(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チャネル領域が、前記体積反転領域の下に形成されかつ前記チャネル領域の全高の残りの高さであり前記チャネル領域の全高の70%を超えない高さを有する表面反転領域をさらに備える、請求項5に記載の半導体デバイス。
各々がチャネル領域を有する複数のフィン型半導体構造体をさらに備え、前記ゲート誘電体が前記チャネル領域の各々を取り囲み、前記ゲート電極が前記ゲート誘電体を取り囲む、請求項1に記載の半導体デバイス。
前記チャネル領域が、前記チャネル領域と重複する前記ゲート電極の幅によって画定される第2の方向におけるゲート長を有し、前記チャネル領域のベース幅が前記ゲート長の80%から200%の間である、請求項11に記載の半導体デバイス。
前記ゲート電極と前記基板との間に0.2Vから0.8Vの間である体積反転バイアスを形成するように前記体積反転領域が構成されている、請求項13に記載の半導体デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0006】
「理想的な」金属‐酸化物‐シリコン(MOS)トランジスタは、ソースとドレインとの間に形成されたチャネル領域を備える。ゲート誘電体がチャネル領域上に形成され、トランジスタのチャネル領域はゲート誘電体上に形成されたゲートを使用して制御される。ゲート‐ソース(V
gs)電圧がトランジスタの閾電圧(V
t)を超えるような大きな電圧がゲートとソースとの間に印加されると、トランジスタのゲートの下にあるチャネル領域は反転する。すなわち、反転層または表面反転層と呼ばれるチャネルの表面付近の電荷の伝導シートが、ソースとドレインとの間に伝導チャネルを形成し、トランジスタを「ON」にする。トランジスタのサイズが縮小すると、産業界で短チャネル効果(SCE)と呼ばれる現象に起因してゲートによるチャネル領域の制御が低下し、ON/OFF電流比の低下およびサブスレッショルドスロープ(SS)の増加を含む、さまざまな性能測定基準の低下につながる。以下では、1つの型のトランジスタ、例えばチャネル領域が電子のシートによって形成されるnチャネルトランジスタを使用して、例示的例を示す。しかしながら、概念は、別の型、例えばチャネル領域が正孔のシートによって形成されるpチャネルトランジスタにも同等に適用される。
【0007】
図1Aは、p型基板14aに形成されたnチャネルプレーナバルクトランジスタ10aを示す。プレーナバルクトランジスタ10aは、高ドープ(n
+)ソース18aと高ドープ(n
+)ドレイン22aとの間に横方向に挟まれたp型チャネル領域30aを備える。ゲート誘電体26aがp型チャネル領域30a上に形成され、ゲート電極34aがゲート誘電体26a上に形成される。トランジスタ10aは、例えば、V
gsがトランジスタ10aの閾電圧(V
t)未満である場合にチャネルがOFF(非伝導)状態を維持するnチャネルエンハンスメントモードMOSFETとすることができる。作動時には、Vgs>Vtとなると、p型チャネル領域30aの表面領域が反転してn型反転層38aを形成し、それにより、ソース18aとドレイン22aとの間に反転チャネルが形成される。正のドレイン‐ソース電圧V
dsが印加されると、ソース18aからドレイン22aへと電子が流れる。ゲートバイアスを増加すると、反転領域38aにおける電子の濃度が増加し、より大きな電流が流れるようになる。
【0008】
短チャネル効果(SCE)とは、チャネル長が短くなるにつれてMOSFETのV
tの低下が見られる現象を指す。
図1Aを参照すると、デバイスの寸法が縮小するにつれて、ソース‐基板空乏領域46aおよびドレイン‐基板空乏領域50aによって占有されるチャネル領域30aの部分が増加するため、ゲート34aによって制御されるチャネル領域30aにおける電荷の部分が減少する。結果として、チャネルを反転させるために、より少ないゲート電荷、つまりより低いゲート電位が必要となり、結果としてV
tおよびON/OFF電流比が低下する。略20〜30nmより長いチャネル長を有するプレーナトランジスタでは、空乏領域の厚さを低減するための1つの緩和措置として、チャネル領域30aのドープ濃度の増加が採用されてきた。しかしながら、チャネルドープ濃度の増加は、キャリアの散乱の増加に起因してキャリア移動度を低下させ、閾電圧を上昇させ得るため、チャネル長が略20〜30nm未満であるトランジスタにおいては利点が限定されている。
【0009】
短チャネル効果(SCE)を低減するために、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板に形成されたトランジスタが使用されてきた。
図1Bは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)に形成されたnチャネルトランジスタ10bを図示する。
図1Aに関して先に説明されたnチャネルトランジスタ10aと同様に、プレーナトランジスタ10bは、高ドープ(n
+)ソース18bと高ドープ(n
+)ドレイン22bとの間に横方向に挟まれたp型チャネル領域30bを備える。p型チャネル領域30b上にゲート誘電体26bが形成され、ゲート誘電体26a上にゲート電極34bが形成される。
図1Aのトランジスタ10aとは異なって、nチャネルトランジスタ10bは、埋込酸化物60b(BOX、例えばSiO
2)として知られている埋込絶縁材料によってバルク基板14bから分離されたシリコンの薄い層16bに形成される。BOX60bは、
図1Aに関して先に説明したソース‐基板およびドレイン‐基板空乏領域の形成を制限することによって、短チャネル効果を低減することができる。
【0010】
図1Bのnチャネルトランジスタ10bなどのSOIトランジスタの特性は、とりわけシリコン薄層16bの厚さ(t
Si)およびBOX60bの上のチャネル領域30bのドープ濃度に依存する。SOI技術の利点を最大にするために、SOIトランジスタは、チャネル領域30bが反転したときにシリコン層16bの全体積が空乏状態となるように空乏領域42bの厚さよりも薄い厚さt
Siを有するシリコン層16bを備える。このようなトランジスタは、完全空乏型SOI(FDSOI)と呼ばれることもある。短チャネル効果の低減に効果的である一方で、SOIトランジスタは、いくつかの製造上の課題を提起する。例えば、均一なシリコンの超薄層16b(典型的にチャネル長L
gの1/3から1/4未満)を製造することは課題であり得る。加えて、チャネル領域から基板への放熱を減少させ得るBOXが存在するため、SOIトランジスタは、温度上昇に起因してキャリア移動度が低下し得る。さらに、SOI基板の集積は、大量生産には高価となり得る。発明者らは、フィン型チャネルを有しかつ本明細書に記載した物理的特徴を有するFinFETは、コストおよびプロセスの複雑性を低減し、ON電流、ON/OFF電流比、およびサブスレッショルドスロープに関する性能を向上させ、同時に短チャネル効果に関するFDSOIプレーナトランジスタの利点を提供することができることを見出した。
【0011】
図2は、実施形態によるフィン型チャネルを有するFinFET200の等角図である。FinFET200は、バルク基板204からz方向に離れる方向において垂直に突出した薄いフィン型半導体構造体を備える。フィン型構造体は、フィン型構造体の一部を埋め込む例えばシャロートレンチ分離(STI)領域である分離領域212の対の間にy方向に挟まれている。フィン型構造体は、分離領域212によって埋め込まれかつ分離領域212の上面から上に突出しない埋込フィン部208を含む。フィン型構造体はさらに、分離領域212の上面から上に突出する有効フィン部216を含む。有効フィン部216は、チャネル方向(x方向)において横方向に延在し、ソース領域216Sとドレイン領域216Dとの間にx方向に挟まれたチャネル領域216Aを含む。FinFET200はさらに、誘電体220とゲート電極224とを含むゲートスタックを備える。ゲート誘電体220は、有効フィン部216のチャネル領域216Aを取り囲み、ゲート電極224は、ゲート誘電体220を取り囲む。図示された実施形態では、ゲート誘電体220は、ゲート電極224とチャネル領域216Aとの間に形成されている。ゲートスタックは、隣接する分離領域212にわたってy方向に延在する。図示された実施形態では、有効フィン部216は、互いに面してかつテーパー状、すなわちz軸に対して90°未満の角度で傾斜した側壁228を有する。こうして、有効フィン部216は、台形のチャネル領域216Aを含みかつx方向に延在する台形フィン型構造を形成する。有効フィン部216およびチャネル領域216Aは、分離領域212の表面に対応する垂直高さでベース幅W
FIN BASEを有する。FinFET200は、x方向(すなわちチャネル方向)におけるゲート電極224の幅に対応する物理ゲート長L
gを有する。FinFET200のゲート幅W
gは、ゲート誘電体220と有効フィン部216との間のy−z面における交線の長さによって画定される。したがって、チャネルの面積は、L
g×W
gとして定義することができ、これはゲート電極224と有効フィン部216との間の重複面積に相当する。
【0012】
発明者らは、チャネル領域216Aが略16nm未満のベース幅を有しかつ傾斜した側壁を有するようにFinFETが縮小された場合、チャネル領域のいくつかの領域のデバイス物理は、古典的な半導体物理から著しく逸脱することを見出した。本明細書に記載された実施形態によると、チャネル領域のいくつかの領域の物理特性を操作することによって、低減された短チャネル効果、増大されたON電流およびON/OFF電流比、ならびに低減されたサブスレッショルドスロープを含む、最適な性能を有するFinFETを得ることができる。特に、略16nm未満のチャネルベース幅を有するFinFETは、本明細書中で体積反転領域(
図2のR2)と称される領域を有するように設計することができる。理論に束縛されるものではないが、体積反転領域R2は、反転条件の下で、例えば、y方向におけるエネルギー‐距離図にプロットした場合に、チャネル領域を通して体積反転領域の伝導帯および価電子帯エネルギー(E
C,E
V)がバルク半導体材料の伝導帯および価電子帯エネルギー(E
C,BULK,E
V,BULK)より低くなるような物理的形状、寸法、およびドープレベルを有することができる。特に、実施形態は、略3nmから略7nmの間、略3nmから5nmの間、または略3nmから略4nmの間の最小幅および略4nmから略8nmの間または略5nmから7nmの間、例えば略6nmの最大幅を有するチャネル領域の垂直部分によって画定される体積反転領域を含むチャネル領域を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、体積反転領域(R2)は、バルク基板から直接延びる。状況によっては、体積反転領域は、体積反転領域の下にある本明細書において表面反転領域(R1)と称される領域と、体積反転領域の上にある量子閉込領域(R3)と称される領域との間に垂直に挟まれる。量子閉込領域(R3)とは、物理的寸法が、半導体材料における励起子のボーア半径に近いかそれよりも小さい領域を指す。発明者らは、場合によっては、Siでは幅が例えば略3〜4nm未満であるフィン型構造の領域で、量子閉じ込めが発生することを見出した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、体積反転領域(R2)とは異なって、R1のデバイス物理は、半導体体積の表面付近では伝導帯および価電子帯エネルギーが低下するが、反転条件の下で形成される空乏領域の外ではバルク値まで増加する古典的な半導体モデルによって説明することができる。体積反転および表面反転条件については、以下で
図3の電子バンド図を参照してより詳細に説明する。実施形態によると、体積反転領域(R2)に加えて表面反転領域(R1)および量子閉込領域(R3)の一方または両方が存在する場合、チャネル領域は、体積反転領域(R2)がチャネル領域の全高の略25%を超える高さを有するように設計される。ここで、チャネル領域の全高はR1、R2およびR3の全高として定義することができる。さらに、実施形態によると、チャネル領域は、表面反転領域(R1)がチャネル領域の全高の略70%未満の高さを有し、量子閉込領域(R3)がチャネル領域の全高の略20%未満の高さを有するように設計され得る。
【0014】
図2に図示された実施形態の表面反転領域(R1)、体積反転領域(R2)および量子閉込領域(R3)の物理特性について、以下でさらに詳細に説明する。図示された実施形態では、FinFET200のチャネル領域216Aは、バルク基板204に一体的に接続されており、ベースから、表面反転領域(R1)、R1に接続された体積反転領域(R2)、およびR2に接続された量子閉込領域(R3)を含む。チャネル領域216Aは、分離領域212の表面より上の全高H
FINを有し、全高は、高さH
R1を有するR1の高さ、H
R2を有するR2の高さ、H
R3を有するR3の高さを含む。図示された実施形態では3つの領域R1、R2およびR3の全てがチャネル領域216Aに含まれているが、その他の実施形態も可能である。例えば、その他の実施形態では、チャネル領域216Aは、
図2において隣接している3つの領域R1、R2およびR3のうちの2つを含む。例えば、チャネル領域216Aは、R1およびR2を含むがR3を含まないか、またはR2およびR3を含むがR1を含まなくてもよい。さらに別の実施形態では、チャネル領域216Aは、R2のみを含む。3つの領域R1、R2およびR3の各々の寸法および特性について、
図2、
図3の概略的バンド図、および
図4Aから4Dの多様な実施形態を参照して以下で説明する。
【0015】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、フィンのベース幅W
FIN BASEは、一般的に、「xノード」とも称されるテクノロジーノードに対応し得る。ここで、xとは、例えば最小フィーチャサイズに対応するフィーチャ寸法(例えばナノメートル単位)である。例えば、「100nmノード」とは、ゲート長またはその他のリソグラフィによって画定された臨界フィーチャが物理的に略100nmであり得る論理技術を指し得る。しかしながら、最小フィーチャサイズは、称された技術ノードとは実質的に異なり得る。実施形態によっては、W
FIN BASEは、16nm、12nm、9nmまたは6nmを超えない。実施形態によっては、W
FIN BASEは、略12nmから略16nmの間または略13nmから略15nmの間、例えば略14nm(例えば
図4A);略8nmから略12nmの間または略9nmから略11nmの間、例えば略10nm(例えば
図4B);略5nmから略9nmの間または略6nmから略8nmの間、例えば略7nm(例えば
図4C);または、略2nmから略6nmの間または略3nmから略5nmの間、例えば略4nm(例えば
図4D)であってよい。
【0016】
様々な実施形態では、チャネル領域の全高H
FINは略34nmを超えない。様々な実施形態では、H
FINは略27nmから略35nmの間または略29nmから略33nmの間、例えば略32nm(例えば
図4A);略17nmから略25nmの間または略19nmから略23nmの間、例えば略22nm(例えば
図4B);略12nmから略20nmの間または略14nmから略18nmの間、例えば略17nm(例えば
図4C);または、略8nmから略16nmの間または略10nmから略14nmの間、例えば略12nm(例えば
図4D)であってよい。
【0017】
図2を参照して、発明者らは、体積反転領域R2が、ある幅を有することによって、反転条件の下で実質的に完全に体積反転するように特に構成することができることを見出した。様々な実施形態では、R2は、略3nmから略7nmの間、略3nmから略5nmの間、または略3nmから略4nmの間、例えば略3nmの最小幅を有し、略4nmから略8nmの間、または略5nmから略7nmの間、例えば略6nmの最大幅を有する。
図2では、最大および最小幅は、R2によって画定された台形領域の下部および上部幅に対応する。
【0018】
さらに、発明者らは、チャネル領域の全高H
FINに対してR2が特定の高さH
R2を有すると最大性能に有利であり得ることを見出した。様々な実施形態では、H
R2は、チャネル領域の全高H
FINの略25%超、略30%超、略50%超もしくは略90%超、またはこれらの比率の値の間の任意の範囲、例えばH
FINの略50%から略90%の間を示す。
【0019】
図2を参照して、様々な実施形態では、量子閉込領域(R3)は、先に説明したようにR2の最小幅である最大幅を有する。さらに、様々な実施形態では、R3は、略3nmを超えない、例えば、略3nmから略1nmの間、または略2nmを超えない、例えば略2nmから略1nmの間の高さH
R3を有する。いくつかの実施形態では、H
R3は、チャネル領域の全高H
FINの5%、10%、15%もしくは20%未満、またはこれらの比率の値の間の任意の範囲を示す。いかなる理論にも束縛されるものではないが、量子閉込領域とは、物理的寸法が半導体材料における励起子のボーア半径に近いかそれよりも小さい領域を指す。キャリア(電子および正孔または励起子)が量子機械的キャリア閉じ込めにさらされると、その結果として他の効果の中でもとりわけ、半導体材料のバンドギャップが増加し、それにより局所的にV
tが増加し得る。こうして、発明者らは、上記の寸法を有することによって、例えば、様々なFinFET特性の中でもとりわけ増加したV
t分布およびサブスレッショルドスロープなど、R3による悪影響を受けないFinFETの総合的な性能を達成するのに有利であることを見出した。
【0020】
図2を参照して、様々な実施形態では、表面反転領域(R1)は、先に説明したようにR2の最大幅である最小幅、およびW
FIN BASEである最大幅を有する。さらに、様々な実施形態では、R1は、高さH
R1=H
FIN−H
R2−H
R3を有する。例えば、R1は、H
FINの70%、55%、35%または15%未満であってよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、
図1Bに関して先に説明した埋込酸化物60bと同様の埋込酸化物が、埋込フィン部208と基板204との間に垂直に挟まれ得る。
図2に関して先に説明したR1、R2およびR3の特定の構成を有することによって、発明者らは、
図2に図示するように、埋込酸化物は追加の利益を提供しないためフィン型半導体構造体と基板204との間から排除してもよいことを見出した。したがって、結果としてFinFET200は比較的低コストで製造することができる。
【0022】
様々な実施形態では、基板204は半導体基板である。いくつかの実施形態では、基板は、主面(
図2においてz方向に面する表面)として結晶面の(100)群の1つを有するシリコン基板である。いくつかの実施形態では、フィン型半導体構造体は、シリコン結晶方向の<110>群に延在し、得られるFinFET200のドレイン電流I
dは<110>方向に流れる。このような実施形態では、シリコン中の正孔移動度が<110>方向においてその他の結晶方向と比較してより速くなり得るため、得られるFinFETはpチャネルトランジスタに最適化され得る。いくつかのその他の実施形態では、フィン型半導体構造体は、シリコン結晶方向の<100>群に延びるように45°回転され、得られるFinFET200のドレイン電流I
dは<100>方向に流れる。このような実施形態では、電子移動度が<100>方向においてその他の結晶方向と比較してより速くなり得るため、得られるFinFETはnチャネルトランジスタに最適化され得る。さらに他の実施形態では、nチャネルFinFETは<100>方向に延びるチャネルを有し、一方でpチャネルFinFETは<110>方向に延びるチャネルを有する。
【0023】
図2を参照して、様々な実施形態によると、フィン型半導体構造体のチャネル領域216Aは、nチャネルFinFETにはp型ドープされ、pチャネルFinFETにはn型ドープされ得るか、またはpチャネルFinFETもしくはnチャネルFinFETのいずれかとして基本的に固有のものとなるようにドープしなくてもよい。様々な実施形態では、チャネル領域216Aは、略1.5×10
10/cm
3から略1.0×10
16/cm
3の間、略1.5×10
10/cm
3から略1.0×10
14/cm
3の間、または略1.5×10
10/cm
3から略1.0×10
12/cm
3の間の正味ドーパント濃度を有する。いくつかの実施形態では、より低いドーパント濃度を有することによってキャリア移動度が増加し、それによりI
ONおよびI
ON/I
OFF比が増加し得る。本明細書で使用する正味ドーパント濃度とは、FinFETのチャネル領域を形成する型のドーパントの濃度と、その逆のドーパント型の濃度との間の差を指す。
【0024】
図2を参照して、様々な実施形態によると、チャネル領域216Aを取り囲むゲート誘電体220は適当なゲート誘電体材料から形成することができ、該材料は、SiO
2、Si
3N
4、Ta
2O
5、SrTiO
3、ZrO
2、HfO
2、Al
2O
3、La
2O
3、Y
2O
3、HfSiO
4、LaAlO
3または非化学量論のこれらの様々な混合物および組み合わせもしくはそれらのスタック等の誘電体材料を含むがそれらに限定されるものではない。
【0025】
ゲート誘電体220の等価酸化膜厚(EOT)は、トランジスタの所望の駆動電流に対して選択することができ、チャネル長L
g、実効チャネル幅およびフィンベース幅の1つまたは複数に基づく値を有するように選択することができる。様々な実施形態では、ゲート誘電体220のEOTは、略0.5nmから略2nmの間、略0.7nmから略1.5nmの間、または略0.9nmから1.3nmの間、例えば略1.0nmの値を有するように選択することができる。
【0026】
ゲート電極224は、FinFET200がnチャネルFinFET(n−FinFET)であるかまたはpチャネルFinFET(p−FinFET)であるかによって、かつ閾電圧の所望の値に基づいて、適当な金属または半導体材料を使用して形成することができる。閾電圧は、ゲート電極224が金属を含む実施形態ではゲート電極224の金属材料の金属仕事関数とチャネル領域216Aのフェルミ準位との間のエネルギー差に部分的に依存し、ゲート電極224が半導体を含む実施形態ではゲート電極224とチャネル領域216Aとの間のフェルミ準位のエネルギー差に部分的に依存する。
【0027】
FinFET200がn−FinFETである実施形態では、ゲート電極224に適当な材料は、p型ドープ多結晶質シリコンなどのp型ドープ半導体またはゲート電極224の仕事関数Φ
m,Nが略4.1eVから略4.65eVの間、略4.1eVから略4.4eVの間、または略4.4eVから略4.65eVの間となり得るような適当な「p型」金属を含む。
【0028】
FinFET200がp−FinFETである実施形態では、ゲート電極224に適当な材料は、n型ドープ多結晶質シリコンなどのn型ドープ半導体またはゲート電極224の仕事関数Φ
m,Pが略4.65eVから略5.2eVの間、略4.65eVから略4.9eVの間、または略4.9eVから略5.2eVの間となり得るような適当な金属を含む。
【0029】
様々な実施形態では、ゲート電極224に適当な金属は、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ルビジウム(Ru)、TiN、TaN、TaCN、およびTaSi
xN
yなどを含む。当然ながら、低電圧CMOS用途では、n型FinFETおよびp型FinFETの両方が、先に説明した所望の仕事関数を実現するために類似のまたは同一のベース材料を不純物とともに含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、供給電圧(V
dd)の縮小に起因して、両方のトランジスタの型(n型FinFETおよびp型FinFET)にとって低く対称的な閾電圧を実現することが望ましい。両方のトランジスタの型に対称的な閾電圧を実現するために、いくつかの実施形態では、差(Φ
m,P−E
F)および(Φ
m,N−E
F)(ここでE
Fはチャネル領域216Aのフェルミ準位である)が略0.5eV、0.3eV、または0.2eVを超えないように、n型FinFETおよびp型FinFET用にゲート電極が選択される。
【0031】
図2を参照して、発明者らは、有効フィン部216が概して台形形状を有するように構成することがいくつかの理由から有利であり得ることを見出した。製造の観点からみると、台形形状を有することは、有効フィン部216に強化された構造支持を与える。さらに、テーパー状の側壁228を有することは、基本的に垂直(例えば89から90°の間)である側壁と比較して著しく処理が容易となり得る。さらに、テーパー状の側壁228を有すると、化学気相成長または高密度プラズマ化学気相成長などの技法を使用してそこに望ましくないボイドを形成せずに分離領域212を充填することが概して容易となる。様々な実施形態では、テーパー状の側壁228は、z軸に対して略88°から略80°の間、略88°から略82°の間または略88°から略85°の間の角度をなし得る。
【0032】
図2を参照して、発明者らは、FinFET200における短チャネル効果を抑制するために、分離領域212の表面の上の有効領域のベース幅は、ゲート長L
gとほぼ同等またはそれより長いことが好ましいことを見出した。したがって、分離領域212の表面レベルの上に幅が連続的に減少する台形形状を有する
図2のFinFET200の図示された実施形態では、W
FIN BASEは、L
gの略80%から略200%の間であるかまたはL
gの略90%から略150%、またはL
gの略100%から略120%の間である。
【0033】
図3は、
図2に関して先に説明したFinFET200の表面反転領域R1および体積反転領域R2と同様のFinFETの2つの領域を表す概略的電子バンド図を示す。一般的に、電子バンド図は、例えば幅(
図2におけるy方向)の中で、横方向の位置の関数として電子エネルギーを表す。FinFETでは、FinFETのチャネル領域の2つの側壁上の近接したゲート電極のために、
図1Aおよび1Bに関して先に説明したプレーナトランジスタとは著しく異なる静電気学がもたらされる。理論に束縛されるものではないが、チャネル領域の比較的狭い幅のために、チャネル領域の幅にとりわけ依存してチャネル領域の様々な部分の中で反転電荷分布が著しく変化し得ることがわかった。
【0034】
図3は、
図2のFinFET200のチャネル領域216Aをそれぞれ表面反転領域(R1)内の幅(W
1)に対応する垂直レベル、および体積反転領域(R2)内の幅(W
2)に対応する垂直レベルで横切る部分に物理的に対応する電子バンド
図300および350を概略的に示す。バンド
図300は、R1内のW
1(
図2)に対応する垂直レベルでのチャネル領域の第1側および第2側上のゲート誘電体の電子バンド320aと320bとの間のFinFETのチャネル領域の伝導帯304および価電子帯308を示す。バンド
図350は、R2内のW
2(
図2)に対応する垂直レベルでのチャネル領域の第1側および第2側上のゲート誘電体の電子バンド320cと320dとの間のFinFETのチャネル領域の伝導帯354と価電子帯358を示す。E
F,BULKとは、FinFETのチャネル領域のフェルミ準位を指す。対応するバルク単一ゲートプレーナトランジスタにおける伝導帯324(E
C,BULK)および価電子帯328(E
V,BULK)もまた破線で示される。
【0035】
図3における様々なバンドの曲線は、ゲート電極でのエネルギーレベルシフト(eV
gs)によって示唆されるように、一定のゲート‐ソース電圧V
gsでのチャネル領域の幅の減少の効果を示す。バンド
図300は、表面反転領域R1において、反転条件の下で、W
1が空乏幅W
DEPM(同一のドーピングおよび材料を有する対応するバルクチャネルにおいて形成される空乏幅)の2倍と等しいかそれより大きいことを示し、すなわちチャネル領域の2つの側に対してW
1≧2W
DEPMである。この状態の下で、バンドの湾曲がわずかに生じるかまたは基本的に生じない中性領域312が存在し、これは
図2における領域204に相当する。中性領域では、伝導帯304および価電子帯308はそれぞれ対応するバルクエネルギーE
C,BULKおよびE
V,BULKの値に近づく。この状態の下で、反転電荷Q
invは、チャネル領域のゲート誘電体と半導体材料との間の界面領域316aおよび316bに比較的局所化される。反転領域におけるキャリアの濃度は、電圧降下Ψ
Sによって部分的に決定される。表面反転が起こる2つの界面領域316aおよび316bがあるため、駆動電流I
dsは、単一ゲートを有するプレーナトランジスタと比較して増加する(例えば倍増)。
【0036】
表面反転領域R1とは異なり、体積反転領域R2では、反転条件の下で、W
2は最大空乏幅W
DEPMの2倍未満であり(すなわちチャネル領域の2つの側に対してW
2<2W
DEPM)、中性領域は存在しない。この状態の下で、チャネル領域の2つの側上で近接するゲート電極のため、伝導帯354および価電子帯358のエネルギーは、チャネル領域の全幅にわたって、対応するバルクエネルギーE
C,BULKおよびE
V,BULKを下回り、反転電荷Q
invはもはや界面領域316bおよび316bへと局所化されず、R2の体積にわたって分配される。本明細書において使用されるこの状態とは、体積反転を指す。発明者らは、FinFETがオンになると体積反転を受けるように構成された比較的大きな体積のチャネル領域を有することが望ましいことを見出した。いかなる理論にも束縛されるものではないが、比較的大きな体積反転領域R2を有する利点の1つは、ゲート誘電体/チャネル界面領域からさらに離れてより大きな電流が流れることである。このことは、これらの界面領域が、電子および/または正孔移動度(μ
nおよび/またはμ
p)を低下させ、結果として駆動電流および/またはサブスレッショルドスロープの低下をもたらし得る界面散乱中心を有し得るため有利である。さらに、有効フィン領域の幅W
2は、2W
DEPMを実質的に下回り、高いI
ONおよび高いI
ON/I
OFF比を依然として維持することができる。
【0037】
上記では、地面、例えば基板またはフィン型構造体の埋込部分に対して略0.2Vから1.0Vの間、略0.2Vから略0.8Vの間、または略0.2Vから略0.6Vの間のゲート電圧がゲート電極に印加されると、反転条件を満たすことができる。
【0038】
図4A〜4Dは、様々な実施形態によるFinFET400、420、440および460の断面図を示す。FinFET400、420、440および460は、限定されるものではないが、技術ノード14nm、10nm、7nmおよび4nmに相当し得る。
図4A〜4Dの図は、チャネル領域(チャネル方向(x方向)に垂直な面(y−z面)における
図2のチャネル領域216Aと同様)の断面図を示す。図示されたFinFETは、隣接してまたは周囲に分離領域212が形成された埋込フィン部208を含む。埋込フィン部208は、
図2に関して先に説明した半導体基板と同様の材料、方向、ドープレベルを有することができる。
図4A〜4Dに図示したFinFETのチャネル領域は、x方向においてページの内外に延在し、かつソース領域とドレイン領域(
図4A〜4Dには示されていない、
図2のソースおよびドレイン領域216S、216Dと同様)との間に挟まれる。明確化のために、
図4A〜4Dにはゲート誘電体およびゲート電極が図示されていないが、
図2に関して先に説明したものと同様に存在する。つまり、ゲート誘電体がチャネル領域を取り囲み、ゲート電極がゲート誘電体を取り囲む。
【0039】
図4A〜4DのFinFET400、420、440および460では、チャネル領域は、
図2に関して先に説明した3つの領域、つまり表面反転領域(R1)、体積反転領域(R2)および量子閉込領域(R3)のうち少なくとも体積反転領域(R2)および量子閉込領域(R3)を含む。FinFET400、420、440、および460は、略3nmから略4nmの間の最小幅、略4nmから略8nmの間の最大幅、およびチャネル領域の全高の略25%を超える高さを有する体積反転領域(R2)を含む。
図4A〜4DにおけるFinFETのR1は、
図2および3に関して先に説明したR1と同様であり、W
FIN BASEで与えられるフィンのベースで最大幅を有し、W
R2 MAXで与えられるR2のベースで最小幅を有する。R1内の幅は、
図3に関して先に説明したように空乏幅の2倍2W
DEPMと同等またはそれより大きく、いかなる理論にも束縛されるものではないが、反転条件の下で、中性領域が中心領域(
図2における204と同様)に存在し、そこではバンド湾曲が生じず、最大伝導帯および価電子帯エネルギーがそれぞれ対応するバルクエネルギーE
C,BULKおよびE
V,BULKを下回らない。
【0040】
さらに、
図4A〜4DにおけるFinFETのR2は、
図2および3に関して先に説明したR2と同様であり、W
R2 MAXで与えられるR2のベースで最大幅を有し、W
R2 MINで与えられるR3のベースで最小幅を有する。R2内の幅は、
図3に関して先に説明したように空乏幅の2倍2W
DEPM未満であり、いかなる理論にも束縛されるものではないが、反転条件の下で、中性領域が存在せず、R2の実質的全体積にわたって、伝導帯および価電子帯エネルギーがそれぞれ対応するバルクエネルギーE
C,BULKおよびE
V,BULKを下回る。
【0041】
さらに、
図4A〜4DにおけるFinFETのR3は、
図2に関して先に説明したR3と同様であり、ベースでW
R2 MINで与えられる最大幅を有し、フィンのピークに向かって連続的に減少する。
【0042】
図4A〜4DにおけるFinFETは傾斜した側壁を有し、その角度は、R2の側壁でz方向に対してθで表すことができ、
図2に関して先に説明したものと同様の値を有する。
【0043】
図4Aを参照すると、実施形態によるFinFET400は、埋込フィン部208の半導体材料に接続されかつ拡張部を形成する表面反転領域(R1)418と、(R1)418の半導体材料に接続されかつ拡張部を形成する体積反転領域(R2)408と、(R2)408の半導体材料に接続されかつ拡張部を形成する量子閉込領域(R3)404とを含む。
【0044】
FinFET400は、略12nmから略16nmの間または略13nmから略15nmの間、例えば略14nmのベース幅W
FIN BASE406、略4nmから略8nmの間、例えば略7nmである最大体積反転幅W
R2 MAX414、および略3nmから略4nmの間、例えば略3nmである最小体積反転幅W
R2 MIN412を有する。
【0045】
FinFET400は、略17nmから略25nmの間または略19nmから略23nmの間、例えば略21nmである第1の高さH
R1、略8nmから略12nmまたは略9nmから略11nmの間、例えば略10nmである第2の高さH
R2、略2nm未満、例えば略1nmである第3の高さH
R3を有する。FinFET400は、略28nmから略36nmまたは略30nmから略34nmの間、例えば略32nmである全高H
FINを有する。
【0046】
FinFET400は、略30%を超える全高H
FINに対する第2の高さH
R2の比率を有する。
【0047】
図4Bを参照すると、
図4AのFinFET400と同様に、別の実施形態によるFinFET420は、表面反転領域(R1)438と、体積反転領域(R2)428と、量子閉込領域(R3)424とを含む。
【0048】
FinFET420は、略8nmから略12nmの間または略9nmから略11nmの間、例えば略10nmであるベース幅W
FIN BASE426、略4nmから略8nmの間、例えば略7nmである最大体積反転幅W
R2 MAX434、略3nmから略4nmの間、例えば略3nmである最小体積反転幅W
R2 MIN432を有する。
【0049】
FinFET420は、略8nmから略12nmの間または略9nmから略11nmの間、例えば略10nmであるR1の第1の高さH
R1、略9nmから略13nmの間または略10nmから略12nmの間、例えば略11nmである第2の高さH
R2、略2nm未満、例えば略1nmである第3の高さH
R3を有する。FinFET400は、略17nmから略25nmの間または略19nmから略23nmの間、例えば略21nmである全高H
FINを有する。
【0050】
FinFET420は、略50%を超える全高H
FINに対する第2の高さH
R2の比率を有する。
【0051】
図4Cを参照すると、
図4Aおよび4BのFinFET400および420と同様に、別の実施形態によるFinFET440は、体積反転領域(R2)448と、量子閉込領域(R3)444とを含む。しかしながら、FinFET400(
図4A)および420(
図4B)とは異なり、FinFET440は表面反転領域(R1)を含まない。したがって、反転条件の下で、R2が体積反転した場合に、FinFET440では表面反転が起こらない。
【0052】
FinFET440は、W
R2 MAXと同等であり、略4nmから略8nmの間、例えば略7nmであるベース幅W
FIN BASE446、略3nmから略4nmの間、例えば略3nmである最小体積反転幅W
R2 MIN452を有する。
【0053】
FinFET440は、略14nmから略18nmの間または略15nmから略17nmの間、例えば略16nmである第2の高さH
R2、略2nm未満、例えば略1nmである第3の高さH
R3を有する。FinFET440は、略13nmから略21nmの間または略15nmから略19nmの間、例えば略17nmである全高H
FINを有する。
【0054】
FinFET440は、90%を超える全高H
FINに対する第2の高さH
R2の比率を有する。
【0055】
図4Dを参照すると、
図4Aおよび4BのFinFET400および420と同様に、別の実施形態によるFinFET460は、体積反転領域(R2)468と、量子閉込領域(R3)464とを含む。しかしながら、FinFET400および420とは異なるが
図4CのFinFET440と同様に、FinFET460は表面反転領域(R1)を含まない。したがって、反転条件の下で、R2が体積反転した場合に、FinFET460では表面反転が起こらない。
【0056】
FinFET460は、W
R2 MAXと同等であり、略4nmから略8nmの間、例えば略4nmであるベース幅W
FIN BASE466、略3nmから略4nmの間、例えば略3nmである最小体積反転幅W
R2 MIN462を有する。
【0057】
FinFET460は、略8nmから略12nmの間または略9nmから略11nmの間、例えば略10nmである第2の高さH
R2、略2nm未満、例えば略1nmである第3の高さH
R3を有する。FinFET460は、略10nmから略14nmの間または略11nmから略13nmの間、例えば略12nmである全高H
FINを有する。
【0058】
FinFET460は、略90%を超える全高H
FINに対する第2の高さH
R2の比率を有する。
【0059】
図5を参照すると、先に説明した様々な実施形態と同様である複数のFinFETは、全体駆動電流を増大するために、共通ゲート電極によって接続され得る。
図5は、複数の有効フィン領域516a、516bおよび516cを含み、該領域の各々が隣接する分離領域512によって分離され、各々がソース領域(516S−1、516S−2および516S−3)およびドレイン領域(516D−1、516D−2および516D−3)を有するFinFETデバイス500を図示する。有効フィン領域516a、516bおよび516cは、それぞれ埋込フィン部508a、508bおよび508cの連続した拡張部を形成し、埋込フィン部の各々はバルク基板504から連続して延びる。複数の有効フィン領域は、実施形態に図示されているように、連続し得るゲート誘電体520a、520bおよび520cによって取り囲まれる。ゲート電極524に印加される単一ゲート電圧によって複数の有効フィン領域が制御されるように、共通ゲート電極524はゲート誘電体上に形成される。チャネル領域(標識せず)は、ゲート誘電体520a、520bおよび520cの各々ならびにゲート電極524の下で、それぞれのソース領域とドレイン領域との間に形成される。
【0060】
本発明を特定の実施形態の点から説明したが、本明細書に記載した全ての特徴および利点を提供しない実施形態を含む当業者に明らかであるその他の実施形態も本発明の範囲内に含まれる。さらに、先に説明した様々な実施形態を組み合わせてさらなる実施形態を提供することも可能である。加えて、1つの実施形態において示した特定の特徴をその他の実施形態に組み込んでもよい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照してのみ定義される。