(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487445
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】濾過フィルタ固定装置およびそれを用いた濾過装置
(51)【国際特許分類】
B01D 35/30 20060101AFI20190311BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
B01D35/30
B01D29/10 501C
B01D29/10 510C
B01D29/10 530A
【請求項の数】34
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-539698(P2016-539698)
(86)(22)【出願日】2014年8月8日
(86)【国際出願番号】JP2014004160
(87)【国際公開番号】WO2016020958
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232885
【氏名又は名称】株式会社ロキテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 富央
【審査官】
増田 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−105638(JP,A)
【文献】
実開平4−905(JP,U)
【文献】
特開2003−154219(JP,A)
【文献】
特開昭63−151317(JP,A)
【文献】
特開2000−33205(JP,A)
【文献】
米国特許第4732294(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 35/30
B01D 29/11
B01D 27/00
C02F 1/28
B67B 6/00
B65D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にフィルタを具備しフランジを具備するフィルタユニットと、流入管路と流出管路とを備え、前記フィルタユニットが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記フィルタユニットが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記フィルタユニット内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部とを備え、前記フィルタユニットを前記ベース部に固定する濾過装置の固定装置であって、
前記固定装置は、前記ベース部に対して固定され、内面が前記フィルタユニットの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記フィルタユニットの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタと、タブを有し前記フィルタユニットが挿入可能な貫通穴を有するリングアダプタと、を備え、
前記フィルタユニットが前記リングアダプタに挿嵌され、前記タブと前記溝との一方が他方に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記リングアダプタが前記フィルタユニットの前記フランジを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットを前記ベース部に固定する固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の固定装置であって、
前記溝は前記タブと対向する第一の面を備え、前記タブが、前記第一の面と当接することにより、前記リングアダプタが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットを前記ベース部に対して強固に固定する固定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の固定装置であって、
前記溝は、さらに、前記リングアダプタが挿入される方向において、前記第一の面と前記タブとの間の距離よりも大きい距離の隙間を前記タブとの間に有する第二の面を備え、
前記タブが前記第二の面と対向している際には、前記リングアダプタは前記ベース部に対して強固に固定されないが、前記リングアダプタは、はずれない固定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の固定装置であって、
前記第一の面は、前記タブの面に対して傾斜している固定装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の固定装置であって、
前記第一の面と前記第二の面とは、前記ベース部に固定されるベースアダプタに、ずらした位置に階段状に配置されている固定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の固定装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に締結部材によって固定されている固定装置。
【請求項7】
請求項5に記載の固定装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に取り外し可能に前記ベース部の周部に固定されている固定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の固定装置であって、
前記溝は前記ベース部に対して移動せず、前記タブが前記溝に対して移動可能である固定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の固定装置であって、
前記濾過装置は、一端に開口を有し、前記フィルタユニットを覆うように内部が中空であって、前記一端に鍔部を有するホルダを備え、
前記リングアダプタの前記貫通穴は、前記ホルダが前記フィルタユニットを覆うように装着されたのちに、前記ホルダが前記貫通穴内に挿入可能な大きさであって、
前記リングアダプタの端部が前記ホルダの鍔部を押さえることにより、前記ホルダが前記フィルタユニットの前記フランジで前記ベース部に対する前記押し付けを行う固定装置。
【請求項10】
内部にフィルタを具備しフランジを具備するフィルタユニットと、
流入管路と流出管路とを備え、前記フィルタユニットが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記フィルタユニットが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記フィルタユニット内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部と、
前記ベース部に対して固定され、内面が前記フィルタユニットの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記フィルタユニットの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタと、
タブを有し、前記フィルタユニットが挿入可能な貫通穴を有するリングアダプタと、を備える濾過装置であって、
前記フィルタユニットが前記リングアダプタに挿嵌され、前記タブと前記溝との一方が他方に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記リングアダプタが前記フィルタユニットの前記フランジを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットが前記ベース部に固定される濾過装置。
【請求項11】
請求項10に記載の濾過装置であって、
前記溝は前記タブと対向する第一の面を備え、前記タブが、前記第一の面と当接することにより、前記リングアダプタが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットを前記ベース部に対して強固に固定する濾過装置。
【請求項12】
請求項11に記載の濾過装置であって、
前記溝は、さらに、前記リングアダプタが挿入される方向において、前記第一の面と前記タブとの間の距離よりも大きい距離の隙間を前記タブとの間に有する第二の面を備え、
前記タブが前記第二の面と対向している際には、前記リングアダプタは前記ベース部に対して強固に固定されないが、前記リングアダプタははずれない濾過装置。
【請求項13】
請求項12に記載の濾過装置であって、
前記第一の面は、前記タブの面に対して傾斜している濾過装置。
【請求項14】
請求項12または13に記載の濾過装置であって、
前記第一の面と前記第二の面とは、前記ベース部に固定されるベースアダプタに、ずらした位置に階段状に配置されている濾過装置。
【請求項15】
請求項14に記載の濾過装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に締結部材によって固定されている濾過装置。
【請求項16】
請求項14に記載の濾過装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に取り外し可能に前記ベース部の周部に固定されている濾過装置。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一項に記載の濾過装置であって、
前記溝は前記ベース部に対して移動せず、前記タブが前記溝に対して移動可能である濾過装置。
【請求項18】
請求項10から17のいずれか一項に記載の濾過装置あって、
前記濾過装置は、一端に開口を有し、前記フィルタユニットを覆うように内部が中空であって、前記一端に鍔部を有するホルダを備え、
前記リングアダプタの前記貫通穴は、前記ホルダが前記フィルタユニットを覆うように装着されたのちに、前記ホルダが前記貫通穴内に挿入可能な大きさであって、
前記リングアダプタの端部が、前記ホルダの鍔部を押さえ、前記ホルダが前記フィルタユニットの前記フランジを前記ベース部に対して固定する濾過装置。
【請求項19】
内部にフィルタを具備しフランジを具備するフィルタユニットと、
流入管路と流出管路とを備え、前記フィルタユニットが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記フィルタユニットが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記フィルタユニット内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部とを備え、前記フィルタユニットを前記ベース部に固定する濾過装置の固定装置であって、前記固定装置は、
一端側に開口を具備し、内部に中空部を有するホルダであって、前記開口から前記フィルタユニットにかぶせて前記中空部に前記フィルタユニットが位置するように取り付け可能なホルダと、
前記ベース部に対して固定され、内面が前記ホルダの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記ホルダの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタとを備え、
前記ホルダはタブを有し、
前記ホルダが前記フィルタユニットにかぶせられ、前記タブと前記溝との一方が他方に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記ホルダが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットが前記ベース部に固定される固定装置。
【請求項20】
請求項19に記載の固定装置であって、
前記溝は前記タブと対向する第一の面を備え、前記タブが、前記第一の面と当接することにより、前記ホルダが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットを前記ベース部に対して強固に固定する固定装置。
【請求項21】
請求項20に記載の固定装置であって、
前記溝は、さらに、前記ホルダが挿入される方向において、前記第一の面と前記タブとの間の距離よりも大きい距離の隙間を前記タブとの間に有する第二の面を備え、
前記タブが前記第二の面と対向している際には、前記ホルダは前記ベース部に対して強固に固定されないが、前記ホルダははずれない固定装置。
【請求項22】
請求項21に記載の固定装置であって、
前記第一の面は、前記タブの面に対して傾斜している固定装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載の固定装置であって、
前記第一の面と前記第二の面とは、前記ベース部に固定されるベースアダプタに、ずらした位置に階段状に配置されている固定装置。
【請求項24】
請求項23に記載の固定装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に締結部材によって固定されている固定装置。
【請求項25】
請求項23に記載の固定装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に取り外し可能に前記ベース部の周部に固定されている固定装置。
【請求項26】
請求項19から25のいずれか一項に記載の固定装置であって、
前記溝は前記ベース部に対して移動せず、前記タブが前記溝に対して移動可能である固定装置。
【請求項27】
内部にフィルタを具備しフランジを具備するフィルタユニットと、
流入管路と流出管路とを備え、前記フィルタユニットが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記フィルタユニットが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記フィルタユニット内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部と、
一端側に開口を具備し、内部に中空部を有するホルダであって、前記開口から前記フィルタユニットにかぶせて前記中空部に前記フィルタユニットが位置するように取り付け可能なホルダと、
前記ベース部に対して固定され、内面が前記ホルダの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記ホルダの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタとを備え、
前記ホルダはタブを有し、
前記ホルダが前記フィルタユニットにかぶせられ、前記タブと前記溝との一方が他方に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記ホルダが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットが前記ベース部に固定される濾過装置。
【請求項28】
請求項27に記載の濾過装置であって、
前記溝は前記タブと対向する第一の面を備え、前記タブが、前記第一の面と当接することにより、前記ホルダが前記フィルタユニットを前記ベース部に対して押し付けて前記フィルタユニットを前記ベース部に対して強固に固定する濾過装置。
【請求項29】
請求項28に記載の濾過装置であって、
前記溝は、さらに、前記ホルダが挿入される方向において、前記第一の面と前記タブとの間の距離よりも大きい距離の隙間を前記タブとの間に有する第二の面を備え、
前記タブが前記第二の面と対向している際には、前記ホルダは前記ベース部に対して強固に固定されないが、前記ホルダははずれない濾過装置。
【請求項30】
請求項29に記載の濾過装置であって、
前記第一の面は、前記タブの面に対して傾斜している濾過装置。
【請求項31】
請求項29または30に記載の濾過装置であって、
前記第一の面と前記第二の面とは、前記ベース部に固定されるベースアダプタに、ずらした位置に階段状に配置されている濾過装置。
【請求項32】
請求項31に記載の濾過装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に締結部材によって固定されている濾過装置。
【請求項33】
請求項31に記載の濾過装置であって、
前記ベースアダプタは、前記ベース部に取り外し可能に前記ベース部の周部に固定されている濾過装置。
【請求項34】
請求項27から33のいずれか一項に記載の濾過装置であって、
前記溝は前記ベース部に対して移動せず、前記タブが前記溝に対して移動可能である濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば濾過フィルタ固定装置およびそれを用いた濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図12に示すように、流入管路21と流出管路22とを備えるベース部23に、内部にフィルタを具備したカプセルフィルタ51を、脱着可能に取り付けるタイプの濾過装置が利用されている。カプセルフィルタ51は樹脂製の使い捨てタイプである。
図13は、
図12の矢視Aから見た図を示す。ベース部23は、流入管路21につながる流入口23aと、流出管路22につながる流出口23bとを有している。カプセルフィルタ51は、2つの接合口52,53を有していて、一方をカプセルフィルタ51への流入口(流れの上流)とし、他方をカプセルフィルタ51からの流出口(流れの下流)とできる。
図13に示す例の場合には、接合口52を流入口23aに、接合口を流出口23bに嵌合している。接合口52,53のそれぞれの外周には、シール材52a,53aが配置されていて、接合口52と流入口23aとの間と、接合口53と流出口23bとの間を、密着させている。
【0003】
この濾過装置では、カプセルフィルタ51が取り付けられた状態で、流入管路21からの液体がカプセルフィルタ51の内部に導入される流入流れ(IF)、カプセルフィルタ51を通過して流出管路22から排出される排出流れ(OF)が形成される。このような濾過機において、管路の配置により、流入流れ(IF)と排出流れ(OF)の方向を、自由に設定が可能である。たとえば、
図12と
図13に示すように、ベース部23の下部に流入管路21と流出管路22とが、一直線をなすように、配置することができる。そこで、流入管路21の流れの向きを90度変えてカプセルフィルタ51内に向けて流れるようにする。流出管路22を同様に設定する。この状態では、カプセルフィルタ51をベース部23に取り付ける方向と同じ方向に、流入流れ(IF)と排出流れ(OF)との方向を設定されることになる。この場合には、流入流れ(IF)は、カプセルフィルタ51をベース部23から押し出す力をカプセルフィルタ51に与えることとなる。
【0004】
そのため、カプセルフィルタ51がベース部23に取り付けられている際には、安全上、カプセルフィルタ51をベース部23に対して強固に固定する必要がある。このような固定は、たとえば、リング状のアダプタ31によって、カプセルフィルタ51のフランジ54と、ベース部23のフランジ
24との両者を挟持する形で、ベース部23に固定する方法が使用されることがある。たとえば、アダプタ31は、リング形状の半分からなるアダプタ右部材31aとアダプタ左部材31bの部材の一端にヒンジが配置され、そのヒンジを中心に開閉が可能となっている。アダプタ31を開いた状態で、ホルダ41の鍔と、ベース部23のフランジ
24との両者を挟み、他端にあるねじ32によって、アダプタ31をリング形状に組み合わせて、カプセルフィルタ51のフランジ54とベース部23のフランジ
24との両者を挟持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような濾過装置では、カプセルフィルタ51がベース部23に取り付けられた際に、カプセルフィルタ51側の接合口52,53と、ベース部23側の流入口23a,流出口23bとの間には、シール材52a,53aが配置された状態になるため、比較的強固に結合される。しかし、濾過装置の性質上、カプセルフィルタ51内にガスが溜ることがあり、カプセルフィルタ51はベース部23から外れる方向に力を受ける傾向にある。また、流入流れ(IF)の流れ方向もカプセルフィルタ51が外れる方向になっているため、カプセルフィルタ51は外れる方向の荷重を受けやすい。このとき、カプセルフィルタ51は比較的強固に結合されているため、外れるときの反発力が大きい。そのため、アダプタ31を外した途端に、当然、カプセルフィルタ51がベース部23から飛び出すことがあり、使用に際して危険である。このとき、アダプタ31のようにカプセルフランジ51の外周を挟むよりも、カプセルフィルタ51のフランジをカプセルフィルタ51の取り付け方向から均一に押圧するような形態でカプセルフィルタ51を固定することができるとよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
内部にフィルタを具備しフランジを具備するカプセルフィルタと、流入管路と流出管路とを備え、前記カプセルフィルタが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記カプセルフィルタが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記カプセルフィルタ内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部とを備え、前記カプセルフィルタを前記ベース部に固定する濾過装置の固定装置であって、前記ベース部に対して固定され、内面が前記カプセルフィルタの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記カプセルフィルタの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタと、タブを有し、前記カプセルフィルタが挿入可能な貫通穴を有するリングアダプタと、前記リングアダプタが前記ホルダに挿嵌され、前記タブが前記溝に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記カプセルフィルタの前記フランジ部が前記ベース部に対して固定される固定装置およびそれを用いた濾過装置により解決する。
【0007】
また、内部にフィルタを具備しフランジを具備するカプセルフィルタと、流入管路と流出管路とを備え、前記カプセルフィルタが取り外し可能に挿嵌されるベース部であって、そのベース部に前記カプセルフィルタが挿嵌された際に、前記流入管路からの液体が前記カプセルフィルタ内に導入され前記フィルタを通過して前記流出管路から排出される流路を形成するベース部とを備え、前記カプセルフィルタを前記ベース部に固定する濾過装置の固定装置であって、一端側に鍔を有する開口を具備し、内部が中空なホルダであって、前記開口から前記カプセルフィルタにかぶせて前記中空部に前記カプセルフィルタが位置するように取り付け可能なホルダと、前記ベース部に対して固定され、内面が前記ホルダの外面と対向するベースアダプタであって、前記内面に前記ホルダの外面に沿って延在する溝が配置されているベースアダプタとを備え、前記ホルダはタブを有し、前記ホルダが前記カプセルフィルタにかぶせられ、前記タブが前記溝に対して相対的に移動して前記溝内に位置することにより、前記ホルダが前記ベース部に対して固定される固定装置およびそれを用いた濾過装置により解決する。
【発明の効果】
【0008】
カプセルフィルタ51のフランジをカプセルフィルタ51の取り付け方向から均一に押圧するような形態で固定することにより、より安全な固定を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第一の実施の形態における固定装置を取り付けた濾過装置を示している。
【
図2】第一の実施の形態におけるタブと第一の面との位置関係を説明した断面図である。
【
図3】第二の実施の形態における固定装置を取り付けた濾過装置を示している。
【
図4】第二の実施の形態におけるタブと第一の面との位置関係を説明した断面図である。
【
図5A】第一および第二実施の形態における第一の面とタブとの関係を示している。
【
図5B】第三の実施の形態において傾斜させて設定した第一の面を示している。
【
図6】第四の実施の形態における固定装置を取り付けた濾過装置を示している。
【
図7】第四の実施の形態におけるタブと第一の面との位置関係を説明した断面図である。
【
図8】第五の実施の形態における固定装置を取り付けた濾過装置であって、タブが第一の面と対向した状態を示している。
【
図9】第五の実施の形態における固定装置を取り付けた濾過装置であって、タブが第二の面と対向した状態を示している。
【
図10】第五の実施の形態におけるタブと第一の面との位置関係を説明した断面図である。
【
図11A】第五の実施の形態における第一の面および第二の面とタブとの関係を示している。
【
図11B】第五の実施の形態において傾斜させて設定した第一の面を示している。
【
図12】従来の濾過装置であって、カプセルフィルタが取り付けられた状態を示している。
【
図13】従来の濾過装置のカプセルフィルタが取り付けられている状態の詳細を示している。
【
図14】従来の濾過装置におけるカプセルフィルタの固定装置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一の実施の形態)
以下、
図1を参照して、本発明の第一の実施の形態における固定装置1とそれを用いた濾過装置について説明する。
図1は、固定装置1を取り付けた濾過装置を示している。
図2は、
図1の断面B−Bを示している。濾過装置は、流入管路21と流出管路22とを備えるベース部23と、内部にフィルタを具備するカプセルフィルタ5とからなる。カプセルフィルタ5は一般に、樹脂製である。ベース部23は、カプセルフィルタ5が取り外し可能に挿嵌されるようになっている。カプセルフィルタ5と、ベース部23の構造は、
図12および
図13に示したように、従来の構造とほぼ同様である。ベース部23にカプセルフィルタ5が挿嵌されると、流入管路21から濾過するべき液体がカプセルフィルタ5内に導入され、カプセルフィルタ5を通過して流出管路22から排出されるような流路を形成する。固定装置1は、リングアダプタ6とベースアダプタ10とからなる。リングアダプタ6は、代表的には、金属製であって、カプセルフィルタ5が挿入可能な貫通穴を有している。リングアダプタ6をカプセルフィルタ5にかぶせると、その貫通穴内にカプセルフィルタ5が位置し、リングアダプタ6の端面がカプセルフィルタ5のフランジ5aの部分に当接するようになっている。以下、ここでは、代表的に、カプセルフィルタ5は円柱形状であって、リングアダプタ6の貫通穴はカプセルフィルタ5が挿入可能な形状として説明する。
【0011】
リングアダプタ6をカプセルフィルタ5にかぶせると、その貫通穴内にカプセルフィルタ5が位置する。リングアダプタ6の端面がカプセルフィルタ5の端面に当接するようにかぶせると、リングアダプタ6の端面が、カプセルフィルタ5のフランジ5aに当接するようになっている。ベース部23にはフランジ
24が配置されていて、ベースアダプタ10は、ベース部23のフランジ
24を外側から挟持するように、ベース部23に取り付けられる。たとえば、ベースアダプタ10は、ねじなどの締結部材によってベース部23に直接固定するように取り付けることができる。または、
図1には示していないが、ベースアダプタ10は、
図12に示した従来のアダプタ31のように、アダプタ31を開閉できる部材のような形で、脱着可能な形態でベース部23に固定することもできる。ベースアダプタ10は、ベース部23に対して何らかの形で固定されればよい。このようにベースアダプタ10がベース部23に取り付けられた状態において、ベースアダプタ10とベース部23との間に、隙間ができるように配置する。この隙間に、リングアダプタ6が進入するようにする。リングアダプタ6がこの隙間に挿入された際に、リングアダプタ6の外面とベースアダプタ10の内面とが対向する。リングアダプタ6の外面とベースアダプタ10の内面とが対向する位置の近傍に、ほぼ、カプセルフィルタ5とベース部23の接合面が位置するように設定する。ベースアダプタ10の内面に対向するリングアダプタ6の外面には、その外面から外側に突出するようなタブ6aが配置されている。一方、タブ6aが配置される近傍のベースアダプタ10の内面には、リングアダプタ6の外面に沿って延在する溝2が配置される。リングアダプタ6は、
図1の矢印で示すような順序で装着する。すなわち、カプセルフィルタ5がリングアダプタ6の貫通穴に挿入されるような状態で、カプセルフィルタ5の中心軸に沿って装着する。リングアダプタ6の端面がカプセルフィルタ5のフランジ面5aに当接した段階で、リングアダプタ6のタブ6aがベースアダプタ10の溝2の中に入るように、リングアダプタ6を回転する。溝2には、タブ6aと対向する第一の面2aを具備しているので、この段階でタブ6が第一の面2aによりカプセルフィルタ5の中心軸方向への移動を制限され、リングアダプタ6に押さえつけられているカプセルフィルタ5
をベース部23に固定することができる。ここでは、リングアダプタ6とカプセルフィルタ5のフランジ5aを直接押さえるように当接する形態で説明をおこなったが、リングアダプタ6が直接カプセルフィルタ5のフランジ5aと当接しなくてもよい。別の部材を準備し、リングアダプタ6はその別の部材を介して、カプセルフィルタ5のフランジ5aをベース部23に対して押さえつけてもよい。すなわち、リングアダプタ6が何らかの形でカプセルフィルタ5のフランジ5aをベース部23に対して押さえつけられれば、効果を奏する。また、
図1では、ベースアダプタ10は、カプセルフィルタ5の外周に沿って、その外周の一部のみに配置をしている。しかし、ベースアダプタ10はカプセルフィルタ5の外周の全部に配置させてもよい。なお、ベースアダプタ10はカプセルフィルタ5の外周の全部に配置させる例は、第二の実施の形態において説明する。
【0012】
図2では、第一の面2aとタブ6aは当接しているが、当接していなくてもリングアダプタ6が、リングアダプタ6の挿入方向に移動が制限されていれば、固定の効果が生じる。しかし、固定をさらに強固にするには、
図2に示すように、第一の面2aとタブ6aが当接するように設定する。すなわち、タブ6aの面と第一の面2aとを、以下のような位置関係に設定する。第一の面2aと、第一の面2aと対向するタブ6aの面は、リングアダプタ6,カプセルフィルタ5の中心軸方向における基準位置からの距離がほぼ同じとなるように設定する。基準位置は、リングアダプタ6,カプセルフィルタ5の中心軸方向であって、第一の面2が向いている方向(
図2の場合には下向き)であれば、任意に設定できる。たとえば、
図2の場合、ベース部23のフランジ
24とカプセルフィルタ5のフランジ5aとの接合面を基準位置とする。この場合、第一の面2aは、ベース部23とカプセルアダプタ5との接合面(基準位置)からH1の距離に位置するように設定する。一方、リングアダプタ6のタブ6aの位置をその基準位置からほぼ同じ距離(H1)に位置するように設定する。このとき、公差範囲内において、第一の面2aと対向する側のタブ6aの面と第一の面2aとの間に隙間が生じる場合には、タブ6aとベースアダプタ10との固定の具合は緩くなる。反対に、第一の面2aと対向する側のタブ6aの面と第一の面2aとの間の隙間が小さくなれば、それに伴って、リングアダプタ6とベースアダプタ10との固定の具合がきつくなる。第一の面2と対向する側のタブ6aの面と第一の面2aとの間に隙間が無い場合には、リングアダプタ6の端面をカプセルフィルタ5に押し付けながらタブ6aを第一の面2aに対して摺動させることになり、ベースアダプタ10に対するリングアダプタ6の固定はきつくなる。一般に、カプセルフィルタ5は樹脂製であり、ベース部23にシール材を介してとりつけられていることから、シール材の弾力により、ある程度の反発力を生じる。したがって、タブ6aの面と第一の面2aとがほぼ同じ位置になるように設定すれば、タブ6aの面と第一の面2aとが、当接しやすくなる。ベース部23に対するカプセルフィルタ5の反発力に応じて、位置を設定することが好ましい。これにより、カプセルフィルタ5を簡易な形で、ベース部23に固定することが可能となる。
【0013】
(第二の実施の形態)
第一の実施の形態では、カプセルフィルタ5が貫通するようなリングアダプタ6を用いる形態で固定をおこなった。しかし、リングアダプタ6を、カプセルフィルタ5を覆うような保安ケースとしてのホルダ4とする形態にもできる。ホルダ4にタブ4aを配置すればよい。以下、この形態につき、
図3,
図4を参照して第二の実施の形態として説明する。
図4は、第一の実施の形態に対応する第二の実施の形態の濾過機を示している。第二の実施の形態では、リングアダプタ6の代わりにホルダ4を配置する以外は、第一の実施の形態と同様である。したがって、ここでは、第一の実施の形態と異なる部分について説明する。ホルダ4は、一端に開口を有するが他端は閉じており、内部が中空であって、カプセルフィルタ5を覆い隠すことができる形状をしている。ホルダ4は、代表的には、中空の円筒形状である。ホルダ4をカプセルフィルタ5にかぶせると、その中空である部位にカプセルフィルタ5が位置するようになる。カプセルフィルタ5がホルダ4の中空部に挿入されるようにホルダ4を装着すると、ホルダ4の端面がカプセルフィルタ5のフランジ5aを押さえつけるように当接するようになっている。第一の実施の形態のベースアダプタ10は、カプセルフィルタ5の外周に沿って、その外周の一部のみに配置をさせている。しかし、ベースアダプタ10はカプセルフィルタ5の外周の全部に配置させてもよく、ここではカプセルフィルタ5の外周の全部に配置させたベースアダプタ11を説明する。ただし、第二の実施の形態においても、カプセルフィルタ5の外周に沿って、その外周の一部のみに配置をさせるベースアダプタ10を採用することもできる。ベースアダプタ11の取り付け方法は、ベース部23を外側から覆うようにベース部23に取り付けられる。たとえば、ベースアダプタ10は、ねじなどの締結部材によってベース部23に直接固定するように取り付けることができる。または、図には示していないが、ベースアダプタ11は、従来の例と同様に、2つの部材を組み合わせるような方法をとることもできる。ベース部23に対して固定できる限り、ベースアダプタ11の固定方法は制限されない。このようにベースアダプタ11がベース部23に取り付けられた状態において、ベースアダプタ11とベース部23との間には、第一の実施の形態同様の隙間を有する。
図4は、
図3の断面C−Cの位置を示している。
図4に示すように、第一の実施の形態と同様に、この隙間にホルダ4が挿入されて、ホルダ4の外面とベースアダプタ10の内面とが対向する。ホルダ4の外面とベースアダプタ10の内面とが対向する位置に、カプセルフィルタ5とベース部23の接合面が位置することになる。ホルダ4のタブ4aは、第一の実施の形態におけるリングアダプタ6のタブ6aと全く同様であって、ベースアダプタ10の内面に対向するホルダ4の外面に、その外面から、外側に突出するようなタブ4aとして配置される。ホルダ4のタブ4aは、第一の実施の形態のリングアダプタ6のタブ6aと同様に機能する。ベースアダプタ11は、第一の実施の形態と同様に、カプセルフィルタ5がベース部23に装着された際に、カプセルフィルタの外周方向に沿った溝2を有している。
図3の矢印で示すように、まずカプセルフィルタ5がホルダ4の中空部に位置するようにホルダ4内に挿入されるように、ベースアダプタ10のタブ開口部11aに沿って、ホルダ4の開口端部がカプセルフィルタ5のフランジ5aと当接するまで挿嵌する。続いて、カプセルフィルタ5の外周方向にホルダ4を回転させると、タブ4aが溝2に沿って移動して
図4の状態となる。また、第一の実施の形態と同様に、溝2は、ホルダ4,カプセルフィルタ5の中心軸に沿って、ホルダ4とカプセルフィルタ5が装着される方向へのホルダ4の移動を制限する第一の面2aを具備している。これにより、ホルダ4の中心軸に沿ってのベースアダプタ10に対するホルダ4の移動が制限されて、カプセルフィルタ5が固定される。また、代表的には、ホルダ4の端面は、カプセルフィルタ5のフランジ5a部分に接触するように配置され、ホルダ4によりカプセルフィルタ5が固定される。ただし、第一の実施の形態と同様に、ホルダ4とカプセルフィルタ5との間に別の部材を介してホルダ4をベース部23に対して固定しても良い。ホルダ4により、カプセルフィルタ5がベース部23に対して固定される限り、同じ効果を奏する。第一の面2aと、タブ4aとの位置の設定は、第一の実施の形態と同様に、ホルダ4のタブ4aと当接可能な位置に配置することが好ましい。
【0014】
(第三の実施の形態)
第一の実施の形態および第二の実施の形態では、第一の面2aは、タブ4aまたはタブ6aの回転方向とほぼ平行に設定した。しかし、第三の実施の形態は、この第一の面2aを傾斜にする実施の形態である。以下、
図5Aと
図5Bとを参照して、第二の実施の形態を例として、第三の実施の形態について説明する。第三の実施の形態は、第一の実施の形態と第二の実施の形態とほぼ同じ構成である。以下、異なる部分のみを説明する。
図5Aと
図5Bにおいて、それぞれ、上側の図は、ベースアダプタ11をホルダ4の取り付け方向から見た図(
図3の上側から見た図)から見た図を示している。ここで、
図5Aの下側の図は、
図5Aの断面D―Dの部分を示している。
図5Bも同様に、
図5Bの下側の図は、
図5BのE−E断面を示している。
図5Aは第二の実施の形態における第一の面2aとタブ4aとの関係を示している。このように第二の実施の形態では、第一の面2aは、タブ4aの面とほぼ平行になっている。
図5Bに示すように、第三の実施の形態では、タブ4aの移動方向に沿って、タブ4aと第一の面2aとの距離が小さくなるように、第一の面2aに傾斜を持たせている。これにより、ホルダ4を回転させることにより、タブ4aと第一の面2との間の摩擦力が増加し、ホルダ4を、ベースアダプタ10にさらに強固に固定することができる。第一の実施の形態でも、同様に、第一の面2aに傾斜を持たせることができる。また、
図5Aに示すように溝2は第一の面2aとそれに対向する面を具備する溝であるが、
図5Bのように、溝2は、第一の面2aのみを有する溝の形態でもよい。
【0015】
(第四の実施の形態)
第二の実施の形態では、リングアダプタ6の代わりにホルダ4を使用した。しかし、ホルダ4とリングアダプタ6の両方を採用することも可能である。第二の実施の形態では、タブ4aはホルダ4に取り付けていたが、ホルダ4を使用する前提でリングアダプタ6に取り付けることもできる。
図6から
図7を参照して、第四の実施の形態として、ホルダ4とリングアダプタ6との両者を使用した濾過機を説明する。
図6は、第一の実施の形態に対応する第四の実施の形態の濾過機を示している。第四の実施の形態では、ホルダ4とリングアダプタ6の両者を配置する以外は、第一の実施の形態と第二の実施の形態と同様である。ここでは、第一の実施の形態と異なる部分について説明する。ベースアダプタ10の溝2,第一の面2aおよびタブ6aは、第一の実施の形態と全く同様である。ホルダ4は開口端部に鍔部4bを有している。ホルダ4をカプセルフィルタ5にかぶせると、その中空である部位にカプセルフィルタ5が位置する。リングアダプタ6の貫通穴部分にホルダ4が挿入されると、リングアダプタ6の端面がホルダ4の鍔4bの部分にまず当接するようになっている。ホルダ4の端面は、カプセルフィルタ5のフランジ5a部分に接触するように配置される。したがって、リングアダプタ6のタブ6aが、ベースアダプタ10の溝2内に挿入されると、これにより、リングアダプタ6の端面がホルダ4の鍔部4bを押し付け、それによりホルダ4がカプセルフィルタ5を押さえて、第一の実施の形態や第二の実施の形態と同様にカプセルフィルタが固定される。
【0016】
(第五の実施の形態)
以下、
図8から
図11Aおよび
図11Bまでを参照して、第五の実施の形態について説明する。第五の実施の形態では、第一の実施の形態から第四の実施の形態のすべての構成に対して、適用可能である。
図8および
図9は、第五の実施の形態の固定装置1および濾過機を示した図である。
図8に示すように、第五の実施の形態では、第一の面2aに加えて、さらに第二の面3を具備するように構成したものである。
図8はタブ4aが第一の面2aに対向する位置にある状態を示し、
図9はタブ4aが第二の面3に対向する位置にある状態を示している。
図10は、
図8の断面G−Gを示している。第三の面3を具備する点を除いては、これまで説明してきた固定装置1およびそれを具備する濾過機の構成自体には差異はない。したがって、以下、第二の実施の形態における固定装置を例として、第五の実施の形態について説明する。第二の面3は、ホルダ4の中心軸方向(ホルダ4が挿入される方向)において、第一の面2aの位置よりも、カプセルフィルタ5が脱着される方向側に配置される。すなわち、第二の面3は、ホルダ4をベース部23に対して強固に固定する第一の面2aよりもホルダ4の脱着側に近いので、タブ6aと第二の面3とが対向して当接可能な状態では、ホルダはベース部23に対して強固に固定されない。しかし、タブ6aは第二の面3に制限され、ホルダ4は、ホルダ4の中心軸方向には、外れないような状態となる。すなわち、
図9に示すように、第二の面3は、
図4に示した基準位置からの距離が第一の面2aの際に設定された距離(H1)よりも大きい距離(H2)となるように設定する。第一の実施の形態から第三の実施の形態で説明したとおり、第一の面2aはタブ4aとほぼ当接可能な位置関係にあるので、タブ6aがこの状態にあるときは、必ずタブ6aと第二の面3との間に隙間が生じる。したがって、この隙間の分だけリングアダプタ6が移動可能となる。しかし、タブ6aは、依然として、第二の面3に移動が制限されるので、リングアダプタ6は完全に取り外れない。そのため、タブ6aが第二の面3と対向する位置にあって当接可能な状態にあるときは、ホルダ4はベース部23に対して強固に固定されないが、ホルダ4は完全には外れずに、この隙間の分だけホルダ4が可動な状態となる。したがって、この隙間の分だけカプセルフィルタ5を外すことも可能となる。もしも、カプセルフィルタ5の内部に溜まったガスによって、カプセルフィルタ5がベース部23から抜けたとしても、ホルダ4が第二の面3によって移動を制限されるのでカプセルフィルタ5が飛び出すことを防ぐ、安全な固定装置を提供することができる。また、この隙間分の移動は、カプセルフィルタ5の内部のガスなどをリークするためにカプセルフィルタ5を暫定的に外すためのプロセスとして利用することができる。
【0017】
また、
図11Aに示すように、第一の面2aと第二の面3とは、ホルダ4の円筒形状の長手方向の中心軸に沿った方向に、中心軸から角度αと角度βとを違えるように、階段状にずらして配置させることが好ましい。
図11Aと
図11Bは、それぞれ、
図5Aと同様に、上側の図は、ベースアダプタ11をホルダ4の取り付け方向から見た図(
図8と
図9の上側から見た図)から見た図を示している。
図11Aと
図11Bの下側の図は、それぞれ
図11Aの上側の図の断面H−Hと、
図11Bの上側の図の断面I−Iとを示しており、ベースアダプタ11の、またはホルダ4の中心角に応じた第一の面2aと第二の面3の位置関係を示している。
図11Aは、ホルダ4がカプセルフィルタ5にかぶせられた際に、ベース部23に対して強固に固定されている状態を示している。ここに示すように、タブ4aが角度αの位置にあるときは、第一の面2とタブ6aの位置関係は、タブ4aが第一の面2と対向して当接可能な状態にあって、ホルダ4がベース部23に対して押し付けられて、ホルダ4とカプセルフィルタ5とがベース部23に対して強固に固定されているような位置関係になる。そして、タブ4aが角度βの位置にあるときは、タブ4aが第二の面3と対向して当接可能となり、ホルダ4とカプセルフィルタ5はベース部23に対して強固に固定されないが、両者とも完全には外れない状態となる。また、
図10Bに示すように、第三の実施の形態の場合と同様に、第一の面2にタブ6aの面に対して傾斜するように設定しておくこともできる。この場合、ホルダ4をその中心軸周りに回転させると、タブ4aも回転する。第一の面2aの傾斜をホルダ4の回転方向に対して、タブ4aの面と第一の面2aとの距離が小さくなるような傾斜としておけば、ホルダ4の回転によって、ベース部23に対するホルダ4の固定されている度合いを徐々に強めることができる。これにより、第一の面2aと第二の面3は、ホルダ4の中心軸まわりに、たとえば角α,β,γとなるように階段状に、ずらして配置する。これにより、タブ4aの回転動作により、タブ4aが角αの位置にあるときは、第一の面2と当接して、ホルダ4を強固にベース部23に押し付ける状態となる。タブ4aが角βの位置にあるときは、タブ4aが第二の面3と当接可能な状態にあって、ホルダ4は強固にベース部23に押し付けられることはないが、ホルダ4の中心軸に沿った移動が制限されて、ホルダ4
が完全には外れない状態
を作ることができる。
【0018】
さらに、第一の実施の形態から第五の実施の形態のいずれにおいても、タブ4aまたはタブ6aを滑らかに移動させるため、第一の面2aまたは第二の面3は、それぞれ、その表面を樹脂材とすることもできる。また、第一の実施の形態から第五の実施の形態においては、タブ4aまたはタブ6aと第一の面2aは、それぞれ1個のタブおよびそれに対応する1個の第一の面2として説明をした。しかし、タブ4aまたはタブ6aと第一の面2aの個数は1個に限られず、複数であってもよい。たとえば、第一の実施の形態においては、ホルダ4の円周方向に、180度の間隔で2個のタブ4aを、または120度の間隔で3個のタブ4aを、90度の間隔で4個のタブ4aを配置してもよい。第一の面2は、これに対応させて、ベースアダプタ10に、それぞれ、2個、3個、4個を配置することができる。第二の実施の形態から第五の実施の形態においても、同様である。
【0019】
(第六の実施の形態)
第一の実施の形態から第五の実施の形態では、ベースアダプタ10,11の第一の溝2をベースアダプタに対して固定して、リングアダプタ6のタブ6aを、またはホルダ4のタブ4aをカプセルフィルタの中心軸周りに回転させる形態で説明をおこなった。しかし、すべての実施の形態において、リングアダプタ6のタブ6aを、またはホルダ4のタブ4aをカプセルフィルタの中心軸周りには回転させずに、ベースアダプタ10,11の溝2をカプセルフィルタの中心軸周りにベースアダプタに対して回転させてもよい。たとえば、ベースアダプタ10または11において、溝2がある部分を別の部材として、ベアリングなどにより、その部分がベース部23に対してカプセルフィルタの中心軸周りに回転可能な構成にすることができる。または、溝2のうち、第一の面2aのみを回転させるような方法もとることができる。すなわち、ベースアダプタ10,11の溝2と、リングアダプタ6のタブ6aまたはホルダ4のタブ4aとの、いずれか一方に対して、相対的に回転させる。これにより、タブ4aが溝2に対して相対的に移動して、溝2内に位置することにより、カプセルフィルタ5のフランジ5aがベース部23に対して固定されて、同様の効果を奏することができる。したがって、第一の実施の形態から第五の実施の形態には、リングアダプタ6のタブ6aを、またはホルダ4のタブ4aをカプセルフィルタの中心軸周りには回転させずに、ベースアダプタ10,11の第一の溝2をカプセルフィルタの中心軸周りにベースアダプタに対して回転させる場合も含む。また、この実施の形態の場合には、カプセルフィルタ5にタブ5aを配置して溝2を移動させることにより、ホルダ4もリングアダプタ6をも利用せずに固定することもできる。この場合には、ベースアダプタ10とその他の構成は同じであって、
図1に示す第一の実施の形態のうち、リングアダプタの代わりにカプセルフィルタ5にタブ5aを配置させる。カプセルフィルタ5は、
カプセルフィルタ51側の接合口52,53があるため回転できないが、溝2が回転できるので、タブ5aがカプセルフィルタ5の中心軸に沿った移動は制限され同じ効果を奏する。
【0020】
第一の実施の形態から第六の実施の形態において、タブ4aまたはタブ6aが溝2の中で意図せずに回転することを禁止するため、タブ4aまたはタブ6aに貫通穴を準備しておく。そのうえで、ベースアダプタ10または11にロックピンまたはプランジャなどを取り付けておく。タブ4aまたはタブ6aが溝2の中で所定の箇所に位置した際にロックピンまたはプランジャなどが稼働して、タブ4aまたはタブ6aに貫通穴に挿入されるようにすれば、タブ4aまたはタブ6aが溝2の中の所定の箇所に固定をし、意図しない回転を禁じることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 固定装置
2 第一の面
3 第二の面
4 ホルダ
4a タブ
5 カプセルフィルタ
6 リングアダプタ
6a タブ
10,11 ベースアダプタ
23 ベース部材