特許第6486906号(P6486906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6486906ウェハ電流コレクタを備えた充電電池及びアセンブリ方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6486906
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】ウェハ電流コレクタを備えた充電電池及びアセンブリ方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/66 20060101AFI20190311BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 4/72 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 4/75 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20190311BHJP
   H01M 4/68 20060101ALN20190311BHJP
   H01M 4/73 20060101ALN20190311BHJP
   H01M 4/14 20060101ALN20190311BHJP
   H01M 4/20 20060101ALN20190311BHJP
   H01M 10/12 20060101ALN20190311BHJP
【FI】
   H01M4/66 A
   H01M4/02 Z
   H01M4/70 A
   H01M4/72 Z
   H01M10/04 Z
   H01M4/75 Z
   H01M2/16 F
   H01M4/04 A
   !H01M4/68 Z
   !H01M4/73 Z
   !H01M4/14 Q
   !H01M4/20 M
   !H01M10/12 K
【請求項の数】25
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-515119(P2016-515119)
(86)(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公表番号】特表2016-522972(P2016-522972A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】US2014039379
(87)【国際公開番号】WO2014190282
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年5月23日
(31)【優先権主張番号】61/826,831
(32)【優先日】2013年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513194218
【氏名又は名称】グリッドテンシャル エナジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIDTENTIAL ENERGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ムイ、コリン クォック リョン
(72)【発明者】
【氏名】ムーマウ、ダニエル ジェイソン
【審査官】 高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0155082(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00−4/84
H01M 2/14−2/18
H01M 10/00−10/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイポーラ鉛酸電池板である第1の電池板を備える装置であって、前記第1の電池板が、
導電性シリコンウェハと、
前記導電性シリコンウェハの第1の側に位置する、グリッド構造または一列に並んだ構造を有する第1の機械的支持部と、
前記導電性シリコンウェハの第1の側及び前記第1の機械的支持部に接着され、第1の極性を有する第1の活物質と、
前記第1の側と反対側の前記導電性シリコンウェハの第2の側に位置する、グリッド構造または一列に並んだ構造を有する第2の機械的支持部と、
前記導電性シリコンウェハの第2の側及び前記第2の機械的支持部に接着され、前記第1の極性と反対の第2の極性を有する第2の活物質とを含み、前記導電性シリコンウェハが前記導電性シリコンウェハのバルクと前記第1の活物質との間の第1のシリサイドを含む、装置。
【請求項2】
前記導電性シリコンウェハが前記導電性シリコンウェハのバルクと前記第2の活物質との間の第2のシリサイドを含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のシリサイドは互いに異なる材料を含む、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電池板と第2のバイポーラ電池板とを収容するように構成された筐体と、
第1の極性を有する前記第1の電池板の表面と、第2の極性を有する前記第2のバイポーラ電池板の表面との間の領域に位置する電解液とを備える請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記領域における前記電解液は、前記筐体内において他の電解液を含む領域からシールされている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第1の機械的支持部は、一列に並んだ構造を有する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の機械的支持部がグリッド構造を有する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記導電性シリコンウェハが、前記第1の活物質と前記第1のシリサイドとの間に位置する第1の接着層を含む、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の接着層が鉛を含む、請求項記載の装置。
【請求項10】
前記導電性シリコンウェハがn型にドープされる、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記導電性シリコンウェハが単結晶又は多結晶である、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の電池板と前記第2のバイポーラ電池板との間に位置するセパレータを備える請求項4記載の装置。
【請求項13】
前記セパレータが吸収ガラスマットを含む、請求項12記載の装置。
【請求項14】
バイポーラ鉛酸電池板を提供する方法であって、
導電性シリコンウェハを形成すること、
グリッド構造または一列に並んだ構造を有する第1の機械的支持部を形成すること、
前記第1の機械的支持部に第1の極性を有する第1の活物質を塗布すること、
前記第1の活物質を含む前記第1の機械的支持部を前記導電性シリコンウェハに接着して電池板を提供することを備え、
前記導電性シリコンウェハを形成することが、前記導電性シリコンウェハの第1の表面に第1のシリサイド層を形成することを含み、
前記第1の機械的支持部が鉛とプラスチックの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項15】
バイポーラ鉛酸電池板を提供する方法であって、
導電性シリコンウェハを形成すること、
グリッド構造または一列に並んだ構造を有する第1の機械的支持部を形成すること、
前記第1の機械的支持部に第1の極性を有する第1の活物質を塗布すること、
グリッド構造または一列に並んだ構造を有する第2の機械的支持部を形成すること、
前記第2の機械的支持部に第2の活物質を塗布すること、
前記第1及び第2の活物質を含む前記第1及び第2の機械的支持部を前記導電性シリコンウェハに接着してバイポーラ電池板を提供することを備え、
前記導電性シリコンウェハを形成することが、前記導電性シリコンウェハの第1の表面に第1のシリサイド層を形成することを含む、方法。
【請求項16】
前記導電性シリコンウェハを形成することは、前記導電性シリコンウェハの第2の表面に第2のシリサイド層を形成することを備える、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2の機械的支持部はプラスチックを含む、請求項1記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の機械的支持部は鉛を含む、請求項1記載の装置。
【請求項19】
前記第1及び第2の機械的支持部はプラスチックを含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の機械的支持部は鉛を含む、請求項15記載の方法。
【請求項21】
第1の電池板を備える装置であって、前記第1の電池板が、
導電性シリコンウェハと、
前記導電性シリコンウェハの第1の側の上にパターン化された第1の機械的支持部と、
前記導電性シリコンウェハの第1の側及び前記第1の機械的支持部に接着され、第1の極性を有する第1の活物質と、
前記第1の側と反対側の前記導電性シリコンウェハの第2の側の上にパターン化された第2の機械的支持部と、
前記導電性シリコンウェハの第2の側及び前記第2の機械的支持部に接着され、前記第1の極性と反対の第2の極性を有する第2の活物質とを含み、前記導電性シリコンウェハが前記導電性シリコンウェハのバルクと前記第1の活物質との間の第1のシリサイドを含む、装置。
【請求項22】
前記第1の機械的支持部および前記第2の機械的支持部のうちの少なくとも一方は、一列に並んだ構造を有する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の機械的支持部および前記第2の機械的支持部のうちの少なくとも一方は、グリッド構造を有する、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の機械的支持部および前記第2の機械的支持部のうちの少なくとも一方は、メサアレイパターン又はバンプアレイパターンを有する、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の機械的支持部および前記第2の機械的支持部のうちの少なくとも一方は、はんだペーストを含む、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェハ電流コレクタを備えた充電電池及びアセンブリ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガストン・プランテにより1859年に発明された鉛酸電池は、最も古いタイプの充電電池として考えられている。一般的に入手可能な鉛酸電池は、他の化学的性質と比較して比較的低いエネルギー密度を有するが、構成が単純で、経済的である。このような一般的に入手可能な鉛酸電池は、自動車、牽引、及び、静止状態での用途に使用され、例えば、内燃機関を点火する或いは始動するため、点灯するため、モータ付き車椅子、ゴルフカート、又は、フォークリフト等の用途、又は、配電グリッドに接続された際には電気エネルギー貯蔵等の他の用途に使用される。
【0003】
鉛酸電池は、一般的に、鉛合金電流コレクタと、正極及び負極の活物質と、電解液と、セパレータと、機械的支持用ケーシングとを備える。正極活物質が一般的に高表面積の二酸化鉛を有する一方で、負極活物質は一般的に海綿状の鉛を有する。電解液は、一般的には、硫酸である。一般的に入手可能な鉛酸電池において、鉛酸の化学的性質との鉛合金の互換性のため、鉛合金が電流コレクタとして使用される。
【0004】
鉛酸電池の広範な使用は、構造および関連する信号調節または充電回路の両方に関する、その単純性に少なくともある程度起因すると考えられる。鉛酸電池の主な利点は、その低コストにある。鉛金属は比較的豊富で、酸HSOは幅広く生産される総化学である。加えて、一般的に入手可能な鉛酸電池の製造処理は比較的簡単である。一般的に入手可能な鉛酸電池に基づくエネルギー貯蔵のコスト構造により、全体的なコストは約150ドル/kWhとなり、これは他のエネルギー貯蔵技術と比べて魅力的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの望ましい特徴にも関わらず、鉛酸電池は、特に高い放電電流における低エネルギー密度や乏しいサイクル寿命を含む幾つかの欠点も有する。一般的に入手可能な鉛酸電池の低エネルギー密度は、高密度の鉛電流コレクタや活物質に起因し、速い放電速度での乏しいサイクル寿命は活物質の特性と関係付けられ得る。材料の観点からすると、一般的に入手可能な鉛酸電池における電流コレクタは鉛よりなり、鉛は重く電池のエネルギー貯蔵容量に寄与しない。電池の組立の観点からすると、一般的に入手可能な鉛酸電池は、並列配置で電気的に結合される単極板組立体のセルを複数含む。このような配置では、追加的な電気接続や変換システムは、より高い電圧を供給するよう電池の動作を調整するために使用され、それにより鉛酸電池の全体的なエネルギー密度に更に影響を及ぼし得る。一般的に、並列接続により、高電流、低電圧電池が結果として得られ、抵抗損が電流の二乗で計られるため、内部抵抗を最小化するために大量のコンダクタの使用が強いられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電池は正極板、負極板、及び、電解液を含み得る。鉛酸電池の電極を構成するためには、PbO及びPbベースの活物質が鉛グリッド電流コレクタ上にペーストされ硬化されて、正極板及び負極板を形成する。正−負電極は、セル電圧を約2.1Vとして、HSOの電解液で電気化学セルを形成することができる。電池パックを組み立てるためには、複数のセルは、並列配置、直列配置、又は、並列及び直列の組み合わせの配置等で、電気的に一緒に配置され得る。添加剤、セパレータ、及び、ケーシングは機械的支持用に使用され得る。
【0007】
一般的に入手可能な鉛酸電池の電流コレクタをより軽い材料で置換すると、エネルギー密度が顕著に改善される。一般的に、電流コレクタは低電気抵抗性を提供すると共に、HSO腐食に抵抗する又は影響されないように特定される。このような電流コレクタは、Pb及びPbO活物質に対して良好な接着性を与え、鉛酸電池の電気化学性質との互換性も提供するよう特定される。このような電流コレクタは、低コストで容易に入手可能となることを含み、既存の鉛酸電池製造/再利用インフラストラクチャにおいて一体化されるよう、良好な熱伝導性、低漏れ電流を提供するよう特定されてもよい。
【0008】
鉛酸電池の電気構造をより簡略化するためにバイポーラ板のアーキテクチャが使用されてもよい。バイポーラ電池は、この二十年の間、研究及び開発が真剣に取り組まれている分野である。バイポーラ電池技術の主な利点は、高いエネルギー密度と高い電力にある。これらは、電流路を短縮して不要な材料/質量を取り除き、抵抗を減少させる簡略化された構造によって少なくともある程度与えられる。バイポーラ電池は、バイプレート又は電流コレクタ、及び、活物質を含み得る。バイポーラといった用語は、一般的に、バイプレートの一表面が正極活物質で覆われ、反対の表面が負極活物質でコーティングされた構造を指している。
【0009】
単極構造と比較して、バイポーラ電池はセル同士を一緒に結合するどの外部接続も必要としない。例えば、バイポーラ構造における各バイプレートは、電解液によって分離され得るが、バイプレート自体が各側で異なる極性の活物質を有するため、電流は一方の表面から他方の表面へとバイプレートを直接的に流れる。それにより、電流は、次のバイプレートまで電解液を流れることができる。これは、直列接続と呼ばれ、数十の並列接続を介して移動するよりもはるかに低い抵抗の路を提供することができる。路の抵抗が低いということは、並列接続の単極構造と比べて、効率性における損失を伴うことなく電池からより多くの電流が抽出され得ることを意味する。
【0010】
本開示の実施例は、活物質を有する電流コレクタとしてシリコンウェハを用いることで鉛酸電池のエネルギー密度の問題に取り組む。活物質は、少なくとも製作中はペースト状でもよい。基板材料および組立体処理に新しい工夫がなされたバイポーラ鉛酸電池板が記載される。シリコンウェハ材料は、低コストで、薄く、軽く、且つ、低抵抗性を実現するためにドーピングされ得(例えば、ウェハに伝動性を与えるよう)、且つ、該ウェハ材料は、半導体、太陽、及び、印刷回路板産業における多数の処理との互換性を含み、HSO腐食に影響されないため、電流コレクタとして使用され得る。
【0011】
シリコンウェハの表面上には抵抗接点層が形成され、続いて、活物質のための接着層が堆積される。例えば、バイポーラ板を含む実施例におけるように、板の機械的安定性を改善するために電流コレクタ基板の各側にパターンが堆積されてもよい。ある実施例では、PbO−及びPb−ベースの活物質が正及び負の支持構造(例えば、グリッド又はバンプ)上にペーストされて硬化され得、電流コレクタが正グリッドと負グリッドとの間に挟み込まれてもよい。バイポーラ板組立体は、電流コレクタのウェハ基板上に活物質を溶解することで形成され得る。活物質は、パターン化された電流コレクタ上に直接的にペーストされ、硬化され、形成され得る。それにより、バイポーラ板は、電解液、セパレータ、ケーシング、及び、充電又は保護回路の一体化と共に電池に内蔵され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1A及び1Bは、単極電池板及び対応する単極電池アーキテクチャを含む実施例の断面図を一般的に示す。
図2図2A及び2Bは、バイポーラ電池板及び対応するバイポーラ電池アーキテクチャを含む実施例の断面図を一般的に示す。
図3A】シリコンウェハ電流コレクタ及び機械的支持グリッドを含むバイポーラ板の実施例を一般的に示す。
図3B】シリコンウェハ電流コレクタ及びはんだバンプアレイを含むバイポーラ板の実施例を一般的に示す。
図4】電流コレクタとして使用され得るシリコンウェハ上のニッケルシリサイド(NiSi)の走査型電子顕微鏡写真の例示的な実施例を一般的に示す。
図5A】20μmの厚さの鉛層を含む電流コレクタを示す顕微鏡写真の例示的な実施例を一般的に示す。
図5B】より高い倍率で図5Aの実施例に類似する例示的な実施例を一般的に示し、鉛層とNiSi表面との間の良好な接着性が示される。
図6】一実施例によるシリコンウェハ電流コレクタを含むバイポーラ電池板を製作することを含む方法等の技術を一般的に示す。
図7】一実施例によるシリコンウェハ電流コレクタを含むバイポーラ電池板を製作することを含む方法等の技術を一般的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
縮尺通りに必ずしも描かれていない図中、異なる図面において同様の参照番号が同様の構成要素に付与される。異なる文字の添え字が付与された同様の参照番号は、同様の構成要素の異なる場合を表してもよい。図面は、例として、本文献に記載する様々な実施形態を一般的に例示するが、これらに制限されない。
【0014】
図1A及び図1Bにおいて、単極電池板120Aを含む実施例100の断面図を図1Aに一般的に示し、対応する単極電池アーキテクチャを含む実施例100の断面図を図1Bに示す。単極構造では、電流コレクタは一般的に、ペースト状の活物質を塗布することを含み、電流コレクタの両側(例えば、反対側)に塗布される単一の極性(例えば、正又は負)の活物質を含む。例えば、図1Aでは、導電性シリコンウェハ104は、電流コレクタを提供する等、電池板120Aの組立体に対して基板を提供する。導電性シリコンウェハ104は、活物質112Aと導電性シリコンウェハ104との間の導電性を向上させるために金属シリサイド等の抵抗接点層106Aを含む。シリサイドは、ニッケル、コバルト、チタニウム、タンタル、タングステン、モリブデン、又は、その組み合わせ等の金属種を含み得る。ある実施例では、一層以上の接着層108Aが接着を促進するよう、又は、電解液領域116Aにおける電解液との互換性を与えるよう含まれる。他の構造が使用されてもよく、抵抗接点層106A又は接着層108Aを一層以上提供するよう多数の膜層を含んでもよい。
【0015】
活物質112Aは、製作中に硬化されるペースト状で提供され得る。製作中又は製作後に活物質の接着性又は均一性の一つ以上を向上させるために、機械的支持部110Aが含まれてもよい。機械的支持部110Aは、本願の他の箇所で記載するような様々な技術を用いて製作され得、一つ以上の並んだ、グリッド状の、バンプ状の、又は、メサ(mesa)構造を含み得る。一つ以上のセパレータ、例えば、セパレータ114Aは、電解液に対して空洞を形成する又は領域116Aを保つために使用され得る。ある実施例では、電解液は、液体でもゲル状でもよく、又は、別の材料を含浸するなどして含まれ、電解液とセパレータの組み合わせを提供する。図1A及び図1Bの実施例では、筐体122が提供され、他の板間の他の電解液領域から電解液領域116Aを流体的に隔離することができる(しなくてもよい)。
【0016】
単極板120Aの実施例では、電池板120Aの第2の表面は、第2の抵抗接点層106B、第2の接着層108A、及び、第2の活物質112Bを含み、シリコンウェハ104の第1の表面上の層と同じ材料を一般的に含む。例えば、第2の活物質112Bは、第1の活物質112Aと同じ活物質及び極性を含む。
【0017】
第1の極性の活物質を有する第1の極板120A、及び、反対の第2の極性の活物質を有する第2の極板120Bを含む等して、正極−負極の対が形成され得、図1Bに例示的に示すように電解液114に電気化学セルが形成される。鉛酸の実施例では、単一セル電圧は約2.1Vである。幾つかのセルが積層体132Aとして並列配置で電気的に配置され得る。個々の積層体132A〜132Nは、直列に接続されて電池パック102を組み立てる。電圧はNs*Vcellとして表され、Nsは積層体の数を示し、Vcellはセル電圧を示す。
【0018】
図1Bでは、第1の端子130Aは第1の極性を提供し、第2の端子130Bは反対の第2の極性を提供する。第1端子と第2の端子は、第1の積層体132Aと最後の積層体132Nにそれぞれ結合され、積層体は第1のバス124A〜N番目のバス124Nを用いて直列に結合され得る。図1Bとは反対に、バイポーラ板構造を用いる電池アーキテクチャにより設計が簡略化される。正極の又は負極の活物質は、電流コレクタの反対側にペースティング等により塗布され、バイポーラ板を形成する。
【0019】
図2A及び図2Bは、単極電池板121Aを含む実施例、及び、対応するバイポーラ電池アーキテクチャの断面図をそれぞれ一般的に示す。図1Aの実施例と同様にして、第1のバイポーラ電池板121Aは電流コレクタとして導電性シリコンウェハ104を含み得る。第1のバイポーラ電池板121Aは導電性シリコンウェハ104の第1の表面に、或いは、その近傍に位置する抵抗接点層106A及び接着層108Aを一層以上含み得る。活物質112Aは、機械的支持部110Aによって製作中に又は製作後に支持されるように第1の極性を有し得る。第2の抵抗接点層106Bは、第1の表面とは反対側の、導電性シリコンウェハ104の第2の表面上に設けられ得る。第2の抵抗接点層106Bは、第1の抵抗接点層106Aと同じ材料又は異なる材料を含み、電池組立体の他の部分への接続のための電極を提供する、耐腐食層を提供する、又は、導電性シリコンウェハ104の第一の表面に類似した積み重ねを有する鏡像構造を提供する。第2の接着層108Bが含まれてもよい。第1の活物質112Aと反対の極性を有する第2の活物質112Bが含まれてもよい。図1Aの実施例のように、第1の電解液領域116Aは電池板121Aを隣接する電池板121Cから分離し、第2の電解液領域116Bは電池板121Aを別の隣接する電池板121Bから分離することができる。電解液領域116A及び116Bは、電池板間の特定された分離を維持することを補助するようセパレータを含み得る。電解液領域116A及び116Bは、一般的に互いと流体的に隔離され、導電性シリコンウェハ104のバルクを介して伝導が生ずる。
【0020】
図2Bは、バイポーラ板121A、121B、及び、121C等の一つ以上のバイポーラ電池板を有する電池パック202を含み得る実施例を一般的に示す。このようなバイポーラ板は、領域116A及び領域116Bにおいて電解液で挟まれて、例えば、シールされたセルを形成する。ある実施例では、領域116Aにおける電解液は、電解液がバイポーラ板121Aをバイパスして電解液領域116B等の隣接する領域に向かうことができないよう流体的に隔離されているかシールされている。図2Bに例示的に示すように、セルは直列配置で設けられてもよい。セルは、整列されて積層体131Aを形成する。
【0021】
バイポーラアーキテクチャでは、電流コレクタ(例えば、バイポーラ板121Aの一部として含まれるようなシリコンウェハ104)は、一つのセルの負電極と次のセルの正電極との間で共有される。第1のバス124Aは、各積層体131A〜131Nにおける第1の電極と接続され、第2のバス124Bは各積層体131A〜131Nにおける反対の電極と接続される。図1Bとは反対に、積層体131A〜131Nは、矢印によって示されるように、導電性シリコンウェハのバルクを介して直列接続をそれぞれ提供する。このようにして、積層体131A〜131Nの外部にある相互接続バスの合計数は、単極板を用いるアーキテクチャと比較して減少される。
【0022】
一つ以上の積層体131A〜131Nを相互接続する他の構造が使用されてもよい。例えば、バイポーラ積層体131A〜131Nは、低電圧電池パックを組み立てるため等、低電圧用途については並列に接続され得る。或いは、多数のセルを有する単一のバイポーラ積層体が、高電圧パックを形成してもよい。いずれの場合でも、電池パックの電圧は(Np−1)*Vcellと表され、Npは各積層体における電流コレクタ板の数を示し、Vcellはセル電圧を示す。
【0023】
図3A及び図3Bは、図2Aの実施例において断面図で示すように、シリコンウェハ304の電流コレクタ及び一つ以上の機械的支持グリッド310A又は310B(図3Aに示す)又ははんだバンプパターン315A又は315B(図3B)を含み得るバイポーラ板の実施例を一般的に示す。上述の実施例と関連して説明したように、鉛酸電池は、図1A及び図1B,及び、図2A及び図2Bに例示的に示すように、電流コレクタとしてシリコンウェハ304を使用する。
【0024】
シリコンウェハは、半導体、太陽、及び、他のマイクロ電子又はマイクロマシン技術(MEMS)用途において使用されるよう一般的に製作される。1立方センチメートル当たり約2.65グラムの密度を有するようなシリコンウェハは、一般的に入手可能な鉛グリッド構造よりも電流コレクタとして使用した場合により軽くなる。このようなシリコンウェハは、HSO腐食に対して耐性を示す(又は、より耐性を示す)。他の用途における多量使用のため、シリコンウェハは低コストで容易に入手することができる。単結晶は一般的に半導体であるが、適当なドーピングにより導電性を与えることができる。ある実施例では、シリコンウェハは、例えば、0.001Ω−cm未満の抵抗性を提供するよう、ドーピングによって導電性が与えられてもよい。電池における電流コレクタとしての用途では、抵抗性はそれほど低くなくてもよい。例えば、5Ω−cm以下のウェハ抵抗性が使用されてもよい。ある実施例では、電流コレクタとして使用されるシリコンウェハは、過剰のキャリア及び5Ω−cm未満の抵抗性を提供するよう、例えば、リン又はヒ素に濃くn型にドーピングされてもよい。
【0025】
シリコンウェハは、様々なサイズ(例えば、300ミリメートル直径以上まで)、形(例えば、円形又は正方形)、結晶方位及び構造(例えば、単結晶又は多結晶)、及び、表面性状(例えば、インゴットから切った後に与えられるテクスチャード加工、又は、ラッピング又はエッチング等の処理の後の滑らかさ)で入手することができる。太陽産業によって一般的に使用されるシリコンウェハは、低コストで大量に入手可能なため電池用途に使用され得る。標準的な太陽ウェハは、約125平方ミリメートル又は約156平方ミリメートルでもよく、厚さは200マイクロメートル等、750マイクロメートル未満である。このような寸法は、一般的に入手可能な鉛酸電池の断面寸法と互換性がある。円形又は他の不規則形状のウェハは、長方形等の他の幾何学的形状に切断されてもよく、このとき側辺の長さはある用途に適すように約120ミリメートルから約200ミリメートルの範囲にある。薄いシリコンウェハは電池パックのエネルギー密度を向上することができるが、ウェハの厚さは、機械的ロバスト性の方に偏っているかさもなければそれに対して選択され、例えば、頑健性がエネルギー密度とトレードオフされる。切断された単結晶又は多結晶ウェハは粗い表面を有し得る。のこぎりによる粗面の粗さ等は、化学的ウェットエッチング手順等の様々な処理によって洗浄されテクスチャ加工され得る。ある実施例では、冶金グレードのシリコンウェハが電池板における使用のために特定され得る。
【0026】
バイポーラ電池板321A又は321Bは、第1の極性に対応するペースト等の第1の活物質312Aを含む。ペースト312Aは、様々な材料を用いて製作された又はパターン化された機械的支持部310A等の第1の機械的支持部310Aに塗布され得る。第1の接着層や第1の抵抗接点層311Aなどの1つ又は複数の層が、導電性シリコンウェハ304上に、或いは導電性シリコンウェハ304の一部として形成され得る。また導電性シリコンウェハ304の反対側には、第2の接着層や第2の抵抗接点層311Bなどの1つ又は複数の層が形成され得る。第2の機械的支持部310Bは、第1の活物質312Aの極性と反対の第2の極性に対応する第2の活物質312Bに対して支持部を提供する等のために使用され得る。
【0027】
図3A及び図3Bの実施例に示される機械的支持部310A、310B、315A、及び、315Bは例示的である。線形のセグメントのパターン又はアレイ、又は、メサ構造のアレイ(例えば、図3Aのグリッドパターンの「逆」に対応する)のような他の構造も使用され得る。機械的支持部は、印刷、堆積(例えば、電着)、成型、スタンプ付けのうちの一つ以上を用いて、又は、一つ以上の他の技術を用いて製作され得る。
【0028】
図4は、電流コレクタとして使用され得るシリコンウェハ上のニッケルシリサイド(NiSi)の走査型電子顕微鏡写真の例示的な実施例を一般的に示す。活物質とシリコンウェハ電流コレクタとの間の低接触抵抗と界面を形成するために、シリコンウェハ304の表面上に抵抗接点層(図3A又は図3Bに示すような層311A又は311B等)が形成されることが望ましい。抵抗接点層は、周囲の雰囲気等において自然酸化物の形成からシリコン表面を保護することができる。このような抵抗接点層の形成は、シリコン表面上に薄い金属層を堆積し、続いて、高温で焼きなますことを含む。金属層の厚さは、例えば、約20ナノメートル位に薄くてもよいが、約200ナノメートル以上のより厚い層が、テクスチャード加工された表面上により共形の又は連続的なコーティングを提供するために使用され得る。例えば、ニッケル(Ni)は、太陽セル製作のために一般的に使用される機器を用いて、物理的気相成長法(「PVD」)によってシリコン上に堆積され得る。
【0029】
例示的な実施例では、シリサイド層は、PVD及び最低でも450°Cの温度での窒素又はアルゴン環境における堆積された材料の焼きなましを用いて形成され得る。
ウェハを約500〜約660°Cで焼きなますことで、表面上にニッケルシリサイド(NiSi)が形成される。図4に示す顕微鏡写真の例示において、NiSi層の厚さは約150nmである。ニッケルシリサイドとシリコンとの間の不鮮明な界面は図4で観察することができ、界面における抵抗接点の形成が示される。幾つかの実施形態では、チタニウム、タンタル、タングステン、モリブデン、及び、その組み合わせ等の金属も高温焼きなましの際にシリコン表面と低抵抗性シリサイドを形成するために使用され得る。
【0030】
追加的な層は、金属シリサイドを酸化から保護すると共に活物質層への接着性を改善するよう金属シリサイド表面上に堆積され得る。これらの層は障壁層と称され、Ti、Ta、W、Mo、Sn、In、TiN、TaN、WN、MoN、TiW、及びその組み合わせ、又は、一つ以上の他の材料を含み得、厚さが約20〜200ナノメートルと比較的薄い。このような金属はその耐火特徴(例えば、Ti、Ta、W、Mo)又はそのはんだぬれ性(例えば、In、Sn)に基づいて選択され得る。
【0031】
上述の金属、その合金、シリサイド、又は、窒化物は、例えば、太陽電池の製作に使用され得るカリフォルニア州サンタクララにあるINTEVACより販売されている機器等の製造機器を用いて、シリコンウェハ電流コレクタの片側または両側に堆積され得る。例示的な実施例では、一体化された処理内でシリコンウェハの前洗浄、金属体積、シリサイド形成、金属堆積、又は、金属窒化物堆積のうちの一つ以上が実施されるよう高いスループットの「クラスターツール」が使用され得る。
【0032】
図5Aは、20μmの厚さの鉛層を含む電流コレクタを示す顕微鏡写真の例示的な実施例を一般的に示す。図5Bは、より高い倍率で図5Aの実施例に類似する例示的な実施例を一般的に示し、鉛層とNiSi表面との間の良好な接着性が示される。
【0033】
前述の通り、一層以上の他の層(例えば、接着層又は障壁層)は、ウェハが電流コレクタとして使用されるべき用途について、シリコンウェハの抵抗接点層の表面に堆積され得る。これらの層は、接着性を向上し、活物質ペーストの機械的支持を提供するよう機能する。鉛酸電池では、これらの層は、鉛酸化学性質と互換性のある材料を含むよう特定される。電着は、これらの層の便利な製作方法であり、幾つかの実施例では、厚さが約20マイクロメートル未満の膜が形成され得る。幾つかの実施例では、Pbよりなる薄い接着層がフッ化水素酸を含むめっき浴でNiSi表面に電着され、図5Aに示す層構造が提供される。
【0034】
鉛(II)テトラフルオロホウ酸塩を含むめっき浴が電着処理に使用され得る。フッ化水素酸を含むめっき浴の一つの利点は、電着処理中にその場で抵抗接点層(例えば、NiSi表面)を洗浄できる点である。これにより、NiSiと別の層(例えば、接着層又は障壁層)との間の界面における接着性が向上される。他のめっき化学が使用されてもよい。ある実施例では、Pb薄膜は、その耐腐食特性を改善するためにSb、Bi、または、Snでドーピングされ得る。他の実施例では、接着層はSn、TiN、In、又は、その組み合わせ等の一つ以上の他の材料を含み得る。ある実施例では、正PbOベースのペーストの接着性を改善するためにSnOよりなる薄層がTi表面に電着され得る。接着層は、電流コレクタの片側又は両側に堆積され得、該層は電流コレクタの両側に同じ材料を含む必要がない。
【0035】
図6は、実施例による、シリコンウェハ電流コレクタを含むバイポーラ電池板を製作することを含み得る方法等の技術600を一般的に示す。602において、シリコンウェハ電流コレクタが形成される。例えば、このようなウェハは単一の結晶ブールから切り取られてもよく、さもなければ多結晶シリコンのスラブから形成される。シリコンウェハは、第1の幾何学的形状(例えば、円形のウェハ)で購入されてから、所望の幾何学的形状に更に切断されてもよい。シリコンウェハは、研磨され、エッチングされ、ラッピングされ、または、さもなければ、処理されて所望の表面仕上げを提供することができる。シリコンウェハは、所望の導電型(例えば、n型ドーピング)を有する等、所望の導電性レベルを実現するためにドーピングされ得る。
【0036】
604において、抵抗接点層が導電性シリコンウェハの少なくとも一つの表面上に形成され得る。抵抗接点層は、シリサイドを含み得る。ある実施例では、ウェハの各面は抵抗接点層を含み得、このとき、各面の抵抗接点層は互いと同じ材料、又は、厚さである必要はない。一層以上の他の層(例えば、接着層又は障壁層)が堆積されるか、さもなければ、一層以上の抵抗接点層上に形成される等してシリコンウェハの一つ以上の面上に含まれ得る。
【0037】
606A又は606Bにおいて、アレイ化されたパターンは、抵抗接点層上等、導電性シリコンウェハ上に形成され、活物質ペーストの機械的支持を提供するまたは向上させる。一つのアプローチ法では、606Aにおいて、約100マイクロメートル〜約500マイクロメートルの厚さを有する正方形又は長方形のグリッドパターンが形成され得る。例えば、このようなグリッドは、電着等によって導電性シリコンウェハの表面に堆積されたPbを含んでもよい。該電着は、機械的(例えば、接触)マスクの使用を含み得る。別のアプローチ法では、606Bにおいて、アレイバンプまたはメサが電着等によって電流コレクタ上に堆積され得る。幾つかの実施例では、Sn、Pb−Sn、又は、In−Snはんだペーストのアレイは、ペースティング、熱プレス、押出分注、又は、スクリーン印刷等によって電流コレクタ上に塗布される。アレイパターンは、組立体のPb接着表面(例えば、接着層)上に自然に接着され得る。図6に示すウェハ、グリッド、及び、バンプパターン構造は長方形であるが、他の形状及び対称性が使用されてもよい。ある実施例では、未マスク堆積が使用され、続いてエッチング処理が実施されて、606A又は606Bにおいて特定のパターンが提供される。ある実施例では、一つ以上のメサ又はバンプの厚さは約100マイクロメートル〜約500マイクロメートルである。ある実施例では、一つ以上の線又はバンプは、Sb、Bi、In、Pb、Sn、Ag、又は、その組み合わせ(例えば、合金)を含み得る。
【0038】
608A又は608Bにおいて、一般的に入手可能な鉛酸電池と互換性のあるペースト形成及び処理手順が使用され、シリコンウェハ組立体上に活物質ペーストが直接的に塗布される。例えば、導電性シリコンウェハは、ウェハのサイズを適応するよう僅かな変更を加えて、ペースティング機器と互換性が得られるようにしてもよい。シリコンは高い融点を有し、良好な熱伝導性を有するため、一般的に利用可能なペースティング処理に使用される硬化温度が導電性シリコンウェハを含む電流コレクタ組立体の一部として活物質ペーストを硬化するために使用され得る。硬化温度が高くなると、Pbグリッドアレイパターン又はSnはんだバンプアレイを含む機械的支持部は電流コレクタ上の活物質ペーストと溶融され、結果として強い接着性と望ましい機械的支持が得られる。
【0039】
図7は、一実施例によるシリコンウェハ電流コレクタを含むバイポーラ電池板を製作することを含む方法等の技術700を一般的に示す。ある場合では、一般的に入手可能なペースティング機器は、導電性シリコンウェハ電流コレクタの組立体に活物質ペーストを直接的に塗布することに適していない。シリコンウェハ電流コレクタが既存のペースティング機器と互換性がない場合には、活物質ペーストはグリッドが導電性シリコンウェハと組立てられる前に該「外部」グリッドに塗布され得る。例えば、外部グリッドは、HSO耐性のプラスチックよりなり、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)、又は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)のうちの一つ以上よりなる。一実施例では、外部グリッドは、導電性といった利点を有する炭素黒鉛より形成され得る。ペーストされたグリッドは、ウェハ・コレクタで挟み込まれ、硬化されてバイポーラ板組立体を形成する(例えば、図7参照)。
【0040】
702では、導電性シリコンウェハは、例えば、図6に関連して、或いは、本願の他の箇所で説明する一つ以上の技術を用いて形成される。704では、本願の他の箇所に記載する他の実施例で説明したように、抵抗接点又は接着層等の層が一層以上堆積される。706では、グリッド構造又は他の形状を有し得る「外部」機械的支持部が形成され得る。本願の他の箇所に記載する実施例で説明したように、このような機械的支持部は導電性でも非導電性でもよい。708では、第1の極性の活物質ペーストが第1の機械的支持部に塗布され、第2の極性の活物質ペーストが第2の機械的支持部に塗布されるように、活物質ペーストが塗布され得る。710では、第1及び第2のペーストされた機械的支持部が導電性シリコンウェハに適用され得る。712では、ペーストが、例えば、熱的に硬化され得る。
【0041】
本願の実施例で説明したように、バイポーラ板組立体を用いたバイポーラ鉛酸電池を組み立てるために、バイポーラ板(導電性シリコンウェハを含む)はセパレータで挟み込まれる。図1A図1B図2A、及び、図2Bに示すように、板間の隙間は、電解液で充填される(例えば、HSO)。バイポーラ板の縁はシールされ、各電解液室は電気的に隔離される。一実施例では、電解液は、機械的セパレータと一体化され得る。例えば、電解液はシリカ粉塵と混合されて、ゲル化電解液として一般的に知られている固定化ゲルを形成する。一実施例では、電解液に浸透されたケイ酸ホウ素マットをセパレータとして含む等、吸収ガラスマット(AGM)が使用される。
【0042】
[様々な注記及び実施例]
本開示の非制限的な実施例それぞれは、単体でもよく、或いは、一つ以上の他の実施例と様々な順列又は組み合わせで組み合わされてもよい。
【0043】
上述の詳細な説明は、詳細な説明の一部をなす添付の図面を参照することを含む。図面は、例示的に、本発明が実施される特定の実施形態を示す。これらの実施形態は本願では「実施例」としても称される。これら実施例は、本願に示す又は記載する要素の他にも要素を含む。しかしながら、本願の発明者は、本願に示す又は記載する素子だけが提供される実施例も検討する。更に、本願の発明者は、特定の実施例(又はその一つ以上の態様)に関して、又は、本願に示す又は記載する他の実施例(又はその一つ以上の態様)に関して、図示する又は記載する(又はその一つ以上の態様)要素の任意の組み合わせ又は順列を用いる実施例も検討する。
【0044】
本明細書及び参照として組み込まれる任意の文書との間で使用法に一貫性がない場合、本明細書における使用法が支配する。
本明細書では、特許文献で一般に用いられるように、「少なくとも一つ」又は「一つ以上」の全ての他の場合又は使用法とは無関係に、一つ或いは一つより多くを含む場合には「一つ」が使用される。本明細書では、「又は」といった用語は、非制限的であり、特に説明しない限り「A」又は「B」は、「AであるがBでない」、「BであるがAでない」及び、「A及びB」を含むよう使用される。本明細書では、「含む」及び「〜の場合」といった用語は、「有する」及び「そこで」といった対応する用語の分かりやすい英語の等価物として使用される。更には、添付の特許請求の範囲の請求項において、「含む」及び「有する」といった用語には制約がなく、つまり、請求項の当該用語の後に列挙される要素の他に要素を含むシステム、装置、物品、構成、形成、又は、プロセスも請求項の範囲内にあると考えられる。添付の特許請求の範囲では、「第1」「第2」、及び、「第3」等といった用語は、ラベルとして使用されているに過ぎず、その対象物に数的要件を課すことは意図されていない。
【0045】
本開示の方法の実施例は、少なくとも部分的に機械又はコンピュータで実施され得る。幾つかの実施例は、上述の実施例で記載した方法を実施するために電子装置を構成するよう動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含み得る。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、上位レベル言語コード等のコードを含み得る。このようなコードは、様々な方法を実施するコンピュータ可読命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品のある部分を形成してもよい。更に、一実施例では、コードは、一つ以上の揮発性且つ非一過性の、又は、不揮発性の実体のあるコンピュータ可読媒体に実行中又は他の時に明白に記憶され得る。これら実体のあるコンピュータ可読媒体の実施例として、ハードディスク、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク(例えば、CD及びDVD)、磁気カセット、メモリカード又はスティックRAM、読み取り専用メモリ(ROM)等が挙げられるが、これらに制限されない。
【0046】
上述の説明は、制限的でなく例示的であることが意図される。例えば、上述の実施例(又はその一つ以上の態様)は、互いと組み合わせて使用されてもよい。上述の説明を検討する上で、他の実施形態が当業者によって用いられてもよい。要約書は、技術的開示の本質を迅速に確認するものであり、請求項の範囲又は意義を解釈又は制限するために使用されないといった理解の下で提供される。更に、上述の「発明を実施するための形態」では、様々な特徴を一緒にグループ化して本開示を簡素化してもよい。これは、未請求の開示する特徴がどの請求項にも必須であることを意図していると解釈されてはならない。むしろ、発明の技術的内容は、特定の開示する実施形態の全ての特徴に満たなくてもよい。そのため、添付の特許請求の範囲は、ここでは実施例又は実施形態として「発明を実施するための形態」に組み込まれる。各請求項はそれ自体で別個の実施形態となり、また、これらの実施形態は様々な組み合わせ又は順列で互いと組み合わされ得ることが考えられる。発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、請求項の権利が与えられる等価物の完全な範囲と共に、決定されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7