(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487326
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】外圧検知のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/148 20060101AFI20190311BHJP
A61M 3/02 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
A61M5/148
A61M3/02 124
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-536812(P2015-536812)
(86)(22)【出願日】2013年10月3日
(65)【公表番号】特表2015-532148(P2015-532148A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】US2013063228
(87)【国際公開番号】WO2014058703
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2016年9月6日
(31)【優先権主張番号】13/648,330
(32)【優先日】2012年10月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508185074
【氏名又は名称】アルコン リサーチ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】シーン マッデン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー ピー.ソレンセン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー エス.レイサー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジェイ.ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント エー.バクスター
【審査官】
小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−519509(JP,A)
【文献】
米国特許第06491661(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0285986(US,A1)
【文献】
特開平07−171213(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/135071(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 3/02
A61M 5/148
A61M 3/02
A61F 9/007
A61M 1/00
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用コンソールであって、
圧搾板と、
力センサを備える圧力センサモジュールと、を備え、
前記圧搾板が、前記圧力センサモジュールに対して移動するように構成され、
前記圧力センサモジュールが、前記圧力センサモジュールと前記圧搾板との間の可撓性容器によって、前記圧力センサモジュールに及ぼされる力を測定するように構成され、前記力が、前記可撓性容器と関連する圧力を判定するために使用され、
前記圧力センサモジュールが、バッグ接触板であって、前記可撓性容器と接触する第1側面と、前記バッグ接触板の前記第1側面とは反対側の第2側面とを備えるバッグ接触板を備え、
前記力センサが、前記バッグ接触板の前記第2側面によって前記力センサに及ぼされる力を測定し、前記バッグ接触板からの前記力が、前記バッグ接触板の前記第1側面と前記圧搾板との間に位置する前記可撓性容器との接触から来る、外科用コンソール。
【請求項2】
前記可撓性容器と関連付する圧力が、少なくとも前記測定された力、および前記可撓性容器と前記バッグ接触板との間の接触面積の大きさを使用して判定される、請求項1に記載の外科用コンソール。
【請求項3】
前記圧力センサモジュールが、前記第1側面と前記第2側面との間の前記バッグ接触板の一端上にヒンジをさらに備え、
前記圧搾板と前記バッグ接触板との間に位置する前記可撓性容器によって力が前記バッグ接触板に及ぼされるとき、前記バッグ接触板が前記ヒンジに対して旋回するにつれて、前記力センサが、前記バッグ接触板によって前記力センサに及ぼされる力を測定するように配置される、請求項1に記載の外科用コンソール。
【請求項4】
前記圧力センサモジュールが、少なくとも一つの追加の力センサを、前記追加の力センサにかかる力を前記バッグ接触板の前記第2側面により測定するために、備える、請求項1に記載の外科用コンソール。
【請求項5】
前記力センサが、容量センサを備える、請求項1に記載の外科用コンソール。
【請求項6】
前記力センサが、前記圧搾板と前記バッグ接触板に対して固定される、請求項1に記載の外科用コンソール。
【請求項7】
外科用システムであって、
圧搾板と、
力センサを備える圧力センサモジュールであって、前記圧搾板が、前記圧搾板と前記圧力センサモジュールとの間の洗浄バッグを圧縮するように構成される、圧力センサモジュールと、
洗浄ラインであって、前記洗浄バッグからの流体が前記洗浄ラインを通してハンドピースに流れるように、前記ハンドピースに連結されるように構成される、洗浄ラインと、を備え、
前記圧力センサモジュールは、前記圧力センサモジュールと前記圧搾板との間の洗浄バッグにより前記圧力センサモジュールに力を及ぼされる力を測定するよう構成され、
前記力は、前記洗浄バッグと関連する圧力を判定するために使用され、
前記圧力センサモジュールは、バッグ接触板であって、前記洗浄バッグと接触する第1側面と、前記バッグ接触板の前記第1側面とは反対側の第2側面とを有するバッグ接触板を備え、
前記力センサは、前記バッグ接触板の第2側面によって前記力センサに及ぼされる力を測定し、
前記バッグ接触板からの力は、前記バッグ接触板の前記第1側面と前記圧搾板との間に位置する前記洗浄バッグとの接触から来て、
前記外科用システムが、前記圧搾板の移動を制御して、前記洗浄バッグからのおよび前記洗浄ラインへの洗浄液の流れを制御するために、前記圧力センサモジュールによって測定された圧力を、所定の最大圧力と比較するように構成される、外科用システム。
【請求項8】
前記洗浄ラインに連結された別個の洗浄圧力センサをさらに備え、前記外科用システムが、前記圧力センサモジュールによって測定された圧力を、前記別個の洗浄圧力センサによって測定された前記圧力と比較する、請求項7に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記力センサは、前記圧搾板と前記バッグ接触板に対して固定される、請求項7に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、圧力検出に関する。より具体的には、限定としてではないが、本発明は、可撓性容器の外部表面上に対する圧力を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用システムは、手術中に身体部分に洗浄を行うために使用され得る。例えば、眼科手術用システムは、白内障除去手術中に、目に洗浄を行うために使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
種々の実施形態において、加圧洗浄を供給するためのデバイスは、圧搾板および圧力センサモジュールを含んでもよい。圧搾板は、圧力センサモジュールに対して移動し、圧搾板と圧力センサモジュールとの間の可撓性容器(例えば、洗浄液バッグ)を加圧するように構成されてもよい。圧力センサモジュールは、圧力が圧搾板から可撓性容器に加えられるときに可撓性容器によって圧力センサモジュールに及ぼされる力を測定する、力センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、圧力センサモジュールは、バッグ接触板を含んでもよく、力センサは、バッグ接触板と圧搾板との間に位置する可撓性容器によってバッグ接触板に及ぼされる力を測定することができる。
【0004】
いくつかの実施形態において、圧力センサモジュールはバッグ接触板の一端上にヒンジを含んでもよく、圧搾板とバッグ接触板との間に位置する可撓性容器によって力がバッグ接触板に及ぼされるとき、バッグ接触板がヒンジに対して旋回するにつれてバッグ接触板によって力センサに及ぼされる力を測定するように、力センサが配置されてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態において、圧力センサモジュールは、2つ以上の力センサを、可撓性容器に接触するバッグ接触板の側面とは反対側の、バッグ接触板の側面に位置するように含んでもよい。力センサからの出力は、圧力センサモジュールに対する相対的力を判定するために、例えば、加算され、平均化され、または比較されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、力センサは、可撓性容器に接触する容量センサを含んでもよい。いくつかの実施形態において、(2つ以上の容量センサを含んでもよい)容量センサアレイは、(可撓性容器のいくつかの部分が、容量センサアレイの種々のセンサに接触するように)可撓性容器に接触して設けられてもよい。
【0007】
他の力センサもまた企図される。例えば、力センサは、可撓性容器に接触するように構成される面を有するスタイラスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、圧力センサモジュールは、膜および内部ロードセルを含んでもよく、流体が膜を内部ロードセルから隔離し、その結果、膜に及ぼされる力が流体を通して内部ロードセルに伝達される。いくつかの実施形態において、流体で満たされたバッグが、可撓性容器からの力を膜上に分配するために、膜と可撓性容器との間に設けられてもよい。
【0008】
種々の実施形態において、可撓性容器と関連する圧力を測定する方法は、圧搾板と圧力センサモジュールとの間に可撓性容器を設けることと、可撓性容器に圧力をかけるために、圧搾板と圧力センサモジュールとのうちの少なくとも1つを移動させることと、圧力センサモジュール上の力センサを通して可撓性容器上の圧力を測定することと、を含んでもよい。
【0009】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ある実施形態による、圧力センサモジュールと圧搾板との間の可撓性容器を図示する。
【
図2】a〜bは、種々の実施形態による、圧力センサモジュールを図示する。
【
図3】ある実施形態による、ヒンジで連結されたバッグ接触板を備えた圧力測定システムを図示する。
【
図4】a〜bは、ある実施形態による、複数の力センサを備えたバッグ接触板を有する圧力測定システムを図示する。
【
図5】a〜bは、ある実施形態による、容量センサアレイを備えた圧力測定システムを図示する。
【
図6】a〜bは、ある実施形態による、可撓性容器に接触するスタイラスを用いるロードセルを備えた圧力測定システムを図示する。
【
図7】a〜bは、ある実施形態による、膜を有する圧力トランスデューサーを備えた圧力測定システムを図示する。
【
図8】ある実施形態による、圧力トランスデューサー膜と可撓性容器との間に追加の圧力分配バッグを備えた圧力測定システムを図示する。
【
図9】ある実施形態による、可撓性容器と関連する圧力を測定するための方法のフローチャートを図示する。
【
図10】ある実施形態による、圧力測定システムを図示する。
【
図11】圧力センサモジュールを内蔵する流体工学管理システムを図示する。
【0011】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することが意図されていると理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、圧力センサモジュール101と圧搾板105との間の可撓性容器103の、ある実施形態を図示する。種々の実施形態において、外科用コンソール100(例えば、眼科外科用コンソール)は、(例えば、これによって参照によりその全体があたかも本明細書に十分かつ完全に記載されたかのように組み込まれる、2009年5月20日に出願された、Daniel J.Wilsonによる米国特許第7,806,865号、米国出願第12/469,354号に記載されるように)外科手術中に、(目などの)身体部分の加圧洗浄を行うために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、加圧されたシステムは、圧搾板105および圧力センサモジュール101を含んでもよい。圧搾板105は、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間の可撓性容器103(例えば、BSS(商標)(Balanced Salt Solution)などの洗浄液バッグ)を加圧するために、圧力センサモジュール101に対して移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、圧搾板105は、剛体材料(例えば、硬質プラスチック、金属など)を含んでもよく、または可撓性材料(米国特許第7,806,865号に記載されたフレキシブルバンドなど)を含んでもよい。圧搾板105は、可撓性容器103を圧縮するために、可撓性容器103の少なくとも一部分に接触する表面を提供してもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器103と圧搾板105との間の接触面積が判定され、コンソール内に記憶されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、圧搾板105は、(電動機(例えば、ステッピングモータ)、空気圧シリンダ、電磁石などの)アクチュエータ113によって移動させられてもよい。いくつかの実施形態において、圧搾板105は、流体工学管理システム1005によって制御されるステッピングモータまたは電磁石を使用して、制御された速度で、押圧され/引っ張られてもよい(例えば、
図10を参照)。いくつかの実施形態において、流体工学管理システムは、(例えば、圧力センサモジュール101を通して判定されるような)可撓性容器103の判定された圧力を使用して、圧搾板105の移動を制御してもよい。例えば、圧搾板の移動の速度が減速する、停止する、または逆転して、可撓性容器103における圧力を減圧してもよく、または圧搾板の移動の速度が増して、可撓性容器103の圧力を増圧してもよい。圧搾板の移動の速度は、可撓性容器103の所望の圧力が、圧力センサモジュール101によって測定されたときに維持されてもよい。
【0014】
図2a〜bは、圧力センサモジュール101の種々の実施形態(モジュールの具体的な実施形態は、101a、101bなどと示されるが、モジュールは概して「101」と称される)を図示する。圧力センサモジュール101aは、圧力が圧搾板105から可撓性容器103にかけられるとき、可撓性容器103によって圧力センサモジュール101aに及ぼされる力を測定するための1つ以上の力センサ107(例えば、力センサ107a、bなど)を含んでもよい。種々の実施形態において、力センサは、患者の流体経路の外側にあってもよい(したがって、流体システムに対して侵襲性はない)。力センサは、ロードセル(例えば、ひずみゲージロードセルまたは油圧もしくは空気圧式ロードセル)、圧電性結晶センサなどを含んでもよい。
図2aに見られるように、いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101aはバッグ接触板109を含んでもよく、力センサ107aは、バッグ接触板109と圧搾板105との間に位置する可撓性容器103によってバッグ接触板109に及ぼされる力を測定してもよい。可撓性容器103とバッグ接触板109との間の接触面積および力センサ107aによって測定される力を使用して、可撓性容器103と関連する圧力が(例えば、圧力=力/面積によって)判定されてもよい。可撓性容器と関連する圧力は、可撓性容器内部の圧力と同一である圧力、可撓性容器内部の圧力に比例する圧力であってもよく、または、可撓性容器内部の圧力に相関させられた圧力を含んでもよい(例えば、測定された圧力センサモジュールの圧力は、(例えば、制御されたモデリング実施において)既知の可撓性容器圧力に関して記録されてもよく、この相関を使用して、実際の使用中に、圧力センサモジュールからの測定された圧力に基づき、実際の可撓性容器の圧力を概算してもよい)。
図2bに見られるように、いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101bは、バッグ接触板109を含まないことがある。いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101bは、可撓性容器103上の種々の点で力を測定する力センサアレイ111において、1つ以上の力センサ107a、bを含んでもよい。
【0015】
図3は、ヒンジで連結されたバッグ接触板109を備える圧力測定システム(外科用コンソール100の一部上に示される)のある実施形態の切り取り図である。いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101は、バッグ接触板109の一端上にヒンジ301を含んでもよく、また力センサ107a(例えば、ロードセル)は、圧搾板105とバッグ接触板109との間に位置する可撓性容器103によって力がバッグ接触板109上に及ぼされるとき、バッグ接触板109がヒンジ301に対して旋回するにつれてバッグ接触板109によって力センサ107aに及ぼされる力を測定するように配置されてもよい。いくつかの実施形態において、ヒンジは、バッグ接触板109を固定ロッドに対して回転させることができるバッグ接触板109の中空円筒部分の中心を通して、(例えば、外科用コンソール100に対して固定される)固定ロッドを含んでもよい。他のヒンジ構成も企図される。いくつかの実施形態において、力センサ107aに及ぼされる力は、力センサ107aの真上にあるバッグ接触板109の面積より大きい面積に及ぶ可撓性容器103の間の接触面積によって生じてもよい(可撓性容器とバッグ接触板との間のより大きな接触面積は、力センサ107aから測定された力に基づき、可撓性容器の圧力を判定することにおいて説明されてもよい(例えば、可撓性容器の圧力=力センサ107aからの測定された力×2(力の半分がヒンジを通過するため)/可撓性容器とバッグ接触板109との間の接触面積))。他の計算が使用されてもよい(例えば、圧力の等式は、ヒンジに対する力センサ107aの位置、(可撓性容器とバッグ接触板との間の)接触面積とバッグ接触板の中心との間の距離などを考慮するために変化してもよい)。いくつかの実施形態において、例えば、バッグ接触板、可撓性容器、および力センサの複雑な配置を伴う場合、可撓性容器圧力対測定された力がモデル化されてもよい(例えば、いくつかの既知の可撓性容器圧力およびそれらの、結果としてもたらされる力の検出を使用して、測定された力を可撓性容器圧力に関連付ける等式(またはチャート)を形成する)。
【0016】
図4a〜bは、(例えば、複数の力センサ107a〜dを含む)力センサアレイ111aを有するバッグ接触板109を備えた圧力測定システム(外科用コンソール100の一部上に示される)の、ある実施形態を図示する。いくつかの実施形態において、載置板121が、外科用コンソール100にバッグ接触板109を載置するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101は、2つ以上の力センサ107を、可撓性容器103に接触するバッグ接触板109の側面とは反対側の、バッグ接触板109の側面に位置するように含んでもよい。センサアレイ111a上の力センサ107a〜dからの出力は、圧力センサモジュール101に対する相対的力を判定するために、例えば、加算され、平均化され、または比較されてもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器の圧力を判定するために、各センサ107上の測定された力はまとめて加算されてもよく、その総計がバッグ接触板109の面積によって除されてもよい。上述のように、いくつかの実施形態において、測定された力および可撓性容器内の対応する圧力を関連付ける等式(またはチャート)が、(既知の圧力およびそれらの結果としてもたされる力に基づき)モデル化されてもよい。
【0017】
図5a〜bは、力センサアレイ111b(例えば、容量センサアレイを含む)を備えた圧力測定システム(外科用コンソール100の一部上に示される)のある実施形態を図示する。いくつかの実施形態において、力センサ107は、可撓性容器103に接触するように配置されたアレイ111bにおける1つ以上の容量センサを含んでもよい。他のセンサのタイプ(例えば、導電性ポリマ)も企図される。いくつかの実施形態において、容量センサアレイ111bは、(可撓性容器103のいくつかの部分が、容量センサアレイ111bの種々のセンサ107に接触するように)可撓性容器103に接触して設けられてもよい。いくつかの実施形態において、載置板123が、アレイ111bを外科用コンソール100に載置するために使用されてもよい。容量センサアレイ111b上の容量センサからの出力は、圧力センサモジュール101に対する相対的力を判定するために、例えば、加算され、平均化され、または比較されてもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器の圧力を判定するために、容量センサ上の測定された力はまとめて加算されてもよく、その総計がバッグ接触板109の面積によって除されてもよい。上述のように、いくつかの実施形態において、測定された力および可撓性容器内の対応する圧力を関連付ける等式(またはチャート)が、(既知の圧力、および測定されたそれらの結果としてもたらされる力に基づき)モデル化されてもよい。他の力センサ107および力センサの配置も企図される。
【0018】
いくつかの実施形態において、
図6a〜bに見られるように、圧力センサモジュール101cは、可撓性容器103に接触するように構成された面を有するスタイラス601を備えた、力センサ107を含んでもよい。スタイラス601は、付勢された、力に反応して移動する機械的に移動可能な物体(例えば、レバー、ボタン、リードなど)であってもよい。運動の度合いは作用力に比例し得る。スタイラス601は露出していてもよく(例えば、可撓性容器103に直接接触するリードまたはレバー)、またはスタイラス601を保護するが、外力を(例えば、可撓性容器103からスタイラスに)伝達する(膜などの)可撓性被膜によって被覆されてもよい。いくつかの実施形態において、スタイラスは、直径およそ0.5インチ(約1.27cm)の可撓性の円形の平面を備えた可撓性被膜を含んでもよい。他の直径および形状(例えば、およそ0.1〜1インチ(約0.25cm〜約2.54cm)の直径範囲、およそ1インチ〜5インチ(約2.54cm〜約12.7cm)の直径範囲など)も企図される。いくつかの実施形態において、バッグ圧力は、スタイラスまたは被膜上に出力される力に比例してもよい(それは、少なくとも部分的にスタイラス面積(またはスタイラスに接触する可撓性被膜の面積)に依存し得る)。上述のように、いくつかの実施形態において、圧力は、力センサ107を通して測定された力を判定し、バッグの実際の圧力(モデリングシナリオにおいて既知であり得る)と比較することによって、モデリングを通して判定されてもよい。等式またはチャートを、スタイラスまたは被膜上の実際の測定された力を使用してバッグ圧力を判定するために、実際の使用時に使用されるように開発することができる。
【0019】
図7a〜bに見られるように、圧力センサモジュール101は、膜125、およびロードセル127を含んでもよい。圧力センサモジュール101は、膜125を内部ロードセルから隔離する流体(液体など(例えば、水または油)、ゲル、空気など)を含んでもよく、その結果、膜125に及ぼされる力が流体を通して内部ロードセル上に分配される。いくつかの実施形態において、ロードセルはひずみゲージを含んでもよく、または油圧または空気圧式であってもよい(他のロードセルタイプも企図される)。
【0020】
図8に見られるように、流体で満たされたバッグ129は、可撓性容器から膜125にかかる圧力を分配するために、膜125と可撓性容器との間に設けられてもよい。例えば、可撓性容器103が(表面上のしわなどの)不均等な圧力点を有していた場合、バッグ129は、(例えば、可撓性容器におけるしわの一部またはすべてがセンサを押圧し、局所的に不正確な読取りを提供する代わりに)ロードセル上の不均等な圧力点から力を分配することができる。バッグは液体(例えば、水または油)、ゲル、空気などで満たされてもよい。バッグは、(例えば、接着剤を通して)膜125に連結されてもよく、または膜125の隣に緩やかに保持されてもよい。
【0021】
図9は、可撓性容器103と関連する圧力を測定する方法を図示する。フローチャートに提供された要素は例示説明にすぎない。種々の提供された要素が省略されてもよく、追加の要素が追加されてもよく、かつ/または種々の要素が以下に提供される順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0022】
901において、可撓性容器103は、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間に設けられてもよい。例えば、BSS(商標)溶液のバッグが、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間に、(例えば、
図3に見られるようなネックによって)吊り下げられてもよい。いくつかの実施形態において、可撓性容器は、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間に水平に置かれてもよい。他の配向および連結構成も企図される。
【0023】
903で、圧搾板105および圧力センサモジュール101のうちの少なくとも一方が、圧搾板105および圧力センサモジュール101のうちの他方に対して移動させられ、可撓性容器103に圧力を及ぼしてもよい。例えば、変位モータが、剛性圧搾板105を押圧して、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間の空間を減少させてもよい。別の例として、圧搾板105は、圧搾板105と圧力センサモジュール101との間の可撓性容器103を圧搾するために引っ張られ得る可撓性バンドであってもよい(例えば、米国特許第7,806,865号を参照)。
【0024】
905で、可撓性容器103の圧力が、圧力センサモジュール101上の力センサを通して測定されてもよい。力/圧力センサは、可撓性容器103の表面からの力を測定し、可撓性容器103の内部圧力を判定してもよい。
【0025】
図10に見られるように、いくつかの実施形態において、圧力測定システム1000は、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ1001)を含むか、またはこれらに連結されてもよい。プロセッサ1001は、単一の処理デバイスまたは複数の処理デバイスを含んでもよい。そのような処理デバイスは、マイクロプロセッサ、コントローラ(マイクロコントローラである場合もある)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械、論理回路、制御回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または操作指示に基づき信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意のデバイスであってもよい。プロセッサ1001に連結されたおよび/または埋め込まれたメモリ1003は、単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスであってもよい。そのようなメモリデバイスは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/またはデジタル情報を記憶する任意のデバイスであってもよい。プロセッサ1001が状態機械、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を介してその機能のうちの1つ以上を実現するとき、対応する動作命令を記憶するメモリ1003が、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を備えた回路の中に埋め込まれるか、またはその回路の外部にあってもよいことに留意されたい。メモリ1003は、図面と関連して図示され説明された要素のうちの少なくともいくつかと対応する動作命令を記憶してもよく、プロセッサ1001は、その動作命令を実行してもよい。
【0026】
図11は、圧力センサモジュール101を内蔵する流体工学管理システム1005を図示する。いくつかの実施形態において、流体工学管理システム1005は、圧力を(BSS(商標)洗浄バッグなどの)可撓性容器103にかける圧搾板105、および可撓性容器103の外部上の外圧を測定する圧力センサモジュール101を含む加圧洗浄システムを含んでもよい。可撓性容器103からの洗浄液は、管理ライン1107、洗浄圧力センサ1103、洗浄バルブ1105(例えば、3位置洗浄バルブ)、洗浄ライン1107、ハンドピース1115を通して流れ、スリーブ1109を通して目1111の中に流入してもよい。いくつかの実施形態において、流体工学管理システム1005は、洗浄ライン1107上の別個の洗浄圧力センサの替わりに、またはそれに加えて、圧力センサモジュール101からの圧力を使用してもよい。例えば、圧力センサモジュール101は、圧力センサモジュール101が所定の最大圧力を超えている可撓性容器103上の圧力を測定する場合、圧搾板105を停止させる、またはその速度を制限するために使用され得る冗長な、またはフェイルセーフな圧力センサを提供してもよい。いくつかの実施形態において、システム洗浄圧力(例えば、洗浄ラインにおける洗浄液の圧力および/またはハンドピース内の洗浄経路から患者の目に入る洗浄液の圧力)は、圧力センサモジュール101からの測定された圧力を使用して判定されてもよい。測定された圧力は、(システム洗浄圧力に対応し得る)所望のバッグ圧力を取得し維持する圧搾板を移動させるために、能動ステッピングモータ制御システムを制御するために使用されてもよい。圧力センサモジュール101からの圧力の他の使用(例えば、バッグが空またはほぼ空になった時を判定すること、バッグが存在しているかどうかを判定すること、洗浄圧力センサの読取りなどを確認するためになど)も企図される。
【0027】
いくつかの実施形態において、圧力センサモジュール101は、洗浄溶液の流量を判定するために使用されてもよい。例えば、圧力センサモジュール101からの圧力は、種々の流量に相関され、システムに(例えば、メモリ1003に)記憶されてもよく、それにより、動作中、圧力が測定されると 、対応する流量が、流体工学管理システム1005によって読み出され、使用され得る。流体は、チップ1113を通してハンドピース1115内に、吸引ライン1117を通してカセット1123内に吸引されることによって、流体工学管理システム1005に戻ってもよい。吸引された流体は、吸引圧力センサ1119を通して、(吸引のための吸引力を提供する)蠕動ポンプ1121内に、通気タンク1127内に、また排水バッグ1125内に流れてもよい。流体は、可変通気バルブが開いている場合(例えば、排気または浄化イベント中)、可変通気バルブ1133を通して流れてもよい。いくつかの実施形態において、洗浄液は、(例えば、浄化動作中に)洗浄バルブ1105から分路1131を通して流れてもよい。
【0028】
提示される実施形態に、当業者によって種々の変更がなされてもよい。本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮および本明細書に開示される本発明の実施から、当業者にとって自明となるであろう。本明細書および実施例は、例示としてのみ見なされることが意図され、本発明の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。