特許第6487039号(P6487039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6487039スキンケア組成物の送達のためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487039
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】スキンケア組成物の送達のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20190311BHJP
   A61P 17/12 20060101ALI20190311BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20190311BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   A61K9/70 401
   A61P17/12
   A61K8/02
   A61Q19/00
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-515676(P2017-515676)
(86)(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公表番号】特表2017-516864(P2017-516864A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】US2015030251
(87)【国際公開番号】WO2015183540
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年2月28日
(31)【優先権主張番号】14/291,508
(32)【優先日】2014年5月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502112382
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】プトニンス・マシュー・エリック
【審査官】 今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特表平08−509200(JP,A)
【文献】 特表平09−506803(JP,A)
【文献】 米国特許第02120465(US,A)
【文献】 特開平09−124468(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0166147(US,A1)
【文献】 特表2010−538682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 31/00−31/80
A61K 33/00−33/44
A61K 47/00−47/69
A61P 1/00−43/00
A61L 15/00−33/18
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61F 13/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア組成物用の層状送達システムであって、
a.結合層に取り外し可能に取り付けられ、前記送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバー層であって、前記結合層は、前記柔軟性カバー層と対面する関係にある上部表面と、その反対側の下部表面と、外周とを有し、前記柔軟性カバー層によって実質的に閉鎖された内部空隙容量部を画定する、柔軟性カバー層と、
b.前記送達システムの下部表面上に配設され、取り外し可能な剥離ライナーによって保護された第1の接着剤層と、
c.前記柔軟性カバー層と関連するリザーバであって、前記内部空隙容量部と流体連通して配設され、かつ前記スキンケア組成物を保持する、リザーバと、を備え
前記リザーバは、前記柔軟性カバー層の下部表面に取り付けられ、前記柔軟性カバー層の下部表面から前記内部空隙容量部の中へ延在しており、
前記リザーバは、ユーザによって破裂され得る外壁を有し、前記外壁が破裂すると、前記リザーバにより保持されていた前記スキンケア組成物が、前記内部空隙容量部内に進入するようになっている、層状送達システム。
【請求項2】
前記柔軟性カバー層が前記結合層から取り外された際に、前記スキンケア組成物とは異なる第2のスキンケア組成物を保持する第2のリザーバを有する第2の柔軟性カバー層を前記結合層に取り付けることが可能となっている、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項3】
前記第1の接着剤層は、前記結合層の下部表面上に配設されている、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項4】
前記第1の接着剤層は、少なくとも1つの中間層を通じて前記結合層の下部表面に結合されている、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項5】
前記柔軟性カバー層は、第2の接着剤層を通じて前記結合層に取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項6】
前記リザーバは、前記スキンケア組成物を収容したサックを備える、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項7】
前記リザーバは、前記スキンケア組成物を含浸された多孔質構造体を備える、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項8】
前記スキンケア組成物に対して透過性であって、前記結合層と前記第1の接着剤層との間に配設された膜を更に備える、請求項1に記載の層状送達システム。
【請求項9】
前記スキンケア組成物は、少なくとも1種類の有効成分、少なくとも1種類の化粧成分、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の層状送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義には、スキンケア組成物、特に有効成分及び化粧品成分の送達のためのデバイスに関する。より具体的には、本発明は、うおのめ、たこ、及びいぼに対する有効成分の送達のためのパッド付きデバイスである。
【背景技術】
【0002】
皮膚透過的又は経皮的な薬物送達のためのデバイスが知られている。そのようなデバイスは通常、ある量の薬物、例えば、ニトログリセリン、エストロゲン、エストラジオール、コルチコイド、レボノルゲストレルなどを患者の皮膚に、デバイスによって制御された速度で送達することを特徴とする。その後に、薬物は、体内の目的の治療部位へと全身的に送達される。
【0003】
それらの目的とする用途には有効であるが、そのような徐放デバイスは、顔、腕、脚、又は足にしばしば見られるような、局所的な皮膚状態、例えば、外傷、又は、うおのめ、いぼ、たこ、腱膜瘤、日光性角化症及び硬質の過角化性の皮膚などの異常な皮膚の特徴に対する薬物又は有効成分の最大送達を必要とする種類の治療を提供することに対しては、実用性が限られている。薬用プラスターなど、送達デバイスの他のタイプが、うおのめ、いぼ、たこなどに使用されている。しかしながら、そのようなプラスターによって送達され得る有効成分の量は、プラスターの寸法及びプラスターへの有効成分の溶解性によって制限される。結果的に、有効な処置には反復的な投与が必要となる。上記で説明したような局所的な皮膚状態に対する皮膚科学的成分の最大送達をもたらすデバイスを提供することが望ましい。
【0004】
具体的には、Schollは、米国特許第2,098,312号において、うおのめ、たこ、腱膜瘤、及び擦り切れた範囲など、ヒトの足の上の敏感な箇所に投薬するか又はその箇所を処置するためのパッドについて記載したと主張している。これらのパッドは、布地又は他の柔軟性材料を接着剤で一体化するか又は重ね合わせた複数の層から構成され得る。
【0005】
この分野における更なる改善が、Shollの米国特許第2,115,237号に記載されており、これは直接ユーザの身体に付着させるための薬用ボタン又はパッドについて記載したと主張するものである。これは、特にうおのめ及び類似する苦痛の処置に関するものと思われる。上記で更に一般的に記述されているように、このデバイスは、限られた量の薬物を処置範囲に提供するものである。
【0006】
最後に、Devillezの米国特許第5,641,507号は、プラスター又は反復的投与を用いずに低粘度の化粧用及び皮膚科学用の成分を投与するための送達システムについて主張するものである。このシステムは、処置が必要とされていない範囲、及び/又は患者の身体のうちの投与液と接触した場合に悪影響を受け得る敏感な領域に、低粘度の投与液が移動することを排除しようと主張するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の更なる目的及び利点が、数枚の図面と共に行う以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかとなろう。
【0008】
具体的に言えば、本出願人は、スキンケア組成物用の層状送達システムを開発した。このシステムは、結合層に取り外し可能に取り付けられ、送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバーと、送達システムの下部表面上に配設された第1の接着剤層と、柔軟性カバー層と関連するリザーバとを備える。結合層は、柔軟性カバー層と対面する関係にある上部表面と、その反対側の下部表面と、外周とを有し、柔軟性カバー層によって実質的に閉鎖された内部空隙容量部を画定し、第1の接着剤層は取り外し可能な剥離ライナーによって保護されている。リザーバは、内部空隙容量部と流体連通して配設され、スキンケア組成物を保持する。
【0009】
別の態様では、本発明は、複数回の投与量の組成物をスキンケア領域に供給するための方法に関する。この方法は、皮膚に層状送達システムを貼り付ける工程を含む。このシステムは、結合層に取り外し可能に取り付けられ、送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバーと、送達システムの下部表面上に配設された第1の接着剤層と、柔軟性カバー層と関連するリザーバとを備える。結合層は、柔軟性カバー層と対面する関係にある上部表面と、その反対側の下部表面と、外周とを有し、柔軟性カバー層によって実質的に閉鎖された内部空隙容量部を画定し、第1の接着剤層は取り外し可能な剥離ライナーによって保護されている。リザーバは、内部空隙容量部と流体連通して配設され、スキンケア組成物を保持する。結合層の外周は、望まれるスキンケア領域を囲み、スキンケア領域は、内部空隙容量部と対面する関係をなし、第1の接着剤層は、層状送達システムを皮膚に取り付ける。第1の組成物は、第1のリザーバから内部空隙容量部に放出され、それによって、組成物はスキンケア領域と流体連通する。第1の柔軟性カバー層及び第1のリザーバは、第1の接着剤が結合層を皮膚に保持している間に、層状送達システムから除去され、第1の柔軟性カバー層及び第1のリザーバと実質的に同じ第2の柔軟性カバー層及びそれに関連する第2のリザーバが、結合層の上部表面に貼り付けられる。第2の組成物がその後に、内部空隙容量部の中へ放出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態は、ここで、あくまでも例示として、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1】本発明の層状送達システムの第1の実施形態の平面図である。
図2】2−2平面に沿った、図1の層状送達システムの横断面図である。
図3】本発明の層状送達システムの第2の実施形態の平面図である。
図4】4−4平面に沿った、図3の層状送達システムの横断面図である。
図5】有効成分の放出前の、ユーザの皮膚上に置かれた図4の層状送達システムの横断面図である。及び、
図6】有効成分パウチの破裂後の、図4の層状送達システムの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は広義には、皮膚用、皮膚透過用、粘膜用又は経粘膜用成分送達システムに関する。そのようなデバイスは、被験者の皮膚又は露出した粘膜に成分を送達するように設計されている。このデバイスは、成分がユーザの皮膚の上に残存し、そこで活性となるか、又皮膚を通過するような方式で配合されているかどうかに応じて、「皮膚用」又は「皮膚透過用」と呼ばれる。同じ区別が、ただし露出した粘膜層に関して、「粘膜用」又は「経粘膜用」デバイスに関しても当てはまる。
【0012】
皮膚透過式又は経皮式の薬物送達のためのデバイスは通常、ある量の薬物又は他の成分、例えば、ニトログリセリン、エストロゲン、エストラジオール、コルチコイド、レボノルゲストレルなどを患者の肌に、デバイスによって制御された速度で送達することを特徴とする。皮膚透過式又は経粘膜式デバイスでは、薬物は、体内の目的の治療部位へと全身的に送達される。それらの目的とする用途には有効であるが、そのような徐放デバイスは、顔、腕、脚、又は足にしばしば見られるような、局所的な皮膚状態、例えば、外傷、又は、うおのめ、いぼ、たこ、腱膜瘤、日光性角化症及び硬質の過角化性の皮膚などの異常な皮膚の特徴に対する薬物又は有効成分の最大送達を必要とする種類の治療を提供することに対しては、実用性が限られている。
【0013】
図1及び2は、本発明の層状送達システム(又はデバイス)の第1の実施形態を示している。送達システム10は、送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバー層12と、上部表面16と下部表面18とを有する結合層14と、下部表面18に関連する第1の接着剤層20と、使用まで第1の接着剤層を保護する剥離ライナー22とを備えている。
【0014】
図2は、2−2平面に沿った送達システム10の横断面図である。この図は柔軟性カバー層12を示しており、また結合層14の側壁28が、チャンバ24など、ある内部空隙容量部を形成するような様式で配設されている。リザーバ26がチャンバ24内に配設されている。
【0015】
送達システム10の柔軟性カバー層12は、限定するものではないが、矩形、正方形、楕円形、円形、卵形、又は長円形など、様々な形状を有し得る。送達システム10の形状は、柔軟性カバー層12の形状によって概ね画定される。柔軟性カバー層12は、薄く、高度に柔軟性又は変形可能であり、水不透過性であり、また透明又は不透明であり得る。一般に、柔軟性カバー層12の厚さは、望まれる成形特性及び屈曲特性を達成するために、0.05〜0.20ミリメートルの範囲内にあるべきである。
【0016】
柔軟性カバー層12内で使用される材料は、本体の輪郭に適合可能であり、かつ、製品を着用する身体部位の自由な動きを可能にするように柔軟性であることが望まれる。更に、柔軟性カバー層12は、軽量であり得ると共に、特性において弾性(ゴム弾性)であり得る。これは織布であっても、不織布であってもよい。これは布地であっても、フィルムであっても、フォームであってもよい。柔軟性カバー層12に使用するための材料には、ポリオレフィン(ポリエチレンなど)フィルム又はフォーム、ポリウレタンフィルム又はフォーム、及びポリ塩化ビニルフィルム又はフォームが挙げられる。裏当ての他の例には、限定するものではないが、ポリウレタン若しくは弾性ポリエステル材料などの不織布の裏当て材料、又は、綿、ポリエステル、レーヨンなどの編物若しくは織物が挙げられる。
【0017】
ポリエチレンフィルムが柔軟性カバー層12として使用されてもよく、特に有効な結果は、気体(水蒸気を含む)透過性という更なる利点を有する、ポリウレタンから形成された伸縮性弾性エラストマーフィルムを用いて達成され得る。しかしながら、当該技術分野において既知の他の可撓性水不溶性高分子フィルムを使用してもよいことが理解される。更に、柔軟性カバー層12は、独立気泡高分子発泡体、特に使用者の皮膚から離れた方向を向く側を覆うスキン層付きのものから形成されてもよい。ポリウレタン又はポリエチレンから形成された発泡体層は好適であり、一方、同様の特性を有する他の高分子発泡体を使用してもよい。加えて、柔軟性カバー層12は、他のポリオレフィン、ポリエチレン酢酸ビニル、繊維不織布、ゴム又は接着剤物品業界で既知の他の材料から製造されてもよい。本発明の絆創膏において使用される柔軟性カバー層12を作製するために使用されるポリマーは、約190℃の温度で約500〜500,000センチポアズ、又は約190℃の温度で約1,000〜30,000センチポアズ、又は約190℃で3,000〜15,000センチポアズの粘度を呈し得る。柔軟性カバー層12は、液体に対しては不透過性であるが、気体に対しては透過性であることができ、それによって、本発明の送達システム10が接着される創傷及び皮膚は空気を吸うことが可能となる。一実施形態では、柔軟性カバー層12は、きわめて小さなサイズの分子を有する気体の通過のみを許容するサイズの孔を有し得る。最後に、皮膚の更なる通気のために穿孔された柔軟性カバー層を思い付くことができる。穿孔は領域が円形であってもよく、例えば、約0.1〜約0.8ミリメートルといった一定範囲の直径を有してもよい。しかしながら、柔軟性カバー層12は、必要な場合は、気体に対して全体として不透過性であってもよい。
【0018】
送達システム10の結合層14は、柔軟性カバー層12と対面する関係をなす上部表面16と、その反対側の、使用中に皮膚に向けられる下部表面18とを有している。結合層14は、限定するものではないが、矩形、正方形、楕円形、円形、卵形、又は長円形など、様々な形状の形態であってよい外周を有する。結合層14の内部は開放しており、側壁28と柔軟性カバー層12の内側表面とが協働してチャンバ24の空隙容量部を画定する。結合層14の形状は柔軟性カバー層12の形状と一致してもよく、あるいは、当て物が、横断面積において柔軟性カバー層12よりも小さくなるように寸法を定められてもよい。結合層14は、高度に柔軟性又は変形可能であり、水不透過性であり、また透明又は不透明であり得る。一般に、結合層14の厚さは、望まれる緩衝特性を達成するためには、また望まれるチャンバ24の容積を達成するためには、約0.5ミリメートル〜約10ミリメートル、又は約1ミリメートル〜約5ミリメートル、又は約2ミリメートル〜約3ミリメートルの範囲に入るべきである。
【0019】
結合層14は、送達システム10が貼り付けられる皮膚範囲のための当て物として機能してもよい。当て物として使用される場合、結合層14で使用するための材料には、限定するものではないが、開放又は独立気泡、微多孔性ポリウレタンフォーム、ニトリルPVCゴムから作られた記憶クッション、フォームラバー、スポンジゴム(一般にEPDM又はエチレンプロピレンジエンモノマーとして知られる)、ウールベースのフェルト、及びコンフォートゲルが挙げられる。それに代わって、結合層14は、当て物を提供する材料でなくてもよい。これらの材料には、セラミックス、金属、ガラス、及び剛性のポリマーが挙げられる。
【0020】
図2に示すように、リザーバ26が送達システム10のチャンバ24内に配設されている。リザーバ26はカバー層12に関連している。リザーバ26は、スキンケア組成物を保持することが可能な任意の構造を有してよい。例えば、図2に示すように、リザーバ26は、カバー層の内側表面上に配設された柔軟性サックである。それに代わって、リザーバは、スキンケア組成物を含浸された多孔質構造であってもよい。サック(リザーバ26)の外壁30が破裂すると、それによって保持されていたスキンケア組成物は、内部の空隙容積(チャンバ24)の中に進入することが可能となる。
【0021】
サックの壁30は、例えば薄いポリエチレン(LDPE)フィルムなどのように破裂することが可能である材料から作成され得るか、又はゲルの形態をなし得る。いくつかの実施形態では、柔軟性カバー層12は、サックの壁30と同じ材料又は異なる材料であって、サックの壁30と連続していてもよく、これはまた、柔軟性カバー層12を物理的に、機械的に、化学的に、電気的に、又は磁気的にサックの壁30に結合させるように、熱、圧力、樹脂、又は反応体を加えることによって達成されてもよい。柔軟性カバー層12とサックの壁30との結合はまた、柔軟性カバー層12とサックの壁30との両方を通じてフィラメント又は繊維を超音波溶接するか、縫い付けるか、織るか、又は巻き付けることによって達成されてもよい。柔軟性カバー層12とサックの壁30との結合は更にまた、柔軟性カバー層12とサックの壁30との両方の間に繊維状メッシュの織り合わせを有することによって達成されてもよい。柔軟性カバー層12はまた、柔軟性カバー層12の中に組み込まれたスロット又は代わりの構造内に保持されるなど、サックの壁30の中に機械的に統合されてもよい。他の実施形態では、リザーバ26は、高分子ゲル又はガラスで構成されてもよい。他の実施形態では2つ又はそれ以上のリザーバ26が備えられてもよく、それらのリザーバ26は、いくつかの実施形態では、混合されたときに互いに相互作用する複数の種類の成分を含んでもよい。
【0022】
剥離ライナー22が、層状送達システム10の下部表面上に配設され、使用前に第1の接着剤層20を保護する。一般に、剥離ライナー22の厚さは、約0.05〜0.20ミリメートルの範囲内にあるべきであり、紙、ポリエチレン及びポリプロピレンなど、これらの特性を有する任意のシート材料であってよい。好適な剥離材料は、例えば、クレーなどの好適な仕上げ材料を、またシリコーンなどの剥離剤を片側又は両側にコーティングされた18〜34キログラム(40〜75ポンド)の連量の紙である。
【0023】
送達システム10は、第1及び第2の表面を有する柔軟性カバー層12と、上部表面16と下部表面18とを有する結合層14と、第1及び第2の表面を有する剥離ライナー22とを備えている。
【0024】
図2に示すように、第1の接着剤層20は、柔軟性結合層14の下部表面18に関連する(例えばその上に配設され)、剥離ライナー22によって保護されている。第2の接着剤層32は、結合層14の上部表面とカバー層12の内部表面との間に配設されている。好ましくは、第2の接着剤層は、そのようなカバー層が結合層14の上部表面16から除去されるとき、結合層14の上部表面16には比較的接着剤が残らず、かつ別の接着剤コーティング付きカバー層12の貼り付けに準備ができているように、カバー層12に関連している。
【0025】
剥離ライナー22は、第1の接着剤層20を被覆するように寸法及び形状を定められている。
【0026】
一般に、様々な感圧性接着剤のいずれかが、接着剤層20及び32として利用され得る。特に、ヒトの皮膚に対して生体適合性を有する感圧接着剤が、典型的には利用される。一部の実施形態では、本発明の接着剤は、概ね水溶性、若しくは概ね水不溶性、又は水性環境において分散性のいずれかでもあり得る。例えば、市販の分散性感圧接着剤は、商品名HL−9415−Xで販売されており、H.B.Fuller Companyから入手可能である。別の好適な接着剤としては、約10〜75重量%のポリアルキルオキサゾリンポリマー、10〜75重量%のヒドロキシ化合物又はカルボン酸化合物を含む官能性希釈剤、及び5〜50重量%の粘着付与剤が挙げられる。
【0027】
接着剤層20及び32は、親水コロイドを含み得る。使用される親水コロイド要素は、数ある中でも、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、多糖類、アルギン酸ナトリウム又はカルシウム、キトサン、海草抽出物(カラギーナン(cageenan))、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸又は塩、及びそれらの誘導体等の、本利用において良好な性能を有する任意の物質であってもよい。
【0028】
数ある中でも、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びペクチン等の親水コロイドは、創傷からの体液と接触するとすぐに、ゲルを形成する物質である。絆創膏で使用される場合、これらの親水コロイドは、エラストマー及び/又は接着剤と混合されている。好ましくは、絆創膏は、治癒の促進に好適な条件である、飽和、瘢痕形成なしの湿潤環境を保証すべきである。
【0029】
接着剤層20及び32は、とりわけ、例えば、アクリル系感圧接着剤など、そのような利用で知られている任意の従来の接着剤であってよい。接着剤層20と32は、同じ接着剤でなくても、同様に配合されていなくてもよい。加えて、そのような接着剤は、接着を強化させるための樹脂、凝集強化剤、吸収剤(好ましくは、ポリアクリレート超吸収体、ポリアクリレート塩超吸収体、又はそれらの混合物)、可塑剤、及び任意に顔料を含有してもよい。接着剤層は更に、線状に配列される不連続パターン、スクリーン、スプレー、又は当業者が不連続と理解する任意の他の形態で構成されてもよい。
【0030】
接着剤層32は好ましくは、層状送達システム10の残り(例えば、第1の接着剤層20と結合層14)が依然として定位置に付着されている一方で柔軟性カバー層12が除去され得るように配合される。手付かずのリザーバ26を有する新たな柔軟性カバー層12が、結合層14の上に置かれ得る。
【0031】
図3及び4は、本発明の送達システムの第2の実施形態を示している。ここで、層状送達システムは、少なくとも1つの中間層を通じて結合層の下部表面に結合された第1の接着剤層を有する。送達システム100は、送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバー層112と、上部表面116と下部表面118とを有する結合層114と、膜119と、膜119に関連する第1の接着剤層120と、使用まで第1の接着剤層を保護する剥離ライナー122とを備えている。
【0032】
図4は、4−4平面に沿った、図3の送達システムの横断面図である。この図は、チャンバ124など、ある内部空隙容量部を形成するような様式で配設された、柔軟性カバー層112及び結合層114の側壁128を示している。リザーバ126がチャンバ124内に配設されている。図4に示すように、リザーバ126が、柔軟性カバー層112の第2の表面上に配設され、リザーバ壁130を有している。
【0033】
送達システム100の柔軟性カバー層112は、皮膚から離れた方向を向く第1の表面と、第1の表面の反対側にあり、皮膚に対面する第2の表面とを有している。柔軟性カバー層112は、上述のように様々な形状を有してよく、上述のように寸法を定められてよく、また上述の材料から形成されてよい。
【0034】
送達システム100の結合層114は、柔軟性カバー層112と対面する関係をなす上部表面116と、その反対側の、使用中に皮膚に向けられる下部表面118とを有している。結合層114は、上述のように様々な形状を有してよく、上述のように寸法を定められてよく、また上述の材料から形成されてよい。
【0035】
送達システム100の膜119が、結合層114と第1の接着剤層120との間に配設されている。膜119は、限定するものではないが、矩形、正方形、楕円形、円形、卵形、又は長円形など、様々な形状を有し得る。膜119の形状は、柔軟性カバー層112の形状に対応してもよく、若しくは結合層114の外径の形状に対応してもよく、又は膜119の形状は、結合層114によって形成された空隙容量部又はチャンバの周囲長に対応してもよい。膜119はまた、説明したものの間のサイズの任意の形状にサイズを定められてもよい。膜119は、高度に柔軟性又は変形可能であり、また透明又は不透明であり得る。一般に、膜119の厚さは、望まれる成形特性及び屈曲特性を達成するために、約0.05〜1.0ミリメートルの範囲内にあるべきである。
【0036】
図3〜4の実施形態に示すように、膜119の上部表面は結合層114の下部表面118に付着され、第1の接着剤層120は、膜119の下部表面上に配設されている。もちろん、これらの層の間に更なる要素が存在してもよいことが、当業者には理解されよう。
【0037】
膜119は、接着剤、又は結合層114への他の物理的、機械的、化学的、電気的、又は磁気的結合を通じて、結合層114に付着されてよい。膜119と結合層114との結合はまた、膜119と結合層114との両方を通じてフィラメント又は繊維を超音波溶接するか、縫い付けるか、織るか、又は巻き付けることによって達成されてもよい。膜119と結合層114との結合は更にまた、膜119と結合層114との両方の間に繊維状メッシュの織り合わせを有することによって達成されてもよい。膜119はまた、結合層114の中に組み込まれた溝、留め金、締め具、又は代わりの構造体内に保持されるなど、結合層114の中に機械的に統合されてもよい。膜119と結合層114の結合の結合は、図4〜6において、構造接着剤層131として示されている。
【0038】
膜119は、リザーバ126によって保持されるスキンケア組成物に対して透過性でなければならない。膜119において使用するための材料は高分子であり、布地、フィルム又は連続フォームの形態をなし得る。膜119はまた事実上、粘着性であってもよい。いくつかの実施形態では、膜119は、スキンケア組成物で部分的に若しくは完全に飽和されるか、さもなければスキンケア組成物を収容してもよい。これは、リザーバ126によって保持されるスキンケア組成物と同じであっても、異なってもよい。したがって、膜119は、リザーバ126によるスキンケア組成物の開放よりも前に、標的部位を初期投与量のスキンケア組成物と接触させ得る。
【0039】
図1及び2の実施形態のように、剥離ライナー122が、層状送達システム100の下部表面上に配設され、使用前に第1の接着剤層120を保護する。剥離ライナー122は、上述のように様々な形状を有してよく、上述のように寸法を定められてよく、また上述の材料から形成されてよい。
【0040】
第2の接着剤層132は、結合層114の上部表面116とカバー層112の内側表面との間に配設されている。好ましくは、第2の接着剤層132は、そのようなカバー層が結合層114の上部表面116から除去されるとき、結合層114の上部表面116には比較的接着剤が残らず、かつ別の接着剤コーティング付きカバー層112の貼り付けに準備できているように、カバー層112に関連している。
【0041】
上述のように、様々な感圧性接着剤のいずれかが、接着剤層120及び132として利用され得る。更に、接着剤は、線状に配列される不連続パターン、スクリーン、スプレー、又は当業者が不連続と理解する任意の他の形態で構成されてもよい。
【0042】
層状送達システムの寸法は、その望まれる用途に依存する。通常、小さなスキンケア領域は、約25mmの(長手方向寸法に対して垂直な)短軸を有する包帯材を使用する。より大きなスキンケア領域は、約100mmの(長手方向寸法に沿った)長軸を有する包帯材を使用し得る。言うまでもなく、円形の製品は、実質的に同一の長軸と短軸を有することになる。好ましくは、短軸は好ましくは少なくとも約5mm、より好ましくは少なくとも約15mm、最も好ましくは少なくとも約25mmである。長軸は好ましくは約100mm未満、より好ましくは約70mm未満、最も好ましくは約40mm未満である。
【0043】
システムは、複数回の投与量の1種類以上の組成物をスキンケア領域に送達し得る。図5及び6は、ユーザの皮膚に貼り付けられたときの、図3及び4の層状送達システム100の使用法を示している。図5は、第1の組成物が内部空隙容量部へと放出される前の、ユーザの皮膚50上に配設された層状送達システム100の横断面図である。送達システム100は、第1の接着剤層120を介して皮膚50に付着する。この実施形態では、膜119はうおのめ52と接触している。結合層114は、ユーザに快適さをもたらすように、緩衝剤として作用し得る。
【0044】
リザーバ126の壁130が破裂したとき、スキンケア組成物(例えば、うおのめを治療するための有効成分を含有する組成物)が内部空隙容量部の中へ、次いで皮膚50へ送達される。図6は、破裂の後、有効成分を含有するスキンケア組成物134が、リザーバ126から送達システム100のチャンバの中へと放出され、膜119と接触することが可能となることを示している。スキンケア組成物134、又は少なくともその中に含まれる有効成分は、膜119を通過し、うおのめ52に接触することが可能である。
【0045】
リザーバ126の壁130は、1本の指若しくは複数本の指を用いた圧迫、結合層114若しくは膜119内の鋭利部(針など)、熱融解、又は化学的溶解を含めた様々な手段により、ユーザによって破裂され得る。
【0046】
説明した送達システム10、100は、理想的には、治療薬などの1種類以上の有効成分を皮膚の表面に送達するのに適している。1種類以上の有効成分が、送達システム10、100のリザーバ26、126内に優先的に又は独占的に収容され得る。本発明の送達システム10、100を介して皮膚に送達され得る有効成分の例示的な種別には、限定するものではないが、医薬品有効成分(API)、抗生物質、鎮痛剤、解熱剤、抗菌剤、消毒剤、抗アレルギー剤、抗ニキビ剤、麻酔剤、抗炎症薬、止血剤、冷却剤、化粧品、ビタミン、血管拡張剤、皮膚軟化剤、pH調整剤、かゆみ止め薬、反対刺激剤、抗ヒスタミン剤、無痛化薬、及びステロイドが挙げられる。本発明のドレッシングを介して、皮膚に送達され得る特定の活性成分としては、クロルヘキシジン、硫酸ネオマイシン、硫酸ポリミキシン−B、亜鉛バシトラシン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ブピバカイン、テトラカイン、シンカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルファジアジン銀、ヒドロコルチゾン、メタンジエノン、トリプシン、トラゾリン、ヘパリン、プラモキシン、アロエベラ、トレチノイン、レチノール、レチンアルデヒド、メントール、カプサイシン、αヒドロキシ酸、及びビタミンEなどのビタミンが挙げられる。
【0047】
一実施形態では、送達システム10、100は、短期間(すなわち、装着1回当たり約0.1時間〜約24時間)にわたって高濃度の有効成分を送達する。より低濃度のいくつかの有効成分は、約24時間超にわたって送達され得る。いくつかの実施形態では、送達システム10、100は、長期間にわたって高濃度の有効成分を送達することが可能であり、また無期限に又は望まれるまで依然として皮膚50に付着し得る。他の実施形態では、送達システム10、100は、短期間(すなわち、装着1回当たり約0.1時間〜約24時間)にわたって低濃度の有効成分を送達することが可能である。有効成分は溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、有効成分は、限定するものではないが、液体、溶液、フォーム、ゲル、ゾル、又は膜119全体に拡散し得る任意の形態であってよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、送達システム10、100は、次の状態を治療するために、又は次の有効成分を送達するために使用され得るが、それらの状態及び有効成分には、限定するものではないが、いぼ(サリチル酸、及び/又は他の角質溶解薬を使用する)、ニキビ(例えば、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、抗生物質、又は他の角質溶解薬を使用する)、疼痛(例えば、局所麻酔薬又は非ステロイド系抗炎症薬を使用する)、保湿剤(例えば尿素又は水を使用する)、手指及び足指の爪床(例えば、尿素、水、又は抗真菌剤を使用する)、皮膚の緩衝体(例えば、緩衝剤を使用する)、ワクチン(例えば、天然痘、麻疹、流感、炭疽菌、又はポリオ)、難溶性薬物、高分子量分子(ヘパリン、LHRHなど、約500〜約1500の分子量の分子)、創傷ケア(水、創傷清拭剤、又は酵素を使用する)、又は、サンプリング及び診断薬(グルコース、乳酸、カリウム、又はアレルゲンなど)が挙げられる。
【0049】
いくつかの実施形態では、有効成分は好ましくは、うおのめ、いぼ又はたこを治療し得るものである。好ましくは、有効成分は、サリチル酸又はその塩若しくはエステル、氷酢酸、グリコール酸、フェノキシ酢酸、アスコルビン酸、レチノイン酸(トレチノイン)、フルオロウラシル、パントテン酸カルシウム、カンタリジン、ポドフィルム、フェノール、塩化亜鉛、タンニン酸、ヒマシ油、あるいはそれらの混合物などの、角質溶解剤である。液体中の有効成分の量は、約1重量%〜約40重量%、好ましくは約5%〜約30%の範囲に及び得る。好ましくは、有効成分は、サリチル酸又はその塩若しくはエステルである。
【0050】
好適な塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又はそれらのマグネシウム塩である。好適なエステルには、サリチル酸メチルなど、C1〜C4エステルが挙げられる。他のエステルには、サルサレート(サリチルサリチル酸)、サリチル酸のサリチル酸エステルが挙げられる。
【0051】
スキンケア領域への第1の組成物の送達が完了した後、送達システム10、100が皮膚50上に配設されている一方で、第1の柔軟性カバー層12、112が結合層14、114から分離され得る。それに関連する第2のリザーバ26、126を有する新たな第2の柔軟性カバー層12、112が、結合層14、114に付着され得る。第2のリザーバ26、126は破裂され得るものであり、第2の組成物が、チャンバ24、124の内部空隙容量部の中に送達され得る。第2の組成物は、第1の組成物と同じであっても異なっていてもよく、また、更なるスキンケア組成物をスキンケア領域に送達するために、付加的な柔軟性カバー層/リザーバの組み合わせが同様の様式で交換され得る。いくつかの実施形態では、付加的な柔軟性カバー層及びリザーバの皮膚への送達は、望まれるスキンケア処方計画に適合するものとなり得る。他の実施形態では、スキンケア領域は、少なくとも1つの皮膚のシミを含んでもよく、組成物は、その皮膚のシミを対象とする少なくとも1種類の有効成分を含む。
【0052】
送達されるべき成分は、広範囲に異なり得る。それらは、「薬物」成分、香味料などの口腔ケア成分、薬物などであってよく、あるいは、香料、クリームなどの化粧成分であってもよい。本明細書で用いられる「有効」成分という用語は、デバイスによって送達されるべき主成分を指すものであり、「薬物」にのみ言及するときの「FDA」の意味で用いることを意図したものではない。
【0053】
本発明は、以下の例示的な実施例を検討すればより良好に理解するであろう。
【実施例】
【0054】
本発明の一実施例では、ポリウレタンフィルムの柔軟性カバー層112をLDPEの薬剤リザーバ126と共に使用した。脱イオン水を有効成分として使用した。ボスティック(Bostick)ホットメルト接着剤を接着剤層131及び接着剤層132として使用した。独立気泡ポリウレタンフォームを結合層114として使用した。アクリル系接着剤を接着剤層120として使用した。膜119は、有孔ポリウレタンフィルムからなるものであった。
【0055】
本発明の別の実施例では、ポリウレタンフィルムの柔軟性カバー層112をLDPEの薬剤リザーバ126と共に使用した。脱イオン水を有効成分として使用した。ボスティック(Bostick)ホットメルト接着剤を接着剤層132として使用した。独立気泡ポリウレタンフォームを結合層114として使用した。アクリル系接着剤を接着剤層131として使用した。膜119はホットメルト親水コロイド接着剤からなるものであり、接着剤層120は存在しなかった。
【0056】
本発明の様々な実施形態を上記に記載したが、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内であるとして、そのような修正及び変更を包含することが意図される。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) スキンケア組成物用の層状送達システムであって、
a.結合層に取り外し可能に取り付けられ、前記送達システムの上部表面を形成する柔軟性カバー層であって、前記結合層は、前記柔軟性カバー層と対面する関係にある上部表面と、その反対側の下部表面と、外周とを有し、前記柔軟性カバー層によって実質的に閉鎖された内部空隙容量部を画定する、柔軟性カバー層と、
b.前記送達システムの下部表面上に配設され、取り外し可能な剥離ライナーによって保護された第1の接着剤層と、
c.前記柔軟性カバー層と関連するリザーバであって、前記内部空隙容量部と流体連通して配設され、かつ前記スキンケア組成物を保持する、リザーバと、を備える、層状送達システム。
(2) 前記リザーバは、前記柔軟性カバー層の下部表面に取り付けられ、前記下部表面から前記内部空隙容量部の中へ延在している、実施態様1に記載の層状送達システム。
(3) 前記第1の接着剤層は、前記結合層の下部表面上に配設されている、実施態様1に記載の層状送達システム。
(4) 前記第1の接着剤層は、少なくとも1つの中間層を通じて前記結合層の前記下部表面に結合されている、実施態様1に記載の層状送達システム。
(5) 前記柔軟性カバー層は、第2の接着剤層を通じて前記結合層に取り外し可能に取り付けられている、実施態様1に記載の層状送達システム。
【0058】
(6) 前記リザーバは、前記スキンケア組成物を収容したサックを備える、実施態様1に記載の層状送達システム。
(7) 前記リザーバは、前記スキンケア組成物を含浸された多孔質構造体を備える、実施態様1に記載の層状送達システム。
(8) 前記スキンケア組成物に対して透過性であって、前記結合層と前記第1の接着剤層との間に配設された膜を更に備える、実施態様1に記載の層状送達システム。
(9) 前記スキンケア組成物は、少なくとも1種類の有効成分、少なくとも1種類の化粧成分、又はそれらの組み合わせを含む、実施態様1に記載の層状送達システム。
(10) 複数回の投与量の1種類以上の組成物をスキンケアの領域に送達する方法であって、
a.前記皮膚に層状送達システムを貼り付ける工程であって、前記層状送達システムは、
i.結合層に取り外し可能に取り付けられ、前記送達システムの上部表面を形成する第1の柔軟性カバー層であって、前記結合層は、前記柔軟性カバー層と対面する関係にある上部表面と、その反対側の下部表面と、外周とを有し、前記柔軟性カバー層によって実質的に閉鎖された内部空隙容量部を画定する、第1の柔軟性カバー層と、
ii.前記送達システムの下部表面上に配設された第1の接着剤層と、
iii.前記柔軟性カバー層に関連する第1のリザーバであって、前記内部空隙容量部と流体連通して配設され、かつ第1の組成物を保持する、第1のリザーバと、を備え、
これによって、前記結合層の前記外周は、所望するスキンケアの領域を取り囲み、前記スキンケアの領域は、前記内部空隙容量部と対面する関係にあり、かつ前記第1の接着剤層により、前記層状送達システムが前記皮膚に取り付けられる、工程と、
b.前記第1の組成物を前記第1のリザーバから前記内部空隙容量部に放出する工程であって、それによって前記組成物は前記スキンケアの領域と流体連通する、工程と、
c.前記第1の接着剤が前記結合層を前記皮膚に保持している間に、前記第1の柔軟性カバー層及び第1のリザーバを前記層状送達システムから除去し、前記第1の柔軟性カバー層及び第1のリザーバと実質的に同じ第2の柔軟性カバー層及びそれに関連する第2のリザーバを、前記結合層の前記上部表面に貼り付ける工程と、
d.第2の組成物を前記第2のリザーバから前記内部空隙容量部の中に放出する工程と、を含む方法。
【0059】
(11) 所望されるスキンケア処方計画に従って、追加の柔軟性カバー層及びリザーバを用いて工程(c)及び(d)を反復する工程を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記スキンケアの領域は、少なくとも1つの皮膚のシミを含み、かつ前記組成物は、前記少なくとも1つの皮膚のシミを対象とする少なくとも1種類の有効成分を含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記第1の組成物と第2の組成物とは実質的に同一である、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記第1の組成物と第2の組成物とは実質的に異なる、実施態様10に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6