴム胴の回転位相の調整は次のようにして行われる。
【0131】
CPU201は、メモリM52からゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rを読み込み(
図38:ステップS337)、メモリM27から第1のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を読み込み(ステップS338)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rに第1のマーク位置におけるレジスタマークのY方向のずれ量ΔY1を加算して、補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBM
R’を求め、この求めた補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBM
R’をメモリM53に書き込む(ステップS339)。
【0132】
そして、メモリM54からゴム胴の天地方向位置−あるべきゴム胴の回転位相変換用テーブルを読み込み(ステップS340)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置−あるべきゴム胴の回転位相変換用テーブルを用いて、補正したゴム胴の現在の天地方向位置PBM
R’より、あるべきゴム胴の回転位相ψmを求める(ステップS341)。
【0133】
そして、CPU201は、ゴム胴回転位相検出用カウンタ225よりカウント値を読み込み(ステップS342)、この読み込んだゴム胴回転位相検出用カウンタ225のカウント値よりゴム胴の現在の回転位相ψ
Rを求める(ステップS343)。そして、ステップS341で求めたあるべきゴム胴の回転位相ψmよりゴム胴の現在の回転位相ψ
Rを減算し、ゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rを求め、この求めた現在の回転位相差Δψ
RをメモリM56に書き込む(ステップS344)。
【0134】
次に、CPU201は、ステップS344で求めたゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rよりゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値を求め(ステップS345)、メモリM58よりゴム胴の回転位相差の許容値αを読み込み(ステップS346)、ゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下であるか否かを確認する(
図39:ステップS347)。
【0135】
ここで、ゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下でなければ(ステップS347のNO)、CPU201は、メモリM59よりゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを読み込み(ステップS348)、またメモリM56よりゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rを読み込み(ステップS349)、ゴム胴の現在の回転位相差−回転速度の補正値変換テーブルを用いてゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rより回転速度の補正値ΔVを求める(ステップS350)。
【0136】
そして、CPU201は、メモリM37よりゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS351)、ゴム胴の基準回転速度VBrに回転速度の補正値ΔVを加算し、補正したゴム胴の回転速度VBr’を求め(ステップS352)、この求めた補正したゴム胴の回転速度VBr’をゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力し(ステップS353)、ステップS333(
図37)に戻って、同様動作を繰り返す。
【0137】
これにより、ゴム胴2の回転速度が調整され、ゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下に合わせ込まれるようになる。
【0138】
そして、ゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下になると(
図39:ステップS347のYES)、CPU201は、メモリM37よりゴム胴の基準回転速度VBrを読み込み(ステップS354)、この読み込んだゴム胴の基準回転速度VBrをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力し(ステップS355)、メモリM50にゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了したことを示す値として「1」を書き込む(ステップS356)。
【0139】
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが補正された印刷開始位置PRT
ST’へ達するまで、このステップS337〜S356の処理動作を繰り返すが、ステップS347においてゴム胴の現在の回転位相差Δψ
Rの絶対値がゴム胴の回転位相差の許容値α以下にならない場合には、ステップS354〜S356への処理には進まない。この場合、メモリM50にはゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了していないことを示す値として「2」が書き込まれたままとなる。
【0140】
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが補正された印刷開始位置PRT
ST’へ達したことを確認すると(
図37:ステップS336のYES)、メモリM50に書き込まれている値を読み込み(ステップS357)、メモリM50に書き込まれている値が「1」であるか否かを確認する(
図40:ステップS358)。ここで、メモリM50に書き込まれている値が「1」でなければ(ステップS358のNO)、表示器205にエラーを表示するが(ステップS371)、メモリM50に書き込まれている値が「1」であれば(ステップS358のYES)、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断する。
【0141】
CPU201は、ゴム胴の天地方向位置と回転位相による位相偏差の補正が完了した状態にあると判断すると(ステップS358のYES)、メモリM38から印刷中のゴム胴の回転速度VBpを読み込み(ステップS359)、その読み込んだ印刷中のゴム胴の回転速度VBpをゴム胴駆動用モータドライバ223にD/A変換器226を介して出力する(ステップS360)。これにより、ゴム胴2が印刷中のゴム胴の回転速度VBpで回転し始める(
図49参照)。すなわち、補正された印刷開始位置PRT
ST’から、印刷中のゴム胴の回転速度VBpで回転しながら、ゴム胴2が天地方向の下流側へ移動し、テーブル3上の被印刷物4に対して回路(2度目の回路)の印刷が行われて行く。
【0142】
そして、CPU201は、ゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230よりカウント値を読み込み(ステップS361)、この読み込んだゴム胴の天地方向位置検出用カウンタ230のカウント値よりゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rを演算し(ステップS362)、メモリM36から印刷終了位置PRT
ENDを読み込み(ステップS363)、ゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが印刷終了位置PRT
ENDに達したか否かを確認する(ステップS364)。
【0143】
CPU201は、ゴム胴の現在の天地方向位置PBM
Rが印刷終了位置PRT
ENDに達したことを確認すると(ステップS364のYES)、ゴム胴駆動用モータドライバ223に停止指令を出力し(
図41:ステップS365)、ゴム胴2の回転を停止させる(
図50参照)。そして、ゴム胴昇降用エアシリンダ用バルブ234に上昇指令を出力し(ステップS366)、ゴム胴2をテーブル3から上昇させる(
図51参照)。
【0144】
そして、CPU201は、メモリM49からゴム胴の天地方向移動速度vB
Mを読み込み(ステップS367)、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に逆転指令およびゴム胴の天地方向移動速度vB
MをD/A変換器231を介して出力する(ステップS368)。これにより、ゴム胴2が回転を停止した状態で天地方向の上流側、すなわち版胴1が位置している側に向かって、天地方向移動速度vB
Mで移動し始める。
【0145】
このゴム胴2の天地方向の上流側への移動により、ゴム胴の天地方向の原点位置検出器232がオンとなると(ステップS369のYES)、すなわちゴム胴1が移動を開始する前の最初の位置(原点位置)に戻ると、ゴム胴天地方向移動用モータドライバ228に停止指令を出力する(ステップS370)。これにより、ゴム胴2の天地方向への移動が停止する(
図52参照)。
【0146】
このようにして、本実施の形態では、前処理工程で1度目の回路の印刷が行われている被印刷物4への2度目の回路の印刷が行われ、2度目の回路の印刷では、被印刷物4のレジスタマークRM1のY方向のずれ量ΔY1に応じて印刷開始位置が調整されるだけではなく、1度目の回路の印刷と同時に印刷されたレジスタマークスRM1間の距離LM1より求められた被印刷物4の印刷される前までの伸縮率ηに応じて、2度目の回路を印刷する際(2度目の回路の印刷時)のゴム胴2の回転速度が調整されるものとなり、1度目に印刷された回路と2度目に印刷される回路との位置が正確に合わせられるものとなる。
【0147】
なお、上述した実施の形態では、ゴム胴2を天地方向に移動させるようにしたが、被印刷物4がセットされているテーブル3を天地方向に移動させるようにしてもよい。
【0148】
また、上述した実施の形態では、前処理工程において、被印刷物4の左右に天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1を印刷するようにしたが、
図53(a)に示すように、被印刷物4の中央にも天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1(RM1
c1,RM1
c2)を印刷するなどしてもよく、
図53(b)に示すように、被印刷物4の中央にだけ天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1(RM1
c1,RM1
c2)を印刷するようにしてもよい。
【0149】
被印刷物4の中央にだけ天地方向に離れた1対のレジスタマークRM1を印刷するようにすると、レジスタマークRM1を含む領域を撮像するカメラが1つで済み、平台印刷制御装置200での処理も簡略化される。
【0150】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。