(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの分解素子に連結された停止素子であって、前記分解素子のスイープ動作の度合いを制限するように配置されていることにより、前記少なくとも1つの分解素子が前記開口部から抜け出て前記結腸の壁を損傷することを防止する停止素子をさらに備える、請求項1に記載の結腸洗浄装置。
前記洗浄ヘッドは、互いに略対向して配置されている結果、小腸内の流体及び糞便を前記洗浄ヘッドに流入出可能とする、間隔を空けて設けられる2つの開口部を備える、請求項1に記載の結腸洗浄装置。
前記少なくとも1つの開口部は、前記患者の前記結腸の比較的まっすぐの部分の中にある時に、前記少なくとも1つの開口部が前記結腸の壁に面するように位置決めされている、請求項1に記載の結腸洗浄装置。
前記管は結腸鏡の付属品であり、前記管は、前記結腸鏡に連結されている時に患者の肛門括約筋を通って結腸に嵌るような大きさを有する、請求項1に記載の結腸洗浄装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、結腸洗浄装置であって、糞便を切断するためのスイープ動作を有する1つ以上の分解素子、結腸洗浄装置を結腸鏡に摺動可能に取り付けるための線形アクチュエータ、細断ばねの危害を与え得る遠位動作を防止するためのストッパ、及び/又は結腸鏡の部分的な外周に接触するように配置されたジェットヘッドのうちの1つ以上の特徴を有する結腸洗浄装置に関する。例示的な実施形態では、結腸洗浄装置は、結腸鏡に取り付けられて、ヒト結腸に(任意選択的に肛門括約筋を通って)進入するような大きさ及び形状を有する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、患者の結腸から、液体及び糞便が通って除去される、長手方向軸を有する管と、管の遠位端に位置する洗浄ヘッドであって、長手方向軸と同軸の、結腸から内部に糞便が進入する大きさを有する少なくとも1つの開口部を有する、洗浄ヘッドと、洗浄ヘッド内に設けられた少なくとも1つの分解素子と、少なくとも1つの分解素子が長手方向軸周りを回転することで糞便を切断するように、洗浄ヘッド内でスイープ変位(sweeping displacement)を実行するように分解素子を作動させる、作動機構と、を備え、洗浄ヘッドと管は、患者の結腸に沿って変位する大きさ及び形状を有する、結腸洗浄装置が提供される。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、除去のために排液及び糞便が装置ヘッドに進入できる余裕をより多く残せるように、分解素子が空間の比較的小さい体積を占める。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの分解素子は、長手方向軸周りを回転する間に糞便を切断して通る、細いロッドである。任意選択的に、ロッドは、ロッドの近位端及び遠位端が長手方向軸に沿って連結され、ロッドの一部が長手方向軸と平行に、長手方向軸から半径方向に距離をおいて、長手方向軸と洗浄ヘッドの外周との間を回転するように配置される。任意選択的に、ロッドが一端では長手方向軸に沿って連結され、他端では長手方向軸から半径方向に距離をおいて連結されている結果、ロッドが長手方向軸に対して角度を有して配置される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの分解素子は、当該一部と長手方向軸との間に空隙が形成され、かつ、当該一部と洗浄ヘッドの内壁との間に別の空隙が形成されており、少なくとも1つの分解素子の少なくとも一部が長手方向軸から半径方向に距離をおいて回転するように配置されている。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの分解素子は、少なくとも1つの分解素子を回転させるためのトルクを送達するための動力送達機構に、少なくとも1つのベアリングによって連結されている結果、少なくとも1つの分解素子は少なくとも部分的に動力送達機構とは独立して回転する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの分解素子に連結された停止素子であって、分解素子のスイープ動作の度合いを制限するように配置されていることにより、少なくとも1つの分解素子が開口部から抜け出て結腸壁を損傷することを防止する、停止素子をさらに備える。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、洗浄ヘッドは、互いに略対向して配置されている結果、小腸内の流体及び糞便を洗浄ヘッドに流入出可能とする、間隔を空けて設けられる2つの開口部を備える。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの開口部は、患者の結腸の比較的まっすぐの部分の中にある時に、少なくとも1つの開口部が結腸の壁に面するように位置決めされている。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、管は結腸鏡の付属品であり、管は、結腸鏡に連結されている時に患者の肛門括約筋を通って結腸に嵌るような大きさを有する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、結腸鏡に結腸洗浄機構を連結する装置であって、結腸鏡の遠位端部分に連結する結果、結腸鏡の長手方向軸に対して定位置にとどまる第1の連結素子と、結腸洗浄装置に連結する第2の連結素子と、結腸鏡に対する、結腸鏡の長手方向軸と同軸の方向に、結腸洗浄装置と相対的に線形変位するように配置される線形アクチュエータと、を備え、連結装置は、結腸鏡及び結腸洗浄装置に取り付けられている時に患者の結腸に沿って変位する大きさ及び形状を有する、装置を提供する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、結腸鏡の前記遠位端に摺動可能に取り付けられるように配置されている結果、結腸洗浄装置と同時に変位する第3の連結素子をさらに備える。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、第3の連結素子に連結し、患者の体外に延伸するケーブルと、ケーブルと同軸にあり、第1の連結素子に連結し、患者の体外に延伸するジャケットと、をさらに備え、ジャケットに対するケーブルの線形変位は、結腸鏡の遠位端部分に沿って第3の連結素子を線形的に変位させる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、線形アクチュエータは、約10〜15センチメートルの変位距離のために配置される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1の連結素子が結腸鏡のステアリングセグメントの近位に取り付けられる。任意選択的に、線形アクチュエータは、線形アクチュエータが完全に遠位変位した後に、結腸洗浄装置の遠位端が結腸鏡の遠位端の約0〜5cm以内に設けられるように配置されている。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、結腸洗浄装置であって、結腸鏡の遠位端部分の外周周りに部分的に嵌る形状を有する内面を有するジェットヘッドと、ジェットヘッド内に位置し、結腸に流体を噴霧するように配置され、少なくとも1つの管を介して流体の外部源と流体連通する、複数のジェットと、液体及び糞便が通って除去され、ジェットヘッドよりも近位の位置において、結腸鏡の一部の外周周りに部分的に嵌る形状を有する内面を有する物質出力管と、を備え、ジェットヘッドは、組み合わされた結腸鏡とジェットヘッドが患者の結腸に沿って変位可能であるような大きさ及び形状を有する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ジェットヘッドの内面は、遠位端部分の周囲約150〜180度に亘って嵌る形状を有する。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ジェットヘッドの遠位部分が結腸鏡の中心に向かって角度を有する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、複数のジェットは互いに、また、外部源に、ジェットヘッド内のマニホールドを介して流体連通する。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は、結腸を膨らませるための圧力ガスを供給するガス流入口をさらに備える。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、患者の結腸から、液体及び糞便が除去される物質出力管であって、物質出力管は、長手方向軸、および、1つ以上の開口部を有する洗浄ヘッドを有し、洗浄ヘッドは、物質出力管の遠位端に位置決めされている、物質出力管と、物質出力管内に設けられる可撓性ロッドと、洗浄ヘッドの長手方向軸に沿って設けられる剛性ロッドと、物質出力管内に設けられている少なくとも1つのばねであって、可撓性ロッドと一緒に回転するように少なくとも1つのばねの近位端で可撓性ロッドに連結されており、少なくとも1つのばねの遠位端で剛性ロッドに連結されており、また、少なくとも1つのばねの回転中に糞便を細断するように配置されている、少なくとも1つのばねと、少なくとも1つの開口部の外へのばねの伸張及び遠位変位の一方又は両方を防止することによって、ばねによって結腸の壁が損傷するのを防ぐための、剛性ロッドに連結されているストッパと、を備え、装置は、患者の結腸に沿って変位する大きさ及び形状を有する、結腸洗浄装置が提供される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、剛性ロッドがばねにベアリングで連結されており、ロッドが静止している状態でばねが回転する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、剛性ロッドは洗浄ヘッドにベアリングで連結されており、ばねと剛性ロッドが一緒に回転する。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、糞便がばねの内部にばねの遠位端を介して進入するように、剛性ロッドがばねの略中心に連結される。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの開口部は、長手方向軸のばねと同軸である。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、装置は結腸鏡の付属品である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、患者の結腸から、液体及び糞便が通って除去される、長手方向軸を有する管と、管の内部に設けられる細断ばねと、管の遠位端に位置決めされた洗浄ヘッドであって、長手方向軸と同軸の少なくとも1つの開口部を有し、上記少なくとも1つの開口部は、洗浄ヘッドの管と流体連通している内部に結腸から糞便が進入する大きさを有する少なくとも1つの開口部を有する洗浄ヘッドと、洗浄ヘッド内に設けられる少なくとも1つの分解素子と、少なくとも1つの分解素子が長手方向軸周りを回転して糞便を切断して通るように、分解素子が洗浄ヘッド内でスイープ変位を実行するように作動させる作動機構と、を備え、少なくとも1つの分解素子によって切断された糞便はばねによってさらに細断されて、管を通って結腸から搬出され、洗浄ヘッド及び管は、患者の結腸に沿って変位する大きさ及び形状を有する、結腸洗浄装置を提供する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、洗浄液と、放出されるエネルギーが結腸セグメント内の糞便を少なくとも構造的に弱めるように少なくとも1つのあらかじめ選択された気泡パラメータを有するガス泡との乳剤を、患者の結腸セグメントに投与することを含む、患者の結腸セグメントを洗浄する方法を提供する。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、エネルギーの放出は、気泡の破裂によって引き起こされる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、あらかじめ選択された気泡パラメータは、気泡が洗浄液の表面に浮上し、表面で破裂し、その破裂によって糞便を分解するエネルギーが放出されるように選択される、平均気泡サイズである。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、あらかじめ選択された気泡パラメータは、乳剤と、乳剤を外部リザーバから結腸セグメントに送達する管との間の摩擦が低減されるように選択される、ガス泡の洗浄液に対する比率であり、それにより、ガス泡を含まない洗浄液を送達する管に比べて、比較的小さな管の使用を可能とする。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、あらかじめ選択された気泡パラメータは、ガス泡から結腸セグメントに放出されるガスが結腸セグメント内の周囲圧力を上昇させる結果、あらかじめ選択されたパラメータを有するガス泡を含まずに洗浄することに比べて、結腸セグメントからの吸引管を介した流体と糞便の吸引が増加して肛門括約筋を介する流体と糞便の漏れが減少するように選択される、ガス泡の洗浄液に対する比率である。任意選択的に、結腸セグメント内の上昇した周囲圧力を自動的に検出することと、洗浄手順中の視界が広がるように、結腸セグメント外に洗浄液及び分解された糞便を自動的に除去することとをさらに含む。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのあらかじめ選択された気泡パラメータを、糞便の粘度にしたがって洗浄手順中にて動的に調節することをさらに含む。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、気泡は、結腸セグメント内の糞便を分解するエネルギーを放出する。
【0042】
別段定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術的及び/又は科学的用語は、本発明に関係する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び物質と類似するかそれに均等の方法及び物質を本発明の実施形態の実施又は実験で使用することはできるが、例示的な方法及び/又は物質は以下に記載される。矛盾が生じる場合は、特許明細書(定義を含む)が優先される。さらに、物質、方法、及び実施例は例示目的のみであり、必ずしも限定する意図はない。
【0043】
本発明の実施形態の方法及び/又はシステムの実施は、選択されたタスクを手動的、自動的、又はそれらを組み合わせて実行するか又は完了することを伴うことができる。また、本発明の方法及び/又はシステムの実施形態の実際の器具類並びに道具によれば、いくつかの選択されたタスクはハードウェア、ソフトウェア又はファームウェア、若しくはそれらの組み合わせを、オペレーティングシステムを用いて実行可能であってもよい。
【0044】
例えば、本発明の実施形態に係る、選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装可能である。ソフトウェアとしては、本発明の実施形態に係る選択されたタスクは、任意の好適なオペレーティングシステムによって実行される複数のソフトウェア命令として実施可能である。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法及び/又はシステムの例示的な実施形態に係る1つ以上のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択的に、データプロセッサは、命令及び/又はデータを保存するための揮発性メモリ、並びに/若しくは、命令及び/又はデータを保存するための磁気ハードディスク及び/又は取り外し可能メディアなどの不揮発性ストレージを含む。任意選択的に、ネットワーク接続もまた、提供される。ディスプレイ、及び/又はキーボード若しくはマウスなどの入力デバイスもまた、任意選択的に提供される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態が、本明細書に、例示目的のみで、添付の図面を参照して記載される。具体的に詳細に図面を参照して、図示した詳細事項が例示であり、本発明の実施形態の図示説明の目的のために示されていることを強調する。この点で、図面と一緒に理解される記載によって、当業者に本発明の実施形態がどのように実施されるかが明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、体腔を洗浄するための装置及び方法に関し、より具体的には、ヒト結腸を洗浄するための装置及び方法に関するが、それらに限定されない。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、物質除去管の端に位置決めされた、装置ヘッドに糞便が進入するための1つ以上の開口部を有する結腸洗浄装置ヘッドと、糞便を、結腸洗浄装置ヘッドの中でのスイープ動作によって細断しかつ/又は切断するための、結腸洗浄装置ヘッド内の、刃などの1つ以上の分解素子とに関する。任意選択的に、切られた糞便は管を通って取り除かれる。
【0049】
任意選択的に、分解素子は細いワイヤを含む。任意選択的に、排液及び糞便が装置ヘッドに除去するために進入するためのより多くの余裕が残せるように、細いワイヤは比較的小さな空間体積を占める。任意選択的に、細いワイヤは、排液及び/又は糞便を、除去管を通して結腸外に流す流れに著しく影響を与えることなく、装置ヘッドをスイープして通り、糞便を切断する。任意選択的に、細いワイヤのスイープ動作は、結腸の壁が装置ヘッドの開口部を通るほどに吸引するだけの吸引力を生成し得ない。任意選択的に、スイープ動作は洗浄装置ヘッド内に保たれ、結腸壁に面して側方に位置する開口部近くの結腸壁は、ワイヤが側方の開口部の開かれた表面部に亘ってスイープ動作することによっては損傷されない。任意選択的に、大きな糞便片による排出管の詰まりは、大きな糞便片を分解する分解素子によって低減又は防止される。任意選択的に、糞便片を吸引しかつ/又は排出する能力が改善される。
【0050】
任意選択的に、結腸洗浄装置ヘッドの開口部は、管及び/又は結腸洗浄装置ヘッドの長手方向軸と略同軸に配置される。任意選択的に、結腸の比較的まっすぐなセグメントの中にある時は、開口部は結腸壁に面する。任意選択的に、物質除去管が強い吸引力を生成し得ないため、結腸壁は、結腸壁に面している開口部に引き込まれない。任意選択的に、結腸壁に面する開口部は結腸からの糞便の除去を改善し得る。患者が既に結腸内視鏡検査の準備を行っている可能性があるため(例えば、浣腸剤、緩下剤)、結腸の腔の内側にある糞便はいくらか既に除去されている可能性がある。結腸壁に糞便が残っている可能性があり、それらは壁に面する開口部によってより容易に除去されてもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、結腸洗浄装置を結腸鏡に連結するための連結機構であって、結腸鏡に対する結腸洗浄装置の相対的変位を提供する連結機構に関する。任意選択的に、上記相対的変位は線形である。任意選択的に、変位は結腸鏡の長手方向軸に実質的に同軸の方向に行われる。
【0052】
任意選択的に、結腸鏡は、連結機構が線形的に洗浄装置を変位させると、実質的に定位置に保持される。あるいは、結腸鏡が線形的に変位されると、洗浄装置は、実質的に定位置に保持される。あるいは、結腸鏡と洗浄装置の両方が結腸内に線形的に変位し、かかる動作は連結機構によって調整される。
【0053】
任意選択的に、機構は結腸洗浄装置を、結腸鏡の外表面に沿って順方向及び/又は逆方向に摺動させる。
【0054】
任意選択的に、物質除去管は位置を変える。任意選択的に、流体注入ジェットは位置を変えない。あるいは、流体注入ジェットも位置を変える。
【0055】
本明細書に用いられるように、用語「近位に」は、装置の操作者に向かう方向を意味する。例えば、装置が結腸内にある場合は、肛門括約筋に向かう方向である。
【0056】
本明細書に用いられるように、用語「遠位」は、装置の使用者から離れていることを意味する。例えば、洗浄装置を順方向に(肛門括約筋から)結腸内に進入させると、装置が操作者に対して遠位方向に動く。
【0057】
任意選択的に、機構は、結腸鏡の遠位端部分における2つの洗浄装置の位置間で変化させる。任意選択的に、第1の位置では、洗浄装置が遠位端(遠位端は0の基準値を有する)から約−5センチメートル(cm)〜+5cm内に位置決めされる。任意選択的に、第2の位置では、洗浄装置が結腸鏡のステアリングセグメントに対して近位に位置する。任意選択的に、医師が結腸鏡を第1の位置で操作することに慣れているため、第1の位置であればより自然に組み合わされた装置を操作することができる可能性がある。例えば、視覚センサ、ジェット及び出力管が全て先端の同じ領域にあるために、制御がより予測可能であり得る。任意選択的に、装置がセグメントの直径及び/又は硬度を増加させないために、第2の位置は、より容易なステアリングを可能とし得る。近位に位置する排出管に向かって後ろ方向に流れる結腸鏡端でのジェットからの注入流体の流れは、ジェットの前の領域に加えて、ジェットと管との間の空間内の結腸壁の洗浄を改善させ得る。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、結腸セグメントに洗浄液を供給するジェットヘッドに関し、ジェットヘッドは結腸鏡の遠位端の外周周りに部分的に嵌るような形状を有する内面を有する。任意選択的に、ジェットヘッドは、組み合わされた結腸鏡及びジェットヘッドの断面形状並びに/又は寸法が、肛門括約筋及び肛門管を通って挿入されることで患者の結腸に沿って変位することができるほどに小さい大きさである。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、糞便を細断するために配置される1つ以上のばねを有する結腸洗浄装置に関し、開口部よりも近位且つばねの遠位端部分に位置するストッパによって、ばねが装置の開口部から伸張及び/又は変位することが防止されている。任意選択的に、ストッパは、ばねが結腸壁を損傷するのを低減及び/又は防止する。
【0060】
任意選択的に、ばねは、例えばベアリングによるばねの自由な回転動作のために、ばねの遠位端で連結されている。
【0061】
任意選択的に、糞便のばねの内部への進入が実質的に途絶されないように、ばねはおよそ遠位端の中心に連結される。糞便は、連結素子とばねの内壁との間に進入してもよい。任意選択的に、ばねが装置の長手方向軸に沿って回転できるようになるため、中央での連結はばねの性能を向上し得る。任意選択的に、中央での連結によって、ばねが装置の内壁に偏ることが低減又は防止される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、洗浄液とガス泡とからなる乳剤を、患者の結腸セグメントに投与するシステム及び/又は方法に関する。任意選択的に、ガス泡は1つ以上のあらかじめ選択された気泡パラメータを有して形成される。任意選択的に、パラメータは、気泡がエネルギーを放出して、例えば、糞便を少なくとも構造的に弱まらせることによって、結腸セグメント内の糞便を分解するのを助けるように選択される。代替として又は追加で、パラメータは、気泡によって放出されるガスが結腸セグメント内の周囲圧力を上昇させるように選択される。任意選択的に、周囲圧力の上昇は、排液及び/又は糞便を方向づけて、物質排出管を通して好適に排出する助けとなる。任意選択的に、周囲圧力の上昇は、排液及び/又は糞便が肛門括約筋より漏れ出ることを低減させるか又は防止する。
【0063】
代替として又は追加で、パラメータは、入力管を流通する乳剤と入力管の壁との間の摩擦が、気泡を有しない洗浄液と管の壁との間の摩擦に比べて、比較的低下するように選択される。任意選択的に、乳剤を送達する入力管は、摩擦の低下を考慮した、気泡を有しない洗浄液を提供する入力管の直径と比較して、比較的減少した直径を有して設計される。
【0064】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下に記載される説明及び/又は図面及び/又は実施例に記載される、この構造の詳細及びコンポーネント並びに/若しくは方法の構成に、その適用が必ずしも限定されないと理解されるものとする。本発明は他の実施形態、又は様々な方法で実施若しくは実行可能である。
【0065】
次に図面を参照する。
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る、糞便を切断して通る結腸洗浄ヘッド52の断面側面概略図である。任意選択的に、洗浄ヘッド52は物質除去管54の遠位端に設けられる。任意選択的に、分解素子は糞便を、糞便が結腸から管54を通って除去され得るのに十分に小さい大きさに切断してもよい。切断は、糞便及び/又は流体の流通除去速度に実質的に影響を与えることなく行うことができ、切断することで流通除去速度が上昇し得る。切断は、低い結腸壁の損傷リスクで実行され得る。任意選択的に、切断は、糞便が細断ばねの内側に入って更に細断されるように、糞便の大きさを小さくするために行われる。
【0066】
洗浄ヘッド52は結腸を洗浄するために単独で用いられてもよく、又は結腸内視鏡検査中に結腸を洗浄するために結腸鏡に取り付けられてもよい。
【0067】
洗浄ヘッド52は1つ以上の開口部53Bを有する。開口部53Bの大きさは、糞便が結腸からヘッド52の内側に入れるのに十分な大きさである。
【0068】
任意選択的に、開口部53Bは洗浄ヘッド52の長手方向軸と同軸に位置する。任意選択的に、開口部53Bは、洗浄手順中に結腸壁に面する。ヘッド52は様々な数の開口部及び開口部の位置の様々な配置、例えば、複数の小さな開口部、1つか2つの大きな開口部、順方向を向くヘッド52の遠位端に位置する1つ以上の開口部、ヘッド52の外周周りに間隔を空けて設けた開口部を有するように設計されていてもよく、他の配置で設計されていてもよい。任意選択的に、開口部は、ヘッド52を通る流れを改善するように配置されてもよい。任意選択的に、開口部は結腸壁に固着した糞便の除去を改善するために配置されてもよい。
【0069】
任意選択的に、フラップは側方開口部を開けたり閉めたりするために配置される。例えば、フラップは開口部と平行なトラックに沿って前後に摺動する。任意選択的に、フラップは、ユーザによって手動で、及び/又はソフトウェアによって自動的に制御される。
【0070】
任意選択的に、各開口部の各フラップは独立して制御される。あるいは、全ての開口部の全てのフラップは一緒に制御される。
【0071】
洗浄ヘッド52は、糞便を切断するために、スイープ動作を行うように配置される1つ以上の分解素子を有する。1つ、2つ、3つ、5つ、又は他の数の分解素子があってもよく、ロッドがそこに接続される。
【0072】
任意選択的に、分解素子は、スイープ動作中に糞便を切断するための細いロッド55Aである。あるいは、分解素子はワイヤである。あるいは、分解素子は刃である。あるいは、分解素子はばねである。
【0073】
任意選択的に、ロッド55Aは、例えばステンレス鋼といった剛性材料から作製される。あるいは、ロッド55Aは、例えばニッケルチタンといった可撓性材料から作製される。
【0074】
ロッド55Aの断面直径は、例えば、約1〜3ミリメートル(mm)、又は約0.1〜1mm、又は約0.01〜0.1mm、又は他のより小さい、中間の、若しくは大きい直径である。
【0075】
任意選択的に、ロッド55Aは実質的に円形である。切断は、ロッドの細い直径によって、及び/又は回転速度によって、及び/又は力によって行われてもよい。代替として又は追加で、分解素子(例えば、ロッド55A)は、切断するために鋭利にされた端を有する。
【0076】
任意選択的に、ロッド55Aは、ロッド55Aを洗浄ヘッド52の長手方向軸周りに回転させるように配置する作動機構に連結される。任意選択的に、ロッド55Aは、ロッド55Aの少なくとも一部が、作動機構によって長手方向軸から半径方向に距離をおいて回転して、回転部分と軸との間に隙間があるように、配置される。任意選択的に、ロッド55Aは実質的にまっすぐである。代替として又は追加で、ロッド55Aは全体的に、他の形状、例えば、曲線、正弦波パターン、尖端、屈曲、若しくは「U字」、「V字」、「Y字」、「S字」、「N字」などの他の形状であるか、又はそれら形状の一部を含む。
【0077】
任意選択的に、ロッド55Aは、ロッド55Aと洗浄ヘッド52の内壁との間に隙間を残すスイープ動作のために配置される。
【0078】
任意選択的に、ロッド55Aは、開口部53Bに亘るスイープ動作のために配置される。任意選択的に、ヘッド52に部分的に入っていて部分的に外にある(結腸にある)糞便は、ロッド55Aによって切断される。
【0079】
任意選択的に、ロッド55Aは長軸に対して角度を有して配置される。角度は、例えば、約5〜15度、又は約15〜30度、又は約30〜45度、又は約45〜60度、又は約60〜89度である。代替として又は追加で、1つ以上のロッドは長軸に対して略平行に配置される(
図3に示す)。代替として又は追加で、1つ以上のロッドは長軸に対して略垂直に配置される。任意選択的に、ロッドの数及び/又は位置は様々なパラメータ、例えば、糞便の硬さ、及び/又は期待される糞便の量によって選択される。例えば、硬い及び/又は多くの量の糞便を切断する必要がある場合は、異なる位置に配置されたより多い数のロッドを用いてもよい。例えば、より少ない量の糞便に遭遇すると期待される場合は、1つのロッドを用いてもよい。
【0080】
任意選択的に、洗浄ヘッドは、例えば、様々な患者及び/又は様々な洗浄シナリオのための、例えば、様々な数及び/又は方向づけのロッド及び/又は他の分解素子を有する、様々な構成でキットの一部として入手可能である。任意選択的に、ヘッドは管から取り外し可能、及び/又は、例えば、ねじを用いて取り替え可能である。
【0081】
任意選択的に、ロッド55Aの遠位端は、ヘッド52の遠位端に連結場所52Bで連結される。任意選択的に、連結には、場所52Bにおいて、例えば、溶接、糊、プレスナット、又は他の好適な方法を用いられており、連結は剛性である。任意選択的に、この場合では、ロッド55Aは、残りのロッド55Aが動かされ得るように、可撓性材料(例えば、ニッケルチタン)から形成されている。あるいは、場所52Bでの連結は、例えば、ベアリング又は他の好適な方法を用いて、自由に動くことを可能とする。
【0082】
任意選択的に、ロッド55Aの遠位端は、ロッド55Aのスイープ動作、例えば回転動作並びに/又は順方向及び/若しくは逆方向での変位のための動力を送達するための作動機構に連結される。任意選択的に、動力の送達はケーブル57によって提供される(例えば、外部モータと、その遠位端にて取り付けられる)。
【0083】
任意選択的に、ロッド55Aは、ケーブル57とは独立してロッド55Aの少なくとも部分的な動作を、例えばベアリングを用いて提供するために、ケーブル57に連結される。任意選択的に、ケーブル57の遠位端は略U字又はC字型アーム56を有する。任意選択的に、アーム56は使用中にロッド55Aのスイープ動作を可能としてもよい。任意選択的に、ロッド55Aはベアリング60によってアーム56に連結される。任意選択的に、ベアリング60はアーム56に対して、順方向、逆方向、及び/又は回転方向での、ロッド55Aの自由な動きを提供する。任意選択的に、ベアリング60の逆の端にあるストッパ55Bが、ロッド55Aの動きの度合いを制限する。任意選択的に、ロッド55Aが開口部の外に進んで結腸壁を損傷するリスクは、ストッパによって低減されるか、又は防止される。
【0084】
任意選択的に、管54は、S字結腸(肛門括約筋を通って)、又は盲腸にまで、少なくとも進めるだけの長さを有する。長さは、例えば、少なくとも約50cm、少なくとも約100cm、少なくとも約200cm、又はそれより短い、中間の、若しくはより長い長さである。
【0085】
任意選択的に、ヘッド52は、任意選択的に結腸鏡に取り付けられている時に患者の肛門括約筋を通り抜けられる大きさを有する。
【0087】
図2Aは、
図1の洗浄ヘッド及び管の斜視図であり、洗浄ヘッド52の外周に沿って2つの開口部53A及び53Bが間隔を空けて設けられている。任意選択的に、2つの開口部は互いに対向して位置する。ロッド55Aは、
図1に示す位置に対して、長軸に沿って180度回転した後の状態で示す。
【0088】
任意選択的に、ヘッド52及び管54は1つの部品50として製造されている。あるいは、ヘッド52及び管54は取り外し可能且つ取り替え可能であり、例えば、異なる種類のヘッド設計を管に螺合しても、掛合してもよい。
【0089】
図2Bは
図1の洗浄ヘッド及び管の斜視図であり、例えば外部モータによって与えられるような、印加されたトルク202の方向を、示す。あるいは、トルクは示される方向とは逆の方向に適用される。代替として又は追加で、順方向及び/又は逆方向の遠位変位が適用される。
【0090】
図2Cは
図1の洗浄ヘッド及び管の断面斜視図であり、印加されたトルク202の方向を示す。
【0091】
図2Dは、
図1の洗浄ヘッド及び管の断面側面図である。
【0092】
図2Eは、
図1の洗浄ヘッド及び管の断面上面図である。
【0093】
図2Fは、
図1の洗浄ヘッド及び管の断面前面図である。
【0094】
次に
図3を参照するが、これは本発明の例示的な実施形態に係る、糞便切断ロッドを有する結腸洗浄ヘッド302の別の実施形態である。
【0095】
任意選択的に、スライスロッド66は動力送達ワイヤ67に堅固に連結されており、例えば、ロッド66及び67は1つの連続するワイヤであるか、又はロッド66はワイヤ67に、糊付け、溶接、圧着、又は他の方法で取り付けられている。
【0096】
任意選択的に、ロッド66の部分304は、洗浄ヘッドの長手方向軸と同軸に、且つ半径方向に間隔を有して配置される。任意選択的に、部分304は洗浄ヘッドの開口部の開いている表面積全体をスイープための好適な長さを有する。
【0097】
任意選択的に、1つ以上のベアリング65A及び65Bは、洗浄ヘッド302の遠位端62に設けられる。ベアリング65A及び65Bはロッド66を端62に連結して、ロッド66が長手方向軸に沿って回転できるようにする。
【0098】
任意選択的に、ロッド66は剛性である。ロッド66は、例えば、ステンレス鋼からなる。
【0099】
次に
図4A〜
図4Fを参照するが、これらは
図3の洗浄装置の様々な図である。
【0100】
図4Aは、
図3の洗浄ヘッド及び管の斜視図である。
【0101】
図4Bは、
図3の洗浄ヘッド及び管の斜視断面図である。
【0102】
図4Cは、
図3の洗浄ヘッド及び管の断面側面図である。
【0103】
図4Dは、
図3の洗浄ヘッド及び管の断面上面図である。
【0104】
図4Eは、
図3の洗浄ヘッド及び管の断面前面図である。
【0105】
次に
図5Aを参照するが、これは、本発明の例示的な実施形態に係る、結腸洗浄器550が結腸鏡501の表面に沿って摺動的に変位可能であるように結腸洗浄器550を結腸鏡501に連結する装置の概略図である。
【0106】
任意選択的に、洗浄器550の内面525は、結腸鏡501の外面に嵌る形状を有する。
【0107】
例示的な実施形態では、線形アクチュエータ520は結腸洗浄器550を結腸鏡501に連結し、結腸鏡501に対する洗浄器550の動作を可能とする。アクチュエータ520は、結腸鏡501を静止した様態で接続するためのコネクタを有する。任意選択的に、静止コネクタはバンド521、スナップイン接合、溶接、糊、又は他の静止取付けのための方法である。
【0108】
任意選択的に、アクチュエータ520は結腸鏡501と摺動的に接続するための別のコネクタ、例えば、第2のバンド526、レール、らせん状トラック、又は他の好適なコネクタを有する。任意選択的に、バンド526と結腸鏡501との間の摩擦力は容易に克服され、使用中にバンド526の摺動動作を可能とする。例えば、バンド526を摺動させるために、バンド526は半円形であり、かつ/又はバンド526によって及ぼされる半径方向の力は弱い。任意選択的に、バンド526は、摺動動作中に結腸洗浄器装置に追加の安定性を与える。あるいは、バンド526は用いられない。
【0109】
任意選択的に、アクチュエータ520の線形動作は、患者の体外から遠隔的に制御機構によって制御される。制御機構は、例えば、ケーブルジャケット523Aと同軸の(例えばケーブルジャケット523A内の)ケーブルドライバ523Bである。任意選択的に、ケーブル523Bはアクチュエータ520の移動可能コンポーネント(例えば、第2のバンド526)に連結される。任意選択的に、ジャケット523Aは、アクチュエータ520の静止コンポーネント(第1のバンド521)に連結される。ケーブル523Bは静止ジャケット523A内で順方向及び/又は逆方向に変位されてもよく、それによってアクチュエータ520の移動可能コンポーネントを線形的に変位させる。制御は、例えば、ケーブル523B及び/もしくはジャケット523Aに連結された線形アクチュエータモータによって、かつ/又はケーブル523Bをジャケット523Aに対して操作者が手動で引きかつ/もしくは押すことによって与えられてもよい。別の例では、アクチュエータ520の動きはらせん状トラックを内部ねじに対して回転させるモータによって制御される。更に別の例では、アクチュエータ520の動きは、モータが線形トラックに対して押すこと、引くこと、及び/又は転がすことで制御される。
【0110】
任意選択的に、結腸洗浄器550は、洗浄器550の線形動作を可能とするように、線形アクチュエータ520に連結される。
【0111】
任意選択的に、結腸洗浄器550は、結腸内に洗浄液を送達する流入口と、結腸から汚物を除去するための物質排出部と、の2つの部分を含む。
【0112】
任意選択的に、洗浄液を注入するためのジェットヘッド510は静止状態で端部分502に、例えば、バンド511を用いて、連結される。あるいは、ジェットヘッド510は、線形動作を可能とするために、線形アクチュエータ520に連結される。
【0113】
任意選択的に、ジェットヘッド510は、1つ以上の流体管512を通って、洗浄液の外部源と流体連通する。
【0114】
任意選択的に、物質除去管ヘッド524は、線形動作を可能とするために線形アクチュエータ520に連結される。あるいは、除去ヘッド524は結腸鏡550に対して定位置に連結される。ヘッド524は、1つ以上の物質除去管522を介して汚物リザーバと流体連通する。
【0115】
結腸鏡501は、その遠位端部分502でステアリングセグメント503を任意選択的に備える。使用中、ステアリングセグメント503は操作者の制御の下の方向に曲がり、まがりくねった結腸を通って結腸鏡501をナビゲートする。結腸鏡501の端部分502に対して近位の領域を、本明細書では挿入管504という。
【0116】
任意選択的に、線形アクチュエータ520はステアリングセグメント503に対して近位に位置する。例えば、端502から約10〜15cm、又は約15〜20cm、又は約5〜10cmで近位である。任意選択的に、線形アクチュエータ520は、装置550を尖端502まで、又は尖端502を越えて、例えば、約5〜10cm、又は約10〜15cm、又は約15〜20cm、又は約20〜30cmの距離で変位させるのに十分な長さである。
【0117】
図示のように、洗浄器550はステアリングセグメント503に対して近位に位置する。
【0118】
次に
図5Bを参照するが、これは洗浄器550の、線形アクチュエータ520を用いた、
図5Aの位置から結腸鏡501に対する部分的な遠位変位の概略図である。使用中、ケーブルドライバ523Bは外部線形アクチュエータによって遠位に変位され(矢印560参照)、洗浄器550を遠位に変位させる。
【0119】
図示のように、洗浄器550はステアリングセグメント503に対して遠位に、及び尖端502に対して近位に位置する。
【0120】
次に
図5Cを参照するが、これは洗浄器550の、
図5Aの位置から結腸鏡501に対する完全な遠位変位を示す概略図である。物質出力管開口部524が、今は尖端502の近くに位置している。
【0121】
次に
図5Dを参照するが、これは結腸570内の、
図5Aの結腸洗浄器550、線形アクチュエータ520、及び結腸鏡501の概略図である。矢印572は、(端502に位置する)ジェットヘッド510から注入された流体の流れであって、近位方向に流れ、また、ステアリングセグメント503に対して近位に位置する物質除去開口部524内まで(かつ次いで結腸外に)流れる流れを示す。任意選択的に、遠位から近位の流体流は、結腸鏡の視覚センサに近接する結腸部分の洗浄を改善する助けとなる。
【0122】
次に
図6Aを参照するが、これは、本発明の例示的な実施形態に係る、結腸洗浄装置602であって、結腸鏡604に連結された時に全体の直径を減少させる大きさを有するジェットヘッド631を有し、その結果、組み合わされたジェットヘッド631と結腸鏡604とが患者の結腸に、肛門括約筋を通って進入させられることによって進入することができる結腸洗浄装置602の概略図である。
【0123】
例示的な実施形態では、ジェットヘッド631は結腸鏡604の外面周り、任意選択的に遠位端部分周りに部分的に嵌る形状を有する、内面を有する。内面は、例えば、端部分の外周の約180度、又は約30〜60度、又は約60〜90度、又は約90〜120度、又は約120〜150度、又は約150〜180度、又は約180〜210度、又は約210〜240度、又は約240〜270度に亘って接触する。任意選択的に、直径の全長は、結腸鏡の、外周全体ではなく、外周の一部のみを大きくすることによって減少される。
【0124】
内面の弧の長さは、例えば、ジェット開口部の数、及び/又はジェットの位置に応じて選択されてもよい。例えば、単一ジェットの構成では、1つのジェットを収容するのに約30〜60度の弧の長さが十分であり得る。例えば、3つの、それぞれ異なる方向に向いているジェットが用いられる場合は、ジェット構成を収容するのに十分な弧の長さを選択してもよい、例えば、約150〜180度のものが選択されてもよい。
【0125】
ジェットは、望ましい効果を得る、例えば、結腸内で流体に渦を巻かせるように、結腸鏡を洗浄するように、かつ/又は結腸内の糞便を分解するのを助けるように、配置されてもよい。例えば、ジェットは順方向に向けられて、結腸鏡の前で噴霧するようにしてもよい。ジェットは、結腸の周囲に噴霧するために、外側に向けられてもよい。ジェットは焦点に向けられてもよく、いくつかの焦点に向けられてもよく、又は実質的な焦点がないように向けられてもよい。ジェットは互いに交差するように向けられてもよい。ジェットの例示的な構成の追加の詳細は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0126】
内面は、様々な直径、例えば、13.6ミリメートル(mm)、14.0mm、14.7mm、又は市販の既製の結腸鏡の他の大きさの結腸鏡の周囲にちょうど良く嵌るように、設計される。
【0127】
ジェットヘッド631は結腸鏡604の外径に沿ってどこに位置してもよく、例えば、約0時(すなわち、真正面(face on view))、又は約3時、又は約6時、又は約9時、又は他の中間の場所で、中心を合わされて位置してもよい。
【0128】
1つ以上の管632A及び632Bが、ジェットヘッド631を洗浄液の外部源と接続する。管632A及び632Bは、ジェットヘッド631内の任意のマニホールド633につながる。洗浄液は、1つ以上のジェット開口部634A〜634Cを介して外に噴霧される(640)。任意選択的に、マニホールド633は開口部634A〜634Cを互いに流体連通させ、開口部634A〜634Cを通る圧力及び/又は流体流を均等化してもよい。任意選択的に、各ジェット開口部はあらかじめ選択された方向に向き、結腸内の糞便を分解しかつ/又は溶解する噴霧構成を提供する。
【0129】
図6Bは、
図6Aの結腸洗浄装置及び結腸鏡を逆方向から見た概略図である。
【0130】
装置602は、洗浄手順前及び/又は最中に結腸を膨らますための圧力ガスを供給する、任意選択的なガス流入口639を有する。流入口639は、1つ以上のガス管650を介して、外部ガスリザーバと流体連通する。好適なガスの例としては、空気又は二酸化炭素が挙げられる。
【0131】
図6Cは
図6Aの結腸鏡の遠位部分の拡大図であり、ジェットヘッド631の内部マニホールド633を示す。
【0132】
任意選択的に、ジェットヘッド631の遠位部分は結腸鏡の中心に向かって角度を有する。任意選択的に、角度を有することによって、組み合わされたジェットヘッド631と結腸鏡604とが肛門括約筋を通過しやすくなり得、かつ/又は、結腸を案内しやすくなり得る。
【0133】
図6Dは、
図6Aの結腸鏡の遠位部分の、ジェット開口部634を通る断面部分を有する拡大図である。任意選択的に、ジェット634Bから出る洗浄液は流入管によって、マニホールド633を介して提供される。
【0134】
次に
図7Aを参照するが、これは、1つ以上のストッパ745Cによってその位置に留められている、1つ以上の細断ばね746を有する結腸洗浄装置740の概略図である。ストッパ745は、装置740の開口部743A外へのばね動作(例えば、動作中の伸張及び/又は順方向変位)を防止するか、又は低減するように配置される。任意選択的に、ストッパ745Cは結腸壁への損傷を防止するか、又は低減する。
【0135】
任意選択的に、ばね746は糞便を細断するように配置され、例えば、糞便粒子は内側コイルの回転動作中に細断される。代替として又は追加で、ばね746のらせん状に配置されたコイルの回転動作は、糞便を体外に排出する助けとなる。例示的なばねの追加の詳細は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0136】
ばね746は、糞便及び流体を結腸外に排出するための排泄物排出管744の遠位端に位置する。
【0137】
ばね746の近位端748は、モータなどの外部動力源からトルクを伝達するために、可撓性ロッド747の遠位端に連結される。任意選択的に、ばね746は、ばね746がロッド747と一緒に回転するように、端748でロッド747に堅固に連結される。任意選択的に、ロッド747は管744内に位置する。任意選択的に、ロッド747は、トルクが患者の体外から、曲がりくねった結腸を通り、ばね746に伝達されてもよいように、可撓性である。
【0138】
ばね746の遠位端は、ロッド745Aの近位端に連結される。任意選択的に、ロッド745Aはばね746の位置を維持するのを助けるために剛性である。任意選択的に、ロッド745Aは装置740の長軸に略沿って配置される。任意選択的に、ロッド745Aは装置740の遠位端742に連結される。
【0139】
任意選択的に、ロッド745Aの遠位端は、装置740の遠位端に、場所742Bにて(例えば、糊、溶接、密接な摩擦嵌入、及び/又は他の好適な方法を用いて)堅固に連結され、ロッド745Aの近位端はばね746の遠位端に、ベアリングによって連結されて、ばね746が静止ロッド745Aに対して回転できるようにする。任意選択的に、ベアリングは、ばね746が伸張及び/又はストッパ745Cを越えて遠位に移動することができないように、ストッパ745Cとして作用する。
【0140】
あるいは、ロッド745Aの遠位端は、装置740の遠位端に、場所742Bにて(例えば、ベアリング又は他の方法で)自由に連結され、ロッド745Aの近位端はばね746の遠位端に堅固に連結されている結果、ばね746がロッド745Aと一緒に回転する。任意選択的に、堅固な連結がストッパ745Cとして作用する。
【0141】
任意選択的に、ロッド745Aはばねの遠位端を、排出管744の長手方向軸に対して略同軸の位置に維持する。
【0142】
任意選択的に、ばね746の連結された遠位端及び近位端の間の領域が糞便を細断し、かつ/又は、装置740の遠位端から糞便を除去する。
【0143】
任意選択的に、装置740の遠位端742は、結腸からの糞便が装置740の内部に進入する大きさの、1つ以上の開口部743Aを有する。任意選択的に、開口部743Aはばね746と同軸に位置する。任意選択的に、ばねと窓部との平行な配置はさらなる安全機能として作用することにより、ばねが窓部を通って出ていき、結腸を損傷するリスクを低減する。異なる窓部の構成の追加の詳細は、例えば、
図1を参照して、本明細書に記載されているとおりである。
【0144】
図7Bは、
図7Aの洗浄装置の斜視図である。結腸洗浄装置ヘッド742は、ばね746及び/又は装置740に対して同軸に配置される、2つの窓部743A及び743Bを有する。よりはっきりとばね746と連結場所748とを示すために、図からは管744の近位部分を省いている。
【0145】
図8Aは
図7Aの洗浄装置の斜視図であり、例えば、外部モータによって与えられる、ばね746を回転するためのロッド747を介して印加されたトルク802の方向を示す。任意選択的に、トルクは、ばねのらせん状に配置されたコイルの回転動作によって、結腸から排泄物を移送するのを助ける方向に適用される。順方向動作及び/又は逆方向動作もまた、適用されてもよい。
【0146】
図8Bは
図7Aの洗浄ヘッドの断面斜視図であり、印加されたトルク802の方向を示す。
【0147】
図8Cは、
図7Aの洗浄ヘッドの断面側面図である。
【0148】
図8Dは、
図7Aの洗浄ヘッドの断面前面図である。
【0149】
図8Eは、
図7Aの洗浄ヘッドの断面上面図である。
【0150】
次に、本発明の例示的な実施形態に係る、例示的な結腸洗浄システム900を参照する。システム900は、上述の1つ以上の実施形態の可能な異なる組み合わせを含有し得る。
【0151】
システム900は、1つ以上の任意選択的なコンポーネントを含有する:
除去された糞便及び/又は流体を保管するための汚物貯蔵部902。任意選択的な吸引器が結腸外に汚物を能動的に運搬するために、貯蔵部902と流体連通する。貯蔵部902は、例えば、1つ以上の物質排出管によって、洗浄装置914と流体連通する。
【0152】
結腸を洗浄するための流体を提供する、洗浄液源904。流体源904はジェットヘッド906と、例えば1つ以上の管によって流体連通する。
【0153】
任意選択的に、乳剤作製素子924は流体源904と流体連通する。任意選択的に、乳剤素子924はジェットヘッド906と流体連通し、例えば流体源904とジェットヘッド906との間に位置する。乳剤素子924は、任意選択的に1つ以上のあらかじめ選択されたガス泡パラメータにしたがって、ガス泡を洗浄液に混合して乳剤を作製する。ガスは、室内気及び/又はカニスタから得られてもよい。任意選択的に,乳剤は結腸セグメント内に、例えば、本明細書に記載するように、ジェットヘッド906を介して注入される。乳剤作製素子924の追加の詳細は、
図11を参照して記載される。
【0154】
結腸内に位置するコンポーネントを動かすための動力を提供するトルク及び/又は動力源908(例えばモータ)。
【0155】
汚物貯蔵部902、動力源908、洗浄液源904、結腸鏡912、乳剤素子924、及び/又は他の本明細書に記載されるコンポーネントの1つ以上の機能を少なくとも制御する、コントローラ910。コントローラ910は、自動(ソフトウェアベース及び/又はハードウェアベース)及び/又は手動制御を可能とし得る。
【0156】
任意選択的に、結腸鏡912は既製の結腸鏡、例えば、結腸内視鏡検査を実行するために胃腸科の医師によって一般的に用いられるものであってもよい。
【0157】
1つ以上のコンポーネント、例えば、貯蔵部902、動力源908、流体源904、及び/又はコントローラ910は、ワークステーションに一体化されてもよい。ワークステーションは、例えば、本明細書で上述したように、1つ以上の管及び/又はケーブルを用いて、洗浄装置に付随していてもよい。
【0158】
例示的なコンポーネント及び/又はワークステーションの追加の詳細は、例えば特許文献1に記載される。
【0159】
任意選択的に、結腸洗浄装置914は、例えば本明細書に及び/又は
図5A〜
図5Dを参照して説明したように、結腸鏡912に、線形アクチュエータ916を用いて摺動可能に連結される。任意選択的に、ジェットヘッド906は、例えば、本明細書に及び/又は
図6A〜
図6Dを参照して説明したように、結腸鏡912の外周の一部に連結される。任意選択的に、洗浄装置914のヘッドは、例えば本明細書に、並びに/又は
図1、
図2A〜
図2F、
図3、及び/又は
図4A〜
図4Dを参照して説明したように、1つ以上の分解素子918を含有する。任意選択的に、作動機構922は(本明細書に及び/又は
図1を参照して説明したように)、分解素子918が洗浄装置ヘッドの長手方向軸周りに回転して糞便を切断して通るように、分解素子918を作動させて洗浄装置ヘッド内でスイープ変位を実行する。任意選択的に、デバイス914は、例えば、本明細書に、並びに/若しくは
図7A〜
図7B及び/又は
図8A〜
図8Eを参照して説明したように、1つ以上の細断ばね920を含む。
【0160】
使用中、洗浄装置914に連結される結腸鏡912は、結腸を、肛門括約筋を通って進入する。あるいは、装置914のみが進入する。任意選択的に、医師が、結腸鏡912に対する装置914の位置を、線形アクチュエータ916を用いて、選択する。流体源904からの流体が、ジェットヘッド906上の開口部によって結腸内に注入される。糞便は、開口部を通って装置914に進入する。任意選択的に、分解素子918は装置914の遠位端にある糞便をより小さな片に切断する。切断された糞便は(任意選択的な吸引器を用いて)近位に運搬され、ばね920によって更により小さな片に任意選択的に細断される。細かく砕かれた糞便は体外に排出されて貯蔵部902に入れられる。
【0161】
次は
図10を参照するが、これは本発明の例示的な実施形態に係る、乳剤を投与することで患者の結腸セグメントを洗浄する方法である。また、
図11をも参照し、これは本発明の例示的な実施形態に係る、
図10の方法の乳剤を作製する例示的なシステム1100の概略図である。
図11は、
図9の乳剤素子924の例示的な実施である。任意選択的に、乳剤は、結腸セグメントにおける糞便の分解を、ガス泡を有しない洗浄液を用いて分解することに比べて、向上させる。代替として又は追加で、乳剤の気泡から放出されるガスは、汚物が肛門括約筋から漏れるのを低減するか、又は防止する。ガスは、漏れの代わりに、排出管を通して汚物が除去されるように導いてもよい。任意選択的に、上記方法は例えば、
図9を参照して記載される結腸洗浄システム900によって実行され、かつ/又は、乳剤を作製する上記システムは当該結腸洗浄システム900と統合される。
【0162】
システム1100は、ガス源1104及び液体源1106の流れを制御する流れ制御機構1102を有する。任意選択的に、ガスと液体は機構1102を別々に流れ、下流位置1108、例えば、ガス管と液体管が1つの管に合流するところで混合して乳剤を作製する。機構1102は、例えば、Baoding Longer Precision Pump Co.,Ltdより入手可能の、モデルWT600−2J(商標)の、ぜん動ポンプである。
【0163】
任意選択的に、気流メータ1110は、空気管を通る気流の速度を示す信号を生成する。
【0164】
任意選択的に、空気圧センサ1112は、気流管内の圧力を示す信号を生成する。
【0165】
任意選択的に、一方向バルブ1114、例えば逆止弁は、混合位置1108よりも手前で、空気管と流体連通する。バルブ1114は、水が混合位置1109以外の場所で空気管に進入しないことを確実にする助けとなってもよい。
【0166】
追加のガスと液体を混ぜる例示的なシステムは、例えば、特許文献1に記載される。
【0167】
任意選択的に、1002では、1つ以上の気泡パラメータがあらかじめ、例えば医師によって手動で、及び/又はソフトウェアによって自動的に選択される。パラメータの例としては、以下を含む:
*気泡内のガスの種類:例えば、空気、二酸化炭素、又は患者内に注入するのに安全な他のガス。二酸化炭素は、この手順に係る患者の不快さを緩和し得る。
【0168】
*気泡の平均サイズ及び/又は分布サイズ。例えば、気泡が洗浄液の表面に浮かび上がって表面で破裂するように、大きな気泡サイズが選択されてもよい。例えば、約0.1mm〜約1mm、又は約0.01mm〜約0.1mm、又は他のサイズの平均サイズ。破裂のエネルギーは、糞便に小さな穴及び/又は亀裂が入ることで、糞便を分解し得、かつ/又は少なくとも糞便を弱まらせ得る。放出されたガスは結腸内での圧力を上昇させる。別の例では、気泡が洗浄液内で溶解するように、小さな気泡サイズ(例えば、マイクロ気泡)が選択されてもよい。例えば、約1〜1000ナノメートル、又は約1〜100マイクロメートル、又はより小さいサイズ、中間のサイズ、若しくはより大きいサイズである。気泡の大きさは、乳剤と、外部リザーバから結腸セグメントに乳剤を送達する管との間の摩擦を相対的に低減させ得る。低減された摩擦は、ガス泡を含まない洗浄液を送達する管と比べて、比較的より小さい管の使用を可能とし得る。
【0169】
*ガス泡の洗浄液に対する比率、例えばガスの体積に対する洗浄液の体積、洗浄液の単位毎のガス泡の数、又は他の比率。
【0170】
任意選択的に、1004では、乳剤は洗浄液と選択されるガスとで作製される。任意選択的に、乳剤は、あらかじめ選択された気泡パラメータにしたがって、ガス泡を有して作製される。制御は、例えば、ぜん動ポンプ1102の速度、気流管、液体管、及び/又は(乳剤を送達する)患者挿入管の直径、ガス圧、並びに/若しくは他のパラメータによって制御されることで実行される。
【0171】
1006では、乳剤が結腸セグメントに投与される。任意選択的に、乳剤は結腸セグメント内の糞便に向けて注入される。代替として又は追加で、乳剤は結腸セグメントの体腔内に、具体的に糞便に向けられることなく投与される。
【0172】
1008では、乳剤内の気泡によって放出されたエネルギーが糞便を分解する。例えば、気泡が破裂することでショック波が送出され、糞便を分解し、かつ/又は糞便がより容易に分解できるように糞便の構造を弱まらせる。
【0173】
任意選択的に、1010では、気泡から結腸セグメントの体腔に放出されたガスが結腸の周囲圧力を上昇させる。任意選択的に、結腸に放出されたガスが吹き込まれる。結腸鏡及び/又は洗浄装置の操作者は、吹き込まれた結腸セグメントの壁を見えるようにすることができる。
【0174】
任意選択的に、1012では、分解された糞便は結腸セグメントから除去される。任意選択的に、糞便は結腸セグメントから真空源に接続される管によって除去される。
【0175】
任意選択的に、結腸セグメント内の周囲圧力の上昇(ブロック1010)は、結腸セグメント内の結腸洗浄装置に連結されるセンサによって検出される。任意選択的に、圧力の上昇は真空源を自動的にアクティブ化して、汚物が自動的に除去されるようにする。このようにして、操作者の視界は結腸が洗浄されるにつれて増大し得る。
【0176】
代替として又は追加で、結腸セグメント内の周囲圧力の上昇は、肛門括約筋から排液が漏れるのを低減させる助けとなる。代わりに、排液は出力管を介して除去され得る。管を介した汚物の選択的な除去は、結腸セグメントと真空源との間の圧力勾配が、結腸セグメントと室圧との間の圧力勾配よりも高いことによって、引き起こされてもよい。
【0177】
次に
図12に注目し、これは本発明の例示的な実施形態に係る、患者1202から制御されて排泄物を除去する(矢印で示す方向)ための例示的なシステム1200である。1つ以上の圧力センサ1204A及び1204Bは、患者1202の結腸セグメント内の圧力、例えば、周囲ガス圧を示す信号(電気的及び/又は機械的信号)を生成する。ドライバ1206がセンサ1204によって生成された信号を受信し、ガス圧に応じて吸引器源1208を制御する。例えば、ガス圧が安全な閾値を越えていれば、真空源1208は、圧力を低下させるために結腸セグメントから汚物を除去するように、アクティブ化される。排泄物は任意選択的な容器1210に除去される。吸引器源1208は、例えば、Baoding Longer Precision Pump Co.,Ltd.より入手可能な、モデルWT600−2J(商標)のぜん動ポンプである。
【0178】
任意選択的な真空センサ1212は、排泄物除去管内の真空圧を示す信号(電気的及び/又は機械的信号)を生成する。センサ1212は任意選択的なバルブ1214、例えば、安全コントロールとして作用するピンチバルブと連通する。例えば、センサ1212が、真空圧が安全閾値よりも高いと検知した場合は、ピンチバルブ1214は真空圧を解放するために開き、圧力を安全なレベルに戻す。
【0179】
結腸セグメント内の圧力を自動的に検出して制御するシステム及び方法の追加例は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0180】
図10に戻り、任意選択的に、1014では、処理が繰り返される。任意選択的に、処理は調節される。例えば、気泡選択パラメータ(ブロック1002)は、手順の段階及び/又は糞便の粘度によって調節されてもよい。例えば、異なる気泡パラメータは、多種多様の硬さを有する糞便を分解するための多種多様の量のエネルギーを送出し得る。別の例では、結腸を膨らませるのに第1の気泡パラメータを選択してもよく、結腸の吹込みを維持するために第2のパラメータを選択してもよい。
【0181】
この出願から成熟する特許の期限中に、多くの関連する結腸洗浄装置及び/又は結腸鏡が開発されることが期待されており、用語「結腸洗浄装置」及び「結腸鏡」の範囲は、それら新しい技術全てを先験的なものとして含むように意図される。
【0182】
本明細書に用いられるように、用語「約」は±10%を指す。
【0183】
用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」及びそれらの活用形は、「含むがそれに限定されない」を意味する。
【0184】
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それに限定される」を意味する。
【0185】
「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、組成、方法、または構造が、追加の成分、ステップ、および/または部分を含んでもよいが、それは追加の成分、ステップ、および/または部分が特許請求に記載の組成、方法、または構造の基礎および新規の特徴を実質的に変えることがない場合に限られることを意味する。
【0186】
本明細書に用いられるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が別段規定しない限りは複数形をも含む。例えば、用語「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含む、複数の化合物を含み得る。
【0187】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は単に便宜上及び簡潔さのためであり、本発明の範囲の確固たる限定として捉えられるものではない。したがって、範囲の説明では、全ての可能な部分的範囲に加えて、その範囲内の個別の数値をも具体的に記載していると考慮されるべきである。例えば、1〜6などの範囲の説明は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの部分的範囲、並びに、例えば1、2、3、4、5、及び6の、範囲内の個別の番号を具体的に開示しているように考慮される。これは、範囲の幅広さに関係なく、適用される。
【0188】
本明細書に数値範囲が示される時は、その示された範囲内の任意の引用される数字(分数又は整数)を含むように意味する。第1の示される数字と第2の示される数字「との範囲/との間の範囲」、及び第2の示される数字「〜」第2の示される番号「までの範囲」は、本明細書では入替可能に用いられており、第1及び第2の示された数字及びその間の全ての小数及び整数を含むように意味する。
【0189】
本明細書に用いられるように、用語「方法」は、所定のタスクを実現するための、化学、薬学、生物学、バイオ科学、及び医療分野の当業者に周知の様態、手段、技術及び手順、又は周知の様態、手段、技術及び手順から容易に開発される、様態、手段、技術及び手順を指す。
【0190】
本明細書に用いられるように、用語「処置」は、状態の進行を廃棄する、実質的に阻止するか、遅めるか、又は逆行させる、状態の臨床又は審美的症状を実質的に改善する、若しくは状態の臨床又は審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0191】
明確性のために別々の実施形態の内容で記載される本発明の特定の特徴は、1つの実施形態内で組み合わされて提供され得るように、理解されるものとする。逆に、簡潔さのために1つの実施形態の内容で記載される本発明の様々な特徴もまた、別々に、又は任意の好適なサブコンビネーションとして、又は本発明の他の任意の記載される実施形態内にて、提供されてもよい。様々な実施形態の内容で記載される特定の特徴は、その実施形態がそれら要素なしでは運用不能でない限りは、それらの実施形態での必須の特徴としては捉えない。
【0192】
本発明はその具体的な実施形態と併せて説明されているが、当業者であれば多くの代替、変更及びバリエーションが想定され得ることは明らかであろう。したがって、添付の請求の範囲の精神及び広い範囲内の全てのこのような代替、変更及びバリエーションを包含するように意図される。
【0193】
本明細書にて言及される文献、特許及び特許出願は、それぞれの文献、特許、又は特許出願が具体的に且つ個別に本明細書に参照によって援用されると示された場合と同じ度合いで、その全体が本明細書に参照によって援用される。それに加えて、本出願におけるいかなる参照文献の引用又は特定も、本発明に対する従来技術として利用可能であることを自認するものとして理解されないものとする。セクションの見出しがが用いられる範囲では、それらが必ずしも限定的であるように捉えられるものではない。