特許第6487058号(P6487058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6487058LiSbO3およびLiNbO3関連構造に基づく顔料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487058
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】LiSbO3およびLiNbO3関連構造に基づく顔料
(51)【国際特許分類】
   C01G 51/00 20060101AFI20190311BHJP
   C09C 1/00 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   C01G51/00 A
   C09C1/00
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-544278(P2017-544278)
(86)(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公表番号】特表2018-500268(P2018-500268A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015058613
(87)【国際公開番号】WO2016073354
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】62/074,317
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511193592
【氏名又は名称】ザ シェファード カラー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ユハース・ウィリアム・エム
【審査官】 浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−511612(JP,A)
【文献】 特開平08−208226(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0138372(US,A1)
【文献】 特開2006−083025(JP,A)
【文献】 TARTE, P., et al.,Nouveau antimonates et tellurates complexes structuralment apparentes a l'animonate de lithium LiSbO3,Comptes Rendus des Seans de l'Academie des scienses, Serie 2: Mecanique-Physique, Chemie, Sciences de l'Univers, Sciences de la Terre,1983年,Vol.296, no.4 ,PP.261-264
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 1/00−47/00
C01G 49/10−99/00
C09C 1/00−3/12
C09D 15/00−17/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LiSbO型またはLiNbO型構造を有する化合物を含む顔料において
以下の化学式を有し、
2−x(M
0<x<1であり、
は、+1の原子価を有し、Liであり
は、+2の原子価を有し、Cであり
は、+4の原子価を有し、TiまたはSnであり
は、+5の原子価を有し、Sb、Nb、またはTaであり
は、酸素である、顔料。
【請求項2】
請求項に記載の顔料において、
ドーパントが添加されており、前記ドーパントは、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
【請求項3】
請求項に記載の顔料において、
前記ドーパントは、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Si、Sn、Ti、Zr、P、Bi、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔背景〕
LiSbOおよびLiNbO型構造に基づく顔料は、報告されていない。これらの結晶構造型を有する材料は、圧電性、線形、および非線形の光学材料適用に関連して研究されている。以下の研究では、LiSbO型およびLiNbO型構造に基づく広範な新しい顔料タイプを開示する。これらの材料は、独自の色彩品質ならびに非常に高い化学安定性を有している。
【0002】
〔概要〕
本研究で開示される顔料は、LiSbO型もしくはLiNbO型構造に関連する結晶構造を有する化合物である。これらの構造は、以下の変形体:






または、これらの組み合わせ、
を有する化学式を有し、
カチオンMは、+1の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+2の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+3の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+4の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+5の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+6の原子価を有する元素またはその混合物であり、
Mは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、またはTeから選択され、
アニオンZは、N、O、S、Se、Cl、F、水酸化物イオン、またはそれらの混合物から選択され、
構造型が保持されるように、空位が、MまたはZ部位に位置していてよい。ドーパントという用語は、構造を実質的に変化させることなく、理想的な化学両論性から離れたアニオンZの不足または過多を生じる置換を指すのに用いられる。20原子%未満のMドーパント添加を含む変形もあり、ドーパントは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、Te、またはこれらの混合物から選択される。
【0003】
前述した組成範囲の詳細な説明および例示的な実施例を以下に記載する。
【0004】
〔詳細な説明〕
LiSbOおよびLiNbOはいずれも独自の構造を有している。LiSbO型構造は、空間群Pncnを有するか、または、規則正しい(ordered)LiSbO型構造変形の場合は空間群Pnn2を有する、斜方晶系の結晶構造を有する。理想では、LiSbO型構造は、ゆがんだ六方最密アレイ(図1a)を形成する酸素原子からなり、八面体の空隙の3分の2が、図1aおよび図1bに示すようにリチウム(黄色い球体)およびアンチモン(赤い球体)の両方で満たされている。LiSbO型構造は、c軸に沿って走る、オフセットしたエッジ共有アンチモン(SbO)八面体が連鎖したものを特徴としている(図1aおよび図1b)。根源となる(parent)LiSbO型構造では、アンチモンは、これらの鎖を均等に占めているが、関連構造では、2つのカチオンの規則正しいアレイが、アンチモン部位に位置していてよく、空間群をPncnからPnn2にシフトさせる。
【0005】
LiNbO型構造は、空間群R3cを有する三方晶系の結晶構造である(図2aおよび図2b)。この結晶構造は、イルメナイト構造の規則正しい変形と考えられ得る。LiSbO型構造と非常によく似て、LiNbO型構造は、リチウムおよびニオブで部分的に満たされているゆがんだ八面体の空隙を形成する、酸素原子の六方最密アレイからなる。LiSbO型構造のエッジを共有したSbO八面体とは異なり、LiNbO型構造のNbO八面体は、角を共有している。
【0006】
Sb/Nb部位における置換によりPncnからPnn2へ構造対称性を増大させる追加配列(additional ordering)をもたらす、わずかな変化が前記の構造の空間群で生じ得る。一般的に、LiSbO型構造の主要な空間群は、国際結晶学データ集(International Tables for Crystallography)の52番に該当するが、関連構造は、56番および34番に該当している。空間群52番の部分群は、k指数1(k-index 1)で、34番、33番、30番、017番、014番、013番を含む。LiNbO型構造の主要な空間群は、国際結晶学データ集の161番に該当する。空間群161番の部分群は、k指数1で146番を含む。
【0007】
本発明の顔料は、LiSbO型もしくはLiNbO型構造に関連する結晶構造を有する。これらの構造は、以下の変形体:






または、これらの組み合わせ、
を有する化学式を有し、
カチオンMは、+1の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+2の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+3の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+4の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+5の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+6の原子価を有する元素またはその混合物であり、
Mは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、またはTeから選択され、
アニオンZは、N、O、S、Se、Cl、F、水酸化物イオン、またはそれらの混合物から選択され、
構造型が保持されるように、空位が、MまたはZ部位に位置していてよい。ドーパントという用語は、構造を実質的に変化させることなく、理想的な化学両論性から離れたアニオンZの不足または過多を生じる置換を指すのに用いられる。20原子%未満のMドーパント添加を含む変形もあり、ドーパントは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、Te、またはこれらの混合物から選択される。また、別の実施例では、式Mについて、Mは、少なくとも50原子%超のLiであってよく、Mは、少なくとも50原子%超のSbであってよい。さらに、別の実施例では、化学式は、0<x<1である(M2−x(M、0<x<1である(M2−x(M、またはこれらの組み合わせ、から選択され、Mは少なくとも50原子%超のリチウムであってよく、Mは少なくとも50原子%超のコバルトであってよい。
【0008】
固溶体から得られる他の顔料は、0<x<1である形態(M2−x(MのMとMとの間、および0<x<1である形態(M2−x(MのMとMとの間にあるものを含み得る。顔料は、0<x<1である、(M2−x(Mと(M2−x(Mとの間の固溶体であってもよい。具体的には、このような顔料は、(LiSb)2−x(CoTi)を含んでよく、式中、0<x<1であり、顔料は、パステルピンクからバイオレット、くすんだ紫色に及ぶか、またはx=0.8であり、顔料はバイオレット色である。他の顔料は、(LiSb)2−x(CoSn)を含んでよく、式中、0<x<1であり、顔料は、パステルピンクから、赤みがかったバイオレット(red-shade violet)、くすんだ赤みがかったバイオレット色に及び、x=0.5の場合、顔料は赤みがかったバイオレット色である。他の顔料は、(LiNb)2−x(CoTi)を含んでもよく、式中、0<x<0.4であり、顔料はオフホワイトから、パステルパープル、くすんだ紫がかった黒色に及び、x=0.1の場合、顔料はパステルパープル色である。他の顔料は、(LiTa)2−x(CoTi)を含んでよく、式中、0<x<0.4であり、顔料はオフホワイトからバイオレット、くすんだ紫色に及び、x=0.2の場合、顔料は淡いバイオレット色である。(M2−x(Mの形態の顔料は、(LiSb)2−x(Feを含んでよく、式中、0<x<1であり、顔料は、オフホワイトから黄色がかった茶色に及ぶ。コバルト含量が4原子%であり、アルミニウム含量が10原子%であり、バイオレットの顔料をもたらす、(Co,Al)をドープしたLiSbOなどの、Mドーパントが添加された顔料が形成され得る。
【0009】
このテクノロジーにおける化合物は、化学式が以下の式:
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
または、これらの組み合わせ、
から選択される、LiSbO型もしくはLiNbO型構造を含んでもよく、
カチオンMは、+1の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+2の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+3の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+4の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+5の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+6の原子価を有する元素またはその混合物であり、
Mは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、またはTeから選択され、
アニオンZは、N、O、S、Se、Cl、F、水酸化物イオン、またはそれらの混合物から選択され、
構造型が保持されるように、空位が、MまたはZ部位に位置していてよい。ドーパントという用語は、構造を実質的に変化させることなく、理想的な化学両論性から離れたアニオンZの不足または過多を生じる置換を指すのに用いられる。20原子%未満のMドーパント添加を含む変形もあり、ドーパントは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、Te、またはこれらの混合物から選択される。
【0010】
これらの材料の潜在的な用途は、ゾルゲルタイプのコーティングおよびコイルコーティング(PVDF、ポリエステル)ならびにセメント、屋根ふき用顆粒、塗料、インク、ガラス、エナメル、セラミック釉薬、プラスチック、ゾルゲルコーティング、もしくは装飾的な、表面を飾る用途におけるものであってよい。
【0011】
合成経路:これらの材料を合成するのに用いられ得る、複数の合成方法がある。それらには、固体焼結、溶液合成(熱水作用、沈殿、溶射熱分解(flame spray pyrolosis)、および燃焼合成)、ならびにイオン交換(溶解もしくは融解塩技術による)が含まれる。
【0012】
1つの方法は、固体焼結技術の使用を伴う。所望の化学両論性で適切な元素前駆体(酸化物、炭酸塩、水酸化物などを含む)をよく混ぜ、選択した前駆体に応じてさまざまな雰囲気下で、482.22℃〜1260℃(900°F〜2300°F)の範囲の温度で燃焼させる。その結果得られる材料を、次に、ミルで加工し、所望のサイズスケール(size scale)および色にする。燃焼温度を下げ、揮発性成分の損失を最小限に抑えるため、さまざまな焼結補助剤/鉱化剤も使用され得る。
【0013】
さまざまな適用における安定化または機能化のため、得られる顔料に表面コーティング/処理を施すことができる。
【0014】
顔料は、複合材料に組み込まれるか、もしくは複合材料の一部として合成されて、複合体に利益もしくは機能性を与えるか、または顔料の特性を改善もしくは強化することができる。
【0015】
〔実施例〕
実施例1
4.45gの酸化コバルト(Co)と、4.43gの二酸化チタン(TiO)と、18.43gの炭酸リチウム(LiCO)と、72.70gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1176.67℃(2,150°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、赤みがかったバイオレットであり、これは、色彩が淡い赤みがかったバイオレットである顔料粒径(pigmentary particle size)へとミルで加工することができる。室温での淡い赤みがかったバイオレットから、348.89℃(660°F)での灰色へ、可逆性の色変化が生じる。
【0016】
実施例2
9.01gの酸化コバルト(Co)と、8.96gの二酸化チタン(TiO)と、16.59gの炭酸リチウム(LiCO)と、65.44gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1176.67℃(2,150°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、明るいバイオレットであり、これは、色彩が淡いバイオレットである顔料粒径へとミルで加工することができる。室温での淡いバイオレットから、348.89℃(660°F)での灰色へ、可逆性の色変化が生じる。
【0017】
実施例3
13.69gの酸化コバルト(Co)と、13.62gの二酸化チタン(TiO)と、14.70gの炭酸リチウム(LiCO)と、57.99gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1176.67℃(2,150°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、明るいバイオレットであり、これは、色彩がバイオレットである顔料粒径へとミルで加工することができる。室温でのバイオレットから、348.89℃(660°F)での灰色へ、可逆性の色変化が生じる。
【0018】
実施例4
18.49gの酸化コバルト(Co)と、18.39gの二酸化チタン(TiO)と、12.76gの炭酸リチウム(LiCO)と、50.35gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1176.67℃(2,150°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、明るい紫色であり、これは、色彩が淡い紫色である顔料粒径へとミルで加工することができる。室温での淡い紫色から、348.89℃(660°F)での灰色へ、可逆性の色変化が生じる。この物質は、ガラスフリットおよびゾルゲルベースのコーティングにおいても安定している。
【0019】
実施例5
23.42gの酸化コバルト(Co)と、23.29gの二酸化チタン(TiO)と、10.78gの炭酸リチウム(LiCO)と、42.51gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1176.67℃(2,150°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、紫色を有し、これは、色彩がくすんだ紫色である顔料粒径へとミルで加工することができる。室温でのくすんだ紫色から、348.89℃(660°F)での灰色へ、可逆性の色変化が生じる。
【0020】
実施例6
15.90gの酸化コバルト(Co)と、29.84gの酸化第二スズ(SnO)と、10.97gの炭酸リチウム(LiCO)と、43.29gの三酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1093.33℃(2,000°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、赤みがかったバイオレットであり、これは、淡い赤みがかったバイオレットの色彩である顔料粒径へとミルで加工することができる。
【0021】
実施例7
2.37gの酸化コバルト(Co)と、2.36gの二酸化チタン(TiO)と、20.72gの炭酸リチウム(LiCO)と、74.55gの五酸化ニオブ(Nb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、982.22℃(1,800°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、紫色であり、これは、色彩がパステルパープルである顔料粒径へとミルで加工することができる。
【0022】
実施例8
3.24gの酸化コバルト(Co)と、3.22gの二酸化チタン(TiO)と、13.40gの炭酸リチウム(LiCO)と、80.14gの五酸化タンタル(Ta)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1048.89℃(1,920°F)で4時間、空気中でか焼された。その結果得られた材料は、バイオレット色を有し、これは、色彩が淡いバイオレットである顔料粒径へとミルで加工することができる。
【0023】
実施例9
6.47gの炭酸コバルト(CoCO)と、4gの二酸化チタン(TiO)と、16.65gの炭酸リチウム(LiCO)と、72.89gの五酸化アンチモン(Sb)と、の混合物が、ワーリングブレンダーを用いて均質化され、1098.89℃(2,010°F)で4時間、流動アルゴン下でか焼された。その結果得られた材料は、紫色を有し、これは、色彩が淡い紫色である顔料粒径へとミルで加工することができる。
【0024】
X線粉末回折データ:X線粉末回折測定が、株式会社リガクのX線回折計(Rigaku X-ray diffractometer)を用いて40kVおよび40mAでCu−Kα線により室温で行われた。粉末回折測定は、単一相のLiSbO、LiNbO、LiTaOと共に実施例1〜8に対して行われた。単一相のサンプルは、1148.89℃(2,100°F)(LiSbO)、982.22℃(1,800°F)(LiNbO)、982.22℃(1,800°F)(LiTaO)の温度で比較のために合成された。実施例1〜5の粉末回折パターンが図3に表示されており、これらは、x=0.2、0.4、0.6、0.8、1の固溶体Li2−xCoTiSb2−xからなる。粉末回折ピークの移り変わりは、組成がLiSbOからLiCoTiSbO(実施例5)へと移り変わる際の格子パラメータの変化を示している。これらのX線回折パターンから得られる格子パラメータが表1に記載されている。全体的に、図3に示されたX線回折データは、すべてのLi2−xCoTiSb2−x固溶体について、LiSbO結晶構造が保たれていることを示している。
【表1】
表1:実施例1〜8の粉末回折パターンから得られた単位格子パラメータと、同じように合成されたLiSbO、LiNbO、LiTaOのパラメータ
【0025】
実施例6(Li1.2Co0.8Sn0.8Sb1.2)のX線回折パターンが、単一相のLiSbOと共に図4に示されている。小さいスズ石不純物ピークを除いて、粉末回折パターンは、LiSbO構造と一致している。Li1.2Co0.8Sn0.8Sb1.2の粉末回折パターンは、LiSbO‐LiCoTiSbO固溶体で観察される回折パターンに非常によく似ているが、表1に示すようにPnnaからPnn2へ、わずかな対称性変更(slight symmetry modification)がある。
【0026】
単一相のLiTaOおよびLiNbOが、図5で実施例7(Li1.9Co0.1Ti0.1Nb1.9)および実施例8(Li1.8Co0.2Ti0.2Ta1.8)と比較されている。灰色のガイドラインは、相対的なピーク位置がこれらの実施例とその親化合物との間で著しく変化していないことを示している。図5に示す組成物の粉末回折パターンはすべて、LiNbO型結晶構造に一致する。実施例7および8で結果として得られた格子パラメータは、LiNbOおよびLiTaO基準材料から得られるパラメータと共に、表1に示されている。
【0027】
粒径分布データ:色測定を行うため、実施例1〜8の組成物を砕いて、以下の表2に記載する粒径分布にした。粒径分布測定が、Microtrac S3500システムを用いて行われ、50パーセンタイルが2.8μm〜4.8μmの範囲であった。組成物が1μmに近い顔料粒径へと砕かれているので、色は、より淡く、色彩が低い(less chromatic)ものに変化することに注意されたい。
【表2】
表2:実施例1〜8の粒径分布データ
【0028】
反射率スペクトル/色:PVDF/アクリル性マストーンコーティングが、実施例1〜8の顔料を用いて準備された。これらのコーティングは、0.056mm(2.2ミル)の最終乾燥膜厚で、下塗りされたアルミナ基板に塗布された。波長の関数としての反射率、およびCIE Lの明度が、Perkin ElmerのLambda 900分光光度計を用いて、PVDF/アクリル性マストーンをヘラ引きしたものにおいて測定された。すべてのCIEの明度は、D65光源および10°オブザーバー(10 degree observer)に関するものである。実施例1〜5の反射率スペクトルが、図6に示されており、これらは、表1に記載するようにx=0.2、0.4、0.6、0.8、1の、固溶体シリーズLi2−xCoTiSb2−xからなる。(0.2≦x≦0.8)である組成範囲(LiSb)2−x(CoTi)1−xのCIE Lの明度は、45〜65のL、5〜20のa、−15〜−25のbという値を示す。反射率スペクトルに関して図6で観察される主な特徴は、xが大きくなるにつれてより長い波長へとシフトする490nm〜630nmの少なくとも3つの吸収帯のグループを含む。1150nm〜1700nmの特徴的なコバルト吸収帯もシリーズ全体を通じて観察される。
【0029】
以下の図7では、実施例4(Li1.2Co0.8Ti0.8Sb1.2)および実施例6(Li1.2Co0.8Sn0.8Sb1.2)について、PVDF/アクリル性マストーンの反射率スペクトルを比較している。実施例6ではチタンをスズで置換することで、吸収帯が鋭くなり、554nmから538nm、および1360nmから1330nmへとシフトしている。実施例4の459nmでの反射率ピークは、実施例6におけるスズ置換により、広がって、451nmへとシフトしている。反射率スペクトルの変化は、実施例4のL=50.81、a=12.54、b=−22.93から、実施例6のL=55.02、a=18.11、b=−14.56への色ずれとなる。一般的に、(0.2≦x≦0.8)である全組成範囲(LiSb)2−x(CoSn)1−xのCIE Lの明度は、50〜70のL、15〜30のa、−15〜−30のbの値を示す。
【0030】
LiCoTiSbO‐LiSbO固溶体とは対照的に、LiNbO型結晶構造を有するLiNbOおよびLiTaO類似体は、所望の色を達成することのできる、狭い固溶体範囲を示す。Li2−xCoTiSb2−xおよびLi2−xSb2−xCoSn固溶体の最も色彩性の高い色は、xが0.4≦x≦0.8の範囲の場合に生じるが、Li2−xCoTiNb2−xおよびLi2−xCoTiTa2−xの場合、値は、それぞれ、x=0.1および0.2に近くなる。一般に、(0.05≦x≦0.4)である全組成範囲(LiNb)2−x(CoTi)1−xのCIE Lの明度は、70〜80のL、4〜8のa、−5〜−15のbという値を示す。一般に、(0.05≦x≦0.4)である全組成範囲(LiTa)2−x(CoTi)1−xのCIE Lの明度は、65〜75のL、5〜10のa、−10〜−20のbという値を示す。以下の図8は、実施例1と実施例7および8との間の類似性を示す。LiNbO型結晶構造を有する実施例7および8の反射率ピーク(〜465nm)は、実施例1(LiSbO類似体)と比べて、わずかに高い波長へとシフトしている。実施例7および8では階段状の特徴(〜570nm)が形成された、500nm〜700nmの吸収帯の著しいシフトもある。実施例7および8で反射率スペクトルが変化した結果、色は、緑色にシフトし、a値は、表3に示すように実施例1よりもはるかに低くなる。
【表3】
表3:図6図7図8の反射率曲線から算出された実施例1〜8のCIE色データ。測定は、下塗りされたアルミニウム上に0.056mm(2.2ミル)の乾燥膜厚でPVDF/アクリル性マストーンをヘラ引きしたものに対して行った。
【0031】
酸/塩基安定性: 変形ケステルニッヒ試験(Modified Kesternich testing)が実行され、この試験では、PVDF/アクリル塗料でコーティングされた、下塗りされたアルミニウムパネルが、二酸化硫黄雰囲気への一続きの7時間暴露を受け、その後、色および光沢を測定した。色測定は、Datacolor 600反射分光光度計上で行われ、60°光沢測定は、BYK GardnerのMicro Tri‐gloss meterを用いて行われた。実施例1〜8のヘラ引きしたものと共に、C.I.ピグメントバイオレット14(シェファードカラーバイオレット92)およびC.I.ピグメントブルー28(シェファードカラーブルー424)を、比較のために含めた。ケステルニッヒ試験全体は、合計8サイクルの、二酸化硫黄(SCTM 276)への7時間暴露を含んだ。これらの8サイクルにわたり生じた色および光沢の変化を、図9図12に表示した。色の変化は、図9および図10のΔE対ケステルニッヒサイクルにまとめられており、
【数1】
である。
【0032】
図9および図10への挿入図は、8回のケステルニッヒサイクルすべてにわたるシェファードカラーバイオレット92の色の変化を示すために、含まれている。ΔEに関して、これらの図面は、すべての実施例がシェファードカラーバイオレット92よりもはるかに良好で、また、実施例6(Li1.2Co0.8Sn0.8Sb1.2)を除き、すべての実施例がシェファードカラーブルー424と同様またはそれより良好な作用を示すことを表している。実施例7(Li1.9Co0.1Ti0.1Nb1.9)は、ΔEが8回の暴露サイクル後に1よりはるかに低い、最低値を示した。図11および図12の光沢測定値は、実施例がすべて、シェファードカラーバイオレット92およびシェファードカラーブルー424双方より低い光沢変化を表すことを示している。光沢の差が最小なものは、実施例1(Li1.8Co0.2Ti0.2Sb1.8)および実施例8(Li1.8Co0.2Ti0.2Ta1.8)で達成されている。
【0033】
標準的なケステルニッヒ試験と共に、2つの追加的な酸/塩基安定性試験が、実施例4に対して行われた。これらの試験の1つ目では、実施例4のPVDF/アクリル性パネルと、シェファードカラーバイオレット92が、HClおよびNaOHの5%溶液に暴露された。この試験中、5%HClおよび5%NaOH溶液の1mLアリコートが、各パネル上の2つの別々の地点に置かれ、その後、時計皿で覆われる。24時間の暴露後、これらの溶液は除去され、パネルは、きれいにされて、失敗もしくは色変化の兆候について評価される。いったん評価されたら、酸/塩基溶液は、パネル上の同じ地点に戻され、このプロセスが7日間続けられる。この試験の結果が図13に示されており、1日暴露した後、実施例4に変化がないのに対し、シェファードカラーバイオレット92の色が酸および塩基の両方で変化していることが、示されている。試験は、実施例4について丸7日の試験期間にわたり続けられたが、変化は観察されなかった(図13を参照のこと)。
【0034】
実施例4に対する第2組の酸/塩基安定性試験が、顔料粉末上で行われた。この試験中、実施例4に基づく1gの顔料が、2つの別々の3mLバイアルに入れられた。その後、これらのバイアルのうち第1のバイアルには、HClの5%溶液が満たされ、第2のバイアルにはNaOHの5%溶液が満たされた。次に、これらのサンプルは、粉末もしくは溶液に対する色変化についてモニタリングされた。実施例4の場合、2ヵ月暴露した後、粉末もしくは溶液に対する色の目に見える変化はなかった。参考として、シェファードカラーバイオレット92顔料粉末が、同じ条件下で比較された。実施例4とは異なり、シェファードカラーバイオレット92を収容したバイアルでは、数時間以内に色の変化が観察された。
【0035】
耐候性:促進耐候性測定が、UV(UVA‐340ランプ)および水分への暴露を含むQUV機器で実行された。促進耐候試験に使用された試験パネルは、前述した変形ケステルニッヒ試験で使用したPVDF/アクリル塗料をヘラ引きしたものと同じである。色測定は、Datacolor 600反射分光光度計上で行われ、60°光沢測定は、BYK GardnerのMicro Tri‐gloss meterを用いて行われた。以下の表4は、実施例1〜8と、シェファードカラーバイオレット92およびシェファードカラーブルー424の、500時間および1000時間目の促進耐候性データを示している。表4の耐候性データは、色の変化(ΔE)全体が、実施例1および2で最も高いことを示している。実施例3〜5で組成のCoおよびTi含量が増えるにつれて、ΔEは、ブルー424またはバイオレット92より低くなる。実施例6(Li1.2Co0.8Sn0.8Sb1.2)でチタンをスズと置換した場合も、バイオレット92およびブルー424よりも改善された耐候性が得られた。LiNbO型構造を有する実施例7および8はいずれも、バイオレット92およびブルー424よりも改善された耐候性を示している。
【0036】
LiSbOおよびLiNbO型構造から得られたバイオレットの色空間の顔料は、産業界で現在使用されている大部分のバイオレット顔料と比べ、著しい化学安定性および耐候安定度を有し得る。前述した特定の実施例では、安定性は、これらの顔料が長期の高耐久性適用で使用される現行の業界基準の複合無機顔料と、性能の上で匹敵するようなものになっている。
【表4】
表4:2つの異なる試験パネルでの、500時間目および1000時間目における、実施例1〜8、シェファードカラーバイオレット92、およびシェファードカラーブルー424の促進耐候性データ。試験パネルは、下塗りされたアルミニウムの上にPVDF/アクリル性のマストーンをヘラ引きしたものであった。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) LiSbO型またはLiNbO型構造を有する化合物を含む顔料において、
Mが0.1〜20原子%のレベルのドーパントである、M





または、これらの組み合わせ、
から選択される化学式を有し、
カチオンMは、+1の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+2の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+3の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+4の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+5の原子価を有する元素またはその混合物であり、
カチオンMは、+6の原子価を有する元素またはその混合物であり、
Mは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、またはTeから選択され、
アニオンZは、N、O、S、Se、Cl、F、水酸化物イオン、またはこれらの混合物から選択され、
構造型が保持されるように、空位が、MまたはZ部位に位置することができ、
ドーパント添加は、20原子%未満であり、
前記ドーパントは、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、Te、またはこれらの混合物からなる群から選択されている、顔料。
(2) 実施態様1に記載の顔料において、
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
または、これらの組み合わせ、
から選択される化学式を有する、顔料。
(3) 実施態様2に記載の顔料において、
は、+1の原子価を有し、Li、Na、K、Cu、またはこれらの混合物から選択され、
は、+2の原子価を有し、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、またはこれらの混合物から選択され、
は、+3の原子価を有し、B、Al、Ga、In、V、Cr、Fe、Mn、Co、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、またはこれらの混合物から選択され、
は、+4の原子価を有し、Ti、Zr、Hf、Mn、Si、Ge、Sn、またはこれらの混合物から選択され、
は、+5の原子価を有し、Sb、V、Nb、Ta、P、またはこれらの混合物から選択され、
は、+6の原子価を有し、Mo、W、Te、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
(4) 実施態様3に記載の顔料において、
は、+3の原子価を有し、Al、Ga、In、Cr、Mn、Fe、Co、またはこれらの混合物から選択され、
は、+5の原子価を有し、Sb、Nb、Ta、またはこれらの混合物から選択され、
は、テルルであり、
Zは、酸素である、顔料。
(5) 実施態様4に記載の顔料において、
は、+3の原子価を有し、Al、Ga、In、Fe、またはこれらの混合物から選択され、
は、+4の原子価を有し、Ti、Sn、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
【0038】
(6) 実施態様1に記載の顔料において、
化学式:
を有し、ドーパント添加が0.1〜約20原子%であり、
前記ドーパント、またはドーパントの組み合わせは、MもしくはMを含まず、
は、+1の原子価を有し、Li、Na、K、Cu、またはこれらの混合物から選択され、
は、+5の原子価を有し、Sb、Nb、Ta、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
(7) 実施態様6に記載の顔料において、
前記ドーパントは、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、またはこれらの混合物から選択され、
Zは、酸素である、顔料。
(8) 実施態様7に記載の顔料において、
は、少なくとも50原子%超のLiであり、
は、少なくとも50原子%超のSbである、顔料。
(9) 実施態様8に記載の顔料において、
前記ドーパントは、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Si、Sn、Ti、Zr、P、Bi、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
(10) 実施態様1に記載の顔料において、
前記化学式は、
0<x<1である(M2−x(M
0<x<1である(M2−x(M
または、これらの組み合わせから選択され、
は、+1の原子価を有し、Li、Na、K、Cu、またはこれらの混合物から選択され、
は、+2の原子価を有し、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Sn、またはこれらの混合物から選択され、
は、+3の原子価を有し、Cr、Mn、Al、Ga、In、Fe、またはこれらの混合物から選択され、
は、+4の原子価を有し、Ti、Sn、またはこれらの混合物から選択され、
は、+5の原子価を有し、Sb、Nb、Ta、またはこれらの混合物から選択され、
は、テルルであり、
Zは、酸素である、顔料。
【0039】
(11) 実施態様10に記載の顔料において、
は、少なくとも50原子%超のリチウムである、顔料。
(12) 実施態様10に記載の顔料において、
は、少なくとも50原子%超のコバルトである、顔料。
(13) 実施態様10に記載の顔料において、
前記ドーパントは、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Cu、Ag、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、P、Sb、Bi、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
(14) 実施態様10に記載の顔料において、
前記ドーパントは、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Si、Sn、Ti、Zr、P、Bi、またはこれらの混合物から選択されている、顔料。
(15) 実施態様10に記載の顔料において、
ドーパントが存在しない、顔料。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1(a)】LiSbO結晶構造(アンチモン(小さな赤い球体)リチウム(中位の黄色い球体)酸素(大きな青い球体))の断面図である。単位格子は黒で輪郭を描かれていて、4つで投影図を作り上げている。
図1(b)】LiSbO結晶構造(アンチモン(小さな赤い球体)リチウム(中位の黄色い球体)酸素(大きな青い球体))の断面図である。単位格子は黒で輪郭を描かれていて、4つで投影図を作り上げている。
図2(a)】LiNbO結晶構造(ニオブ(小さな赤い球体)リチウム(中位の黄色い球体)酸素(大きな青い球体))の断面図である。単位格子は黒で輪郭を描かれていて、4つで投影図を作り上げている。
図2(b)】LiNbO結晶構造(ニオブ(小さな赤い球体)リチウム(中位の黄色い球体)酸素(大きな青い球体))の断面図である。単位格子は黒で輪郭を描かれていて、4つで投影図を作り上げている。
図3】同じように合成された純粋相(phase pure)のLiSbOと共に実施例1〜5の粉末X線回折パターンを示す。LiSbOのICDD PDF#77‐0824を比較のために表示する。灰色の線は、相対的なピーク位置を比較するためのガイドである。
図4】同じように合成された純粋相のLiSbOと共に実施例6の粉末X線回折パターンを示す。LiCoSnSbOのICDD PDF#44‐1075を比較のために表示する。灰色の線は、相対的なピーク位置を比較するためのガイドである。
図5】同じように合成された純粋相のLiNbOおよびLiTaOと共に実施例7および8の粉末X線回折パターンを示す。LiNbOのICDD PDF#82‐0459を比較のために表示する。灰色の線は、相対的なピーク位置を比較するためのガイドである。
図6】250〜2500nmで測定された実施例1〜5の反射率スペクトルである。測定は、下塗りされたアルミニウムの上に0.056mm(2.2ミル)の乾燥膜厚でPVDF/アクリル性マストーンをヘラ引きしたものに対して行った。
図7】250〜2500nmで測定された実施例6の反射率スペクトルであり、比較のため実施例4についても表示している。測定は、下塗りされたアルミニウムの上に0.056mm(2.2ミル)の乾燥膜厚でPVDF/アクリル性マストーンをヘラ引きしたものに対して行った。
図8】250〜2500nmで測定された実施例7および8の反射率スペクトルであり、比較のため実施例4についても表示している。測定は、下塗りされたアルミニウムの上に0.056mm(2.2ミル)の乾燥膜厚でPVDF/アクリル性マストーンをヘラ引きしたものに対して行った。
図9】8つのケステルニッヒ周期にわたる時間の関数としてΔEを示す。
図10】8つのケステルニッヒ周期にわたる時間の関数としてΔEを示す。
図11】8つのケステルニッヒ周期にわたる時間の関数としてΔ60°光沢を示す。
図12】8つのケステルニッヒ周期にわたる時間の関数としてΔ60°光沢を示す。
図13】シェファードカラーバイオレット92および実施例4を用いた、下塗りされたアルミニウムパネル上のPVDF/アクリル性コーティングである。左側のパネルは、5%HCl溶液に24時間暴露した後のシェファードカラーバイオレット92を示す。中央のパネルは実施例4を示しており、5%HClもしくは5%NaOH溶液に7日間暴露した後で色の変化はなかった。右側のパネルは、5%NaOH溶液に24時間暴露した後のシェファードカラーバイオレット92を示している。
図1(a)and(b)】
図2(a)and(b)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13