【実施例】
【0033】
[実施例1]
下記表1に示す各種配合割合で各種原料を配合して、各種スタイリング化粧料を調製した(処方例1〜6)。これらのスタイリング化粧料を用いて毛髪を処理したときに、「セット力」、「リッジの出易さ(リッジ感)」、「耐湿性」、「フレーキングの抑制力」について、下記の方法で評価した。尚、表1中、「Mw」は「重量平均分子量」であることを意味する(表2〜6においても同じ)。
【0034】
<セット力の評価方法>
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)の一部に、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)1gを塗布し、毛髪に均一にのばした。その後毛髪を根元から立ち上げたときのセット力を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:非常に立ち上げ易い
2点:立ち上げ易い
1点:立ち上げにくい
【0035】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0036】
(パーマスタイルの試験用ウィッグの作製)
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)を用い、直径20mmのロッドで巻いた後、パーマ剤第1剤「カールエックス CYA−1T」(商品名:中野製薬株式会社製)を塗布し室温で10分間放置し水洗した。その後、パーマ剤第2剤「カールエックス SC−2」(商品名:中野製薬株式会社製)を塗布し10分間放置後水洗し、パーマ処理を行った。作製した試験用ウィッグを完全に乾燥させた後、以下の評価に用いた。
【0037】
<リッジの出易さ(リッジ感)の評価方法>
各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)5gを手に取り、のばした後、上記方法で作製したパーマスタイルの試験用ウィッグの毛髪に、均一に塗布しスタイルをつくった。できあがったスタイルのリッジ感を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:非常にリッジが出易い(しっかりとしたウェーブが出る)
2点:リッジが出易い(ウェーブが出る)
1点:リッジが出にくい(ウェーブが出にくい)
【0038】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0039】
(耐湿性試験用毛束の作製)
化学的処理(例えば、パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等)を全く受けていない毛髪を用いて、長さ約20cm、重さ1gの試験用毛束を作製し、完全に乾燥させた後に下記の評価に用いた。
【0040】
<耐湿性の評価方法>
試験用毛束に各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)0.5gを塗布し、くしで毛髪に均一にのばした。その後ロッド(直径12mm)に重ならないように巻きつけ固定し、60℃で30分間乾燥させ、カールを形成した。その後、20℃、湿度60%で1時間以上放置、冷却し、ロッドから毛髪を外した。カールを形成した毛髪を、30℃、湿度90%で1時間放置した後、その自然長を測定し、下記の計算式より耐湿性(カール保持率)を算出した。このとき、カール形成直後の長さ(自然長:吊した状態での長さ)を100%とし、1時間放置後の自然長が長くなるにつれて、耐湿性が低くなると評価できるものである。そして、下記の評価基準で判定した。
【0041】
耐湿性(カール保持率、%)=(L/L
0)×100
L
0:カールを形成した直後の毛束長(cm)
L:カールを形成した毛髪を、30℃、湿度90%で1時間放置した後の毛束長(cm)
【0042】
[評価基準]
◎:130%未満
○:130%以上160%未満
△:160%以上190%未満
×:190%以上
【0043】
(フレーキング抑制力試験用毛束の作製)
化学的処理(例えば、パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等)を全く受けていない毛髪を用いて、長さ約20cm、重さ8gの試験用毛束を作製し、完全に乾燥させた後に下記の評価に用いた。
【0044】
<フレーキング抑制力の評価方法>
試験用毛束に各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)2gを塗布し、くしで毛髪に均一にのばした。その後、20℃、湿度60%で24時間以上調湿し、毛髪をくしで根元から毛先へ連続して10回コーミングし、毛髪上のフレーキングを専門パネラー10名により目視評価で下記の3段階評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:フレーキングがほとんど認められない
2点:フレーキングが少し認められる
1点:フレーキングが非常に多く認められる
【0045】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0046】
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例1〜6)と共に、下記表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
この結果から、次のように考察できる。(A)重量平均分子量が200万〜300万のポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を用いた場合のみ、十分なセット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力を得られることがわかる(処方例1)。これに対して、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の代わりに、他の合成樹脂化合物(水溶性油状オリゴマー)を配合したものでは(処方例2〜6)、上記の特性のいずれかが劣化していることがわかる。
【0049】
[実施例2]
下記表2に示す各種スタイリング化粧料(処方例7〜10)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によって「使用後の手のベタつきにくさ」を評価した。
【0050】
<使用後の手のベタつきにくさの評価方法>
各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例7〜10)0.1gを手のひらで伸ばし、乾燥させた後の手のベタつきを専門パネラー10名により、下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。
3点:全くベタつかない
2点:ほとんどベタつかない
1点:ベタつく
【0051】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0052】
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例7〜10)と共に、下記表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
この結果から、次のように考察できる。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量(Mw)が大きくなるほど、セット力がより向上し、使用後の手のベタつきが低減することがわかる(処方例7〜10)。
【0055】
[実施例3]
下記表3、4に示す各種スタイリング化粧料(処方例11〜30)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]した。これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例11〜30)と共に、下記表3、4に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
これらの結果から、次のように考察できる。(A)ポリビニルピロリドン単独で用いた場合(処方例11、16、21)、(A)ポリビニルピロリドンの含有量が9質量%となった場合(処方例11〜15:合計含有量[(A)+(B)]9質量%以上)、または(A):(B)=200:1となった場合(処方例26)、フレーキングの抑制力が低下していることがわかる。
【0059】
これ対して、(A)ポリビニルピロリドン単独ではなく、適量の(A)ポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を併用して処方例(処方例17〜20、22〜25、27〜30)では、耐湿性、フレーキングの抑制力が向上することがわかる。
【0060】
また(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の含有量1に対し、(A)ポリビニルピロリドンの含有量が70以下の場合、耐湿性、フレーキングの抑制力がより向上することがわかる(処方例17〜20、22〜25、27〜30)。また(A)ポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の合計含有量が2%以上の場合十分なセット力が得られ、4%以上になるとよりセット力が向上することがわかる(処方例17〜20、22〜25、27〜30)。
【0061】
更に、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の含有量が3質量%を超えると、ウェーブのリッジが出難くなることがわかる(処方例15、20、25、30)。
【0062】
[実施例4]
下記表5に示す各種スタイリング化粧料(処方例31〜37)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によってスタイルをつくり込むまでの時間を評価した。
【0063】
<スタイルをつくり込むまでの時間の評価>
実施例1に示した方法で作製したパーマスタイルの試験用ウィッグに、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例31〜37)5gを手に取り、のばした後、毛髪に均一に塗布しスタイルをつくった。スタイリングを終えるまでの時間(5〜10分程度)を設定し、スタイルをつくり込むまでの時間を、専門パネラー10名により各自の判断で下記の2段階で評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。3点×10人=30点を満点評価とする主旨で、時間評価を3点と1点のいずれかで答えてもらうこととした。
3点:ちょうど良い
1点:悪い
【0064】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0065】
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例31〜37)と共に、下記表5に示す。
【0066】
【表5】
【0067】
この結果から、次のように考察できる。(C)エタノールの含有量が10質量%以下の場合(処方例31〜34)、スタイルをつくり込むまでの時間がちょうど良くなることがわかる。特に、(C)エタノールの含有量が6質量%以下となった場合(処方例31〜33)、スタイルをつくり込むまでの時間が最も良くなることがわかる。これに対して、(C)エタノールの含有量が10質量%を超えた場合(処方例35〜37)、スタイリング化粧料を塗布した後の毛髪の乾燥速度が速すぎるため、好ましくないことが分かる。
【0068】
[実施例5]
下記表6に示す各種スタイリング化粧料(処方例38〜42)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によって塗布感(毛髪へのなじみやすさ)を評価した。
【0069】
<塗布感の評価方法>
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)に、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例38〜42)5gを手に取り、のばした後、毛髪に均一に塗布した。その際の塗布感を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。
3点:非常に塗布しやすい(均一に塗布しやすく毛髪へのなじみが良い)
2点:塗布しやすい(毛髪へのなじみが良い)
1点:塗布しにくい(均一に塗布しづらく毛髪へのなじみが悪い)
【0070】
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
【0071】
【表6】
【0072】
この結果から、次のように考察できる。(D)カルボキシビニルポリマーの含有量が0.5質量%を超えると(処方例41、42)、粘度が高まり塗布感が低下することがわかる。これに対して、(D)カルボキシビニルポリマーの含有量が0.5質量%以下の場合(処方例38〜40)、塗布感が良好になっていることがわかる。