【文献】
J. Am. Chem. Soc.,2014年12月 1日,136,17426−17429
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラセミ体δ-ヒドロキシエステルにδ-ヒドロキシ-ラクトン化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法。
触媒的水素化反応工程は、有機溶媒の中にラセミ体δ-ヒドロキシエステル、触媒とアルカリ物質を添加し、1〜100 atm圧力の水素密閉状態で0.5〜24時間攪拌し反応させることで一定の光学純度をもつδ-ヒドロキシエステルと1,5-ジオールを得るものである
ことを特徴とする請求項2に記載のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法。
前記アルカリ金属塩はカリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシドであり、前記アルカリ金属水酸化物は水素カリウム、水素ナトリウムで、所述するアルカリ金属炭酸塩は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムである
ことを特徴とする請求項7に記載のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法。
前記アルコール類溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールであり、前記エーテル類溶媒はブチレンオキシド、MTBE、ジオキサンであり、前記芳香族炭化水素類溶媒はトルエンであり、前記アミド類溶媒はDMFであり、前記硫黄類溶媒はDMSOである
ことを特徴とする請求項9に記載のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法。
得られる光学活性δ-ヒドロキシエステルと1,5-ジオールはキラル出発原料として、光学活性医薬品リソフィリン((R)-lisofylline)と天然物ジャコウネコ((+)-civet)、(-)-indolizidine 167B、コニイン((-)-coniine)の不斉合成に用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、高効率のラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法を提供し、光学活性を備えるキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオールの調製に高効率な製法を提供すると共に、光学活性医薬品と天然物分子の不斉合成に応用することである。
【0007】
本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法は、キラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒とアルカリ性環境下で、ラセミ体δ-ヒドロキシエステルに対して触媒的不斉水素化反応を行い、一定の光学純度をもつキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオールを得ることを特徴とする。
【0009】
本発明で得られる一定の光学純度をもつキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオール配置はR体でも良いし、S体でも良い。
【0010】
更に、得られるキラルδ-ヒドロキシエステルがS体である場合、相応するキラル1,5-ジオールはR体である。前記キラルδ-ヒドロキシエステルがR体である場合、相応するキラル1,5-ジオールはS体である。
【0014】
但し、比較的に合成されるキラルδ-ヒドロキシエステルはS体で、相応のキラル1,5-ジオールはR体であることを優先選択肢とする。
【0015】
上記の通式IとIIにおいて、
R
1はC
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20 ハロゲン化アルキル基、C
2〜C
20アルケニル基、C
4〜C
24アリール基、C
5〜C
25アリールアルキル基、 C
6〜C
26アリールアルケニル基、-(C
1〜C
8アルキル基)-OR
3、-(C
1〜C
8アルキル基)-SR
4、又は-(C
1〜C
8アルキル基)-NR
5R
6であり、前記R
4、R
5、R
6はそれぞれC
1〜C
8アルキル基、C
5〜C
14アリールアルキル基又はC
4〜C
15アリール基であり、R
5とR
6は4〜20個の炭素原子から結合する環状アミノ基でも良い。
【0017】
但し、比較的R
1はC
1〜C
8アルキル基、フェニル基、シクロペンチル基またはt-ブチルメチル基であり、R
2はエチル基であることを優先選択肢とする。
【0018】
このほか、本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルにはδ-ヒドロキシ-ラクトン化合物が含まれ、δ-ヒドロキシ-ラクトン化合物はδ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法で得られるに副産物ではあるが、更に基質として化学反応へ参与することができる。
【0019】
従い、本発明では、ラセミ体δ-ヒドロキシ-ラクトンの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法も提供し、その特徴としてはキラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒およびアルカリ性環境の下で、ラセミ体δ-ヒドロキシ-ラクトンを用いた触媒的不斉水素化反応で、下記の構造を備える一定の光学純度をもつキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオールを合成し、
【0021】
ここで、RはC
1〜C
8アルキルである。
【0022】
優先とし、前記キラルδ-ヒドロキシエステルの化学構造はS体で、相応するキラル1,5-ジオールはR体である。
【0023】
本発明で開示する前記ラセミ体δ-ヒドロキシエステルおよびラクトンの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割に用いられるアルカリ物質はアルコール類のアルカリ金属塩(例えばカリウムt-ブトキシド 、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド)、アルカリ金属水酸化物(例えば水素カリウム、水素ナトリウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)で、アルコール系のアルカリ金属塩を優先とする。
【0024】
本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルおよびラクトンの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法のうち比較的優先とする実施方法は、溶媒作用の下、本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割に用いられる溶媒としてアルコール類溶媒メタノール 、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールで、エーテル類溶媒のブチレンオキシド、MTBEとジオキサン、芳香族炭化水素類溶媒のトルエン、アミド類溶媒DMF又は硫黄類溶媒DMSOのうちの一種または数種の混合剤で、アルコール類溶媒を優先肢とする。
【0025】
本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルおよびラクトンの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割法の具体的な実施方法は、有機溶媒の中にδ-ヒドロキシエステル、触媒、アルカリ物質を添加したうえ、1〜100 atm圧力の水素環境下で0.5〜24時間攪拌し反応させ、光学活性を備えるキラルδ-ヒドロキシエステルと相応するキラル1,5-ジオールを得る。
【0027】
上記通式IとIIにおいて、
R
1はC
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20 ハロゲン化アルキル基、C
2〜C
20アルケニル基、C
4〜C
24アリール基、C
5〜C
25アリールアルキル基、C
6〜C
26アリールアルケニル基、-(C
1〜C
8アルキル基)-OR
3、-(C
1〜C
8アルキル基)-SR
4、もしくは-(C
1〜C
8アルキル基)-NR
5R
6であり、前記R
4、R
5、R
6はそれぞれC
1〜C
8アルキル基、C
5〜C
14アリールアルキル基又はC
4〜C
15アリール基であり、R
5とR
6は4〜20個の炭素原子から結合する環状アミノ基でも良い。
【0029】
前記の通式IとIIにおける光学活性アルコールの化学構造はR体でも良いし、S体でも良い。
【0030】
触媒的不斉水素化反応において、前記不斉水素化反応の水素圧は8-100 atmで、10 atmを優先とし、反応温度は25〜100
oC、室温反応(25〜30
oC)を優先とし、ラセミ体δ-ヒドロキシエステルと触媒基質のモル比は1000:1〜100,000:1で、1000:1を優先とし、アルカリ濃度は0.01〜0.1 Mでそ、0.02〜0.06 Mを優先とし、基質濃度は0.001〜2.0 Mで0.01-1.0 Mを優先とし、触媒的不斉水素化反応時間は1〜12時間で、最適な反応時間は0.5〜6時間とする。
【0031】
本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割は、通式IIIを備えるるキラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒作用の条件下で実現する。(Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X.; Zhou, Q.-L. Angew. Chem., Int. Ed. 2011, 50, 7329; Zhou, Q.-L.; Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X. WO2012065571A1; Zhou, Q.-L.; Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X. CN102040625 B)。
【0033】
通式IIIにおいて、
R
1はC
1〜C
8のアルキル基、フェニル基、フェニル置換基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、複素アリール基またはベンジル基であり、前記フェニル基の置換基はC
1〜C
8アルキル基、アルコキシ基で、置換数は1〜5で、複素アリール基はフラン基、チエニル基またはピリジン基である。
【0034】
R
2、R
3、R
4、R
5はH、C1〜C8アルキル基、フェニル基、フェニル置換基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、複素アリール基またはベンジル基で、前記フェニル基の置換基はC
1〜C
8アルキル基、アルコキシ基で、置換数は1〜5、複素アリール基はフラン基、チエニル基又はピリジン基、またはC1〜C8アルコキシ基、またはR
2〜R
3、R
4〜R
5は両方ともC3〜C7脂肪環、芳香族核で、R
2、R
3、R
4、R
5は同じでも良いし、異なっても良い。
【0035】
R
6、R
7はH、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ基、C1〜C8脂肪族アミンであり、n = 0 〜 3又はn ≧ 2である場合、隣接する二つのR
6とR
7は共にC3〜C7脂肪環または芳香族核であり、R
6とR
7は同じでも良いし、異なっても良い。
【0036】
R
8、R
9はH、ハロゲン、C1〜C8アルキル基、C1〜C8アルコキシ基、フェニル基、フェニル置換基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、複素アリール基またはベンジル基であり、前記フェニル基の置換基はC
1〜C
8アルキル基、アルコキシ基であり、置換数は1〜5、複素アリール基はフラン基、チエニル基またはピリジン基であり、m = 0 〜 3又はm ≧ 2である場合、隣接するR
9またはR
8とR
9は共にC3〜C7脂肪環または芳香族核で、R
8とR
9は同じでも良いし、異なっても良い。
【0037】
R
10はH、C
1〜C
8アルキル基、フェニル基、フェニル置換基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、複素アリール基またはベンジル基であり、前記フェニル基の置換基はC
1〜C
8のアルキル基、アルコキシ基であり、置換数は1〜5、複素アリール基はフラン基、チエニル基またはピリジン基である。
【0038】
適切なキラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒は下記の構造式を含み、
【0040】
そのうち、DTBは3,5-ジ‐tert‐ブチルフェニル、Xylは3,5-ジメチルフェニル、
tBuはtert-ブチル基である。
【0041】
イリジウム触媒の化学構造はR体でも良いし、S体でも良い。
【0042】
本発明における「C
1〜C
10アルキル基」は、直鎖または側鎖の最多10個の炭素原子を含むアルキル基で、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、tert-ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基およびイソオクチル基がこれに該当する。類似的に、「C
1〜C
10アルコキシ基」は酸素原子で結合される前記で定義しているアルキル基を示し、メトキシ基、オキシエチレン基、プロポキシ基、ブトキシ基などがこれに該当する。「アリール基」は芳香族核構造特性を有する置換基で、フェニル基、フラン基、チエニル基、ピリジン基、キノリル基、インドール基、および芳香環に異なる置換基を有するアリール基を示し、p-メチルフェニル基、p-メトキシフェニル基,p-クロロフェニル基などがこれに該当する。「アルケニル基」は二組を含有する環状アルキル基を示し、アリル基、プロペニル基、1-ブテン基、2-ブテン基などがこれに該当する。
【0043】
本発明で開示するラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割に用いられるキラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒は参考文献で記載されている方法に従って調製する(Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X.; Zhou, Q.-L. Angew. Chem., Int. Ed. 2011, 50, 7329; Zhou, Q.-L.; Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X. WO2012065571A1; Zhou, Q.-L.; Xie, J.-H.; Liu, X.-Y.; Xie, J.-B.; Wang, L.-X. CN102040625 B)。具体的な調製方法は下記のようである。
【0044】
水素圧1〜10 atm、反応温度25〜40
oCの条件下、1当量のイリジウム金属前駆体(例えば[Ir(cod)Cl]
2(cod = シクロオクタジエン)、[Ir(cod)
2]BF
4、[Ir(cod)
2]PF
6、[Ir(cod)
2]SbF
6、[Ir(cod)
2]OTf)と1〜1.2当量のキラルスピロ-ピリジルホスフィン配位子を有機溶媒の中で0.5〜4時間複合反応させ、脱溶媒することでイリジウム触媒を得る。
【0045】
本発明で用いるイリジウム触媒の優先選択肢は、[Ir(cod)Cl]
2を前駆体に、(R)-N-(3-メチルピリジン-2-メチル基)-7-二-(3,5-ジ‐tert‐ブチルフェニル)ホスフィニル基-7'-アミノ基-1,1'-ジフェニルを配位子とする。
【0046】
本発明によって得られる一定の光学純度をもつキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオールは、キラルな出発原料として光学活性医薬品リソフィリン((R)-lisofylline)と天然物ジャコウネコ((+)-civet)、(-)-indolizidine 167B、コニイン((-)-coniine)の不斉合成に応用することができる。
【0047】
本発明は、高効率性、高選択性、経済的効果、高い実行可能性、環境にやさしい、および工業生産に適するプラス効果がある新しい方法である。同方法では、非常に少ない触媒用量でも、非常に高いエナンチオ選択性と收率で光学活性医薬品と天然物分子の不斉合成において重要な役割を果たす光学活性化合物を得ることができる。同製法で得られる光学活性を備えるキラルδ-ヒドロキシエステルと相応のキラル1,5-ジオールを主要キラル中間体として光学活性医薬品リソフィリン((R)-lisofylline)と天然物ジャコウネコ((+)-civet)、(-)-indolizidine 167B、コニイン((-)-coniine)の不斉合成に応用することに成功した。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明では以下の実施例を通して説明を行っているが、これらの実施例は本発明をより詳細に理解するためであるもので、本発明はこれによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0049】
キラルスピロ-ピリジルホスフィンを配位子とするイリジウム触媒の調製にあたり、イリジウム触媒IIIdを例としてあげる。
【0050】
水素圧1 atmの条件下、[Ir(cod)Cl]
2(30 mg, 0.045 mmol)と(R)-N-(3-メチルピリジン-2-メチル基)-7-二-(3,5-ジ‐tert‐ブチルフェニル)ホスフィニル基-7'-アミノ基-1,1'-ジフェニル(70.5 mg, 0.094 mmol)をエタノール(6 mL)の中に溶かし、室温状態で3時間攪拌・反応させた後、減圧し脱溶媒することで淡い黄色の固体物を得る。前記固体物を水素化反応に直接に用いる。
【0051】
その他のイリジウム触媒は同じ方法で調製する。
【実施例2】
【0052】
ラセミ体δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割。
【0053】
窒素密閉状態で、水素化反応内管に1 mmolの 5-ヒドロキシカプロン酸エチル、0.001 mmolのエタノール溶液(0.5 mL)触媒、0.04 mmolのカリウムt-ブトキシドのエタノール溶液(0.5 mL)と1 mLのエタノールを順番に添加させる。反応槽を密封し、圧力10 atmになるまで水素を充填させ、前記水素圧状態で室温で0.5-6時間攪拌し反応させる。水素化反応が終わった後、水素を緩慢に釈放し、減圧し脱溶媒させる。核磁気共鳴装置で転換率を測定し、液体クロマトグラフ装置で化合物のエナンチオ選択性を測定し、。その結果は表1のとおりである。前記のイリジウム触媒は実施例1で調製したIIIdである。
【0054】
【化8】
【0055】
【表1】
【実施例3】
【0056】
δ-ヒドロキシエステルの触媒的不斉水素化反応による動力学的分割の高転換臨界実験(S/C = 100000)
窒素密閉状態の下、水素化反応内管の中に50 mmolの5-ヒドロキシカプロン酸エチル、0.0005 mmolのエタノール溶液(1 mL)触媒、1.8 mmolのカリウムt-ブトキシドのエタノール溶液(9 mL)と20 mLのエタノールを順番に添加させる。反応槽を密封し、圧力17 atmになるまで水素を充填させ、前記水素圧状態で室温で24時間攪拌し反応させる。水素化反応が終わった後、水素を緩慢に釈放し、減圧し脱溶媒させる。核磁気共鳴装置で測定した転換率は52%で、液体クロマトグラフ装置で測定した化合物(S)-Iのee値は97%で、(R)-IIのee値は93%のエナンチオ選択性を得る。
【実施例4】
【0057】
(+)-Civetの合成
4.1 (S)-5-メチル基-5-バレロラクトンの合成
【0058】
【化9】
【0059】
(S)-5-ヒドロキシカプロン酸エチル(528 mg, 3 mmol)のベンゼン(10 mL)溶液の中にトルエンスルホン酸(114 mg, 0.6 mmol)を添加させ、室温状態で24時間反応させた後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させる。酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって收率90%の無色液体308 mgを得る。[α]
20D -31.1 (c 1.0, EtOH).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.48-4.37 (m, 1H), 2.64-2.51 (m, 1H), 2.50-2.37 (m, 1H), 1.99-1.77 (m, 3H), 1.60-1.43 (m, 1H), 1.36 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
4.2 (S)-6-ヒドロキシ2-エチルエステルの合成
【0060】
【化10】
【0061】
-78
oC温度の下、窒素密閉状態にある(S)-5-メチル基-5-バレロラクトン(228 mg, 2 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液の中にDIBAL-H (1.0 Mヘキサン, 2 mL, 2 mmol)をゆっくり滴入させる。滴入完了後、続けて低温状態で1時間反応させる。飽和酒石酸ナトリウム溶液を添加して反応を停止させた後、室温状態で1時間攪拌させる。ジクロロメタンを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させ、脱溶媒後に無色液体物を得る。前記液体は精製せずに直接に次の反応に用いられる。
【0062】
上記で得られる液体をトルエン(10 mL)の中に溶かし、それにエチル基(トリフェニルホスフィン)アセテート(1.04 g, 3 mmol)を添加させた後、80
oCにまで加熱し6時間反応させる。減圧し脱溶媒させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって收率83%の無色液体308 mgを得る。[α]
20D +9.1 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.95 (dt, J = 15.6, 6.8 Hz, 1H), 5.81 (dt, J = 15.6, 1.6 Hz, 1H), 4.17 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.85-3.74 (m, 1H), 2.26-2.17 (m, 2H), 1.66-1.39 (m, 5H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 166.69, 148.87, 121.51, 67.74, 60.16, 38.54, 32.02, 24.15, 23.54, 14.22. HRMS (ESI) Calcd for C
10H
18O
3 ([M + H]
+): 187.1329, Found: 187.1327.
4.3 (+)-Civetの合成
【0063】
【化11】
【0064】
4.2で得られる(S)-6-ヒドロキシ2-エチルエステル(186 mg, 1 mmol)の中にイソプロパノール(5 mL)とカリウムt-ブトキシド (22.4 mg, 0.2 mmol)を添加し、室温状態で5時間攪拌させる。溶媒を緩慢に脱除させた後、メタノール (5 mL)と1 N水酸化リチウム(5 mL, 5 mmol)を順番に加え入れる。室温状態で再度1時間反応させた後、2 N HClを添加してpH値が1以上になるよう調節する。酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって收率68%の無色液体107 mgを得る。[α]
20D +22.0 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.40 (s, 1H), 3.81-3.71 (m, 1H), 3.56-3.45 (m, 1H), 2.56 (dd, J = 15.6, 7.6 Hz, 1H), 2.46 (dd, J = 15.6, 5.2 Hz, 1H), 1.86-1.77 (m, 1H), 1.67-1.46 (m, 3H), 1.30-1.19 (m, 2H), 1.16 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 175.72, 74.41, 73.93, 41.23, 32.71, 30.72, 23.16, 21.94.
【実施例5】
【0065】
(-)-indolizidine 167Bの合成
5.1 ヒドロキシルの保護
【0066】
【化12】
【0067】
(S)-エチル5- ヒドロキシオクタノエート(1.76 g, 9.4 mmol)のジクロロメタン(40 mL)溶液の中にイミダゾール(959 mg, 14.1 mmol)、DMAP (115 mg, 0.94 mmol)とTBSCl (1.7 g, 11.3 mmol)を添加し、室温状態で24時間攪拌させる。アンモニア飽和溶液を入れて反応を停止させた後、ジクロロメタンを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=80:1)によって收率92%の得到無色液体2.61 gを得る。[α]
20D -0.4 (c 4.7, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.69-3.61 (m, 1H), 2.29 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.75-1.55 (m, 2H), 1.50-1.28 (m, 6H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.91-0.85 (m, 12H), 0.03 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 173.70, 71.67, 60.15, 39.29, 36.38, 34.50, 25.88, 20.81, 18.47, 18.09, 14.28, 14.22, -4.48, -4.51. HRMS (ESI) Calcd for C
16H
35O
3Si ([M + H]
+): 303.2350, Found: 303.2354.
5.2アミドの合成
【0068】
【化13】
【0069】
窒素密閉状態で、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩 (2.52 g, 25.8 mmol)でジクロロメタン(70 mL)を溶かした後、AlMe
3 (25.8 mL, 1.0 M in hexane, 25.8 mmol)をゆっくり滴入し、室温状態で0.5時間攪拌させる。その後、5.1で調製したエステルのヒドロキシルTBS保護の(S)-エチル5- ヒドロキシオクタノエートのジクロロメタン溶液を滴入し、加熱して3時間回流反応させる。室温状態にまで冷却させた後、0.5 N HClを入れて反応を停止させ、ジクロロメタンを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)によって收率93%の無色液体2.55 gを得る。[α]
20D -3.4 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.70-3.63 (m, 4H), 3.17 (s, 3H), 2.41 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.74-1.59 (m, 2H), 1.51-1.23 (m, 6H), 0.93-0.84 (m, 12H), 0.04 (d, J = 1.2 Hz, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 174.59, 71.89, 61.15, 39.25, 36.73, 32.09, 25.89, 20.45, 18.48, 18.09, 14.29, -4.46, -4.50. HRMS (ESI) Calcd for C
16H
36NO
3Si ([M + H]
+): 318.2459, Found: 318.2465.
5.3 アセタールの合成
【0070】
【化14】
【0071】
窒素密閉状態で、5.2で調製したアミド(2.55 g, 8.0 mmol)のブチレンオキシド(60 mL)溶液の中にグリニャール試薬(24 mL, 1.0 M in THF, 24.0 mmol)を滴入し、室温状態で11時間反応させる。アンモニア飽和溶液で反応を停止させた後、酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1)によって收率96%の無色液体2.76 gを得る。[α]
20D -0.8 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.89 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 3.98-3.78 (m, 4H), 3.67-3.58 (m, 1H), 2.51 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.40 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.00-1.92 (m, 2H), 1.69-1.49 (m, 2H), 1.44-1.22 (m, 6H), 0.91 - 0.83 (m, 12H), 0.02 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 210.03, 103.32, 71.81, 64.93, 42.94, 39.26, 36.48, 36.36, 27.54, 25.88, 19.66, 18.46, 18.09, 14.28, -4.48. HRMS (ESI) Calcd for C
19H
39O
4Si ([M + H]
+): 359.2612, Found: 359.2616.
5.4保護基の脱除
【0072】
【化15】
【0073】
5.3で調製したアセタール(2.76 g, 7.7 mmol)のブチレンオキシド(20 mL)溶液の中にTBAF (38.5 mL, 1.0 M in THF, 38.5 mmol) を添加し、室温状態で20時間反応させる。アンモニア飽和溶液で反応を停止させた後、酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって無色液体1.54 gを得る。いわゆる收率82%の対象産出物δ-ヒドロキシケトンとヘミアセタールの混合物である。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.93-4.81 (m, 1H), 4.01-3.89 (m, 2H), 3.88-3.78 (m, 2.3H), 3.59-3.49 (m, 0.7H), 3.32 (s, 0.2H), 2.51 (t, J = 7.2 Hz, 1.4H), 2.44 (t, J = 7.2 Hz, 1.4H), 1.99-1.90 (m, 1.7H), 1.86-1.51 (m, 4H), 1.48-1.22 (m, 6H), 0.95-0.81 (m, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 210.24, 104.29, 103.24, 95.44, 71.04, 69.32, 64.89, 42.46, 39.56, 38.40, 36.73, 36.46, 36.36, 34.00, 31.15, 27.49, 26.64, 19.62, 19.16, 18.76, 18.63, 14.04.
5.5ヒドラジド化合物の合成
【0074】
【化16】
【0075】
5.4で調製した化合物(635 mg, 2.6 mmol)をジクロロメタン(20 mL)の中に溶かし、-20 °C状態でトリエチルアミン (394 mg, 3.9 mmol)とメタンスルホニルクロリド(388 mg, 3.4 mmol)を添加し、3時間反応させる。アンモニア飽和溶液で反応を停止させ、ジクロロメタンを抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧し脱溶媒させて無色液体を得る。前記無色液体の中にDMF (20 mL)を添加して希釈させた後、NaN
3 (3.38 g, 52 mmol)を数回にわたって添加し、100 °C状態で20時間攪拌し反応させる。室温にまで冷却させた後、NaN
3をろ過除去し、水で有機層を洗い流し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)によって收率60%の無色液体420 mgを得る。[α]
20D -2.8 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.86 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 3.95-3.74 (m, 4H), 3.25-3.14 (m, 1H), 2.48 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.41 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.97-1.88 (m, 2H), 1.75-1.53 (m, 2H), 1.52-1.26 (m, 6H), 0.88 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 209.34, 103.11, 64.82, 62.45, 42.01, 36.31, 36.24, 33.57, 27.41, 20.15, 19.14, 13.71. HRMS (ESI) Calcd for C
13H
23N
3O
3Na ([M + Na]
+): 292.1632, Found: 292.1636.
5.6 (-)-Indolizidine 167Bの合成
【0076】
【化17】
【0077】
5.5で調製した化合物(250 mg, 0.93 mmol)をブチレンオキシド(9 mL)の中に溶かし、それに2 N 塩酸溶液 (9 mL)を添加し、室温状態で4時間反応させる。酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)によって收率89%の無色液体186 mgを得る。[α]
20D -6.6 (c 2.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.80 (s, 1H), 3.32-3.20 (m, 1H), 2.80-2.69 (m, 4H), 2.52 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.83-1.59 (m, 2H), 1.54-1.35 (m, 6H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 208.10, 200.40, 62.52, 42.11, 37.44, 36.35, 34.56, 33.60, 20.24, 19.25, 13.81.
前記無色液体(50 mg, 0.22 mmol)を水素化反応内管の中に添加した後、それに10 wt% Pd/C (23 mg, 0.022 mmol)とMeOH (5 mL)を加え、圧力10 atmになるまで水素を充填し、室温状態で4時間反応させる。ろ過・脱溶媒後に無色液体を得る。酢酸エチルを添加して希釈し、1 N HCl (5 mL)で酸化させ、溶液を分離する。酢酸エチルで水層を洗浄した後、水層に飽和炭酸水素ナトリウムを緩慢に添加させて弱アルカリ性状態にする。水層から酢酸エチルを抽出し、乾燥させる。脱溶媒後、收率71%の無色液体26 mgを得る。[α]
20D -101.3 (c 1.0, CH
2Cl
2),
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.26 (dt, J = 2.0, 8.8 Hz, 1H), 1.96 (q, J = 8.8 Hz, 1H), 1.87-1.57 (m, 8H), 1.49-1.09 (m, 8H), 0.90 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 64.97, 63.67, 51.53, 36.89, 31.00, 30.82, 30.52, 24.67, 20.37, 19.08, 14.50. HRMS (ESI) Calcd for C
11H
22N ([M + H]
+): 168.1747, Found: 168.1750.
【実施例6】
【0078】
(R)-Lisofyllineの合成
6.1 ヒドロキシル選択性の保護
【0079】
【化18】
【0080】
(R)-ヘキサン-1,5-ジオール(730 mg, 5 mmol)をジクロロメタン(10 mL)の中に溶かし、-20 °C状態でトリエチルアミン(555 mg, 5.5 mmol)とメタンスルホニルクロリド(570 mg, 5 mmol)を添加させる。-20 °C温度で2時間攪拌し反応させた後、アンモニア飽和溶液で反応を停止させる。ジクロロメタンを抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって收率69%の無色液体672 mgを得る。[α]
20D -9.6 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.24 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.87-3.77 (m, 1H), 3.01 (s, 3H), 1.83-1.73 (m, 2H), 1.68 (s, 1H), 1.58-1.42 (m, 4H), 1.20 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 69.92, 67.63, 38.37, 37.31, 29.03, 23.56, 21.64. HRMS (ESI) Calcd for C
7H
17O
4S ([M + H]
+): 197.0843, Found: 197.0841.
上記で得られるメタンスルホネート(390 mg, 1.74 mmol)、無水酢酸(673 mg, 6.6 mmol)、 トリエチルアミン(707 mg, 7.0 mmol)、DMAP (61 mg, 0.5 mmol)とTHF (10 mL)の混合溶液を室温状態で4時間攪拌し反応させる。脱溶媒後、酢酸エチルを入れて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって收率92%の無色液体426 mgを得る。[α]
20D -1.8 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.94-4.83 (m, 1H), 4.21 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.00 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.81-1.70 (m, 2H), 1.66-1.39 (m, 4H), 1.20 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 170.71, 70.39, 69.67, 37.32, 35.15, 28.85, 21.33, 21.31, 19.87. HRMS (ESI) Calcd for C
9H
19O
5S ([M + H]
+): 239.0948, Found: 239.0950.
6.2 (R)-Lisofyllineの合成
【0081】
【化19】
【0082】
窒素密閉状態で、NaH (38.4 mg, 1.6 mmol)のDMSO (10 mL)懸濁液の中にテオブロミン(288 mg, 1.6 mmol)を緩慢に添加させる。60
oCにまで加熱させた後、6.1で調製した化合物DMSO (2 mL)溶液を緩慢に添加させ、前記温度で7時間攪拌し反応させる。室温にまで冷却させた後、水を入れて反応を停止させ、酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、白色の固体物を得る。前記白色固体物の中にメタノール(20 mL)を添加して溶解させた後、K
2CO
3 (1.1 g, 8 mmol)を加え、室温状態で4時間攪拌させる。水を入れて反応を停止させ、酢酸エチルを抽出し、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって收率77%の白色固体物375 mgを得る。融点123-125
oC。 [α]
20D -5.0 (c 1.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.50 (s, 1H), 4.00 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.83-3.75 (m, 1H), 3.55 (s, 3H), 1.73-1.62 (m, 2H), 1.56-1.35 (m, 5H), 1.17 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 155.33, 151.47, 148.71, 141.39, 107.64, 67.79, 41.10, 38.73, 33.55, 29.66, 27.86, 23.46, 22.87. HRMS (ESI) Calcd for C
13H
21N
4O
3 ([M + H]
+): 281.1609, Found: 281.1613.
【実施例7】
【0083】
(-)-Coniineの合成
7.1ピペリジンの合成
【0084】
【化20】
【0085】
(S)-オクタン-1,5-ジオール(231 mg, 1.58 mmol)をジクロロメタン(10 mL) の中に溶かし、-20 °C状態でトリエチルアミン(479 mg, 4.74 mmol)とメタンスルホン酸(450 mg, 3.95 mmol)を加え、前期温度状態で2時間反応させる。アンモニア飽和溶液を入れて反応を停止させ、ジクロロメタンを抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後に無色液体を得る。0°C状態で、前記無色液体の中にベンジルアミンを加えて12時間攪拌し反応させる。減圧しベンジルアミンを除去した後、酢酸エチルを入れて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した後、無水亜硫酸マグネシウムで乾燥させる。脱溶媒後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1)によって收率69%の無色液体236 mgを得る。[α]
20D -77.6 (c 2.0, CHCl
3).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.35-7.27 (m, 4H), 7.25-7.19 (m, 1H), 3.97 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.22 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 2.73 (dt, J = 11.2, 4.4 Hz, 1H), 2.32-2.23 (m, 1H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.71-1.23 (m, 10H), 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 139.84, 128.93, 128.05, 126.55, 60.61, 57.50, 51.68, 34.10, 30.25, 25.14, 23.71, 18.69, 14.63.
7.2 (-)-Coniineの合成
【0086】
【化21】
【0087】
水素化反応内管の中に7.1で調製したピペリジン(17 mg, 0.078 mmol)、10 wt% Pd/C (8.3 mg, 0.0078 mmol)、濃縮HCl (0.1 mL)とMeOH (3 mL)を添加し、圧力10 atmになるまで水素を充填した後、3時間攪拌し反応させる。ろ過・脱溶媒後に收率98%の淡い黄色固体物13 mgを得る。融点220-222
oC。 [α]
20D -6.4 (c 1.0, EtOH).
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.23 (br s, 1H), 8.95 (br s, 1H), 3.62-3.43 (m, 1H), 3.05-2.75 (m, 2H), 2.10-1.58 (m, 7H), 1.58-1.35 (m, 3H), 0.95 (t, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 57.23, 45.07, 35.41, 28.10, 22.39, 22.23, 18.64, 13.77.