特許第6487077号(P6487077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487077
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】インバータの冷却運営装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20190311BHJP
【FI】
   H02M7/48 M
   H02M7/48 F
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-5832(P2018-5832)
(22)【出願日】2018年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-157743(P2018-157743A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0034765
(32)【優先日】2017年3月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】チョン−ソク・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】テ−ソク・ペ
【審査官】 松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−176525(JP,A)
【文献】 特開2011−083152(JP,A)
【文献】 特開2009−065638(JP,A)
【文献】 特開2009−281302(JP,A)
【文献】 特開2004−068760(JP,A)
【文献】 特開平09−284999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ファンの電流を提供するファン制御部;
インバータの内部温度を感知する温度感知部;及び
前記冷却ファンの電流が既設定された範囲を外れるか否かを判断して、外れる場合は、前記冷却ファンの第1稼働電圧と異なる第2稼働電圧で前記冷却ファンを制御する制御部;を含むとともに
前記制御部は、前記第2稼働電圧を前記電流が既設定された範囲を外れる方向に従って決定し、
前記制御部は、
前記冷却ファンの電流を受信して、前記第2稼働電圧に関する信号を出力する操作部;
直流リンクのキャパシタ両端に連結されて、前記第2稼働電圧に関する信号を受信して、これに対応する制御電圧を生成して、前記ファン制御部に提供するスイッチモード電圧供給部;
トリップ信号を受信して、前記トリップ信号に対応してインバータのスイッチング素子に対する制御信号を出力するゲート制御部;
前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除するゲート駆動部;を含むことを特徴とする、インバータの冷却運営装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2稼働電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合は、前記インバータの運転を停止することを特徴とする、請求項1に記載のインバータの冷却運営装置。
【請求項3】
記制御部は、前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超えるか否かによってインバータの運転を停止することを特徴とする、請求項1に記載のインバータの冷却運営装置。
【請求項4】
記制御部は、前記第2稼働電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合、及び前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超える場合を共に満たす場合に前記インバータの運転を停止することを特徴とする、請求項1に記載のインバータの冷却運営装置。
【請求項5】
記操作部は、前記第2稼働電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合は、ファンに対するトリップ信号を出力して、
前記ゲート制御部は、前記トリップ信号を受信して、前記トリップ信号に対応してインバータのスイッチング素子に対する制御信号を出力して、
前記ゲート駆動部は、前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除することを特徴とする、請求項に記載のインバータの冷却運営装置。
【請求項6】
記操作部は、前記第2稼働電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合は、ファンに対するトリップ信号を出力して、
前記ゲート制御部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合、及び前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超える場合を共に満たす場合に前記ゲート駆動部に制御信号を出力して、
前記ゲート駆動部は、前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除することを特徴とする、請求項に記載のインバータの冷却運営装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータの冷却運営装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータは、代表的な電力変換装置であって、交流電源の入力を受けて直流電源に変換した後、電動機を制御するために、変換された直流電源をさらに交流に変換して電動機を制御する装置である。
【0003】
インバータはファン、ポンプ、エレベーター、移送装置、生産ラインなど、産業全般にわたって様々な形態に使用される。
【0004】
一般的な電動機駆動用のインバータは、3相の交流電源の入力を受けて、整流回路を経て直流電源に変換して直流リンクのキャパシタに貯蔵した後、インバータ部で交流電源に変換して電動機を制御する。
【0005】
インバータのような電力変換装置にはIGBT、MOSFETなど、高周波スイッチング(switching)素子と大容量のキャパシタをメイン部品として使用する。このような部品は発熱が高いため、インバータはヒートシンク、冷却ファンなどの冷却手段が必ず必要である。冷却手段をまともに構成していなければ、インバータの寿命及び信頼性が著しく落ちて、インバータ市場における競争力も失うようになる。
【0006】
現在、インバータ市場の主な競争力は、部品のサイズ(size)及び費用であり、装置が小型化になりつつあるため、効率的な冷却手段は、インバータの核心技術の一つであると言える。
【0007】
従来のインバータの冷却システム運営方法は、冷却ファンのコネクティング(connecting)、異物流入などの問題による冷却ファンの電流に異常が生じると、トリップ信号を発生させてインバータの動作を停止する。しかし、インバータを停止すると、インバータを用いて行っていた作業も停止するため、従来の冷却システムの動作は、使用者に時間的かつ経済的な不利を招いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、冷却ファンに問題が生じても、その問題がインバータの焼損に繋がる程度でなければ、インバータを続けて正常稼動することができるインバータの冷却運営装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような技術的課題を解決するために本発明の一実施形態のインバータの冷却運営装置は、冷却ファンの電流を提供するファン制御部;及び前記冷却ファンの電流が既設定された範囲を外れるか否かを判断して、外れる場合は、前記冷却ファンの既稼動電圧と異なる制御電圧で前記冷却ファンを制御する制御部;を含むものの、前記制御部は、前記制御電圧を前記電流が既設定された範囲を外れる方向に従って決定することができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合は前記インバータの運転を停止する。
【0011】
本発明の一実施形態において、インバータの内部温度を感知する温度感知部;をさらに含み、前記制御部は、前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超えるか否かによってインバータの運転を停止する。
【0012】
本発明の一実施形態において、インバータの内部温度を感知する温度感知部;をさらに含み、前記制御部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合、及び前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超える場合を共に満たす場合に前記インバータの運転を停止する。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、前記冷却ファンの電流を受信して前記制御電圧に関する信号を出力する操作部;及び直流リンクのキャパシタ両端に連結されて、前記制御電圧に関する信号を受信し、これに対応する制御電圧を生成して前記ファン制御部に提供するスイッチモード電圧供給部;を含む。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記制御部は、ゲート制御部;及びゲート駆動部;をさらに含み、前記操作部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合は、ファンに対するトリップ信号を出力して、前記ゲート制御部は、前記トリップ信号を受信して、前記トリップ信号に対応してインバータのスイッチング素子に対する制御信号を出力して、前記ゲート駆動部は、前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除する。
【0015】
本発明の一実施形態において、インバータの内部温度を感知する温度感知部;をさらに含み、前記制御部は、ゲート制御部;及びゲート駆動部;をさらに含み、前記ゲート制御部は、前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超えるか否かによって前記ゲート駆動部に制御信号を出力して、前記ゲート駆動部は、前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除する。
【0016】
本発明の一実施形態において、インバータの内部温度を感知する温度感知部;をさらに含み、前記制御部は、ゲート制御部;及びゲート駆動部;をさらに含み、前記操作部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合はファンに対するトリップ信号を出力して、前記ゲート制御部は、前記制御電圧による冷却ファンの稼動にもかかわらず、前記電流が既設定された範囲を外れる場合、及び前記温度感知部によって感知された温度が既設定された温度を超える場合を共に満たす場合に前記ゲート駆動部に制御信号を出力して、前記ゲート駆動部は、前記制御信号によって前記スイッチング素子を駆動解除する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、冷却ファンに問題が生じても、その問題がインバータの焼損に繋がる程度でなければ、インバータを続けて正常稼動できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置を示した図面である。
図2】本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営方法を示した図面である。
図3】本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置の多様な信号の大きさを示した図面である。
図4】本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置の多様な信号の大きさを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有するところ、特定実施形態を図面に例示して詳細な説明に詳説する。しかし、これは、本発明を特定実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むと理解しなければならない。
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明による望ましい一実施形態を詳説する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置を示した図面である。
【0022】
図1を参照すれば、整流部210は、交流電源300の印加を受けて整流する。整流された電源は、平滑部220の直流リンク上のキャパシタ222によって平滑される。平滑された電源は、インバータ部230に連結されて、電動機400への出力電源として使用される。
【0023】
本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置は、スイッチモード電圧供給部110、ファン制御部120、操作部130、ゲート制御部140、ゲート駆動部150及び温度感知部160を含む。
【0024】
スイッチモード電圧供給部(Switched−Mode Power Supply、SMPS)110は、直流リンクのキャパシタ222両端に連結されて、キャパシタ222の電圧を利用して冷却ファン240の駆動電圧(VFAN)を生成する。
【0025】
スイッチモード電圧供給部110は、操作部130に連結されて、操作部130から制御電圧に関する信号(FANVcon)を受信して、これに対応する制御電圧を冷却ファン240の駆動電圧(VFAN)で生成する。
【0026】
ファン制御部120は、スイッチモード電圧供給部110及び操作部130と連結される。
【0027】
ファン制御部120は、駆動電圧(VFAN)の入力を受けて、これを利用して冷却ファン240を駆動する。
【0028】
ファン制御部120は、冷却ファン240の電流を感知して、電流に関する情報を操作部130に提供する。
【0029】
操作部130は、ファン制御部120、ゲート制御部140及びスイッチモード電圧供給部110と連結される。
【0030】
操作部130は、ファン制御部120から感知された電流に関する情報を受信して、感知された電流の大きさによってトリップ信号(FANTrip)又は制御電圧に関する信号(FANVcon)を生成する。操作部130は、生成されたトリップ信号(FANTrip)はゲート制御部140に提供して、生成された制御電圧に関する信号(FANVcon)はスイッチモード電圧供給部110に提供する。
【0031】
ゲート制御部140は、操作部130及び温度感知部160と連結される。
【0032】
ゲート制御部140は、操作部130から提供されたトリップ信号(FANTrip)に従ってゲートのようなスイッチング素子232に対する制御信号(Gate)を生成する。
【0033】
ゲート制御部140は、温度感知部160から提供された温度情報(NTC)に従ってスイッチング素子232に対する制御信号(Gate)を生成する。
【0034】
ゲート制御部140は、トリップ信号(FANTrip)及び温度情報(NTC)を全部活用して制御信号(Gate)の生成有無を決定する。例えば、ゲート制御部140は、トリップ信号(FANTrip)が受信されても、温度が設定温度より高くない場合には制御信号(Gate)を生成しなくてもよい。
【0035】
ゲート駆動部150は、受信された制御信号(Gate)を利用して、スイッチング素子232にPWM(Pulse Width Modulation)信号を提供する。
【0036】
ゲート駆動部150は、受信された制御信号(Gate)がインバータの運転を中止するものであれば、スイッチング素子232の駆動を全部解除する方法でPWM信号をスイッチング素子232に提供する。
【0037】
温度感知部160は、インバータ部230に配置されてインバータの内部温度を感知する。
【0038】
温度感知部160は、ゲート制御部140に連結されて、感知された温度情報(NTC)をゲート制御部140に提供する。
【0039】
温度感知部160は、サーミスタのような熱抵抗素子を含む。本発明の一実施形態では、負特性サーミスタ(NTC Thermistor:Negative Temperature Coefficient Thermistor)を使用したが、実施形態によって異なるタイプの熱抵抗素子を使用してもよい 。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営方法を示した図面である。
【0041】
本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営方法は、本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置によって行うことができる。したがって、本発明の一実施形態による冷却運営方法は、スイッチモード電圧供給部110、操作部130、ゲート制御部140、ゲート駆動部150を含む制御部とファン制御部120及び温度感知部160を主に説明する。
【0042】
S301段階において、制御部は、冷却ファン240の駆動電圧(VFAN_N)を生成して冷却ファン240に印加する。このとき、駆動電圧は、冷却ファン240が通常使用される定格電圧になってもよい。
【0043】
S303段階において、ファン制御部120は、冷却ファン240の電流(IFAN)を感知して制御部に提供する。
【0044】
S305段階において、制御部は、冷却ファン240の電流(IFAN)が既設定された範囲内に含まれるか否かを判断する。既設定された範囲内に含まれるとS341段階に進めて、含まれないとS307段階に進める。
【0045】
既設定された範囲内に含まれるか否かは、次の[数1]によって判断される。
【0046】
【数1】
【0047】
ここで、Iwarning,Lは許用電流の下限値、IFANは現在感知された冷却ファン240の電流、Iwarning,Hは許用電流の上限値を意味する。
【0048】
warning,Lは、正常電流の50%の大きさと定義する。
【0049】
warning,Hは、正常電流の150%の大きさと定義する。
【0050】
S307段階において、制御部は、冷却ファン240の電流が許用電流の下限値より小さいか否かを判断する。冷却ファン240の電流が許用電流の下限値より小さいとS325段階に進めて、小さくないとS309段階に進める。
【0051】
S309段階において、制御部は、既駆動電圧(VFAN_N)より低い電圧である第1の制御電圧(VFAN_L)によって冷却ファン240を駆動する。S309段階に進めたことは、冷却ファン240で感知される電流が正常電流の上限値より高いことを意味するため、低い第1の制御電圧(VFAN_L)を冷却ファン240に提供することは、上がった電流を正常値に下げるためである。
【0052】
S311段階において、ファン制御部120は、冷却ファン240の電流(IFAN)を感知して制御部に提供する。
【0053】
S313段階において、制御部は、冷却ファン240の電流(IFAN)が既設定された範囲内に含まれるか否かを判断する。既設定された範囲内に含まれるとS341段階に進めて、含まれないとS315段階に進める。
【0054】
S315段階において、制御部は、冷却ファン240の電流が許用電流の上限値より高いか否かを判断する。冷却ファン240の電流が許用電流の上限値より高いとS317段階に進めて、高くないとS325段階に進める。
【0055】
S317段階において、制御部は、冷却ファン240に対するトリップ信号を出力する。
【0056】
S319段階において、制御部は、温度感知部160が感知した温度(NTC)が既設定された許容温度(NTCTrip)より小さいか否かを判断する。温度(NTC)が既設定された許容温度(NTCTrip)より小さい場合はS341段階に進めて、小さくない場合はS321段階に進める。
【0057】
S321段階において、制御部はゲートを駆動する信号を遮断する。
【0058】
S323段階において、制御部はインバータの運転を停止して、すべての動作を終了する。
【0059】
S325段階において、制御部は、既駆動電圧(VFAN_N)より高い電圧である第2の制御電圧(VFAN_H)によって冷却ファン240を駆動する。S325段階に進めたことは、冷却ファン240で感知される電流が正常電流の下限値より低いことを意味するため、高い第2の制御電圧(VFAN_H)を冷却ファン240に提供することは、下がった電流を正常値に上げるためである。
【0060】
S327段階において、ファン制御部120は、冷却ファン240の電流(IFAN)を感知して制御部に提供する。
【0061】
S329段階において、制御部は、冷却ファン240の電流(IFAN)が既設定された範囲内に含まれるか否かを判断する。既設定された範囲内に含まれるとS341段階に進めて、含まれないとS331段階に進める。
【0062】
S331段階において、制御部は、冷却ファン240の電流が許用電流の下限値より低いか否かを判断する。冷却ファン240の電流が許用電流の下限値より低いとS333段階に進めて、低くないとS309段階に進める。
【0063】
S333段階において、制御部は、冷却ファン240に対するトリップ信号を出力する。
【0064】
S335段階において、制御部は、温度感知部160が感知した温度(NTC)が既設定された許容温度(NTCTrip)より小さいか否かを判断する。温度(NTC)が既設定された許容温度(NTCTrip)より小さい場合はS341段階に進めて、小さくない場合はS337段階に進める。
【0065】
S337段階において、制御部はゲートを駆動する信号を遮断する。
【0066】
S339段階において、制御部はインバータの運転を停止して、すべての動作を終了する。
【0067】
上述したインバータの冷却運営方法によれば、制御部は、冷却ファン240の電流が既設定された範囲を外れる場合、制御電圧(VFAN_H又はVFAN_L)を利用して冷却ファン240を駆動するようにする。制御部は、制御電圧(VFAN_H又はVFAN_L)にもかかわらず、冷却ファン240の電流が既設定された範囲を外れる場合は、トリップ信号を出力することになる。一方、制御部は、冷却ファン240に対するトリップ信号が出力されても、インバータの内部温度(NTC)が既設定された許容温度(NTCTrip)より小さい場合はインバータを正常動作して、許容温度の以上である場合のみゲート信号を遮断してインバータの運転を停止する。
【0068】
図3は、本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置の多様な信号の大きさを示したものである。
【0069】
図3を参照すれば、t1ないしt6は、各イベントに対する時刻を示す。t1において、電源が印加されて、ゲート駆動信号及びPWM信号が正常動作する。冷却ファン240の駆動信号も正常駆動(FANVcon)を表す。
【0070】
t2において、冷却ファン240の電流(IFAN)が上昇して、許用電流の上限(Iwarning,H)より上がったことが分かる。この場合、制御部は、第1の制御電圧に関する信号(FANVcon_L)を出力して、冷却ファン240の駆動電圧を低くして冷却ファン240に流れる電流が減少するようにできる。
【0071】
t3において制御部は、冷却ファン240に流れる電流が既設定された範囲内に含まれることを確認して、冷却ファン240を正常駆動する。
【0072】
t4では、t2と同じイベントが発生して、制御部はt2と同じ動作を行う。
但し、t5において制御部は、制御電圧によって冷却ファン240を駆動したにもかかわらず、冷却ファン240に流れる電流が既設定された範囲内に含まれないことを確認して、トリップ信号(FANTrip)を出力する。
【0073】
t6は、トリップ信号の出力後の温度(NTC)が許容温度(NTCTrip)より高くなった場合を仮定したものであり、このとき、制御部は、ゲート駆動信号を、及びPWM信号の印加を中断する。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態によるインバータの冷却運営装置の多様な信号の大きさを示したものである。
【0075】
図4を参照すれば、t7ないしt12は、各イベントに対する時刻を示す。t7において、電源が印加されて、ゲート駆動信号及びPWM信号が正常動作する。冷却ファン240の駆動信号も正常駆動(FANVcon)を表す。
【0076】
t8において、冷却ファン240の電流(IFAN)が下降して、許用電流の下限(Iwarning,L)より下がったことが分かる。この場合、制御部は、第2の制御電圧に関する信号(FANVcon_H)を出力し、冷却ファン240の駆動電圧を低くして、冷却ファン240に流れる電流が増加するようにする。
【0077】
t9において制御部は、冷却ファン240に流れる電流が既設定された範囲内に含まれることを確認して、冷却ファン240を正常駆動する。
【0078】
t10では、t8と同じイベントが発生して、制御部はt8と同じ動作を行う。
【0079】
但し、t11において制御部は、制御電圧によって冷却ファン240を駆動したにもかかわらず、冷却ファン240に流れる電流が既設定された範囲内に含まれないことを確認して、トリップ信号(FANTrip)を出力する。
【0080】
t12は、トリップ信号の出力後の温度(NTC)が許容温度(NTCTrip)より高くなった場合を仮定したものであり、このとき、制御部は、ゲート駆動信号を、及びPWM信号の印加を中断する。
【0081】
従来のインバータの冷却運営方法は、インバータの温度が過熱して焼損するリスクのある程度でなくても、冷却ファン240に問題が生じると、インバータの動作を強制停止させた。しかし、本発明は、冷却ファン240に流れる電流によって1次に冷却ファン240の電流正常化を試みて、それにもかかわらず、冷却ファン240に流れる電流が正常値を維持しなければトリップ信号を出力するものの、インバータの内部温度が設定値の未満であれば、インバータを停止させないためインバータ運転の効率を高めることができる。
【0082】
以上、本発明による実施形態を説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、該分野で通常の知識を有する者であれば、これより多様な変形及び均等な範囲の実施形態が可能であることは理解される。したがって、本発明の真な技術的保護の範囲は、次の特許請求の範囲によって定めるべきである。
【符号の説明】
【0083】
110:スイッチモード電圧供給部
120:ファン制御部
130:操作部
140:ゲート制御部
150:ゲート駆動部
160:温度感知部
210:整流部
220:平滑部
230:インバータ部
240:冷却ファン
300:交流電源
400:電動機
図1
図2
図3
図4