【実施例】
【0009】
図1は実施例における複合装置の構成を示す概略側断面図である。
図1において、複合装置1は、例えば画像形成装置100と、画像読取装置101とを備えたものである。
画像形成装置100は、媒体収容部に収容された媒体を給紙し、給紙した媒体に現像剤像を形成するものである。
【0010】
画像読取装置101は、媒体としての原稿を画像読取センサ等の画像読取部で読取り、原稿の画像データを生成するものである。
複合装置1は、例えば画像読取装置101で読み取った原稿の画像データを生成し、生成された画像データに基づいて画像形成装置100で媒体に原稿の現像剤像を形成する。
【0011】
図2は実施例における画像読取装置の外観斜視図である。
図2において、画像読取装置101は、媒体給送ユニット102と、フラットベッドユニット103とを有している。
【0012】
媒体給送ユニット102は、原稿載置部に載置された原稿を1枚ずつ給紙して搬送するものである。この媒体給送ユニット102の詳細な構成は、後述する。
【0013】
フラットベッドユニット103は、載置台に載置された原稿を画像読取部で読み取るものである。フラットベッドユニット103には、媒体給送ユニット102が回動可能に軸支されて取り付けられている。また、フラットベッドユニット103には、ユーザが入力操作等を行う操作パネル104が設けられている。なお、操作パネル104は、画像読取装置101の前面側に設けられている。
【0014】
このように、画像読取装置101は、フラットベッドユニット103に対して開閉自在な媒体給送ユニット102を有している。
【0015】
図3は実施例における媒体給送ユニットの構成を示す概略側断面図である。
図3において、媒体給送ユニット102は、原稿トレイ201と、給紙ローラ203と、搬送ローラ204と、第1セパレータ205と、第1反転ローラ206と、レジストローラ207と、ガラス面208と、画像読取部209と、スキャンローラ210と、第2セパレータ211と、排出ローラ212と、積載部213と、第2反転ローラ214と、開閉カバー215と、開閉カバー開閉検知センサ221と、給紙ローラ移動機構230とを有している。
【0016】
原稿載置部としての原稿トレイ201は、読み取る媒体としての原稿を載置する原稿載置部である。
給紙ローラ203は、原稿トレイ201に載置された原稿202を1枚ずつ給紙、搬送するものである。
搬送ローラ204は、給紙ローラ203によって搬送された原稿を原稿搬送路に沿って搬送するものである。
【0017】
第1セパレータ205は、原稿の片面を読み取る片面読取りまたは原稿の両面を読み取る両面読取りに応じて搬送ローラ204で搬送された原稿の原稿搬送路を切り替えるものである。
第1反転ローラ206は、搬送ローラ204によって搬送された原稿の搬送および両面読取り時に原稿の搬送方向の切替えを行うものである。
【0018】
レジストローラ207は、第1反転ローラ206によって搬送された原稿の斜行補正を行うものである。
ガラス面208は、搬送された原稿が接触するものであり、光を透過するものである。
画像読取部209は、ガラス面208に接触する原稿の画像を読み取る画像読取センサ等である。
【0019】
スキャンローラ210は、画像読取部209で画像が読み取られた原稿を搬送するものである。
第2セパレータ211は、片面読取りまたは両面読取りに応じてスキャンローラ210で搬送された原稿の原稿搬送路を切り替えるものである。
排出ローラ212は、画像の読取が完了し、スキャンローラ210で搬送された原稿を排出するものである。
【0020】
積載部213は、排出ローラ212によって排出された原稿を積載するものである。
第2反転ローラ214は、両面読取り時に第1の面を読み取った原稿の搬送方向を切り替えるものである。
カバー部材としての開閉カバー215は、媒体給送ユニット102に対して開閉自在に設けられ、原稿が原稿搬送路内で停止した際等、その原稿を取り除く場合、ユーザの操作により原稿搬送路を開放するものである。
【0021】
第2の検知部としての開閉カバー開閉検知センサ221は、開閉カバー215の開閉状態を検知するセンサである。
移動機構としての給紙ローラ移動機構230は、給紙ローラ203を原稿トレイ201に載置された媒体202に当接させた給紙位置、また給紙ローラ203を原稿トレイ201から離間させた待機位置へ移動させるものである。
【0022】
図4は実施例における給紙ローラ移動機構の構成を示す概略側断面図である。
図4において、給紙ローラ移動機構230は、給紙ローラ203と、ピックアップフレーム231と、トルクリミッタ232と、モータ233と、開閉カバー215に形成された突き当て部234とを有している。
【0023】
ピックアップフレーム231は、
図3に示す媒体給送ユニット102のフレームに支持された回転軸231aを中心に図中矢印が示す方向に回動可能に設けられ、自由端側に給紙ローラ203を回転可能に支持するものである。このピックアップフレーム231を回動させることにより、給紙ローラ203を原稿トレイ201に載置された媒体202に当接させ、または給紙ローラ203を原稿トレイ201から離間させることができるようになっている。
【0024】
トルクリミッタ232は、回転軸231aに設けられ、所定の押圧力を超えて給紙ローラ203を媒体202に当接させること、または突き当て部234に当接した状態で回転されることを抑制するものである。
モータ233は、ピックアップフレーム231を回動させる起動源である。
【0025】
突き当て部234は、ピックアップフレーム231を回動させて給紙ローラ203を原稿トレイ201から離間させた場合に、給紙ローラ203が突き当たるフレームである。
このように構成された給紙ローラ移動機構230は、制御部の制御により、給紙ローラ203を原稿トレイ201に載置された媒体202に当接させ、また原稿トレイ201から離間させることができる。
【0026】
図5は実施例における画像読取装置の構成を示す概略側断面図である。なお、
図5は画像読取装置101が画像形成装置100の本体に対して開いた位置にある状態を示している。
図5において、画像形成装置100は、画像読取装置101を開閉自在に支持するフレーム部としてのフレーム120を有している。
【0027】
画像読取装置101は、フレーム120に対して回転支点121を中心に回動可能に設けられ、フレーム120は複合装置1の画像形成装置100の本体に固定されている。
画像読取装置101のフラットベッドユニット103には、回転軸121aが設けられ、その回転軸121aはフレーム120に形成された孔121bに軸支されている。したがって、画像読取装置101は、回転軸121aを中心に、図中矢印C1が示す開方向または矢印C2が示す閉方向に回転自在に設けられている。
【0028】
また、媒体給送ユニット102は、フラットベッドユニット103に対して回転支点122を中心に回動自在に設けられている。
媒体給送ユニット102には、回転軸122aが設けられ、その回転軸122aはフラットベッドユニット103に形成された孔122bに軸支されている。したがって、媒体給送ユニット102は、回転軸122aを中心に図中矢印C1が示す開方向または矢印C2が示す閉方向に回転自在に設けられている。
【0029】
回転軸121aの延伸方向と回転軸122aの延伸方向とは、略平行になるように配設されている。本実施例では、回転軸121aおよび回転軸122aは、例えば画像読取置101(複合装置1)の後面側に配設されているものとする。
【0030】
ここで、媒体給送ユニット102の重心Gは、媒体給送ユニット102が開位置にあるとき、回転軸122aを通る鉛直線122cよりも媒体給送ユニット102の開方向(図中矢印C1が示す開方向)における下流側(媒体給送ユニット102の自由端の反対側)に位置する。
【0031】
フラットベッドユニット103は、開閉検知部123と、係合部124とを有している。この開閉検知部123および係合部124は、媒体給送ユニット102の回転軸122aの反対側の端部と対向するフラットベッドユニット103の位置に設けられている。
【0032】
第1の検知部としての開閉検知部123は、フラットベッドユニット103に対する媒体給送ユニット102の開状態および閉状態並びにフレーム120に対するフラットベッドユニット103の開状態および閉状態を検知するセンサ等を有するものである。
【0033】
係合部124は、フレーム120に対して画像読取装置101のフラットベッドユニット103が開位置の状態にあるとき、媒体給送ユニット102に設けられた被係合部と係合するものである。
また、係合部124は、被係合部と係合したとき、フラットベッドユニット103と媒体給送ユニット102との間に所定の隙間を形成することができるように形成されている。
【0034】
図6は実施例における係合部の構成を示す側断面図である。なお、
図6は、
図7の実施例における画像読取装置の上面図における係合部124のAA矢視断面図である。
図6において、係合部124は、係合部材241と、リンク部材242と、付勢部材243と、開閉検知センサ247とを有している。
【0035】
係合部材241は、フラットベッドユニット103のフレームに支持された回転軸241aを中心に回動可能に設けられ、略コ字状に形成された部材である。係合部材241の第1の端部241bは、フラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102に形成された孔から媒体給送ユニット102の内部に入り込むように配設され、また第2の端部241cは、フラットベッドユニット103内に配設されたリンク部材と係合するように配設されている。
【0036】
リンク部材242は、フラットベッドユニット103内に、図中矢印B1およびB2で示す上下方向(フラットベッドユニット103と媒体給送ユニット102とが接近する矢印B1方向、またはフラットベッドユニット103と媒体給送ユニット102とが離間する矢印B2方向)に移動可能に支持されたものである。
【0037】
リンク部材242には、係合部材241の第2の端部241cと係合する第1の係合部241aおよび第2の係合部241bが形成されている。リンク部材242が、矢印B1方向に移動すると第1の係合部241aが係合部材241の第2の端部241cと係合し、矢印B2方向に移動すると第2の係合部241bが係合部材241の第2の端部241cと係合し、係合部材241を回転させる。
【0038】
付勢部材243は、フラットベッドユニット103とリンク部材242との間に設けられ、リンク部材242を矢印B2方向に付勢するバネ等である。
【0039】
リンク部材242は、
図5に示すフレーム120に配設された突起部125と当接すると付勢部材243の付勢力に抗して矢印B1方向に移動し、また突起部125と離間すると付勢部材243の付勢力により矢印B2方向に移動し、突き当て部245と当接することにより停止する。
【0040】
リンク部材242が付勢部材243により付勢され、突き当て部245と当接している状態では、係合部材241の第1の端部241bの凸部と、媒体給送ユニット102の凹部との間には距離d1が保持されている。
【0041】
開閉検知センサ247は、フラットベッドユニット103に設けられ、
図5に示す開閉検知部123を構成するものである。この開閉検知センサ247は、媒体給送ユニット102に形成された突起部246を検知する光学式センサ等である。
開閉検知センサ247は、その光軸247aと突起部246の先端との距離d2が、上述した距離d1より小さくなるように配置されている。
【0042】
従って、開閉検知センサ247は、媒体給送ユニット102に形成された突起部246を検知してフラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102が閉じられており、かつフレーム120に対してフラットベッドユニット103が閉じられていることを検知することができる。
【0043】
このように、所定距離d1は、開閉検知センサ247の光軸247aと突起部246の先端との距離d2より大きくなるように設定され、開閉検知センサ247が、媒体給送ユニット102がフラットベッドユニット103に対して開いたことを検知できる距離となっている。
【0044】
また、開閉検知センサ247は、突起部246を検知しないことによりフラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102が開けられたこと、またはフレーム120に対してフラットベッドユニット103が開けられたことを検知することができる。
【0045】
即ち、開閉検知部123は、
図5に示す画像読取装置101が開位置にあるとき、開閉検知センサ247によりフラットベッドユニット103に対する媒体給送ユニット102の開状態を検知する。
【0046】
図8は実施例における複合装置の制御構成を示すブロック図である。
図8において、複合装置1は、制御部10と、記憶部11とを有している。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段で構成され、記憶部11に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて画像読取装置101および画像形成装置100を制御し、複合装置1全体の動作を制御するものである。
【0047】
記憶部11は、複合装置1全体の動作を制御するための制御プログラムや各種制御処理を行う上で生じた情報を記憶するメモリ等で構成されたものである。
【0048】
制御部10は、画像読取装置101のフラットベッドユニット103の開閉検知部123からの出力信号により、フラットベッドユニット103に対する媒体給送ユニット102の開状態および閉状態、並びにフレーム120に対するフラットベッドユニット103、即ち画像読取装置101の開状態および閉状態を検知する。本実施例では、画像読取装置101が開位置にあるとき、開閉検知部123でフラットベッドユニット103に対する媒体給送ユニット102の開状態を検知し、制御部10は、開閉検知部123の検知結果に基づいて画像読取装置101および画像形成装置100を制御する。
【0049】
また、制御部10は、画像読取装置101の媒体給送ユニット102の開閉カバー開閉検知センサ221からの出力信号により、媒体給送ユニット102に対する
図3に示す開閉カバー215の開状態および閉状態を検知する。
【0050】
さらに、制御部10は、媒体給送ユニット102の給紙ローラ移動機構230を制御し、
図3に示す給紙ローラ203を原稿トレイ201に載置された媒体202に当接させた給紙位置、また原稿トレイ201から離間させた待機位置へ移動する制御を行う。本実施例では、制御部10は、画像読取装置101が開位置から閉位置へと移動したとき、給紙ローラ移動機構230を制御し、給紙ローラ203を待機位置に移動する制御を行う。また、制御部10は、
図3に示すカバー部材215が開位置から閉位置へと移動したことを開閉カバー開閉検知センサ221で検知したとき、給紙ローラ移動機構230を制御し、給紙ローラ203を待機位置に移動する制御を行う。
【0051】
なお、制御部10は、タイマ等の計時手段を備えている。
【0052】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像読取装置が行う原稿の片面読取り動作を
図9に基づいて説明する。
例えば、ユーザは、画像読取装置101を開位置から閉位置へと移動した後、原稿トレイ201に原稿を載置し、
図2に示す操作パネル104を操作して原稿の読取りの開始を指示するものとする。
【0053】
画像読取装置101が
図2に示す操作パネル104で原稿の読取りの開始を指示する操作を検出して原稿の読取り動作を開始すると、
図8に示す制御部10は、給紙ローラ移動機構230を制御して給紙ローラ203が原稿と離間している待機位置から原稿と当接する給紙位置へと移動させる。その後、給紙ローラ203が回転することにより、原稿トレイ201に積載された1枚の原稿202が、図中矢印が示す媒体搬送方向に搬送され、搬送ローラ204へ搬送される。
【0054】
給紙ローラ203により搬送された原稿は、搬送ローラ204、第1セパレータ205の上側、第1反転ローラ206を経由してレジストローラ207へ搬送され、到達する。
【0055】
レジストローラ207は原稿が到達した時点では回転を停止しており、搬送された原稿の先端がレジストローラ(対)207に突き当てられることで原稿の斜行が矯正される。
原稿の斜行が矯正されると、レジストローラ207が駆動されて回転を開始し、原稿をガラス面208へと搬送する。
【0056】
原稿がガラス面208に到達した際、画像読取部209により原稿に描かれた画像の読取が行われる。
画像が読み取られた原稿は、スキャンローラ210、第2セパレータ211の下側、排出ローラ212を経由して積載部213へ搬出される。
【0057】
次に、画像読取装置が行う原稿の両面読取り動作を
図10、
図11、
図12に基づいて説明する。
画像読取装置101が原稿の読取り動作を開始すると、
図10に示すように、給紙ローラ203が回転することにより、原稿トレイ201に積載された1枚の原稿202が、図中矢印が示す媒体搬送方向に搬送され、搬送ローラ204へ搬送される。
【0058】
給紙ローラ203により搬送された原稿は、搬送ローラ204、第1セパレータ205の下側を経由して、第1反転ローラ206へ搬送される。
【0059】
図11に示すように、搬送された原稿の後端が、第1反転ローラ206の媒体搬送方向における上流側に到達すると、第1反転ローラ206の回転が反転し、原稿はレジストローラ207へ搬送される。
【0060】
レジストローラ207は原稿が到達した時点では回転を停止しており、搬送された原稿の先端がレジストローラ(対)207に突き当てられることで原稿の斜行が矯正される。
原稿の斜行が矯正されると、レジストローラ207が駆動されて回転を開始し、原稿をガラス面208へと搬送する。
【0061】
原稿がガラス面208に到達した際、画像読取部209により原稿の第2面(例えば、裏面)に描かれた画像の読取が行われる。
第2面の画像が読み取られた原稿は、スキャンローラ210、第2セパレータ211の上側を経由して第2反転ローラ214へ搬送される。搬送された原稿の後端が、第2セパレータ211を通過すると、第2セパレータ211は原稿搬送路の切り替えを行う。
【0062】
図12に示すように、搬送された原稿の後端が、第2反転ローラ214の媒体搬送方向における上流側に到達すると、第2反転ローラ214の回転が反転し、原稿は第1セパレータ205の上側、第1反転ローラ206を経由してレジストローラ207へ搬送され、到達する。
【0063】
レジストローラ207は原稿が到達した時点では回転を停止しており、搬送された原稿の先端がレジストローラ(対)207に突き当てられることで原稿の斜行が矯正される。
原稿の斜行が矯正されると、レジストローラ207が駆動されて回転を開始し、原稿をガラス面208へと搬送する。
【0064】
原稿がガラス面208に到達した際、画像読取部209により原稿の第1面(例えば、おもて面)に描かれた画像の読取が行われる。
第1面の画像が読み取られた原稿は、スキャンローラ210、第2セパレータ211の下側、排出ローラ212を経由して積載部213へ搬出される。
【0065】
次に、画像読取装置および媒体給送ユニットが回動した際に、その開閉を検知する動作について
図13および
図14に基づいて説明する。なお、
図14は、
図7における係合部124のAA矢視断面図である。
【0066】
図13(a)は、画像読取装置101のフラットベッドユニット103が画像形成装置100の本体としてのフレーム120に対して閉塞した状態であり、かつ媒体給送ユニット102がフラットベッドユニット103に対して閉塞した状態を示している。
この状態では、媒体給送ユニット102の重心Gは、媒体給送ユニット102の回転軸122aを通る鉛直線122cより、媒体給送ユニット102の自由端側に位置する。
【0067】
したがって、媒体給送ユニット102は、自重によって回転軸122aを回転支点としてフラットベッドユニット103に接近する方向に回転する。
【0068】
このとき、
図14(a)に示すように、係合部124のリンク部材242は、突起部125と当接して図中矢印B1が示す方向に移動し、リンク部材242の第2の当接部242bが係合部材241の第2の端部241cと当接して係合部材241が、図中矢印D1が示す方向に回動する。回動した係合部材241の第1の端部241bは媒体給送ユニット102との係合を解除するとともに、フラットベッドユニット103内に収納される。
【0069】
開閉検知センサ247は、媒体給送ユニット102の突起部246を検知し、フラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102が閉じられており、かつフレーム120に対してフラットベッドユニット103が閉じられていることを検知する。
【0070】
このように、フレーム120に対してフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102が閉塞した状態では、係合部124による媒体給送ユニット102との係合が解除されているため、フラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102を開放する方向に回動することができる。
【0071】
図13(b)は、画像読取装置101のフラットベッドユニット103が画像形成装置100の本体としてのフレーム120に対して閉塞した状態であり、かつ媒体給送ユニット102がフラットベッドユニット103に対して開放された状態を示している。
この状態では、媒体給送ユニット102の重心Gは、媒体給送ユニット102の回転軸122aを通る鉛直線122cを挟んで媒体給送ユニット102の自由端の反対側に位置する。
【0072】
したがって、媒体給送ユニット102は、自重によって回転軸122aを回転支点としてフレーム120に対して閉塞したフラットベッドユニット103から離れるように回転する。
【0073】
このとき、
図14(b)に示すように、フラットベッドユニット103がフレーム120に対して閉塞した状態であるため、
図14(a)と同様に、係合部材241の第1の端部241bは媒体給送ユニット102との係合を解除した状態でフラットベッドユニット103内に収納されている。
【0074】
開閉検知センサ247は、媒体給送ユニット102の突起部246を検知せず、フラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102が開けられていることを検知する。
【0075】
次に、画像読取装置101のフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102が画像形成装置100の本体としてのフレーム120に対して閉塞した状態(
図13(a)に示す状態)からフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102をフレーム120に対して開放する動作を説明する。
【0076】
フレーム120に対してフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102を開放する方向に回動させると、媒体給送ユニット102の重心Gが媒体給送ユニット102の回転軸122aを通る鉛直線122cを挟んで媒体給送ユニット102の自由端側に位置する場合は、媒体給送ユニット102は、自重によって回転軸122aを回転支点としてフラットベッドユニット103に接近する方向に回転する。
【0077】
このとき、
図14(c)に示すように、係合部124のリンク部材242は、突起部125から離間して図中矢印B2が示す方向に移動し、リンク部材242の第2の当接部242bが係合部材241の第2の端部241cと当接して係合部材241が、図中矢印D2が示す方向に回動する。回動した係合部材241の第1の端部241bは媒体給送ユニット102内に収納される。
【0078】
この状態では、媒体給送ユニット102は、フラットベッドユニット103に接触するように配置されている。
【0079】
このように、フレーム120に対してフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102が開放された状態では、係合部124による媒体給送ユニット102との係合が行われるため、フラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102を開放する方向に回動することを係合部124で規制することができる。
【0080】
さらに、フラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102を回動させると、
図13(c)に示すように、画像読取装置101のフラットベッドユニット103および媒体給送ユニット102が画像形成装置100の本体としてのフレーム120に対して開放された状態となり、媒体給送ユニット102の重心Gは、媒体給送ユニット102の回転軸122aを通る鉛直線122cを挟んで媒体給送ユニット102の自由端の反対側に位置する。
【0081】
したがって、媒体給送ユニット102は、自重によって回転軸122aを回転支点としてフラットベッドユニット103から離れるように回転する。
【0082】
このとき、
図14(d)に示すように、フラットベッドユニット103内に収納されている係合部124の係合部材241の第1の端部241bの先端(凸部)は、媒体給送ユニット102の凹部と当接し、媒体給送ユニット102とフラットベッドユニット103との間に距離d1の隙間が形成される。
【0083】
このように、画像読取装置101が開位置にあるとき、係合部124の係合部材241は、媒体給送ユニット102がフラットベッドユニット103に対して所定距離d1だけ開いた位置で媒体給送ユニット102と係合する。
開閉検知センサ247は、媒体給送ユニット102の突起部246を検知しないため、フレーム120に対してフラットベッドユニット103が開放されていることを検知する。
【0084】
また、係合部124の係合部材241の第1の端部241bの先端(凸部)が媒体給送ユニット102の凹部と当接することにより、フラットベッドユニット103に対して媒体給送ユニット102が開放する方向に回動することを係合部124が規制する。
【0085】
このように、本実施例では、画像読取装置101の媒体給送ユニット102およびフラットベッドユニット103の開閉検知を1つの開閉検知センサ247で行うようにしたことにより、装置を大型化することなく複数のユニットの開閉状態を検知することができる。
【0086】
次に、複合装置が行う給紙ローライニシャル処理を
図15の実施例における給紙ローライニシャル処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って
図8および
図13を参照しながら説明する。なお、
図15(a)は開閉カバー215および媒体給送ユニット102またはフラットベッドユニット103が開状態から閉状態に変化したことを検知する開閉状態検知処理であり、
図15(b)は給紙ローライニシャル実行処理である。
【0087】
まず、開閉状態検知処理を
図15(a)に基づいて説明する。この開閉状態検知処理は所定の周期で起動される処理である。
【0088】
S1:複合装置1の制御部10は、画像読取装置101の開閉カバー開閉検知センサ221の出力信号がOFFからON、即ち開閉カバー215が開状態(OFF)から閉状態(ON)に変化したか否かを判定し、開状態から閉状態に変化したと判定すると処理をS2へ移行し、開状態から閉状態に変化していないと判定すると処理をS4へ移行する。
【0089】
S2:開閉カバー215が開状態(OFF)から閉状態(ON)に変化したと判定した制御部10は、画像読取装置101の開閉検知部123の出力信号がON、即ち媒体給送ユニット102およびフラットベッドユニット103が閉状態(ON)であるか否かを判定し、閉状態(ON)であると判定すると処理をS3へ移行し、開状態(OFF)であると判定すると処理をS1へ移行する。
【0090】
S3:制御部10は、給紙ローラ203のイニシャル動作を開始するまでの第1の待機時間を記憶部11に記憶し、処理をS7へ移行する。
【0091】
S4:一方、S1において、開閉カバー215が開状態(OFF)から閉状態(ON)に変化していないと判定した制御部10は、画像読取装置101の開閉検知部123の出力信号がOFFからON、即ち媒体給送ユニット102およびフラットベッドユニット103が開状態(OFF)から閉状態(ON)に変化したか否かを判定し、開状態から閉状態に変化したと判定すると処理をS5へ移行し、開状態から閉状態に変化していないと判定すると処理をS1へ移行する。
【0092】
S5:媒体給送ユニット102およびフラットベッドユニット103が開状態(OFF)から閉状態(ON)に変化したと判定した制御部10は、画像読取装置101の開閉カバー開閉検知センサ221の出力信号がON、即ち開閉カバー215が閉状態(ON)であるか否かを判定し、閉状態(ON)であると判定すると処理をS6へ移行し、開状態(OFF)であると判定すると処理をS1へ移行する。
【0093】
S6:制御部10は、給紙ローラ203のイニシャル動作を開始するまでの第2の待機時間を記憶部11に記憶し、処理をS7へ移行する。
【0094】
ここで、第2の待機時間は、第1の待機時間より短い期間とする。これは、開閉カバー215が開状態から閉状態に変化した場合、即ち開閉カバー215が閉じられた場合は、利用者によって開閉カバー215が再び開かれる等、直ぐに媒体給送ユニット102の操作が行われることがあるからである。
【0095】
S7:制御部10は、給紙ローラ203のイニシャル動作を行う必要がある旨の情報である給紙ローライニシャル動作要情報を記憶部11に記憶し、本処理を終了する。
【0096】
次に、給紙ローライニシャル実行処理を
図15(b)に基づいて説明する。
【0097】
S11:複合装置1の制御部10は、記憶部11に給紙ローライニシャル動作要情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されている、即ち給紙ローライニシャル動作要と判定すると処理をS12へ移行し、記憶されていないと判定すると本ステップを繰り返して行う。
【0098】
S12:記憶部11に給紙ローライニシャル動作要情報が記憶されていると判定した制御部10は、記憶部11から給紙ローライニシャル動作要情報を消去する。
【0099】
S13:制御部10は、
図15(a)のS3またはS6において記憶部11に記憶された第1の待機時間または第2の待機時間を読み出し、読み出した待機時間が経過するまで待機し、当該待機時間が経過したことを検知すると処理をS14へ移行する。
【0100】
S14:制御部10は、給紙ローラ移動機構230を制御し、給紙ローラ203を原稿トレイ201から離間させる給紙ローライニシャル動作を開始する。
【0101】
このように、制御部10は、画像読取装置101が開位置から閉位置へと移動した後、第1の所定時間(待機時間)が経過した後に、給紙ローラ203を待機位置に移動する制御を開始し、カバー部材215が開位置から閉位置へと移動した後、第1の所定時間より長い第2の所定時間が経過した後に、給紙ローラ203を待機位置に移動する制御を開始する。
【0102】
S15:制御部10は、給紙ローライニシャル動作が終了したか否かを監視し、終了したと判定すると処理をS16へ移行する。
【0103】
S16:給紙ローライニシャル動作が終了したと判定した制御部10は、当該給紙ローライニシャル動作中に
図15(a)の開閉状態検知処理で給紙ローライニシャル動作要情報が記憶部11に記憶されたか否かを判定し、記憶されたと判定すると処理をS14へ移行し、記憶されていないと判定すると処理S11へ戻す。
【0104】
ここで、給紙ローライニシャル動作中に、開閉カバー215が開状態から閉状態に変化し、かつ媒体給送ユニット102およびフラットベッドユニット103が閉状態の場合、または媒体給送ユニット102またはフラットベッドユニット103が開状態から閉状態に変化し、かつ開閉カバー215が閉状態の場合は、給紙ローラ203が原稿トレイ201に載置された媒体202から離間する可能性があるため、給紙ローライニシャル動作を再度行い、確実に給紙ローラ203を原稿トレイ201に載置された媒体202に当接させる。なお、このとき、待機時間をとることなく、直ぐに給紙ローライニシャル動作を開始する。
【0105】
このように、本実施例では、媒体給送ユニット102の開閉時の給紙ローラ203のイニシャル動作の制御における開閉検知からイニシャル動作までの待機時間を、開閉カバー215の開閉時の給紙ローラ203のイニシャル動作の制御における開閉検知からイニシャル動作までの待機時間よりも短くすることにより、媒体給送ユニット102を閉じた後、直ちにユーザによる原稿トレイ201への原稿の載置を可能にし、原稿の読取りを開始することができる。
【0106】
以上説明したように、本実施例では、画像読取装置のフラットベッドユニットに、媒体給送ユニットの開閉を検知する開閉検知部を設け、その開閉検知部で画像読取装置のフラットベッドユニットが開位置にあるとき、媒体給送ユニットの開を検知するようにしたことにより、1つの開閉検知部でフラットベッドユニットと媒体給送ユニットの開閉を検知することができるようになり、装置を大型化することなく複数のユニットの開閉状態を検知することができるという効果が得られる。
【0107】
また、媒体給送ユニットの開閉検知からイニシャル動作までの待機時間を開閉カバー開閉検知からイニシャル動作までの待機時間よりも短くしたことにより、媒体給送ユニットを閉じた後、直ちにユーザによる原稿トレイへの原稿の載置を可能にし、原稿の読取りを開始することができるという効果が得られる。
【0108】
なお、本発明は、複合措置に限られることなく、装置本体に対して開閉可能な複数のユニットを備えた画像形成装置や画像読取装置、ファクシミリ装置に適用することができる。