(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486886
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】歯周ポケット測定システム
(51)【国際特許分類】
A61C 19/04 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
A61C19/04 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-227421(P2016-227421)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-185199(P2017-185199A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2016-69914(P2016-69914)
(32)【優先日】2016年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593080135
【氏名又は名称】株式会社ナルコーム
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】足立 英規
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 吾郎
【審査官】
小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−137737(JP,A)
【文献】
特開昭57−161603(JP,A)
【文献】
実開昭59−030215(JP,U)
【文献】
米国特許第04203223(US,A)
【文献】
国際公開第90/011046(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯周ポケットの底部に先端部を当てる探針と、筒状を成したハンドピース本体の先端部に設けられ探針の周囲に外装する中空棒状のスリーブとを備え、探針の後端部に連結した計測糸及びハンドピース本体内に配した圧縮コイルバネを介して歯周ポケットの深さを測定するように構成した測定装置と、該測定装置の測定値を表示装置に表示する表示手段とを備えた歯周ポケット測定システムであって、測定装置は、歯周ポケットの底部に探針の先端部を当てた状態で探針の周囲に外装したスリーブの端部を歯肉の上縁まで移動させると、スリーブの後端側から突出する探針に伴って計測糸が引き出され、該計測糸の引き出された距離が圧縮コイルバネの圧縮距離に変換されて歯周ポケットの深さを測定するように構成したことを特徴とする歯周ポケット測定システム。
【請求項2】
前記測定装置は、ハンドピース本体内に設置される固定部と、該固定部に対向する位置に配置される位置変換軸と、固定部から位置変換軸を介して探針の後端部に連結する計測糸と、圧縮コイルバネを押圧するスライド棒とが設けられ、固定部と位置変換軸との間の計測糸にてスライド棒の端部を押圧付勢するように配置し、探針の先端方向に沿ってスリーブがスライド移動すると、スリーブの後端側から突出する探針に伴って計測糸が引き出され、該計測糸の移動距離がスライド棒から圧縮コイルバネに伝わるように構成した請求項1記載の歯周ポケット測定システム。
【請求項3】
前記計測糸にて押圧付勢される前記スライド棒の移動距離が、前記スリーブ後端側から引き出される前記計測糸の距離の1/2になるように設定された請求項2記載の歯周ポケット測定システム。
【請求項4】
前記計測糸は、前記ハンドピース本体内に設けられた前記固定部から前記固定部に対向する前記位置変換軸と、前記ハンドピース本体の先端部に設けられた前記支点軸とを介してスライド移動するように構成された請求項2記載の歯周ポケット測定システム。
【請求項5】
前記表示装置に前記測定装置の測定値を表示する前記表示手段は、測定値をモニターに数値で表示する数値表示手段と、測定値を前記測定装置及び前記表示装置のいずれか一方又は両方から音声で表示する音声表示手段とを備え、該音声表示手段は測定値の変化に応じて表示音が変化するように構成された請求項1記載の歯周ポケット測定システム。
【請求項6】
前記数値表示手段は、前記測定装置による歯牙ごとの測定数値を前記モニターに表示するポケットチャートと、該ポケットチャートに表示された数値を歯牙番号ごとに入力して表示せしめる歯牙番号入力画面とを備え、前記表示装置に設けられたフットスイッチでポケットチャートに表示された数値を各歯牙番号入力画面に順次入力するように構成した請求項5記載の歯周ポケット測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯周疾患によって発生する歯周ポケットの深さを測定する歯周ポケット測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
歯周ポケットの底部に探針の先端を当てて歯周ポケットの深さを検出する測定装置が特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の測定装置は、前端部分を覆うカバー部材を備えたハンドピース本体と、カバー部材の前端に装着されてカバー部材の長手方向に摺動可能とされた操作部材と、この操作部材に取り付けられてカバー部材の前端から突出したフレキシブルなスリーブと、カバー部材に装着されてスリーブ内を貫通し、先端を上記スリーブの先端から露出可能とされた探針とを備えたものである。
【0004】
この測定装置によると、歯周ポケットの深さはセンサーの検出出力にて算出される。すなわち、探針の先端とスリーブの先端の位置を一致させ、その時の移動部と固定部の相対的な位置関係を記憶してこれを原点とする。そして、操作部材を大きく後退させた状態で探針の先端を患者の歯周ポケットの底部まで挿入した後、先端が歯肉の上縁に当たる位置までスリーブを戻せば、その時の先端と先端の位置の差、すなわち原点から先端までの距離が歯周ポケット深さに対応したものとなるので、これを検出することによって歯周ポケットの深さが測定されるというものである。
【0005】
特許文献2に記載の測定装置は、前端方向に押圧させる付勢手段を内蔵したハンドピース本体と、このハンドピース本体の前方部に脱着可能に装着されるアダプターと、このアダプターの先端に脱着可能に装着されるプローブとの三つの部品から構成されるハンドピースを備えたものである。
【0006】
このハンドピースのプローブには、前端から突出したフレキシブルなスリーブと、このプローブに装着されスリーブ内を貫通し前端に球状の先端を有する探針と、探針先端とスリーブの前端との間に探針に貫通して装着された鍔とを備えている。
【0007】
そして、歯周検査をする際は、プローブを装着したアダプターを口腔内に入れ、歯周ポケットにプローブを挿入させると鍔が歯肉の上縁に掛かり、術者がスリーブを手動でスライドさせることなく自動的にスリーブと鍔の探針に対するスライドが開始される。このスリーブのスライド移動量は、アダプターに内設されている伝達スライド、さらにハンドピース本体に内設されている変位センサースライド棒を介して変位センサーに伝達され、伝達されたスライド移動量は、歯周ポケットの深さとして計算されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3491006号公報
【特許文献2】特開2010−142522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、これら従来の歯周ポケット測定装置は、いずれもスリーブの移動位置を検出して歯周ポケットの深さを計測するものである。そのため、いずれのスリーブもハンドピース本体の内側にスライド移動する構成になっているので、このハンドピース本体の構成が複雑になる不都合があった。
【0010】
しかも、移動距離を計測するには、定圧の付勢手段にスライド棒を接触させておき、このスライド棒がこの付勢手段に対して押圧する圧力や距離を検出して計測する構成になっている。そのため、この付勢手段にバネを使用する場合、渦巻きバネのような構造のバネを使用すると定圧の付勢が可能になる。ところが、渦巻きバネでは構造が複雑になり、ハンドピース本体内に装着することが困難になってしまう。そこで、従来では、特許文献1や特許文献2のように、定圧の付勢手段に圧縮コイルバネを使用している。
【0011】
一方、歯周ポケットの深さを計測する場合に、探針の圧力は20〜25gの範囲内で計測することが義務付けられている。ところが、付勢力が20〜25gに対応する極細の圧縮コイルバネでは、荷重変化にばらつきが生じ易いといった問題があった。特に、この荷重変化のばらつきは、圧縮コイルバネの圧縮距離が長くなるほど不安定になる傾向がある。
【0012】
そこで、本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、歯周ポケット測定システムの構成を合理化すると共に、極細の圧縮コイルバネでも正確に計測することが可能な歯周ポケット測定システムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成すべく本発明の第1の手段は、歯周ポケットの底部に先端部を当てる探針3と、筒状を成したハンドピース本体1の先端部に設けられ探針3の周囲に外装する中空棒状のスリーブ2とを備え、探針3の後端部に連結した計測糸7及びハンドピース本体1内に配した圧縮コイルバネ5を介して歯周ポケットの深さを測定するように構成した測定装置10と、該測定装置10の測定値を表示装置20に表示する表示手段とを備えた歯周ポケット測定システムであって、測定装置10は、
歯周ポケットの底部に探針3の先端部を当てた状態で探針3の周囲に外装したスリーブ2の端部を歯肉の上縁まで移動させると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出され、該計測糸7の引き出された距離が圧縮コイルバネ5の圧縮距離に変換されて歯周ポケットの深さを測定するように構成したことにある。
【0014】
第2の手段において、前記測定装置10は、ハンドピース本体1内に設置される固定部6と、該固定部に対向する位置に配置される位置変換軸8と、固定部6から位置変換軸8を介して探針3の後端部に連結する計測糸7と、圧縮コイルバネ5を押圧するスライド棒4とが設けられ、固定部6と位置変換軸8との間の計測糸7にてスライド棒4の端部を押圧付勢するように配置し、探針3の先端方向に沿ってスリーブ2がスライド移動すると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出され、該計測糸7の移動距離がスライド棒4から圧縮コイルバネ5に伝わるように構成したものである。
【0015】
第3の手段は、前記計測糸7にて押圧付勢される前記スライド棒4の移動距離が、前記スリーブ2後端側から引き出される前記計測糸7の距離の1/2になるように設定されたものである。
【0016】
第4の手段において、前記計測糸7は、前記ハンドピース本体1内に設けられた前記固定部6から前記固定部6に対向する前記位置変換軸8と、前記ハンドピース本体1の先端部に設けられた前記支点軸9とを介してスライド移動するように構成されたものである。
【0017】
第5の手段において、前記表示装置20に前記測定装置10の測定値を表示する前記表示手段は、測定値をモニター21に数値で表示する数値表示手段22と、測定値を前記測定装置10及び前記表示装置20のいずれか一方又は両方から音声で表示する音声表示手段23とを備え、該音声表示手段23は測定値の変化に応じて表示音が変化するように構成されたものである。
【0018】
第6の手段の前記数値表示手段22は、前記測定装置10による歯牙ごとの測定数値を前記モニター21に表示するポケットチャート22Aと、該ポケットチャート22Aに表示された数値を歯牙番号ごとに入力して表示せしめる歯牙番号入力画面22Bとを備え、前記表示装置20に設けられたフットスイッチ24でポケットチャート22Aに表示された数値を各歯牙番号入力画面22Bに順次入力するように構成したものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載のごとく、測定装置10は、
歯周ポケットの底部に探針3の先端部を当てた状態で探針3の周囲に外装したスリーブ2の端部を歯肉の上縁まで移動させると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出され、該計測糸7の引き出された距離から歯周ポケットの深さを測定するように構成しているので、従来のようにハンドピース本体の内側にスリーブをスライド移動する必要がなくなった。この結果、歯周ポケット測定装置の構成を極めて簡略化することに成功し、歯周ポケットの測定を極めて容易に行えるものである。
【0020】
請求項2のように、探針3の先端方向に沿ってスリーブ2がスライド移動すると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出され、該計測糸7の移動距離がスライド棒4から圧縮コイルバネ5に伝わるように測定装置10を構成したものであるから、測定装置10の構成がコンパクトになり、ハンドピース本体1も極めて扱いやすい構成になる。
【0021】
請求項3のように、計測糸7にて押圧付勢されるスライド棒4の移動距離が、スリーブ2後端側から引き出される計測糸7の距離の1/2になるように設定されたことから、特に、圧縮距離が長くなるほど不安定になる極細の圧縮コイルバネ5の圧縮距離を短くすることができる。この結果、極細の圧縮コイルバネでも正確に計測することが可能になった。
【0022】
請求項4のごとく、計測糸7は、ハンドピース本体1内に設けられた固定部6から該固定部6に対向する位置変換軸8と、ハンドピース本体1の先端部に設けられた支点軸9とを介してスライド移動するように構成されているので、この支点軸9と位置変換軸8とによって、スライド棒4の端部を押圧付勢する計測糸7をスムーズに移動させることができる。したがって、スライド棒4を介して圧縮コイルバネ5を正確に圧縮することができる。
【0023】
請求項5のような表示手段によると、測定装置10の測定値を表示装置20のモニター21に数値で表示する数値表示手段22と、測定装置10の測定値を音声で表示する音声表示手段23とを備え、該音声表示手段23は測定値の変化に応じて表示音が変化するように構成されているので、測定者はモニター21で測定値を確認すると共に、表示音に基づいた測定も可能になる。したがって、測定者は測定値をモニター21で逐一確認する作業から解放され、患者の口腔内を覗いたまま歯周ポケット測定作業を続けることが可能になる。この結果、全歯牙の測定作業が合理化され、測定作業時間を大幅に短縮することができる。
【0024】
請求項6のように、歯牙ごとの測定数値をモニター21に表示するポケットチャート22Aと、該ポケットチャート22Aの数値を歯番ごとに入力して表示せしめる歯牙番号入力画面22Bとを備え、表示装置20に設けられたフットスイッチ24でポケットチャート22Aに表示された数値を各歯牙番号入力画面22Bに順次入力するように構成しているので、歯牙ごとに測定した測定値をフットスイッチ23の操作のみで、歯番入力画面21Bに次々入力することができる。したがって、測定結果を全ての歯牙番号に入力して管理するまでの作業が極めて合理化され、全歯牙の測定結果を入力管理する作業時間を短縮することができる。
【0025】
このように本発明によると、歯周ポケット測定システムの構成を極めて合理化することができ、しかも、極細の圧縮コイルバネでも正確に計測することができるなどといった当初の目的を達成した。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明表示システムの一実施例を示すブロック図である。
【
図3】測定装置の測定開始状態を示す断面図である。
【
図6】表示装置におけるフットスイッチの設定画面を示す図である。
【
図7】表示システムの一実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図示例に基づいて説明する。本発明測定システムは、歯周疾患によって発生する歯周ポケットの深さを測定する測定システムであり、歯周ポケットの深さを測定する測定装置10と、該測定装置10の測定結果を表示装置20に表示する表示手段とを備えた測定システムである。
【0028】
測定装置10は、ハンドピース本体1、スリーブ2、探針3、スライド棒4、圧縮コイルバネ5、計測糸7を備えている(
図3参照)。すなわち、ハンドピース本体1は有底筒状を成した構成を成し、このハンドピース本体1内部にスライド棒4と圧縮コイルバネ5とを収納している。
【0029】
スリーブ2は、ハンドピース本体1の先端部に設けられた中空棒状を成し、この内部に探針3をスライド自在に挿通するものである(
図2参照)。この探針3は、歯周ポケットの底部に先端部を当てる部材であり、探針3の後端部に計測糸7を連結している。そして、歯周ポケットの深さを測定するには、歯周ポケットの底部に先端部を当てた状態で探針3の周囲に外装したスリーブ2の端部を歯肉の上縁まで移動させると、この移動距離に基づいて歯周ポケットの深さが計測されるものである。
【0030】
すなわち、このスリーブ2の移動距離に伴って、スリーブ2の後端側から探針3が突出し、この探針3と共に計測糸7が引き出される。この計測糸7の引き出された距離が圧縮コイルバネ5の圧縮距離に変換され、センサーの検出出力にて歯周ポケットの深さを測定する。
【0031】
本発明では、計測糸7が引き出された距離を圧縮コイルバネ5の圧縮距離に変換する手段として、スライド棒4をハンドピース本体1内に配置し、このスライド棒4の端部を計測糸7にて押圧付勢するように構成している(
図3参照)。すなわちハンドピース本体1内壁に固定部6を設け、この固定部に対向する位置に変換軸8を配置する。更に、固定部6から位置変換軸8を介して探針3の後端部に計測糸7を連結する。
【0032】
そして、固定部6と位置変換軸8との間の計測糸7に、スライド棒4の端部を押圧付勢するように設置する。このスライド棒4の一端部側は圧縮コイルバネ5を押圧し、他端部側は計測糸7の側面に当接するように配置されている(
図3参照)。この状態で探針3の先端方向に沿ってスリーブ2がスライド移動すると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出され、該計測糸7の移動距離がスライド棒4から圧縮コイルバネ5に伝わるように構成したものである(
図4参照)。
【0033】
本発明において、歯周ポケットの深さは次のように測定される。まず、歯周ポケットの底部に探針3の先端部を当てる。次に、探針3の先端方向に沿ってスリーブ2がスライド移動すると、スリーブ2の後端側から突出する探針3に伴って計測糸7が引き出される(
図4参照)。そうすると、位置変換軸8に連繋された計測糸7がスライド棒4を押圧し、このスライド棒4の移動距離に変換されると共に、スライド棒4が押圧する圧縮コイルバネ5の圧縮距離に変換される。この圧縮コイルバネ5の圧縮距離がセンサーにて検出され表示装置20で測定値となって表示される。
【0034】
このとき、計測糸7がスライド棒4を押圧する際のスライド棒4の移動距離が、スリーブ2後端側から引き出される計測糸7の距離の1/2になるように設定されている。このスライド棒4の移動距離は圧縮コイルバネ5の圧縮距離に反映する。そのため、圧縮コイルバネ5の圧縮距離を実際の深さの半分にすることで、圧縮コイルバネ5の荷重変化のばらつきのない範囲で測定することが可能になり、たとえ付勢力が20〜25gに対応する極細の圧縮コイルバネ5であっても、正確な測定ができるものである。
【0035】
また、この計測糸7は、ハンドピース本体1の先端部に設けられた支点軸9を介してスライド移動するように構成されている(
図4参照)。したがって、探針3に沿ってスリーブ2をスライドさせると、探針3の後端部がスリーブ2の後端部から突出する際に引き出される計測糸7の抵抗を少なくすることができる。
【0036】
更に、図示していないが、スリーブ2や探針3をハンドピース本体1に着脱自在に設けることも可能であり、この場合、オートクレープ滅菌等の処理を容易にすることができる。
【0037】
一方、測定装置10の測定結果を表示装置20に表示する表示手段は、パソコン等の表示装置20に表示手段を備えたソフトウェアをインストールすることで設定する。この表示手段は、更に、数値表示手段22と音声表示手段23とを備えている(
図1参照)。
【0038】
数値表示手段22は、測定装置10の測定値を表示装置20のモニター21に数値で表示する表示手段である。この数値表示手段22は、更に、ポケットチャート22Aと歯牙番号入力画面22Bとを備えている(
図5参照)。
【0039】
ポケットチャート22Aは、測定作業時の変化する測定値をモニター21に表示する画面である。すなわち、測定装置10の探針3を各歯牙の歯周ポケット測定位置に当てて測定を開始すると、測糸7が引き出された距離により次々に変化する測定値がポケットチャート22Aに表示される。この測定値は、スリーブ2の押し込み操作に伴って次々変化するので、測定者は歯周ポケットの最深部を確認した時点でこの測定値を確定し、ポケットチャート22Aの数値を固定する。この確定作業には、表示装置20に設けたフットスイッチ24を操作することで行うものである(
図1参照)。
【0040】
また歯牙番号入力画面22Bは、ポケットチャート22Aで確定した測定値を歯牙番号ごとに入力表示して管理する画面である。確定した測定値をポケットチャート22Aから歯牙番号入力画面22Bに入力するには、ポケットチャート22Aの測定値をフットスイッチ24で確定したときに、歯牙番号入力画面22Bに保存される。そして、次の歯番入力画面22Bに自動的に進むように構成している。
【0041】
図6は、フットスイッチ24の設定画面を示している。すなわち、このフットスイッチ24は、足で踏みこむ操作に応じて各種の設定を可能にしたもので、踏込回数や踏込時間などにより、フットスイッチ24の設定を変更できるように構成している。
【0042】
一方、音声表示手段23は、測定装置10で測定した測定値を音声で表示する表示手段であり、測定装置10又は表示装置20のいずれか一方から、あるいはこれらの両方から音声を発生するように設けている(
図1参照)。図示の音声表示手段23は、測定装置10と表示装置20との両方に設けている。
【0043】
この音声表示手段23は、測定値の変化に応じて表示音が変化するように構成されている。すなわち、表示音の変化で測定値の大小を確認できるようにしたものである。例えば、音程の変化や音量の変化、あるいは数値を読み上げる音声など、表示音を任意に設定することが可能である。また、表示音の識別力を高めるために、スリーブ2の押し込み時(測定値が大から小に変化する時)のみ表示音を発生させる設定にすることも可能である。
【0044】
次に、
図7に基づいて本発明測定システムの操作手順を説明する。まず、歯牙番号入力画面22Bの入力順にカーソルが示している。この歯牙番号の歯周ポケットに探針3の先端を挿入する。次に、歯肉に当るまでスリーブ2を挿入すると、ポケットチャート22Aの測定値が変化する。このとき、測定値の変化に伴って音声表示手段23から音声表示も出力される。これらポケットチャート22Aの数値や音声表示手段23の音声から歯周ポケットの深さを特定し、フットスイッチ24の操作で測定値を決定する。そうすると、ポケットチャート22Aの測定値が歯番入力画面22Bに自動的に入力されると共に、カーソルが次の番号の歯番入力画面22Bに移動する。このとき、音声表示手段23にて一つの歯牙の測定が完了したことを示す決定音声を出力することで、新たな歯牙の測定作業に移行したことを音声で確認することができる。全ての歯牙を測定した後は、患者の個人情報として管理される。
【0045】
尚、本発明の構成や各部の形状等は図示例に限られるものではなく、例えば、圧縮コイルバネ5の押圧付勢力や移動距離に基づいて計測する各種センサーや計測機器等の構成は、従来の歯周ポケット測定装置で使用されている既存の構成を利用することができる。このように本発明の要旨を変更しない範囲で自由に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ハンドピース本体
2 スリーブ
3 探針
4 スライド棒
5 圧縮コイルバネ
6 固定部
7 計測糸
8 位置変換軸
9 支点軸
10 測定装置
20 表示装置
21 モニター
22 数値表示手段
22A ポケットチャート
22B 歯牙番号入力画面
23 音声表示手段
24 フットスイッチ