(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487324
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】角度位置特定特徴に基づいて材料を供給する供給システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20190311BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20190311BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
H05K3/00 Z
B05C5/00 101
B05C11/10
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-534541(P2015-534541)
(86)(22)【出願日】2013年9月16日
(65)【公表番号】特表2016-503576(P2016-503576A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】US2013059852
(87)【国際公開番号】WO2014052051
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年8月17日
(31)【優先権主張番号】13/630,259
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ジョエル ブルーム
(72)【発明者】
【氏名】マイケル イー.ドネラン
【審査官】
ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−132440(JP,A)
【文献】
特開2006−135236(JP,A)
【文献】
特開2009−169415(JP,A)
【文献】
特開2001−135927(JP,A)
【文献】
特開2010−016090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
H05K 3/32−3/34
B05C 5/00
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子基材上に材料を堆積させる供給システムであって、
フレームと、
前記フレームに移動可能に結合された供給ユニットガントリと、
前記供給ユニットガントリに結合された供給ユニットであって、供給動作中に前記基材上に材料を堆積させるように構成される供給ユニットと、
前記フレームに結合された視覚システムガントリと、
前記視覚システムガントリに結合された視覚システムであって、前記供給動作を行う前に前記電子基材の1つ又は複数の画像を取得するように構成される視覚システムと、
前記供給ユニットガントリ、前記供給ユニット、前記視覚システムガントリ及び前記視覚システムに結合されたコントローラーであって、
前記電子基材上に設けられた基準の画像を取得し、
前記電子基材上に配置された対象物の少なくとも一部であって、基準ではない対象物の少なくとも一部の画像を取得し、
前記電子基材の前記基準の既知の位置及び前記供給ユニットの位置に対する前記対象物の特徴の位置に基づいて、前記対象物の向きを求め、
前記供給ユニットに関して前記対象物の向きを定め、
前記対象物を前記電子基材に固定するように供給動作を行う、
ように構成されるコントローラーと、
を備える供給システム。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記視覚システムガントリを用いて、前記対象物の特徴によって画定された位置まで移動して前記画像を獲得するように前記視覚システムを操作するように更に構成される請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
供給動作の実行は、弧の形状で材料を供給することを含む請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
前記対象物は、本体と該本体の周辺部から延在する複数のタブとを有するカメラである請求項1に記載の供給システム。
【請求項5】
前記供給ユニットは、隣接するタブの間に材料を供給するように構成される請求項4に記載の供給システム。
【請求項6】
前記コントローラーは、材料の線を供給するように更に構成される請求項1に記載の供給システム。
【請求項7】
前記コントローラーは、材料のドットを供給するように更に構成される請求項1に記載の供給システム。
【請求項8】
前記供給ユニットは、前記電子基材上のz軸高さを検知するように構成されたセンサーを含む請求項1に記載の供給システム。
【請求項9】
前記フレームに結合された支持組立体を更に備え、該支持組立体は、供給動作中に前記電子基材を支持するように構成される請求項1に記載の供給システム。
【請求項10】
供給システムを用いて電子基材上に材料を堆積させる方法であって、前記供給システムは、
フレームと、該フレームに移動可能に結合された供給ユニットガントリと、
該供給ユニットガントリに結合された供給ユニットであって、供給動作中に前記電子基材上に材料を堆積させるように構成される供給ユニットと、
前記フレームに結合された視覚システムガントリと、
前記視覚システムガントリに結合された視覚システムであって、前記供給動作を行う前に前記電子基材の1つ又は複数の画像を取得するように構成される視覚システムと、
を備えるタイプの供給システムであり、
前記電子基材上に設けられた基準の画像を取得することと、
前記電子基材上に配置された対象物の少なくとも一部であって、基準ではない対象物の少なくとも一部の画像を取得することと、
前記電子基材の前記基準の既知の位置及び前記供給ユニットの位置に対する前記対象物の特徴の位置に基づいて、前記対象物の向きを求めることと、
前記供給ユニットに関して前記対象物の向きを定めることと、
前記対象物を前記電子基材に固定するように供給動作を行うこととを含む方法。
【請求項11】
前記視覚システムガントリを用いて、前記対象物の特徴によって画定された位置まで移動して前記画像を獲得するように前記視覚システムを操作するように構成されたコントローラーの制御の下で行われる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記コントローラーは、材料の線を供給するように更に構成される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラーは、材料のドットを供給するように更に構成される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
供給動作の実行は弧の形状で材料を供給することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記対象物は、本体と該本体の周辺部から延在する複数のタブとを有するカメラである請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記供給ユニットは、隣接するタブの間に材料を供給するように構成される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子基材上のz軸高さを検知することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームに結合された支持組立体により、供給動作中に前記電子基材を支持することを更に含む請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は包括的には、プリント基板のような基材上に粘性材料を供給する装置及び方法に関し、より詳細には、回路基板上の角度の特徴の位置特定に基づいて材料を正確に供給するシステム及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の応用形態で正確な量の液体又はペーストを供給するのに用いられる幾つかのタイプの従来技術の供給システムがある。1つのそのような応用形態は、集積回路チップ及び他の電子構成要素を回路基板基材上に組み付けることである。この応用形態では、微量の粘性材料、すなわち、粘性材料のドットを回路基板上に供給するのに自動化された供給システムが用いられる。粘性材料は、液体エポキシ若しくはハンダペースト、又は何らかの他の関連材料を含む場合がある。供給動作を行う前に、回路基板を、供給システムのディスペンサーと整列させるか又は他の方法で位置合わせしなければならない。1つの既知の方法では、これを、供給システムの視覚システムを使用して回路基板上の、別名基準として知られている目印の位置を検証することによって達成することができる。具体的には、回路基板を供給システムの供給ユニットと整列させるために、視覚システムのカメラによって少なくとも2つの基準の画像が撮影される。回路基板が適所からはずれている場合、回路基板の実際の位置を考慮するように、ディスペンサーを移動させることができるガントリを操作することができる。別の実施形態では、供給動作を行う前に回路基板を正確に位置決めするように、回路基板が載っている支持面を操作することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
回路基板を供給ユニットと整列させるように識別基準を用いることに関連する1つの問題は、供給を必要とする領域が、基準に関して明確に定義されていない場合である。例えば、供給する領域が基準に関して関連付けられていない場合、結果としての供給動作は非常に不正確である可能性があり、多くの場合、処理要件を満たさない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、明確に定義されていない領域がある基材上に、基材上の1つ又は複数の角度の特徴(同様に1つ又は複数の基準)の位置を特定し、その角度の特徴(複数の場合もある)に基づいて材料を供給することにより、材料を供給する技法について記載する。
【0005】
本技法は、単一基準を用いて、供給がなされる対象物の位置及び向きを求めることと、この情報を用いて、検出された対象物に対して供給ユニットの向きを定め、回路基板のような基材上に位置する材料の線又は材料の1つ若しくは複数のドットを正確に供給する機能を向上させることとを含む。基材上に線を正確に供給するために、対象物(例えば、回路基板上に実装された構成部品等)が回路基板上に配置され、対象物に対して線を供給するために、対象物の位置、向き及び角度が求められる。供給される線は、対象物の検出された向きに対して垂直又は平行であることが多いが、その供給される線は垂直又は平行である必要はない。供給される線は、直線とすることもできるし、弧の形状とすることもできる。供給される線は、連続的とすることもできるし、1つ又は複数のドット又は線分の形態とすることもできる。線パターン及び下位パターンを同様に利用することができる。供給するとき、回路基板の上方のz軸高さの検知を用いることができる。供給動作の精度を向上させるために、対象物の特徴のサブセットを選択することができる。
【0006】
本開示の一態様は、電子基材上に材料を堆積させる供給システムに関する。一実施形態では、供給システムは、フレームと、該フレームに移動可能に結合された供給ユニットガントリと、該供給ユニットガントリに結合された供給ユニットとを備える。該供給ユニットは、供給動作中に前記基材上に材料を堆積させるように構成される。前記供給ユニットは、前記フレームに結合された視覚システムガントリと、該視覚システムガントリに結合された視覚システムとを更に備える。該視覚システムは、前記供給動作を行う前に前記電子基材の1つ又は複数の画像を取得するように構成される。コントローラーが、前記供給ユニットガントリ、前記供給ユニット、前記視覚システムガントリ及び前記視覚システムに結合されている。前記コントローラーは、前記電子基材上に設けられた基準の画像を取得し、前記電子基材上に配置された対象物の少なくとも一部の画像を取得し、前記供給ユニットに関して前記対象物の向きを定め、前記対象物を前記電子基材に固定するように供給動作を行うように構成される。
【0007】
供給システムの実施の形態は、前記フレームに結合された支持組立体を更に含むことができる。該支持組立体を、供給動作中に前記電子基材を支持するように構成することができる。前記コントローラーを、前記視覚ガントリシステムを用いて、前記対象物の特徴によって画定された位置まで移動して前記画像を獲得するように前記視覚システムを操作するように更に構成することができる。供給動作の実行は、弧の形状で材料を供給することを含むことができる。前記対象物を、本体と該本体の周辺部から延在する複数のタブとを有するカメラとすることができる。前記供給ユニットを、隣接するタブの間に材料を供給するように構成することができる。前記コントローラーを、材料の線及び/又は材料のドットを供給するように更に構成することができる。前記供給ユニットは、前記電子基材上のz軸高さを検知するように構成されたセンサーを含むことができる。
【0008】
本開示の別の態様は、フレームと、該フレームに移動可能に結合された供給ユニットガントリと、該供給ユニットガントリに結合された供給ユニットであって、前記供給動作中に前記基材上に材料を堆積させるように構成される供給ユニットと、前記フレームに結合された視覚システムガントリと、該視覚システムガントリに結合された視覚システムであって、前記供給動作を行う前に前記電子基材の1つ又は複数の画像を取得するように構成される視覚システムと、を含むタイプの供給システムを用いて、電子基材上に材料を堆積させる方法に関する。一実施形態では、本方法は、前記電子基材上に設けられた基準の画像を取得することと、前記電子基材上に配置された対象物の少なくとも一部の画像を取得することと、前記供給ユニットに関して前記対象物の向きを定めることと、前記対象物を前記電子基材に固定するように供給動作を行うこととを含む。
【0009】
本方法の実施の形態は、前記電子基材上のz軸高さを検知すること、及び/又は前記フレームに結合された支持組立体により、供給動作中に前記電子基材を支持することを更に含むことができる。本方法は、前記視覚ガントリシステムを用いて、前記対象物の特徴によって画定された位置まで移動して前記画像を獲得するように前記視覚システムを操作するように構成されたコントローラーの制御の下で行うことができる。前記コントローラーを、材料の線及び/又は材料のドットを供給するように更に構成することができる。供給動作の実行は、弧の形状で材料を供給することを含むことができる。前記対象物を、本体と本体の周辺部から延在する複数のタブとを有するカメラとすることができる。前記供給ユニットを、隣接するタブの間に材料を供給するように構成することができる。
【0010】
添付の図面は縮尺どおりに描くことは意図していない。図面において、種々の図において示される同一又は概ね同一の各構成要素は、類似の数字によって表される。明確にするために、全ての図面において全ての構成要素に番号が付されるとは限らない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態による、ディスペンサーの概略図である。
【
図2】特徴の角度位置に基づいて材料を供給する方法の概略ブロック図である。
【
図3】プリント基板のような基材上に設けられた例示的な対象物の上面図である。
【
図4】本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。
【
図5】本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。
【
図6】本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。
【
図7】本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。
【
図8】本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。
【
図9】検出された角度位置特定特徴を示すサンプルの像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示のためだけであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本明細書において「〜を含む」、「〜を備える」、「〜を有する」、「〜を含有する」、「〜を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、これ以降に記載される物品と、その相当品及び追加の物品とを包含することを意味する。
【0013】
本開示の種々の実施形態は、粘性材料供給システム、供給システムを含む装置、並びにプリント基板のような電子基材上で対象物の位置を特定し、基材上に供給動作を行う方法に関する。本明細書に開示する実施形態は、単一の基準を用いることにより、及び、対象物の位置を特定しその向きを定め、対象物の位置を用いて、供給システムの供給ユニット又はポンプの向きを定めて供給動作を改善することによって、電子基材上に材料を供給する技法に関する。
【0014】
本明細書に開示するシステム及び方法は、対象物の検出された向きに対して垂直又は平行である供給動作を行うことが多い可能性があるが、これは要件ではない。供給される線を、直線とするか又は弧の形状とすることができる。
【0015】
システム及び方法は、ドット又は線分の正確な供給を更に可能にする。具体的には、供給システムの供給ユニットを、ドットを供給するように変更することができる。
【0016】
図1は、全体として10で示す本開示の一実施形態によるディスペンサーを概略的に示す。ディスペンサー10は、粘性材料(例えば、接着剤、封入剤、エポキシ、ハンダペースト、アンダーフィル材料等)、又は半粘性材料(例えば、ハンダ付け用フラックス等)をプリント配線板又は半導体ウェハーのような電子基板12上に供給するために用いられる。代替的には、ディスペンサー10は、自動車ガスケット用材料を塗布する等の他の応用形態、又は或る特定の医療への応用形態において用いることができる。本明細書において用いられるような粘性材料又は半粘性材料を参照することは例示であり、限定することを意図してないことは理解されたい。ディスペンサー10は、全体としてそれぞれ14及び16で示される第1及び第2の供給ユニット又はヘッドと、ディスペンサーの動作を制御するコントローラー18とを含む。2つの供給ユニットが示されるが、1つ又は複数の供給ユニットを設けることができることは理解されたい。
【0017】
また、ディスペンサー10は、基板12を支持する基部又は支持体22を有するフレーム20と、フレーム20に移動可能に結合され、供給ユニット14、16を支持し、かつ移動させる供給ユニットガントリ24と、例えば、校正手順の一部として供給された粘性材料の重量を測定し、重量データをコントローラー18に与える重量測定デバイス又は計量機26とを含むことができる。ディスペンサー10内で搬送システム(図示せず)、又は移動ビームのような他の移送機構を用いて、ディスペンサーに対する基材の給排送を制御することができる。コントローラー18の制御下にあるモーターを用いて、ガントリ24を移動させて、基材上方の所定の場所に供給ユニット14、16を位置決めすることができる。ディスペンサー10は、コントローラー18に接続されユーザーに種々の情報を表示する表示ユニット28を含むことができる。供給ユニットを制御するのに、オプションの第2のコントローラーが存在する場合もある。また、各供給ユニット14、16を、供給ユニットが電子基材12の上方又は電子基材に取り付けられた特徴の上方で配置される高さを検出する、z軸センサーがあるように構成することができる。z軸センサーは、コントローラー18に結合されて、センサーが取得した情報をコントローラーに中継する。
【0018】
供給作業を実施する前に、上述したように、基材、例えば、プリント基板は、供給システムのディスペンサーに整列されるか又はその他の方法で位置合わせされた状態になければならない。ディスペンサーは、ビジョンシステム30を更に含み、ビジョンシステム30は、ビジョンシステムを支持し移動させるためのフレーム20に移動可能に結合されたビジョンシステムガントリ32に結合される。述べたように、ビジョンシステム30は、基材上の基準として知られている目印の場所を検証するために使用される。位置特定されると、コントローラーは、供給ユニット14、16のうちの1つ又は双方の移動を操作して、電子基材上に材料を供給するようにプログラムすることができる。
【0019】
本開示のシステム及び方法は、基材、例えば回路基板上に、基材上に設けられた対象物の位置を位置成分及び角度成分の両方によって特定することにより、材料を供給することに関する。本明細書に提供されるシステム及び方法の説明は、ディスペンサー10の支持体22に支持される例示的な電子基材12(例えば、プリント基板)を参照する。一実施形態では、供給動作は、材料ディスペンサーを制御するために構成されたコンピューターシステムを含むことができるコントローラー18によって制御される。別の実施形態では、コントローラー18を、オペレーターが操作することができる。コントローラー18は、電子基材12の1つ又は複数の画像を取得するように視覚システムを移動させるように視覚システムガントリ32の移動を操作するために構成される。コントローラー18は、供給動作を行うように供給ユニット14、16を移動させるように供給ユニットガントリ24の移動を操作するように更に構成される。
【0020】
本開示のシステム及び方法の角度位置特定特徴は、特別な対象物の既知の幾何学的形状を使用し、それは、電子基材上に設けられた1つ又は複数の基準に関してその相対的な位置から導出される、x軸、y軸及びθ情報を提供する。一実施形態では、特別な対象物は、メガピクセルカメラのような、基材上に取り付けられる物品とすることができる。こうしたカメラは、通常、電子基材及びディスペンサーに関して向きを定めることが困難である特徴を含む。特に、こうしたカメラを用いることに関する1つの問題は、供給を必要とする領域がカメラに関して明確に定義されていない場合に、カメラ及び電子基材を供給ユニットと整列させることが困難であることである。例えば、供給領域がカメラに関して関連付けられていない場合、結果としての供給動作は非常に不正確である可能性があり、多くの場合、処理要件を満たさない可能性がある。
【0021】
一実施形態において、
図2に例示的な方法を示す。図示するように、対象物の角度の特徴の位置を特定することに基づいて材料を供給する方法を、全体として200に示す。
【0022】
図示するように、方法は202で開始する。204において、視覚システムを使用して、少なくとも1つの既知の基準の画像を取得する。大部分の用途では、基準は、電子基材のコーナーのような、基材又は担体の既知の位置に配置されており、2つの基準が配置されている。基準の位置は、ディスペンサーのコントローラーによって記憶される。
【0023】
206において、視覚システムを更に使用して、対象物の1つ又は複数の画像が取得される。或る特定の実施形態では、対象物は、タブのような特徴を有するカメラである。幾つかの実施形態では、カメラを、円形バレル又はリムのような、電子基材上に取り付けられた特徴に挿入することができる。挿入されるとき、電子基材に関する対象物の特徴の向きは未知である。基準と同様に、対象物の位置は、ディスペンサーのコントローラーによって記憶される。
【0024】
208において、コントローラーは、電子基材の基準の既知の位置及びディスペンサーの供給ユニットの位置に対する対象物の特徴の位置に基づいて、対象物の向きを求める。対象物の向きが既知となると、供給を必要とする領域、例えば対象物の特徴の間の領域を求めることができる。
【0025】
210において、供給動作が行われる。一実施形態では、エポキシ樹脂のような材料が、カメラのタブの間でカメラとバレルの内壁との間の溝穴内に供給される。供給動作は、コントローラーの制御の下で行われる。
【0026】
212において、供給動作が材料の供給を完了すると、方法は終了する。
【0027】
図3は、電子基材300の一部の像を示す。図示するように、支持体302が、任意の適切な方法によって電子基材300に取り付けられている。一実施形態では、支持体302は円形バレル又はリムであり、メガピクセルカメラのような対象物304を、それが支持体内に取り付けられるように受け入れるように構成される。図示するように、カメラ304は、円形本体306、3つの大きいタブ308、310、312及び1つの小さいタブ314を含み、タブの各々は本体の周辺部を越えて延在している。カメラ304が、バレル302内に挿入され、接着剤又はエポキシ樹脂のような適切な接着剤によって電子基材300に固定されるという構成である。
【0028】
カメラ304は、挿入されるとき、バレル302及び電子基材300に関して向きが定められていない。したがって、カメラ304のタブ308、310、312、314は、バレル302及び基板300に対してランダムに向けられる。カメラ304を電子基材300に固定するとき、組付け材料(例えば、接着剤)が、カメラ302の本体306の外面と、カメラのタブ308、310、312、314と、バレルの内面との間に画定された溝穴316、318、320、322に供給される。本開示のシステム及び方法は、ディスペンサーの供給ユニットが溝穴内に材料を供給するのを可能にするように設計され、溝穴は、バレル302及び電子基材300に関してランダムに向けられている。
【0029】
図4〜
図8は、本開示の方法の角度位置特定コマンドを実行するために用いられる例示的なユーザーインターフェースのスクリーンショットである。図示するように、
図4を参照すると、角度位置特定特徴を含むグラフィカルユーザーインターフェース400が提供されている。角度位置特定基準を教示し弧を関連付けるサブプログラムを確立することができ、それはメインプログラムによって呼び出すことができる。コマンドメニューから、角度位置特定コマンドが選択される。
【0030】
図5を参照すると、グラフィカルユーザーインターフェース500で基準を選択するように指示されたとき、オペレーター又はコントローラーは、所定ファイル(例えば、C:\CamFiles\SpecialFids)に進み、CamFidコマンドを選択する。そして、オペレーター又はコントローラーは、表示装置上の十字線を用いることによって、ガントリを寸動させて対象物(例えば、カメラ)の中心に視覚システムの中心を置く。
【0031】
図6を参照すると、グラフィカルユーザーインターフェース600に関して、オペレーター又はコントローラーは、角度位置特定コマンドをダブルクリックすることにより、コマンドグリッドを選択する。
【0032】
図7を参照すると、グラフィカルユーザーインターフェース700に関して、オペレーター又はコントローラーは、次に、角度位置特定画面上の検出及び整列ボタンをクリックする。この動作により、モデルの基準x軸、y軸及びθ角が決まる。検出及び整列ボタンを押すことにより、オペレーター又はコントローラーは、インタフェースにおいてこれらの基準点を埋める。或る特定の実施形態では、これらの特別なモデルに対する検索スコアは、通常、70台の範囲にあることが留意されるべきである。対話モデルを使用している場合、その後、オペレーターは、「OK」を選択して押す。
【0033】
図8を参照すると、グラフィカルユーザーインターフェース800に関して、角度位置特定ダイアログが完了したとき、コマンドグリッドのθフィールドが弧の位置ロケーションで埋められていることが留意されるべきである。そして、オペレーター又はコントローラーは、引き続き弧コマンドを追加する。
【0034】
図9を参照すると、向きが定められると、基材900及びディスペンサーの供給ユニットに関して対象物904の正確な向きを表すように、対象物の上にボックスが表示される。ボックス924は、支持体902及び電子基材900に対する対象物904の適切な向きを表す。適切に向けられると、供給動作を行うことができ、対象物904、例えばカメラの隣接するタブ908、910、912、914の間の空間916、918、920、922に材料が供給される。基材に対してランダムな向きを有する他の任意の対象物が、本明細書に開示する方法を行う候補となる。例えば、担体にあるサブアセンブリ(例えば、100余りのユニット)であるチップ、カバー、小型スイッチ及び他のデバイスに対し、本明細書に開示する方法を用いることによって向きを定め、その上に供給を行うことができる。
【0035】
コンピューターシステムは、コンピューターシステム内に含まれるハードウェア素子の少なくとも一部を管理するオペレーティングシステムを含むことができる。通常、プロセッサ又はコントローラーがオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、例えば、Microsoft社から市販される、Windows NT、Windows2000(Windows ME)、Windows XP又はWindows Vistaオペレーティングシステムのような、Windowsベースのオペレーティングシステム、Apple Computer社から市販されるMAC OS System Xオペレーティングシステム、数多くのLinuxベースのオペレーティングシステム配布のうちの1つ、例えば、Red Hat Inc.社から市販されるEnterprise Linuxオペレーティングシステム、Sun Microsystems社から市販されるSolarisオペレーティングシステム、又は種々の販売元から市販されるUNIXオペレーティングシステムとすることができる。数多くの他のオペレーティングシステムを用いることもでき、本明細書において開示される実施形態は、任意の特定の実施態様に限定されることは意図していない。
【0036】
プロセッサ及びオペレーティングシステムは合わせて、高級プログラミング言語においてアプリケーションプログラムを書くことができるコンピュータープラットフォームを定義する。これらのコンポーネントアプリケーションは、実行可能コード、中間コード、例えば、C−、バイトコード又はインタープリターコードとすることができ、そのコードは通信プロトコル、例えば、TCP/IPを用いて、通信ネットワーク、例えば、インターネットを介して通信する。同様に、本開示による態様は、.Net、SmallTalk、Java、C++、Ada又はC#(C-Sharp)のようなオブジェクト指向プログラミング言語を用いて実施することもできる。他のオブジェクト指向プログラミング言語を用いることもできる。代替的には、関数型プログラミング言語、スクリプトプログラミング言語又は論理プログラミング言語を用いることができる。
【0037】
さらに、本開示による種々の態様及び機能は、非プログラム環境、例えば、ブラウザプログラムのウインドウにおいて視認されるときに、グラフィカルユーザーインターフェースの態様を描画するか、又は他の機能を実行する、HTML、XML又は他のフォーマットにおいて作成された文書において実施することができる。さらに、本開示による種々の実施形態は、プログラム式要素又は非プログラム式要素、又はその任意の組み合わせとして実現することができる。例えば、ウェブページはHTMLを用いて実施される場合があり、一方、ウェブページ内から呼び出されたデータオブジェクトはC++で書くことができる。したがって、本開示は、特定のプログラミング言語には限定されず、任意の適切なプログラミング言語を用いることもできる。
【0038】
本明細書に記載したシステム及び方法を、メガピクセルカメラ以外の対象物に対して行うことができることが留意されるべきである。例えば、本方法を、電子基材に取り付けられた任意のタイプの電子構成要素に対して行うことができる。対象物の幾何学的形状は、本方法を行う前に既知であるべきである。
【0039】
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態の幾つかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更及び改善が容易に思い浮かぶことは理解されたい。そのような改変、変更及び改善は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の趣旨及び範囲内にあることを意図している。したがって、これまでの説明及び図面は一例にすぎない。
【符号の説明】
【0040】
10 ディスペンサー
12 電子基板
14 供給ユニット
16 供給ユニット
18 コントローラー
20 フレーム
22 支持体
24 供給ユニットガントリ
26 計量機
28 表示ユニット
30 ビジョンシステム
32 視覚システムガントリ
300 電子基材
302 カメラ
304 カメラ
306 本体
308 タブ
310 タブ
312 タブ
314 タブ
316 溝穴
318 溝穴
320 溝穴
322 溝穴
400 グラフィカルユーザーインターフェース
500 グラフィカルユーザーインターフェース
600 グラフィカルユーザーインターフェース
700 グラフィカルユーザーインターフェース
800 グラフィカルユーザーインターフェース
900 電子基材
902 支持体
904 対象物
908 タブ
910 タブ
912 タブ
914 タブ
916 空間
918 空間
920 空間
922 空間
924 ボックス