(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486687
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】シートからなる物品の折り、凹部分、及び縁端面に図柄及び浮出しパターンを作成する方法
(51)【国際特許分類】
B44C 5/00 20060101AFI20190311BHJP
A63H 33/16 20060101ALI20190311BHJP
G09F 1/08 20060101ALI20190311BHJP
B42D 1/00 20060101ALI20190311BHJP
G09F 1/04 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
B44C5/00 Z
A63H33/16 Z
G09F1/08 B
B42D1/00 G
G09F1/08 C
G09F1/04 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-558174(P2014-558174)
(86)(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公表番号】特表2015-513482(P2015-513482A)
(43)【公表日】2015年5月14日
(86)【国際出願番号】FR2013000045
(87)【国際公開番号】WO2013124550
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2016年2月10日
(31)【優先権主張番号】1200500
(32)【優先日】2012年2月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514212733
【氏名又は名称】クリスティアン トディエ
【氏名又は名称原語表記】Cristian Todie
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン トディエ
【審査官】
岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】
ベルギー国特許発明第352609(BE,A)
【文献】
特表2003−522663(JP,A)
【文献】
特開2011−011448(JP,A)
【文献】
特開2006−168220(JP,A)
【文献】
特開2006−082161(JP,A)
【文献】
特開2002−211166(JP,A)
【文献】
特開2000−025366(JP,A)
【文献】
米国特許第06494981(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B44C 5/00
A63H 33/16
G09F 1/08
G09F 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折られた又は折るように意図されたシートから円形の物品を製造する方法において、
前記円形の物品が少なくとも、折り山部にストリップ毎に再構成される図柄を含むこと、
前記方法が、一定の間隔で設けられ、且つ前記図柄に対して漸進的にずらされた一連の折り目を伴い、前記図柄があるシートから別のシートにかけて体系立てて互いにずらされることによる、1つ以上のシートにおいて少なくとも1つの方向に繰り返されるか又は連なる図柄を表面又は裏面に複製する操作を少なくとも含むこと、及び
前記方法が、前記図柄を1回以上含むつなぎ合わされたブロック状シートを切断することにより実施される分離操作と、続いて前記折り目の線に沿って各シートを折る操作とを含み、
それにより前記元の図柄を連続したストリップにより前記円形の物品の側面に再構成することが可能になることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記折る操作が、最終的に、円筒以外の立体又は矩形の立体が得られるように計算された距離及び角度で実施されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記図柄を複製する操作が、前記折り山部上及び縁端面上の前記図柄の前記再構成に関して同じ結果を得ながら、前記物品に対応する文字列及び画像用のスペースを空けるための、1つの折り山部及び切断箇所に対応する図柄のストリップの複製により達成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程中の任意の段階で、ブッシュ抜きによる抜き加工により、又は前記シートの平面に対して直角若しくは斜めにレーザーカットすることにより、前記ブロック状シートの立体の全体又は一部を切断する操作を含み、これらの操作により前記図柄の一部分が前記物品の3つの縁端面に見えるようになることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
同じ形か、又は異なる形の、漸進的な形を各シート上の又はあるシートから別のシートにかけて繰り返す、前記折り箇所又は前記シートの縁部における、前記複製操作と関連した切断操作を含み、それにより幾何学的浅浮き彫又は造形的浅浮き彫が前記物品の縁部に現れることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
幅方向及び高さ方向の前記図柄の繰返しが、前記図柄に対して体系立ててずらされた二方向のアコーディオン状の組み合わされた折り目付け及び折りの操作で得られ、これにより、前記折り山部上に再構成される図柄と共に収縮するシートが得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記折る操作の前に、あるシートから別のシートにかけて又は同じシートの一方の折込みから他方の折込みにかけて互いにずれた接着層を配置することにより蜂の巣型格子状ブロックが得られるように、前記シートを接着により固定する操作を含み、前記接着層は前記折りと平行に配置可能であって、前記物品の前記折り山部に前記図柄が再構成され、且つ同様に前記折りと平行な任意選択の裁断操作後に前記再構成された図柄が長手方向の格子穴に復元されるようにすることが可能であり、又は格子状の断面を作製する場合、前記折りと直角に配置することが可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
目標が前記図柄を蜂の巣型格子状部分に見せることであるのか、それとも前記折り山部の上に見せることであるのかに応じて、前記図柄が水平方向又は垂直方向にずらされることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
あるシートから別のシートにかけての前記図柄の互いのずれが、前記ブロック状シートを折る操作と、続いて、縁端面において連続したストリップに前記図柄の一部が再構成されるように前記シートに対して直角に裁断する操作と、続いて、前記折り山部の縁に前記図柄の別の部分を再構成することを可能にするシート毎に実施される第2の折り操作とによって設けられることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り山部、凹部及び縁端面にストリップ毎に再構成される図柄、画像、文字列及び浮出しパターンを有する、折られた又は折るように意図されたシート又は布地からの立体的な物品、資材又は製品の製造に関する。
【0002】
本方法は、主に、本の出版及び文房具、例えば:パンフレット、ノート、スケッチブック、メモ帳、日記帳及びカタログに適用される。本方法はまた、立体的な、例えば円筒形(
図2f)又は三角柱(
図6d)の、又は縁端面にローレリーフを有する(
図11g)新規形状の本及びノートのイノベーションにも適し、また物品、ゲーム、玩具、宝飾品にも、ファッションアイテム、装飾用品、販促材、包装、家具、並びに様々な新規繊維材料及び様々な材料製のパネルにも適し得る。
【0003】
現在、ハニカム紙とも称されるでんぐり紙で作られた装飾用品、例えば装飾用ガーランド、又はまさに仏国発明特許第86383737号明細書により得られる物品のような、つなぎ合わせた色紙で作られた他の(アジア風の)物品がある。今日、紙製物品の製造において折り操作は、技術的又は実際的な理由から、極めて単純にシートをつなぎ合わせることに限定されている。
【0004】
本発明の新規性は、複製、切断又は型押しにより、少なくとも1枚のシート上で、且つあるシートから別のシートへと互いにずれている図柄及び形状を繰り返すプロセスを、図柄によって決まる又は決定された製造手順における機械の技術的プロセスに適した折り操作と組み合わせることにある。
【0005】
模様のずれは、図柄が折りの上且つ横側の縁端面に見えるようにするのか、又は底面及び上面の縁端面に見えるようにするのかに応じて、例えば、水平若しくは垂直方向又は斜め向き(
図24b)に作製することができる。模様の繰返しは、単純な折り操作(
図3)のため単一の方向に(
図1)作製することもでき、又は複雑な折り操作(
図25)のためいくつかの方向に(
図25g)作製することもできる。
【0006】
図柄は、1つ以上の要素、例えば文字列、画像及びカットアウト形状から構成されることができ、同一に再現されても、又はその構成要素が互いに変化してもよく、例えば文字列がある図柄から別の図柄へと、常に同じままであるイラストに対してずれる(
図21)か、又は同一に再現される画像に、例えば幾何学的立体(
図9a)又は造形的立体(
図11e)のトポメトリックな(topometric)線などの、コヒーレントな関係で変化するカットアウト形状が付随する。例えば混合型アコーディオン式の折りでは、図柄が複数の要素を含み、各々が異なる折りに現れるように意図され得る(
図24a)。物品のデザインに応じて、同じ製品の範囲内で、図柄の特定の部分が現れる、例えばある部分はシートの縁端面に現れ(
図22e)、別の部分は折りに現れる(
図22d)ように意図され得る。図柄の作成では、決定した手順のパラメータに応じて、ある種の画像を変形させ、又はその構成を崩してもよい。また、例えば蛇腹折りの場合に、模様の繰返しを、シートの長さに沿った図柄の歪像に替えてもよい。使用される図柄はまた、例えば一連の分解された動き(映画、アニメーション)などの、互いに関係し合うものであってもよい。巻き折り(
図14)では、浮出しパターンのらせんの寸法割り出しを行い、続いて対応してシートの縁部を直線状に切断し、それを折ると(巻くと)、元の浮出しパターンが復元することを含む特定のトポメトリ(topometry)が用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】模様が単一の方向に繰り返されるシートを示す。
【
図2】シートの折り山部にストリップ毎に再構成される図柄を含むシートを示す。
【
図4】図柄が物品の横側面において連続したストリップに再構成されるシートを示す。
【
図5】平行でない一連の線に対する複製、折り目付け及び折りの操作を含むシートを示す。
【
図6】折る箇所又は裁断する箇所に対応するストリップ中の図柄が占める表面積が少ないシートを示す。
【
図7】折る箇所又は裁断する箇所に対応するストリップ中の図柄が占める表面積が少ないシートを示す。
【
図9】幾何学的ローレリーフが現れるシートを示す。
【
図10】幾何学的ローレリーフが現れるシートを示す。
【
図11】造形的ローレリーフが現れるシートを示す。
【
図12】折りの間の差が次第に縮まりゼロ値となるようにしてシートを折る操作を示す。
【
図17】物品の襞に図柄が再構成されるシートを示す。
【
図21】図柄が再現されてもその構成要素が互いに変化しているシートを示す。
【
図23】圧縮された図柄が連続したストリップによってノートの縁端面に再構成されるシートを示す。
【
図25】アコーディオン状の組み合わされた折り目付け及び折りの操作を示す。
【
図26】ブロック状シートの立体の全体又は一部が切断されて、図柄の一部分が縁端面に見えるシートを示す。
【
図27】ページをパラパラとめくることにより動きが出る図柄又は文字列のずれにより生じるアニメーションを作製することが可能となるシートを示す。
【0008】
切断形態は、同じ形(
図10c)又は異なる(例えばトポメトリックな)漸進的な形を各シートで(
図11d)又はあるシートから別のシートにかけて(
図11f)繰り返す、折り箇所(
図9及び
図11e)又はシートの縁部(
図10b、
図11d)における折り目付け操作を伴い得る。トポメトリックな割り出しの元となった立体は、単一のシート又はブロック状のシートにより生じる物品の縁部に、幾何学的(
図9)、造形的(
図11g)又は任意の他のローレリーフの外観で復元される。
【0009】
複製は表面又は裏面に、任意の方法、例えばオフセット、活版スクリーン印刷(typo screen printing)、デカルコマニア、エンボス加工、写真複製、デジタル、ホログラム、レンチキュラーによって実施することができる。
【0010】
折る箇所又は裁断する箇所に対応するストリップ中の図柄が占める表面積を低減すると、シートの内部が空き、その用途が対象とする物品のデザイン(
図6及び
図7)、又は極めて単純に使用目的、例えば書込み(例えばノート)に必要な要素に使うことができる。
【0011】
あるシートから別のシートへの図柄のずれは、ページ組み段階で設計してもよく、又は複製する時点で従来の印刷機における突き揃えの工程においてシートをずらすことにより実施しても、若しくは立体状のシートを折る操作(
図22a)によるか(ずれの程度は紙の厚さに関係する)、或いはまたブロック状シートを斜めに切断して、そのブロック状シートを90°の角度に並べ直す操作(
図24e)によって得てもよい。
【0012】
1つ又は複数の折り操作(例えば十文字折り、平行折り、混合型の折り、蛇腹折り、巻き折り)(
図3g)は、立体状のシートに同時に、又はシート毎に、同じ方向に、アコーディオン式に、又はランダムに適用し、折り機で又は手作業で実施し、場合により折り目付け操作を伴い得る。折り目付けは、物品のデザインに従い様々なサイズ及び形であってよく、縁端面にさらなる厚みを出すため二重又は多重であってよく、互いに平行であっても又は平行でなくてもよい。
【0013】
平行線による折り目付け操作及び蛇腹折り操作を含む、単一のシートからの物品の製造では、当初の図柄は、物品の横側面において連続したストリップに再構成される(
図4)。平行でない、例えば互い違いに60°の角度にある一連の線(
図5a)に対する複製、折り目付け及び折りの操作を含む単一のシートからの物品の製造では、これにより例えば、3つの側面に再構成された図柄を有し(
図5b)、且つ3方向に開くことのできる三角形の本が得られる。
【0014】
シートを折る操作は、180°以外の角度で、且つ折りの間の差が次第に縮まりゼロ値となるようにして、例えば120°、90°及び60°で実施することができ(
図12)、いずれの場合も、折りは同じ方向に付けられ、折りの間の間隔及び折りの曲率は、先行する折りと比べてシートの厚さに比例した値だけ増加する。これにより、三角柱、正四角柱、六角柱、八角柱等から円筒形(
図13)に至るまでの立体が得られる。これらの立体では、それぞれの図柄が下側の図柄に対して紙の厚さに比例した差分だけずれており、その立体が切断されると、シートの縁端面に再構成された図柄が見える(
図12a及び
図13b)か、又は、トポメトリックなプレカットによりシートの幅が減少する場合、図柄は立体の縁部に再構成される(
図14)。折りの位置は、折り目、ミシン目により決定するか、目印で指示するか、又は極めて単純に、シートの、若しくは折られるシートの寸法若しくは形状により決定することができる。
【0015】
この方法では、様々な材料及び様々な厚さの、積層された又は織られた、剛性又は可撓性の、不透明又は透明な、例えば紙、ボール紙、プラスチック、金属又は布のシートを使用することが可能である。折り操作は冷間又は熱間で実施され得る。
【0016】
本方法はまた、ブロック状シート又はシート毎に適用される折り操作の前又はその後の、フランス式又は中国式の組立て操作(
図24c)、例えばらせん綴じ、接着、縫い綴じ、ステープル留め、及び切断操作、例えばレーザー、穴あけ、裁断とも適合する。切断操作は、同一の形で、又は異なる形で実施することができる。
【0017】
この新規方法は複数の工業的製造手順に適合させることができ、ページを配分すること、及びそれらのページを版枠に正しく置くことを含む方法である組付けを二折り判で行う操作により、図柄の縁端面が折り又は切断の予定位置に置かれ;それにより最終的に、シートが折られてノートが一体になると、物品の折り、格子状部分又は縁端面に図柄が再構成される。また、この方法を、例えばノートの製造手順に適合させることもでき、これは、ブロック状シートを折る操作の後に、場合により圧縮された(
図23f)図柄を、連続したストリップによってノートの縁端面に図柄が再構成される(
図23g)ようにして裁断予定位置に位置決めすることにより可能である。
【0018】
この方法により得られる立体的な本は、矩形、円形若しくは単に円弧形状であっても、又は同様に、種々の形、例えば三角形、六角形、星形(
図8)をした(それをベースとする)ものであってもよく、1つ以上の側面で開くことができてもよい。
【0019】
図柄のずれの方向に従い、この方法により得られる円形の本の任意のシートを、その表版で(
図2)開いたとき、対応する図柄の一部を、図柄全体と継続した形で復元することが可能である(
図2f)。同じ文脈で、シートの任意の位置における規則的な、単純な又は組み合わされた折りによって、元の図柄が現れる(
図8g)。
【0020】
シートは接着により固定されてもよく、これにより蜂の巣型格子状ブロックが得られる。この操作には、折る前に、あるシートから別のシートにかけて又は同じシートの一方の折込みから他方の折込みにかけて互いにずれた接着層を配置することが含まれる。接着層は、折りと平行に配置して(
図16b)、物品の襞に図柄が再構成され(
図17g)、同様に折りと平行な任意選択の裁断操作(
図16c)後に再構成された図柄が長手方向の格子穴に復元される(
図17f)ようにすることが可能であり、又は例えば格子状の断面(
図19及び
図20)を作製する場合、折りと直角に(
図16a)配置することができる。
【0021】
模様は、目標がそれらを蜂の巣型格子状部分(
図17d及び
図17e)に見せることであるのか、それとも折りの上(
図17g)に見せることであるのかに応じて、例えば水平方向又は垂直方向(
図24b)にずらされる。格子状の断面(
図20)は、異なる視点から表裏両面の印刷を読むことを可能にする。
【0022】
図柄の作成は、例えば切断された画像(
図19k)の断面に対応する一続きのストリップ(
図19l)によって、物品のデザインに適合される。ブロックの分離、又は任意の他の切断に基づく仕上げ作業はまた、斜めに実施してもよく(
図24d)、それにより断面の画像をより良く見せることができる。この方法により、ページをパラパラとめくることにより動きが出る図柄又は文字列のずれにより生じるアニメーションを作製することが可能となる(
図27)。同じ物品に複数の折りが可能であり、形によるか又はイラストによる変化が可能となる。また、これらの全ての提案に対応する印画紙の物品を、特に折った後に写真技法により複製が生じる折り紙において設計することも可能である。
【0023】
この方法をコンピューティングの世界に適合させて、既存の3Dソフトウェアを用いるか、又は好適な新規ソフトウェアを作成することにより、この製造手順を反映した固定的な又は動きのあるバーチャル画像を作り出すことが可能である。
【0024】
この工業的方法は、物体の測定値に関する種々のパラメータを含む幾何学的記憶空間という着想に基づいており、その実験に理想的な場が印刷の中に見出される。重ね合わせされたシートに再現される画像は、塊状のシートに突き出して(押し出されて)固定されているように見える。
【0025】
この空間的な立体に関して、そこを横切る物体の全ての体積測定値及び色測定値を、これらの平行な平面の各々が格納しており、ある平面から別の平面へのこれらの痕跡のずれが時空間値を含み、それにより動きの方向が明らかになると考えることができる。
【0026】
点、線又は平面から当初の形状及び立体の構成に戻そうとする意図においては、この塊の記憶の数学的性質が実験的操作を可能にし、空間的破断により、当初の物品が、並行する現実空間である別の空間に投影される。
【0027】
印刷が提供するこの材料は、賢明に切断され又は折られると、立体的な屈折、反射及び歪像のなかに元の画像及び形状が現れ、及びこの方法により得られる物品により、新規の数学的なものの見方に慣れることが可能となる。