特許第6487096号(P6487096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6487096
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】ポイント付与システム及びポイント付与方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190311BHJP
【FI】
   G06Q30/02 354
   G06Q30/02 398
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-79182(P2018-79182)
(22)【出願日】2018年4月17日
【審査請求日】2018年6月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000151092
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100174528
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 晋朗
(72)【発明者】
【氏名】蓮村 俊彰
(72)【発明者】
【氏名】岸本 渉
(72)【発明者】
【氏名】村山 亮太
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−099823(JP,A)
【文献】 特開2017−123116(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/183703(WO,A1)
【文献】 特開2004−171417(JP,A)
【文献】 特表2016−507819(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0225031(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサーバにおいて、ユーザの購買に関する電子レシートに対応する購買データと、前記ユーザを特定するための電子レシートID(Identifier)と、を受信する受信部と、
前記所定のサーバにおいて、前記購買データが特定の商品に関する場合、前記電子レシートIDに対応するユーザに対して分散型台帳を用いてポイントを付与する制御部と、
前記所定のサーバ又は別のサーバにおいて、前記電子レシートIDと広告IDとの関連付け情報に基づいて、前記電子レシートIDに対応するユーザについてのログを取得し、前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスに対して配信する広告を決定する広告決定部と、
前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスにおいて、配信された広告の情報を、所定の分散型台帳システムに参加する他の機器に対して送信する送信部と、を有することを特徴とするポイント付与システム。
【請求項2】
前記広告決定部は、前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスに対して、前記特定の商品に対応する企業の広告を多く配信するように制御することを特徴とする請求項1に記載のポイント付与システム。
【請求項3】
所定のサーバにおいて、ユーザの購買に関する電子レシートに対応する購買データと、前記ユーザを特定するための電子レシートID(Identifier)と、を受信するステップと、
前記所定のサーバにおいて、前記購買データが特定の商品に関する場合、前記電子レシートIDに対応するユーザに対して分散型台帳を用いてポイントを付与するステップと、
前記所定のサーバ又は別のサーバにおいて、前記電子レシートIDと広告IDとの関連付け情報に基づいて、前記電子レシートIDに対応するユーザについてのログを取得し、前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスに対して配信する広告を決定するステップと、
前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスにおいて、配信された広告の情報を、所定の分散型台帳システムに参加する他の機器に対して送信するステップと、を有することを特徴とするポイント付与方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポイント付与システム及びポイント付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小売、流通、決済などを扱う事業者が、ユーザに対してポイントを発行(付与)することが広く行われている。例えば、事業者の商品を購入又はサービスを利用したユーザに対してポイントを付与することによって、ユーザが当該ポイントを景品と交換したり何らかの特典(インセンティブ)を得たりすることができる。事業者としては、ポイント制度を採用することによって、商品/サービスの売り上げの増加が期待できる。
【0003】
ポイント発行時にしばしば行われる会員登録によって、事業者は、ユーザのデモグラフィック情報を取得することができる。当該情報は、CRM(Customer Relationship Management)施策、リテンション施策、次期新商品開発などの様々なマーケティングに活用され、売上向上に繋がる事が期待される。
【0004】
例えば、特許文献1では、複数のポイントカードのポイントを共通のポイントに移行するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−79173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、メーカーなどの非小売、非流通、非決済事業者は、最終消費者と直接の接点を持たないため、自社製品/サービスの購買インセンティブ、マーケティングなどに係るポイントを独自に発行することが困難である。
【0007】
また、そもそも小売事業者などで利用されている現行のポイント発行システムは、イニシャルコスト、保守・ランニングコストが大きく、大規模な資本投下が必須である。このため、低コストで実現可能なポイント付与システムが求められている。
【0008】
そこで本開示は、低コストで事業者独自のポイントを発行し、独自のマーケティングに利用できるポイント付与システム及びポイント付与方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るポイント付与システムは、所定のサーバにおいて、ユーザの購買に関する電子レシートに対応する購買データと、前記ユーザを特定するための電子レシートID(Identifier)と、を受信する受信部と、前記所定のサーバにおいて、前記購買データが特定の商品に関する場合、前記電子レシートIDに対応するユーザに対して分散型台帳を用いてポイントを付与する制御部と、前記所定のサーバ又は別のサーバにおいて、前記電子レシートIDと広告IDとの関連付け情報に基づいて、前記電子レシートIDに対応するユーザについてのログを取得し、前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスに対して配信する広告を決定する広告決定部と、前記電子レシートIDに対応するユーザのデバイスにおいて、配信された広告の情報を、所定の分散型台帳システムに参加する他の機器に対して送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、低コストで事業者独自のポイントを発行でき、独自のマーケティングに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るポイント付与システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係るポイント付与方法のフローチャートの一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係るデバイスの機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係るデバイス、サーバなどのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述のように、メーカーなどの非小売、非流通、非決済事業者は、最終消費者と直接の接点を持たないため、自社製品/サービスの購買インセンティブ、会員マーケティング、CRM施策などに係るポイントを独自に発行することが困難である。
【0013】
この対策として、自社商品にQR(Quick Response)コード(登録商標)を張り付けて、商品を購入したユーザがQRコードを読み取ることによりポイントを付与し、メーカーが商品の購買を把握する方法も考えられる。しかしながら、この方法は、QRコードの張り付けに係るコストの問題で普及が難しい。小売流通のレジオペレーション側で各社商品のポイント付与に対応するという方法も考えられるが、レジオペレーションの煩雑化は好ましくない。
【0014】
以上述べたように、非小売事業者等が、独自のポイント制度、独自の電子マネーなどを介してユーザの購買行動を好適にモニタリングする仕組みはまだ普及していない。その結果、非小売事業者等は、購買データと紐づけた形での高効率な広告施策、マーケティングコミュニケーション施策、CRM(Customer Relationship Management)施策などの機会を得られずにいる。このため、非小売事業者等は、広告施策などが小売事業者等に比べて非効率な傾向がある。
【0015】
また、そもそも小売事業者などで利用されている現行のポイント発行システムは、イニシャルコスト、保守・ランニングコストが大きく、大規模な資本投下が必須である。このため、低コストで実現可能なポイント発行システムが求められている。
【0016】
そこで、本発明者は、事業者(メーカー、代理店、サービスプロバイダなど)が、消費者が自社商品(製品、サービスなどを含む)を購入した(費用を支払った)ことを一意の識別情報(例えば、ID(Identifier))に基づいて検知し、オンライン上で当該消費者に自社商品購入量に基づいて独自ポイントを発行(付与)する仕組みを着想した。本発明者らは、当該仕組みに電子レシートシステムAPI(Application Programming Interface)及び分散型台帳システム(ブロックチェーンなど)を活用することを着想した。
【0017】
電子レシートは、従来小売事業者などが店舗において紙で発行していた買い上げ商品の明細レシートを電子化したものであり、実証実験、標準化などが進められている。電子レシートのAPIを用いることにより、ユーザの同意のもとで、アプリケーションなどが電子レシートのデータを利用できる。なお、電子レシートは、スマートレシート(登録商標)、デジタルレシートなどと呼ばれてもよい。
【0018】
本開示の一態様によれば、メーカー、代理店などの非小売・非流通・非決済事業者であっても、小売・流通・決済事業者の協力を得ずに、標準規格に沿った電子レシートのAPIを活用して、ユーザの一次購買データ(生データ)を獲得することができる。また、メーカー、代理店などがユーザの一次購買データを独自のマーケティングに利活用することができる。
【0019】
また、ユーザのデバイス(スマートフォンなど)に関連して各種マーケティングに活用可能な情報(位置情報、個人情報、その他属性情報など)を取得し、購買履歴とともに用いることによって、より高効率な広告、マーケティング、CRM施策などが可能になる。例えば、電子レシート、ブロックチェーン技術及びDMP(Data Management Platform)を用いることによって、これが可能になる。
【0020】
本開示の一態様によれば、分散型台帳システムを用いることによって、安価にポイントを消費者に発行し、残高管理の透明性を担保する形で運用することが可能になる。ポイントがインセンティブになるため、消費者が購買履歴を提供するモチベーションが生まれる。当該ポイントは、他のポイント、仮想通貨、法定通貨などとの交換が可能であってもよい。分散型台帳システムを用いることによって、ポイント発行、保守などが低コストで行なえると期待される。
【0021】
なお、本開示の態様は、小売、流通、決済などを扱う事業者によって実施されてもよいし、小売、流通、決済などを扱わない事業者によって実施されてもよい。
【0022】
本開示において、「商品(製品)の購入」は、「商品、サービス及びその他の提供に応じて費用を支払うこと」に言い換えられてもよい。ユーザは、消費者、生活者などで読み替えられてもよい。本開示における「ID」は、識別情報、アカウントなどで読み替えられてもよい。
【0023】
以下、本開示の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、同一の部には同一の符号が付される。同一の部は名称、機能などが同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
(ポイント付与システム)
図1は、一実施形態に係るポイント付与システムの概略構成の一例を示す図である。図1に示すポイント付与システム1は、デバイス10と、購買データ管理サーバ20と、ログ管理サーバ30と、ID管理サーバ40と、広告配信サーバ50と、電子レシートセンターサーバ60と、店舗70と、レジ端末80と、を含む。
【0025】
デバイス10は、ユーザの操作によりブラウザなどのアプリケーションを実行する装置である。デバイス10は、広告配信サーバ50から広告を受信してもよい。
【0026】
デバイス10は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(PC:Personal Computer)、テレビ(TV:television)、多機能テレビ、スマートTV、IP(Internet Protocol)TV、セットトップボックスなどの固定通信端末であってもよい。つまり、本開示におけるデバイス10は、通信デバイスで読み替えることができる。
【0027】
デバイス10は、有線及び/又は無線(例えば、LTE(Long Term Evolution)、Wi−Fi(登録商標)など)を介してネットワーク(インターネットなど)と通信する。
【0028】
購買データ管理サーバ20は、ユーザの購買データを収集するサーバである。購買データ管理サーバ20は、データ収集対象企業の商品/サービスについてのユーザの購買データを収集してもよい。購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業は、メーカー、代理店などの非小売、非流通又は非決済事業者を含んでもよいし、小売、流通又は決済事業者を含んでもよい。
【0029】
購買データ管理サーバ20は、データ収集対象企業の少なくとも1つによって運営されてもよいし、その他の企業(例えば、購買データ管理サービスを提供するサービサー)によって運営されてもよい。
【0030】
購買データ管理サーバ20は、分散型台帳を共有するピアツーピア(P2P:Peer-to-peer)ネットワークを用いて、当該P2Pネットワークに参加する装置と通信してもよい。当該P2Pネットワークは、分散型台帳システム、分散型ネットワークなどと呼ばれてもよい。当該P2Pネットワークは、例えばブロックチェーンネットワーク(BC−NW:Blockchain Network)であってもよく、パブリック型BC−NW、コンソーシアム(パーミッション)型BC−NWなどであってもよいし、他のBC−NW又はこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
【0031】
当該P2Pネットワークは、ネットワーク上に流通する情報の改竄が困難な他のネットワークであってもよい。例えば、当該P2Pネットワークは、ブロック及び/又はチェーンに基づくデータ構造を利用しないP2Pネットワークであってもよい。なお、デバイス10など他の装置が当該P2Pを用いた通信を行ってもよい。
【0032】
ログ管理サーバ30は、各種ログを管理(収集、分析など)する機能を有するサーバである。ログ管理サーバ30は、ネットワークを介して他の装置(例えば、広告配信サーバ50)に対して各種ログに関する情報を送信してもよい。ログ管理サーバ30が管理する各種ログは、生活者の行動データに該当するログ、生活者の行動データを特定するために利用可能なログなどであってもよい。
【0033】
ここで、ログ管理サーバ30が管理するログは、テレビに関する視聴ログ(テレビ視聴ログ、放送視聴ログ、視聴履歴、パネルデータなどと呼ばれてもよい)を含んでもよい。なお、テレビ(テレビ受像機)は、地上波放送、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)/通信衛星(CS:Communications Satellite)による放送、インターネット放送(インターネットテレビ)などの少なくとも1つを受信する機能を有する装置であってもよい。テレビ視聴ログは、図示しないテレビからログ管理サーバ30に送信されてもよい。
【0034】
テレビ視聴ログは、テレビで視聴されるコンテンツを時間情報に紐付けて記録した情報を示してもよい。テレビ視聴ログは、視聴された番組情報、視聴されたコマーシャル(CM:Commercial Message)などに関する情報を含んでもよい。
【0035】
テレビ視聴ログは、テレビを介した地上波放送などの視聴、タイムシフト再生、ブラウザ起動、ネットサービスの実行などの少なくとも1つを特定することができる情報を含んでもよい。テレビ視聴ログには、視聴番組などに対応してタイムスタンプが付されることが好ましい。
【0036】
テレビ視聴ログは、1つのテレビに対して視聴者が複数いる場合(例えば、世帯に複数の居住者がいる場合)、個別の視聴履歴データを含んでもよい。また、テレビ視聴ログは、視聴者の属性(性別、年齢層など)、視聴者の興味カテゴリ(アフィニティカテゴリ)などと関連付けられてもよい。
【0037】
また、ログ管理サーバ30が管理するログは、デバイス10のユーザについてのその他の行動履歴(行動ログ)であってもよい。ログ管理サーバ30は、デバイス10から、当該デバイス10を介するユーザの行動履歴の一部又は全部を取得(収集)してもよい。
【0038】
ここで、行動履歴は、広告接触履歴、電子マネー利用履歴、オフライン購買履歴(又は電子レシート)、オンライン購買履歴(例えば、電子商取引(EC:Electronic Commerce)履歴、電子コンテンツ(電子書籍、音楽ダウンロード、動画ストリーミング、ソフトウェアなど)購買履歴)、サブスクリプションサービス利用履歴、通信履歴、Webアクセス履歴、検索履歴、アプリ利用履歴、ゲーム利用履歴、デバイス操作履歴、などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0039】
なお、本開示における「行動履歴」は、「行動履歴に基づく分析結果(例えば、ユーザの行動、関心などを特定するための情報)」、「利用データ」などで読み替えられてもよい。
【0040】
ID管理サーバ40は、上述の各種ログに対応する識別情報(ID:Identifier)を管理する機能を有するサーバである。ID管理サーバ40は、ネットワークを介して他の装置(例えば、広告配信サーバ50)に対して各種IDに関する情報を送信してもよい。
【0041】
各種ログに対応するIDは、上述の生活者行動履歴IDに該当する。なお、各種ログに対応するIDは、特定のサービスに関連することから、サービスIDと呼ばれてもよい。
【0042】
ここで、ID管理サーバ40が管理するIDは、テレビに関するID(テレビ視聴ID、テレビ特定情報などと呼ばれてもよい)を含んでもよい。テレビ視聴IDは、上述のテレビ視聴ログに関連付けられてもよい(つまり、テレビ視聴IDに基づいて、1つ又は複数のテレビ視聴ログが特定されてもよい)。
【0043】
テレビ視聴IDは、テレビのIPアドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、B−CAS(BS Conditional Access Systems)(登録商標)カード番号などのテレビを特定できる情報の少なくとも1つを含んでもよい。テレビ視聴IDは、テレビに関連付けされる任意のIDであってもよい。
【0044】
ID管理サーバ40が管理するIDは、デバイスに関するID(デバイスID、デバイス特定情報などと呼ばれてもよい)を含んでもよい。デバイスIDは、デバイス10のIPアドレス、デバイス10のMACアドレス、デバイス10のSIMカード固有番号(電話番号でもよい)、ユーザ固有のID番号(例えば、通信事業者との契約時に付番されてもよい)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0045】
ID管理サーバ40が管理するIDは、デバイス10のユーザの行動履歴に対応するIDに関する情報を含んでもよい。当該IDは、例えば、デバイス10に配信される広告の広告ID、電子マネーID、電子レシートID(電子レシートアプリID)、ECサイトID、電子コンテンツID、サブスクリプションサービスID、クレジットカードID(番号)、WebアクセスID、ユーザのアカウント情報(例えばゲームアカウントID、アプリIDなど)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0046】
ここで、広告ID(オンライン広告IDと呼ばれてもよい)は、例えば、ユーザによってオプトアウト可能な、匿名かつ一意な広告配信用の識別子(広告に関する識別子)であってもよい。広告IDは、デバイス10のブラウザに保存される小さなファイル(クッキー(Cookie))に関する固有のクッキーID(Cookie ID)であってもよい。
【0047】
なお、クッキーIDは、ブラウザごと(又はアプリごと)にそれぞれ異なるIDであってもよい。広告IDは、クッキー情報などと呼ばれてもよい。
【0048】
また、広告IDは、デバイス10にインストールされるアプリケーションから取得される識別子であってもよく、例えば、IDFA(Identification For Advertisers)、ADID(Advertising ID)などであってもよい。
【0049】
広告配信サーバ50は、デバイス10に対するインターネット広告(ウェブ広告、デジタル広告などと呼ばれてもよい)の配信を制御する機能を有するサーバである。
【0050】
広告は、例えば、テキスト、画像(静止画像、動画像)、音声、その他のメディア又はこれらの組み合わせにより構成されてもよい。なお、広告配信サーバ50は、広告以外のコンテンツをデバイス10に送信してもよい。
【0051】
広告配信サーバ50は、DMP(Data Management Platform)を含んで構成されてもよく、DMPを用いて配信する広告を決定してもよい。また、広告配信サーバ50は、DSP(Demand Side Platform)を利用する配信サーバを含んでもよいし、DSP以外の広告配信サーバ(アドサーバ)を含んでもよいし、アドサーバを利用する配信サーバを含んでもよい。
【0052】
アドサーバは、特定の企業(例えば、Twitter(登録商標)社、Facebook(登録商標)社など)が提供するAPI(Application Programming Interface)(Ads-API)を利用する配信サーバであってもよい。また、アドサーバは、オンライン動画広告を配信する動画広告配信サーバであってもよいし、テレビ向けに広告を配信するCMS(Content Management System)であってもよい。
【0053】
広告配信サーバ50は、DSP、アドサーバなどとの連携を、DMP(例えば、パブリックDMP)を介して行ってもよい。広告配信サーバ50は、例えば、所定のユーザのテレビ視聴ログに基づいて、DMPのセグメントデータを制御(例えば、作成、拡張、絞込など)してもよい。
【0054】
デバイス10に対して配信された広告に関する情報は、ログ管理サーバ30に送信されてもよい。ログ管理サーバ30は、当該広告に関する情報に基づいて、広告接触履歴を取得してもよい。
【0055】
電子レシートセンターサーバ60は、電子レシートを管理するサーバである。電子レシートセンターサーバ60は、店舗70内で発行(生成)された電子レシートを受信して管理してもよいし、店舗70(例えば、店舗70に設置されたレジ端末80)から送信された情報に基づいて自ら生成(発行)した電子レシートを管理してもよい。電子レシートセンターサーバ60は、データ収集対象企業の他の企業によって運営されてもよい。店舗70に設置されたレジ端末80で発行(生成)された電子レシートは、電子レシートセンターサーバ60を介さずに、直接デバイス10に送信されてもよい。
【0056】
店舗70は、購買データ管理サーバ20データ収集対象企業の製品を扱う店舗である。店舗70は、例えば、小売、流通又は決済事業者の店舗であってもよいし、その他事業者の店舗であってもよい。また、店舗70は、インターネット上の店舗であってもよいし、行商、外商、露店、出店、屋台などのような非店舗型の業態であってもよい。
【0057】
レジ端末80は、店舗70内に配置され、商品などの販売情報の管理に用いられる装置である。レジ端末80は、例えば商品の金額を計算、記録などし、店舗70の運営企業(小売事業者など)のサーバに販売情報を送信してもよい。レジ端末80は、電子レシートセンターサーバ60、デバイス10などに電子レシートデータを発行(生成)して送信してもよい。
【0058】
デバイス10など各装置の機能構成及びハードウェア構成の一例については、後述する。
【0059】
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、図1ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。広告配信システム1は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、1つの装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。
【0060】
例えば、ログ管理サーバ30が、ログの種類(ログに対応するサービス事業者)ごとに、別々のサーバでログを管理してもよい。ID管理サーバ40が、IDの種類(IDに対応するサービス事業者)ごとに、別々のサーバでIDを管理してもよい。
【0061】
購買データ管理サーバ20、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50、電子レシートセンターサーバ60などは、クラウドサーバでもオンプレミスサーバでもよく、P2Pネットワークで共有される分散型台帳であってもよい。本開示における購買データ管理サーバ、ログ管理サーバ、ID管理サーバ、広告配信サーバ、電子レシートセンターサーバは、それぞれ「分散型台帳」、「分散型台帳ネットワーク」などで読み替えられてもよい。この場合、あるサーバにおける処理は、分散型台帳を共有する装置によって行われてもよい。
【0062】
複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、購買データ管理サーバ20と、ログ管理サーバ30と、ID管理サーバ40と、広告配信サーバ50と、電子レシートセンターサーバ60と、の少なくとも2つが、1つのサーバ上で実装されてもよい。
【0063】
(ポイント付与方法)
本開示の一実施形態に係るポイント付与方法について、以下で説明する。各ポイント付与方法は、上述のポイント付与システムに適用されてもよい。
【0064】
<ポイント付与フロー>
図2は、一実施形態に係るポイント付与方法のフローチャートの一例を示す図である。
【0065】
まず、ユーザの商品の購入に応じて、電子レシートが発行される(ステップS101)。電子レシートは、店舗70内の装置(例えば、レジ端末80)によって発行されてもよい。店舗70内の装置は、商品を購入するユーザの、電子レシートにおけるID(電子レシートID)を特定するための情報を取得してもよい。電子レシートIDは、デバイス10において電子レシートを扱うアプリケーションに関するID(電子レシートアプリID)であってもよい。
【0066】
例えば、店舗70内の装置は、ユーザのデバイス10に表示された電子データ(例えばバーコード)を読み取ることによって、電子レシートIDを取得してもよい。この場合、当該電子データは電子レシートIDに対応する。なお、店舗70内の装置は、ビーコン、音波通信、無線通信(例えば、LTE(Long Term Evolution)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、Bluetooth(登録商標)など)、その他の手法を用いて電子レシートIDを取得してもよい。
【0067】
例えば、店舗70内の装置は、当該店舗70で利用可能な会員カードを読み取ることによって、電子レシートIDを取得してもよい。この場合、当該会員カード及び当該会員の情報の少なくとも一方は、電子レシートIDに対応する。当該会員カードは、店舗70の会員であることを示すカードであってもよいし、購買データ管理サーバ20の利用をする会員であることを示すカードであってもよい。
【0068】
店舗70内の装置は、取得した電子レシートIDと、ユーザの購買データと、に基づいて、電子レシートを作成してもよい。
【0069】
ユーザのデバイス10は、店舗70内の装置から、発行された電子レシートの情報を受信してもよい(ステップS102)。デバイス10は、例えば電子レシートAPIを用いて、電子レシートの情報を受信してもよい。
【0070】
なお、店舗70内の装置から転送された購買データに基づいて、店舗70外の装置(例えば、電子レシートセンターサーバ60)が電子レシートを発行してもよい。店舗70外の装置は、発行した電子レシートを店舗70内の装置及び/又はユーザのデバイス10に送信してもよい。
【0071】
ユーザのデバイス10は、電子レシートに対応する購買データを、特定のIDに関連付けて購買データ管理サーバ20に送信してもよい。例えば、ユーザのデバイス10は、上記購買データと、当該購買データ及び特定のIDの対応関係に関する情報と、を購買データ管理サーバ20に送信してもよい。また、ユーザのデバイス10は、上記購買データ及び特定のIDの組を購買データ管理サーバ20に送信してもよい。
【0072】
ここで、電子レシートに対応する購買データは、電子レシート自体のデータであってもよいし、電子レシートから抽出されるデータであってもよい。また、特定のIDは、電子レシートに対応するユーザを特定するためのIDであってもよい。例えば、特定のIDは、電子レシートIDを含んでもよいし、購買データ管理サーバ20がユーザの特定に利用する任意のユーザIDを含んでもよい。当該ユーザIDは、デバイス10によって購買データ管理サーバ20に登録(設定)されてもよいし、ユーザが提示する情報に基づいて購買データ管理サーバ20の管理者が当該サーバに登録してもよい。
【0073】
なお、ユーザのデバイス10は、電子レシートに対応する購買データのうち、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業の商品に関するデータを、購買データ管理サーバ20に送信するように構成されてもよい。この構成によれば、例えば当該データ収集対象企業にとって重要性の低いデータのトラフィックが、購買データ管理サーバ20に対して無駄に発生することを抑制できる。
【0074】
購買データ管理サーバ20は、デバイス10から受信した情報に基づいて、特定のIDに対応する購買データを判断する(ステップS103)。
【0075】
なお、購買データ管理サーバ20は、電子レシートセンターサーバ60から直接電子レシートに対応する購買データを受信してもよい。例えば、購買データ管理サーバ20は、ユーザのデバイス10から受信した上述の特定のIDに基づいて、特定のIDに対応する購買データを電子レシートセンターサーバ60から受信してもよい。なお、購買データ管理サーバ20は、電子レシートに対応する購買データのうち、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業の商品に関するデータを、電子レシートセンターサーバ60から受信するように構成されてもよい。
【0076】
購買データ管理サーバ20は、特定のIDに対して、当該特定のIDに対応する購買データに基づくポイント(デジタルアセットと呼ばれてもよい)を発行する(ステップS104)。ここで、当該ポイントの発行は、購買データを提供したことに対するインセンティブの付与に該当してもよいし、データ収集対象企業の商品を購入したことに対するインセンティブの付与に該当してもよい。
【0077】
例えば、購買データ管理サーバ20は、上記購買データが特定の商品(例えば、データ収集対象企業の商品)に関する場合、当該商品の購買金額、購買個数などに基づく予め決められたルールに従って算出される量(額)のポイントを、上記特定のIDに対して発行してもよい。購買データ管理サーバ20は、上記購買データが特定の商品に関するか否かを、商品名、金額、品目などから決定してもよい。
【0078】
ポイントが発行される対象は、上記特定のID、電子レシート、ユーザ及びユーザのデバイス10の少なくとも1つに紐付けられるアプリケーション(例えば、電子レシートアプリ(ウォレットアプリと呼ばれてもよい))又はアカウントであってもよい。当該アプリケーションは、デバイス10において動作してもよい。
【0079】
例えば、ポイントの発行は、購買データ管理サーバ20のアカウントが保有するポイントを、上記特定のIDに紐づくアカウントに対して送金することによって実現されてもよい。
【0080】
購買データ管理サーバ20は、特定のIDについての購買データが更新されたタイミングごとにポイントを発行してもよいし、ある程度購買データが更新された後でまとめてポイントを発行してもよい。
【0081】
ポイントは、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業(例えば、メーカー、代理店など)及び運営企業の少なくとも一方によって構築される分散型台帳システムを用いて発行されることが好ましい。
【0082】
分散型台帳システムは、分散型ネットワーク、分散型台帳などと呼ばれてもよい。分散型台帳システムは、例えばブロックチェーンネットワーク(BC−NW:Blockchain Network)であってもよく、パブリック型BC−NW、コンソーシアム(パーミッション)型BC−NW、プライベート型BC−NWなどであってもよいし、他のBC−NW又はこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
【0083】
なお、分散型台帳システムとして、ネットワーク上に流通する情報の改竄が困難な他のネットワークが用いられてもよい。例えば、分散型台帳システムは、ブロック及び/又はチェーン構造を利用しないシステムであってもよい。
【0084】
発行されるポイントの例としては、ポイント、イーサリアム(Ethereum)ベースのERC20(Ethereum requests for comments #20)に準拠したトークン、ネム(NEM)ベースのモザイク(mosaic)などが挙げられるが、これに限られない。
【0085】
なお、ポイントの発行は、スマートコントラクトを用いて実現されてもよい。スマートコントラクトは、予め決められたルールに従って資産(例えば、ブロックチェーン上の資産)を移動させる仕組みである。
【0086】
なお、本開示において、デジタルアセット、コイン、トークン、デジタルトークン、デジタルアセット、ポイント、マイレージ、電子マネー、デジタル通貨、仮想通貨、暗号通貨(Cryptocurrency)などは、相互に読み替えられてもよい。
【0087】
上述のアプリケーション(以下、単に「ウォレットアプリ」と呼ぶ)は、ウォレットを介したポイントの利用(送金、受取など)に用いられてもよい。ウォレットアプリは、ブラウザの追加機能としてインポート可能であってもよいし、独立したアプリケーションであってもよいし、ファームウェア、OS(Operating System)などにビルトインされてもよい。また、ウォレットアプリは、API(Application Programming Interface)を介して様々なアプリケーション(電子書籍リーダーなど)、機器などと同期されてもよい。
【0088】
なお、ウォレットは、電子ウォレット(デジタルウォレット、ソフトウェアウォレットなど)を想定するが、ハードウェアウォレットであってもよい。本開示において、アドレス、ウォレットアドレス、ウォレット、ウォレットID、アカウント、P2Pネットワークにおいてデバイス10が利用するIDなどは、相互に読み替えられてもよい。アドレスは、「所定の仮想通貨に関するアドレス」を意味してもよい。例えば、アドレスは、ブロックチェーンにおける電子署名用の公開鍵のハッシュ値又はこれに基づく値を指してもよい。
【0089】
ウォレットアプリは、購買データ管理サーバ20との間でデジタルアセットに相当する(又は等価な)ポイントの値をやり取りできればよく、上記デジタルアセットが利用される分散型台帳システムに直接アクセスできなくてもよい。当該ポイントの授受は、分散型台帳システムによって記録されなくてもよい。例えば、購買データ管理サーバ20が、特定のIDについてのデジタルアセットを、分散型台帳システムを用いて発行し、発行された量のデジタルアセットに相当するポイントの値を、当該特定のIDに対応するウォレットアプリに通知してもよい。
【0090】
ウォレットアプリは、ポイントを所定量利用する場合、当該所定量を利用する旨を示す情報を購買データ管理サーバ20に送信してもよい。そして、購買データ管理サーバ20は、当該所定量に相当するデジタルアセットを、上記特定のIDに紐づくアカウントから購買データ管理サーバ20のアカウントに対して送金することによって実現されてもよい。なお、ウォレットアプリは、上記デジタルアセットが利用される分散型台帳システムに直接アクセス可能であってもよい。
【0091】
上述のポイントは、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業及び運営企業の少なくとも一方の、商品購入、懸賞応募などに用いられてもよい。また、当該ポイントは、特定のトークン、法定通貨、他社の発行するポイントなどと交換してもよい。当該ポイントは、ユーザ同士で取引されてもよい。
【0092】
以上説明した一実施形態によれば、分散型台帳システムを用いることによって、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業が独自のポイントを低コストで発行することができる。
【0093】
<購買データ管理サーバ20が保有するデータの広告への利用>
ポイントを保有するユーザの(デバイス10の)アプリケーション(例えば、ウォレットアプリ)は、電子レシートの登録、ポイント発行などの任意のタイミングにおいて、当該ユーザの許諾に基づいて、マーケティングに活用可能な情報(デバイス10の位置情報、ユーザの個人情報、購買履歴情報、属性情報など)を、購買データ管理サーバ20に対して送信してもよい。
【0094】
当該マーケティングに活用可能な情報は、ログ管理サーバ30において管理される各種ログに対応するID(テレビ視聴ID、デバイスID、ECサイトID、広告IDなど)の情報を含んでもよい。
【0095】
購買データ管理サーバ20は、上記ポイントに関連する特定のID(例えば、電子レシートID)と、ログ管理サーバ30において管理される少なくとも1つのログに対応するID(テレビ視聴ID、デバイスID、ECサイトID、広告IDなど)と、を関連付けるための情報を生成してもよい。当該関連付けるための情報は、関連付け情報、ID紐付け情報などと呼ばれてもよい。
【0096】
ID紐付け情報は、電子レシートID情報と、少なくとも1つのその他のIDに関するその他ID情報と、のいずれか又はこれらの組み合わせによって構成されてもよい。
【0097】
その他ID情報は、例えば、IDの値、IDに関連するサービスの情報(サービス名、サービスの種類など)、IDに関連するサービス提供者の情報(サービス提供者名、業種など)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0098】
購買データ管理サーバ20は、ID紐付け情報を、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50などに送信してもよい。また、ID紐付け情報に基づくIDの紐付けは、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50などにおいて行われてもよい。
【0099】
広告配信サーバ50は、ID紐付け情報に基づいて、デバイス10に対して配信する適切な広告を決定し、配信してもよい。
【0100】
例えば、広告配信サーバ50は、購買データ管理サーバ20から取得したID紐付け情報に基づいて、ID管理サーバ40からテレビ視聴ID、デバイスID、ECサイトID、広告IDなどを受信する。また、広告配信サーバ50は、当該受信したIDに基づいて、所定のユーザ(例えば電子レシートIDに対応するユーザ)についてログ管理サーバ30からEC購買ログ、テレビ視聴ログ、広告接触ログなどを取得し、これらのログに基づいて、当該所定のユーザのデバイス10に対して配信する広告を決定してもよい。なお、「広告を決定」は、「CRM施策を決定」、「マーケティング施策を決定」などで読み替えられてもよい。
【0101】
広告配信サーバ50は、上記特定のIDに紐付けられたユーザのデバイス10に対して、特定の広告主(例えば、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業)の広告を多く配信する制御を行ってもよい。
【0102】
デバイス10は、配信された(及び/又は視聴した)広告の情報を、所定の分散型台帳システムに参加する他の機器(サーバなど)に対して送信してもよい。当該所定の分散型台帳システムは、購買データ管理サーバ20が利用する分散型台帳システムとは異なるシステムであってもよい。
【0103】
配信された広告の情報が分散型台帳システムに共有されることにより、配信された広告の情報が改竄される事態を抑制できる。また、デバイス10のユーザの広告接触データが透明化され、広告がどのくらい表示されたかについて第三者(例えば、広告主)が容易に検証できる。
【0104】
以上説明した一実施形態によれば、購買データ管理サーバ20のデータ収集対象企業(代理店など)は、商品購買にかかるユーザのID(電子レシートIDなど)と広告ID(クッキーなど)を統合管理でき、ユーザ単位で高効率な広告コミュニケーションを行う事が出来る。
【0105】
<変形例>
上述の実施形態では、ポイント発行の仕組みは分散型台帳システムを前提としたが、ポイント発行については既存のポイント発行システムが利用されてもよい。
【0106】
(機器の構成)
図3は、一実施形態に係るデバイスの機能構成の一例を示す図である。本例に示すように、デバイス10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、図3では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、デバイス10は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0107】
制御部110は、デバイス10の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0108】
記憶部120は、デバイス10において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部120は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0109】
通信部130は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部13は、受信した種々の情報を制御部110に出力してもよい。
【0110】
通信部130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0111】
入力部140は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
【0112】
入力部140は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0113】
出力部150は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0114】
表示部は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0115】
出力部150は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0116】
なお、通信部(受信部)130は、電子レシートのデータ又は電子レシートに対応する購買データを、レジ端末80から受信し、購買データ管理サーバ20に送信してもよい。
【0117】
購買データ管理サーバ20、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50、電子レシートセンターサーバ60、レジ端末80などについても、図3と同様の構成を有してもよい。当業者であれば、図3の説明におけるデバイス10関連の記載を、適宜読み替えて理解できる。なお、デバイス10、購買データ管理サーバ20、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50、電子レシートセンターサーバ60、レジ端末80などは、いずれも通信デバイスと呼ばれてもよい。
【0118】
以下、いくつかの部について例示的に説明する。なお、各装置の図3の各機能ブロックに対応する符号は、各装置を示す符号の最初の一桁の数字(例えば、ログ管理サーバであれば「20」の最初の一桁の「2」)を図3の最初の一桁の数字に適用して表す。
【0119】
購買データ管理サーバ20の通信部230は、ユーザの購買に関する電子レシートに対応する購買データと、当該ユーザを特定するためのID(Identifier)と、を受信してもよい。購買データ管理サーバ20の通信部230は、上記電子レシートのデータ自体を受信してもよい。
【0120】
購買データ管理サーバ20の制御部210は、上記購買データが特定の商品(例えば、特定の企業に関する商品、購買データ管理サーバ20の)に関する場合、上記IDに対応するユーザに対してポイントを付与してもよい。
【0121】
例えば、購買データ管理サーバ20の制御部210は、上記購買データが特定の商品に関する場合、分散型台帳を用いて上記IDに対応するユーザに対してポイントを付与してもよい。
【0122】
上記IDは、電子レシートIDであってもよい。
【0123】
購買データ管理サーバ20の制御部210は、上記ポイントに関連する特定のID(例えば、電子レシートID)と、ログ管理サーバ30において管理される少なくとも1つのログに対応するID(テレビ視聴ID、デバイスID、ECサイトID、広告IDなど)と、を関連付けるための情報を生成してもよい。当該関連付けるための情報は、関連付け情報、ID紐付け情報などと呼ばれてもよい。
【0124】
購買データ管理サーバ20の通信部230は、ID紐付け情報を、ログ管理サーバ30、ID管理サーバ40、広告配信サーバ50などに送信してもよい。
【0125】
ログ管理サーバ30の制御部310は、テレビ視聴ログ、ユーザの行動ログなどを取得(収集)し、記憶部320に記憶する制御を行ってもよい。ログ管理サーバ30の通信部330は、各種ログを送信及び/又は受信してもよい。
【0126】
ID管理サーバ40の制御部410は、テレビ視聴ID、デバイスID、デバイス10のユーザの行動履歴に対応するIDなどを取得(収集)し、記憶部420に記憶する制御を行ってもよい。ID管理サーバ40の通信部430は、各種IDを送信及び/又は受信してもよい。
【0127】
広告配信サーバ50の制御部510は、ID紐付け情報に基づいて、デバイス10に対して配信する適切な広告を決定してもよい。制御部510は、広告決定部と呼ばれてもよい。広告配信サーバ50の通信部530は、デバイス10に広告を送信してもよい。
【0128】
例えば、広告配信サーバ50の通信部530は、購買データ管理サーバ20から取得したID紐付け情報に基づいて、ID管理サーバ40からテレビ視聴ID、デバイスID、ECサイトID、広告IDなどを受信してもよい。また、広告配信サーバ50の通信部530は、当該受信したIDに基づいて、所定のユーザ(例えば電子レシートIDに対応するユーザ)についてログ管理サーバ30からEC購買ログ、テレビ視聴ログ、広告接触ログなどを取得してもよい。広告配信サーバ50の制御部510は、これらのID、ログなどに基づいて、当該所定のユーザのデバイス10に対して配信する広告を決定してもよい。
【0129】
電子レシートセンターサーバ60の制御部610及び/又はレジ端末80の制御部810は、ユーザの購買データに対応する電子レシートを、当該ユーザの固有のIDに関連付けて生成してもよい。電子レシートセンターサーバ60の通信部630及び/又はレジ端末80の通信部830は、電子レシートのデータ又は電子レシートに対応する購買データを、デバイス10及び/又は購買データ管理サーバ20に送信してもよい。
【0130】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0131】
例えば、本開示の一実施形態におけるデバイス、サーバなどは、本開示の広告配信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図4は、一実施形態に係るデバイス、サーバなどのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のデバイス10、広告配信サーバ50などは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0132】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。デバイス10、広告配信サーバ50などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0133】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。
【0134】
デバイス10、広告配信サーバ50などにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0135】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0136】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0137】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る広告配信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0138】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0139】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0140】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0141】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0142】
また、デバイス10、広告配信サーバ50などは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0143】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0144】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値によって表されてもよいし、所定の値からの相対値によって表されてもよいし、対応する別の情報によって表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0145】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0146】
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0147】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0148】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0149】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0150】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0151】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0152】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0153】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【要約】
【課題】低コストで事業者独自のポイントを発行し、独自のマーケティングに利用すること。
【解決手段】本開示の一態様に係るポイント付与システムは、ユーザの購買に関する電子レシートに対応する購買データと、前記ユーザを特定するためのID(Identifier)と、を受信する受信部と、前記購買データが特定の商品に関する場合、前記IDに対応するユーザに対してポイントを付与する制御部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4