特許第6487047号(P6487047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6487047電力駆動モジュールを備えた自動車用ドアシステム、ドア電力駆動モジュール、及びドアを作動させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487047
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】電力駆動モジュールを備えた自動車用ドアシステム、ドア電力駆動モジュール、及びドアを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/611 20150101AFI20190311BHJP
   E05F 15/75 20150101ALI20190311BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20190311BHJP
   F16D 65/16 20060101ALI20190311BHJP
   F16D 121/22 20120101ALN20190311BHJP
   F16D 127/02 20120101ALN20190311BHJP
【FI】
   E05F15/611
   E05F15/75
   B60J5/04 C
   F16D65/16
   F16D121:22
   F16D127:02
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-529367(P2017-529367)
(86)(22)【出願日】2015年4月9日
(65)【公表番号】特表2018-505326(P2018-505326A)
(43)【公表日】2018年2月22日
(86)【国際出願番号】US2015025074
(87)【国際公開番号】WO2016164023
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】514056403
【氏名又は名称】マルチマティック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MULTIMATIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー、 ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ、 アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ナガマニー、 バラタス
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3735333(JP,B2)
【文献】 特開2014−105486(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0046401(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0256881(US,A1)
【文献】 特開2004−338535(JP,A)
【文献】 特許第4254212(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ドアシステムであって、
ドアを支持するように構成されるヒンジと、
前記ドアを自動的に開閉するためにユーザーの要求に応答して第1入力を提供するように構成されるスイッチと、
電力駆動モジュールと
を含み、前記電力駆動モジュールは、
ハウジングと、
モーターと、
軸部材によって前記モーターに動作可能に連結されるギアボックスと、
前記ドア及び前記ギアボックスに動作可能に接続され、ヒンジの周りの前記ドアの所望の動きに対応する出力トルクを提供するように構成される出力軸と、
前記軸部材に動作可能に接続されるブレーキ組立体であって、前記ブレーキ組立体は前記軸部材が前記ハウジングに接地される通常閉鎖位置を有し、前記ブレーキ組立体はドア閉鎖モードとドア開放モードの一方に対応する開放位置を含み、前記軸部材は前記開放位置において前記ハウジングに対して回転可能に構成され、前記ブレーキ組立体は前記通常閉鎖位置において保持トルクを含み、前記保持トルクを超えて前記ブレーキ組立体に加えられるトルクにより前記軸部材はいずれの回転方向に回転することもできるブレーキ組立体と、
前記出力軸の回転を検出し且つ前記出力軸の回転に応答して第2入力を提供するように構成される位置センサーであって、前記第2入力は、前記通常閉鎖位置における前記ブレーキ組立体の保持トルクを超える、手動で開始された前記ヒンジの周りで旋回する前記ドアの動きに対応する位置センサーと
を含む、自動車用ドアシステム。
【請求項2】
前記スイッチ、前記モーター、前記ブレーキ組立体及び前記位置センサーと通信するコントローラーを含み、前記コントローラーは、前記スイッチからの前記第1入力なしで前記第2入力に応答して前記ブレーキ組立体に前記開放位置に向かうよう命令し且つ前記モーターに前記ドアを自動的に移動させるよう命令するように構成される、請求項1に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項3】
前記ギアボックスは前記軸部材によって互いに相互接続される第1及び第2ギアボックスを含み、前記第1ギアボックスは前記第2ギアボックスと前記モーターとの間に連結される、請求項1に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項4】
前記ブレーキ組立体は前記第1及び第2ギアボックスの間に配置される、請求項3に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項5】
前記出力軸に接続され、ドアピラーに相互接続されるように構成されるリンク機構組立体を含み、前記リンク機構組立体は、前記ドアを開閉するために前記出力トルクを前記ドアピラーに伝達するように構成される、請求項1に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項6】
前記位置センサーは前記モーターと一体化され、前記位置センサーは前記出力軸の回転を示す前記モーターの回転を検出するように構成される、請求項1に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項7】
前記ブレーキ組立体は、前記通常閉鎖位置において前記軸部材を前記ハウジングに接地する永久磁石を含み、前記軸部材が前記ハウジングに対して自由に回転することを可能にする開放位置をもたらすためにコイルが前記永久磁石の磁束に打ち勝つように構成される、請求項1に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項8】
前記コイルは、所望のドアの感触に対応する前記ブレーキ組立体の所望の解放を提供するように変調される、請求項7に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項9】
記コイルは、前記コイルのパルス幅変調平均電圧に関連して前記保持トルクを低下させるべく変調されるように構成される、請求項8に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項10】
前記コントローラーと通信するラッチを含み、前記ラッチは、前記コントローラーからの命令に応答してストライカーに対して開閉するように構成される、請求項に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項11】
前記コントローラーと通信する姿勢センサーを含み、前記姿勢センサーは車両の姿勢を示すように構成され、前記コントローラーは前記姿勢センサーからの信号に応答して前記ブレーキ組立体を調整するように構成される、請求項に記載の自動車用ドアシステム。
【請求項12】
ドア電力駆動モジュールであって、
ハウジングと
前記ハウジング内に配置されるモーターと、
前記ハウジング内に配置され且つ軸部材によって互いに直列に連結される第1及び第2ギアボックスであって、前記第1ギアボックスは前記モーターを前記第2ギアボックスに接続する、第1及び第2ギアボックスと、
前記第2ギアボックスに連結される出力軸と、
前記軸部材に選択的に接続されるブレーキ組立体であって、前記ブレーキ組立体は前記軸部材が前記ハウジングに接地される通常閉鎖位置を有し、前記ブレーキ組立体はドア閉鎖モードとドア開放モードの一方に対応する開放位置を含み、前記軸部材は前記第1ギアボックスを駆動する前記モーターに応答して前記開放位置において前記ハウジングに対して回転可能に構成され、前記ブレーキ組立体は前記通常閉鎖位置において保持トルクを含み、前記保持トルクを超えて前記ブレーキ組立体に加えられるトルクにより前記軸部材はいずれの回転方向に回転することもできるブレーキ組立体と、
前記出力軸の回転を検出するように構成される位置センサーと
を含む、ドア電力駆動モジュール。
【請求項13】
前記第1ギアボックスは遊星歯車セットであり、前記第2ギアボックスは平歯車セットである、請求項12に記載のドア電力駆動モジュール。
【請求項14】
前記出力軸に相互接続されるリンク機構組立体を含み、前記リンク機構組立体は、ドアを開閉するために前記出力軸からの出力トルクをドアピラーに伝達するように構成される、請求項12に記載のドア電力駆動モジュール。
【請求項15】
前記位置センサーは前記モーターと一体化され、前記位置センサーは前記出力軸の回転を示す前記モーターの回転を検出するように構成される、請求項12に記載のドア電力駆動モジュール。
【請求項16】
前記ブレーキ組立体は、前記軸部材に固定された駆動リングに取り付けられた永久磁石を含み、前記永久磁石は、前記通常閉鎖位置において前記駆動リングを前記ハウジングに接地し、前記軸部材が前記ハウジングに対して自由に回転することを可能にするためにコイルが前記駆動リングを開放位置に移動させるように構成される、請求項12に記載のドア電力駆動モジュール。
【請求項17】
前記ブレーキ組立体は、前記通常閉鎖位置において前記軸部材を前記ハウジングに接地する永久磁石を含み、前記軸部材が前記ハウジングに対して自由に回転することを可能にする開放位置をもたらすためにコイルが前記永久磁石の磁束に打ち勝つように構成される、請求項12に記載のドア電力駆動モジュール。
【請求項18】
ドアを作動させる方法であって、
手動入力を提供するためにヒンジの周りの方向にドアを手動で旋回させるステップと、
前記手動入力を検出するステップと、
前記手動入力に応答して前記ドアを前記方向に駆動するためにモーターに通電するステップと
を含み、
前記ドアを手動で旋回させるステップは、前記ドアを保持するブレーキ組立体の保持トルクを超えることを含み、
前記方向は前記ドアを開閉するためのいずれの方向であることもできる、方法。
【請求項19】
前記検出するステップは、出力軸を介してギアボックスを逆駆動することと、前記出力軸の回転を検出することとを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記検出するステップは、前記モーターを逆駆動することと、前記出力軸の回転を示す前記モーターの回転を検出することとを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ドアを手動で旋回させるステップは、前記モーターに通電するステップを行う前に前記ブレーキ組立体を解放するステップを行うことを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両用の、より詳細には車両乗員用ドアのための自動ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ用多目的車のカーゴエリアへの後部リフトゲートやミニバンの片側又は両側のスライドドアなどのパワードアがますます車両に設けられるようになっている。電力駆動モジュールは、電気スイッチからの入力に応答してリフトゲート又はスライドドアを開放位置と閉鎖位置との間で移動させる。
【0003】
一般的に、乗員用ドアは、電力駆動モジュールの恩恵なしにドアを押すか又は引くことによって手動で開閉される。乗員用ドアは従来、ドアチェックを用いて開いた状態及び閉じた状態に保持される。乗員は、ボタンを押すか又はドアをドアピラーから外すハンドルを作動させる。ドアチェックはフレームとドアとの間で相互接続される。ドアチェックは一般的に、ドアを開いた状態に保持する個別のドア開放位置を定める移動止めを含む。
【0004】
パワードアモジュールは乗員用ドアに使用されてきたが、これらのモジュールはかなり複雑である。例えば、クラッチによってギアを選択的に駆動するのにモーターが使用され、クラッチはモーターを連結及び分離するために開閉する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な一実施形態において、自動車用ドアシステムが、ドアを支持するように構成されるヒンジを含む。スイッチが、ドアを自動的に開閉するようにユーザーの要求に応答して第1入力を提供するように構成される。電力駆動モジュールが、ハウジングと、モーターと、軸部材によってモーターに動作可能に連結されるギアボックスとを含む。出力軸が、ドア及びギアボックスに動作可能に接続される。出力軸は、ヒンジの周りのドアの所望の動きに対応する出力トルクを提供するように構成される。ブレーキ組立体が、軸部材に動作可能に接続される。ブレーキ組立体は、軸部材がハウジングに接地される通常閉鎖位置を有する。ブレーキ組立体は、ドア閉鎖モードとドア開放モードの一方に対応する開放位置を含む。軸部材は、開放位置においてハウジングに対して回転可能に構成される。位置センサーが、出力軸の回転を検出し且つ出力軸の回転に応答して第2入力を提供するように構成される。第2入力は、通常閉鎖位置のブレーキ組立体の滑りトルクを超える、手動で開始されるヒンジの周りで旋回するドアの動きに対応する。
【0006】
上記の更なる実施形態において、コントローラーが、スイッチ、モーター、ブレーキ組立体及び位置センサーと通信する。コントローラーは、ブレーキ組立体に開放位置に向かうよう命令し且つモーターにスイッチからの第1入力なしで第2入力に応答してドアを自動的に動かすよう命令するように構成される。
【0007】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ギアボックスは、軸部材によって互いに相互接続される第1及び第2ギアボックスを含む。第1ギアボックスは、第2ギアボックスとモーターとの間に連結される。
【0008】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ブレーキ組立体は、第1及び第2ギアボックスの間に配置される。
【0009】
上記のいずれかの更なる実施形態において、リンク機構組立体が出力軸に連結され、ドアピラーに相互接続されるように構成される。リンク機構組立体は、ドアを開閉するために出力トルクをドアピラーに伝達するように構成される。
【0010】
上記のいずれかの更なる実施形態において、位置センサーはモーターと一体化される。位置センサーは、出力軸の回転を示すモーターの回転を検出するように構成される。
【0011】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ブレーキ組立体は、通常閉鎖位置において軸部材をハウジングに接地する永久磁石を含む。軸部材がハウジングに対して自由に回転することを可能にする開放位置をもたらすために、コイルが永久磁石の磁束に打ち勝つように構成される。
【0012】
上記のいずれかの更なる実施形態において、コイルは、所望のドアの感触に対応するブレーキ組立体の所望の解放を提供するように変調される。
【0013】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ブレーキ組立体は、通常閉鎖位置において保持トルクを含み、コイルは、パルス幅変調平均電圧に関連して保持トルクを低下させるべく変調されるように構成される。
【0014】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ラッチがコントローラーと通信する。ラッチは、コントローラーからの命令に応答してストライカーに対して開閉するように構成される。
【0015】
上記のいずれかの更なる実施形態において、姿勢センサーがコントローラーと通信する。姿勢センサーは、車両の姿勢を示すように構成される。コントローラーは、姿勢センサーからの信号に応答してブレーキ組立体を調整するように構成される。
【0016】
別の例示的な実施形態において、ドア電力駆動モジュールは、ハウジングと、ハウジング内に配置されるモーターとを含む。第1及び第2ギアボックスがハウジング内に配置され、軸部材によって互いに直列に連結される。第1ギアボックスは、モーターを第2ギアボックスに接続する。出力軸が、第2ギアボックスに連結される。ブレーキ組立体が、軸部材に選択的に接続される。ブレーキ組立体は、軸部材がハウジングに接地される通常閉鎖位置を有する。ブレーキ組立体は、ドア閉鎖モードとドア開放モードの一方に対応する開放位置を含む。軸部材は、第1ギアボックスを駆動するモーターに応答してブレーキ開放位置においてハウジングに対して回転可能に構成される。位置センサーが、出力軸の回転を検出するように構成される。
【0017】
上記のいずれかの更なる実施形態において、第1ギアボックスは遊星歯車セットである。第2ギアボックスは平歯車セットである。
【0018】
上記のいずれかの更なる実施形態において、リンク機構組立体が出力軸に相互接続される。リンク機構組立体は、ドアを開閉するために出力軸からの出力トルクをドアピラーに伝達するように構成される。
【0019】
上記のいずれかの更なる実施形態において、位置センサーはモーターと一体化される。位置センサーは、出力軸の回転を示すモーターの回転を検出するように構成される。
【0020】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ブレーキ組立体は、軸部材に固定される駆動リングに取り付けられた永久磁石を含む。永久磁石は、通常閉鎖位置において駆動リングをハウジングに接地する。軸部材がハウジングに対して自由に回転することを可能にするために、コイルが駆動リングを開放位置に移動させるように構成される。
【0021】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ブレーキ組立体は、通常閉鎖位置において軸部材をハウジングに接地する永久磁石を含む。軸部材がハウジングに対して自由に回転することを可能にする開放位置をもたらすために、コイルが永久磁石の磁束に打ち勝つように構成される。
【0022】
別の例示的な実施形態において、ドアを作動させる方法が、手動入力を提供するためにヒンジの周りの方向にドアを手動で旋回させるステップと、手動入力を検出するステップと、手動入力に応答してドアを前記方向に駆動するためにモーターに通電するステップとを含む。
【0023】
上記のいずれかの更なる実施形態において、検出するステップは、出力軸を介してギアボックスを逆駆動することと、出力軸の回転を検出することとを含む。
【0024】
上記のいずれかの更なる実施形態において、検出するステップは、モーターを逆駆動することと、出力軸の回転を示すモーターの回転を検出することとを含む。
【0025】
上記のいずれかの更なる実施形態において、ドアを手動で旋回させるステップは、ドアを保持するブレーキ組立体の滑りトルクを超えることを含み、モーターに通電するステップを行う前にブレーキ組立体を解放するステップを行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、添付の図面に関連して検討したときに以下の詳細な説明を参照することによって更に理解することができる。
図1A】ドアピラーに取り付けられた電力駆動モジュールを備える車両ドアの斜視図である。
図1B】電力駆動モジュールのリンク機構組立体を示すドアの拡大斜視図である。
図2】電力駆動モジュールを使用する例示的なドアシステムの実施形態の概略図である。
図3A】電力駆動モジュールの斜視図である。
図3B図3Aの線3B−3Bに沿った電力駆動モジュールの断面図である。
図4】電力駆動モジュール用のブレーキ組立体の断面図である。
図5】自動ドア開放モードにおいてスイッチで命令される開放を示すフローチャートである。
図6】自動ドア閉鎖モードにおいてスイッチで命令される閉鎖を示すフローチャートである。
図7】電動式手動開放モードにおいてドアの押し/引きで命令される閉鎖を示すフローチャートである。
図8】電動式手動閉鎖モードにおいてドアの押し/引きで命令される開放を示すフローチャートである。
図9A】ブレーキ組立体の電圧対時間を示すグラフである。
図9B図9Aに示される電圧対時間の関係に従ってブレーキ組立体の保持トルク対時間を示すグラフである。
【0027】
先行する段落、特許請求の範囲、又は以下の説明及び図面の実施形態、実施例及び代替物は、それらの様々な態様又はそれぞれの個々の特徴の全てを含め、単独で又は任意の組み合わせで利用することができる。一実施形態に関連して説明した特徴は、そのような特徴が相容れないものでない限り、全ての実施形態に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
従来の自動車10(一部分のみ示されている)は通常、車両の車室及び/又はカーゴエリアへの出入りに使用される複数のドア12(1つが示されている)を含む。本実施例において、ドア12は乗員用ドアである。ドア12は、ヒンジ15(1つが示されている)によってAピラー又はBピラーのようなドアピラー14に旋回可能に取り付けられており、ドアピラー14の周りで、ドアは開放位置と閉鎖位置との間を移動可能である。ドア12は、一般的に衝撃侵入ビーム、ウィンドウレギュレータ、及び他の装置を含むキャビティ16を有する。電力駆動モジュール18がキャビティ16内に配置されているが、必要に応じて、電力駆動モジュール18は代わりにドアピラー14内に配置されることもできる。電力駆動モジュール18をヒンジ15の近くに取り付けることにより、ドアの慣性への影響が最小になる。
【0029】
電力駆動モジュール18は、一般的なように、ユーザーが乗員用ドアを手で押したり引いたりする必要なくドア12の自動開閉を可能にするドアシステム20(図2)の一部である。しかしながら、システム20は、従来のドアとして使用され、ドアチェック及び自動開閉機能を無効にすることができる。システム20はまた、個別の移動止めを有する典型的なドアチェックを必要とすることなく、ドアホールド又はドアチェックとして機能することもできる。
【0030】
図1Bを参照すると、電力駆動モジュール18は、リンク機構組立体21によってドアピラー14に接続される。リンク機構組立体21は、パワードアモジュール18によって提供される開閉力をドアピラー14に伝達すると共に、必要に応じてドア12を開いた状態に保持する。
【0031】
図2を参照すると、システム20は、様々な構成要素からの入力を受信すると共にユーザーの要求に応答してドア12を開閉するために電力駆動モジュール18に命令信号を送信する、コントローラー22又は電子制御ユニット(ECU)を含む。電源24が、命令の形態で電力駆動モジュール18に電力を選択的に供給するコントローラー22に接続される。ラッチ26及びスイッチ30もコントローラー22と通信する。ドア12(図1A)によって支持されるラッチ26は、ドアピラー14に取り付けられたストライカー28に対して選択的に連結及び分離される。本実施例において、ラッチ26は電動引き込みラッチである。スイッチ30は、ドア12を自動的に開閉するためにユーザーの要求を示す第1入力をシステム20に供給する。
【0032】
車両姿勢センサー29がコントローラー22と通信しており、電力駆動モジュール18によって操作されるときのドア12の動きを制御するのに有用な車両の姿勢を検出するために使用される。
【0033】
図2及び3Bを参照すると、パワードアモジュール18は、ハウジング33内に配置されるモーター32を含む。ハウジング33は、互いに固定される1つ以上の別個の構造体によって提供されることができる。本実施例において、モーターは比較的小さなトルク、例えば約1/3Nmを提供する。1つの例示的なモーターは、ジョンソンモーター社のモデル番号1999−1061255から入手可能である。
【0034】
ギアボックスが、モーター32によって供給されるトルクを増大させるために使用される。本実施例では2つのギアボックスが使用されているが、より多くの又はより少ないギアボックスが使用されてもよい。第1及び第2ギアボックス34,36が、ハウジング33内に配置され、例示的な実施形態では軸部材39によって互いに直列に連結されている。第1ギアボックス34は、モーター32を第2ギアボックス36に接続する。一実施例において、第1ギアボックスは、35:1の減速比を提供する遊星歯車セットである。第2ギアボックス36は、6.25:1の減速をもたらす平歯車セットである。従って、総ギア比は218.75:1であり、提案されたギアボックスのタイプと関連して、ドアの所望の手動操作の場合にクラッチを必要としない完全に逆駆動可能な構成を提供する。当然ながら、他のギア構成及びギア減速を提供することができることを理解されたい。
【0035】
ブレーキ組立体38が、図示の実施例では第1ギアボックス34と第2ギアボックス36との間に配置されているが、ブレーキ組立体38は他の位置に配置されてもよい。ブレーキ組立体38は、ハウジング33を介してドア12に接地され、軸部材39に選択的に接続される。1つの好適なブレーキ組立体が、シンフォニアNC、モデル番号ERS−260L/FMFから入手可能である。このブレーキ組立体38は、比較的小さな保持トルク、例えば8Nmを提供する。しかしながら、第2ギアボックス36の使用により、約50Nmの保持トルクが提供される。この閾値保持トルクを超えてブレーキ組立体38に加えられるトルクはいずれも、ブレーキをスリップさせ、軸部材39を回転させる。
【0036】
ブレーキ組立体38は、軸部材39がハウジング33に接地され且つ回転を防止される通常閉鎖位置を有する。ブレーキ組立体38はまた、ドア閉鎖モードとドア開放モードの一方に対応する開放位置を含む。開放位置において、ブレーキ組立体38は、軸部材39が自由に回転することを可能にする。
【0037】
コントローラー22と通信する位置センサー40が、電力駆動モジュール18の構成要素、例えばモーター32の回転を監視する。一実施例において、位置センサー40は、モーター32のシャフトの回転を検出する集積ホール効果センサーである。
【0038】
図3Aを参照すると、第2ギアボックス36は、リンク機構組立体21に連結される出力軸41を回転駆動する。一実施例において、出力軸は約75Nmのトルクを提供する。レバー42が、一端で出力軸41に取り付けられ、他端でストラップ44に取り付けられている。ストラップ44は、ドアピラー14に固定されるブラケット46にピンで留められる。リンク機構組立体21は、所望のドア保持モーメントと概ね同じ保持トルクを提供するように設計される。
【0039】
ブレーキ組立体38の一例が図4により詳細に示されている。軸部材39は、ハウジング33に取り付けられた軸受50によって支持される。一方の端部52が第1ギアボックス34に接続され、他方の端部54が第2ギアボックス36に接続される。駆動リング56が端部54に固定され、永久磁石58を支持する。一実施例において板ばねであり得るばね60が、永久磁石58をハウジング33から離れるように付勢するために駆動リング56と永久磁石58との間に配置される。永久磁石58によって生じる磁界が、ばね60よりもはるかに大きな力でハウジング33に向かって駆動リング56を引っ張る。摩擦材料62がハウジング33によって支持され、通常閉鎖位置において永久磁石58と係合し、永久磁石58がハウジング33に対して滑るトルク、先と同様、約8Nmを提供する。
【0040】
磁束回路又はコイル64がハウジング33内に配置され、ワイヤ66を介してコントローラー22と通信する。通電されると、コイル64は、永久磁石58の磁場に打ち勝つのに十分な反作用の磁束を永久磁石58に向かって発生させ、それによりばね60が摩擦材料62との係合から外れた永久磁石58を図4に示す位置に移動させることを可能にする。この開放位置において、軸部材39はハウジング33に対して自由に回転することができる。ブレーキ組立体の構成要素は、上述の方法とは異なる方法で再構成され、それでも所望の選択的ブレーキ保持トルクを提供することができる。
【0041】
動作モード70の一例が、図2を参照して図5に示される。コントローラー22は、統合ドアハンドルスイッチ、キーレスエントリー装置又は他の入力装置からのユーザーの要求のようなスイッチ30からの第1入力を受信する。第1入力に応答して、ラッチ26はストライカー28から離れるように命令されるコイル64(図4)は、永久磁石58を開放位置に動かすために通電される。モーター32は、ハウジング33に対して自由に回転する軸部材39を介して第1ギアボックス34及び第2ギアボックス36を回転駆動する。位置センサー40は、ドア12の角度位置及びドア速度を検出する。
【0042】
リンク機構組立体21は、開いたドア12を限界位置まで旋回させ、モーター32は、位置センサー40を用いてコントローラーによって停止される。コイル64は、ブレーキ組立体38を再係合させるために通電を停止される。
【0043】
ブレーキ組立体38が通常閉鎖位置にある状態で、ドア12をその現在位置に維持するために保持トルクが生成される。ブレーキ組立体38に滑りがない場合、ドア速度は位置センサー40によってゼロとして検出される。
【0044】
自動ドア閉鎖モード72は、全体として自動ドア開放モードとは逆であり、図6に概略的に示されている。コントローラー22は、スイッチ30からの第1入力に応答してコイル64に通電し、永久磁石58を開放位置に移動させる。モーター32は、ハウジング33に対して自由に回転する軸部材39を介して第1ギアボックス34及び第2ギアボックス36を回転駆動する。位置センサー40は、ドア12の角度位置及びドア速度を検出する。
【0045】
リンク機構組立体21は、ストライカー28が電動引き込みラッチ26に受け入れられる閉鎖位置に対応する限界位置まで閉じたドア12を旋回させる。ラッチ26は、ドア開口部に対してドア12を完全に閉鎖及び封止するためにストライカー28を引き込むように命令される。ラッチの「ホーム」ポジションが、コントローラー22によって、例えばラッチ26内のセンサーを用いて検出され、モーター32は停止される。コイル64は、ブレーキ組立体38を再係合させるために通電を停止され、ドア速度は、位置センサー40によってゼロとして検出される。
【0046】
スイッチを使用する自動開閉モードに加えて、ドアは、ユーザーがドアを押したり引いたりすることによって電動式手動モードで開閉することができる。
【0047】
電動式手動閉鎖モード74が図7に示されている。自動閉鎖モード(図6)とは異なり、第1入力がスイッチ30から受信されない。代わりに、ドア12が既に少なくとも部分的に開いている状態で、ドア12がユーザーによって押され又は引かれて閉じられ、それによりリンク機構組立体21が出力軸41を回転させられ、第2ギアボックス36及び軸部材39を逆駆動させられる。通常閉鎖されているブレーキ組立体38のブレーキトルクを滑らせるのに十分なトルク(本実施例では50Nm)が加えられると、軸部材39は回転し、第1ギアボックス34を介してモーター32を逆駆動する。出力軸41の回転を示すモーター32の回転を検出する位置センサー40によって、出力軸41の角運動が検出される。
【0048】
検出された閾値角運動、例えば2°が第2入力を提供し、コントローラー22によって所望の閉鎖命令と解釈される。当然ながら、必要に応じて他の角度閾値を使用することもできる。軸部材39の小さな角運動が第1及び第2ギアボックス34によって増大するので、位置センサー40の分解能は特に高い必要はない。
【0049】
従って、位置センサー40からの第2入力に応答して(及び第1入力がない場合)、コントローラーは、ハウジング33に対して所望の閉鎖方向に自由に回転する軸部材39を介して第1ギアボックス34及び第2ギアボックス36を回転駆動するようにモーター32に命令する。再び、位置センサー40は、ドア12の角度位置及びドア速度を検出するために使用される。
【0050】
リンク機構組立体21は、ストライカー28が電動引き込みラッチ26に受け入れられる閉鎖位置に対応する限界位置まで閉じたドア12を旋回させる。ラッチ26は、ドア開口部に対してドア12を完全に閉鎖及び封止するためにストライカー28を引き込むように命令される。ラッチの「ホーム」ポジションが、コントローラー22によって、例えばラッチ26内のセンサーを用いて検出され、モーター32は停止される。コイル64は、ブレーキ組立体38を再係合させるために通電を停止され、ドア速度は、位置センサー40によってゼロとして検出される。
【0051】
電動式手動開放モード76が図8に示されている。自動開放モード(図5)とは異なり、第1入力がスイッチ30から受信されない。代わりに、ドア12が既に少なくとも部分的に開いている状態で、ドア12がユーザーによって押され又は引かれて開かれ、それによりリンク機構組立体21が第2ギアボックス36及び軸部材39を逆駆動させられる。通常閉鎖されているブレーキ組立体38のブレーキトルクを滑らせるのに十分なトルク(本実施例では50Nm)が加えられると、軸部材39は回転し、第1ギアボックス34を介してモーター32を逆駆動する。角運動は、位置センサー40によって検出される。
【0052】
2°の閾値角運動が第2入力を提供し、検出された回転方向に基づいてコントローラー22によって所望の開放命令と解釈される。従って、位置センサー40からの第2入力に応答して(及び第1入力がない場合)、コントローラー22は、ハウジング33に対して自由に回転する軸部材39を介して第1ギアボックス34及び第2ギアボックス36を回転駆動するようにモーター32に命令する。位置センサー40は、ドア12の角度位置及びドア速度を検出するために使用される。
【0053】
リンク機構組立体21は、開いたドア12を限界位置まで旋回させ、モーター32は、位置センサー40を用いてコントローラーによって停止させる。コイル64は、ブレーキ組立体38を再係合させるために通電を停止される。
【0054】
ブレーキ組立体38が通常閉鎖位置にあるとき、ドア12を開放位置に維持するために保持トルクが生成される。ブレーキ組立体38に滑りがない場合、ドア速度は位置センサー40によってゼロとして検出される。
【0055】
自動ドア開閉モード及び電動式手動開閉モードを、完全に開いたドア位置又は完全に閉じたドア位置へのドア動作として説明した。しかしながら、ドア12を、完全に開いても閉じてもいない別々の位置の間で移動させることもできる。例えば、ユーザーが開いたドアを完全に開いているときに押したり引いたりすると、ドア12を閉じるために電動式手動閉鎖モードが始まる。次いで、ユーザーがドア12を保持し、位置センサー40によって検出され且つモーター32内の電流を変化させるドア12の更なる移動を防ぐことができる。次いで、コントローラー22は、モーター32に停止し且つブレーキ組立体38の通電を停止するように命令し、ブレーキ組立体38は、ユーザーがドア12を停止させた所でドア12を保持する。
【0056】
ブレーキ組立体38の保持トルク低下は、コイル64のパルス幅変調によって調整されることができる。一実施例において、車両の姿勢は、車両の上り傾斜又は下り傾斜にかかわらず一貫した保持トルクを提供するべくブレーキ組立体38によって提供される保持トルクを変化させるために姿勢センサー29によって検出され、それによりユーザーに対して予測通りのドア動作が生成される。例えば、車両が水平な地面にあるときよりも車両が傾斜面上にある場合により大きいブレーキトルクがブレーキ組立体38によって加えられる。
【0057】
第2実施例において、顧客にとって望ましくないドアの感触を引き起こす突然のドアの動きを防ぐためにブレーキ組立体38を「ソフトに」解放することが望ましい。例えば、50Nmの保持トルクは、ドアピラー14におけるリンク機構組立体21に700〜900Nの力を生成することができ、この力は、蓄えられた保持モーメントエネルギーの突然の放出による板金のパンという可聴音を生じる可能性がある。この起こり得る望ましくないシナリオに対処するために、図9Aに示すように、コントローラー22からのパルス幅変調信号を例えば0.2秒にわたって全強度まで一定の割合で増加させるためにソフトリリース機能が使用される。結果として、永久磁場に対する反対の電場が徐々に増加し、それにより図9Bに示すように、ブレーキ保持トルクを0.2秒間にわたって全強度から解放されるまで減少させ、それによりブレーキ動作の「ソフト」リリースが提供される。本実施例では、電圧が直線的に徐々に増加すると、保持トルクが非直線的に滑らかに低下する。しかしながら、所望のドアの感触を提供するために他の電圧・トルク・時間の関係を電気的及び/又は機械的に提供できることを理解されたい。
【0058】
図示の実施形態では特定の構成要素の配置が開示されているが、他の構成が本明細書から利益を得ることも理解されるべきである。特定のステップシーケンスが示され、説明され、特許請求されているが、ステップは違うように指示されていない限り、任意の順序で行われ、分離され、又は組み合わされることができ、それでもなお本発明から恩恵を受けるであろう。
【0059】
異なる実施例は図に示される特定の構成要素を有しているが、本発明の実施形態はこれらの特定の組合せに限定されない。1つの実施例の構成要素又は特徴の一部を他の実施例の特徴又は構成要素と組み合わせて使用することができる。
【0060】
例示的な実施形態が開示されているが、当業者は特定の変更が特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。そのため、それらの真の範囲と内容を決定するために以下の特許請求の範囲を検討すべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B