(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
ポリマーAまたはポリマーAを含む組成物を含む粒子を含む粉末。特に前記粉末は10〜200μmのD50を有する。
【0018】
D50は、容積で粒度分析分配曲線を等面積の2つの部分に分割する平均ラインである。粒度分析は、2〜2,000μmの粒度の特性化を可能にするMalvern Instruments SA製の光学ベンチありのMastersizer Xなどのレーザー回折粒度分析計で行われ得る。分布はボリューミックであり、平均径は、粒子の全容積の50%に相当する。さらに、所与の平均径は、等価球の直径に相当し;したがって推定すれば、測定される物体はすべて、球に等価の形状を有する。
【0019】
ポリマーAは、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選ばれ、少なくとも:
a.メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよび/またはi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンから選択される1つまたは複数のアルキル−BHTジアミンと、
b.脂肪族ポリカルボン酸および芳香族ポリカルボン酸から選択される、1つまたは複数のポリカルボン酸と
の重合によって得られ、
前記ポリマーは、ポリマー中に含まれるジアミンモノマーの全モル量に対して1モル%の最小量のアルキル−BHTジアミンを含み、前記ポリマーはまたポリマーAとも言われ、
ポリマーAがMe−BHTでのホモポリアミドである場合には特に、そのときジカルボン酸は少なくとも8個の炭素原子を含んでいる。
【0020】
本明細書において、特に明記されないと、「ポリマー」は、ホモポリマーまたはコポリマーを意味する。
【0021】
より具体的には、ポリマーAは、ホモポリアミド、コポリアミド、ホモポリイミド、コポリイミドまたはポリアミドイミドであってもよく、それらはそれぞれ、ホモポリアミドA、コポリアミドA、ホモポリイミドA、コポリイミドAおよびポリアミドイミドAと言われてもよい。
【0022】
ポリマーAは半結晶性であってもよい。「半結晶性」とは、非晶相と結晶相とを有するポリマーを意味し、特に結晶化度は1〜85%の範囲にある。「非晶質」によって意味されるものは、DSC「示差走査熱量測定法」などの、熱分析によっておよびX線回折で検出される結晶相をまったく持たないポリマーである。
【0023】
「熱可塑性ポリマー」とは、材料がそれよりも上では分解することなく軟化し、溶融し、そのような温度よりも下ではそれが硬化する温度を有するポリマーを意味する。
【0024】
ポリマーAの溶融温度、Tmの測定は特に、10℃/分速度で20℃からポリマーを加熱することによって、Perkin Elmer Pyris 1装置での、DSCで測定されるような溶融吸熱のピークで行われる。ポリマーのガラス転移温度、Tgは、10℃/分速度で20℃からポリマーを加熱することによって接線法を用いることで測定される中間点で取られる。
【0025】
ポリマーAは、ポリマーA中の繰り返し単位の総数に対して少なくとも95%の量の少なくとも1つのアミド結合および/または少なくとも1つのイミド結合を含む繰り返し単位を含んでもよい。
【0026】
したがって本明細書においては、ホモポリマーは、ポリマーA中の繰り返し単位の総数に対して少なくとも95%の量の1つの繰り返し単位を含むポリマーを意味する。一方でコポリマーは、ポリマーA中の繰り返し単位の総数に対して95%未満の1つの繰り返し単位を含むポリマーを意味する。
【0027】
有利には、ポリマーAは熱可塑性である。ポリマーは非晶質であってもよいし;この場合にはそれは、Tg≦280℃を有してもよい。ポリマーはまた、半結晶性であってもよく、350℃以下のTmを有してもよい。
【0028】
ポリマーはしたがって、メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、CAS 41318−22−3、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよび/またはi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンから選択される少なくとも1つのアルキル−BHTジアミンを含む。特に、ポリマーは、アルキル−BHTとしてMe−BHTだけを含む。アルキル−BHTは、次式に相当する:
(式中、Rは、メチル、エチル、n−プロピルまたはi−プロピルを表す)
【0029】
アルキル−BHTの、特にMe−BHTの量は、ポリマー中のジアミンモノマーの総量に対して10モル%以上、20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、50モル%以上、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上、90モル%以上、95モル%以上であってもよいし、または100モル%であってもよい。
【0030】
アルキル−BHTを含む繰り返し単位の量、特にMe−BHTの量は、ポリマー中の繰り返し単位の総量に対して10モル%以上、20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、50モル%以上、60モル%以上、70モル%以上、80モル%以上、90モル%以上、95モル%以上であってもよいし、または100モル%であってもよい。
【0031】
アルキル−BHTの量、特にMe−BHTの量は、ポリマー中のジアミンモノマーの総量に対して100モル%未満、特に99モル%未満、より具体的には98モル%未満、またはさらには95モル%未満であってもよい。
【0032】
アルキル−BHTは、プロトコルに従って次の通り合成され得る:
メタノール(10mL)中のビスヘキサメチレントリアミン(BHT)(1.0ミリモル)を、無水窒素下で、メタノール(10mL)中のトリフルオロ酢酸エチル(0.3mL、2.2当量)との反応によって第一級アミノ官能基を両方とも保護し、反応混合物を20℃で18時間攪拌する。溶媒を真空で蒸発乾固する。残留物を精製なしに次工程へ取り込む。
【0033】
塩化アルキルまたは臭化アルキルまたはヨウ化アルキル(1.1当量)およびトリエチルアミン(1.25当量)を、CH
2Cl
2およびメタノール(1:1、v/v)中の二保護化合物溶液に添加する。溶液を20℃で72時間攪拌し、次に真空で蒸発乾固する。残留物をCH
2Cl
2に溶解させ、溶液を濾過し、真空で蒸発乾固する。二トリフルオロアセチル保護基の除去のために、アルキル化化合物(1ミリモル)をメタノール(20mL)に溶解させ、溶液のpHをアンモニアガスでの飽和によって上げ、次に20℃で18時間放置し、真空で蒸発乾固する。
【0034】
さらに、メチル−BHTは、国際公開第03018689号パンフレットの実施例2に開示されている方法に従って得られ得る。
【0035】
ポリマーAはまた、少なくとも1つの他のジアミンを含んでもよい。このジアミンは、次式H
2N−R−NH
2(式中、Rは、脂肪族、芳香族、アリール脂肪族またはアルキル芳香族ラジカルである)に対応してもよい。特にジアミンRラジカルは、酸素などのヘテロ原子を含まない場合にはとりわけ、1〜36個の炭素原子、より具体的には4〜14個の炭素原子を含む。
【0036】
「アリール脂肪族」とは、例えばメタ−キシリレンジアミンに由来する、ラジカルメタ−キシリレンなどの、芳香族サイクルを含むラジカルであって、それが脂肪族部分での結合によってポリマーの主鎖に連結しているラジカルを意味する。
【0037】
「アルキル芳香族」とは、アルキルラジカルで置換されたラジカルであって、芳香族部分での結合によってポリマーの主鎖に連結しているラジカルを意味する。
【0038】
ジアミンのラジカルRは、ヘテロ原子を含まなくてもよいし、または、酸素、窒素、リンもしくは硫黄、特に酸素もしくは硫黄、より具体的には酸素などの、ヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロ原子が存在する場合、それは、
− 例えばエーテル官能基として、ラジカルの鎖に割り込んでいてもよいし、
− カルボニルまたはスルホン官能基などの、ラジカルの鎖に割り込んでいる官能基中にあってもよいし、
− ヒドロキシル、スルホン酸またはスルホネート官能基などの、鎖上にグラフトされた官能基中にあってもよい。
【0039】
Rラジカルが脂肪族である場合、それは、ヘテロ原子を含まなくてもよい。脂肪族ラジカルは、非環式であっても脂環式であってもよい。
【0040】
非環式脂肪族ラジカルを含むジアミンは、2〜12個の炭素原子を含んでもよく、それらは、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサンもしくはヘキサメチレンジアミン(HMD)、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−メチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,2−ジメチルペンタメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、メチル−1,8−ジアミノオクタン、特に株式会社クラレによって販売されるメチル−1,8−ジアミノオクタンと1,9−ジアミノノナンとの混合物として、1,9−ジアミノノナン、5−メチルノナンジアミン、1,10−ジアミノデカンもしくはデカメチレンジアミン、1,12−ジアミノドデカン、もしくはドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ならびに/または2,2,7,7−テトラメチルオクタメチレンジアミンから選ばれてもよい。
【0041】
脂肪族ラジカルRは、脂環式ラジカル、特に単環または二環であってもよい。各サイクルは、4〜8個の炭素原子を含んでもよいし、より具体的にはサイクルは、4、5または6個の炭素原子を含む。脂環式ラジカルは、飽和であっても不飽和であってもよく、1つまたは2つの二重結合を含んでもよい。脂環式ラジカルは、6〜12個の炭素原子を含んでもよい。脂環式ジアミンの中に、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、特にトランス立体異性体、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシル−メタン、イソホロンジアミン、C36ジアミン二量体、特に名称Priamine(登録商標)、参照番号1075の下でCrodaによって販売されるもの、および、シス、トランスまたは立体異性体の混合物である、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランが挙げられてもよい。
【0042】
脂肪族ラジカルRはまた、少なくとも1つのヘテロ原子、特に酸素を含んでもよい。このタイプのラジカルの中に、特に100〜5000g/モルの範囲の分子量を有する、Huntsman製の、Jeffamine(登録商標)およびElastamine(登録商標)などのポリエーテルジアミンが挙げられてもよい。
【0043】
ジアミンRラジカルは、芳香族、アリール脂肪族またはアルキル芳香族であってもよく、それは、6〜24個の炭素原子、特に6〜18個の炭素原子、より具体的には6〜10個の炭素原子を含んでもよい。それは、ベンゼンまたはナフタレンなどの、単環または二環化合物であってもよい。
【0044】
芳香族、アリール脂肪族またはアルキル芳香族ジアミンは、ジアミノジフェニルメタンおよびその異性体、スルホニルジアニリンおよびその異性体、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとも呼ばれる3,4’−オキシジアニリン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとも呼ばれる4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジデン、4,4’−ジアミノビフェニル;4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、9,9’−ビス(4−アミノ)フルオレン;4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、および2,5−ビス(アミノメチル)フランから選ばれてもよい。
【0045】
特にジアミンは、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレン−ジアミン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジアミノジフェニルメタンおよびスルホニルジアニリンから選択される。
【0046】
特にポリマーAは、1つのアルキル−BHT、より具体的にはMe−BHTと、特に上に挙げられたものから選択される、たった1つの他のジアミンとを含む。
【0047】
ポリマーは、少なくとも1つ、特に1つまたは2つ、より具体的には1つの、ポリカルボン酸を含む。ポリカルボン酸は、2〜44個の炭素原子を含んでもよい。ポリカルボン酸とは、少なくとも2個のカルボン酸官能基を含む化合物を意味する。より具体的には、ポリカルボン酸は、ジカルボン酸、トリカルボン酸、およびテトラカルボン酸の中から選択される。
【0048】
ジカルボン酸は、特に非環式の、より具体的にはシュウ酸(HOOC−COOH)、マロン酸(HOOC−CH
2−COOH)、コハク酸(HOOC−(CH
2)
2−COOH)、グルタル酸(HOOC−(CH
2)
3−COOH)、2−メチル−グルタル酸(HOOC−CH(CH
3)−(CH
2)
2−COOH)、2,2−ジメチルグルタル酸(HOOC−C(CH
3)
2−(CH
2)
2−COOH)、アジピン酸(HOOC−(CH
2)
4−COOH)、2,4,4−トリメチル−アジピン酸(HOOC−CH(CH
3)−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−COOH)、ピメリン酸(HOOC−(CH
2)
5−COOH)、スベリン酸(HOOC−(CH
2)
6−COOH)、アゼライン酸(HOOC−(CH
2)
7−COOH)、セバシン酸(HOOC−(CH
2)
8−COOH)、ウンデカン二酸(HOOC−(CH
2)
9−COOH)、ドデカン二酸(HOOC−(CH
2)
10−COOH)、トリデカン二酸(HOOC−(CH
2)
11−COOH)、テトラデカン二酸(HOOC−(CH
2)
12−COOH)、ペンダデカン二酸(HOOC−(CH
2)
13−COOH)、ヘキサデカン二酸(HOOC−(CH
2)
14−COOH)、オクタデカン二酸(HOOC−(CH
2)
16−COOH)およびC36脂肪酸二量体、特にCrodaによるPripol(登録商標)として知られるものから選択される、脂肪族二酸[本明細書では以下、酸(AL)]であってもよい。
【0049】
ジカルボン酸は、例えば、特に1,2−シクロヘキサンカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの、シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−テトラヒドロフランジカルボン酸のような、環中に4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭素環を含む脂環式ジカルボン酸であってもよく、これらの酸は、シス、トランスまたはそれらの混合物であってもよい。
【0050】
ジカルボン酸は、特にイソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、より具体的には2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、および1,2−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)ケトン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3−カルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3−カルボキシフェニル)メタンおよび4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、ナトリウム 5−スルホイソフタレート、またはAISNa、リチウム 5−スルホイソフタレート、またはAISLi、カリウム 5−スルホイソフタレート、またはAISK、ならびに2,5−フランジカルボン酸から選択される、芳香族二酸[酸(AR)]であってもよい。
【0051】
特に芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸、テレフタル酸およびオルトフタル酸から選択される。
【0052】
トリカルボン酸は、特にトリメリット酸、トリカルバリル酸、アコチン酸(acotinic acid)、および1,2,4 ブタントリカルボン酸から選択される、分子内酸無水物を形成することができる2つのカルボン酸を有してもよい。
【0053】
テトラカルボン酸は特に、1つの分子内酸無水物を形成することができるカルボン酸を有してもよく、より具体的にはそれらは、2つの分子内酸無水物を形成することができてもよい。
【0054】
テトラカルボン酸は、脂肪族、芳香族、アルキル芳香族またはアリール脂肪族テトラカルボン酸であってもよい。特にそれは、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、エタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロヘキサン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、エチル−3−シクロヘキサン−3−(1,2)5,6−テトラカルボン酸、1−メチル−3−エチル−シクロヘキサン−3−(1,2)5,6−テトラカルボン酸、1−エチル−シクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸、1−プロピル−シクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン−テトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレン−テトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレン−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジン−テトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−テトラフェニルシラン−テトラカルボン酸、2,2’−ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノール)スルホン酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリット酸、ヒドロキノンジフタル酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホキシド、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸およびそれらの混合物から選ばれてもよい。
【0055】
特に、テトラカルボン酸は、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン−テトラカルボン酸、エタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸およびそれらの混合物から選ばれ、より具体的にはテトラカルボン酸はピロメリット酸である。
【0056】
あるいは、二酸無水物、または二酸無水物もしくはテトラカルボン酸と、メタノール、エタノールもしくはプロパノールもしくはブタノールなどのモノアルコールとから得られるエステルなどの、テトラカルボン酸の等価物が使用されてもよい。それらは、モノエステル、ジエステル、トリエステルまたはテトラエステルであってもよく、特にそれらはジエステルであってもよい。
【0057】
ポリマーAはまた、アミノ酸繰り返し単位を含んでもよい。これらの繰り返し単位は、特にカプロラクタム、6−アミノヘキサン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−ドデカノラクタムから選択される、ラクタムまたはアミノ酸から生じてもよい。
【0058】
ラクタムまたはアミノ酸から生じる繰り返し単位の量は、ポリマー中の繰り返し単位の総量に対して0.1〜50モル%、特に0.1〜10モル%、より具体的には0.1〜5モル%の範囲であってもよい。
【0059】
好ましい実施形態によれば、ポリマーAは、
(i−1)ジカルボン酸成分[酸成分(AA)]であって、前記酸成分(AA)が、少なくとも1つの長鎖脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体[酸(AL
long)]を含み、前記酸(AL
long)が少なくとも8個の炭素原子を有する酸成分(AA)、ならびに、任意選択的に、前記酸(AL
long)とは異なる少なくとも1つの二酸と;
(i−2)メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよびi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンからなる群から選択される少なくとも1つのアルキル−BHTジアミン、ならびに、任意選択的に、アルキル−BHTジアミンとは異なる少なくとも1つのアミンを含むジアミン成分[アミン成分(NN)]と
に由来する繰り返し単位と、
任意選択的に、ラクタムおよびアミノ酸の少なくとも1つに由来する繰り返し単位と
を含むポリアミド[ポリアミド(A1)]である。
【0060】
ポリアミド(A1)は好ましくは、
(i−1’)スベリン酸[HOOC−(CH
2)
6−COOH]、アゼライン酸[HOOC−(CH
2)
7−COOH]、セバシン酸[HOOC−(CH
2)
8−COOH]、ウンデカン二酸[HOOC−(CH
2)
9−COOH]、ドデカン二酸[HOOC−(CH
2)
10−COOH]、テトラデカン二酸[HOOC−(CH
2)
11−COOH]、ペンダデカン二酸[HOOC−(CH
2)
13−COOH]、ヘキサデカン二酸[HOOC−(CH
2)
14−COOH]、およびオクタデカン二酸[HOOC−(CH
2)
16−COOH]からなる群から選択される少なくとも1つの酸(AL
long)、ならびに、任意選択的に、前記酸(AL
long)とは異なる少なくとも1つの二酸を含む酸成分(AA)と;
(i−2)メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、ならびに、任意選択的に、前記メチル−ビスヘキサメチレントリアミンとは異なる少なくとも1つのアミンを含むアミン成分(NN)と
に由来する繰り返し単位と、
任意選択的に、ラクタムおよびアミノ酸の少なくとも1つに由来する繰り返し単位と
を含む。
【0061】
別の実施形態によれば、ポリマーAは、1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHTと、少なくとも8個の炭素原子を含むジカルボン酸との重合によって得られる、ホモポリアミド、特に脂肪族ホモポリアミドである。
【0062】
ホモポリアミドAは、特にMe−BHTであるジアミンとの、半芳香族ホモポリアミドであってもよく、より具体的にはこのホモポリアミドは、
・ 一官能性化合物および/または多官能性化合物を含み、
・ 100ミリ当量/kg以下であるAEGおよび/またはCEG値を示し、
・ テレフタル酸、イソフタル酸または1,6−ナフタル酸ではないジカルボン酸を含み、
・ サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography)によって測定される少なくとも10,000g/モル、特に少なくとも12,000g/モルの数平均分子量を有し、および/または
・ サイズ排除クロマトグラフィーによって測定される1.5〜5の範囲の多分散性を有する。
【0063】
「サイズ排除クロマトグラフィーによって測定される」とは、実施例に開示されているなどの測定を意味する。
【0064】
ホモポリアミドAは、少なくとも8個の炭素原子を含むジカルボン酸を含む、脂肪族の場合には特に、良好から並の水再取込みとともに良好な可撓性を示し得る。重大な水再取込みを有することは、少なくともいくつかの用途では、欠点であり得る。
【0065】
例えば、携帯エレクトロニクス、可撓性ホースまたは車体パネルの製造などの、いくつかの用途では、高湿度条件下での寸法安定性が有用であるか、または必要とさえされる。これは、例えば使用中に考えられる相対湿度でPA 66の水再取込みよりも高い、大きな水再取込みは不利である、または禁止さえされることを意味する。
【0066】
別の実施形態によれば、ポリマーは、ジアミンおよびジカルボン酸から選択される、少なくとも3つのモノマーと、特に3つだけの、異なるモノマーと、少なくとも
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、および
− 1つのジカルボン酸と
の重合によって得られるコポリアミドAである。
【0067】
例えばコポリアミドAは、少なくとも3つのモノマー、特に3つだけのモノマー:
− アルキル−BHT、特にMe−BHTである1つのモノマー、
− ジカルボン酸である1つのモノマー、
− アルキル−BHT、ジアミン、アミノ酸、ラクタム、およびジカルボン酸から選択される少なくとも別のモノマー
を含む。
【0068】
特にコポリアミドAは、
− アルキル−BHT、特にMe−BHTである1つのモノマー、
− 脂肪族ジカルン二酸である1つのモノマー、および
− 芳香族、アリール脂肪族またはアルキラル芳香族ジカルボン酸である1つのモノマー
を含み、より具体的にはそれらからなり、
より具体的にはモル比脂肪族ジカルボン酸/芳香族ジカルボン酸は、5:95〜95:5、なお一層より具体的には30:70〜70:30の範囲である。
【0069】
特にコポリアミドAは、
− アルキル−BHT、特にMe−BHTである1つのモノマー、
− 芳香族、アリール脂肪族またはアルキル芳香族ジカルボン酸である1つのモノマー、および
− 脂肪族ジアミンである1つのモノマー
を含み、より具体的にはそれらからなり、より具体的にはモル比脂肪族ジアミン/アルキル−BHT酸は、5:95〜95:5、なお一層より具体的には30:70〜70:30の範囲である。
【0070】
ある実施形態によれば、ポリマーAは、少なくとも1つのモノマー、特に、アルキル−BHTから選択される、1つのモノマーと、少なくとも1つのモノマー、特に、2つの分子内酸無水物官能基を形成することができるテトラカルボン酸から選択される、少なくとも1つのモノマーとを含むポリイミドである。特にテトラカルボン酸は、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン−テトラカルボン酸、エタン−1,1,2,2 テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸およびそれらの混合物から選ばれ、なお一層より具体的にはテトラカルボン酸はピロメリット酸である。
【0071】
ポリイミドは、1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHTと、2つの分子内酸無水物官能基を形成することができる1つのテトラカルボン酸との重合によって得られるホモポリイミドであってもよい。特にテトラカルボン酸は、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノン−テトラカルボン酸、エタン−1,1,2,2 テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸およびそれらの混合物から選ばれ、なお一層より具体的にはテトラカルボン酸はピロメリット酸である。
【0072】
別の実施形態によれば、ポリイミドは、ジアミンおよびテトラカルボン酸から選択される、少なくとも3つのモノマー、特に3つだけのモノマーと、少なくとも
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、
− 1つのテトラカルボン酸
と重合によって得られるコポリイミドであってもよい。
【0073】
特にコポリアミドは、3つだけの異なるモノマーを含む。
【0074】
例えばコポリアミドは、少なくとも3つのモノマーを含むか、または3つのモノマーからなる:
− アルキル−BHT、特にMe−BHTである1つのモノマー、
− テトラカルボン酸である1つのモノマー、
− アルキル−BHT、ジアミン、およびテトラカルボン酸から選択される少なくとも別のモノマー。
【0075】
別の実施形態によれば、ポリマーは、少なくとも:
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、
− 1つのトリカルボン酸または1つのジカルボン酸および1つのテトラカルボン酸
の重合によって得られるコポリアミドイミドであってもよく、
特にコポリアミドイミドは、
− 2つのモノマー、アルキル−BHTジアミン、より具体的にはMe−BHTである1つ、およびトリカルボン酸である1つ、または
− 3つのモノマー、アルキル−BHTジアミン、より具体的にはMe−BHTである1つ、ジカルボン酸である別の1つ、およびテトラカルボン酸である別の1つ
を含む。
【0076】
例えばコポリアミドイミドは、
− 少なくとも2つのモノマー:
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、および
− 1つのトリカルボン酸、または
−少なくとも3つのモノマー:
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、
− 1つのジカルボン酸、および
− 1つのテトラカルボン酸
を含む。
【0077】
特にコポリアミドイミドは、
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、および1つのトリカルボン酸、または
− 1つのアルキル−BHTジアミン、特にMe−BHT、1つのジカルボン酸、および1つのテトラカルボン酸
からなる。
【0078】
モル比ジカルボン酸/テトラカルボン酸は、5:95〜95:5の範囲であってもよい。
【0079】
さらに、ポリマーAはまた、少なくとも1つの、特に1つの一官能性化合物を含んでもよく、そのような化合物は、モノアミン、モノ酸無水物、一酸またはそれらが分子内酸無水物官能基を形成することができるなどのα,β二酸から選ばれてもよく、連鎖制限剤の中に、無水フタル酸、1−アミノペンタン、1−アミノヘキサン、1−アミノヘプタン、1−アミノオクタン、1−アミノノナン、1−アミノデカン、1−アミノウンデカン、1−アミノドデカン、ベンジルアミン、オルトフタル酸、すなわち1,2−ベンゼンジカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ステアリン酸またはそれらの混合物が挙げられてもよい。
【0080】
ポリマーはまた、分岐剤、すなわち、多官能性化合物、アミンおよび/またはカルボン酸官能基と反応することができる少なくとも3つの官能性を有する分子、例えば、特に2,2,6,6−テトラキス(β−カルボキシエチル)シクロヘキサノンおよびトリメシン酸などの、分子内酸無水物を形成することができないトリもしくはテトラカルボン酸を含んでもよい。
【0081】
ポリマーは、15〜200ミリモル/kg、特に30〜100ミリモル/kgの範囲の量で一官能性および/または多官能性化合物を含んでもよい。
【0082】
ポリマーAの数平均分子量は、次の手段によって:
− 連鎖制限剤、すなわち、特に上に定義されるなどの、一官能性化合物を使用することによって、
− 化学量論的不均衡r=[ポリカルボン酸]/[ジアミン](ここで、rは0.8〜1.2、優先的には0.9〜1.1、より優先的には0.95〜1.05、なお一層より優先的には0.99〜1.01の範囲であってもよい)によって、
− 例えば上に定義されるなどの、分岐剤を使用することによって、
− 反応時間、温度、湿度、または圧力などの、合成パラメータを調整することによって、
− この異なる手段の組合せによって
制御され得る。
【0083】
ポリマーは、100ミリ当量/kg以下であるAEGおよび/またはCEG値を示してもよい。AEGおよびCEGは、溶媒へのポリマーの可溶化後に酸−塩基滴定によって測定され得る。
【0084】
ポリマーの数平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定される少なくとも10,000g/モル、特に少なくとも12,000g/モル、より具体的には少なくとも15,000g/モルのものであってもよい。上に定義されたこの数平均分子量は、絶対数平均分子量(ポリスチレンまたはPMMA当量ではない)を意味し、実施例に規定されるように測定される。
【0085】
ポリマーは、1.5〜5の範囲の多分散性を有してもよい。
【0086】
ポリイミドを溶媒中で、例えばポリアミド酸(PAM)を通した2段階で合成する古典的な方法に従って特に、溶液で重合を行うことが可能である(溶媒法とも呼ばれる)。モノマーの混合物からまたはそれらの塩から融解重合または固相重合を行うこともまた可能である。
【0087】
ポリアミドは、例えば、モノマーを含む水溶液またはモノマーを含む液体であり得る重合媒体から得られ得る。有利には、重合媒体は、水を溶媒として含む。これは、媒体の攪拌を、したがってその均一性を容易にする。重合媒体はまた、連鎖制限剤などの、添加剤を含むことができる。ポリアミドは一般に、その一部が蒸発し得る、脱離生成物、特に水の形成で、ポリアミド鎖を形成するために、全体でまたは部分的に存在する、様々なモノマー間の重縮合によって得られる。ポリアミドは一般に、混合物を固体の凝固から防ぐために固相のいかなる形成をも防ぎながら、当初重合媒体中に存在するおよび/または重合中に形成される脱離生成物、特に水を蒸発させるために、例えば、モノマーを含む水溶液またはモノマーを含む液体を、高温および高圧で、加熱することによって得られる。
【0088】
重縮合反応は、おおよそ100〜320℃、特に180〜300℃の温度、なお一層より具体的には240℃よりも上の温度で、おおよそ0.5〜3.5MPa、特に0.5〜2.5MPaの圧力で実施されてもよい。重縮合は、所望の進行度を達成するために、大気圧または減圧で融解相において続行されてもよい。
【0089】
重縮合生成物は、融解ポリマーまたはプレポリマーである。それは、形成されているおよび/または蒸発していることができる、脱離生成物の、特に水の蒸気から本質的になる気相を含むことができる。
【0090】
この生成物は、所望の重縮合度を達成するために気相の分離のおよび仕上げの段階にかけることができる。気相の分離は、例えば、サイクロン型の装置で実施することができる。このような装置は公知である。
【0091】
仕上げは、所望の進行度を達成するのに十分な時間、大気圧近くの圧力下にまたは減圧下に、重縮合生成物を融解状態に保つことにある。そのような操作は当業者に公知である。仕上げ段階の温度は有利には、100℃以上であり、すべての場合においてポリマーが凝固する温度よりも高い。仕上げ装置内の滞留時間は好ましくは5分以上である。
【0092】
重縮合生成物はまた、固相ポスト縮合段階にかけることができる。この段階は、当業者に公知であり、重縮合度を所望の値まで高めることを可能にする。
【0093】
本方法は、その条件が、ジカルボン酸とジアミンとから得られるもののタイプのポリアミドの従来の製造方法に、特にアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとからのポリアミド6.6の製造方法に似ている。ポリアミド6.6のこの製造方法は当業者に公知である。ジカルボン酸とジアミンとから得られるもののタイプのポリアミドの製造方法は一般に、水などの、溶媒中で一般に、二酸を化学量論量のジアミンと混合することによって得られる塩を、出発原料として、使用する。したがって、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)の製造において、アジピン酸は、ナイロン塩または「N塩」の名前でより良く知られている、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペートを得るために、一般に水中で、ヘキサメチレンジアミンと混合される。
【0094】
ポリマーAの製造方法は、連続であってもよいし、または回分式に行われてもよい。
【0095】
本発明はまた、
− アルキル−BHTジアミンの量が、ポリマー中のジアミンモノマーの全モル量に対して1モル%超である、メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよび/またはi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンから選択される少なくとも1つのアルキル−BHTジアミンと、脂肪族ポリカルボン酸、アリールポリカルボン酸、アルキルアリールポリカルボン酸およびアリールアルキルポリカルボン酸から選択される、少なくとも1つのポリカルボン酸との重合によって得られる、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選択される、少なくとも20重量%のポリマーAと、
− 任意選択的に亜リン酸と、
− 少なくとも0.1重量%の追加の化合物と
を含む組成物であって、
重量%が、組成物の総重量を基準としている組成物に関する。
【0096】
組成物は、組成物の総重量を基準として少なくとも30重量%、特に少なくとも40重量%の量のポリマーAを含んでもよい。
【0097】
ある実施形態によれば、組成物は、少なくとも2つの異なるポリマーAを含んでもよい。
【0098】
組成物は、ポリマーAがホモポリアミドである場合には特に、少なくとも1つの他のポリマーBを含んでもよく、特にこのポリマーBは、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアミドイミドおよびポリエステルからなる群から選らばれてもよい。
【0099】
より具体的にはポリマーBは、
− PA 6.6、PA 6.10、PA 6.12、PA 10.10、PA10.12、PA 10.6、PA 12.12、PA 4.6、PA 9.2、PA 10.2、PA 6、PA 7、PA 11、PA 12、PA 13などの、脂肪族ポリアミド、
− 半芳香族ポリアミド
− テレフタル酸、イソフタル酸およびオルトフタル酸などの、芳香族二酸を含む、半芳香族ポリアミド、より具体的には、例えば6T、9T、10T、11T、12T、6Iのような、ポリフタルアミド、
− アリール脂肪族ジアミン、特にメタ−キシリレンジアミンを含む半芳香族ポリアミド、より具体的にはMXD6、
− 特にPA 6T/6I、PA 6T/66、PA 66/6T、6/66、PA 6/11、PA 6/12、およびPA 11/12などの、それらのコポリマー、
− それらの混合物
の中から選択されるポリアミドである。
【0100】
ポリフタルアミドは特に、AMODEL(登録商標)として知られるものであってもよい。芳香環を有するジアミンを含む半芳香族ポリアミドは、IXEF(登録商標)として知られるものであってもよい。
【0101】
より具体的には組成物は、組成物の総重量に対して、50重量%未満の量のポリエステル、50重量%未満の量のポリカーボネート、50重量%未満の量のポリオレフィン、50重量%未満の量のポリエーテルまたは50重量%未満の量のそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0102】
特に重量比ポリエステル/ポリマーA、ポリカーボネート/ポリマーA、ポリオレフィン/ポリマーA、および/またはポリエーテル/ポリマーAは、ポリマーAがホモポリアミドである場合にはとりわけ、0.5未満である。
【0103】
ポリマーAに加えて、ポリマーAが、コポリアミド、ホモポリイミド、コポリアミドまたはコポリアミドイミドである場合には特に、組成物は、1つもしくは複数の他のポリマー、特にポリアミドまたはコポリアミドを含むことができる。
【0104】
組成物がポリアミドA以外のポリアミドを含む場合には特に、ポリアミドAの量は、組成物中のポリアミドの総重量に対して30重量%超、特に40重量%超、より具体的には50重量%超である。
【0105】
特に、組成物は、組成物の総重量と比べて50重量%未満である量のポリアミドA以外のポリアミドを含む。
【0106】
補強材もしくは増量材の少なくとも1つが通常、ポリアミド組成物の製造のために使用されている。特に、ガラス繊維、炭素繊維または有機繊維などの、補強状繊維充填材、粒状もしくは層状充填材および/または剥離性もしくは非剥離性ナノ充填材などの非繊維状充填材、例えばアルミナ、カーボンブラック、粘土、リン酸ジルコニウム、カオリン、炭酸カルシウム、銅、珪藻土、グラファイト、雲母、シリカ、二酸化チタン、ゼオライト、タルク、ウォラストナイト、例えば、ジメタクリレート粒子などの、ポリマー充填材、ガラスビーズまたはガラス粉末が挙げられてもよい。
【0107】
一実施形態によれば、ガラス繊維などの、補強繊維が使用される。優先的には、最も広範囲に使用される繊維は、7〜14μmの直径および5mm未満の長さを有する、「チョップド」タイプの、ガラス繊維である。これらの充填材は、繊維とポリアミドマトリックスとの間の機械的接着を確実にする表面サイズを有してもよい。特にガラス繊維は、E−ガラス繊維、S−ガラス繊維、T−ガラス繊維および/または扁平ガラス繊維である。
【0108】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.1〜70重量%、特に1〜60重量%、より具体的には10〜50重量%の補強材もしくは増量材を含むことができる。
【0109】
組成物は、組成物の総重量に対して、特に0.1〜30重量%、特に1〜25重量%、より具体的には5〜20重量%の、少なくとも1つの衝撃改質剤を含んでもよい。
【0110】
本発明による組成物は、少なくとも1つの衝撃改質剤、すなわち、ポリアミド組成物の衝撃強さを修正することができる化合物を含んでもよい。これらの衝撃改質剤は優先的には、ポリアミドと反応する官能基を含む。
【0111】
本発明によれば、用語「ポリアミドと反応する官能基」は、特に共有結合能、イオン結合もしくは水素結合相互作用またはファンデルワールス結合によって、ポリアミドの酸もしくはアミン官能基と反応するかまたは化学的に相互作用することができる基を意味する。そのような反応性基は、ポリアミドマトリックス中の衝撃改質剤の良好な分散を確実にすることを可能にする。良好な分散は一般に、マトリックス中で0.1〜2μmの平均サイズを有する衝撃改質剤粒子で得られる。
【0112】
ポリアミドの不均衡ΔEG=CEG−AEG(酸末端基の濃度CEG−アミン末端基の濃度AEG)の酸またはアミン性質の関数としてポリアミドと反応する官能基を含む衝撃改質剤が優先的に使用される。したがって、例えば、ΔEGが「酸」である場合(CEG>AEG)、優先的には、特に共有結合能、イオン結合もしくは水素結合相互作用またはファンデルワールス結合によって、ポリアミドの酸官能基と反応するかまたは化学的に相互作用することができる反応性官能基が使用されるであろう。例えば、ΔEGが「アミン」である場合(AEG>CEG)、特に共有結合能、イオン結合もしくは水素結合相互作用またはファンデルワールス結合によって、ポリアミドのアミン官能基と反応するかまたは化学的に相互作用することができる反応性官能基が好ましくは使用されるであろう。「アミン」性質のΔEGを示すポリアミドと反応する官能基を有する衝撃改質剤が優先的に使用される。
【0113】
衝撃改質剤は、例えばエチレン/アクリル酸(EAA)に関しては、ポリアミドと反応する官能基をそれら自体中に非常に都合よく含むことができる。
【0114】
例えば無水マレイン酸でグラフトされたエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)については、一般にグラフト化または共重合によって、ポリアミドと反応する官能基をそれに付加することがまた可能である。
【0115】
本発明によれば、次のモノマー:エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、ジエン、アクリレート、ブタジエン、スチレン、オクテン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリル酸およびメタクリル酸エステルなどの、ビニルエステルおよびグリシジルメタクリレートの少なくとも1つまたはそれらの混合物を含むオリゴマーまたはポリマー化合物である衝撃改質剤が使用されてもよい。本発明によるこれらの化合物は、さらに、上述のもの以外のモノマーをまた含むことができる。
【0116】
場合によりエラストマーベースとして知られる、衝撃改質剤化合物のベースは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ゴム、エチレンおよびブテンゴム、エチレンおよびアクリレートゴム、ブタジエンおよびスチレンゴム、ブタジエンおよびアクリレートゴム、エチレンおよびオクテンゴム、ブタジエンおよびアクリロニトリルゴム、エチレン/アクリル酸(EAA)製品、エチレン/酢酸ビニル(EVA)製品、エチレン/アクリル酸エステル(EAE)製品、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)コポリマー、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)コポリマー、メタクリレート/ブタジエン/スチレン(MBS)タイプのコア/シェルエラストマー、または上にリストアップされた少なくとも2つのエラストマーのブレンドからなる群から選択することができる。
【0117】
上にリストアップされた群に加えて、これらの衝撃改質剤はまた、特に、次の官能基:カルボン酸、塩化された酸などの、酸、エステル特に、アクリレートおよびメタクリレート、アイオノマー、グリシジル基、特にエポキシ基、グリシジルエステル、酸無水物、特に無水マレイン酸、オキサゾリン、マレイミドまたはそれらの混合物などの、ポリアミドと反応する一般にグラフトされたまたは共重合した官能基を含むことができる。
【0118】
エラストマー上のそのような官能基は、例えば、エラストマーの製造中のコモノマーの使用によって得られる。
【0119】
ポリアミドと反応する官能基を含む衝撃改質剤として、エチレン、アクリル酸エステルおよびグリシジルメタクリレートのターポリマー、エチレンのおよびブチルエステルアクリレートのコポリマー、エチレン、n−ブチルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートのコポリマー、エチレンのおよび無水マレイン酸のコポリマー、無水マレイン酸でグラフト化されたエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー、無水マレイン酸でグラフト化されたスチレン/マレイミドコポリマー、無水マレイン酸で変性されたスチレン/エチレン/ブチレン/スチレンコポリマー、無水マレイン酸でグラフト化されたスチレン/アクリロニトリルコポリマー、無水マレイン酸でグラフト化されたアクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、およびそれらの水素化変型が特に挙げられ得る。
【0120】
組成物は、2〜8個のヒドロキシル基を含む多価アルコール;CuIおよびKI組み合わせ、CuOおよびKBr、Cu
2OおよびKBr、ヒンダードフェノール化合物、HALS型の少なくとも1個のヒンダードアミン単位を有する安定剤、または次亜リン酸ナトリウムもしくは次亜リン酸マグネシウムなどの、有機もしくは無機リン含有安定剤などの熱安定剤を含んでもよい。
【0121】
多価アルコールは、ジグリセロール、トリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールまたはジ−トリメチロールプロパンから選ばれてもよい。より優先的には、使用される多価アルコールは、ジペンタエリトリトールおよび/またはトリペンタエリトリトールである。多価アルコールは遊離であってもよいし、またはそれらはポリアミドに結合していてもよい。
【0122】
組成物は、組成物の総重量に対して0.1〜5重量%、特に0.5〜3重量%の範囲の量の熱安定剤を含んでもよい。
【0123】
本発明による組成物はまた、ポリアミド組成物の製造において通常使用される添加剤を含むことができる。したがって、潤滑剤、難燃剤、可塑剤、核形成剤、触媒、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、艶消剤、成形助剤または他の従来の添加剤が挙げられてもよい。
【0124】
潤滑剤は、パラフィン、ステアリン酸などの、脂肪酸、ステアリン酸塩、特に金属塩などの脂肪酸塩、例えばステアリン酸アルミニウム、EBSとも略記される、エチレンビスステアルアミド、ペンタエリスリトールエステルから選ばれてもよく、特に潤滑剤は、パラフィンと、脂肪酸と脂肪酸金属塩との混合物であってもよく、組成物の総重量に対して0.1〜15重量%、特に1〜5重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0125】
可塑剤は、n−ブチル−ベンゼンスルホンアミド(BBSA)などの、ベンゼンスルホンアミド誘導体、エチルトルエンスルホンアミドまたはN−シクロヘキシルトルエンスルホンアミド;パラ−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルおよびパラ−ヒドロキシ安息香酸2−ヘキシルデシルなどの、ヒドロキシ安息香酸エステル、テトラヒドロフルフリルアルコールエステルまたはエーテルおよびクエン酸またはヒドロキシマロン酸エステルから選ばれてもよい。可塑剤は、組成物の総重量に対して0.1〜15重量%、特に1〜5重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0126】
これらの充填材および添加剤は、例えば、重合中にか溶融ブレンディングにおいてなどに、各充填材または添加剤に好適な普通のやり方で変性ポリアミドに添加することができる。
【0127】
組成物は、異なる原料、充填材および/または添加剤を混合することによって得られ得る。加工温度は、より高い溶融温度を有するポリマーの溶融温度に合わせられてもよい。化合物は同時にかまたは連続的に導入されてもよい。一般に押出機が用いられ、押出機で原材料は加熱され、そのとき溶融させられ、異なる化合物を混合するために剪断強度にかけられる。特有の実施形態によれば、最終組成物を調製する前に、融解もしくは非融解状態での、マスターバッチを使用することが可能である。例えば、樹脂と他の原料とを混合することによってマスターバッチを調製することが可能である。
【0128】
特に組成物は、ポリアミドまたはポリイミドなどの、ポリマーを融解状態に保つことを可能にする温度で、例えば一軸もしくは二軸スクリュー押出機での、異なる原料のホットミキシングによって;または例えば、機械撹拌機での、コールドミキシングによって得られ得る。組成物は優先的には、融解状態での成分の混合によって得られる。一般に、得られた混合物は、ロッドとして押し出され、それはペレットを与えるために小片へ切り刻まれる。化合物は、特にプラスチックマトリックスとのホットもしくはコールドミキシングによって、プラスチック材料の製造の任意の時間に添加されてもよい。化合物のおよび添加剤の添加は、純化合物としてかまたはプラスチックマトリックスなどのマトリックス中の濃厚混合物としてこれらの化合物を融解プラスチックマトリックスに添加することによって行われてもよい。
【0129】
本発明はまた、ポリマーを、融解もしくは非融解状態下で、補強材もしくは増量材、衝撃改質剤および/または添加剤と混合することによる、本発明によるポリマーを含む組成物の調製方法に関する。
【0130】
別の方法によれば、1つまたは複数の添加剤が、組成物の表面上に、特に組成物の顆粒の表面上に存在してもよい。
【0131】
本発明はまた、ポリアミド、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選択されるポリマーAであって、
前記ポリマーAが、少なくとも:
a.メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよび/またはi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンから選択される1つまたは複数のアルキル−BHTジアミンと、
b.脂肪族ポリカルボン酸、アリールポリカルボン酸、アルキルアリールポリカルボン酸およびアリールアルキルポリカルボン酸から選択される1つまたは複数のポリカルボン酸と
の重合によって得られ、
前記ポリマーが、ポリマー中に含まれるジアミンモノマーの全モル量に対して1モル%の最小量のアルキル−BHTジアミンを含むポリマーAを含むまたはそれからなる組成物を含む造形品に関する。
【0132】
造形品は、ペレット、顆粒、ロッド、バー、射出成形もしくはレーザー焼結によって得られる複雑な構造体、管類、タンク、パイプ、中空体、繊維、糸、フィルム、シート、または基材、特に組成物でコートされた金属基材であってもよい。
【0133】
物品は、熱可塑性ポリマーを造形するために公知の方法に従って造形されてもよい。
【0134】
造形品は、非常に良好な再現性で、例えば100のランダムに採取された造形品の平均と比較して15%未満の物品の重量ばらつきで製造され得る。
【0135】
造形品は、射出成形、ブロー成形、水成形、押出、押出成形、ペレット化、および水中ペレット化のいずれかの、成形によって得られ得る。
【0136】
特に、造形品は可撓性である。表現「可撓性物品」は、本発明の意図内では、実施例に規定されるプロトコルに従って測定されるように、1000MPa未満の弾性率E’を有する、乾燥状態の、例えば0.2重量%の水の、物品、特にバーを意味すると理解されてもよい。
【0137】
本発明はまた、造形品または粉末の取得方法であって、次の工程:
a)少なくとも:
a.メチル−ビスヘキサメチレントリアミン、エチル−ビスヘキサメチレントリアミン、n−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンおよび/またはi−プロピル−ビスヘキサメチレントリアミンから選択される1つまたは複数のアルキル−BHTジアミンと、
b.脂肪族ポリカルボン酸、アリールポリカルボン酸、アルキルアリールポリカルボン酸およびアリールアルキルポリカルボン酸から選択される、1つまたは複数のポリカルボン酸と
の重合によって得られるポリアミドまたはポリイミドから選択される少なくとも20重量%の1つもしくは複数のポリマーであって、
前記ポリマーが、ポリマー中に含まれるジアミンモノマーの全モル量に対して少なくとも1モル%の量のアルキル−BHTジアミンを含むポリマーを含む組成物を加熱する工程と、
b)加熱された組成物を造形する工程もしくは基材をコートする工程、または組成物のペレットを得る工程と、
c)物品または粉末を回収する工程と
を含む方法に関する。
【0138】
粉末はしたがって、組成物のペレットのすり潰しによって得られ得る。
【0139】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合には、本記載が優先するものとする。
【実施例】
【0140】
特性評価
粘度指数(IV):90%のギ酸の水溶液への5g/Lでのポリアミドの溶解後に25℃で、標準ISO EN 307に従って測定する。
【0141】
溶融温度(T
m)および関連エンタルピー(ΔHf)、冷却時の結晶化温度(Tc):5分間の300℃での熱履歴の消去後に10℃/分の速度で、Perkin Elmer Pyris 1装置を用いる示差走査熱量測定法(DSC)によって測定する。ガラス転移温度(Tg)は、10℃/分の速度で同じ装置で測定し、Tgがこれらの条件で分からない場合には、それは40℃/分で測定する。
【0142】
熱機械的特性(弾性率E’および損失弾性率E’’温度関数)は、1Hzの周波数および0.05%の振幅を適用する3点曲げを実施することによってTA Instruments RSA3装置で射出成形試験検体に関して測定する。測定は、2℃/分の昇温速度で−100℃から100℃までの温度勾配に従って行う。
【0143】
絶対分子量を測定するためのサイズ排除クロマトグラフィーは、屈折率測定RI、UV吸収および粘度測定による三重検出に従って、30℃で溶媒としてのジクロロメタン/トリフルオロ酢酸無水物95:5中で行う。2000g/モルでの切り捨てを用いる。
【0144】
実施例1:PA MeBHT10
重合反応器に、77.543gの97.2%のN−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−1,6−ヘキサンジアミン(MeBHTとも呼ばれる、RN CAS:41318−22−3)(すなわち、0.329モル)、66.799gの99.5%のセバシン酸(すなわち、0.329モル)、127gの水および2gの消泡剤Silcolapse 5020を導入する。反応媒体を、反応媒体を加熱して70%まで大気圧でモノマー水溶液を濃縮させ、次に、反応媒体の温度が250℃に達するまで17.5絶対バールの圧力下に蒸留し、次に272℃に加熱しながら圧力を36分で大気圧まで下げ、最後に、大気圧で30分間272℃で反応媒体を維持することによって仕上げ工程を進めて、PA 66型の古典的方法に従って重合させる。得られたポリマーを次にロッドとして飛ばし、水のタンク中で冷却し、ロッドを切断することによってペレットを得る。
【0145】
得られたPA MeBHT10ポリマーは、優れた可撓性を示し、透明である。
【0146】
粘度指数は177.5mL/gであり、Mn=16140g/モル、Mw=41990g/モルであり、多分散指数は2.60に等しい。
【0147】
熱分析は、PA MeBHT10が半結晶性であり、次の熱特性:
Tg=13℃、Tc=107℃、Tm=154℃、ΔHf=45J/g
を有することを示す。このポリアミドは、周囲温度、すなわち、23℃よりも下であるTgを有する。
【0148】
ペレットを、射出によってミニ−iso試験片を調製する前に真空下に90℃で一晩乾燥させる。10gのペレットを、180℃に既に加熱されている、100rpmのスクリュー速度の二軸スクリューマイクロ押出機(または「マイクロコンパアウンダー」)DSM MIDI 2000(容積15cm
3)に入れる。2分の滞留後に、溶融ポリマーを、「マイクロコンパウンダー」関連のマイクロプレスインジェクターの助けを借りて、23℃に調整される鋳型中に圧入して次の寸法90×13×1.6mm
3の試験片を形成する。試験片は透明であり、非常に可撓性である。
【0149】
23℃での弾性率E’は、860MPa±10MPaであり、30℃では700MPa±10MPaであり、40℃では500MPa±10MPaであり、50℃では400MPa±10MPaである。アルファ転移温度は22℃で測定される。
【0150】
同じ条件において、Arkema製のRilsan(登録商標)PA12 AESNOは、次の結果を与える:23℃での弾性率E’は1580MPa±50MPaであり、30℃では1520MPa±50MPaであり、40℃では1350MPa±50MPaであり、50℃では820MPa±10MPaである。アルファ転移温度は51℃で測定される。
【0151】
したがって、得られたPA MeBHT10は、その弾性率E’がPA12からのものよりも30℃〜50℃で約2倍低いのでPA12よりもはるかにより可撓性であるように思われる。この観点から、PA MeBHT10は、PA 12と比較して改良解を示す。
【0152】
実施例2:PA MeBHT6
PA MeBHT6は、実施例1に開示された方法に従って、しかし次の量のモノマー:90.371gの97.2%のN−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−1,6−ヘキサンジアミン(すなわち、0.383モル)、55.958gの100%のアジピン酸(すなわち、0.383モル)、128gの水および2gの消泡剤Silcolapse 5020を使って合成する。
【0153】
得られたPA MeBHT6ポリマーは、優れた可撓性を示し、透明である。
【0154】
粘度指数は221.3mL/gであり、Mn=16260g/モル、Mw=28570g/モルであり、多分散指数は1.76に等しい。
【0155】
熱分析は、PA MeBHT6が半結晶性であり、次の熱特性:
Tg=21℃、Tc=118℃、Tm=168℃、ΔHf=41J/g
を有することを示す。このポリアミドは、周囲温度、すなわち、23℃に近いTgを有する。
【0156】
ペレットを、射出による造形前に真空下に90℃で一晩乾燥させる。10gのペレットを、180℃に既に加熱されている、100rpmのスクリュー速度の二軸スクリューマイクロ押出機(または「マイクロコンパアウンダー」)DSM MIDI 2000(容積15cm
3)に入れる。2分の滞留後に、溶融ポリマーを、「マイクロコンパウンダー」関連のマイクロプレスインジェクターの助けを借りて、23℃に調整される鋳型中に圧入して次の寸法90×13×1.6mm
3の試験片を形成する。試験片は完全に透明であり、非常に可撓性である。
【0157】
23℃での弾性率E’は、810MPa±50MPaであり、30℃では660MPa±10MPaであり、40℃では500MPa±10MPであり、50℃では420MPa±10MPaである。
【0158】
得られたPA MeBHT6は、それがより短く、そしてより硬質の二酸(アジピン酸対セバシン酸)を含有する場合でさえもPA MeBHT10に似た可撓性を示すように思われる。このPA MeBHT6もまた、PA12よりも可撓性である。
【0159】
実施例3:PA MeBHT6/エラストマー90/10w/wの混合物
このエラストマーは、ExxonMobilによって市場に出されているExxelor VA 1801である。
【0160】
PA MeBHT6のペレットを真空下に90℃で一晩乾燥させ、その後9gのこれらのペレットおよび1gのエラストマーを、180℃に既に加熱されている、100rpmのスクリュー速度の二軸スクリューマイクロ押出機(または「マイクロコンパアウンダー」)DSM MIDI 2000(容積15cm
3)に入れる。2分の滞留後に、溶融ポリマーを、「マイクロコンパウンダー」関連のマイクロプレスインジェクターの助けを借りて、23℃に調整される鋳型中に圧入して次の寸法90×13×1.6mm
3の試験片を形成する。試験片は非常に可撓性であり、半透明である。
【0161】
23℃での弾性率E’は、650MPa±10MPaであり、30℃では530MPa±10MPaであり、40℃では400MPa±10MPaであり、50℃では340MPa±10MPaである。
【0162】
測定された温度すべてで、この組成物は、バージンPA MeBHT6よりも低い弾性率E’の値を有し、それはしたがってより可撓性である。
【0163】
実施例4:ポリイミドPI MeBHTPMA
250mLの反応器中で、97.5%の5.39g(0.02068モル)のピロメリット酸(PMA)(Sigma−Aldrich)を攪拌下に31.9gの純エタノールに溶解させる。この反応器に、1時間でプッシュ注射器を使って、4.88g(0.02068モル)の97.2%のN−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−1,6−ヘキサンジアミン(MeBHTと呼ばれる、RN CAS:41318−22−3)の15%エタノール溶液を添加する。13gのエタノールを、ジアミンのエタノール溶液の添加後に注射器をリンスするために使用する。反応媒体を2時間周囲温度で攪拌する。形成されたポリイミド塩は沈殿し、それを、減圧下に60℃でのエタノールの完全蒸発によって回収する。塩粉末は白色で、微粉である。この塩を次に5時間窒素のスチール下に210℃に加熱してポリイミドを得る。
【0164】
ポリイミドは半結晶性であり、それは、187℃で冷却時に結晶化し(結晶化エンタルピーは34J/gである)、209℃、219℃および222℃でのピークで多重融解する(融解エンタルピーは34J/gである)。
【0165】
実施例5:ポリアミド試験片の周囲温度での浸漬による水再取込みの分析
次の寸法:90×13×1,6mm
3を有する、それぞれPA MeBHT6、PA MeBHT10およびRhodiaによって市場に出されているPA 66 Stabamid(登録商標)27AE1の試験片を、24時間25℃の水中に入れる。
【0166】
水再取込みは、比R=(m(最終)−m(最初))/m(最初))(ここで、m(最初)およびm(最終)は、それぞれ、試験前後の試験片の重量に相当する)で定義される。PA MeBHT6について水再取込みは6.8%であり、PA MeBHT10についてそれは1.5%であり、PA 66についてそれは2%である。
【0167】
水再取込みは、意外にもPA MeBHT6について非常に高いが、PA MeBHT10については、それがPA 66について観察されるものよりも低いので、良好である。低い水再取込みを有することは、良好な寸法安定性を有するために非常に興味深いものである。
【0168】
別の実験では、水再取込みは、重量が平衡に達するまで25℃の水に先の試験片を浸漬することによって評価される(25℃で平衡での水再取込み)。PA MeBHT6について25℃で平衡での水再取込みは、15%であり、PA MeBHT10についてそれは5.5%であり、PA 66についてそれは8.5%である。
【0169】
そのような高い、かつ、速い水再取込みで、PA MeBHT6は、満たされた(着心地の良い)感触のための織物用途向けに好適である。
【0170】
実施例6:PA MeBHT6の紡糸
PA MeBHT6は、実施例1に開示された方法に従って、しかし次の量のモノマー:1376.7gの97.1%のN−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−1,6−ヘキサンジアミン(すなわち、5.827モル)、851.6gの100%のアジピン酸(すなわち、5.827モル)、1366gの水および2gの消泡剤Silcolapse 5020を使って合成する。
【0171】
このポリアミドの繊維を、次の方法に従って製造する。
【0172】
PA MeBHT6のペレットを乾燥させて最終的に900ppmの含水率を得て、次に次の通り設定された紡糸機に導入する:押出機加熱プロフィール 180℃/185℃/190℃/190℃/195℃、0.65kg/h押出量、10μmの金属濾過パック(48mm直径)、12ホールの押出ダイ(0.3×3D)を通してフィラメントの製造、450m/分の速度でのフィラメントの巻取機での巻取り(BARMAG SW1)。
【0173】
製造された繊維を、いかなる問題もなく3の延伸比まで延伸する。
【0174】
Solvayによって市場に出されているポリアミド 66 Stabamid(登録商標)26AE2の繊維は、同じ設備を用いて、しかし異なる紡糸パラメータ(押出機加熱プロフィール 280℃/285℃/290℃/290℃/295℃)で製造する。3の延伸比の延伸を行った。
【0175】
PA MeBHT6繊維の表面は、PA 66繊維よりもソフトであるように見える。
【0176】
水再取込みはPA66と比較してPA MeBHT6についてより速く、かつ、より高いことが明らかに観察され、それは、より高い着心地の良さが必要とされる場合には織物用途向けに有用である。
【0177】
実施例7:PA MeBHT12
PA MeBHT12は、実施例1に開示された方法に従って、しかし次の量のモノマー:1505.5gの97.1%のN−(6−アミノヘキシル)−N−メチル−1,6−ヘキサンジアミン(すなわち、6.372モル)、1473.5gの99.6%の1,12−ドデカン二酸(すなわち、6.372モル)、2750gの水および2gの消泡剤Silcolapse 5020を使って合成する。
【0178】
得られたPA MeBHT12ポリマーは、優れた可撓性を示す。
【0179】
熱分析は、PA MeBHT12が半結晶性であり、次の熱特性:
Tg=8℃、Tc=109℃、Tm=156℃、ΔHf=51J/g
を有することを示す。
【0180】
ペレットを、射出による造形前に真空下に90℃で一晩乾燥させる。ISO527試験片の射出成形は、すべての加熱域について180℃に設定されたバレル温度および25℃に設定された型温のArburg射出成形機を用いて達成される。試験片は、完全に透明であり、非常に可撓性である。
【0181】
引張特性は、ISO 527/1Aに従って測定する。引張弾性率は721MPaに等しく、降伏点引張強度は32.8MPaに等しく、破断点引張強度は22.1MPaに等しく、破断点伸びは127%に等しい。衝撃特性(Charpy(シャルピー)ノッチ付き)は、ISO179/1eAに従って測定する。衝撃強度は6.0kJ/m
2に等しい。
【0182】
25℃で平衡状態での水再取込みは、実施例5に記載されたように測定する。PA MeBHT12についての25℃で平衡状態での水再取込みは3.5%である。PA MeBHT12は、PA 610のものに似た水再取込みを有する。
【0183】
PA MeBHT12は、PA 11、PA 12、PA 610、PA 1010、PA 1012、PA 1212などの可塑化長鎖ポリアミドの代わりに使用することができる。