特許第6487030号(P6487030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6487030複数のブランキング期間の間の時間のみ、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信する医療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487030
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】複数のブランキング期間の間の時間のみ、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信する医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/368 20060101AFI20190311BHJP
   A61N 1/37 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   A61N1/368
   A61N1/37
【請求項の数】15
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-505812(P2017-505812)
(86)(22)【出願日】2015年7月30日
(65)【公表番号】特表2017-522980(P2017-522980A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】US2015042940
(87)【国際公開番号】WO2016022395
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年2月22日
(31)【優先権主張番号】62/033,998
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/033,932
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/033,978
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/034,017
(32)【優先日】2014年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/812,844
(32)【優先日】2015年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マイレ、キース アール.
(72)【発明者】
【氏名】ケーン、マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒュールスカンプ、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ジュファー、ランス イー.
(72)【発明者】
【氏名】スターマン、ジェフリー イー.
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0109236(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0172104(US,A1)
【文献】 米国特許第05591214(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0127959(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36 − 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を通して植込み型リードレス心臓ペースメーカーとメッセージを通信するための通信モジュールと、
前記通信モジュールに動作可能に接続されたコントローラとを含み、前記コントローラは、
複数の内因性心拍を特定し、
特定された各内因性心拍の発生後に、受信された通信信号を無視する通信ブランキング期間を提供し、
複数の前記通信ブランキング期間の間の時間のみ、前記通信モジュールを介して前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するように構成される医療装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療装置において、前記医療装置は前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信する医療装置。
【請求項3】
請求項2に記載の医療装置において、前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、前記コントローラは前記通信モジュールを介して生体組織を通した複数の通信パルスを提供するように構成され、前記通信パルスの各々は心臓の捕捉閾値を下回っている医療装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療装置において、前記通信パルスは二相通信パルスである医療装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の医療装置において、前記コントローラはさらに、
生体組織を通して送達された時に心臓を捕捉しない通信パルスのパルス振幅とパルス幅とについての少なくとも一つの組み合わせを決定し、
パルス振幅とパルス幅とについて決定された少なくとも一つの前記組み合わせを有する複数の前記通信パルスを、前記通信モジュールを介し、生体組織を通して提供するように構成される医療装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療装置において、前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、前記コントローラは伝導通信によって前記通信モジュールを介して前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーに、所定の長さの一つ以上のメッセージを通信するように構成される医療装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の医療装置において、前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、前記コントローラは前記通信モジュールを介して前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーに、第一メッセージを通信するように構成される医療装置。
【請求項8】
請求項7に記載の医療装置において、前記コントローラが伝導通信を介して前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーに第一メッセージを通信している間に内因性心拍が発生した場合、前記医療装置は第一通信ブランキング期間を提供し、前記第一通信ブランキング期間の満了後に、前記通信モジュールを介して前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーに前記第一メッセージを再送信するように構成される医療装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の医療装置において、前記植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するため、前記コントローラはさらに、前記第一メッセージに応答して、伝導通信によって前記通信モジュールを介して第二メッセージを受信するように構成される医療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の医療装置において、前記コントローラが前記第一メッセージの送信後の所定期間内に、前記通信モジュールを介して前記第二メッセージを受信することができなかった場合、前記コントローラはさらに、伝導通信によって前記通信モジュールを介して前記第一メッセージを再送信するように構成される医療装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の医療装置において、前記コントローラはさらに、
複数のペーシングパルスを特定し、
各ペーシングパルスの発生後に通信ブランキング期間を提供するように構成される医療装置。
【請求項12】
請求項11に記載の医療装置において、前記コントローラはさらに、
各内因性心拍の後に第一通信ブランキング期間を提供するとともに、
各ペーシングパルスの後に第二通信ブランキング期間を提供するように構成され、前記第二通信ブランキング期間は前記第一通信ブランキング期間よりも長い医療装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の医療装置において、前記医療装置は植込み型医療装置である医療装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の医療装置において、前記医療装置は植込み型除細動器(ICD)である医療装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の医療装置において、前記医療装置は外部医療装置である医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は一般に、医療装置に関するものであり、より具体的には、マルチデバイスシステムにおける複数の装置間の通信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペーシング器具は、患者の身体に十分な量の血液を送達するための心臓の機能の低下を引き起こし得る、様々な心臓の状態を有する患者を治療するために使用することができる。このような心臓の状態は、急速で不規則な、または非効率的な心臓の収縮をもたらし得る。このような状態の緩和を支援するため、様々な装置(例えばペースメーカー、除細動器等)を患者の体内に移植することができる。このような装置は心臓のより正常で効率的な、またはより安全な動作を支援するため、心臓を監視し、心臓に電気刺激を提供することができる。いくつかの場合において、患者は身体の他の部分を治療するための装置を含む、複数の植込み型装置を有する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願はこれに鑑み、患者内の複数の植込み型装置を用いて異常な心臓活動の治療を調整するためのシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
複数の植込み型医療装置には、例えばペースメーカー、除細動器、診断装置、および必要に応じて他の任意の適切な植込み型装置の少なくとも一つが含まれ得ると考えられる。複数の植込み型装置は、例えば装置間で通信パルスを送信することによって互いに通信することができる。いくつかの実施形態において、第一の装置は第二の装置に対して、いくつかの非限定的な例として第二装置の一つ以上のデータ記憶モジュールにデータを書き込み、第二装置の一つ以上のデータ記憶モジュールからデータを読み出し、第一装置に応答メッセージを送り返し、第二装置のためのアドレスを設定し、あるいは第二装置をリセットするためのメッセージを形成する通信パルスを使用することができる。本願においては、他のメッセージやメッセージ機能も企図される。
【0005】
第一の実施形態において、医療装置は、生体組織を通して植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するための通信モジュールと、通信モジュールに動作可能に接続されたコントローラとを含む。コントローラは、複数の内因性心拍およびペーシングパルスの少なくとも一方を特定し、各内因性心拍の発生および各ペーシングパルスの発生後にブランキング期間を提供し、複数のブランキング期間の間の時間のみ、通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するように構成される。
【0006】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置は植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信することができる。
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、コントローラは通信モジュールを介して生体組織を通した複数の通信パルスを提供するように構成することができ、通信パルスの各々は心臓の捕捉閾値を下回っている。
【0007】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、通信パルスは二相通信パルスである。
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラはさらに、生体組織を通して送達された時に心臓を捕捉しない通信パルスのパルス振幅とパルス幅とについての少なくとも一つの組み合わせを決定し、パルス振幅とパルス幅とについて決定された少なくとも一つの組み合わせを有する複数の通信パルスを、通信モジュールを介し、生体組織を通して提供するように構成することができる。
【0008】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、コントローラは伝導通信によって通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに、所定の長さの一つ以上のメッセージを通信するように構成することができる。
【0009】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信するため、コントローラは通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに、第一メッセージを通信するように構成することができる。
【0010】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラが伝導通信を介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに第一メッセージを通信している間に内因性心拍が発生した場合、医療装置は第一ブランキング期間を提供し、第一ブランキング期間の満了後に、通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに第一メッセージを再送信するように構成することができる。
【0011】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラが伝導通信を介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに第一メッセージを通信している間にペーシングパルスが発生した場合、医療装置は第二ブランキング期間を提供し、第二ブランキング期間の満了後に、通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーに第一メッセージを再送信するように構成することができる。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0012】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するため、コントローラはさらに、第一メッセージに応答して、伝導通信によって通信モジュールを介して第二メッセージを受信するように構成することができる。
【0013】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラが第一メッセージの送信後の所定期間内に、通信モジュールを介して第二メッセージを受信することができなかった場合、コントローラはさらに、伝導通信によって通信モジュールを介して第一メッセージを再送信するように構成することができる。
【0014】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラはさらに、各内因性心拍の後に第一ブランキング期間を提供するとともに、各ペーシングパルスの後に第二ブランキング期間を提供するように構成することができる。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0015】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置は植込み型医療装置である。
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置は皮下植込み型除細動器(S−ICD)である。
【0016】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置は外部医療装置である。
別の実施形態では、複数の医療装置間で通信する方法において、複数の医療装置の少なくとも一つは植込み型医療装置であり、心臓電気信号を検出する工程と、内因性心拍の発生を特定する工程と、各内因性心拍の発生後にブランキング期間を提供する工程と、ブランキング期間中を除いて、第一の医療装置と第二の医療装置との間の通信を許容する工程とを含む。
【0017】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかは、ペーシングパルスの発生を特定する工程と、各ペーシングパルスの発生後にブランキング期間を提供する工程とをさらに含むことができる。
【0018】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置および第二の医療装置の両方が植込み型医療装置である。
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置と第二の医療装置との間の通信は、身体組織を通した伝導通信を含む。
【0019】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、各内因性心拍の発生および各ペーシングパルスの発生後にブランキング期間を提供することは、各内因性心拍の発生後に第一ブランキング期間を提供するとともに、各ペーシングパルスの発生後に第二ブランキング期間を提供することを含み、第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0020】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置と第二の医療装置との間の通信は、所定の長さの一つ以上のメッセージを通信することを含む。
【0021】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置と第二の医療装置との間の通信は、伝導通信を介して第一の医療装置から第二の医療装置に第一メッセージを通信することを含む。
【0022】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置が伝導通信を介して第一の医療装置から第二の医療装置に第一メッセージを送信している間に内因性心拍が発生した場合、第一ブランキング期間を提供し、第一ブランキング期間の満了後に第一メッセージを再送信する。
【0023】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置が伝導通信を介して第一の医療装置から第二の医療装置に第一メッセージを送信している間にペーシングパルスが発生した場合、第二ブランキング期間を提供し、対応する第二ブランキング期間の満了後に第一メッセージを再送信する。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0024】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置と第二の医療装置との間の通信は、第一メッセージに応答して、伝導通信を介して第二の医療装置から第一の医療装置に第二メッセージを送信することを含む。
【0025】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、第一の医療装置が第一メッセージの送信後の所定期間内に第二メッセージを受信することができなかった場合、第一メッセージを再送信する。
【0026】
さらに別の実施形態において、医療装置は、生体組織を通して植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するための通信モジュールと、通信モジュールに動作可能に接続されたコントローラとを含む。コントローラは、複数の内因性心拍を特定し、各内因性心拍の発生後にブランキング期間を提供し、複数のブランキング期間の間の時間のみ、通信モジュールを介して植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信するように構成される。
【0027】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラはさらに、複数のペーシングパルスを特定し、各ペーシングパルスの発生後にブランキング期間を提供するように構成することができる。
【0028】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置は植込み型皮下除細動器である。
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、通信モジュールは植込み型リードレス心臓ペースメーカーと伝導通信を介して通信する。
【0029】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、通信モジュールは生体組織を通した複数の通信パルスを提供することによって植込み型リードレス心臓ペースメーカーと通信する。通信パルスの各々は心臓の捕捉閾値を下回っている。
【0030】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、コントローラはさらに、各内因性心拍の後に第一ブランキング期間を提供するとともに、各ペーシングパルスの後に第二ブランキング期間を提供するように構成することができる。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0031】
さらに別の実施形態において、患者の心臓に電気刺激治療を送達するように構成された医療装置システムは、患者の心臓に電気刺激治療を送達するように構成された植込み型リードレス心臓ペースメーカーと、植込み型リードレス心臓ペースメーカーに通信可能に接続された医療装置とを含むとともに、内因性心拍を特定し、特定された内因性心拍の間以外の時間のみ、医療装置および植込み型リードレス心臓ペースメーカーの間の通信メッセージを開始するように構成される。
【0032】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置はさらに、ペーシングパルスを特定し、特定された内因性心拍および特定されたペーシングパルスの間以外の時間のみ、医療装置および植込み型リードレス心臓ペースメーカーの間の通信メッセージを開始するように構成される。
【0033】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置はさらに、特定された各内因性心拍および特定された各ペーシングパルスの後にブランキング期間を提供し、ブランキング期間中を除いて、医療装置および植込み型リードレス心臓ペースメーカーの間で通信メッセージが開始されることを許容するように構成することができる。
【0034】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置はさらに、特定された各内因性心拍の後に第一ブランキング期間を提供するとともに、特定された各ペーシングパルスの後に第二ブランキング期間を提供するように構成することができる。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0035】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置および植込み型リードレス心臓ペースメーカーの間でメッセージを通信している間に医療装置が内因性心拍を特定した場合、医療装置はさらに、第一ブランキング期間を提供し、第一ブランキング期間の満了後にメッセージを再送信するように構成される。
【0036】
追加的に、または代替的に、上述の実施形態のいずれかにおいて、医療装置および植込み型リードレス心臓ペースメーカーの間でメッセージを通信している間に医療装置がペーシングパルスを特定した場合、医療装置はさらに、第二ブランキング期間を提供し、第二ブランキング期間の満了後にメッセージを再送信するように構成される。第二ブランキング期間は第一ブランキング期間よりも長い。
【0037】
また、上述の方法はいずれも、上述の装置およびシステムのいずれかによって実行可能であるということを理解されたい。当然のことながら、上述の方法は、明示的に記載されていないがこれらの方法を実行する能力を有する装置やシステムによっても実行することができる。
【0038】
上記概要は、本願の各実施形態またはすべての実施形態を説明することを意図するものではない。添付の図面と併せて以下の説明および特許請求の範囲を参照することによって、本願のより完全な理解とともに、本願の利点および到達点が明らかとなるであろう。
【0039】
本願は添付の図面に関連する様々な例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を考慮することによって、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本願の一実施形態に従った、電極を有する例示的なリードレス心臓ペースメーカー(LCP)のブロック図である。
図2】本願の一実施形態に従った、例示的な医療検出装置のブロック図である。
図3】本願の一実施形態に従った、例示的なリードベース医療装置のブロック図である。
図4】本願の一実施形態に従った、例示的な外部医療装置のブロック図である。
図5】本願のいくつかの実施形態に従った、複数の医療装置を含むシステムの概略図である。
図6A】本願の一実施形態に従った、通信パルスを示す概略図である。
図6B】本願の一実施形態に従った、通信パルスを示す概略図である。
図6C】本願の一実施形態に従った、通信パルスを示す概略図である。
図6D】本願の一実施形態に従った、通信パルスを示す概略図である。
図7】本願のいくつかの態様に従った、パルス振幅対パルス幅の例示的なグラフである。
図8】本願の一実施形態に従った、通信パルスを生成するための例示的な回路の概略図である。
図9】本願の一実施形態に従った、通信パルスを受信するための例示的な回路の概略図である。
図10】本願の一実施形態に従った、医療装置によって互いに関連して送達される例示的な通信パルスを示す例示的なタイミング図である。
図11】本願の一実施形態に従った、例示的なコマンドメッセージ構造を示す図である。
図12】本願の一実施形態に従った、例示的な応答メッセージ構造を示す図である。
図13図1〜4に関連して説明される例示的な医療装置および医療装置システムのような、医療装置または医療装置システムによって実行可能な例示的な方法のフロー図である。
図14】本願の一実施形態に従った、例示的な応答メッセージの通信に関連した例示的なコマンドメッセージの通信を示す例示的なタイミング図である。
図15】本願の一実施形態に従った、心臓サイクルに関連した例示的なコマンドメッセージおよび応答メッセージの対の通信を示す例示的なタイミング図である。
図16図1〜5に関連して説明される例示的な医療装置および医療装置システムのような、医療装置または医療装置システムによって実行可能な例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本願は様々な修正形態および代替形態に従うものであるが、その特定の実施形態が図面に例として示され、詳細に説明されている。しかしながら、説明された特定の例示的な実施形態に本願の態様を限定する意図はないと理解されるべきである。むしろ、本願の意図および範囲に含まれるすべての修正形態、均等形態、および代替形態を包含することが企図される。
【0042】
以下の説明は図面を参照して読まれるべきものである。図面においては、異なる図中の同様の要素には同様の番号が付されている。説明と、必ずしも縮尺通りとはなっていない図面とは、例示的な実施形態を示しており、本願の範囲を限定することは意図していない。
【0043】
正常で健康な心臓は、心臓を通して内因的に生成された電気信号を伝導することによって収縮を誘発する。これらの内因性信号は、心筋細胞または心臓の組織を収縮させる。この収縮によって血液が心臓を出入りし、身体の残りの部分を通した血液の循環を生じさせる。しかしながら、多くの患者は心臓の収縮に影響を与える心臓の状態を有している。例えば、もはや内因性電気信号を生成し、または伝導させることのできない病変組織が心臓に生じている場合がある。このような患者は、心臓を収縮させて血液を送り出すように心臓にペーシング治療を提供するための医療装置を要する場合がある。
【0044】
図1〜4は一般に、例えばペーシングパルスを含むペーシング治療を患者の心臓に送達するためのシステムにおいて使用可能な植込み型医療装置を示す。いくつかのシステムは、心臓にペーシング治療を送達するように調整可能な、図1〜4に関連して説明される医療装置等の複数の医療装置を含むことができる。患者の心臓に治療を送達するように構成された医療装置は例示的なマルチデバイスシステムとして使用されるが、本願はこれに限定されるべきではない。植込み型神経刺激装置、植込み型検出専用装置、および必要に応じて他の任意の適切な医療装置の少なくとも一つを有するシステムを含む、他のマルチデバイスシステムも企図される。本願は、このようなマルチデバイスシステムの装置間の通信のための技術について説明する。
【0045】
図1は、患者に移植可能であり、例えばペーシングパルスを適切に送達することによって患者の心臓に一種類以上のペーシング治療を送達するように動作可能な例示的なリードレス心臓ペースメーカー(LCP)を示す。いくつかの実施形態において、LCPは徐脈治療、レート応答ペーシング治療、抗頻脈ペーシング(ATP)治療、心臓再同期治療(CRT)、除細動治療等の少なくとも一つのような、一つ以上の治療技術に従ってペーシングパルスを送達することができる。図1に見られるように、LCP100はすべての構成要素をLCP100内に収容しているか、ハウジング120上に直接配置しているコンパクトな装置とすることができる。図1の実施形態に示すように、LCP100は通信モジュール102と、パルス発生モジュール104と、電気的検出モジュール106と、機械的検出モジュール108と、処理モジュール110と、バッテリ112と、電極114とを含むことができる。
【0046】
通信モジュール102は、LCP100の外部に配置されたセンサ等の装置や、他の医療装置等と通信するように構成されていてもよい。このような装置は、患者の体外または体内のいずれかに配置することができる。この位置に関係なく、外部装置(すなわち、LCP100の外部であるが、必ずしも患者の体外には配置されていない装置)は、一つ以上の所望の機能を達成するために通信モジュール102を介してLCP100と通信することができる。例えば、LCP100は通信モジュール102を介して、検出された電気信号、命令、他のメッセージ、およびデータの少なくとも一つのような情報を外部医療装置に通信することができる。外部医療装置は通信されたデータおよびメッセージの少なくとも一方を使用して、不整脈の発生の特定、電気刺激治療の送達、受信データの格納、および他の機能の少なくとも一つのような、様々な機能を実行することができる。LCP100は追加的に、通信モジュール102を介して外部医療装置から命令、データ、および他のメッセージの少なくとも一つを受信することができ、LCP100は受信された命令、データ、および他のメッセージの少なくとも一つを使用して、不整脈の発生の特定、電気刺激治療の送達、受信データの格納、および他の機能の少なくとも一つのような、様々な機能を実行することができる。通信モジュール102は、外部装置と通信するための一つ以上の方法を使用するように構成されていてもよい。例えば、通信モジュール102は、伝導通信信号、無線周波数(RF)信号、誘導結合、光信号、音響信号、および通信に適した他の任意の信号の少なくとも一つを介して通信することができる。LCP100と他の装置との間の例示的な通信技術については、他の図を参照してさらに詳細に説明する。
【0047】
図示の実施形態において、パルス発生モジュール104は、一つ以上の電極114に電気的に接続されていてもよい。いくつかの実施形態において、LCP100は追加的に、電極114´を含んでいてもよい。このような実施形態において、パルス発生モジュール104は追加的に、一つ以上の電極114´に電気的に接続されていてもよい。パルス発生モジュール104は、ペーシングパルスのような電気刺激信号を生成するように構成することができる。例えば、パルス発生モジュール104は、LCP100のバッテリ112内に蓄積されたエネルギーを用いて電気刺激信号を生成し、生成された電気刺激信号を、電極114および114´の少なくとも一つを介して患者の組織に送達することができる。少なくともいくつかの実施形態において、パルス発生モジュール104またはLCP100はさらに、電極114/114´のどれを介してパルス発生モジュール104が電気刺激信号を送達するかを選択するため、電極114および114´の一つ以上をパルス発生モジュール104に選択的に接続するためのスイッチング回路を含んでいてもよい。パルス発生モジュール104は、一つ以上の異なる電気刺激治療を提供するため、特定の特徴または特定のシーケンスを有する電気刺激信号を生成することができる。例えば、パルス発生モジュール104は、徐脈性不整脈、頻脈性不整脈、細動不整脈、および心臓同期不整脈の少なくとも一つに対抗するための電気刺激治療を提供するように電気刺激信号を生成するように構成することができる。別の実施形態において、パルス発生モジュール104は、検出された一つ以上の心臓不整脈を治療するため、本明細書に記載された治療とは異なる電気刺激治療を提供するように電気刺激信号を生成するように構成することもできる。
【0048】
いくつかの実施形態において、LCP100は電気的検出モジュール106と、機械的検出モジュール108とを含むことができる。電気的検出モジュール106は、心臓の電気的な活動を検出するように構成することができる。例えば、電気的検出モジュール106は一つ以上の電極114/114´に接続されており、電極114/114´を介して伝導される電気心臓信号を受信するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、電気心臓信号はLCP100が移植されたチャンバからの局所的情報を表し得る。例えば、LCP100が心臓の心室内に移植される場合、電極114/114´を介してLCP100によって検出される電気心臓信号は心室電気心臓信号を表し得る。機械的検出モジュール108は、加速度計、血圧センサ、心音センサ、血液酸素センサ、および心臓や患者の一つ以上の生理学的パラメータを測定するための他のセンサの少なくとも一つのような、様々なセンサを含むか、またはこれらに電気的に接続されていてもよい。電気的検出モジュール106および機械的検出モジュール108の両方はさらに、処理モジュール110に接続されていてもよく、検出された電気心臓活動および生理学的パラメータの少なくとも一つを表す信号を、処理モジュール110に提供することができる。図1に関連して別個の検出モジュールとして説明したが、いくつかの実施形態において、電気的検出モジュール106および機械的検出モジュール108は単一のモジュールに組み込むこともできる。
【0049】
いくつかの場合において、処理モジュール110はLCP100の動作を制御するように構成することができる。例えば、処理モジュール110は電気的検出モジュール106から電気心臓信号を受信するか、機械的検出モジュール108から生理学的パラメータを受信するか、またはその両方を実行するように構成することができる。受信された信号に基づいて、処理モジュール110は不整脈の発生および種類を特定することができる。特定された不整脈に基づいて、処理モジュール110は、特定された不整脈を治療するための一つ以上の電気刺激治療に従った電気刺激を生成するようにパルス発生モジュール104を制御することができる。処理モジュール110はさらに、通信モジュール102から情報を受信することができる。いくつかの実施形態において、処理モジュール110はこの受信された情報を、電気的検出モジュール106および機械的検出モジュール108の少なくとも一方から受信された情報の代わりに、またはこの情報に加えて使用して、不整脈が発生しているか否かを決定したり、不整脈の種類を特定したり、情報に応じた特定のアクションを実行することを決定したりすることができる。処理モジュール110は追加的に、他の装置に情報を送信するように通信モジュール102を制御することもできる。
【0050】
いくつかの実施形態において、処理モジュール110は、超大規模集積(VLSI)チップまたは特定用途向け集積回路(ASIC)等の予めプログラミングされたチップを含んでいてもよい。このような実施形態において、チップはLCP100の動作を制御するため、制御ロジックで予めプログラミングされていてもよい。予めプログラミングされたチップを使用することによって、処理モジュール110は基本機能を維持しつつ、他のプログラミング可能な回路よりも消費電力を削減することができ、LCP100のバッテリ寿命を延ばすことができる。別の実施形態において、処理モジュール110はプログラミング可能なマイクロプロセッサ等を含んでいてもよい。このようなプログラミング可能なマイクロプロセッサにおいて、ユーザは製造後にLCP100の制御ロジックを調整することができ、予めプログラミングされたチップを使用する場合と比較して、LCP100の柔軟性を向上させることができる。いくつかの実施形態において、処理モジュール110はさらにメモリ回路を含んでいてもよく、メモリ回路に情報を格納し、メモリ回路から情報を読み出すことができる。別の実施形態において、LCP100は処理モジュール110と通信可能な別個のメモリ回路(図示略)を含んでいてもよく、処理モジュール110はこの別個のメモリ回路との間で情報を読み書きすることができる。メモリ回路は、処理モジュール110の一部であれ処理モジュール110とは別個のものであれ、例えば8ビットのアドレス長を有することができる。しかしながら、別の実施形態において、メモリ回路は16ビット、32ビット、64ビット、または他の任意の適切な長さのアドレス長を有していてもよい。また、メモリ回路は揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせとすることができる。
【0051】
バッテリ112は、LCP100にその動作のための電源を供給することができる。いくつかの実施形態において、バッテリ112は非充電式リチウム系バッテリとすることができる。別の実施形態において、非充電式バッテリは当該技術分野において既知の他の適切な材料から製造することもできる。LCP100は植込み型装置であるため、LCP100へのアクセスは制限される場合がある。このような状況において、数日、数週、数月、または数年という治療期間にわたって治療を送達するために十分なバッテリ容量を有していることが必要とされる。いくつかの実施形態において、バッテリ110はLCP100の使用可能寿命を延ばすため、充電式バッテリとすることもできる。
【0052】
図1に示すように、LCP100は、ハウジング120に対して固定されているが、LCP100を取り囲む組織および血液の少なくとも一方に曝され得る電極114を含んでいてもよい。いくつかの場合において、電極114は一般にLCP100のいずれかの端部に配置され、モジュール102、104、106、108、および110の一つ以上と電気的に通信可能である。いくつかの実施形態において、LCP100は追加的に、一つ以上の電極114´を含むことができる。電極114´はLCP100の側面に配置され、LCP100において電気心臓活動の検出および電気刺激の送達の少なくとも一方を実行可能な電極の数を増加させることができる。電極114および114´の少なくとも一つは、人体に移植しても安全であるとして知られた様々な金属または合金等の一つ以上の生体適合性のある導電性材料で構成することができる。いくつかの場合において、LCP100に接続された電極114および114´の少なくとも一つは、隣接する電極、ハウジング120、および他の材料の少なくとも一つから電極114を電気的に絶縁する絶縁部を有していてもよい。いくつかの場合において、電極114および114´の少なくとも一つは、ハウジングから離間しており、接続ワイヤを介して接続されていてもよい。このような実施形態において、電極114および114´の少なくとも一つは、ハウジング120から延びるテールの上に配置されていてもよい。
【0053】
電極114および114´の少なくとも一つは、任意のサイズおよび形状を有していてもよく、任意の間隔を空けて配置されていてもよいことが企図される。例えば、電極114は2〜20ミリメートル(mm)の直径を有していてもよい。しかしながら、別の実施形態において、電極114および114´の少なくとも一つは、2mm、3mm、5mm、7mmの直径、または他の任意の適切な直径、寸法、および形状を有していてもよい。いくつかの場合において、電極114および114´の少なくとも一つは、0mm、1mm、3mm、5mm、10mm、または他の任意の適切な長さを有していてもよく、この長さはハウジング120から延びる電極114および114´の寸法に該当する。また、電極114および114´の少なくともいくつかは、20mm、30mm、40mm、50mm、または他の任意の適切な距離だけ互いに離間していてもよい。単一の装置に含まれる電極114および114´は互いに異なるサイズを有していてもよく、装置上の電極の間隔は一定でなくてもよい。
【0054】
LCP100を患者の体内に移植するため、操作者(例えば医師、臨床医等)はLCP100を患者の心臓組織に固定する場合がある。この固定を容易にするため、LCP100は一つ以上のアンカー116を含んでいてもよい。アンカー116は任意の数の固定機構または係止機構を含んでいてもよい。例えば、アンカー116は一つ以上のピン、ステープル、ねじ山、ねじ、らせん、歯等を含むことができる。いくつかの実施形態において、図示されていないが、アンカー116はその外面上に、アンカー116の長さの少なくとも一部に沿って延びる筋を含んでいてもよい。この筋は、心臓組織とアンカーとの間に摩擦を生じさせて、心臓組織内におけるアンカー116の固定を補助することができる。別の実施形態において、アンカー116は周囲の心臓組織との係合を容易にするため、かかり、スパイク等の他の構造を含んでいてもよい。
【0055】
図2は、患者内に移植可能であり、患者の生理学的状態を表す一つ以上の信号を検出するように動作可能な例示的な医療装置MD200を示す。図2に見られるように、MD200はすべての構成要素をMD200内に収容しているか、ハウジング220上に直接配置しているコンパクトな装置とすることができる。図2に示すように、MD200は通信モジュール202と、電気的検出モジュール206と、機械的検出モジュール208と、処理モジュール210と、バッテリ212と、電極214/214´とを含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、MD200は、図1に関連して説明されたLCP100と同様のものとすることができる。例えば、通信モジュール202、電気的検出モジュール206、機械的検出モジュール208、処理モジュール210、バッテリ212、および電極214/214´は、図1に関連して説明された通信モジュール102、電気的検出モジュール106、機械的検出モジュール108、処理モジュール110、バッテリ112、および電極114/114´と同様のものとすることができる。しかしながら、MD200はパルス発生モジュールを含んでいなくてもよい。例えば、MD200は検出専用の装置であってもよい。従って、いくつかの実施形態において、MD200はわずかなハードウェアの違いはあるものの、LCP100と同様のものとすることができる。あるいは、MD200はパルス発生モジュールのような一つ以上の構成要素が無効とされているか、または使用されないということを除いて、LCP100の構成要素のすべてを含むことができる。
【0057】
別の実施形態において、MD200はLCP100とは実質的に異なるハードウェアを含んでいてもよい。例えば、MD200の典型的な移植位置に起因してLCP100ほどサイズの制約が要求されないため、MD200はLCP100とは実質的に異なるサイズとすることができる。このような実施形態において、MD200はLCP100よりも大きなバッテリおよび強力な処理ユニットの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0058】
図3は、心臓不整脈および他の心臓状態の検出および治療を行うため、図1のLCP100とともに使用可能な別の医療装置(MD)300の実施形態を示す。図示の実施形態において、MD300は通信モジュール302と、パルス発生モジュール304と、電気的検出モジュール306と、機械的検出モジュール308と、処理モジュール310と、バッテリ318とを含むことができる。これらの各モジュールは、LCP100のモジュール102、104、106、108、および110と同様のものとすることができる。また、バッテリ318はLCP100のバッテリ112と同様のものとすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、MD300はハウジング320内により大きな容積を有していてもよい。このような実施形態において、MD300はより大きなバッテリ、およびLCP100の処理モジュール110よりも複雑な動作を扱うことのできるより大きな処理モジュール310の少なくとも一方を含むことができる。
【0059】
MD300は図1に示すような他のリードレス装置であってもよいが、いくつかの実施形態において、MD300はリード312のようなリードを含んでいてもよい。リード312は、電極314とハウジング320内に配置された一つ以上のモジュールとの間で電気信号を伝導する電気配線を含むことができる。いくつかの場合において、リード312はMD300のハウジング320に接続され、これから延びていてもよい。いくつかの実施形態において、リード312は患者の心臓上、心臓内、または心臓に隣接して移植される。リード312は、リード312上の様々な位置に、ハウジング320から様々な距離で配置された一つ以上の電極314を含むことができる。いくつかのリード312は単一の電極314のみを含み得るが、他のリード312は複数の電極314を含んでいてもよい。一般に、電極314は、リード312が患者内に移植された時に電極314の一つ以上が所望の機能を果たすように、リード312上に位置決めされる。いくつかの場合において、電極314の一つ以上が患者の心臓組織に接触していてもよい。別の場合において、電極314の一つ以上は皮下的に移植されるが、患者の心臓に隣接して移植されてもよい。電極314は、内因的に生成された電気心臓信号をリード312に伝導することができる。リード312はその後、受信された電気心臓信号をMD300のモジュール302、304、306、および308の一つ以上に伝導することができる。いくつかの場合において、MD300は電気刺激信号を生成することができ、リード312は生成された電気刺激信号を電極314に伝導することができる。電極314はその後、電気刺激信号を患者の心臓組織に(直接的または間接的に)伝導することができる。
【0060】
リード312は追加的に、加速度計、血圧センサ、心音センサ、血液酸素センサ、および心臓や患者の一つ以上の生理学的パラメータを測定するように構成された他のセンサの少なくとも一つのような、一つ以上のセンサを含んでいてもよい。このような実施形態において、機械的検出モジュール308はリード312と電気的に通信可能であり、このようなセンサから生成された信号を受信することができる。
【0061】
必須ではないが、いくつかの実施形態において、MD300は植込み型医療装置であってもよい。このような実施形態において、MD300のハウジング320は例えば、患者の経気管領域に移植されてもよい。ハウジング320は一般に、人体に移植しても安全であるとして知られた様々な材料のいずれかを含むことができ、移植された時に、MD300の様々な構成要素を患者の体液および組織から気密シールすることができる。
【0062】
いくつかの場合において、MD300は植込み型心臓ペースメーカー(ICP)であってもよい。これらの実施形態において、MD300は、患者の心臓上または心臓内に移植される、例えばリード312のような一つ以上のリードを有していてもよい。一つ以上のリード312は、患者の心臓の組織および血液の少なくとも一方に接触する一つ以上の電極314を含むことができる。MD300は、内因的に生成された心臓電気信号を検出し、検出された信号の分析に基づいて、例えば一つ以上の心臓不整脈を特定するように構成することができる。MD300は心臓内に移植されたリード312を介して、CRT、ATP治療、徐脈治療、および他の種類の治療の少なくとも一つを送達するように構成することができる。いくつかの実施形態において、MD300は追加的に、除細動治療を提供するように構成されていてもよい。
【0063】
いくつかの場合において、MD300は植込み型除細動器(ICD)であってもよい。このような実施形態において、MD300は患者の心臓内に移植された一つ以上のリードを含んでいてもよい。MD300はまた、電気心臓信号を検出し、検出された電気心臓信号に基づいて不整脈の発生を特定し、不整脈の発生の特定に応じて除細動治療を送達するように構成されていてもよい。別の実施形態において、MD300は皮下植込み型除細動器(S−ICD)であってもよい。MD300がS−ICDである実施形態において、リード312の一つは皮下的に移植することができる。MD300がS−ICDである少なくともいくつかの実施形態において、MD300は皮下であるが胸腔の外側に移植された単一のリードのみを含んでいてもよいが、これは必須ではない。
【0064】
いくつかの実施形態において、MD300は植込み型医療装置でなくてもよい。むしろ、MD300は患者の体外の装置であってもよく、電極314は患者の身体上に配置された皮膚電極であってもよい。このような実施形態において、MD300は表面電極信号(例えば、心臓によって生成された心臓電気信号、または患者の体内に移植された装置によって生成されて身体を通して皮膚に伝導された電気信号)を検出することができる。このような実施形態において、MD300は例えば除細動治療を含む、様々な種類の電気刺激治療を送達するように構成することができる。
【0065】
図4は、心臓不整脈および他の心臓状態の少なくとも一つの検出および治療を行うため、図1のLCP100および他の医療装置の少なくとも一つとともに使用可能な別の医療装置(MD)400の実施形態を示す。図示の実施形態において、MD400は通信モジュール402と、パルス発生モジュール404と、電気的検出モジュール406と、機械的検出モジュール408と、処理モジュール410と、電源418とを含むことができる。これらの各モジュールは、LCP100のモジュール102、104、106、108、および110と同様のものとすることができる。しかしながら、MD400は外部医療装置であってもよい。従って、いくつかの実施形態において、電源418は、例えば壁のコンセントからの外部供給電力をMD400に適した形に変換する電力変換器であってもよい。
【0066】
MD400は追加的に、処理モジュール410に接続されたディスプレイ416を含んでいてもよい。ディスプレイ416は、文字、数字、グラフ、および他の形態の情報を表示可能なモニタまたは他のスクリーンとすることができる。少なくともいくつかの実施形態において、ディスプレイ416はユーザ入力を受信することができる。例えば、ディスプレイ416はタッチセンシティブディスプレイとすることができる。別の実施形態において、MD400はマウスやキーボード等の一つ以上の周辺入力装置を含んでいてもよい。ディスプレイ416はMD400と同じハウジング内に組み込まれていても、別個のハウジング内に組み込まれていてもよいことが企図される。
【0067】
MD400は電極414を含むことができる。MD400が外部医療装置である実施形態において、電極414は皮膚パッチ電極を含む。電極414が患者の皮膚に接続された時、MD400は患者内で生成された電気信号を検出することができる。MD400がパルス発生モジュール404を含む実施形態において、MD400は追加的に、電極414を介して患者に電気パルスを送達することができる。例えば、MD400のパルス発生モジュール404は一つ以上の電気刺激治療に従って電気刺激パルスを生成するように構成することができ、これらは電極414を介して伝導される。また、通信モジュール402は伝導通信信号を生成するように構成することができ、これらは電極414を介して体内に伝導される。機械的検出モジュール408は加速度計、血圧センサ、心音センサ、血液酸素センサ、および心臓や患者の生理学的パラメータを測定するための他のセンサのような一つ以上の検出装置を含むか、これらに直接的または通信可能に接続されていてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、MD400は、図1〜3に示すような一つ以上の他の医療装置をプログラミングするためのプログラミング装置であってもよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、MD400は電気刺激治療を送達するように構成されていなくてもよい。ユーザは外部ディスプレイ416および他の周辺装置の少なくとも一つに一つ以上のパラメータを入力することができ、これらは入力されたパラメータを処理モジュール410に送信する。少なくともいくつかの実施形態において、MD400は表1に関連して後述するように、植込み型医療装置にID(ペアリング)コマンドを発行するために使用することができる。処理モジュール410は通信モジュール402に対して、受信されたパラメータまたは他のパラメータを、伝導通信信号、無線周波数(RF)信号、誘導結合、光信号、音響信号、および他の任意の適切な信号の少なくとも一つのような、一つ以上の形態の通信を用いて他の医療装置に通信するように指示することができる。通信モジュール402がパラメータおよび他の情報の少なくとも一つを通信する際に使用可能な様々な伝導通信技術が本明細書に記載されている。
【0069】
図5は、図1〜4に関連して説明されたような装置を含む医療装置システム500に接続された患者540を示す。図5は、様々な例示的な位置に移植または配置されたシステム500の装置を示す。例えば、LCP502、504、506はすべて、心臓550の異なるチャンバ内に移植されて示されている。しかしながら、いくつかの実施形態において、心臓は単一のチャンバ内に移植された複数のLCPを含んでいても、心臓550の外部に移植された他のLCPを含んでいてもよい。さらに別の実施形態において、LCPは心臓550の他のチャンバ内に移植されていても、心臓550のチャンバ内に異なる組み合わせで移植されていてもよい。図5はまた、心臓550から離れた位置に移植されたLCP518を示す。IMD508は、電極510に接続されて皮下的に移植されるリード509を有する、ICDまたはS−ICD等の図3に関連して説明された装置と同様のものとすることができる。センサ516は患者540の胸の近くに移植されて示されており、いくつかの場合において、図2に関連して説明されたMD200と同様のものとすることができる。センサ516はまた、心臓から離れた位置に移植することができる。外部医療装置512は、植込み型医療装置でなくてもよい。むしろ、外部医療装置512は皮膚パッチ電極514等を介して患者540に接続されていてもよく、図4に関連して説明されたMD400と同様のものとすることができる。
【0070】
LCP518およびセンサ516の遠隔位置の例として、患者500の頭部、頸部、胸部、胸郭部、腹部、上肢部、および下肢部の領域内に移植された装置が含まれる。また、遠隔位置には、脳、肺、口、食道、胃、肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓、腸、結腸、副腎、膀胱、子宮、横隔膜、骨等の器官内または器官上の位置のような、気管または身体構造内またはこれらの上の移植部位が含まれる。遠隔位置にはまた、血管(例えば静脈、動脈)、リンパ管(例えば頚リンパ本幹、腸リンパ本幹)、および気道血管(例えば気管、気管支)のような血管内の移植部位が含まれる。
【0071】
システム500の複数の装置は、通信経路を介して通信、例えばデータ、命令、メッセージ、および他の情報の少なくとも一つの送受信を行うことができる。装置はRF信号、誘導結合、光信号、または音響信号等の様々なモダリティを使用して通信可能であると考えられるが、少なくともいくつかの実施形態において、システム500の装置は伝導通信を使用して通信することもできる。従って、システム500の装置は、伝導通信を可能にする構成要素を有していてもよい。図1〜4に関連して上述したように、システム500の装置はそれぞれ通信モジュールを有していてもよい。各通信モジュールは伝導通信信号を生成し、この信号を患者の体内において、電極502a、502b、504a、504b、506a、506b、510、514、518a、および518b等の一つ以上の結合された電極を介して送信するように構成することができる。図5に特に図示されていないが、センサ516も一つ以上の電極を含んでいてもよい。通信モジュールは追加的に、一つ以上の電極を介して伝導通信信号を受信するように構成することができる。いくつかの実施形態において、装置は通信モジュールの代わりにパルス発生モジュールを使用して、伝導通信信号を生成することができる。
【0072】
患者の身体組織は、伝導通信信号を送信装置から受信装置に伝導することができる。いくつかの場合において、伝導通信信号は電気的に伝導される通信信号であってもよい。例えば、送信装置は患者540の身体組織内において伝導通信信号を差動的に結合することができ、身体組織は伝送ラインとして機能する。受信装置は、これらの差動信号をピックアップすることができる。この技術は、送信信号と受信信号とが共通のグランドソースを有する容量性技術とは対照的なものである。
【0073】
図6に関連してより詳細に説明される伝導通信信号は、ペーシングパルスや他の電気刺激治療信号とは異なっていてもよい。例えば、システム500の装置は、心臓を捕捉しないように心臓に対して閾値未満の振幅/パルス幅の組み合わせで伝導通信信号を送達することができる。いくつかの場合において、送達される伝導通信信号の振幅/パルス幅の組み合わせは、心臓の捕捉閾値を上回っていてもよいが、必要に応じて心臓の不応期中に送達するか、ペーシングパルスに組み込み、または変調するか、またはその両方とすることができる。
【0074】
伝導通信信号は、電圧パルス、電流パルス、二相電圧パルス、二相電流パルス、または他の任意の所望の適切な電気パルスとすることができる。いくつかの実施形態において、伝導通信信号は、電圧パルスと電流パルスとの組み合わせとすることができる。従って、伝導通信信号が電圧パルスを含む実施形態において、システム500の装置は通信モジュールまたはパルス発生モジュール等において、電圧パルスを生成するための適切な回路を含んでいてもよい。電圧パルスを生成する際、電圧の振幅が制御される。電流の振幅は、電圧の振幅および送信媒体の抵抗に依存する。伝導通信信号が電流パルスを含む実施形態において、システム500の装置は電流パルスを生成するための適切な回路を含んでいてもよい。電流パルスを生成する際、電流の振幅が制御される。電圧の振幅は、電流の振幅および送信媒体の抵抗に依存する。伝導通信信号が電圧パルスおよび電流パルスの両方を含む実施形態において、システム500の装置は電圧パルスおよび電流パルスの両方を生成するための適切な回路を含んでいてもよい。システム500の装置が使用可能な伝導通信信号についてのいくつかの例示的な特徴は、図6に関連して説明される。
【0075】
伝導通信信号は、通信される情報を符号化するための任意の適切な方法で変調することができる。例えば、いくつかの場合において、伝導通信信号をパルス幅変調することができる。この代わりに、またはこれに加えて、連続する伝導通信信号間の時間を変調して、所望の情報を符号化することができる。伝導通信信号に関する情報の符号化および装置間のメッセージの送信についての例示的な技術は、図10〜15に関連して説明される。
【0076】
図6A〜6Dは、システム500の装置が通信時に使用可能な伝導通信信号についてのいくつかの例示的な特徴を示す。これらの実施形態は伝導電圧信号に関連して説明されているが、システム500の装置は伝導電流信号を使用してもよいことが企図される。
【0077】
図6Aは、システム500の装置が伝導通信方式において使用可能な例示的な通信電圧パルスを示す。具体的には、図6Aは、電圧振幅604およびパルス幅606を有する通信電圧パルス602を示す。通信電圧パルス602は単相の、正極性の通信電圧パルスである。このような実施形態において、振幅604は、3ボルト、4ボルト、5ボルト、または他の任意の適切な振幅とすることができる。いくつかの場合において、振幅604は、電圧パルスを生成する装置のバッテリの電圧に相関し得る。例えば、振幅604は、生成装置のバッテリの電圧の1倍〜2倍の間とすることができる。生成装置のバッテリの電圧が6ボルトであった場合、振幅604は6ボルト〜12ボルトの間とすることができる。電圧増倍器(図示略)を使用して、通信パルスを生成する際に使用されるバッテリの電圧を増倍することもできる。パルス幅606は、1マイクロ秒、5マイクロ秒、10マイクロ秒、15マイクロ秒、20マイクロ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。
【0078】
図6Bは、システム500の装置が伝導通信方式において使用可能な別の例示的な通信電圧パルスを示す。図6Bは、電圧振幅612およびパルス幅614を有する通信電圧パルス610を示す。通信電圧パルス602とは対照的に、通信電圧パルス610は単相の、負極性の通信電圧パルスである。すなわち、振幅612は負の値である。例えば、振幅612は、マイナス3ボルト、マイナス4ボルト、マイナス5ボルト、または他の任意の適切な振幅とすることができる。パルス幅614は、1マイクロ秒、5マイクロ秒、10マイクロ秒、15マイクロ秒、20マイクロ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。振幅604と同様に、いくつかの実施形態において、振幅612は、電圧パルスを生成する装置のバッテリ電圧に相関し得る。
【0079】
図6Cおよび6Dはいずれも、システム500の装置が伝導通信方式において使用可能な通信電圧パルスの別の実施形態を示す。図6Cは、正の部分620aで始まり負の部分620bで終わる二相通信電圧パルスである通信電圧パルス620を示す。正の部分620aおよび負の部分620bはそれぞれ、別個の振幅およびパルス幅を有する。振幅626および628は、3ボルト、4ボルト、5ボルト、または他の任意の適切な大きさの振幅とすることができ、振幅626は正の値を、振幅628は負の値を有する。また、いくつかの実施形態において、振幅626および628は、電圧パルスを生成する装置のバッテリ電圧に相関し得る。パルス幅622および624はそれぞれ、1マイクロ秒、5マイクロ秒、10マイクロ秒、15マイクロ秒、20マイクロ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。また、通信電圧パルス620の例示的な総パルス幅は、2マイクロ秒、10マイクロ秒、20マイクロ秒、30マイクロ秒、40マイクロ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。図6Dは、負の部分640a、正の部分640b、パルス幅642、644、および振幅646、648を含む通信パルス640を示す。電圧パルス640が正の部分640bに先行して負の部分640aを有しているということを除いて、通信電圧パルス640は通信電圧パルス620と同様の二相通信電圧パルスである。パルス幅642、644および振幅646、648は、通信電圧パルス620について記載された値と同様の値、または異なる値とすることもできる。
【0080】
いくつかの実施形態において、図6A〜6Dに示す通信電圧パルスは、パルス間で、または一つのパルスにおける正の部分と負の部分との間で異なった振幅およびパルス幅を有していてもよい。例えば、装置が複数の単相通信電圧パルスを生成する場合において、第一通信電圧パルスは振幅およびパルス幅に関する第一の特性セットを有しており、第二通信電圧パルスは第二の特性セットを有しており、第二の特性セットのうちの少なくともいくつかは第一の特性セットと異なっている。いくつかの場合において、連続する単相通信電圧パルス間において極性も変化し得る。図示されていないが、いくつかの実施形態において、二相パルス間には遅延が存在し得る。例えば、図6Cおよび6Dにおいて、パルス620aと620bとの間、またはパルス640aと640bとの間にそれぞれ遅延が存在していてもよい。この遅延は、1マイクロ秒、2マイクロ秒、5マイクロ秒、10マイクロ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。
【0081】
医療装置が二相通信電圧パルスを生成する実施形態において、通信電圧パルスの第一部分の振幅は、通信電圧パルスの第二部分と異なっていてもよい。また、通信電圧パルス第一部分のパルス幅は、通信電圧パルスの第二部分と異なっていてもよい。振幅、パルス幅、加えて極性に関する特性は、同じ二相通信電圧パルスにおける異なる部分間で異なっていることに加えて、またはその代わりに、連続する二相通信電圧パルス間で異なっていてもよい。
【0082】
上述したように、システム500の装置は閾値未満の電圧パルス、すなわち心臓を捕捉しない電圧パルスである通信電圧パルスを生成することができる。これにより、システム500の装置は、例えば心臓の望ましくない捕捉が生じること等による電気刺激治療の送達の妨害を受けることなく、心臓サイクルの広い範囲にわたって通信を行うことができる。従って、システム500の装置によって使用される伝導通信電圧パルスは一般に、図7に示すような安全領域710内に入る特性を有することができる。
【0083】
図7は、ミリボルトおよびミリ秒の単位におけるパルス振幅対パルス幅のグラフであるグラフ700を示す。曲線702は、患者の組織に送達された時に患者の心臓を捕捉する電圧パルスのパルス振幅およびパルス幅の組み合わせを表す。この図において、曲線702上、または曲線702の右上に位置するパルス振幅およびパルス幅の組み合わせは、動物試験モデルにおいて心臓を捕捉するように決定された。曲線702の左下に位置するパルス振幅およびパルス幅の組み合わせは、心臓を捕捉しないように決定された。この領域は安全領域710として定義される。
【0084】
人間の患者において、曲線702は患者ごとに異なる場合があり、時間および他の要因の少なくとも一つについての関数を幾分か形成する。従って、捕捉を生じさせたり生じさせなかったりするパルス振幅およびパルス幅の正確な組み合わせは変化し得るものであり、パルス振幅およびパルス幅についての所与の組み合わせが心臓を捕捉するか否かに関して予測不可能性が生じる場合がある。いくつかの実施形態において、安全領域710は、第二曲線である曲線708の左下に位置するパルス振幅およびパルス幅の組み合わせとすることができる。第二曲線708は、曲線702を安全マージン706だけ左下にシフトさせただけの、曲線702と同様の形状の曲線とすることができる。安全マージン706は、曲線702が時間または他の要因についての関数として変化する時に、曲線702が曲線708の左下にはみ出さないか、または統計的にはみ出さないとされるように設定することができる。従って、いくつかの実施形態において、安全領域710は、曲線702ではなく曲線708の左下に位置するパルス振幅およびパルス幅の組み合わせを包含していてもよい。
【0085】
その結果として、システム500の装置は、安全領域710内の特性を有する通信電圧パルスを生成するように構成することができる。いくつかの実施形態において、安全領域710は特定の患者のために予め決定されていてもよく、システム500の装置は予め決定された安全領域710内に入るパルス振幅およびパルス幅の組み合わせを有する通信電圧パルスを生成するように構成することができる。いくつかの場合において、システム500の装置のうちの一つ以上は、異なるパルス振幅およびパルス幅の特性を有する複数の電圧パルスを生成し、生成された電圧パルスが心臓を捕捉するか否かを判断することによって、安全領域710を決定するように構成することができる。これらの実施形態において、システム500の装置は、心臓を捕捉するパルス振幅およびパルス幅についての一つ以上の組み合わせを周期的に決定するように構成することができる。電圧パルスの特性についてのどの組み合わせが心臓を捕捉するかを判断した後、システム500の装置は、捕捉を生じさせた電圧パルスと比較して小さい振幅および短いパルス幅の少なくとも一方を有する通信電圧パルスの生成のみを行うように構成することができる。あるいはシステム500の装置は、安全マージンとして、捕捉を生じさせた電圧パルスの特性と比較して所定の値だけ小さい振幅および短いパルス幅の少なくとも一方を有する通信電圧パルスを生成するように構成することができる。いくつかの場合において、システム500の装置は、人間の集団に対して決定された安全領域に基づいて予め決定された複合安全領域710内の電圧パルスを生成するように構成することもできる。
【0086】
図8は、通信電圧パルスを生成するためにシステム500の装置が使用可能な例示的な回路800の図である。図示の実施形態において、回路800は通信モジュールの一部であってもよい。あるいは、パルス発生モジュールが通信電圧パルスを生成する実施形態においては、回路800はパルス発生モジュールの一部であってもよい。回路800は、第一電極に接続された二重スイッチ802a、802bと、第二電極に接続された二重スイッチ804a、804bとを含むことができる。例示的な回路800はさらに、電圧源806を含む。回路800を使用する装置は本明細書に記載された通信電圧パルスの一つ以上を生成するように、スイッチ802a、802b、および804a、804bを動作させることができる。例えば、装置はスイッチ802aおよび804bを閉じてスイッチ802bおよび804aを開き、電極Aおよび電極Bの間に正の振幅の通信パルスを生成することができる。反対に、装置はスイッチ802bおよび804aを閉じてスイッチ802aおよび804bを開き、電極Aおよび電極Bの間に負の振幅の通信パルスを生成することができる。二相通信パルスを生成するため、装置はスイッチ802aおよび804bを閉じてスイッチ802bおよび804aを開き、電極Aおよび電極Bの間に正の振幅の通信パルスを生成し、その直後、または所定の遅延の後に、スイッチ802bおよび804aを閉じてスイッチ802aおよび804bを開き、電極Aおよび電極Bの間に負の振幅の通信パルスを生成することができる。スイッチが閉状態を維持する時間によって、対応するパルス幅が決定される。一般に、装置は図6A〜6Dに関連して説明されたような、異なる様々な通信電圧パルスを生成するようにスイッチ802a、802b、804a、および804bを動作させることができる。
【0087】
図9は、通信電圧パルスを検出するためにシステム500の装置が使用可能な例示的な回路900の概略図である。例えば、回路900は装置の通信モジュール内に含めることができる。例示的な回路900は、演算増幅器908の正および負の端子に接続された二つの入力を示す。この入力、例えば第一電極および第二電極は、それぞれスイッチ902および904に接続される。スイッチ902および904は典型的には一つにスイッチ化されており、回路900が通信パルスを検出する時を制御するために使用することができる。例えば、スイッチ902および904は、ペーシングパルスが送達されると予測される時、ショックが送達されると予測される時、内因性心拍が生じると予測される時、および他のタイミングの少なくとも一つにおいて開くことができる。
【0088】
回路900の第一入力は、一つ以上の回路要素を介して演算増幅器908の正の入力に接続することができる。少なくとも一実施形態において、回路要素にはコンデンサ906aおよび抵抗906cが含まれ得る。このような実施形態において、コンデンサ906aおよび抵抗906cは、信号が増幅器908の正の端子に供給される前のハイパスフィルタとして作用して、低周波信号を減衰させることができる。同様に、第二入力は一つ以上の回路要素を介して演算増幅器908の負の入力に接続することができる。図9の実施形態において、第二入力はコンデンサ906bおよび抵抗906dを介して演算増幅器908の負の入力に接続している。コンデンサ906bおよび抵抗906dは、信号が演算増幅器908の負の端子に供給される前のハイパスフィルタとして作用して、低周波信号を減衰させることができる。
【0089】
演算増幅器908を含む受信回路950は、上述のような二つの電極から信号を受信することができる。信号が受信回路950を通過する際、様々な要素が協働して、ノイズを低減させるか、信号内に存在する通信電圧パルスの特徴を増幅させるか、またはその両方を実現するため、差動信号の増幅およびフィルタリングの少なくとも一方が行われ得る。信号はその後、増幅およびフィルタリングの少なくとも一方が行われた信号として、940において受信回路950から出力することができる。増幅およびフィルタリングの少なくとも一方が行われた信号はその後、プロセッサ、または一つ以上の通信電圧パルスを検出可能な他の回路に供給されてもよい。
【0090】
受信回路950は、増幅要素およびフィルタリング要素の少なくとも一つを含んでいてもよい。例えば、受信回路950は増幅器920および930を含むことができる。より具体的には、増幅器908の出力を増幅器920の正の端子に供給することができる。増幅器920の出力は増幅器920の負の端子にフィードバックされる前に、一つ以上の回路要素925によって変調されてもよい。増幅器920の出力はまた、増幅器930の正の端子に供給することができ、デジタル−アナログ変換器(DAC)からの信号を増幅器930の負の端子に供給することができる。増幅器930の出力はその後、940において受信回路950の出力となるが、これは増幅およびフィルタリングの少なくとも一方が行われた信号である。
【0091】
少なくともいくつかの実施形態において、システム500の装置は常に信号の受信および処理を行っていてもよい。例えば、スイッチ902および904は常に閉じられており、回路900に検出された信号を常に導入していてもよい。別の実施形態において、システム500の装置は少なくとも大部分の時間(例えば、各心臓サイクルの大部分において)、信号の受信および処理を行っていてもよい。従って、回路900はバッテリ寿命を向上させるために低電力となるように設計することができる。いくつかの実施形態において、回路900は1〜100ミリボルトの線形入力範囲で1ミリボルト以下の感度を有するように設計することができるが、これは単なる一例に過ぎない。回路900は300〜1500オームの間のソースインピーダンスに対して構成することができるが、これもまた単なる一例に過ぎない。
【0092】
いくつかの場合において、システム500の装置は情報を符号化するため、通信電圧パルス間の経過時間を使用することができる。図10は、通信電圧パルス間の経過時間を使用することによって情報を符号化するためのいくつかの例示的な技術を提供する。図10は、四つの例示的な通信電圧パルス1010a〜1010dのグラフを示す。通信電圧パルス1010a〜1010dはそれぞれ、三つの異なる期間1002、1004、および1006によって分離されている。図示の実施形態において、最後の期間1008は通信電圧パルス1010dを別の通信パルスから分離するものではない。むしろ、期間1008は単に通信電圧パルス1010dから延びる閾値時間であり、閾値時間の終了前には後続の通信電圧パルス1010は発生していない。いくつかの場合において、システム500の装置は通信電圧パルス1010a〜1010dの間の時間の長さに基づいて、通信記号を識別することができる。例えば、二つの通信電圧パルス間の時間が第一の時間範囲内にある場合、第一記号を識別することができる。二つの通信電圧パルス間の時間が第二の時間範囲内にある場合、第二記号を識別することができる。二つの通信電圧パルス間の時間が第三の時間範囲内にある場合、第三記号を識別することができ、以下同様である。一実施形態において、二つの通信電圧パルス間の時間が800〜1100マイクロ秒の範囲内にある時に同期記号が識別され、二つの通信電圧パルス間の時間が550〜700マイクロ秒の範囲内にある時に「1」の記号が識別され、二つの通信電圧パルス間の時間が350〜450マイクロ秒の範囲内にある時に「0」の記号が識別される。いくつかの場合において、システム500の装置は二進数に基づいて動作可能であることから、記号「0」および「1」はそれぞれ、ビットの「0」および「1」に対応する。これらは単なる例に過ぎない。任意の数の異なる記号を通信プロトコルに含めることができ、異なる記号を異なる時間または時間範囲に割り当てることができると考えられる。いくつかの場合において、通信電圧パルスの後、閾値の時間(例えば、期間1008)内に別の通信電圧パルスが続かない場合、終端記号、すなわちフレーム(EOF)記号を識別することができる。閾値の時間(例えば、期間1008)は、例えば1250マイクロ秒以上とすることができる。
【0093】
いくつかの場合において、内部クロックを使用して通信電圧パルス間の時間を追跡することができる。送信装置は、あるクロック周波数で発振する内部クロックを含むことができると考えられる。同様に、受信装置は同じ(または異なる)クロック周波数で発振する内部クロックを含むことができる。このような場合、通信される各記号を、通信電圧パルス間の異なる数のクロックサイクルに割り当てることができる。例えば、同期記号は25.6kHzのクロック周波数において24クロックサイクルに割り当てることができ、これは約938マイクロ秒の通信電圧パルス間の遅延に相当するであろう。ここで、ノイズ、温度変化、電圧変動、クロック変動等を補填するための範囲を設けてもよい。この範囲は例えば、+/−10%であってもよく、上記の例において、約844マイクロ秒〜約1032マイクロ秒の範囲とすることができる。記号「1」は、25.6kHzのクロック周波数において16クロックサイクルに割り当てることができ、これは約625マイクロ秒の通信電圧パルス間の遅延に相当するであろう。ここで、ノイズ、温度変化、電圧変動、クロック変動等を補填するため、この前後に範囲を設けてもよい。この範囲は例えば、+/−10%であってもよく、上記の例において、約563マイクロ秒〜約688マイクロ秒の範囲とすることができる。同様に、記号「0」は、25.6kHzのクロック周波数において10クロックサイクルに割り当てることができ、これは約391マイクロ秒の通信電圧パルス間の遅延に相当するであろう。ここで、ノイズ、温度変化、電圧変動、クロック変動等を補填するため、この前後に範囲を設けてもよい。
【0094】
所望の記号を送信するため、送信装置は第一通信電圧パルスを提供し、所望の記号に対応するクロックサイクルの数(例えば、記号「1」のためには16クロックサイクル)をカウントし、その後、第二通信パルスを提供することができる。受信装置が第一通信電圧パルスを受信した時、受信装置は内部クロックサイクルのカウントを開始することができる。第二通信パルスが受信されると、受信装置はクロックサイクルのカウントを停止することができる。受信装置はその後、各記号に割り当てられたクロックサイクルの数と、カウントされた内部クロックサイクルの数とを比較することができる。一致が見つかると、受信装置によって所望の記号が識別される。
【0095】
いくつかの場合において、送信装置および受信装置の少なくとも一方の内部クロックの精度は経時的に低下する場合がある。この劣化のため、システム500の装置は絶対時間に対して異なる長さの時間を決定し始める場合があり、装置のクロックが互いに異なって劣化した場合、互いに対して異なる長さの時間を決定し始める場合がある。従って、期間1002、1004、1006、および1008が時間の範囲である実施形態においては、システム500の装置はクロックがあるレベル劣化した後であっても、依然として正確に記号を識別することができる。
【0096】
いくつかの場合において、システム500の装置は定期的に、または他の基準で内部クロックを再構成するように構成することができる。例えば、第一装置はブロードキャスト装置によって決定されるように、キャリブレーション開始信号と、キャリブレーション終了信号と、二つの信号間の時間の長さとをブロードキャストすることができる。他の各装置はその後、二つのキャリブレーション信号間の期間がブロードキャスト装置によって送信された時間の長さと等しくなるように、内部クロックをキャリブレーションすることができる。このような再構成は、装置のクロックがシステムの他の装置のクロックと比較して、装置が機能的に動作不能となってしまうほど大きくずれないようにするという点において役立ち得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、期間1002、1004、1006、および1008の正確な長さにかかわらず、期間1002は期間1004および1006のいずれかよりも長くすることができる。このような実施形態において、このような構成はある装置から他の装置への一つ以上の記号の偶発的な送信、すなわち、ある装置がノイズを一つ以上の記号の通信であると解釈してしまうことを防ぐことができる。例えば、システム500の装置は一つ以上の他の記号を送信する前に同期記号を通信するように通信電圧パルスを送信することができ、受信装置は同期記号を受信する前に受信された他の記号を無視することができる。いくつかの場合において、受信装置はまず、真の通信電圧パルスを受信するが、その後、期間1002よりも短い時間の長さの後にノイズを受信する場合がある。このノイズが通信電圧パルスと形態的に類似している場合、受信装置はノイズを通信電圧パルスとして解釈してしまう場合がある。しかしながら、期間1002よりも短い時間の後に生じたノイズは、たとえこのノイズが記号「0」または記号「1」を示す時間の長さにおいて生じたものであったとしても、受信装置はまだ同期記号を受信していないとして、このような記号を無視するであろう。このようにして、システム500の装置は記号が誤って送信されたり、誤って解釈されたりすることを抑制することができる。
【0098】
いくつかの場合において、各通信電圧パルスを受信した直後に受信装置によってブランキング期間が適用されてもよい。ブランキング期間中、受信装置は受信された通信信号を無視することができる。これにより、通信電圧パルスの直後に発生し得るノイズが有効な通信電圧パルスとして解釈されることをさらに低減させることができる。ブランキング期間は期間1002の長さの4分の1〜4分の3の長さ、または他の任意の適切な長さとすることができる。一実施形態において、ブランキング期間は例えば、約250マイクロ秒とすることができる。いくつかの場合において、送信装置は通信電圧パルスの送信中および送信後の少なくとも一方において、同様のブランキング期間を適用することができる。このようなブランキング期間は、別の装置から伝導される通信信号を検出する送信装置の回路が、送信装置によって生成された通信電圧パルスを検出してしまうことを防止するのに役立ち得る。
【0099】
図10において、システム500の受信装置は通信電圧パルス1010aおよび1010bの間の経過時間1002を識別し、その経過時間1002を例えば同期記号として解釈することができる。同様に、システム500の受信装置は通信電圧パルス1010bおよび1010cの間の経過時間1004を識別し、その経過時間1004を例えば記号「1」として解釈することができる。さらに、システム500の受信装置は通信電圧パルス1010cおよび1010dの間の経過時間1006を識別し、その経過時間1006を例えば記号「0」として解釈することができる。いくつかの場合において、システム500の受信装置は通信電圧パルス1010dの後、閾値時間1008内に別の通信電圧パルスが続かないことを検出し、これをフレームの終端(EOF)記号として解釈することができる。この特定の実施形態は単なる例示であり、用途に応じて異なる記号、異なる時間遅延、および異なるシーケンスが用いられると考えられる。
【0100】
いくつかの実施形態において、システム500の装置は(ブランキング期間によって途切れる場合はあるものの)絶えず伝導通信信号に対して傾聴している。すなわち、システム500の装置は別の装置に伝導通信信号を送出する前に、ウェイクアップ信号を送信したり、特定の通信接続を確立したりすることはない。代わりに、システム500の装置は、システム500の別の装置への信号としての、送信装置がメッセージを送信することを示す同期パルスに依存させることができる。いくつかの場合において、EOF記号は、送信装置がメッセージ全体を通信したことを示す信号とすることができる。
【0101】
図10の実施形態において、期間1002、1004、1006、および1008は、各通信電圧パルス1010の前縁から測定されるものとして示されている。しかしながら、別の実施形態において、期間1002、1004、1006、および1008は、通信電圧パルス1010の他の特徴から測定されてもよい。例えば、システム500の装置は期間1002、1004、1006、および1008を、通信電圧パルス1010の後縁から測定してもよい。さらに別の実施形態において、システム500の装置は期間1002、1004、1006、および1008を、通信電圧パルス1010の変曲点から測定してもよい。さらに、システム500の装置は例えば前縁のような通信電圧パルス1010の特徴からの期間の測定を、通信電圧パルスの振幅が閾値レベルに達するまで開始しなくてもよい。いくつかの場合において、システム500の装置は期間1002、1004、1006、および1008を、通信電圧パルス1010のゼロクロス点から測定してもよい。これらは単なる例に過ぎない。
【0102】
図11は、システム500の装置がデータ、コマンド、および他の情報の少なくとも一つを通信するために使用可能な例示的なメッセージ1100を示す。例示的なメッセージ1100は、別の装置にアクションを実行させるためのコマンドを含むコマンドメッセージとすることができる。メッセージ1100は、同期フィールド1102、アドレスフィールド1104、コマンドフィールド1106、ペイロードフィールド1108、エラーチェックフィールド1110、およびEOFフィールド1112を含むことができる。メッセージ1100の同期フィールド1102は、一つ以上の同期記号を含むことができる。上述のように、同期記号は受信装置にメッセージが開始されたことを示すことができる。
【0103】
アドレスフィールド1104は、相対デバイスアドレス(RDA)を表す記号を含むことができる。システム500の各装置は、システム500内の装置を一意的に識別するRDAを有することができる。いくつかの実施形態において、RDAは3ビットからなるものであり、8つの装置に固有のRDAを提供することができる。しかしながら、別の実施形態において、アドレスフィールド1104は必要に応じて、より多い、またはより少ないRDAビットを有していてもよい。
【0104】
アドレスフィールド1104によって、メッセージが向けられる装置を識別することができる。上述のように、いくつかの実施形態において、システム500の装置は絶えず伝導通信信号に対して傾聴していてもよい。従って、送信装置によって送信される各通信電圧パルスは、システム500のすべての装置によって受信される可能性がある。しかしながら、装置が同期記号およびRDAを受信すると、装置は受信されたRDAが自身のRDA(ローカルメモリに格納されている)と一致するかを確認することができる。受信されたRDAが自身のRDAと一致しないと装置が判断した場合、その装置はメッセージの残りを無視することができる。いくつかの実施形態において、これは単に、装置がメッセージ内のコマンドフィールド1106に基づいてアクションを実行しないということを意味し得る。別の実施形態において、装置はブランキング期間を開始するか、あるいは伝導通信信号を検出するための回路を無効化することもできる。受信されたRDAが自身のRDAと一致すると装置が判断した場合、装置はメッセージを処理し続け、例えば受信されたコマンドに従ってアクションを実行することができる。このようにして、システム500の装置はメッセージを、システム内の特定の装置に向けて送信することができる。本明細書において使用される場合、「受信装置」という用語は伝導通信信号を検出する任意の装置、例えば伝導通信信号の範囲内におけるシステムのすべての装置のことを指す。本願において、送信装置がメッセージを送信することを意図している装置を指す際には、「意図された」装置という用語を使用するものとする。
【0105】
いくつかの実施形態において、システム500の装置は複数の関連するRDAを有していてもよい。いくつかの実施形態において、システム500の装置が複数の装置にメッセージを向けることが望ましい場合がある。装置が単一の固有のRDAのみを有する実施形態において、送信装置は異なるRDAを有する複数の別個のメッセージをそれぞれ送信することとなるであろう。しかしながら、装置が複数の関連するRDAを有する実施形態においては、関連するRDAのうちの少なくとも一つは固有のものでない場合がある。一実施形態として、二つの別個の装置は自身に関連した固有のRDAと、両方の装置に対して共通の、非固有の第二のRDAとを有することができる。従って、両方の装置にメッセージを向ける際、第二のRDAは両方の装置に関連するものであるから、送信装置は第二のRDAを有する単一のメッセージのみを送信するだけで十分となるであろう。このようにして、装置は一般に一つの固有のRDAと、一つの装置からいくつかの装置への通信を容易にするために一つ以上の別の装置と関連付けられた、任意の適切な数の非固有のRDAとを有することができる。少なくともいくつかの実施形態において、各装置はシステム内のすべての装置にわたって同じRDAを有していてもよい。装置がこのようなRDAを有するメッセージを送信した場合、メッセージはシステム500のすべての装置に向けられる。システム500の装置は3ビットの長さのRDAを有するとして説明されているが、別の例示的なシステムにおいては、RDAはより多くの、またはより少ないビットを有していてもよい。RDAの長さはシステム内の固有の装置の数と、メッセージを向ける目的において所望される装置の組み合わせの数とに従って選択することができる。
【0106】
一つの例示的なメッセージにおいて、コマンドフィールド1106は3ビットのコマンドを含むことができる。しかしながら、別の実施形態において、コマンドフィールドは任意のビット数とすることができる。コマンドフィールドは、送信装置によって受信装置にいくつかの所定のコマンドのうちの一つを実行させるための命令を表すことができる。
【0107】
ペイロードフィールド1108は、送信装置がメッセージ内に含むデータについての一つ以上のビットを含むことができる。いくつかのコマンドにおいて、受信装置はコマンドフィールド1106において受信されたコマンドに基づいた所望のアクションを実行するため、ペイロードフィールド1108内に含まれたデータ、アドレス、および他の情報の少なくとも一つを必要とする場合がある。いくつかの実施形態において、ペイロードフィールド1108は0ビット〜24ビット等の可能な範囲のサイズを有している。しかしながら、別の実施形態において、ペイロードフィールド1108は他の任意の適切なサイズとすることもできる。あるいは、ペイロードフィールドは固定長であってもよく、いくつかの場合において、コマンドフィールド1106において指定されたコマンドに依存していてもよい。例えば、「リードバイト」コマンドにおいて、ペイロードフィールド1108は9ビットのアドレスとすることができる。しかしながら、「ライトバイト」コマンドにおいて、ペイロードフィールド1108は9ビットのアドレスと8ビットのデータフィールドとの合計17ビットを含んでいてもよい。
【0108】
エラーチェックフィールド1110はエラーチェックコードを含むことができる。これは受信装置が、受信されたメッセージが送信中に破損しているか否かを判断するために使用することができる。例えば、エラーフィールド1110の内容は、パリティチェックスキーム、チェックサムスキーム、巡回冗長チェックスキーム、および他のいくつかの種類のエラーチェックスキームの少なくとも一つにおいて受信装置が使用するビットを含むことができる。エラーチェックフィールド1110はまた、エラー訂正スキームを含んでいてもよい。例えば、エラーチェックフィールド1110は、ハミング、リードソロモン、または他の訂正符号を含むことができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、メッセージが破損していると受信装置が判断した場合、受信装置は送信装置に、メッセージを再送信するようにコマンドを送信することができる。しかしながら、いくつかの例示的なシステムにおいて、送信装置にメッセージを再送信するよう要求するコマンドは存在しない場合がある(表1には存在していない)。このような実施形態において、コマンドメッセージが破損していた場合、受信装置はアクションを実行せず、(図12に関連して後述する)応答メッセージを送信しなくてもよい。所定期間内に応答メッセージを受信しなかった後、送信装置はコマンドメッセージを再送信することができる。応答メッセージが破損していた場合、コマンドメッセージを送信した装置は別の応答メッセージをトリガするため、単にコマンドメッセージを再送信すればよい。
【0110】
EOFフィールド1112は単に、送信装置がメッセージの終端を示すために含むEOF記号とすることができる。上述のように、いくつかの実施形態において、受信装置は通信電圧パルスが(二つの通信電圧パルス間の特定の期間ではなく)閾値期間だけ存在しないことに基づいて、EOF記号を識別することができる。このような実施形態において、EOFフィールド1112は単に、肯定的な信号またはビットを送信するのとは対照的に、送信装置によって生成される通信電圧パルスが閾値期間だけ存在しないことを表していてもよい。
【0111】
表1は、(表1において16進数で表される)コマンドを識別するための3ビットとともに、システム500の装置が実行可能ないくつかの例示的なコマンドをリストアップしている。
【0112】
【表1】
「コマンドタイプ」の列には、図11の例示的なメッセージ1100において装置が含むことのできる様々なコマンドの名前が列挙されている。「コマンド」の列は、各コマンドを一意に識別するために使用される特定の3ビットコードを示している。表1において、3ビットコードは16進数の形式で表されている。従って、0x0は2進数の000を表しており、0x1は2進数の001を表しており、0x2は2進数の010を表しており、以下同様である。「意図された」受信装置が3ビットのコマンドを受信した時、その装置は受信された3ビットと表1に示すコマンドとの一致を図り、特定されたコマンドに基づいて要求される動作を行うことができる。いくつかのシステムにおいて、より多くのコマンドが定義されていてもよく、各コマンドはより多くのビットによって識別することができる。「RDA」の列は、送信装置が各コマンドについてメッセージに含める必要のあるRDAの種類を示している。「コマンドペイロード」の列は、送信装置が各コマンドについてメッセージに含める必要のある特定のデータを示している。「応答」の列は、「意図された」受信装置が各コマンドについて返す応答の種類を示している。最後に、「説明」の列は、各コマンドの機能についての一般的な説明を示している。表1に示す各コマンドについての説明は、以下の通りである。
【0113】
リセットコマンド
装置が「リセット」コマンドを受信し(且つ、リセットコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、受信装置はリセットを実行する。一実施形態において、受信装置はその処理モジュールおよびメモリ回路の少なくとも一方への電力を一時的に遮断することができる。この電力サイクルによって、例えばメモリ回路が少なくとも一つの揮発性メモリ部分を含む場合、メモリ回路は一つ以上の格納されたパラメータを失う場合がある。いくつかの場合において、メモリ回路は少なくとも一つの不揮発性メモリ部分を含んでいてもよい。このような実施形態において、装置は不揮発性メモリ部分に格納された一つ以上のパラメータを保持することができる。電力サイクルはリセットを実行するための方法の一つであるが、任意の適切な方法を用いて受信装置のリセットを実行することができると考えられる。
【0114】
ID(ペアリング)コマンド
「ID(ペアリング)」コマンドを受信した場合、受信装置は自身を特定のRDAに関連付けることができる。一実施形態において、各受信装置は不揮発性メモリに格納された固有の識別子(ID)を有することができる。本明細書において使用される一例として、固有の識別子は、製造時またはその後等に装置に関連付けられるシリアル番号であってもよい。自身をRDAに関連付ける前に、装置はあたかも自身が「意図された」受信装置であるかのように、すべてのメッセージを受信して処理することができる。ID(ペアリング)コマンドを含むメッセージが受信された場合、受信装置はペイロードフィールドにおいて指定されたシリアル番号が自身のシリアル番号と一致するか否かを判断することができる。シリアル番号が一致した場合、受信装置はメッセージのアドレスフィールドにおいて指定されたRDAを自身と関連付け、そのRDAを自身のローカルメモリ(不揮発性メモリまたは揮発性メモリ)に格納することができる。いくつかの実施形態において、このペアリングは各装置についてその装置の寿命の間に一度だけ行われるものであってもよいが、別の場合において、このペアリングは任意の適切な時点で行われてもよい。いくつかの実施形態において、患者に電気刺激治療を送達するための医療装置システムの一部ではない装置は、患者に電気刺激治療を送達するための医療装置システムの一部である医療装置に一つ以上のID(ペアリング)コマンドを発行することができる。例えば、プログラミング装置は医療装置システムの各医療装置にID(ペアリング)コマンドを発行して、各医療装置にRDAを割り当てることができる。プログラミング装置はシステムの医療装置から情報を取り出したり医療装置の設定を変更したりするため、医療装置の患者への移植前または移植時に一度だけ使用されるか、または医療施設の設定時等の限られた時にのみ使用されてもよい。従って、いくつかの実施形態において、ID(ペアリング)コマンドを送信する装置は、患者に電気刺激治療を送達するために医療装置システムの装置と通信する装置ではない場合もある。
【0115】
リードバイトコマンド
受信装置が「リードバイト」コマンドを受信し(且つ、リードバイトコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、受信装置はメッセージのペイロードフィールドに含まれるアドレスに格納されたデータバイトを読み出し、要求されたデータバイトを送信装置に送信する。
【0116】
ライトバイトコマンド
装置が「ライトバイト」コマンドを受信し(且つ、ライトバイトコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、受信装置はメッセージのペイロードフィールドにおいて指定されたデータバイトを、メッセージのペイロードフィールドにおいて指定されたアドレスに書き込むことができる。示されている実施形態において、ペイロードフィールドの9ビットにおいてメモリアドレスを指定し、8ビットにおいて書き込まれるデータを指定することができる。いくつかの実施形態において、メッセージのペイロードフィールドは異なる構成を有していてもよい。
【0117】
リードマルチプルコマンド
装置が「リードマルチプル」コマンドを受信し(且つ、リードマルチプルコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、受信装置は自身のメモリから複数のデータバイト(マルチプルデータバイト)を読み出し、このマルチプルデータバイトを送信装置に送信することができる。一実施形態では、メッセージのペイロードフィールドにおいて、開始メモリアドレスおよびバイト数を指定することができる。受信装置は指定された開始メモリアドレスから開始するデータバイトを読み出し、指定されたバイト数を読み出すまで連続するメモリアドレスの読み出しを継続し、その後、要求されたデータバイトを送信装置に送信することができる。いくつかの実施形態において、受信装置は、指定された開始アドレスに対してインクリメントされた連続するアドレスから読み出しを行うことができる。別の実施形態において、受信装置は、指定された開始メモリアドレスに対してデクリメントされた連続するアドレスから読み出しを行うことができる。さらに別の実施形態において、送信装置は、受信装置が指定された開始メモリアドレスからインクリメントまたはデクリメントされたメモリアドレスのいずれに対してデータを読み書きすべきかを指定することができる。
【0118】
ACKおよびPINGコマンド
装置が「ACK」コマンドを受信し(且つ、ACKコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、メッセージにはペイロードフィールドが無く、受信装置はコマンドに基づいたアクションを実行しなくてもよい。受信装置が「PING」コマンドを受信し(且つ、PINGコマンドのRDAフィールドにおいて指定されたRDAと一致するRDAを有してい)た場合、受信装置は「ACK」コマンドを有するメッセージで単に応答するだけでよい。「ACK」コマンドと同様に、「PING」コマンドを含むメッセージにもペイロードフィールドが無くてもよい。
【0119】
デバッグコマンド
「デバッグ」コマンドは、少なくとも二つの装置に共有のRDAを有するメッセージにおいて送信することができる(例えば、111等のグローバルRDA)。デバッグコマンドはメモリアドレスを指定するペイロードフィールドを含むことができる。(RDAに基づいて)「意図された」受信装置はそれぞれ、指定されたメモリアドレスに格納されたデータを読み出し、そのデータを送信装置に送り返すことができる。「意図された」受信装置はそれぞれ、異なるタイミングでデータを送信してもよい。一実施形態において、「意図された」受信装置はそれぞれ、「意図された」装置が同じタイミングでデータを送信しないように、データを送信する前に異なる時間(ミリ秒)待機してもよい。いくつかの実施形態において、各装置は装置のシリアル番号の最後の6つの数字を一つの変数とする式に基づいて、待機時間を決定することができる。例えば、各装置は装置のシリアル番号の最後の6ビットの値に20マイクロ秒を乗じた時間だけ待機してもよい。
【0120】
オープンコマンド
最後に、一意的な3ビットの識別子に関連して未定義であるコマンドが存在する場合がある(例えば、0x2)。表1において、このコマンドは「オープン」とラベル付けされている。装置は後に、オープンコマンドが「意図された」装置に何らかのアクションを実行させるようにプログラミングされてもよい。例えば、非固有のRDAを単一の装置に割り当てたり、または割り当ての解除を行ったりするためにオープンコマンドを使用することにより、関連する固有のRDAに影響を与えることなく、より複雑なマルチデバイスメッセージングを可能とすることができる。これは単なる一例に過ぎない。
【0121】
ここで図12に戻ると、図12は、システム500の装置がデータおよび他の情報を通信するために使用可能な例示的なメッセージ1200を示す。メッセージ1200は例えば、コマンドメッセージの受信に応答して受信装置によって送信される応答メッセージとすることができる。図示の実施形態において、メッセージ1200は同期フィールド1202、アドレスフィールド1204、応答フィールド1206、ペイロードフィールド1208、エラーチェックフィールド1210、およびEOFフィールド1212の少なくとも一つを含むことができる。同期フィールド1202、アドレスフィールド1204、ペイロードフィールド1208、エラーチェックフィールド1210、およびEOFフィールド1212は、図11に関連して説明された同期フィールド1102、アドレスフィールド1104、ペイロードフィールド1108、エラーチェックフィールド1110、およびEOFフィールド1112と同様のものであってもよい。
【0122】
例示的なメッセージ1200と例示的なメッセージ1100との一つの違いは、メッセージ1200がコマンドフィールド1106のようなコマンドフィールドの代わりに、応答フィールド1206を有しているということである。上述のように、コマンドフィールドを有するメッセージは、「意図された」受信装置に何らかのアクションを実行させるコマンドを含むことができる。受信装置はコマンドメッセージに応答して、応答フィールドを有する応答メッセージを送信することができる。応答フィールド1206(および場合によってはペイロードフィールド)は、受信されたコマンドメッセージに対するいくつかの種類の明示的な応答を含んでいてもよい。例えば、ID(ペアリング)コマンドを有するメッセージを受信し、且つ「意図された」受信装置において受信されたID(ペアリング)コマンドメッセージのペイロードフィールド内のシリアル番号と自身のシリアル番号とが一致した場合、「意図された」受信装置は送信装置に応答メッセージを送り返すことができる。いくつかの場合において、応答メッセージは応答フィールド1206内にACKコマンドへの参照を含むことができる。いくつかの場合において、応答メッセージはペイロードフィールド1208に何も含まなくてもよい。しかしながら、受信装置において受信されたシリアル番号と自身のシリアル番号とが一致しなかった場合、受信装置は何のアクションも実行せず、何の応答メッセージも送信装置に送り返さなくてもよい。
【0123】
「意図された」受信装置が「リードバイト」、「リードマルチプル」、または「デバッグ」コマンドを受信した場合、受信装置は要求されたデータを一つ以上のメモリアドレスから読み出すことができる。これらのコマンドのいずれかの受信に応答して、「意図された」受信装置は応答メッセージ1200とは異なる応答メッセージを送信することができる。例えば、応答メッセージは同期フィールド1202、アドレスフィールド1204、ペイロードフィールド1208、エラーチェックフィールド1210、およびEOFフィールド1212の少なくとも一つを含むことができる。この応答メッセージは、応答フィールド1206を有していなくてもよい。このような応答メッセージのペイロードフィールド1208は、一つ以上のメモリアドレスから読み出される、要求されたデータを含んでいてもよい。別の実施形態において、応答メッセージは応答フィールド1204を含んでいてもよい。
【0124】
「意図された」受信装置がコマンドメッセージにおいて「ライトバイト」、「リセット」、または「PING」コマンドを受信した場合、「意図された」受信装置は応答フィールド1206にACKコマンドを有する応答メッセージを送信装置に送り返すことができる。この応答メッセージは、ペイロードフィールド1208を有していなくてもよい。
【0125】
上記説明に関して、いくつかの実施形態において、コマンドメッセージおよび応答メッセージはメッセージの一つ以上のフィールドを省略してもよいとされているが、これはすべての場合に当てはまるわけではない。例えば、上述のように、「PING」コマンドを有するコマンドメッセージにおいて、コマンドメッセージはペイロードフィールド1108を含んでいなくてもよい。しかしながら、別の実施形態において、コマンドメッセージは空のペイロードフィールドを含んでいてもよい。例えば、ペイロードフィールドはすべてゼロとすることができる。このようなメッセージにおいて、メッセージはより長くなってもよい。しかしながら、各メッセージは一定のサイズ(例えば、同じビット数)を有していてもよく、これにより、メッセージを処理するための実装をあまり複雑なものとしないようにすることができる。さらに、ペイロードフィールド1108および1208がコマンドタイプに基づいて異なるということはない。例えば、ペイロードフィールド1108および1208は固定サイズを有することができる。この固定サイズは、単一のメッセージで送信されるデータの最大量に基づいて設定することができる。メッセージにおいて、送信されるデータのためにペイロードフィールドの全体を必要としない状況においては、ペイロードフィールドの残りの部分は空、例えばゼロで埋められていてもよい。この場合も、メッセージは一定の長さとなる。
【0126】
上述の場合において、図11および12に記載された各フィールドは一組の通信パルスから構成されていてもよい。例えば、情報を送信するため、各フィールドは複数の通信パルスを含んでいてもよく、送信される情報を含むように複数のビットを送信することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、単一の通信パルスで受信装置に情報を送信するのに十分である場合もある。従って、いくつかの場合において、「一組」の通信パルスはただ一つの通信パルスを含む場合がある一方で、別の場合においては、「一組」の通信パルスは複数の通信パルスを含む場合もある。
【0127】
図13は、受信装置によって実行可能な例示的な方法1300のフロー図である。1302に示すように、受信装置はコマンドメッセージを受信することができる。装置は1304に示すように、コマンドメッセージのアドレスフィールド1104に含まれたRDAが受信装置に固有のRDAと一致するか否かを判定することができる。コマンドメッセージのRDAが受信装置に固有のRDAと一致した場合、受信装置は1306に示すように、コマンドメッセージのコマンドフィールド1106におけるコマンドリファレンスを実行することができ、その後、1350に示すように処理を終了することができる。コマンドメッセージのRDAが受信装置に固有のRDAと一致しなかった場合、例えばコマンドメッセージのRDAが受信装置に固有のRDAと異なっていた場合や、受信装置がまだ関連付けられた固有のRDAを有していなかった場合、受信装置は1308に示すように、コマンドフィールドのコマンドがID(ペアリング)コマンドであるか否かを判定することができる。コマンドがID(ペアリング)コマンドであった場合、受信装置は1310に示すように、メッセージのペイロードフィールドが受信装置に固有のシリアル番号と一致するか否かを判定することができる。ペイロードフィールドが受信装置に固有のシリアル番号と一致した場合、受信装置は1312に示すように、自身のRDAをメッセージのアドレスフィールドのRDAと等しい値に設定することができる。ペイロードフィールドが受信装置に固有のシリアル番号と一致しなかった場合、受信装置は1314に示すようにコマンドを無視することができ、その後、1350に示すように処理を終了することができる。
【0128】
コマンドがID(ペアリング)でなかった場合、受信装置は1316に示すように、コマンドメッセージのRDAが受信装置に非固有のRDAのうちの一つであるか否かを判定することができる。例えば、上述のように、各受信装置は各受信装置に固有のRDAに加えて、いくつかの関連する非固有のRDAを有していてもよい。コマンドメッセージのRDAが受信装置に非固有のRDAのうちの一つではなかった場合、受信装置は1320に示すようにコマンドを無視することができ、その後、1350に示すように処理を終了することができる。しかしながら、コマンドメッセージのRDAが受信装置に非固有のRDAのうちのひとつであった場合、受信装置は1318に示すようにコマンドを実行することができ、その後、1350に示すように処理を終了することができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、受信装置はコマンドメッセージのRDAが受信装置に非固有のRDAのうちの一つであるか受信装置に固有のRDAであるかに基づいて、コマンドメッセージに対して異なる応答をすることができる。例えば、いくつかの場合において、コマンドメッセージが受信装置に固有のRDAを含んでいた場合、受信装置は所与のコマンドメッセージについて表1に関連して上述された機能を実行することができる。しかしながら、コマンドメッセージのRDAが受信装置に非固有のRDAのうちの一つであった場合、受信装置は一つ以上のコマンドとは異なる動作をすることができる。一実施形態において、受信装置に非固有のRDAのうちの一つは、グローバルRDA、例えばシステムのすべての装置によって共有されるRDAであってもよい。受信装置がグローバルRDAを有するコマンドメッセージを受信し、コマンドがライトバイトコマンドまたはリセットコマンドであった場合、受信装置はこれらの機能を実行することができるが、ACK応答を有する応答メッセージを送信しなくてもよい。また、コマンドがPING、リードバイト、またはリードマルチプルコマンドであった場合、受信装置はこれらのコマンドを無視してもよい。別のシステムにおいて、コマンドメッセージが受信装置に非固有のRDAのうちの一つを含んでおり、受信装置がまだ固有のRDAを設定されていない場合のにみ、受信装置はこれらの異なる方法でコマンドを実行してもよい。これらは単なる例に過ぎない。
【0130】
いくつかの実施形態において、装置はRDAで予めプログラミングされていてもよい。例えば、処理モジュールまたは記憶モジュールが装置に組み込まれた時に装置がRDAを有することとなるように、処理モジュールまたは記憶モジュールは特定のRDAで予めプログラミングされていてもよい。別の実施形態において、装置はプログラミング装置に直接接続されていてもよく、プログラミング装置は装置のRDAを設定することができる。このような実施形態において、装置は特定のIDコマンドを含んでいなくてもよい。例えば、装置はIDコマンドを認識することができず、IDコマンドを受信した後にRDAを変更または設定することができなくてもよい。このような実施形態において、受信されたコマンドがIDコマンドであるか否かを判定することを含む、図13に関連して記載されたような方法を実行する代わりに、装置は自身のRDAと等しいRDAを含まないメッセージを単に無視することとしてもよい。
【0131】
図14および15は、コマンドメッセージおよび応答メッセージを送信する様々なタイミングスキームを示す。図14は、時間軸1406上のコマンドメッセージ1402および応答メッセージ1404を示す。コマンドメッセージ1402および応答メッセージ1404は、ターンアラウンドタイム1408によって分離されている。いくつかの実施形態において、ターンアラウンドタイム1408は1ミリ秒の半分であってもよい。しかしながら、別の実施形態において、ターンアラウンドタイム1408は4分の1ミリ秒、4分の3ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、または他の任意の適切な長さとすることができる。いくつかの場合において、ターンアラウンドタイム1408は固定値であっても可変値であってもよく、例えばシステムノイズ、信号対雑音比、信号強度、受信装置の処理パワー、受信装置のバッテリレベル、システム全体における受信装置の数等の要因に依存していてもよい。
【0132】
図6A〜6Dに関連して上述したように、コマンドメッセージおよび応答メッセージはそれぞれ、振幅およびパルス幅を有する複数の離間した通信パルスを用いて通信することができる。コマンドメッセージ1402を送信するために使用される通信電圧パルスの振幅およびパルス幅の少なくとも一方は、応答メッセージ1404を送信するために使用される通信電圧パルスの振幅およびパルス幅の少なくとも一方と異なっていてもよい。
【0133】
より一般的には、第一植込み型医療装置が第一メッセージ(例えば、コマンドメッセージ1402または応答メッセージ1404)を、第一植込み型医療装置から第二植込み型医療装置に送信する時、複数の離間した通信パルスは第一振幅および第一パルス幅を有していてもよい。第二植込み型医療装置が第二メッセージ(例えば、応答メッセージ1404またはコマンドメッセージ1402)を、第二植込み型医療装置から第一植込み型医療装置に送信する時、複数の離間した通信パルスは第二振幅および第二パルス幅を有していてもよい。いくつかの場合において、第一振幅および第二振幅は実質的に同じ(例えば、+/−10%)であってもよいが、第一パルス幅および第二パルス幅は実質的に異なっていてもよい。いくつかの場合において、第二パルス幅は第一パルス幅の2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上とすることができる。いくつかの場合において、第一振幅および第二振幅は実質的に異なっていてもよいが、第一パルス幅および第二パルス幅は実質的に同じ(例えば、+/−10%)であってもよい。いくつかの場合において、第二振幅は第一振幅の2倍、3倍、4倍、5倍、またはそれ以上とすることができる。いくつかの場合において、第一振幅および第二振幅は実質的に異なっていてもよく、第一パルス幅および第二パルス幅も実質的に異なっていてもよい。
【0134】
いくつかの場合において、第一植込み型医療装置は皮下植込み型除細動器とすることができ、第二植込み型医療装置は植込み型リードレス心臓ペースメーカーとすることができる。これは単なる一例に過ぎない。しかしながら、これらの装置がそれぞれ体内の異なる位置に存在すること、およびバッテリ容量等の他の要因に依存して、通信パルスにおいて捕捉および過度のバッテリ放電の少なくとも一方を生じさせないように提供することのできるエネルギーの量は、実質的に異なっていてもよい。これらの理由および他の理由により、各装置から放出される通信パルスの振幅およびパルス幅の少なくとも一方は、異なっている場合がある。
【0135】
図15は、コマンドメッセージ(CMD)および応答メッセージ(RSP)を実現するための様々なタイミングスキームを示す。いくつかの心臓サイクルを含む例示的な心電図1500が、QRS波1502a〜1502cと、コマンドメッセージおよび応答メッセージの対1504および1515とによって示されている。システム500の装置は、上述のように伝導通信信号を検出することに加えて、内因性心拍およびペーシングされた心拍の少なくとも一方のような心臓電気活動を検出することもできる。いくつかの実施形態において、内因性心拍およびペーシングされた心拍の少なくとも一方は、心電図1500のQRS波1502a〜1502cを識別することによって検出することができる。別の実施形態において、内因性心拍およびペーシングされた心拍の少なくとも一方は、心電図1500のQRS波1502a〜1502cのR波を識別することによって検出することができる。内因性心拍およびペーシングされた心拍の少なくとも一方がどのように検出されるかにかかわらず、システム500の装置は検出されたQRS波1502a〜1502cの周りにおいて、メッセージブランキング期間、例えばメッセージブランキング期間1510a〜1510cを開始するように構成することができる。システム500の装置は、このようなメッセージブランキング期間1510a〜1510cの間にコマンドメッセージまたは応答メッセージを送信しないように構成することができる。言い換えると、システム500の装置はブランキング期間中を除いて、システム500の装置間の通信を許容するように構成することができる。
【0136】
いくつかの場合において、ブランキング期間1510a〜1510cは内因性心拍が検出された後に開始され、その後、ある期間継続してもよい。例えば、ブランキング期間1510a〜1510cは、心拍信号のP波の検出後に開始されてもよい。別の実施形態において、ブランキング期間1510a〜1510cは、QRS波1502a〜1502cのS波の検出後まで開始されなくてもよい。さらに別の実施形態において、ブランキング期間1510a〜1510cは、QRS波1502a〜1502cの対応するR波の検出時に開始されてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、コマンドメッセージおよび応答メッセージの対のうちのコマンドメッセージ1505をオーバーラップするQRS波1502cとともに示されているように、装置はメッセージを送信する過程において心拍(例えばQRS波)を検出することができる。このような実施形態において、送信装置は図15に示すように、QRS波1502cの検出およびブランキング期間1510cの開始時に、メッセージの送信を停止することができる。しかしながら、別の実施形態において、送信装置はメッセージを送信し続けてもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、メッセージが短く切断されたり、QRS波1502cによって生じる「ノイズ」のために伝送の信号対雑音比が低くなったりする場合があるため、メッセージが適切に受信されない可能性がある。ブランキング期間1510cが経過すると、コマンドメッセージおよび応答メッセージの対1515で示すように、装置は2回目のコマンドメッセージを送信することができる。同様に、応答メッセージを送信する装置が応答メッセージの通信中に心拍を検出した場合、装置はブランキング期間の終了後、2回目の応答メッセージを送信することができる。しかしながら、別の実施形態において、送信装置は代わりに、応答メッセージの送信を停止してもよく、ブランキング期間の終了後に応答メッセージを再送信しなくてもよい。従って、コマンドメッセージを送信した装置において、所定期間内に受信が行われない場合がある。このような実施形態において、コマンドメッセージを送信した装置は図11、12、および表1に関連して上述したように、受信装置からの別の応答メッセージを促す2回目のコマンドメッセージを送信することができる。
【0138】
システム500の装置は追加的に、刺激パルス1506によって例示的に表される刺激パルスを検出することができる。このような実施形態において、装置は刺激パルス1506を検出した後に、ブランキング期間1512のようなブランキング期間を実行するように構成されていてもよい。少なくともいくつかの実施形態において、ブランキング期間1512は図15に示すように、ブランキング期間1510a〜1510cのいずれよりも長くすることができる。しかしながら、別の実施形態において、ブランキング期間1512がブランキング期間1510a〜1510cのいずれよりも長い場合であっても、ブランキング期間1510aおよび1510bが内因性心拍1502aおよび1502cの後に終了する時間に対して、ブランキング期間1512もペーシングビート1502bの後の同じ時間で終了してもよい。システム500の装置は、メッセージ送信中のQRS波1502a〜1502cの検出と同様に、メッセージ送信中の刺激パルス1506の検出に対処することができる。例えば、装置は刺激パルス1506を時間的にオーバーラップするブランキング期間1512の終了後に、メッセージまたはメッセージ対の一部を再送信するように構成されていてもよい。また、いくつかの実施形態において、装置は刺激パルス1506の検出後もメッセージを送信し続けることができるが、別の実施形態において、装置は刺激パルス1506の検出時にメッセージの送信を停止してもよい。
【0139】
装置がブランキング期間1512を開始する実施形態において、装置はQRS波の検出に応答してブランキング期間1510bのようなブランキング期間を開始しなくてもよい。しかしながら、別の実施形態において、装置はブランキング期間1512に追加してブランキング期間1510bを開始することもできる。このような実施形態において、装置はブランキング期間1512および1510bの両方が終了するまで、メッセージを送信または再送信しなくてもよい。
【0140】
図16は、図1〜4に示すような植込み型医療装置、または図5に示すような医療装置システムによって実施可能な例示的な方法のフロー図である。図16の方法はLCP100およびMD300に関連して説明されているが、図16の例示的な方法は任意の適切な医療装置または医療装置システムを使用して実行することができる。
【0141】
図16に示す方法によれば、MD300のような第一の医療装置を、MD300がICP、ICD、S−ICDであるような場合には患者内に移植し、MD300が外部医療装置であるような場合には患者に近接して配置することができる。LCP100のような第二の医療装置とともに、MD300は医療装置システムの一部を形成することができる。このような医療装置システムにおいて、MD300およびLCP100の少なくとも一方のような一つ以上の医療装置は、1602に示すように、心臓電気信号を検出するように構成することができる。一つ以上の医療装置はさらに、1604に示すように、内因性心拍の発生を特定するように構成することができる。一つ以上の医療装置はさらに、1606に示すように、各内因性心拍の発生後にブランキング期間を提供するように構成することができる。一つ以上の医療装置はまた、1608に示すように、ブランキング期間中を除いて、一つ以上の医療装置と一つ以上の別の医療装置との間の通信を許容するように構成することができる。
【0142】
当業者であれば、本明細書に記載されて企図される特定の実施形態以外の様々な形態によって本願が実現され得ることを認識するであろう。例えば、本明細書において説明されるように、様々な実施形態は様々な機能を実行するとして説明された一つ以上のモジュールを含む。しかしながら、別の実施形態では、記載された機能を本明細書に記載されたモジュールより多くのモジュールに分配する追加のモジュールを含んでいてもよい。また、別の実施形態では、記載された機能をより少ないモジュールに統合することもできる。従って、添付の特許請求の範囲に記載される本願の範囲および意図から逸脱することなく、形態および詳細についての変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16