特許第6487291号(P6487291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6487291搬送装置、及び、この搬送装置を用いる搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487291
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】搬送装置、及び、この搬送装置を用いる搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 41/02 20060101AFI20190311BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
   B23Q41/02 A
   B65G47/90 D
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-149284(P2015-149284)
(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公開番号】特開2017-30057(P2017-30057A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2017年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】595054589
【氏名又は名称】株式会社デンソーダイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】竹林 万豊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】芳山 賢治
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−183696(JP,A)
【文献】 実開昭61−172748(JP,U)
【文献】 特開平09−136235(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0132084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 41/02
B65G 47/90
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク(10)に比べ小さく形成され、前記ワークの一方の側に当接可能な第一当接部(21、22)を有し、前記ワークを回転可能に支持する第一支持部(20)と、
前記ワークに比べ小さく形成され、前記第一支持部とは別体に設けられ、前記ワークの他方の側に当接可能であってかつ前記第一当接部との距離を変更可能な第二当接部(31)を有する第二支持部(30)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が所定の方向(Fs1、Fg1)に移動可能なよう前記第一支持部及び前記第二支持部を支持する支持手段(40、50)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が前記所定の方向に移動するよう前記第一支持部及び前記第二支持部を駆動する駆動力発生部(28、38)と、
前記駆動力発生部と電気的に接続し、前記駆動力発生部が発生する駆動力を制御する制御部(55)と、
前記支持手段が固定されるハウジング(15)と、
を備え
前記第一支持部は、
前記ワークの回転軸(RA10)上の部位とは異なる少なくとも二箇所以上の部位に当接可能な複数の前記第一当接部と、
複数の前記第一当接部を連結する連結部(23)と、
前記ワークの回転軸上に前記連結部と一体に回転可能に設けられるシャフト(24)と、
前記シャフトを回転する回転力を発生する回転力発生部(29)と、
を有し、
前記回転力発生部は、前記シャフトの径方向外側に設けられ前記シャフトと一体に回転可能な係合部(292)を有し、
前記ハウジングの前記ワークを回転する所望の位置に固定されている固定部材(293)が前記係合部に係合すると前記シャフトは回転することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記第一支持部及び前記第二支持部は、回転しつつ前記支持手段に当接可能なローラ(26、27、36、37)を有しており、
前記支持手段は、前記所定の方向に対して垂直な断面が天側または地側に突出するよう形成されており、
前記ローラは、前記支持手段の天側または地側に突出する部位に当接する溝を有することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
ワーク(10)に比べ小さく形成され、前記ワークの一方の側に当接可能な第一当接部(21、22)を有し、前記ワークを回転可能に支持する第一支持部(20)と、
前記ワークに比べ小さく形成され、前記第一支持部とは別体に設けられ、前記ワークの他方の側に当接可能であってかつ前記第一当接部との距離を変更可能な第二当接部(31)を有する第二支持部(30)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が所定の方向(Fs1、Fg1)に移動可能なよう前記第一支持部及び前記第二支持部を支持する支持手段(40、50)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が前記所定の方向に移動するよう前記第一支持部及び前記第二支持部を駆動する駆動力発生部(28、38)と、
前記駆動力発生部と電気的に接続し、前記駆動力発生部が発生する駆動力を制御する制御部(55)と、
を備え
前記第一支持部及び前記第二支持部は、回転しつつ前記支持手段に当接可能なローラ(26、27、36、37)を有しており、
前記支持手段は、前記所定の方向に対して垂直な断面が天側または地側に突出するよう形成されており、
前記ローラは、前記支持手段の天側または地側に突出する部位に当接する溝を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
前記第二支持部は、
前記ワークの回転軸上の部位に当接可能な前記第二当接部と、
前記第二当接部を前記第一支持部の方向に付勢する付勢部材(34)と、
前記付勢部材の付勢力を調整可能な調整部(32、33、35)と、
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記支持手段は、
一つの前記ワークを支持する前記第一支持部と前記第二支持部との組み合わせを有する搬送ユニット(9)が一方の方向(Fs1)に移動可能なよう前記搬送ユニットを支持する一方の搬送用レール(40)、及び、前記搬送ユニットを他方の方向(Fg1)に移動可能なよう前記搬送ユニットを支持する他方の搬送用レール(50)を有し、
前記一方の搬送用レールと前記他方の搬送用レールとは天地方向に並ぶよう配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項6】
ワーク(10)に比べ小さく形成され、前記ワークの一方の側に当接可能な第一当接部(21、22)を有し、前記ワークを回転可能に支持する第一支持部(20)と、
前記ワークに比べ小さく形成され、前記第一支持部とは別体に設けられ、前記ワークの他方の側に当接可能であってかつ前記第一当接部との距離を変更可能な第二当接部(31)を有する第二支持部(30)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が所定の方向(Fs1、Fg1)に移動可能なよう前記第一支持部及び前記第二支持部を支持する支持手段(40、50)と、
前記第一支持部及び前記第二支持部が前記所定の方向に移動するよう前記第一支持部及び前記第二支持部を駆動する駆動力発生部(28、38)と、
前記駆動力発生部と電気的に接続し、前記駆動力発生部が発生する駆動力を制御する制御部(55)と、
を備え
前記支持手段は、
一つの前記ワークを支持する前記第一支持部と前記第二支持部との組み合わせを有する搬送ユニット(9)が一方の方向(Fs1)に移動可能なよう前記搬送ユニットを支持する一方の搬送用レール(40)、及び、前記搬送ユニットを他方の方向(Fg1)に移動可能なよう前記搬送ユニットを支持する他方の搬送用レール(50)を有し、
前記一方の搬送用レールと前記他方の搬送用レールとは天地方向に並ぶよう配置されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の複数の搬送装置(1、2、3、4)と、
前記一方の搬送用レールの端部及び前記他方の搬送用レールの端部に接続するよう設けられ、前記一方の搬送用レールから前記他方の搬送用レール、または、前記他方の搬送用レールから前記一方の搬送用レールに前記搬送ユニットを移動可能なユニット移動部(6、7)と、
を備えることを特徴とする搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送する搬送装置及びこの搬送装置を用いる搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを所望の場所まで搬送可能な搬送装置が知られている。搬送装置は、ワークを収容可能なパレット、パレットを所望の場所まで搬送するベルトコンベアなどを備える。例えば、特許文献1には、ワークを所望の姿勢で載置可能な複数のアタッチメント、アタッチメントがワークを受け取る受取ステーションからアタッチメントに載置されているワークを回収する回収ステーションまで複数のアタッチメントを搬送するベルトコンベアなどを備える搬送装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−192269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送装置では、ワークはアタッチメントに載置されているため、ワークを搬送しつつワークの複数の面に部品の取付や加工などを施す場合、アタッチメントに当接している側のワークの面や側面には部品の取付や加工などを施すことができない。
また、ワークを収容可能なパレットを搬送する搬送装置の場合、パレットにワークの回転機構を備えることでワークの複数の面に部品の取付や加工を施すことが可能となる。しかしながら、ワークが回転したとき隣り合うワークやパレットとの衝突を防止するため、パレットの体格は比較的大きくなる。また、形状が異なる複数の種類のワークを搬送する場合、大きさが最も大きいワークに合わせたパレットによってワークを搬送する。このため、パレットの体格がさらに大きくなるため、搬送装置の体格も大きくなる。
【0005】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークが有する複数の面への部品の取付や加工を可能としつつ体格を小さくする搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、搬送装置であって、第一支持部、第二支持部、支持手段、駆動力発生部、及び、制御部を備える。
第一支持部は、ワークに比べ小さく形成され、ワークの一方の側に当接可能な第一当接部を有し、ワークを回転可能に支持する。
第二支持部は、ワークに比べ小さく形成され、第一支持部とは別体に設けられ、ワークの他方の側に当接可能であってかつ第一当接部との距離を変更可能な第二当接部を有する。
支持手段は、第一支持部及び第二支持部が所定の方向に移動可能なよう第一支持部及び第二支持部を支持する。
駆動力発生部は、第一支持部及び第二支持部が所定の方向に移動するよう第一支持部及び第二支持部を駆動する。
制御部は、駆動力発生部と電気的に接続し、駆動力発生部が発生する駆動力を制御する。
本発明の第一の態様では、支持手段が固定されるハウジングをさらに備える。
【0007】
本発明の搬送装置では、ワークは、第一支持部及び第二支持部の二つの支持部によって支持されている。
第一支持部は、ワークを回転可能に支持している。これにより、ワークに対して部品の取付や加工などの作業を行うとき、部品の取付や加工が行われる面を当該作業が行いやすい方向に向けることができる。したがって、ワークを搬送しつつワークが有する複数の面に対して部品を取り付けたり加工したりすることができる。
ワークに比べ小さく形成されている第一支持部と第二支持部とは別体に設けられ、ワークの両側からワークを挟み込むように支持している。また、第二支持部は、第一当接部との距離を変更可能な第二当接部を有する。これにより、第一当接部と第二当接部との間にワークを取り付けたり、第一当接部と第二当接部との間に取り付けられているワークを取り外したりすることができる。したがって、形状が異なる複数の種類のワークを搬送するとき大きさが最も大きいワークに合わせた一体型のパレットによってワークの搬送を行う場合に比べ、複数の種類のワークを一種類の第一支持部と第二支持部との組み合わせによって搬送することができるため、搬送装置の体格を小さくすることができる。
本発明の第一の態様では、第一支持部は、ワークの回転軸上の部位とは異なる少なくとも二箇所以上の部位に当接可能な複数の第一当接部、複数の第一当接部を連結する連結部、ワークの回転軸上に連結部と一体に回転可能に設けられるシャフト、およびシャフトを回転する回転力を発生する回転力発生部を有している。そして、回転力発生部は、シャフトの径方向外側に設けられシャフトと一体に回転可能な係合部を有し、ハウジングのワークを回転する所望の位置に固定されている固定部材が係合部に係合するとシャフトは回転する。
本発明の第二の態様では、第一支持部及び第二支持部は、回転しつつ支持手段に当接可能なローラを有している。支持手段は、所定の方向に対して垂直な断面が天側または地側に突出するよう形成されている。ローラは、支持手段の天側または地側に突出する部位に当接する溝を有している。
本発明の第三の態様では、支持手段は、一つのワークを支持する第一支持部と第二支持部との組み合わせを有する搬送ユニットが一方の方向に移動可能なよう搬送ユニットを支持する一方の搬送用レール、及び、搬送ユニットを他方の方向に移動可能なよう搬送ユニットを支持する他方の搬送用レールを有する。一方の搬送用レールと他方の搬送用レールとは天地方向に並ぶよう配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態による搬送装置を用いた搬送システムの模式図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3】本発明の第一実施形態による搬送装置が備える第一支持部の模式図である。
図4】本発明の第一実施形態による搬送装置が備える第二支持部の模式図である。
図5】(a)本発明の第一実施形態による搬送装置における産業用ロボットの可動範囲を示す模式図、(b)比較例の搬送装置における産業用ロボットの可動範囲を示す模式図である。
図6】本発明の第二実施形態による搬送装置を用いた搬送システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による搬送装置を図1〜5に基づいて説明する。
最初に、第一実施形態による搬送装置が適用される搬送システム5について図1に基づいて説明する。図1に搬送システム5を含む第一実施形態の製造ラインを示す。搬送システム5は、複数の搬送装置1、2、3、4、二つの「ユニット移動部」としての昇降装置6、7、システム制御部8から構成されている。搬送システム5は、ワーク10を搬送可能な領域が重力方向に対して二列に並ぶよう構成されている。なお、図1では、昇降装置7から昇降装置6に向かって「所定の方向」及び「一方の方向」としての白抜き矢印Fs1の方向に複数の搬送ユニット9を搬送する側を「天」側、昇降装置6から昇降装置7に向かって「所定の方向」及び「他方の方向」としての白抜き矢印Fg1の方向に複数の搬送ユニット9を搬送する側を「地」側とする。
【0011】
搬送装置1、2、3、4は、この順番で一列に並べられている。搬送装置1、2、3、4は、略直方体状に形成されている「ハウジング」としてのフレーム15に「支持手段」及び「搬送用レール」としての搬送用レール40、50が設けられている。
【0012】
搬送用レール40は、搬送装置1、2、3、4において天側に設けられている。搬送装置1の搬送用レール40は、昇降装置7の搬送用レール71に接続可能であるとともに、搬送装置2が有する搬送用レール40に接続している。搬送装置2の搬送用レール40は、搬送装置3が有する搬送用レール40にも接続している。搬送装置3の搬送用レール40は、搬送装置4が有する搬送用レール40にも接続している。搬送装置4の搬送用レール40は、昇降装置6の搬送用レール61にも接続可能である。
【0013】
搬送用レール50は、搬送装置1、2、3、4において地側に設けられている。搬送装置1の搬送用レール50は、昇降装置7の搬送用レール71に接続可能であるとともに、搬送装置2が有する搬送用レール50に接続している。搬送装置2の搬送用レール50は、搬送装置3が有する搬送用レール50にも接続している。搬送装置3の搬送用レール50は、搬送装置4が有する搬送用レール50にも接続している。搬送装置4の搬送用レール50は、昇降装置6の搬送用レール61にも接続可能である。
【0014】
搬送用レール40、50は、ワーク10の一方の側を支持する第一クランプ、ワーク10の他方の側を支持する第二クランプ、第一クランプ及び第二クランプに設けられるサーボモータなどから構成される搬送ユニット9を移動可能なよう支持している。搬送ユニット9は、搬送装置1、2、3、4の搬送用レール40または搬送用レール50に沿って白抜き矢印Fs1または白抜き矢印Fg1の方向に移動可能である。搬送システム5では、搬送用レール40に沿って白抜き矢印Fs1の方向に移動する搬送ユニット9にワーク10が支持されている。白抜き矢印Fs1の方向に移動するワーク10には、例えば、図1に示す産業用ロボット11、12、13、14によって部品の取付や加工などが行われる。
搬送装置1、2、3、4は、搬送ユニット9の駆動を制御する制御部55を有している。制御部55は、システム制御部8と電気的に接続している。搬送装置1、2、3、4の詳細な構成は後述する。
【0015】
昇降装置6、7は、一列に並べられている搬送装置1、2、3、4の両端に位置している。
昇降装置6は、搬送装置4の搬送装置3とは反対側に位置している。昇降装置6は、搬送装置4の搬送用レール40、50と接続可能な搬送用レール61、及び、システム制御部8と電気的に接続し搬送ユニット9を載せたまま搬送用レール61を駆動可能な駆動部62を有している。昇降装置6は、搬送用レール40に沿って白抜き矢印Fs1の方向に移動する搬送ユニット9及びワーク10が搬送用レール61に載ると、搬送ユニット9及びワーク10を地側に移動する(図1の白抜き矢印Fd1の方向)。このとき、例えば、地側に移動した搬送用レール61が搬送装置4の搬送用レール50と接続する位置に移動し終わると、搬送ユニット9から部品が取り付けられたワーク10が取り外される。ワーク10が取り外された搬送ユニット9は、搬送用レール50に沿って白抜き矢印Fg1の方向に移動する。なお、図1では、複数の搬送ユニット9は、搬送装置1、2、3、4のぞれぞれの略中央に位置しているが、搬送ユニット9どうしの間隔はこれに限定されない。第一実施形態では、搬送ユニット9は、各自が有するサーボモータによって駆動するため、搬送ユニット9どうしの間隔は任意であってもよい。
【0016】
昇降装置7は、搬送装置1の搬送装置2とは反対側に位置している。昇降装置7は、搬送装置1の搬送用レール40、50と接続可能な搬送用レール71、及び、システム制御部8と電気的に接続し搬送ユニット9を載せたまま搬送用レール71を駆動可能な駆動部72を有している。昇降装置7は、搬送用レール50に沿って白抜き矢印Fg1の方向に移動する搬送ユニット9が搬送用レール71に載ると、搬送ユニット9を天側に移動する(図1の白抜き矢印Fu1の方向)。このとき、例えば、地側に位置する搬送ユニット9に部品の取り付けや加工が施される前のワーク10が取り付けられる。ワーク10が取り付けられた搬送ユニット9は、搬送用レール40に沿って白抜き矢印Fs1の方向に移動する。
搬送システム5では、このようにして、搬送ユニット9を循環させつつ、ワーク10を白抜き矢印Fs1の方向に移動する。
【0017】
システム制御部8は、CPU、RAM、ROMなどを有するマイクロコンピュータなどから構成されている。システム制御部8は、事前に入力されているプログラムに基づいて、搬送システム5における複数の搬送ユニット9の移動を制御する。また、システム制御部8は、搬送ユニット9の移動に合わせて産業用ロボット11、12、13、14の作動を制御することも可能である。
【0018】
次に、搬送装置の詳細な構成について、図2〜4に基づいて説明する。ここでは、代表例として搬送装置1の構成を説明するが、搬送装置2、3、4も同様の構成を有している。
搬送装置1は、フレーム15、搬送用レール40、50、「第一支持部」としての第一クランプ20、「第二支持部」としての第二クランプ30、「駆動力発生部」としてのサーボモータ28、38、制御部55などを備える。
【0019】
フレーム15は、ベース151、地側ベース152、中間ベース153、天側ベース154、及び、複数の支柱155などから構成されている。フレーム15は、搬送装置1の外郭を形成するとともに、搬送用レール40、50を所定の位置に固定する。
ベース151は、フレーム15の地側に設けられる。ベース151は、例えば、平坦な床面100上に載置される。
地側ベース152は、ベース151の天側に設けられる。地側ベース152には、ワーク10を地側から支持する支持台158が設けられている。支持台158は、天側からワーク10に部品を取り付けるとき、天側から地側への押圧力によってワーク10が地側に移動することを防止する。
中間ベース153は、地側ベース152の天側に設けられる。地側ベース152と中間ベース153との間に搬送用レール50が設けられる。中間ベース153は、略中央に穴156を有する。穴156は、支持台158が挿入可能な大きさを有する。
天側ベース154は、フレーム15の天側に設けられる。中間ベース153と天側ベース154との間に搬送用レール40が設けられる。天側ベース154は、略中央に穴157を有する。天側からワーク10に部品を取り付けたり加工したりするとき、産業用ロボット11は、穴157を介してフレーム15内に入り、フレーム15内のワーク10に対して部品の取付や加工を行う。
複数の支柱155は、天地方向に延びるよう形成されている。支柱155は、ベース151に固定され、地側ベース152、中間ベース153及び天側ベース154が所定の間隔を維持するよう地側ベース152、中間ベース153及び天側ベース154を支持する。
【0020】
搬送用レール40、50は、図1に示すように、搬送装置1の昇降装置7側の端部から搬送装置2側の端部まで延びるよう形成されている。
【0021】
搬送用レール40は、四本のレールから構成されている。四本のレールのうち天側に位置するレール41、42は、天側ベース154の地側に固定されている。レール41、42は、断面が地側に突出するよう形成されている。レール41は、天側の第一クランプ20が有するガイドローラ26の天側からガイドローラ26に当接するよう設けられている。レール42は、天側の第二クランプ30が有するガイドローラ36の天側からガイドローラ36に当接するよう設けられている。
レール41、42の地側に位置するレール43、44は、中間ベース153の天側に固定されている。レール43、44は、断面が天側に突出するよう形成されている。レール43は、天側の第一クランプ20が有するガイドローラ27の地側からガイドローラ27に当接するよう設けられている。レール44は、天側の第二クランプ30が有するガイドローラ37の地側からガイドローラ37に当接するよう設けられている。
【0022】
搬送用レール50は、四本のレールから構成されている。四本のレールのうち天側に位置するレール51、52は、中間ベース153の地側に固定されている。レール51、52は、断面が地側に突出するよう形成されている。レール51は、地側の第一クランプ20が有するガイドローラ26の天側からガイドローラ26に当接するよう設けられている。レール52は、地側の第二クランプ30が有するガイドローラ36の天側からガイドローラ36に当接するよう設けられている。
レール51、52の地側に位置するレール53、54は、地側ベース152の天側に固定されている。レール53、54は、断面が天側に突出するよう形成されている。レール53は、地側の第一クランプ20が有するガイドローラ27の地側からガイドローラ27に当接するよう設けられている。レール54は、地側の第二クランプ30が有するガイドローラ37の地側からガイドローラ37に当接するよう設けられている。
【0023】
第一クランプ20は、ワーク10の一方の側を支持可能なよう設けられている。第一クランプ20は、第一当接部21、22、連結部23、シャフト24、軸受25、ガイドローラ26、27、回転力発生部29などを有する。第一クランプ20は、ワーク10に比べ小さくなるよう形成されている。
【0024】
第一当接部21、22は、図3に示すように、第一クランプ20の中心軸CA20に略平行に設けられている。第一当接部21、22には、ワーク10が有する穴に挿入可能に形成されている挿入ピン211、221が設けられている。挿入ピン211、221が挿入されるワーク10の穴は、搬送システム5によって搬送される形状が異なる複数の種類のワーク10のそれぞれが有する共通の穴である。挿入ピン211、221が挿入されるワーク10の穴は、第一クランプ20の中心軸CA20と同軸のワーク10の回転軸RA10とは異なる部位に形成されている。これにより、第一当接部21、22は、ワーク10の回転軸RA10上の部位とは異なる部位に当接可能である。第一当接部21、22の挿入ピン211、221とは反対側は、連結部23に固定されている。
【0025】
連結部23は、略平板状の部材であって、ワーク10側の端面に第一当接部21、22が固定されている。連結部23のワーク10とは反対側の端面にはシャフト24が設けられている。
【0026】
シャフト24は、中心軸CA20の方向に延びるよう形成されている。シャフト24は、軸受25に回転可能に支持されている。シャフト24は、一端が連結部23に固定されている。シャフト24の他端には回転力発生部29が設けられている。
【0027】
ガイドローラ26、27は、いわゆる、Vガイドローラであって、軸受25のワーク10側に設けられている矩形状の枠200の四隅に設けられている。ガイドローラ26は、回転しつつレール41またはレール51に当接可能なよう設けられている。ガイドローラ26は、レール41またはレール51の地側に突出する部位に当接する溝を有する。第一実施形態では、第一クランプ20は、ガイドローラ26を二つ有している。また、ガイドローラ27は、回転しつつレール43またはレール53に当接可能なよう設けられている。ガイドローラ27は、レール43またはレール53の天側に突出する部位に当接する溝を有する。第一実施形態では、第一クランプ20は、ガイドローラ27を二つ有している。
【0028】
枠200には、制御部55が供給する電力によって回転トルクを発生するサーボモータ28が設けられている。第一クランプ20は、サーボモータ28が発生する回転トルクによって搬送用レール40、50上を移動可能である。
【0029】
回転力発生部29は、円板部291及び複数の係合部292を有する。
円板部291は、中央にシャフト24が挿通されている。円板部291は、シャフト24とともに回転する。
複数の係合部292は、シャフト24の径方向外側であって円板部291の軸受25側の端面に周方向に並ぶよう設けられている。係合部292は、フレーム15に固定されている固定部材293と係合可能に形成されている。固定部材293は、図1に示すように、白抜き矢印Fs1の方向に向かうにつれて天側から地側に傾斜する傾斜面を有する。
【0030】
搬送ユニット9が搬送装置2から搬送装置3に移動するとき、最も天側に位置する係合部292が固定部材293の傾斜面に当接する。搬送ユニット9が白抜き矢印Fs1の方向に移動するにつれて最も天側に位置していた係合部292は、中心軸CA20を回転中心として回転しながら地側に移動する。これにより、円板部291を介してシャフト24が回転するため、ワーク10の回転軸RA10上の部位とは異なる部位に当接している第一当接部21、22も回転し、ワーク10が回転軸RA10を中心として回転する。ワーク10が回転軸RA10を中心として回転すると、図1に示すように、搬送装置2におけるワーク10の向きが搬送装置3におけるワーク10の向きに変更される。また、図1では、上述した方法と同じように搬送装置3と搬送装置4との間に位置する固定部材293と係合部292とが係合することで、搬送装置3におけるワーク10の向きが搬送装置4におけるワーク10の向きに変更される。
【0031】
第二クランプ30は、ワーク10の他方の側を支持可能なよう設けられている。第二クランプ30は、第二当接部31、シャフト32、シリンダ33、「付勢部材」としてのコイルばね34、牽引部35、ガイドローラ36、37などを有する。第二クランプ30は、ワーク10に比べ小さくなるよう形成されている。シャフト32、シリンダ33及び牽引部35は、特許請求の範囲に記載の「調整部」に相当する。
【0032】
第二当接部31は、図4に示すように、第二クランプ30の中心軸CA30上に設けられている略円板状の部位である。第二当接部31には、ワーク10が有する穴に挿入可能に形成されている挿入ピン311が設けられている。挿入ピン311が挿入されるワーク10の穴は、搬送システム5によって搬送される形状が異なる複数の種類のワーク10のそれぞれが有する共通の穴である。挿入ピン311が挿入されるワーク10の穴は、第二クランプ30の中心軸CA30と同軸のワーク10の回転軸RA10上に形成されている。これにより、第二当接部31は、ワーク10の回転軸RA10上の部位に当接可能である。
【0033】
シャフト32は、略棒状の部位である。シャフト32の第二当接部31とは反対側の端部にはシャフト32の外径より大きい外径を有する牽引部35が設けられている。
【0034】
シリンダ33は、略円筒状に形成されている。シリンダ33にはシャフト32が往復移動可能に挿通されている。このとき、シリンダ33のワーク10側には第二当接部31が位置し、シリンダ33のワーク10とは反対側には牽引部35が位置する。シリンダ33は、中心軸CA30の方向に移動可能にシャフト32を支持する。
【0035】
コイルばね34は、第二当接部31とシリンダ33のワーク10側の端部331との間に設けられている。コイルばね34は、第二当接部31とシリンダ33とを離す方向に鍔部312及びシリンダ33を付勢している。これにより、牽引部35に力が作用していない図4(a)の状態のとき、牽引部35は、シリンダ33のワーク10とは反対側の端部332に当接している。
【0036】
牽引部35をコイルばね34の付勢力より大きい牽引力によってワーク10とは反対側に牽引すると、コイルばね34が収縮する。これにより、第一当接部21、22と第二当接部31との距離を変更することが可能である。搬送システム5では、この牽引部35の牽引によって第一当接部21、22と第二当接部31との距離を変更し、昇降装置6、7におけるワーク10の取り付け及び取り外しを行う。
【0037】
ガイドローラ36、37は、いわゆる、Vガイドローラであって、シリンダ33の中心軸CA30方向においてシリンダ33の略中央に設けられている矩形状の枠300の四隅に設けられている。ガイドローラ36は、回転しつつレール42またはレール52に当接可能なよう設けられている。ガイドローラ36は、レール42またはレール52の地側に突出する部位に当接する溝を有する。第一実施形態では、第二クランプ30は、ガイドローラ36を二つ有している。ガイドローラ37は、回転しつつレール44またはレール54に当接可能なよう設けられている。ガイドローラ37は、レール44またはレール54の天側に突出する部位に当接する溝を有する。第一実施形態では、第二クランプ30は、ガイドローラ37を二つ有している。
【0038】
枠300には制御部55が供給する電力によって回転トルクを発生するサーボモータ38が設けられている。第二クランプ30は、サーボモータ38が発生する回転トルクによって搬送用レール40、50上を移動可能である。
【0039】
制御部55は、CPU、RAM、ROMなどを有するマイクロコンピュータなどから構成されている。制御部55は、図1に示すように、複数のサーボモータ28、38と電気的に接続している。また、制御部55は、システム制御部8とも電気的に接続している。制御部55は、システム制御部8が出力する指令信号に基づいてサーボモータ28、38に電力を供給する。サーボモータ28、38は、供給される電力の大きさに応じて第一クランプ20及び第二クランプ30を駆動する。このとき、制御部55は、第一クランプ20と第二クランプ30との距離を一定とするよう同期しつつ駆動する。
【0040】
搬送装置1、2、3、4では、ワーク10は、第一クランプ20及び第二クランプ30の二つのクランプによって支持されている。
第一クランプ20は、ワーク10に当接可能な二つの第一当接部21、22を有する。回転力発生部29によってシャフト24が回転すると、図1に示す搬送装置2から搬送装置3や、搬送装置3から搬送装置4のように、ワーク10は回転する。これにより、産業用ロボット11、12、13、14が部品の取付や加工を行いやすいように部品の取付などの作業が行われる面を天側に向ける。したがって、ワーク10の複数の面、具体的には、ワーク10が略直方体の形状をなしていると仮定すると、第一クランプ20及び第二クランプ30に支持されている面以外の四つの面に対して部品の取付や加工などの作業を行うことができる。
【0041】
ワーク10の両側からワーク10を支持している第一クランプ20と第二クランプ30とは別体に設けられ、ワーク10に比べ小さく形成されている。第二クランプ30は、ワーク10に当接可能な第二当接部31をコイルばね34によって第一クランプ20の方向に付勢している。牽引部35をコイルばね34の付勢力より大きい力で第一クランプ20とは反対の方向に牽引すると、第一クランプ20の第一当接部21、22と第二当接部31との距離を変更することができる。これにより、第一クランプ20と第二クランプ30との間にワーク10を取り付けたり、第一クランプ20と第二クランプ30との間に取り付けられているワーク10を取り外したりすることができる。したがって、搬送装置1、2、3、4では、一種類の搬送ユニット9によって形状が異なる複数の種類のワークを搬送することができるため、形状が異なる複数の種類のワークを搬送するとき大きさが最も大きいワークに合わせた一体型のパレットによってワークの搬送を行う場合に比べ、搬送装置1、2、3、4の体格を小さくすることができる。
【0042】
また、搬送装置1、2、3、4では、装置の体格が比較的小さいため、ワーク10を一方の側から他方の側に搬送する搬送ラインとワーク10を搬送した搬送ユニット9を他方の側から一方の側へ戻す搬送ラインとを天地方向に並べることができる。この構成による効果について、図5に基づいて説明する。
【0043】
図5には、二つの搬送システムの模式図を示す。図5は、二つの搬送システムのワークが搬送される方向に対して略垂直な断面の模式図である。図5(a)には、第一実施形態による搬送装置1、2、3、4を適用した搬送システム5を示す。図5(b)には、比較例として、ワーク10を収容するパレット99を一方から他方に搬送する搬送ライン91とワーク10を搬送したパレット99を他方から一方に戻す搬送ライン92とが水平方向に並べられている搬送システム90を示す。なお、図5では、大きさの比較の条件を等しくするために、図5(a)において、搬送システム5におけるベース151と地側ベース152との間の部位を削除している(図2参照)。
【0044】
比較例の搬送システム90では、パレット99は、形状が異なる複数の種類のワークを搬送するため、大きさが最も大きいワークに合わせたパレットをワークの搬送に用いる。このため、一つの搬送ラインの天地方向の高さが比較的高くなり、ワーク10を搬送する搬送ライン91とパレット99を戻す搬送ライン92とを、図5(b)に示すように、水平方向に並べなくてはならない。また、搬送ライン92の搬送ライン91とは反対側には、産業用ロボット98を支持するための支持台93やワーク10に取り付けられる部品の供給ライン94が設けられる。このため、比較例の搬送システム90では、図5(b)に示すように、床面100の占有面積は、比較的大きくなる。
一方、第一実施形態の搬送システム5では、ワーク10を搬送する搬送ライン81と搬送ユニット9を戻す搬送ライン82とを天地方向に並べることができるため、産業用ロボット88を支持するための支持台83やワーク10に取り付けられる部品の供給ライン84が設けられても、図5(a)に示すように、床面100の占有面積は、比較例の搬送システム90の占有面積に比べ小さくなる。
このように、搬送システム5では、ワーク10を送る搬送ライン81と搬送ユニット9を戻す搬送ライン82とを天地方向に並べることができるため、床面100の占有面積を小さくすることができる。
【0045】
また、比較例の搬送システム90では、二つの搬送ラインが水平方向に並べられるため、ワーク10に部品を取り付ける搬送ライン91と部品の供給ライン94とが比較的遠い場所に設けられる。このため、部品の供給ライン94から部品を取って搬送ライン91を流れるワーク10に当該部品を取り付ける産業用ロボット98は、体格が比較的大きくなる。産業用ロボット98の体格が大きくなると産業用ロボット98の可動範囲A98が比較的大きくなるため、搬送システム90の占有空間A90も大きくなる。また、産業用ロボット98を含む装置の設備費が増大する。
【0046】
一方、第一実施形態の搬送システム5では、二つの搬送ラインは天地方向に並べられるため、ワーク10に部品を取り付ける搬送ライン81と部品の供給ライン84とが比較的近い場所に設けられる。これにより、部品の供給ライン84から部品を取って搬送ライン81を流れるワーク10に当該部品を取り付ける産業用ロボット88は体格が比較的小さくなるため、産業用ロボット88の可動範囲A88も比較的小さくなる。したがって、搬送システム5の占有空間A5を搬送システム90の占有空間A90に比べ小さくすることができる。また、産業用ロボット88を含む装置の設備費を比較例に比べ低減することができる。
【0047】
搬送用レール40、50は、断面が天側または地側に凸状となるよう形成されている。また、これにより、隣り合う搬送装置1、2、3、4を比較的連結しやすくなる。したがって、搬送システム5の拡張など変更を容易に行うことができる。
【0048】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による搬送装置を図6に基づいて説明する。第二実施形態は、搬送システムを含む製造ラインの構成が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0049】
搬送システム5を含む第二実施形態の製造ラインを図6に示す。第二実施形態では、搬送装置のうち搬送装置2にワーク10に部品の取付や加工を施す産業用ロボットが設けられていない。
【0050】
第二実施形態では、搬送装置2において搬送装置1で部品の取付や加工が施されたワーク10を検査し、不具合がある場合には、搬送装置2において修復することができる。これにより、昇降装置6で搬送ユニット9から取り外されるワーク10の不良の発生率を低減することができる。
【0051】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、第一クランプは、支持部材、連結部材、シャフト、回転力発生部などを有するとした。また、第二クランプは、支持部材、シャフト、シリンダ、コイルばね、牽引部などを有するとした。しかしながら、「第一支持部」及び「第二支持部」の構成はこれに限定されない。第一支持部は、ワークに比べ小さく形成され、ワークの一方の側に当接可能な第一当接部を有し、ワークを回転可能に支持すればよい。また、第二支持部は、ワークに比べ小さく形成され、ワークの他方の側にワークに当接可能に設けられ第一当接部との距離を変更可能な第二当接部を有すればよい。
【0052】
上述の実施形態では、回転力発生部は、円板部材及び固定部材と係合可能な複数の係合部を有するとした。しかしながら、回転力発生部の構成はこれに限定されない。シャフトを回転するためのモータであってもよい。
【0053】
上述の実施形態では、搬送装置は、天側にワークを搬送する搬送ラインを設け、地側に搬送ユニットを戻す搬送ラインを設けるとした。しかしながら、搬送装置の構成はこれに限定されない。ワークを搬送する搬送ラインだけであってもよい。
【0054】
上述の実施形態では、昇降装置の間に四個の搬送装置を設けるとした。しかしながら、昇降装置の間に設けられる搬送装置の数はこれに限定されない。
【0055】
上述の実施形態では、第一クランプ及び第二クランプを駆動する「駆動力発生部」は、サーボモータであるとした。しかしながら、駆動力発生部はこれに限定されない。リニア駆動アクチュエータであってもよい。また、複数の第一クランプ及び第二クランプを連結し、一つのアクチュエータによって駆動してもよい。
【0056】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲の種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、2、3、4・・・搬送装置
5・・・搬送システム
10・・・ワーク
20・・・第一クランプ(第一支持部)
21、22・・・第一当接部
28・・・サーボモータ(駆動力発生部)
30・・・第二クランプ(第二支持部)
31・・・第二当接部
38・・・サーボモータ(駆動力発生部)
40・・・搬送用レール(支持手段)
50・・・搬送用レール(支持手段)
55・・・制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6