(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486812
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】信号検出装置、信号検出方法及び信号検出プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/32 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
G01S7/32 240
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-207995(P2015-207995)
(22)【出願日】2015年10月22日
(65)【公開番号】特開2017-78693(P2017-78693A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2018年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 英俊
【審査官】
藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−043132(JP,A)
【文献】
特開平10−206523(JP,A)
【文献】
特開2014−062899(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0152405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00− 7/42
G01S 13/00−13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から信号を入力して、その信号から所望信号を検出する信号検出装置であって、
前記外部装置からの信号を入力し、その入力信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、前記入力信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力する信号処理部と、
前記信号処理部の信号処理結果を入力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部で算出される評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する判定部と
を具備する信号検出装置。
【請求項2】
外部装置から信号を入力し、その入力信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、前記入力信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力する信号処理部の信号処理結果を入力して、その信号処理結果から所望信号を検出する信号検出装置であって、
前記信号処理部の信号処理結果を入力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部で算出される評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する判定部と
を具備する信号検出装置。
【請求項3】
前記評価値算出部は、前記信号処理結果が信号振幅の場合、確率密度関数に基づいて前記評価値として観測k(kは任意の自然数)回目の尤度比を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、信号不検出確率に基づいて前記評価値として観測k回目の尤度比を算出し、
前記判定部は、前記評価値算出部で算出された尤度比について判定を行う請求項1または2記載の信号検出装置。
【請求項4】
前記評価値算出部と前記判定部は、複数回の信号処理結果を纏めて処理を行う請求項1または2記載の信号検出装置。
【請求項5】
前記評価値算出部は、複数回の信号処理結果を用いて前記評価値として尤度比を算出し、
前記判定部は、前記評価値算出部で算出された尤度比について判定を行う請求項1または2記載の信号検出装置。
【請求項6】
外部装置から信号を入力し、その入力信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、前記入力信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力する信号処理による信号処理結果を入力して、その信号処理結果から所望信号を検出する信号検出方法であって、
前記信号処理結果を入力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出し、
前記評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する信号検出方法。
【請求項7】
外部装置から信号を入力し、その入力信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、前記入力信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力する信号処理による信号処理結果を入力して、その信号処理結果から所望信号を検出する処理をコンピュータに実行させるための信号検出プログラムであって、
前記信号処理結果を入力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出する評価値算出ステップと、
前記評価値算出ステップで算出される評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する判定ステップと
を具備する信号検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、外部装置からの信号(又は信号処理結果)に基づいて、所望信号を検出する信号検出装置、信号検出方法及び信号検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーダ装置における信号検出装置にあっては、目標信号が航空機のように持続時間の短い、パルス状の信号である場合の信号検出方法がある(非特許文献1参照)。この方法による信号検出装置は、背景雑音と比較して信号強度の大きなパルス状の信号を検出し、これを目標信号と判定するもので、このために、信号が所定の閾値以上であるか否か判定することを特徴とする。
【0003】
一方、SPRT(Sequential Probability Ratio Test:逐次確率比検定)を用い、レーダ装置からの信号検出結果に基づいて、目標を検出する目標検出処理方法もある(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−43132号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】電子情報通信学会知識ベース、11群2編5章、5−2−1 検出技術
【非特許文献2】Samuel S. Blackman, Multiple-Target Tracking with Radar Applications, Artech House, 1986.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のレーダ装置等のセンサに適用される信号検出装置では、背景雑音と比較して信号強度の大きなパルス状の信号を所望信号として検出するように構成されている。このため、信号強度が大きくても所望信号の持続時間が長くなってパルス状でなくなるにつれ、所望信号が混入した背景雑音と所望信号の信号強度の差異も小さくなってしまい、所望信号の検出確率が低下するという課題がある。
【0007】
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、パルス状ではない所望信号の検出確率を向上させることのできる信号検出装置、信号検出方法及び信号検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本実施形態は、外部装置から信号を入力して、その信号から所望信号を検出する信号検出装置であって、信号処理部と評価値算出部と判定部とを備える。信号処理部は、前記外部装置からの信号を入力し、その入力信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、前記入力信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力する。評価値算出部は、前記信号処理部の信号処理結果を入力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出する。判定部は、前記評価値算出部で算出される評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る信号検出装置の構成を示すブロック図。
【
図2】実施形態に係る信号検出装置の処理の流れの具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
実施形態に係る信号検出装置は、「所望信号が存在しない」とする仮説H
0と、「所望信号が存在する」とする仮説H
1を設定し、仮説検定により「所望信号が存在する」とする仮説H
1が採択された場合、「信号検出」と判定する。
【0012】
なお、以下の説明では、外部装置(レーダ装置等のセンサ)からの信号に対し、その信号に基づいて「信号検出」を判定する例として、外部装置からの信号を、その信号の絶対値を取るなどして信号振幅(「信号強度」と同じ意味)に変換し、その信号振幅に基づいて「信号検出」を判定する構成の場合について述べる。
【0013】
以下、
図1及び
図2を参照して、実施形態について説明する。
【0014】
図1は、実施形態に係る信号検出装置の構成を示すブロック図である。この実施形態に係る信号検出装置は、閾値算出部11、信号処理部12、尤度比算出部13、判定部14を備える。
【0015】
上記閾値算出部11は、評価値である尤度比の上側閾値T
Uと下側閾値T
Lを算出する。
【0016】
上記信号処理部12は、外部装置からの信号として、kサンプル目の信号x(k)(以下、kサンプル目の信号x(k)を単に信号x(k)と呼ぶ)を入力し、信号x(k)の信号振幅aが閾値T
a以上の場合、kサンプル目の信号処理結果y(k)(以下、kサンプル目の信号処理結果y(k)を単に信号処理結果y(k)と呼ぶ)として信号振幅aを出力し、信号x(k)の信号振幅aが閾値T
a未満の場合、信号処理結果y(k)として信号振幅aが閾値未満であったことを表す情報(本実施形態では0とする)を出力する。
【0017】
上記尤度比算出部13は、確率密度関数に基づいて尤度比を算出する第1の算出部121と、信号不検出確率に基づいて尤度比を算出する第2の算出部122とを備える。すなわち、信号処理部12からの信号処理結果y(k)を入力し、信号処理結果y(k)が信号振幅aの場合、第1の算出部131において、信号処理結果である信号振幅a、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数f(a|a
0)、信号モデルの信号振幅の確率密度関数g(a|a
1)に基づいて評価値としてkサンプル目の尤度比ST(k)(以下、kサンプル目の尤度比ST(k)を単に尤度比ST(k)と呼ぶ)を算出する。また、信号処理結果y(k)が閾値未満であったことを表す情報0の場合、第2の算出部132において、雑音モデルの信号不検出確率(1−P
F)、信号モデルの信号不検出確率(1−P
D)に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出する。
【0018】
上記判定部14は、閾値算出部11からの上側閾値T
Uと下側閾値T
L、尤度比算出部13からの尤度比ST(k)に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する。
【0019】
図2は、実施形態に係る信号検出装置の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に沿って、実施形態に係る信号検出装置の処理の流れを説明する。
【0020】
最初に、上記尤度比算出部13において、尤度比の初期値である尤度比ST(k−1)を初期化する(ステップS101)。
【0021】
次に、上記閾値算出部11において、第一種の過誤率αと第二種の過誤率βに基づいて、尤度比に対する上側閾値T
Uと下側閾値T
Lを算出する(ステップS102)。上側閾値T
Uと下側閾値T
Lの概略値は、以下の(1)式で算出される。
【数1】
【0022】
次に、上記信号処理部12において、外部装置から信号x(k)を入力し、信号x(k)の信号振幅aと閾値T
aとを比較する。そして、以下の(2)式に示すように、信号x(k)の信号振幅aが閾値T
a以上の場合、信号処理結果y(k)として信号振幅a(すなわち、y(k)=a)を出力し、信号x(k)の信号振幅aが閾値T
a未満の場合、信号処理結果y(k)として信号振幅aが閾値未満であったことを表す情報として信号振幅0(すなわち、y(k)=0)を出力する(ステップS103)。
【数2】
【0023】
上記尤度比算出部13は、まず、信号処理結果y(k)が0以外であるか0であるかを判定する(ステップS104)。ここで、信号処理結果y(k)が0以外の場合(ステップS104:YES)、信号処理結果である信号振幅a、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数f(a|a
0)、信号モデルの信号振幅の確率密度関数g(a|a
1)に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出する(ステップS105)。また、信号処理結果y(k)が0の場合(ステップS104:NO)、雑音モデルの信号不検出確率(1−P
F)、信号モデルの信号不検出確率(1−P
D)に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出する(ステップS106)。尤度比ST(k)は、以下の(3)式で算出される。
【数3】
【0024】
ここで、a
0は、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数f(・)のパラメータまたは複数のパラメータからなるパラメータ群を表し、a
1は、信号モデルの信号振幅の確率密度関数g(・)のパラメータまたは複数のパラメータからなるパラメータ群を表す。また、雑音モデルの信号不検出確率(1−P
F)は、雑音モデルの信号振幅が閾値T
a未満である確率に対応しており、雑音モデルの信号振幅変数xの確率密度関数f(x|a
0)の0から閾値T
aまでの積分値として算出することができる。同様に、信号モデルの信号不検出確率(1−P
D)は、信号モデルの信号振幅が閾値T
a未満である確率に対応しており、信号モデルの信号振幅変数xの確率密度関数g(x|a
1)の0から閾値T
aまでの積分値として算出することができる。
【0025】
なお、信号モデルの信号振幅の確率密度関数が、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数と同じ分布の場合、信号モデルの信号振幅の確率密度関数は、f(a|a
1)で表すことができる。
【0026】
上記判定部14は、尤度比算出部13からの尤度比ST(k)と閾値算出部11からの上側閾値T
Uとを比較し(ステップS107)、尤度比ST(k)が上側閾値T
U以上の場合(ステップS107:YES)、判定結果を「信号検出」とする(ステップS108)。尤度比ST(k)が上側閾値T
Uよりも小さい場合(ステップS107:NO)、尤度比ST(k)と閾値算出部11からの閾値T
Lとを比較し(ステップS109)、尤度比ST(k)が下側閾値T
L以下の場合(ステップS109:YES)、判定結果を「信号不検出」とする(ステップS110)。上記以外の場合(尤度比ST(k)が下側閾値T
Lよりも大きく、上側閾値T
Uよりも小さい場合)(ステップS109:NO)、判定結果を「判定保留」とする(ステップS111)。このようにして、上記判定部14は、閾値算出部11からの上側閾値T
Uと下側閾値T
L、尤度比算出部13からの尤度比ST(k)に基づいて、以下の(4)式により判定を行い、判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択する。
【数4】
【0027】
判定部14の判定結果が「判定保留」の場合、(k+1)サンプル目の信号x(k+1)に基づいて、ステップS102からの処理が繰り返される。判定部14の判定結果が「信号検出」または「信号不検出」の場合、判定結果を外部に出力する(ステップS112)。その後、新たな信号検出を行うため、ステップS101からの処理が繰り返される。
【0028】
なお、上記では、信号処理結果y(k)が信号振幅aの場合、信号処理結果である信号振幅a、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数f(a|a
0)、信号モデルの信号振幅の確率密度関数g(a|a
1)に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出する例を示したが、信号処理結果である信号振幅a、雑音モデルの信号振幅の尤度関数L
0(a)、信号モデルの信号振幅の尤度関数L
1(a)に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出することができる。また、信号処理結果である信号振幅a、雑音モデルの信号振幅の尤度関数L
0(a)と信号モデルの信号振幅の尤度関数L
1(a)の尤度比LR(a)(=L
1(a)/L
0(a))に基づいて評価値として尤度比ST(k)を算出することもできる。
【0029】
また、上記では、評価値として尤度比を用いる例を示したが、それぞれの値を対数変換した尤度比(より正確には対数尤度比)を用いて処理を行うように構成することができる。この場合、上側閾値T
Uと下側閾値T
Lの概略値は、以下の(5)式で算出される。
【数5】
【0030】
対応する尤度比ST(k)は、以下の(6)式で算出される。
【数6】
【0031】
また、上記の処理は、サンプリングされた信号が入力されるたびに処理を行う逐次処理の他に、複数サンプル(例えば、kサンプル目から(k+2)サンプル目までの3サンプル分)の信号を纏めて処理を行うミニバッチ処理によって実施するように構成することができる。更に、ミニバッチ処理では、複数サンプルの信号を用いて、評価値として尤度比を算出し、算出された尤度比について、判定を行うように構成することができる。
【0032】
以上説明したように、実施形態に係る信号検出装置によれば、外部装置から信号を入力し、信号の信号振幅が閾値以上の場合、信号処理結果として信号振幅を出力し、信号の信号振幅が閾値未満の場合、信号処理結果として閾値未満であったことを表す情報を出力し、前記信号処理結果が信号振幅の場合、出力された信号振幅、雑音モデルの信号振幅の確率密度関数、信号モデルの信号振幅の確率密度関数に基づいて評価値を算出し、前記信号処理結果が閾値未満であったことを表す情報の場合、雑音モデルの信号不検出確率、信号モデルの信号不検出確率に基づいて評価値を算出し、前記評価値について、前記評価値の上側閾値と下側閾値に基づいて判定を行い、その判定結果として「信号検出」、「信号不検出」、「判定保留」のいずれかを選択することで、パルス状ではない所望信号の検出確率を向上させることができる。
【0033】
なお、実施形態に係る信号検出処理は、閾値算出部11、信号処理部12、尤度比算出部13、判定部14の機能をコンピュータに実現させるプログラムとして構成することができる。
【0034】
上記実施形態は、いずれもレーダ装置、ソナー装置等の外部装置からの信号に基づいて、所望信号を検出する信号検出装置に適用可能である。
【0035】
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0036】
11…閾値算出部、
12…信号処理部、
13…尤度比算出部、131…第1の算出部、132…第2の算出部、
14…判定部。