(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発光制御部は、前記光学センサが前記剥離機構部で剥離されたラベルを検出して前記待機状態になってから所定時間経過すると、前記所定時間経過前の前記発光素子の発光周期よりも長い発光周期で前記発光素子を発光させる、請求項1に記載のラベルプリンタ。
前記発光制御部は、前記長い発光周期で前記発光素子を発光させているときに、前記光学センサが前記剥離機構部で剥離されたラベルを検出しなくなると、前記長い発光周期よりも短い発光周期で前記光学センサを制御する、請求項1ないし3のいずれかに記載のラベルプリンタ。
前記第2発光制御部で前記発光素子を制御しているときに、前記光学センサが前記剥離機構部で剥離されたラベルを検出しなくなると前記第1発光制御部に切り替えて前記発光素子を制御する、請求項5または6に記載のラベルプリンタ。
前記第1発光制御部がスリープ状態で、かつ、前記第2発光制御部で前記発光素子を制御しているときに、前記光学センサが前記剥離機構部で剥離されたラベルを検出しなくなると前記スリープ状態を解除する請求項8に記載のラベルプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るラベルプリンタの全体斜視図、
図2は、このラベルプリンタの主要部分の構成を示す概略図、
図3は、このラベルプリンタの開閉カバーを開いた状態とラベル連続体とを示す斜視図である。
【0022】
本実施の形態のラベルプリンタ1は、本体ケース(筐体)2と、この本体ケース2の上面を覆うフロントカバー3と、本体ケース2の上面に開閉自在に取り付けられた開閉カバー4とを備えている。また、このラベルプリンタ1は、
図3に示すラベル連続体(印字媒体)Pの台紙21からラベル22を剥がすことなく発行する通常発行モードと、台紙21からラベル22を一枚ずつ剥がして発行する剥離発行モードとを切り換えることのできる構成を備えている。なお、
図1および
図2には、ラベルプリンタ1が通常発行モードになっている時の状態が示されている。
【0023】
図3に示すように、ラベル連続体Pは、長尺の台紙21とその表面(ラベル貼付面)に所定の間隔で仮着された多数枚のラベル22とを備えており、ロール状に巻回された状態で本体ケース2の用紙収容部に収容される。図示は省略するが、台紙21の裏面には、ラベル22の位置を検出するための位置検出マークが所定の間隔で形成されている。また、台紙21の表面には、ラベル22の剥離を容易にするために、シリコーンなどの剥離剤がコーティングされている。さらに、ラベル22の表面(印字面)には、所定の温度領域に達すると発色する感熱発色層がコーティングされている。
【0024】
ラベルプリンタ1のフロントカバー3は、開閉カバー4が収容される開口部3aを除いた本体ケース2の前面(
図1〜
図3の左側)と両側面とを覆うようにして本体ケース2に固定されている。開閉カバー4は、その後端部(
図1〜
図3の右端部分)がヒンジ機構によって本体ケース2に支持されており、本体ケース2に対して離間および接近する方向に回動される。また、開閉カバー4は、その後端部に取り付けられたトーションバネ7(
図2参照)の弾性によって、本体ケース2から離間する方向に付勢されている。そして、作業者が開口部3aを通じて開閉カバー4を本体ケース2に押し込むと、開閉カバー4は、後述する機構によって本体ケース2に係合され、閉止状態となる。
【0025】
開口部3aの前面側のフロントカバー3には、操作パネル5、カバーオープンボタン6、一対の解除レバー8、8、カッタ9が設けられている。
図1に示すように、操作パネル5は、ラベルプリンタ1の操作コマンドや各種メッセージを表示する表示部5a、ラベルプリンタ1の動作を操作する操作ボタン5b、5c、ラベルプリンタ1の電源をオン/オフする電源ボタン5dを備えている。
【0026】
カバーオープンボタン6は、開閉カバー4を開くためのボタンであり、
図2に示すように、その下端部が本体ケース2内のヘッドブラケット(開閉カバー支持機構)34に当接されている。従って、作業者がこのカバーオープンボタン6を押すと、ヘッドブラケット34が回動し、後述する機構によって開閉カバー4とヘッドブラケット34との係合が解除されるために、開閉カバー4が開放状態になる。
【0027】
解除レバー8、8は、それらの近傍に配置された剥離ユニット(剥離機構部)10を通常発行時の位置に固定する部材であり、作業者がこれらを互いに近接する方向にスライドさせると、剥離ユニット10と解除レバー8、8との係合が解除される。なお、
図2には、剥離ユニット10を構成する部材のうち、ニップローラ12のみが示されているが、剥離ユニット10の具体的な構成については後述する。
【0028】
カッタ9は、通常発行時において、印字完了後のラベル連続体Pの台紙21(
図3参照)を切断する部材であり、開閉カバー4の先端部と対向する位置に配置されている。このカッタ9が取り付けられたフロントカバー3と開閉カバー4の先端部との隙間は、印字完了後のラベル連続体Pが外部に排出される発行口となっている。
【0029】
一方、剥離発行時には、剥離ユニット10によって台紙21から剥離されたラベル22が発行口から排出され、不要となった台紙21は、
図1および
図2に示す開閉カバー4の排出ガイド4aを通って外部に排出される。
図2に示すように、発行口の近傍には、剥離センサ27が取り付けられている。剥離センサ27は、剥離発行時に台紙21から剥離されたラベル22が発行口に送られているかどうかを検出するセンサであり、後述する発光素子(LED)と受光素子(フォトトランジスタ)とからなる反射型センサ(光学センサ)で構成されている。
【0030】
本体ケース2の内部の後半部分は、ラベル連続体Pを収容する用紙収容部になっている。
図3に示すように、用紙収容部の両側面には、円盤形状を有する用紙ガイド20が取り付けられている(
図3には、その一方のみが示されている)。これらの用紙ガイド20、20は、ラベル連続体Pを用紙収容部に装填した時にラベル連続体Pの軸方向両端面に接触し、ラベル連続体Pを回転可能に支持すると共に、ラベル連続体Pの搬送をガイドする。また、これらの用紙ガイド20、20は、ラベル連続体Pの幅に応じて位置を変えられるように、ラックアンドピニオン機構(図示せず)によってラベル連続体Pの幅方向にスライドされる。
【0031】
本体ケース2の内部において、用紙収容部に隣接した領域は、印字部となっている。印字部は、用紙収容部から繰り出されたラベル連続体Pに印字を施す機能部であり、
図2に示すように、プラテンローラ(搬送ローラ)30、剥離バー33、ヘッドブラケット34、サーマルヘッド(印字ヘッド)35、コイルバネ36などによって構成されている。
【0032】
印字部を構成するこれらの部材うち、ヘッドブラケット34、サーマルヘッド35およびコイルバネ36は、本体ケース2に取り付けられており、プラテンローラ30および剥離バー33は、開閉カバー4の先端部に取り付けられている。
【0033】
プラテンローラ30は、ラベル連続体Pの搬送ローラであり、プラテンローラ軸31を介して正逆方向に回転自在の状態で開閉カバー4に支持されている。剥離バー33は、ラベルプリンタ1が剥離発行モードで印字を行う際に、ラベル連続体Pの台紙21から印字済みのラベル22を機械的に剥離する部材であり、その両端部が開閉カバー4に軸支された状態でプラテンローラ30の近傍に配置されている。
【0034】
本体ケース2に取り付けられたヘッドブラケット34は、開閉カバー4を閉止状態に維持する部材であり、
図2に示すように、開閉カバー4が閉止状態になっている時には、プラテンローラ30と対向する位置に配置される。
【0035】
図4は、ヘッドブラケット34の斜視図、
図5は、ヘッドブラケット34とプラテンローラ30との係合状態を示す説明図である。
【0036】
図4に示すように、ヘッドブラケット34には、溝34a、挿通孔34bおよび押圧レバー34cが設けられている。このヘッドブラケット34は、コイルバネ36の弾性によって、常にプラテンローラ30に近接する方向に付勢されており、挿通孔34bを中心にして回動自在の状態で本体ケース2に取り付けられている。
【0037】
作業者が開閉カバー4を本体ケース2に収容すると、
図5に示すように、プラテンローラ30のプラテンローラ軸31がこの溝34aに嵌め込まれ、開閉カバー4が閉止状態に維持される。また、作業者が
図2に示すカバーオープンボタン6を押し下げると、その下端部がヘッドブラケット34の押圧レバー34cを押し下げ、ヘッドブラケット34が挿通孔34bを中心にして回転するために、プラテンローラ30が溝34aから外れる。これにより、プラテンローラ30とヘッドブラケット34との係合が解除されて開閉カバー4が開放状態になる。
【0038】
印字部のサーマルヘッド35は、ラベル連続体Pに文字、記号、図形、バーコードなどの情報を印字する手段であり、
図2に示すように、サーマルヘッド35に印字信号を伝送する回路基板37に実装された状態でヘッドブラケット34に取り付けられている。サーマルヘッド35は、開閉カバー4が閉止状態になっている時に、その印字面がプラテンローラ30に対向して配置される。そして、ラベルプリンタ1が印字を行う際は、通常発行モード、剥離発行モードのいずれの場合も、用紙収容部から繰り出されたラベル連続体Pがサーマルヘッド35の印字面とプラテンローラ30との間に挟まれた状態で搬送される。なお、図示は省略するが、サーマルヘッド35の印字面には、通電によって発熱する複数の発熱抵抗体(発熱素子)が設けられている。
【0039】
図3に示すように、開閉カバー4の先端部において、プラテンローラ30の近傍には、一対のユニット押さえ4b、4bが設けられている。ユニット押さえ4b、4bは、剥離発行時に剥離ユニット10を剥離発行時の位置に固定する部材であり、開閉カバー4と一体に形成された状態で剥離バー33の端部近傍に配置されている。
【0040】
また、開閉カバー4の先端部において、プラテンローラ30の下方には、発光素子25aおよび反射型センサ26が取り付けられている。一方、
図2に示すように、本体ケース2の内部において、発光素子25aと対向する箇所には、受光素子25bが取り付けられている。発光素子25aと受光素子25bは、これらが一対となって透過型センサを構成している。
【0041】
透過型センサは、発光素子25aと受光素子25bとの隙間(用紙収容部から搬送されるラベル連続体Pの搬送経路)に発光素子25aの光を照射し、この搬送経路を通るラベル連続体Pを透過した光を受光素子25bで検出することによって、ラベル連続体Pのラベル位置などを検出するセンサである。また、反射型センサ26は、例えば上記の搬送経路を通過するラベル連続体Pの位置検出マーク(矩形状の黒色パターン)を検出するセンサであり、図示しない発光素子と受光素子とで構成されている。
【0042】
図3に示すように、プラテンローラ軸31の一端には、ギア32が接続されている。また、
図2に示すように、本体ケース2にはプラテンローラ30の駆動手段であるステッピングモータ38が内蔵されている。プラテンローラ軸31のギア32は、開閉カバー4が本体ケース2に収容された時に、図示しない他のギアやタイミングベルトなどを介してステッピングモータ38に連結され、ステッピングモータ38の回転をプラテンローラ軸31に伝達する。
【0043】
図2に示すように、本体ケース2の下部には、バッテリケース39が設けられている。このバッテリケース39の内部には、ラベルプリンタ1の駆動電源であるリチウムイオン二次電池からなるバッテリ40が着脱可能に収容されている。
図1に示すように、本体ケース2の一方の側面には、バッテリケース39のバッテリ挿入口を覆うバッテリカバー39aが取り付けられている。
【0044】
図2に示す本体ケース2の内部において、操作パネル5の下方には、ラベルプリンタ1の制御部を構成する制御基板41が取り付けられている。制御基板41は、シリコンチップからなるCPU(中央処理装置、第1制御部)42、PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス、第2制御部)43や、図示しない受動部品などが実装された配線基板である。
【0045】
図6は、ラベルプリンタ1の制御部の概略構成図である。制御部は、CPU42、PLD43、ROM44、RAM45、モータ制御部46、印字制御部47、インタフェース48、外部インタフェース49、切替部50などを備えている。
【0046】
CPU(中央処理装置)42は、ROM44に記憶されている制御プログラムに従って動作し、ラベルプリンタ1を統括して制御する。RAM45は、文字、記号、図形またはバーコードなどの印字情報をドット画像に展開する画像メモリである。モータ制御部46は、ステッピングモータ38にパルス信号を供給し、ステッピングモータ38を駆動させることによってプラテンローラ30を回転させる。印字制御部47は、RAM13に展開された印字情報のドット画像に対応する信号をサーマルヘッド35に供給する。サーマルヘッド35は、この信号に基づいて発熱抵抗体を選択的に発熱させ、
図3に示すラベル連続体Pのラベル22に所望の情報を印字する。
【0047】
PLD43は、CPU42の補助的機能を有し、切替部50を介してCPU42に接続されている。後述するように、PLD43は、剥離発行モードで印字を行っている時にラベルプリンタ1がスリープモードになると、CPU42に代わって剥離センサ27を駆動するデバイスである。
【0048】
本実施の形態のラベルプリンタ1は、フロントカバー3の開口部3aを上に向けた横置き状態(
図1〜
図3に示す状態)で使用できるだけでなく、例えば本体ケース2の底面にベルトフックを取り付け、このベルトフックを立ち作業中の作業者がベルトに掛けることによって、縦置き状態で使用することもできる。
【0049】
次に、剥離ユニット10の構成について
図7〜
図9を参照しながら説明する。
図7は、ラベルプリンタ1に取り付けられた剥離ユニット10の斜視図、
図8は、ラベルプリンタ1から取り外した剥離ユニット10の全体斜視図、
図9は、剥離ユニット10の分解斜視図である。
【0050】
剥離ユニット10は、金属製のニップローラ軸11と、ニップローラ軸11の中央部に配置され、ニップローラ軸11に対して回動可能な状態で軸支された樹脂製のニップローラ12と、ニップローラ軸11の両端部を支持する樹脂製の支持部13、13とを備えており、通常発行位置と剥離発行位置との間で相対移動可能な状態で本体ケース2に取り付けられている。
【0051】
ニップローラ12は、ラベルプリンタ1が剥離発行モードで印字を行う際、プラテンローラ30を押圧する位置に配置され、プラテンローラ30の近傍の剥離バー33(
図2、
図3参照)と協動してラベル連続体Pの台紙21から印字済みのラベル22を剥離する部材である。このニップローラ12は、通常発行時には、プラテンローラ30から離間した位置(プラテンローラ30の斜め上方)に退避している(
図2参照)。
【0052】
ニップローラ12を支持する一対の支持部13、13の長手方向の一端側には、本体ケース2内での剥離ユニット10の移動をガイドすると共に、剥離ユニット10の移動範囲を規制する長穴状のガイドレール孔13aが設けられている。また、一対の支持部13、13のそれぞれの他端側には、上面が平坦な操作レバー13bが一体に形成されている。剥離ユニット10の移動は、作業者がこの操作レバー13bを指で操作することにより行う。
【0053】
一対の支持部13、13のそれぞれにおいて、操作レバー13bの近傍には、矩形のロック孔13cが設けられている。このロック孔13cには、フロントカバー3の解除レバー8(
図1〜
図3参照)の一端部が挿入される。すなわち、作業者が解除レバー8をスライドさせてその一端部をロック孔13cに挿入すると、剥離ユニット10の移動が規制され、剥離ユニット10が通常発行位置に保持される。また、作業者が解除レバー8を反対方向にスライドさせると、解除レバー8とロック孔13cとの係合状態が解除され、剥離ユニット10を移動することが可能となる。一対の支持部13、13のそれぞれにおいて、ニップローラ12側に突出した箇所は、ニップローラ軸11の端部が挿通されるローラ保持部13dとなっている。
【0054】
さらに、一対の支持部13、13のそれぞれには、金属製の板バネ14が着脱自在に取り付けられている。これらの板バネ14、14は、その基端部が支持部13の長手方向の他端側(ニップローラ軸11が取り付けられた側)にネジ15を介して固定されており、そこから長手方向の一端側(ガイドレール孔13aが設けられた側)に向かって湾曲状に延在し、その先端部が浮遊状態になっている。後述するように、これらの板バネ14、14は、剥離発行時に開閉カバー4のユニット押さえ4b(
図3参照)に当接することによって、ニップローラ12をプラテンローラ30側に付勢する弾性部材である。
【0055】
次に、ラベルプリンタ1の印字工程について説明する。まず、通常発行モードで印字を行う場合は、
図10に示すように、本体ケース2の用紙収容部から繰り出されたラベル連続体Pをサーマルヘッド35とプラテンローラ30との間に挟み込み、この状態でプラテンローラ30を回転させることにより、ラベル連続体Pを搬送しつつ、ラベル22への印字を行う。そして、印字が完了したラベル連続体Pは、フロントカバー3と開閉カバー4の先端部との隙間(発行口)から外部に排出される。
【0056】
次に、通常発行モードから剥離発行モードへの切り換えを行う時は、まず、
図1に示す解除レバー8、8を互いの方向(カバーオープンボタン6に接近する方向)にスライドさせることによって、解除レバー8、8と剥離ユニット10との係合を解除する。
【0057】
続いて、
図11に示すように、剥離ユニット10の支持部13に設けられた操作レバー13bをスライドさせることによって、剥離ユニット10を開閉カバー4側に移動させる。すると、開閉カバー4のユニット押さえ4bが剥離ユニット10の操作レバー13bと板バネ14との間に入り込み、剥離ユニット10が剥離発行位置に固定されると共に、剥離ユニット10のニップローラ12がプラテンローラ30側に付勢される。
図12は、このようにして剥離発行モードに設定されたラベルプリンタ1の全体斜視図である。
【0058】
剥離発行モードで印字を行う場合は、
図13に示すように、通常発行モードで印字を行う場合と同様、本体ケース2の用紙収容部から繰り出されたラベル連続体Pをサーマルヘッド35とプラテンローラ30との間に挟み込み、この状態でプラテンローラ30を回転させることにより、ラベル連続体Pを搬送しつつ、ラベル22への印字を行う。
【0059】
次に、印字が完了したラベル22は、剥離バー33によって台紙21から1枚ずつ剥がされてフロントカバー3と開閉カバー4の先端部との隙間(発行口)に送られる。一方、剥離バー33を介して剥離ユニット10のニップローラ12とプラテンローラ30との間に挟み込まれた台紙21は、開閉カバー4の排出ガイド4aに送られる。
【0060】
台紙21から剥がされたラベル22が発行口に送られてくると、発行口の近傍に配置された剥離センサ27からCPU42にラベル検出信号が供給される。すると、CPU42は、ステッピングモータ38の駆動を停止させ、ラベルプリンタ1を待機状態にする。
【0061】
図14(a)に示すように、剥離センサ27は、赤外LEDからなる発光素子(IRLED)とフォトトランジスタからなる受光素子(Ph−Tr)とを有する反射型センサで構成されている。そして、台紙21から剥がされたラベル22が発行口に送られてくると、発光素子(IR−LED)から照射された赤外光がラベル22の表面で反射して受光素子(Ph−Tr)に届く。すると、受光素子(Ph−Tr)に電流が流れ、この電流信号がCPU42に入力されるために、この電流信号を受信したCPU42は、所定のタイミングでモータ制御部46(
図6参照)を介してステッピングモータ38に信号を送信し、ステッピングモータ38の駆動を停止させる。
【0062】
図15は、剥離発行時における剥離センサ27の制御タイミングチャートを示している。まず、CPU42に所定の印字データが送信されるとステッピングモータ38の電源がONとなってプラテンローラ30が回転され、印字部においてラベル22への印字が行われると共に、剥離センサ27の発光素子(IR−LED)が所定の周期でパルス発光する。ここでの発光周期(第1発光周期)は、例えばパルス幅=1ms(ミリ秒)、パルス間隔=4msの連続に発光とする。
【0063】
そして、例えば発光素子(IR−LED)をこの発光周期で4回連続して発光させた時に、このパルス光が4回共に受光素子(Ph−Tr)で検知できた場合、CPU42は、ラベル22が発光口に送られてきたと判定し、所定のタイミングでステッピングモータ38の駆動を停止させてラベルプリンタ1を待機状態にする。また、この時、CPU42は、発光素子(IR−LED)の発光周期を上記の発光周期よりも長い発光周期(第2発光周期)に切り替える。
【0064】
ここでは、例えばパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで8回連続発光させた後、500msの間隔を置き、再びパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで8回連続発光させた後、500msの間隔を置く、といった発光周期で発光素子(IR−LED)を発光させる。そして、発光素子(IR−LED)をパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで4回連続発光させた時に、このパルス光が4回共に受光素子(Ph−Tr)で検知できなかった場合、CPU42は、ラベル22が発光口から取り除かれたと判定し、ステッピングモータ38を駆動して次のラベル22の印字を開始すると共に、発光素子(IR−LED)の発光周期を最初の発光周期、すなわちパルス幅=1ms(ミリ秒)、パルス間隔=4msの発光周期(第1発光周期)に切り替える。
【0065】
また、剥離センサ27によってラベル22が発光口に送られてきたと判定され、ラベルプリンタ1が待機状態になってから所定時間経過した後もラベル22が発光口から取り除かれない場合には、CPU42は、
図14(b)に示すように、剥離センサ27の制御をPLD43に切り替えると共に、ラベルプリンタ1をスリープ状態に設定する。ラベルプリンタ1がスリープ状態に設定されると、CPU42もスリープ状態となり、CPU42に代わってPLD43が待機状態での発光周期(第2発光周期)よりも長い発光周期(第3発光周期)で発光素子(IR−LED)をパルス発光させる。なお、CPU42がスリープ状態になる時は、表示部5aの表示やステッピングモータ38などの電気的制御を停止することができる。
【0066】
ここでは、例えばパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで8回連続発光させた後、1000msの間隔を置き、再びパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで8回連続発光させた後、1000msの間隔を置く、といった発光周期でPLD43が発光素子(IRLED)を発光させる。そして、発光素子(IR−LED)をパルス幅=1ms、パルス間隔=4msで4回連続発光させた時に、このパルス光が4回共に受光素子(Ph−Tr)で検知できなかった場合、PLD43は、ラベル22が発光口から取り除かれたと判定し、CPU42のスリープ状態を解除することによってラベルプリンタ1のスリープ状態を解除する。
【0067】
その後、CPU42は、ステッピングモータ38を駆動して印字部でのラベル22の印字を開始すると共に、剥離センサ27の発光素子(IR−LED)を前述した発光周期(第1発光周期)、すなわちパルス幅=1ms(ミリ秒)、パルス間隔=4msで発光させることによって、発行口でのラベル22の検知を開始する。
【0068】
このように、本実施の形態では、ラベルプリンタ1がスリープ状態に設定されている時の発光素子(IR−LED)の発光周期を、ラベルプリンタ1が待機状態に設定されている時の発光素子(IR−LED)の発光周期よりも長くするので、ラベルプリンタ1がスリープ状態に設定されている時の剥離センサ27の消費電力が低減する。従って、ラベルプリンタ1の消費電力を低減することができる。
【0069】
また、本実施の形態では、ラベルプリンタ1がスリープ状態に設定されている時の発光素子(IR−LED)の制御を、CPU42よりも消費電力の少ないPLD43が行うので、ラベルプリンタ1の消費電力をさらに低減することができる。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0071】
ラベルプリンタがスリープ状態に設定されている時に発光素子を制御するデバイスは、PLD以外のデバイス、例えば他のCPUやそれと同等の性能を有する処理装置であってもよい。
また好ましくは、第2発光周期を100ms〜500msの間で設定することができ、第3発光周期を600ms〜10000msの間で設定することができる。
【0072】
また、例えば、前記実施の形態においては、通常発行と剥離発行との両方に使用可能な兼用型のプリンタに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、剥離発行モードのみで印字を行うプリンタに適用することもできる。
また、光学センサとして反射型センサで説明したが、ラベルの表面側に発光素子、ラベルの裏面側に受光素子を配置した透過型センサであってもよい。