(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
側壁部の前端には前壁部が設けられており、該前壁部には貫通部が形成されており、該貫通部に突き上げバーが挿通されていることを特徴とする請求項1記載の分離装置。
【背景技術】
【0002】
通常のディスタッカーにおいて、加工の対象である板状のブランク材は多数枚が積み上げられスタックとなっている。
したがって加工の過程の最初の段階においては、スタックから1枚ずつブランク材を取り上げて次の加工エリアに送り込む必要があり、そのためには連続的にブランク材を分離する工程が不可欠となる。
スタックに積み上げられたブランク材同士は、ブランク材同士の間の真空や表面に形成された油膜等により密着し、分離が困難となる場合があった。
【0003】
これを解決するために、各種の分離装置が開発されている。
【0004】
例えば、マグネットによりスタックのブランク材全てを同極に磁性化させ、その磁力(反発力)により最上位のブランク材を浮き上がらせる装置が知られている。
しかし、これは磁化され得るブランク材にしか適用できず、その他のアルミニウムや銅、或いは木材、アクリル等、広く工業用に使われる素材に対応できないという欠点があった。
【0005】
また、高圧の空気をスタックに向けて噴出することによりスタック最上位のブランク材とその直下のブランク材を剥離し、最上位のブランク材を浮き上がらせるエアーナイフがある。
これは、ブランク材の種類を問わずに汎用的に適用できるという長所を有するが、吹き込むエアーの指向性を完全には制御できないためエネルギー効率が悪く、ランニングコストも高くなり、一方では騒音も大きいという欠点がある。
【0006】
このため、鋸歯状の突き上げバーを移動させ機械的にスタックから最上位のブランク材を分離する分離装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
これは、鋸歯状の歯を持つブレードを備えるもので、ブレードが下方から斜め上方向にスタックに当接することで、ブレードの歯にスタックのブランク材を引っ掛けて捲りあげるものである。
機械的な接触によりブランク材を持ち上げるため、スタックを構成するブランク材が磁性体、非磁性体、あるいはそれらの混合であるか否かに関わらず用いることができ、汎用性が高い。
また、ブレードの歯は接触する部分にのみ作用するため、エネルギー的に見て効率が高い。
【0007】
しかし、このような従来の分離装置では、一義的にブレードの動作が決められており、ブレードの歯が最上位のブランク材以外のブランク材に作用してしまうことがあった。
これにより最上位のブランク材のみならず、数枚のブランク材を予期せず同時に持ち上げてしまう場合があった。
特に、ブランク材の板厚が厚い場合や、重量が大きい場合には、このような傾向が顕著だった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の分離装置は上述の問題点を背景に開発されたものである。
すなわち、本発明の目的はブランク材の磁性体、非磁性体の別に関わらず、スタック最上位のブランク材のみを確実に、かつ効率的に捲りあげることができる分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述課題を解決するため鋭意検討した結果、突き上げバーの軌道をコントロールすることによって分離装置Aがスタック最上位のブランク材のみに当接し捲りあげられることを見出した
。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
【0011】
すなわち本発明は、(1)、ブランク材B1が複数枚積み上げられているスタックBにおいて最上位のブランク材B1をその直下のブランク材B1から分離するための分離装置Aであって、ブランク材B1を分離する突き上げバー5と、突き上げバー5の基部51に取り付けられた第1スライダ体1と、該第1スライダ体1の前方
で前記突き上げバー5に取り付けられた第2スライダ体9と、第1スライダ体1を間接的に動かす直動機構2と、直動機構2と第1スライダ体1を連結する天秤バー3と、天秤バー3に設けられた長穴31と、天秤バー3の中央部を軸支する側壁部6と、側壁部6に取り付けられた案内板4と、該案内板4に形成された案内孔41及び案内面42とを備え、天秤バー3は直動機構2に枢着され、第1スライダ体1は長穴31に遊挿されており、第2スライダ体9は、案内面42に当接しており、案内孔41に沿って第1スライダ体1が案内され、且つ案内面42に沿って第2スライダ体9が案内され、突き上げバー5が前後及び上下方向に移動可能となっている分離装置Aに存する。
【0012】
すなわち本発明は、(2)、案内板4が側壁部6に対して取り外し自在に取り付けられている上記(1)記載の分離装置Aに存する。
【0013】
すなわち本発明は、(3)、側壁部6の前端には前壁部7が設けられており、該前壁部7には貫通部10が形成されており、該貫通部10に突き上げバー5が挿通されている上記(1)記載の分離装置Aに存する。
【0014】
すなわち本発明は、(4)、前壁部7には、
ブランク材B1を磁力により分離するためのマグネット8が取り付けられている上記(3)記載の分離装置Aに存する。
【0015】
すなわち本発明は、(5)、側壁部6の外側に
スタック最上位のブランク材B1とその直下のブランク材B1との間にエアーを吹き付けるためのエアーノズルが設けられている上記(1)記載の分離装置Aに存する。
【0016】
すなわち本発明は、(6)、突き上げバーは、
第1スライダ体1及び第2スライダ体9を有する基部51と鋸歯状の歯を有する歯部52とを備え、該突き上げバー5の歯部52は、該突き上げバー5の基部51に対して取り外し自在に取り付けられている上記(1)記載の分離装置Aに存する。
【0017】
すなわち本発明は、(7)、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の分離装置Aと、
該分離装置Aと対向する位置に配置されたブランク材B1を水平方向に押し出すための
押圧部C1を有する押出装置Cとを備え、該押出装置Cの
押圧部C1はブランク材B1に対する当接面が下部から上部にブランク材側に傾斜しているものである分離システムに存する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ブランク材B1が複数枚積み上げられているスタックBにおいて最上位のブランク材B1をその直下のブランク材B1から分離するための分離装置Aであって、ブランク材B1を分離する突き上げバー5と、突き上げバー5の基部51に取り付けられた第1スライダ体1と、該第1スライダ体1の前方
で前記突き上げバー5に取り付けられた第2スライダ体9と、第1スライダ体1を間接的に動かす直動機構2と、直動機構2と第1スライダ体1を連結する天秤バー3と、天秤バー3に設けられた長穴31と、天秤バー3の中央部を軸支する側壁部6と、側壁部6に取り付けられた案内板4と、該案内板4に形成された案内孔41及び案内面42とを備え、天秤バー3は直動機構2に枢着され、第1スライダ体1は長穴31に遊挿されており、第2スライダ体9は、案内面42に当接しており、案内孔41に沿って第1スライダ体1が案内され、且つ案内面42に沿って第2スライダ体9が案内され、突き上げバー5が前後及び上下方向に移動可能となっていることにより、スタック最上位のブランク材B1のみを確実に、且つ連続的に捲りあげることができる。
また、突き上げバー5が
移動する際にもぶれることがなく、ブランク材B1に対して安定的に当接することで、確実に最上位のブランク材B1を捲りあげることができる。突き上げバー5の軌道が一定のものとなり、ブランク材B1への当接が安定する。また、エネルギー効率が高くなる。
【0019】
本発明は、案内板4が側壁部6に対して取り外し自在に取り付けられていることにより、突き上げバー5の軌道を変更し、板厚や形状、材質が異なるロットのブランク材B1に対応できる。
【0020】
本発明は、側壁部6の前端には前壁部7が設けられており、該前壁部7には貫通部10が形成されており、該貫通部10に突き上げバー5が挿通されていることにより、不必要時に突き上げバー5を後退させて待機することができる。
【0021】
本発明は、前壁部7には、
ブランク材B1を磁力により分離するためのマグネット8が取り付けられていることにより、ブランク材B1が鉄板等の磁性を有するものである場合、突き上げバー5を使わずに、非接触でスタック最上位のブランク材B1を分離することができる。
また、磁性を有するブランク材B1或いは磁性を備えないブランク材B1とが混在するスタックBに対しても、スタック最上位のブランク材B1を分離することができる。
【0022】
本発明は、側壁部6の外側に
スタック最上位のブランク材B1とその直下のブランク材B1との間にエアーを吹き付けるためのエアーノズルが設けられていることにより、スタックBのブランク材同士が真空、油膜等により密着している場合にも、エアーを吹き込むことで分離作用を助け、より確実に突き上げバー5がスタック最上位のブランク材B1を捲りあげることができる。
【0023】
本発明は、突き上げバー5はその基部51に対して取り外し自在に取り付けられていることにより、歯部52の歯が損耗した場合に容易に交換ができる。
【0024】
本発明は、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の分離装置Aと、
該分離装置Aと対向する位置に配置されたブランク材B1を水平方向に押し出すための
押圧部C1を有する押出装置Cとを備え、該押出装置Cの
押圧部C1はブランク材B1に対する当接面が下部から上部にブランク材側に傾斜しているものであることにより、分離装置Aの突き上げバー5がスタック最上位のブランク材以外のブランク材B1に触れることがなく、最上位のブランク材B1のみを確実に捲りあげることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0027】
図1は、分離装置Aの斜視図である。
図2は、分離装置Aの側面を示す説明図である。
本発明の分離装置Aは、ブランク材B1が複数枚積み上げられているスタックBにおいて最上位のブランク材B1をその直下のブランク材B1から分離するための分離装置Aである。
【0028】
分離装置Aは、ブランク材B1を分離する突き上げバー5と、突き上げバー5の基部51に取り付けられた第1スライダ体1
及び該第1スライダ体1の前方
で前記突き上げバー5に取り付けられた第2スライダ体9と、第1スライダ体1を間接的に動かす直動機構2と、直動機構2と第1スライダ体1を連結する天秤バー3と、天秤バー3に設けられた長穴31と、天秤バー3の中央部を軸支する側壁部6と、側壁部6に取り付けられた案内板4と、該案内板4に形成された案内孔41及び案内面42とを備えている。
また、両側壁部6の前端には、2枚の側壁部6に渡るように前壁部7が設けられている。
この側壁部6には、後述するように図示しないエアーノズルが、また前壁部7にはマグネット8が備わっている。
【0029】
更にいうと、天秤バー3の一端は、直動機構2の一端に枢着され、該直動機構2の他端は、側壁部6に枢着されている、そして天秤バー3はその中央部が側壁部6に枢着されていて回動が可能である。
すなわち、側壁部6は天秤バー3の中央部を軸支した状態となっている。
第1スライダ体1は天秤バー3の長穴31及び案内孔41に遊挿されており、第2スライダ体9は、案内面42に当接している。
案内孔41に沿って第1スライダ体1が案内され、且つ案内面42に沿って第2スライダ体9が案内されて、突き上げバー5が前後及び上下方向に移動することが可能である。
これにより突き上げバー5が
移動する際にもブレることがなく、ブランク材B1に対して安定的に当接することで、確実に最上位のブランク材B1を捲りあげることができる。
突き上げバー5の軌道が一定のものとなりブランク材B1への当接が安定する。
また、エネルギー効率が高くなる。
【0030】
直動機構2の一端は天秤バー3の一端に枢着されており、直動機構2が前後方向に往復運動を行うと、天秤バー3は、その動きに応じて回動運動を行う。
【0031】
天秤バー3の直動機構2に取り付けられている側と反対側の長穴31には、突き上げバー5の第1スライダ体1が遊挿され、且つ該第1スライダ体1は案内板4の案内孔に遊挿されている。
天秤バー3の回動運動が無理なく第1スライダ体1の往復運動に変換され、直動機構2によって駆動される天秤バー3の動きが後述する突き上げバー5に伝達される。
【0032】
ここで突き上げバー5は、2つのスライダ体を有する基部51と鋸歯状の歯を有する歯部52とを備えている。
歯部52が基部51に取り外し自在に設けられており、歯部52は、斜め上の方向に設けられていることとなる。
突き上げバー5がその基部51に対して取り外し自在に取り付けられていることにより、歯部52の歯が損耗した場合に交換が可能である。
【0033】
図3〜
図6は、歯部52とブランク材B1との関係を示す側面説明図である。
【0034】
図3は、ブランク材B1が階段状の傾斜を形成していない状態でその端部を捲り上げる前の状態を示す側面説明図である。
【0035】
図4は、ブランク材B1が階段状の傾斜を形成していない状態でその端部を捲り上げた後の状態を示す側面説明図である。
このようにブランク材B1が階段状の傾斜を形成していない状態とは、相対向する位置にある押出装置Cを使用しない場合である。
【0036】
突き上げバー5が
移動すると、鋸歯状の歯部52は、ブランク材B1の端部を捲り上げる。
通常、歯部52の歯のピッチは、対象となるブランク材B1の厚みよりは、小さく設定されている。
この場合、歯部52の歯の先がブランク材B1の端面に少し食い込み或いは歯の先とブランク材B1の端面との摩擦により、端面を押し上げるように作用する。
その結果、ブランク材B1の端部が捲り上げられることになる。
また、鋸歯状の歯は一定の領域に形成されているので、突き上げバー5が最上位のブランク材B1に当接する位置が目標位置より上方にずれた場合であっても、ブランク材B1を確実に捲り上げることができる。
【0037】
図5は、ブランク材B1が階段状の傾斜を形成した状態でその端部を捲り上げる前の状態を示す側面説明図である。
【0038】
図6は、ブランク材B1が階段状の傾斜を形成した状態でその端部を捲り上げた後の状態を示す側面説明図である。
この場合も、歯部52の歯の先がブランク材B1の端面に少し食い込み或いは歯の先とブランク材B1の端面との摩擦により、端面を押し上げるように作用する。
或いは歯の先が最上位の一枚のブランク材B1の端部を載せて押し上げるように作用することもある。
その結果、ブランク材B1の端部が捲り上げられるのである。
【0039】
上記の
図3及び
図4の場合と比べると、押出装置Cに押圧されることでスタックBの端面は階段状の傾斜を形成している。これにより最上位のブランク材B1が一番突出しているので、歯部52が最上位のブランク材以外のブランク材B1に触れることがなく、最上位のブランク材B1のみを確実に捲りあげることができる。
ところでスタックBは、ブランク材B1が一枚取り上げられる毎に、スタック全体がその一枚分リフターLにより持ち上げられる場合と、複数枚続けて取り上げられる毎に、その枚数分がリフターLにより持ち上げられる場合とがある。
後者の場合は、スタック最上位のブランク材B1が順次下がっていくが、歯部52の鋸歯状の歯は一定の領域に形成されているので、問題は生じない。
【0040】
分離装置Aには左右両側に上述の各部材を挟み込むように側壁部6が設けられており、内部の部品を保護している。
【0041】
図7は、案内板4を示す斜視図である。
案内板4は、側壁部6に取り外し自在であり、案内孔41と該案内孔41の前方側に隣接して形成された案内面42とを有する。
案内板4に形成された肉厚部の上面が案内面42となっており、この案内面42は水平面と該水平面に連続する傾斜面とを有する。
側壁部6には案内板4を取り付けるためのネジ孔が設けられており、該ネジ孔に案内板側のボルトを捻じ込んで、側壁部6に案内板4を取り付けることができる。
従って、案内板4はボルトを外すことにより、側壁部6から取り外すことができ、異なる案内孔41と案内面42とを有する案内板4と交換が容易に可能である。
突き上げバー5の動き(すなわち軌道)を変更し、板厚や形状、材質が異なるブランク材B1に対応できることとなる。
【0042】
第1スライダ体1は、案内孔41に沿って移動し且つ第2スライダ体9が案内面42に沿って移動することにより、突き上げバー5が特有の動きを行う。
例えば、突き上げバー5が斜め上方向に移動し、その後、水平に移動することができる。
また、元の位置に後退することができる。
この場合、
図7に示すように、案内孔41は案内面42の水平面及び傾斜面と対応するように水平孔及び該水平孔に連続する傾斜孔が設けられる。案内孔41と案内面42は、平行に設けられる。これらが平行に設けられることで、突き上げバー5が案内孔41と案内面42の2つにより案内され、突き上げバー5の軌道が一定のものとなり、ブランク材B1への当接がより安定する。
突き上げバー5の動きは案内孔41及び案内面42の形状により決定されるので,これらを有する案内板4を交換することで、突き上げバー5の動きを異なったものに変更することができる。
【0043】
ここで突き上げバー5の動きの例についていうと、突き上げバー5は斜め上方に前進しブランク材B1に当接する。
この時、突き上げバー5の歯部52が、ブランク材B1の端部を捲り上げるように作用する。
その後、突き上げバー5は真っ直ぐ前進しようとするが、その動きはブランク材B1により阻止される。
その結果、第1スライダ体1を起点として前方が首を持ち上げるように上方に動く。
すなわち突き上げバー5は移動する第1スライダを軸として更に上方に回動するのである。
これにより、突き上げバー5の歯部52に当接したスタック最上位のブランク材B1が確りと捲り上げられる。
【0044】
ところで、側壁部6には、図示しないエアーノズルが前方へ開口するように設けられている。
エアーノズルは
図1における向こう側の側壁部に設けられている。
このエアーノズルは、本発明の分離装置AがスタックBから最上位のブランク材B1を持ち上げる際に、最上位のブランク材B1とその
直下のブランク材B1の間に高圧の空気を吹き込む。
これにより、ブランク材同士が真空、油膜等により密着している場合にも、エアーを吹き込むことで分離作用を助け、より確実に突き上げバー5がスタック最上位のブランク材B1を捲りあげることができる。
【0045】
また、両側壁部6の前端には、2枚の側壁部6に渡るように前壁部7が設けられている。
この前壁部7の中央には、突き上げバー5が前壁部7を通り抜けるための、貫通部10が設けられている。
突き上げバー5は、通常時は前壁部7より後方に待機しており、必要時には貫通部10を挿通して前方に顔を出す。
【0046】
更にまた、前壁部7にはマグネット8(永久磁石或いは電磁石)が設けられており、磁性を有するブランク材B1を分離する際に用いられる。
マグネット8を用いることにより、突き上げバー5を使わずに非接触でスタック最上位のブランク材B1を分離することができる。
磁性の無いブランク材B1を剥離する場合には、マグネット8はその機能を発揮できないので、突き上げバー5により分離機能が発揮される。
また、磁性を有するブランク材B1或いは磁性を備えないブランク材B1とが混在するスタックBに対しては、突き上げバー5とマグネット8の機能を共働させてスタック最上位のブランク材B1を分離することができる。
【0047】
図8は、分離装置A、スタックB及び押出装置Cの配置を説明するための概略側面図である。
【0048】
スタックBは、上下動が可能なリフターLの座面の上にブランク材B1を積み重ねていくことで形成される。
リフターLは、前述したように、ブランク材B1が一枚取り上げられる毎に、スタック全体を持ち上げる場合と、複数枚取り上げられる毎に、その枚数分だけ持ち上げる場合とがある。
前者の場合は、最上位のブランク材B1を捲り上げる毎に、捲り上げたブランク材B1の厚みだけ上昇するため、スタック最上位のブランク材B1が常に同じ高さとなる。
そのため分離装置Aの突き上げバー5が上下方向に常に一定の位置でスタック最上位のブランク材B1を持ち上げることができ、分離性能が均一のものとなる。
【0049】
ところで、スタックBは外縁を複数の位置決めピンにより支えられている。
これにより、水平方向にブランク材同士がずれることがなく、スタックBが常に安定した状態となる。
また、位置決めピンの位置を適宜調整することにより、大きさの異なるブランク材B1や、不定形のブランク材B1によって構成されたスタックBにも対応することができる。
【0050】
本発明の分離装置Aは、それ単独で用いられることもあるが、通常は押出装置Cと共に用いられる。
押出装置Cと共に用いられる場合は、ブランク材B1の端部は階段状に傾斜するので、
図5及び
図6で示したような作用を発揮する。
この分離装置Aと押出装置Cとを有する装置が分離システムである。
【0051】
分離システムにおいては、分離装置Aと押出装置Cは、スタックBを挟んで相対向するように配置される。
この場合、分離装置Aは、突き上げバー5がスタックBに対面するように配置され、同様に、スタックBを介して反対側にある押出装置Cは、その押圧部C1がスタックBに対面するように配置される。
【0052】
押出装置Cは、水平方向に往復運動して、スタックB上位の複数枚数のブランク材B1の端部を押圧する押圧部C1を備える。
この押圧部C1は上側がスタック側に突出し、下側がスタック側から後退する傾斜を備えている。
押圧部C1がスタック最上位のブランク材B1とその下の複数枚のブランク材B1を一挙に押圧することで、それらの端部がずれて階段状の傾斜を形成し、分離装置Aの方へ突出する。
【0053】
この場合、最上位のブランク材B1が最も分離装置Aの側に突出するように押し出される。
【0054】
押出装置Cには、スタック最上位のブランク材B1が持ち上げられた際に、スタック最上位のブランク材B1とその直下のブランク材B1との間に空気を吹き込むための図示しない押出装置側エアーノズルが併設されている。
これは、分離装置Aのエアーノズル同様に、真空や油膜等によるスタック最上位のブランク材B1とその直下のブランク材B1との密着を脱し、分離装置Aが最上位のブランク材B1のみを持ち上げる動作を補助する。
【0055】
また、押出装置Cには図示しないマグネットが設けられており、磁性を有するブランク材B1の分離を非接触で行うことができる。
分離装置Aの突き上げバー5と押出装置Cの押圧部C1とは同期して動くように制御される。
【0056】
ここで分離装置Aの突き上げバー5と押出装置Cの押圧部C1の動きについて述べる。
図9は、押出装置Cの押圧部C1がスタック最上位のブランク材B1とその下の複数枚のブランク材B1を一挙に押圧して階段状に傾斜するように突出させた状態を説明する側面図である。
分離装置Aの突き上げバー5がブランク材B1に当接するまでの前段階であり、押出装置Cの押圧部C1が前進して、スタック最上位のブランク材B1とその直下のブランク材B1を分離装置Aの側へ押し出し階段状の傾斜を形成した状態である。
この場合、突き上げバー5は後退して待機状態にある。
【0057】
図10は、分離装置Aの突き上げバー5がブランク材B1に当接した状態を説明する側面図である。
押出装置Cの押圧部C1による押圧が終了した後の段階であり、今度は分離装置Aの突き上げバー5が斜め上方向に前進して最上位のブランク材B1に当接する。
押出装置Cの押圧部C1は停止して同じ位置にある。
尚、最上位のブランク材B1は歯部52の鋸刃状の歯が形成されている範囲内に位置している。
【0058】
図11は、分離装置Aの突き上げバー5がスタック最上位のブランク材B1を捲りあげた状態を説明する側面図である。
突き上げバー5が前進して最上位のブランク材B1を捲り上げるように作用する。
突き上げバー5は最上位のブランク材B1のみに作用するため、余分な重量が加わらずエネルギー効率が高い。
押出装置Cの押圧部C1は停止して同じ位置にある。
【0059】
この後、突き上げバー5により分離された最上位のブランク材B1は図示しない吸引カップ等の搬送手段により他所(次の工程)へ搬送される。
【0060】
このように、分離装置Aと押出装置Cが協働しながら、かつ効率的にスタック最上位のブランク材B1を分離することができる。
【0061】
さて、
図12〜
図14は、分離装置Aと押出装置Cの配置関係を模式的に示す上面図である。
図12に示す分離システムは、一つの分離装置AとスタックBを挟んで対向する一つの押出装置Cとが一対で用いられる
【0062】
また、
図13に示す分離システムは、一つの分離装置Aと対向する一つの押出装置Cとが一対と、更に、逆配置の一つの分離装置Aと対向する一つの押出装置Cとが一対、計2対、配置される。
これにより、分離装置Aがブランク材B1を持ち上げる側(図の左右)を切り替えることが可能である。
【0063】
また、
図14に示す分離システムは、分離装置Aと対向する一つの押出装置Cとが前後に2対、左右に2対の計4対配置されたものである。
前後、左右のいずれの方向からもブランク材B1を捲りあげることが可能となる。
これにより、ロット替えや搬送方向の変更にも十分対応することができる。
【0064】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば、両側の側壁部6に案内板4を設け、天秤バー3を一対とし、突き上げバー5を両側から挟む左右対称の構造とすることも可能である。
これにより、突き上げバー5の
移動がより安定することとなる。