(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6487622
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】荷物吊下具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20190311BHJP
【FI】
A47G29/00 F
A47G29/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-17393(P2014-17393)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-142684(P2015-142684A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2017年1月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 特許を受ける権利の承継について 公開の事実に記載の公開行為により公開された発明は、田中収一、岡田賢太及び松本俊吾によって発明されたものであり、発明の直後(平成25年11月20日)にその発明の特許を受ける権利が株式会社リヒトラブに譲渡され、その後、平成26年1月に株式会社リヒトラブが特許出願を行った。
(73)【特許権者】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(74)【代理人】
【識別番号】100149478
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 竜也
(74)【代理人】
【識別番号】100091672
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 啓三
(72)【発明者】
【氏名】田中 収一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 賢太
(72)【発明者】
【氏名】松本 俊吾
【審査官】
青木 正博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−176427(JP,A)
【文献】
実開平06−052662(JP,U)
【文献】
特許第3034464(JP,B2)
【文献】
実公昭45−010992(JP,Y1)
【文献】
国際公開第2002/040763(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0244031(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00−29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け対象となる台の上面のみに当接し、吊り下げられた荷物の荷重によって前記上面に水平な方向の摩擦力を生み出す板状の支持体と、
軸受部を有し前記支持体の上に設けられたソケット部と、
球状の基端部を有し、該球状の基端部が前記ソケット部の軸受部によって回転自在に保持された略S字状のフックと、
前記支持体の上部を覆うとともに、前記フックの水平方向への回転運動を阻止する回転規制溝が形成されたカバー体と、
を備えたことを特徴とする荷物吊下具。
【請求項2】
前記支持体の底面に前記支持体と前記台の上面との間の摩擦係数を増大させる摩擦カバー体を備えていることを特徴とする請求項1に記載の荷物吊下具。
【請求項3】
前記フックは前記ソケット部と球面で接触する基端部を有し、前記基端部が摺動することで前記支持体に対して回転可能に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の荷物吊下具。
【請求項4】
前記フックは、前記基端部から支持体の外側に向かって直線状に延びる第1の竿体と、前記第1の竿体から直角に屈曲して下方に延びる第2の竿体と、前記第2の竿体から鈍角に屈曲して前記基端部の下方に向かって斜めに延びる第3の竿体と、前記第3の竿体から鈍角に屈曲して下方に延びる第4の竿体と、前記第4の竿体から鋭角に屈曲して前記第1の竿体と同じ方向に延びる第5の竿体とを備えることを特徴とする請求項3に記載の荷物吊下具。
【請求項5】
前記第4の竿体は弾性チューブで覆われていることを特徴とする請求項4に記載の荷物吊下具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや机などに引っ掛けるように設置して荷物を吊り下げることができる荷物吊下具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、机やテーブル等の台の上面に引っ掛けて設置する荷物吊下具として、机などの上面に載置されて摩擦力を発揮する支持体と、その支持体によって支持されたフックとを備えたものが知られている。支持体に取り付けられたフックには、略S字状のものと、L字状のものがあり、略S字状に延びたフックは、机の下側で荷物を吊り下げるために用いられる。またL字状のフックは、机の側板の横で荷物を吊り下げるために用いられる。
【0003】
さらに、フックの中程にフックの先端側を回転可能とする連結具を設け、フックの向きを変えることができる荷物吊下具も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭48−8521号公報
【特許文献2】特開2005−73831号公報
【特許文献3】特表2013−525043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の荷物吊下具は、机の下又は机の側方の何れかにしか安定的に荷物を吊り下げることができないという問題がある。
【0006】
そこで、取り付け場所を選ばずに簡単に設置することができる荷物吊下具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一観点によれば、取り付け対象となる台の上面
のみに当接し、吊り下げられた荷物の荷重によって前記上面に水平な方向の摩擦力を生み出す板状の支持体と、
軸受部を有し前記支持体の上に設けられたソケット部と、
球状の基端部を有し、該球状の基端部が前記ソケット部の軸受部によって回転自在に保持された略S字状のフックと、前記支持体の上部を覆うとともに、前記フックの水平方向への回転運動を阻止する回転規制溝が形成されたカバー体と、を備えた荷物吊下具が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記観点の荷物吊下具によれば、フックを机などの台の側板の横に配置したときに、回転規制溝によってフックの横方向の回転運動が規制されるので、フックを安定させることができる。これにより、机の下に荷物を吊り下げられるだけでなく、フックを机の側板の横に配置した場合であっても安定して荷物を吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る荷物吊下具の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の荷物吊下具を分解して示す斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、
図1の荷物吊下具を側板のある机に設置した状態を示す断面図であり、
図4(b)は
図1の荷物吊下具を側板のない机に設置した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る荷物吊下具10の斜視図であり、
図2は
図1の荷物吊下具を分解して示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の荷物吊下具10は、机やテーブルなどの取り付け対象となる台の上面に配置される本体18と、その本体18の上部の中央から伸び出た略S字状のフック12とを備えている。
【0013】
本体18は円盤状に形成されており、
図2に示すように、その内部には、円形の支持体11を備えている。支持体11の上面には、フック12を保持するソケット部11aが形成されている。このソケット部11aは、支持体11の中心から外周に向けて延びる一対の壁11bと、壁11bの中央部に設けられた軸受部11cとを備えている。その軸受部11cにはフック12の球状の端部(基端部12a)が嵌め込まれる。フック12の基端部12aが軸受部11cに球面で接触して摺動することで、フック12が支持体11に対して回転自在に保持される。
【0014】
上記の支持体11の上は、カバー体13で覆われる。このカバー体13には、支持体11の壁11bと一致して延びる回転規制溝13aが形成されている。この回転規制溝13a及び一対の壁11bの幅はフック12と略同じ幅に形成されており、フック12の水平方向(
図1の矢印Dの方向)への回転運動を阻止する。
【0015】
支持体11の下には、本体18と机やテーブルなどの天板との間の摩擦係数を増加させるべく、例えばシリコーンゴムなどで形成された摩擦カバー体14が取り付けられる。なお、摩擦カバー体14に代えて、粘着性を有するシートを支持体11の下面に張り付けてもよい。
【0016】
一方、フック12は、
図3に示すように、金属製の棒を略S字状に屈曲して形成されたものであり、その両端12a、12gには金属製の球体が溶接により接合されている。
【0017】
このうち、本体11によって保持される基端部12aからは、直線状に第1の竿部12bが伸びている。この第1の竿部12bは、本体18の外周の外側に伸び出る部分であり、本体18の半径よりも長く形成されている。
【0018】
第1の竿部12bからは、屈曲部を介して第2の竿部12cが第1の竿部12bに対して直角下向きに伸びている。この第2の竿部12cの長さは、机の天板の厚さ(例えば3〜4cm程度)よりも長く形成されている。第2の竿部12cからは、鈍角の屈曲部を介して第3の竿部12dが基端部12aの下方に向かって斜め下方向に伸びている。さらに、第3の竿部12dからは鈍角の屈曲部を介して第4の竿部12eが下方に向かって伸びている。
【0019】
第4の竿部12eは、側板がある机に荷物吊下具10を設置したときにフック12が机の側板と接触する部分となっており(
図4(a)参照)、この第4の竿部12eには、
図1に示すように可撓性の弾性チューブ15が取り付けられる。このように弾性チューブ15を取り付けることにより、フック12と机の側板との摩擦係数を増大させてフック12を安定にすることができるとともに、机の側板に傷が付くのを防止できる。
【0020】
なお、第4の竿部12eの向きは、本体18を机の端に設置したときに、第4の竿部12e全体で机の側板と接触する角度に設定することが好ましい。
【0021】
図3に示すように、第4の竿部12eからは鋭角の屈曲部を介して第5の竿部12fが第1の竿部12bと平行な向きに延びている。この第5の竿部12fの重心Fは、フック12を下げ下した時に、基端部12aから鉛直下方に下げ伸ばした線Eよりも、第4の竿部12eに近い位置となるように設定されている。
【0022】
以上のような荷物吊下具10は、
図1に示すように、フック12が回転規制溝13aに沿って矢印Aのように上下方向へ動く。また、フック12は、第1の竿部12bから伸びる軸Bの周りに矢印Cに示すように回転可能となっている。
【0023】
次に、荷物吊下具10の使用例について説明する。
【0024】
図4(a)は、荷物吊下具10を側板のある机21に設置した状態を示す断面図である。
【0025】
図4(a)に示すように、荷物吊下具10の本体18は、机21の端部付近に配置され、フック12は第4の竿部12eの部分で、弾性チューブ15を介して机21の側板と接触する。
【0026】
この場合には、フック12の第1の竿部12bが本体18から立ち上がった状態となるが、フック12が任意の方向に回転可能であると、フック12が水平方向(
図1の矢印Dの方向)に回転して倒れてしまい、安定して荷物を吊り下げることができない。
【0027】
これに対し、本実施形態の荷物吊下具10では、回転規制溝13aによりフック12の水平方向への回転運動が規制されるため、フック12を机21の側板に当接させて使用しても、フック12の位置を安定に保つことができる。
【0028】
なお、図中の矢印Mは、フック12に下げた荷物の荷重を示している。図示のように、フック12と机21の側板との接触部分を支点Oとし、フック12の基端部12aを作用点としたテコとして働き、矢印Nに示すように本体18に対して机21の外側に向かう力が作用する。
【0029】
本実施形態のフック12は、荷物の荷重が加わる部分(力点)から支点Oまでの距離L1よりも、支点Oと基端部12a(作用点)との距離L2の方が長く形成されている。このため、矢印Nの方向に作用する力を小さくすることができ、本体18の摩擦力によって荷物吊下具10の脱落を防止できる。
【0030】
図4(b)は、荷物吊下具10を側板のない机31に取り付けた状態を示す断面図である。
【0031】
図4(b)に示すように、側板のない机31に荷物吊下具10を吊り下げると、フック12の第2の竿部12c及び第3の竿部12dが机31の天板を回り込み、第5の竿部12fが机31の下に配置される。
【0032】
第5の竿部12fに荷物を吊り下げた時に、荷重の作用点がフック12の基端部12aよりも机31の端側にあると、本体11に対して机31の端側に向かう力が作用して荷物吊下具10が外れやすくなる。
【0033】
これに対し、本実施形態の荷物吊下具10では、第5の竿部12fの重心が基端部12aよりも机31の中心側となるため、第5の竿部12fに荷物を下げても荷物吊下具10が机31から外れにくくなり安定して荷物を吊り下げることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る荷物吊下具10によれば、取り付け対象となる机の側板の有無にかかわらず荷物を吊り下げることができる。
【0035】
以上の説明では、荷物吊下具10を机に取り付ける例で説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、本体を設置可能な水平な上面を有する様々な家具等に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0036】
10…荷物吊下具、11…支持体、11a…ソケット部、11b…壁、11c…軸受部、12…フック、12a、12g…端部、12b〜12f…竿部、13…カバー体、13a…回転規制溝、14…摩擦カバー体、18…本体、21、31…机。