(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487066
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】特殊電気部品、プリント回路基板アセンブリ、及び電気器具を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/18 20060101AFI20190311BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
H05K1/18 B
H01L23/12 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-554019(P2017-554019)
(86)(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公表番号】特表2018-513562(P2018-513562A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】IB2016052076
(87)【国際公開番号】WO2016170449
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2017年10月13日
(31)【優先権主張番号】15164470.5
(32)【優先日】2015年4月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、エルザエッサー
【審査官】
鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−124010(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0246615(US,A1)
【文献】
米国特許第04541034(US,A)
【文献】
国際公開第2006/091940(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/179404(WO,A1)
【文献】
特開平06−085143(JP,A)
【文献】
特開昭63−107159(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/093175(WO,A1)
【文献】
特表2013−509733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H01L 23/12
H05K 3/34
H05K 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ、蓄電池、又は電気サブアセンブリ等の特殊電気部品であって、前記特殊電気部品をプリント回路基板にはんだ接合するための少なくとも1本のはんだ付けピン、特には、少なくとも2本のはんだ付けピンを有し、前記少なくとも1本のはんだ付けピンが、前記はんだ付けピンの自由端における前セクションと、前記前セクションに隣接する第1のセクションと、を含む接続端を有し、前記前セクションが、2つの対向する主表面と、狭側面と、を有するとともに、前記第1のセクションの幅よりも小さい幅を有し、特には、前記前セクションの前記幅が、前記第1のセクションの前記幅よりも少なくとも25%小さく、特には、少なくとも50%小さく、
前記第1のセクションが、前記前セクションから離れて横方向に突出する翼セクションを含み、そのため、前記前セクションの横方向縁部、及び前記翼セクションの横断縁部が、90度を超える角度で配置されており、
前記はんだ付けピンが、表面コーティングを少なくとも前記接続端の主表面上に有するが、狭側面には有さず、そのため、はんだが、少なくとも前記前セクション及び前記第1のセクションの前記狭側面と結合しない、特殊電気部品。
【請求項2】
第2のセクションが、前記前セクションとは反対側で前記第1のセクションに隣接して配置され、前記前セクション、前記第1のセクション、及び前記第2のセクションが共に、本質的にt形状であり、前記t形状の十字線が、少なくとも前記はんだ付けピンの1つの横方向側面から突出している、請求項1に記載の特殊電気部品。
【請求項3】
前記前セクションの前記横方向縁部と前記翼セクションの前記横断縁部との間の前記角度が、少なくとも92.5度、特には、95度〜105度である、請求項1または2に記載の特殊電気部品。
【請求項4】
前記はんだ付けピンが、0.1mm〜0.4mmの厚さを有するシート材料から作製され、前記前セクションの前記幅が、0.5mm〜2.0mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の特殊電気部品。
【請求項5】
前記少なくとも1本のはんだ付けピンが、特には前記はんだ付けピンのばね様変形として実現される、弾性セクションを含み、任意に、前記特殊電気部品が、互いに平行に延伸し、かつ両方とも弾性セクションを有する、少なくとも2本のはんだ付けピンを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の特殊電気部品。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つの特殊電気部品と、プリント回路基板と、を含む、プリント回路基板アセンブリであって、前記プリント回路基板は、前記はんだ付けピンの前記前セクションが通過して延伸する、金属化されたスルーホールを有し、前記はんだ付けピンが、はんだ接合によって前記プリント回路基板に接続されている、プリント回路基板アセンブリ。
【請求項7】
前記はんだ付けピンの前記前セクションが、前記プリント回路基板の前側の上方に少なくとも約0.3mm、任意に約1.2mm以下延伸する、請求項6に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項8】
前記スルーホールが、細長い断面、特には、長円形、楕円形又は丸みを帯びた矩形の断面を有し、前記細長いスルーホールの長軸が、前記スルーホールの短軸よりも50%〜250%長く、特には、前記短軸が、0.8mm〜1.2mmのサイズを有し、前記長軸が、1.2mm〜2.5mmのサイズを有する、請求項6又は請求項7に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項9】
前記プリント回路基板が、裏側に、前記スルーホールを通過する導電性トラックであって、金属化されたスルーホール縁部と伝導性トラック縁部との間が0.5mm未満の距離である、という伝導性トラックを有し、特には、この距離が、約0.3mmである、請求項6〜8のいずれか一項に記載のプリント回路基板アセンブリ。
【請求項10】
請求項6〜9の一項に記載のプリント回路基板アセンブリを含む電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだ付けピンを有する特殊電気部品に関し、またそのような特殊電気部品がプリント回路基板に接続されたプリント回路基板アセンブリに関する。本発明は更に、電気器具と電気器具を製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊電気部品(異形部品としても既知である)が、プリント回路に、標準的なピックアンドプレース装置(例えば、SIPLACE装置(ASM Assembly Systems GmbH & Co.KG))を用いて直接表面実装するか又は自動化されたスルーホール技術を介して実装することには向いておらず、特殊電子部品をプリント回路基板に接続するためのはんだ付けピンを有することが知られている。このような特殊電気部品は例えば、電池又は蓄電池、小さいDCモータ、又は電気サブアセンブリの場合がある。このような特殊電気部品は、回路基板の周りで曲げられ、かつ加熱した液体はんだを付与することによってプリント回路基板の金属化された部分(いわゆるはんだランド)に接続される、はんだ付けピンを提供することによって、プリント回路基板に接続され得る。このような既知の方法は、はんだ付け接続部の高さが比較的大きくなり(典型的なSMT実装部品の高さと比べて)、特にはんだ付け接続部の高さを正確に制御することができず、公差が大きくなる。このことは、プリント回路基板アセンブリと、例えば電気器具のハウジングとの間の上部空間が、はんだ付け接続部の高さとこの高さの公差の大きさとを吸収する必要があることから、このようなプリント回路基板アセンブリを用いる電気器具の可能な設計が限定される。時折、必要な上部空間が小さい距離だけ低減されても、新しい設計、例えば、電気歯ブラシの取っ手の特に細いハウジングを、可能にし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本開示の目的は、特殊電気部品、プリント回路基板アセンブリ、電気器具、及び電気器具を製造する方法であって、特殊電子部品とプリント回路基板との間のはんだ付け接続部の高さの公差が、既知の技術によって典型的に可能な値よりも小さいはんだ付け接続部が得られる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、モータ、蓄電池、又は電気サブアセンブリ等の特殊電気部品であって、特殊電気部品をプリント回路基板にはんだ接合するための少なくとも1本のはんだ付けピン、特には、少なくとも2本のはんだ付けピンを有し、少なくとも1本のはんだ付けピンが、はんだ付けピンの自由端における前セクションと、前セクションに隣接する第1のセクションと、を含む、接続端を有し、前セクションが、第1のセクションの幅よりも小さい幅を有し、特には、前セクションの幅が、第1のセクションの幅よりも少なくとも25%小さく、特には、少なくとも50%小さい、特殊電気部品が提供される。
【0005】
一態様によれば、本開示で提案する特殊電気部品と、プリント回路基板と、を有するプリント回路基板アセンブリが提供され、プリント回路基板は、はんだ付けピンの前セクションが通過して延伸する、金属化されたスルーホールを有し、はんだ付けピンは、はんだ接合によってプリント回路基板に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は更に、図を参照して例示的な実施形態の詳細な説明によって明瞭になる。図中、
【
図1A】2本のはんだ付けピンを有する特殊電気部品の概略図である。
【
図1B】
図1Aの部分Aによって示されるはんだ付けピンの接続部分の拡大図である。
【
図2】プリント回路基板アセンブリを通して切断した断面の一部であり、はんだ付けピンの接続部分とプリント回路基板との間のはんだ接合と、プリント回路基板の更なる要素とを示す図である。
【
図3】プリント回路基板アセンブリの例示的な実施形態を示す。
【
図4】本明細書で提案するようなプリント回路基板アセンブリを含む例示的な電気器具の描写である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示による「特殊電気部品」(異形部品としても知られている)は、特殊電気部品は重すぎる、及び/又は多すぎる、及び/又は奇異に形成され過ぎて、トレイ又はテープ等の上に設けられないことから、特には、標準的なピックアンドプレース装置(例えば、SIPLACE装置(ASM Assembly Systems GmbH & Co.KG))によってプリント回路基板(PCB)上にSMT実装可能でも配置可能でもない電子部品である。このような特殊電気部品に対する例は、携帯用電気デバイスに適したAC又はDCモータ、携帯用電気デバイスとともに用いる蓄電池又は電池、携帯用電気デバイスとともに用いる充電コイルアセンブリ、又は携帯用電気デバイス用の電気サブアセンブリ、例えば、半ば完成製品(例えば、電気歯ブラシの取っ手内に配置するための事前に組み立てられた電気歯ブラシシャーシ)である。電気サブアセンブリは、述べられる他の特殊電気部品のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。本開示によれば、特殊電気部品をPCBと接続するために、特殊電気部品は少なくとも1本のはんだ付けピンを有する(特に、特殊電気部品は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は更に多くのはんだ付けピンを有する)。携帯用電気デバイスは、電気グルーミングデバイス、例えば電気シェーバー又は電気脱毛器、電気個人衛生デバイス、例えば電気歯ブラシ又は電気フロッサー、電気ツール、電気キッチンデバイスなどであってもよい。
【0008】
「プリント回路基板アセンブリ」は、本明細書で用いる場合、1つ又は複数の特殊電気部品と接続されるプリント回路基板はんだである。
【0009】
本開示で提案される特殊電気部品は、少なくとも1本のはんだ付けピンを有し(また、特に少なくとも2本のはんだ付けピン(互いに平行に延伸していてもよい)を有していてもよい)、少なくとも1本のはんだ付けピンの自由端は接続端を有し、この接続端は前セクションと前セクションの背後に配置された(すなわち自由端に対して遠位の)隣接する第1のセクションとを有し、第1のセクションは前セクションよりも幅が広い。第1のセクションは、前セクションよりも少なくとも33%幅が広くてもよく、特には、前セクションの少なくとも2倍の広さであってもよい。接続端は、特にはt形状であり、少なくとも1つの翼セクションがはんだ付けピンから横方向に突出している。前セクションの横方向縁部及び翼セクションの横断縁部は、90度よりも大きい角度で、特に少なくとも92.5度の角度で、任意に約95度〜105度の角度で配置してもよい。前セクションの横方向縁部は特に、はんだ付けピンの長手方向伸張方向と平行であり、そのため翼セクションは、「傾斜(hanging)肩」のように配置される。以下でより詳細に説明するように、「傾斜肩」翼セクションは、一方では過剰のはんだ材料を吸収するための大面積をもたらし、他方では液体はんだがプリント回路基板から離れるようにガイドする。これは特に、接続端の狭側面まで延伸しない接続端の少なくとも主面(すなわち、前セクション及び第1のセクションの主面)のはんだ付け可能な表面コーティング(例えば、例えばニッケル、銀、金、又はスズのうちの少なくとも1種を含む金属化)によってサポートしてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、特殊電気部品は、少なくとも2本のはんだ付けピンを有し、これらは互いに平行に延伸している。理想的には、はんだ付けピンの自由端は、はんだ付けピンの長手方向伸張方向と垂直に広がる平面内で終了する。特殊電気部品のサイズにより、はんだ付けピンの自由端は、10mm以上の距離に位置する場合があり、これははんだ付けピンにとっては珍しい距離である。製造公差により、自由端は、長手方向伸張方向に対して異なる高さに位置する場合がある。こうして、プリント回路基板アセンブリの組み立てを、最初に特殊電気部品を提供し、次にはんだ付けピンの自由端の距離と一致する距離に設けられた少なくとも2つのスルーホールを有するプリント回路基板を、はんだ付けピンの自由端上に押すことによって行うときに、はんだ付けピンの一方の1つの第1のセクション(例えば、翼セクションの横断縁部)はプリント回路基板の裏側にすでに当接していてもよく、一方で、他方のはんだ付けピンの第1のセクションは依然としてプリント回路基板の裏側に対してある距離にある。2本のはんだ付けピンの両方の第1のセクションがプリント回路基板の裏側に当接することを実現させる(両方の前セクションが意図された長さのスルーホールを通って延伸することを保証する)ために、はんだ付けピンのうちの少なくとも一方は、弾性セクションを有し、これは特に、はんだ付けピンのばね様変形として実現される。特に、少なくとも2本のはんだ付けピンはそれぞれ、このような弾性セクションを有していてもよい。次に、両方の第1のセクションがプリント回路基板の裏側に当接するまで、2本のはんだ付けピンの自由端上で、プリント回路基板を押すことができる。この結果、両方のはんだ付けピンとの制御された、したがって信頼性の高い接続が可能になる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの特殊電気部品は、1つのプリント回路基板と接続され、特殊電気部品はそれぞれ、弾性セクションを有する少なくとも1本のはんだ付けピンを有する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの特殊電気部品は、プリント回路基板を電気サブアセンブリと接続する前に組み立てられる(例えば、2つの特殊電気部品はそれぞれ接続フレーム上に実装される)、電気サブアセンブリを形成する。次に、この電気サブアセンブリは、本開示に従う特殊電気部品を形成する。弾性セクションにより、製造における公差は、前セクションの長い長さ(PCBを通って突き出る前セクションの高さが制御されず、その結果、はんだ接続部の高さが制御されない)ではなく、弾性セクションによってバランスを取ることができる。こうして、前セクションを必要な短さに形成することができるため、プリント回路基板との信頼性の高いはんだ接続部が実現されるが、プリント回路基板の前側(前セクションが突出する側)でのはんだ接続部の高さは低く、かつ制御可能である。
【0011】
図1Aは、本開示による例示的な特殊電気部品1の概略図である。特殊電気部品1は、本体10を有し、かつ少なくとも1本のはんだ付けピン100を有し、
図1Aでは、2本のはんだ付けピン100を示している。特殊電気部品の本体10は、ハンドヘルド電子機器、例えば電気歯ブラシ又は脱毛器又は電気シェーバーに適したDCモータ、エネルギー貯蔵、例えば二次電池、充電コイルアセンブリ、又は電気サブアセンブリであってもよい。はんだ付けピン100は、プリント回路基板(PCB)との接続を対象としている。いくつかの実施形態では、少なくとも1本のはんだ付けピン100は、特に、以前の段落で全般的に説明したように、組み立てプロセスの公差を吸収するため弾性セクション140(例えば、はんだ付けピンのばね様変形によって実現される)を有している。はんだ付けピン100の自由端に配置された接続端101の詳細な説明を、
図1Bを参照して以下に示し、ここでは、例示的なはんだ付けピン100の前領域A(破線で示す)の拡大図を示し、前領域には、接続端101が含まれている。はんだ付けピンは特に、以下で更に説明されるように、はんだ付け可能な表面コーティングを有する伝導性シート金属から形成してもよい。
【0012】
図1Bは、
図1Aの波線リングAによって示される、例示的なはんだ付けピン100の接続端101の拡大図である。はんだ付けピン100は、第1の主面102と、第1の主面102と反対側の第2の主面103と、狭側面104と、を有している。いくつかの実施形態では、狭側面104は表面処理を受けて、はんだが狭側面104と接続しないようになっている。加えて又は代替的に、主面102又は103の少なくとも一方に、はんだ材料との接続性を向上させるための表面処理(例えば、金属化)を施してもよい。
【0013】
はんだ付けピン100の接続端101は前セクション110と第1のセクション120とを有しており、これらは、はんだ付けピン100の接続端101の長さ伸張方向Lに対して連続して配置されている。前セクション110は、幅w1及び高さh1を有している(高さh1は、長さ伸張方向Lに沿って測定され、幅w1は、長さ伸張方向に垂直な方向に測定される)。接続端101は、厚さdの伝導性シート金属から形成されてもよい。前セクション110は、2つの対向する主面111及び112を有している。長さ伸張方向Lにおいて、前セクション110に隣接して第1のセクション120が配置されており、これは、前セクション110の幅w1よりも大きい(例えば、少なくとも33%、特に少なくとも100%大きい)幅w2を有する。ここでは、第1のセクション120は、前セクション110から離れるように横方向に突出している、翼セクション124を有している。他の実施形態では、第1のセクションは、はんだ付けピンの両側に離れて突出している、2つの対向する翼セクションを有している。2つの翼セクションは異なる形状であってもよく、又は同一だが鏡映の形状を有していてもよい。前セクション110の横方向縁部113(横方向縁部は本質的に長さ伸張方向Lと平行である)と翼セクション120の横断縁部123とは、ある角度αで配置されており、この角度αは、特には、90度よりも大きくてもよいため、翼セクション124の横断縁部123は、長さ伸張方向Lに対して「傾斜している」。これは、翼セクション124の横断縁部123が、長さ伸張方向Lに垂直な平面に対してある角度βで配置されることを意味するものとする。
図2に関連して説明するように、翼セクション124のこの「傾斜肩」形状は、特殊電気部品1のはんだ付けピン100のサイズが、例えばIC部品のデュアルインラインパッケージのはんだ付けピンと比べて比較的大きいにもかかわらず、伝導性トラックを依然として、特殊電気部品のはんだ接続用のスルーホールに極めて接近してPCB上に配置できることをサポートするものである。角度αは、特には92.5度よりも大きくてもよく、更に特には95度〜105度であってもよい(すなわち、角度βは、少なくとも2.5度であってもよく、特には5度〜10度であってもよい)。
【0014】
はんだ付けピン100の接続端101の特定のt形状は、横断縁部123が当接縁部のように機能することから、前セクションがPCBのスルーホールを通って所定の長さだけ延伸することを支援する。角度α(又はβ)がより大きくなると、PCBを通る前セクションの長さ伸張を規定することを実現するためのストッパとしての翼セクションの機能が縮小する傾向がある。他方では、角度がより小さくなると、以下でより詳細に説明するように、伝導性トラックをPCBの裏側でスルーホールに極めて接近して配置することが潜在的にできなくなる。
【0015】
任意に、はんだ付けピン100の接続端101は、長さ伸張方向Lに対して第1のセクションの背後に配置された第2のセクション130を含んでいてもよい。第2のセクション130は、幅w3が第1のセクション110の幅w2とは異なっていてもよく、特に第2のセクションの幅w3は第1のセクション120の幅w2よりも小さい。第2のセクション130の幅が第1のセクション120の幅と比べて狭くしてあるため、はんだ付けプロセスの間に前セクション110を介して導入される熱が第1のセクション120も加熱する結果、液体はんだが、固化する前に第1のセクション120の領域の相当な部分に付着できることを、実現することができる。
【0016】
はんだ付けピン100の接続端101を形成し得る元となるシート材料の厚さdは、0.1mm〜0.4mmの範囲、特には0.15mm〜0.35mmの範囲であってもよい。前セクションの高さh1は、PCBの厚さと、プリント回路基板の前側上方の意図される突出部高さ(
図2を参照)(例えば、突出部高さとして0.3mm〜1.2mm)とに依存するため、h1は1.0mm〜5.0mmの範囲であってもよい。前セクションの幅w1は0.5mm〜1.7mmの範囲であってもよい。第1のセクションの高さh2は1.0mm〜2.0mmの範囲であってもよい。第1のセクションの幅w2は1.0mm〜3.0mmの範囲であってもよい。
【0017】
はんだ付けピン100を電気ニッケルメッキされたロールバンド(例えば、H2DDC04LC(Hille & Muller GmbH会社、デュッセルドルフ、ドイツ)から形成してもよい。
【0018】
弾性セクションを含むはんだ付けピン用に可能な材料は、例えば、ステンレス鋼シート、例えばX10CrNi18−8、一般的なシート鋼鉄、シート真ちゅう、シート青銅、シート銅、又は任意の他の金属シートであってパンチ及び曲げ加工機によって形成可能なものである。はんだ付けピンの接続端の主面は特には、はんだ付け可能な表面金属化(例えば、Ni/Sn、Ni/Au、Ni/Ag、又はNi/AgPdから形成される金属化)を有していてもよく、表面金属化は接続端の狭側面までは延伸しない。
【0019】
前述したように、特殊電気部品1は特には、表面実装技術(SMT)にも、標準的なスルーホール技術(THT)又はピンインホール技術(PIH)にも好適ではない。製造の観点からは、特殊電気部品1を最初に他のパーツとともに組み立てて、次にプリント回路基板(PCB)をはんだ付けピン100と接続する。少なくとも1つの従来技術の実施形態では、はんだ付けピンの前方部を曲げてからPCBの前側にはんだ付けしており、これは、以前に述べたように、容易に制御可能な自動プロセスではない。結果として得られるはんだ付け接続部は、一方で、高さが、典型的な表面実装された部品よりも大きかった。他方で、はんだ付け接続部の高さは、特に、特定の設計可能性を限定したPCBと電気器具ハウジングとの間のある上部空間を予測するように要求される縁部領域において、比較的高い公差を有していた。
【0020】
図2は、表面実装されたデバイス(SMD)220が実装され得るプリント回路基板210を含むプリント回路基板アセンブリ200の一部を通して切断した断面であり、更にプリント回路基板アセンブリ200は、
図1Aに関して述べたような特殊電気部品を含んでいる。特殊電気部品は、
図1Bと関連して説明したように、接続端101を伴うはんだ付けピン100を含んでいる。
図1Bの場合と同様に、接続端101の同じパーツに対しては同じ参照数字を用いている。はんだ付けピン100の接続端101のみが
図2に示されており、ここでは、接続端101の前セクション110を、プリント回路基板200の裏側212からスルーホール240を通してプリント回路基板210の前側211へと押す結果、図示する実施形態では、第1のセクションの翼セクション124の横断縁部123がプリント回路基板210の裏側212に当接する。はんだ付けピン100は、前述したように弾性セクションを有していてもよく、この弾性セクションは、組み立てプロセスにおいて圧縮されてもよい。スルーホール240は、プリント回路基板210の前側211及び裏側212でスルーホール240の周りにリングを形成し、かつスルーホール240の内壁も覆っている、表面金属化241を有している。金属化されたリングは、幅が約0.3mm〜約1.5mmであってもよい。組み立てプロセスにおいて液体はんだ材料が付与されていたため、はんだ接続部250が確立された。はんだ接続部250は、前側部分251と、裏側部分252と、を有している。斜線領域259は、はんだ接続部250の裏側部分252の潜在的なサイズを示している。過剰な液体はんだが、はんだ付けピン100の前セクション110とスルーホール240との間の毛管力によって、前側部分251から離れるように運ばれていた。比較的大面積の第1のセクション120は、はんだ材料の大きな部分を吸収する働きをし、そのため、はんだ材料はプリント回路基板210の前側211上に堆積せず、したがって、はんだ接続部250の平坦な前側部分251を実現することができる。はんだ付けピン100の前セクション110の突出高さh
pは、約0.3mm〜約1.2mm内であってもよい。下方範囲値は、はんだ付けピンとPCBとの信頼性高い接続を可能にするようにPCBの前側を越えて延伸する前セクションの十分な長さを与える働きをする。ここでは、上限範囲値を、PCBの前側に設けられた部品(すなわち、表面実装された部品220)の典型的な高さと一致するように選択した。設計の要求に応じて、他の値、例えば、1.0mm、1.5mm、又は2.0mmを上限範囲値に対して選択してもよい。説明したはんだ付けピン100の構造のために、突出高さh
pを制御可能に実現することができる。過剰なはんだが前側211から離れてプリント回路基板210の裏側212の方へ運ばれることから、はんだ接続部の高さh
sは、前セクション110の突出高さh
pとほぼ同じである。第1のセクション120の傾斜肩形状があるために、また翼セクション124の小側面123は表面金属化を受けていないために、はんだ接続部250の裏側部分252が、引っ込んだはんだ部分を、スルーホール240の裏側金属化リングと翼セクション124との間に形成する。この結果、はんだ付けピン100の接続端101のサイズが比較的大きいにもかかわらず、伝導性トラック230をスルーホール240に極めて接近して配置することができる。伝導性トラック230の縁部とスルーホール240の金属化リングの縁部との間の距離d1は、0.3mmほどに小さくてもよい。
【0021】
毛管力を実現させるために、スルーホール240のサイズを、選択されたはんだ付けピン100の中心に位置する前セクション110とスルーホール240の内壁との間の距離が、例えば前セクションの幅w1が1mmであるときに、約0.5mm以下となるように選択してもよく、直径が1mmの円形スルーホールを選択してもよく、又は短軸が1mmで長軸が2mmの細長いスルーホールを選択してもよい。
【0022】
図3は、プリント回路基板210Aと、ここでは電気サブアセンブリである特殊電気部品300Aと、を含む、プリント回路基板アセンブリ200Aの描写である。電気サブアセンブリ300Aは、シャーシ310Aといくつかの特殊電気部品1A、1Bとを含んでおり、ここでは、第1の特殊電気部品1Aは、充電コイルであり、第2の特殊電気部品1Bは、再充電可能な蓄電池である。特殊電気部品1A、1Bをシャーシ310Aと接続して、特殊電気部品のはんだ付けピンが規定箇所で互いに平行に突出するようにしてもよい。はんだ接続部250Aは、プリント回路基板210Aの前側で目に見え、ここでは、特殊電気部品のはんだ付けピン300Aは、プリント回路基板210Aと電気的に接続されている。更に、異形部品、例えば、DCモータ又は独自開発の部品が存在していてもよい。特殊電気部品1A、1Bはそれぞれ、本開示による少なくとも1本のはんだ付けピンを有し、特に特殊電気部品はそれぞれ、本開示による少なくとも2本のはんだ付けピンを有している。プリント回路基板210Aは、1つ又は複数のSMD部品220Aを含んでいてもよい。
【0023】
図4は、本開示によるプリント回路基板アセンブリを含む例示的な電気器具2の描写である。ここでは電気器具は電気歯ブラシとして実現しているが、電気シェーバー、脱毛器、ヘアドライヤ、カーリングアイロン、ヘアーストレイナ、電気キッチンデバイス、電気ツールなど等の任意の他の電気器具として実現してもよい。
【0024】
本明細書で提案するプリント回路基板アセンブリを含む電気器具は、以下の工程によって作製される。
−本開示で提案する特殊電気部品を提供する工程と、
−特殊電気部品のはんだ付けピンとスルーホールとの間に、液体の過剰なはんだをプリント回路基板の前側から裏側へ運ぶのに十分に強力である毛管力が生じるように選択されたサイズを有する、少なくとも1つの金属化されたスルーホールを有するプリント回路基板を提供する工程と(前述したように、スルーホールの寸法は、はんだ付けピンの中心に位置する前セクションとスルーホールの内壁との間の距離が約0.5mm以下となるように取ってもよい)、
−前セクションが前側を通って少なくとも約0.3mm、任意に1.2mm未満突き出るまで、少なくとも1本のはんだ付けピンの前セクションを、プリント回路基板の裏側からプリント回路基板の前側へスルーホールを通して押す工程と、
−プリント回路基板の前側のスルーホールの箇所に液体はんだを適用することによって、はんだ付けピンをプリント回路基板に接続する工程。
【0025】
製造方法は、以下の工程のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
−接続する工程において、過剰なはんだを、スルーホールを通してはんだ付けピンの第1のセクションの方へ、スルーホールとスルーホール内を延伸するはんだ付けピンの前セクションとの間に生じる毛管力によって運ぶ工程と、
−はんだ付けピンの前セクションをスルーホールを通して押す工程において、前セクションを、第1のセクションの横断縁部がプリント回路基板の裏側に接触するまで押す工程と、
−少なくとも2つの特殊電気部品を互いに対して固定された位置に設け、少なくとも2つの金属化されたスルーホールを伴うプリント回路基板を設ける工程であって、スルーホールはそれらの距離においてはんだ付けピンの距離と一致している工程。
【0026】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の前後の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。