(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記経路情報取得手段は、設定された経路に沿って走行するように案内を行う経路案内機能を用いずに前記出発地から前記目的地までを走行した際の前記経路情報を取得することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路探索システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る経路探索システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る経路探索システム1の概略構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る経路探索システム1を示した概略構成図である。
図2は本実施形態に係る経路探索システム1の構成を示したブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る経路探索システム1は、ナビゲーション装置2を搭載した各車両3と、各車両3からプローブ情報を収集し、収集したプローブ情報に基づく各種情報の作成・配信を行うプローブセンタ4とから基本的に構成されている。尚、ナビゲーション装置2の代わりにスマートフォンやタブレット型端末等の通信端末を用いる構成としても良い。
【0015】
車両3は全国の各道路を走行する車両であり、プローブカーとして後述のプローブセンタ4とともにプローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両3が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両3に搭載された携帯電話機やDCM等の車両用の通信モジュール(以下、単に通信モジュールという)を介してプローブセンタ4に定期的に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。
【0016】
また、プローブセンタ4は、全国各地を走行する各車両3から送信された現在時刻や走行情報等を含むプローブ情報を収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報からナビゲーション装置2において経路探索処理を行う際のコスト値の算出基準等の配信情報(プローブ統計情報)を生成し、生成された配信情報を車両3に対して配信する情報配信センタである。
【0017】
また、車両3にはナビゲーション装置2が設置されている。ナビゲーション装置2は格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両の現在位置を表示したり、プローブセンタ4から配信されたプローブ統計情報を用いて設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。尚、ナビゲーション装置2の詳細については後述する。
【0018】
続いて、経路探索システム1を構成するプローブセンタ4の構成について
図2を用いてより詳細に説明する。
【0019】
プローブセンタ4は、
図2に示すようにサーバ11と、サーバ11に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB12と、プローブ統計情報DB13と、センタ通信装置14とから基本的に構成されている。
【0020】
サーバ11は、プローブセンタ4における各種制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、収集したプローブ情報に基づいてナビゲーション装置2において経路探索処理を行う際のコスト値の算出基準を算出する為の後述のプローブ情報整備プログラム(
図5)や基準算出処理プログラム(
図7)等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ11は、後述のナビゲーションECU33とともに処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、地点設定手段は、車両の出発地及び目的地を設定する。経路情報取得手段は、過去に同じ車両が設定された出発地から目的地までを走行した経路を特定する経路情報を取得する。探索基準設定手段は、経路情報取得手段により取得された経路情報に基づいて、出発地から目的地までの経路探索処理によって探索される経路が、経路情報によって特定される経路に最も近づくように経路探索処理におけるコスト値の算出基準を設定する。
【0021】
また、プローブ情報DB12は、全国を走行する各車両3から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、本実施形態においては、車両3から収集されるプローブ情報として、特に(a)日時、(b)プローブ情報の送信元の車両を特定するID、(c)出発地、(d)目的地、(e)車両3が走行したリンク列に関する情報が含まれる。但し、プローブ情報としては上記(a)〜(e)に関する情報を必ずしも全て含む必要はなく、例えば(b)〜(e)に関する情報のみを含む構成としても良い。
【0022】
以下に、
図3を用いてプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報についてより詳細に説明する。
図3はプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
【0023】
図3に示すように、プローブ情報は、上記(a)〜(e)に関する情報等が含まれる。例えば、
図3に示すプローブ情報は、2014年10月10日の10:00:00”に、ID“101”の車両3が出発地Aから走行を開始して、リンクa、リンクb、リンクc、リンクdの順に走行して目的地Bまで走行した ことが記憶されている。同様にして、他のプローブ情報についても記憶されている。尚、本実施形態では、特にナビゲーション装置2等による経路案内機能(設定された経路に沿って走行するように案内を行う機能)を用いずに走行した車両3から上記プローブ情報を収集するように構成する。従って、出発地は例えばエンジンやACC電源がONされた地点、目的地は例えばエンジンやACC電源がOFFされた地点が特定される。
【0024】
そして、プローブセンタ4は、プローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報を統計することによって、車両毎にナビゲーション装置2において経路探索処理を行う際のコスト値の算出基準を特定する。より具体的には、ユーザの嗜好を反映する為のコスト係数(経路探索処理で探索コストに積算したり加算することによってコストを調整する係数)を特定する。尚、コスト値の算出基準の特定に関する詳細については後述する。そして、特定されたコスト値の算出基準に関する情報をプローブ統計情報DB13に記憶する。
【0025】
そして、プローブセンタ4は、プローブ統計情報DB13に記憶されたプローブ統計情報をナビゲーション装置2の要求に応じてナビゲーション装置2に配信する。一方で、プローブ統計情報の配信されたナビゲーション装置2は、配信されたプローブ統計情報を用いて経路探索処理等の各種処理を実行する。
【0026】
また、センタ通信装置14は、車両3やVICS(登録商標)センタとネットワーク15を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置14を介してプローブ情報や配信情報を各車両3との間で送受信する。
【0027】
次に、車両3に搭載されたナビゲーション装置2の概略構成について
図4を用いて説明する。
図4は本実施形態に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0028】
図4に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置2は、ナビゲーション装置2が搭載された車両3の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や後述の経路探索処理によって探索された経路に関する経路情報等を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。
【0029】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置2が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置2が備える構成としても良い。
【0030】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB45、配信情報DB46及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0031】
ここで、地図情報DB45は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各分岐点に関する分岐点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0032】
また、探索データとしては、後述のように出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。具体的には、交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用するコスト算出データが記憶されている。
【0033】
ここで、交差点コストは、探索コストの算出対象となる経路に含まれる交差点に対応するノード毎に設定され、信号機の有無、交差点を通過する際の自車の走行経路(即ち直進、右折及び左折の種類)等によってその値が算出される。
また、リンクコストは、探索コストの算出対象となる経路に含まれるリンク毎に設定され、リンク長を基本にして、該リンクの道路属性や道路種別、道路幅、車線数に加えて、渋滞情報やプローブセンタ4によって算出されたユーザの嗜好を反映する為のコスト係数等を考慮して算出される。
【0034】
また、配信情報DB46は、プローブセンタ4から配信される配信情報が記憶された記憶手段である。尚、地図情報DB45や配信情報DB46は外部のサーバに記憶し、ナビゲーション装置2が通信により取得する構成としても良い。
【0035】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の経路探索処理プログラム(
図13)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0036】
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0037】
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
【0038】
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0039】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
【0040】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標)センタやプローブセンタ4等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、プローブ情報や配信情報をプローブセンタ4との間で送受信するのにも用いられる。
【0041】
続いて、上記構成を有する本実施形態に係る経路探索システム1を構成するプローブセンタ4のサーバ11においてCPU21が実行するプローブ情報整備プログラムについて
図5に基づき説明する。
図5は本実施形態に係るプローブ情報整備プログラムのフローチャートである。ここで、プローブ情報整備プログラムは所定時間間隔(例えば24時間間隔)で実行され、各車両3から収集したプローブ情報に基づいてコスト値の算出基準を算出する為の準備として、収集したプローブ情報を整備するプログラムである。尚、以下の
図5や
図7にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ11が備えているRAM22やROM23に記憶されており、CPU21により実行される。
【0042】
ここで、プローブ情報整備プログラムでは、プローブ情報を車両毎、地域毎及び時間帯毎に区分して整備する。従って、区分する車両毎、地域毎及び時間帯毎に以下のステップ(以下、Sと略記する)1以降の処理を繰り返し実行する。尚、地域は市区町村などの行政区画単位としても良いし、メッシュ単位としても良い。また、時間帯は例えば3時間間隔や6時間間隔とする。その結果、地域毎且つ時間帯毎(例えば7:00〜10:00、10:00〜13:00等)にプローブ情報が区分されて整備されることとなる。尚、時間帯毎且つ曜日毎に実行する構成としても良い。
【0043】
先ず、S1においてCPU21は、プローブ情報DB12に格納されたプローブ情報(
図3)の内、処理対象の地域及び時間帯に該当するプローブ情報を抽出する。例えば、車両AのA市の7:00〜10:00を処理対象としてプローブ情報の整備を行う場合には、車両Aが7:00から10:00までにA市を走行した走行履歴を有するプローブ情報をプローブ情報DB12から抽出する。
【0044】
次に、S2においてCPU21は、前記S1で取得したプローブ情報から処理対象となる車両(以下、処理対象車両という)の走行軌跡(経路)を抽出する。具体的に走行軌跡は、処理対象車両の出発地、目的地、出発地から目的地に到達するまでに走行したリンク列をそれぞれ特定する情報である。尚、走行軌跡はプローブ情報毎に抽出されるので、前記S1でプローブ情報を100個取得していれば100通りの走行軌跡が抽出されることとなる。また、本実施形態では、上記したようにナビゲーション装置2等による経路案内機能(設定された経路に沿って走行するように案内を行う機能)を用いずに出発地から目的地までを走行した車両3からプローブ情報を収集するように構成されている。従って、前記S2で抽出されるのは経路案内機能を用いずに走行した処理対象車両の走行軌跡となる。
【0045】
続いて、S3においてCPU21は、前記S2で抽出された走行軌跡に対して評価地点と評価点を設定する。具体的には、CPU21は、先ず走行軌跡に含まれる交差点(但し細街路との交差点は除く)の間に評価地点を1箇所ずつ設定する。次に、100点を設定された評価地点の数で割った点数を評価点として各評価地点に設定する。従って、例えば
図6に示すように走行軌跡に5か所の交差点A〜Eが含まれる場合には、交差点Aと交差点Bの間のリンクaに第1の評価地点が設定され、交差点Bと交差点Cの間のリンクbに第2の評価地点が設定され、交差点Cと交差点Dの間のリンクcに第3の評価地点が設定され、交差点Dと交差点Eの間のリンクeに第4の評価地点が設定される。そして、第1〜第4の各評価地点に対して25点の評価点が設定される。
【0046】
尚、評価地点は交差点と交差点の中間点に設定しても良いし、一方の交差点寄りに設定してもよい。また、評価地点に設定される評価点は、同一点数とせずに地点毎に変えても良い。例えば第1の評価地点の評価点を30点とし、第2の評価地点の評価点を10点に設定しても良い。そして、CPU21は、前記S2で抽出された全ての走行軌跡に対して、上記評価地点と評価点を設定する。
【0047】
その後、S4においてCPU21は、前記S2で抽出された走行軌跡を、前記S3で設定された評価地点及び評価点と対応させて基準データとしてDBに格納する。尚、前記S4で格納された基準データは、後述のようにナビゲーション装置2において経路探索処理を行う際のコスト値の算出基準を算出する際に用いられる。
【0048】
次に、経路探索システム1を構成するプローブセンタ4のサーバ11においてCPU21が実行する基準算出処理プログラムについて
図7に基づき説明する。
図7は本実施形態に係る基準算出処理プログラムのフローチャートである。ここで、基準算出処理プログラムはナビゲーション装置2において経路探索処理が実行された際に実行され、前述したプローブ情報整備プログラム(
図5)において作成された基準データを用いて、ナビゲーション装置2において経路探索処理を行う際のコスト値の算出基準を車両毎に算出するプログラムである。尚、本実施形態では、基準算出処理プログラムにおいてコスト値の算出基準を算出する際に、最適解を導くアルゴリズムの一つである焼きなまし法を用いる。
【0049】
先ず、S11においてCPU21は、ナビゲーション装置2において実行する経路探索処理(
図13)で指定された出発地及び目的地を特定する情報を、送信元の車両3を特定する情報とともに取得する。尚、出発地は例えばナビゲーション装置2のユーザ(車両)の現在位置や、ユーザによりナビゲーション装置2で指定された任意の地点(例えば自宅)となる。また、目的地はユーザによりナビゲーション装置2で指定された施設等が該当する。
【0050】
次に、S12においてCPU21は、前述したプローブ情報整備プログラム(
図5)において作成され、DBに格納された基準データの内、前記S11で出発地及び目的地を取得した車両の走行軌跡に関する基準データであって、且つ前記S11で取得された出発地及び目的地と同一の出発地及び目的地を有する走行軌跡に関する基準データを抽出する。
【0051】
続いて、S13においてCPU21は、焼きなまし法で用いる温度パラメータTを初期化する。尚、温度パラメータTは、後述のように焼きなまし法においてスコアが改善しなかった場合についてもパラメータを更新する確率を規定したパラメータであり、初期値は例えば100度(確率100%)とする。尚、温度パラメータTはRAM22等のメモリに格納される。
【0052】
その後、S14においてCPU21は、道路属性毎にパラメータPを規定し、各パラメータPの値に初期値を代入する。尚、パラメータPは、コスト係数(経路探索処理で探索コストに積算したり加算することによってコストを調整する係数)に相当する。ここで、
図8は前記S14で規定されるパラメータP(コスト係数)の一例を示した図である。尚、
図8に示す例ではパラメータPを規定する道路属性として“道路種別”、“車線数”、“幅員”、“設置された信号機の数”、“隣接する交差点の差路数”、“隣接する特定種類の施設の数”の計6種を設定する。尚、パラメータを規定する道路属性の種類や数は、適宜設定可能である。
【0053】
そして、
図8に示す例では、上記6種類の各道路属性に対してパラメータP
11〜P
64を規定している。例えば、道路種別「国道」にはパラメータP
13が規定され、隣接する交差点の差路数「0(交差点が隣接しない)」にはパラメータP
51が規定される。また、パラメータPに代入する初期値は適宜選択可能であるが、例えば
図9に示すようにP
11〜P
64について全て「1」を代入する。尚、P
11〜P
64毎に異なる値を初期値として代入することも可能である。
【0054】
続いて、S15においてCPU21は、前記S14で規定したパラメータPの内、いずれかのパラメータPについて新たな値へとランダムに変更する。尚、新たな値へ変更する対象となるパラメータPは任意で選択可能である。変更されるパラメータの数は1つでも良いし2つ以上でも良い。また、変更後の新たなパラメータPの値は、現在のパラメータPを上昇させる値であっても良いし、下降させる値であっても良い。更に、現在のパラメータPからどの程度変位させるか(例えば+0.1、−0.5、+1等)についても適宜設定可能である。例えば
図10に示す例では道路種別「都市高速」のパラメータP
13について「1」から0.1減算して「0.9」へと変更する。
【0055】
その後、前記S15で変更された後の各パラメータPの値を用いてS16以降の処理を実行する。但し、初回実行時については前記S15の処理は実行せずに前記S14で代入された初期値のパラメータPを用いてS16以降の処理を実行する。
【0056】
そして、以降のS16〜S18の処理は、前記S12で抽出された全ての基準データ(走行軌跡)を対象にして実行される。そして、全ての基準データ(走行軌跡)を対象としてS16〜S18の処理を実行した後にS19へと移行する。
【0057】
先ずS16においてCPU21は、処理対象の基準データをDBから取得する。尚、基準データは、前記したように走行軌跡と、走行軌跡に対して設定された評価地点及び評価点からなる(
図6参照)。
【0058】
次に、S17においてCPU21は、前記S14で規定されたパラメータP(コスト係数)を用いて前記S11で取得された出発地から目的地までの経路探索処理を行い、一の推奨経路を特定する。尚、後述のS20及びS21においてパラメータPの更新が行われている場合には更新後の最新のパラメータPを用いて統計情報が算出される。また、前記S15で新たな値に変更されたパラメータPについては変更後のパラメータPを用いて統計情報が算出される。また、前記S17の経路探索処理は、公知のダイクストラ法を用いて行われる。
【0059】
具体的には、以下の処理により推奨経路が特定される。
先ず、CPU21は、リンクのリンク長とパラメータPを用いて探索対象となる各リンクのリンクコストを算出する。尚、リンクコストは以下の式(1)により統計情報が算出される。
リンクコスト=探索対象リンクのリンク長L×探索対象リンクの該当する道路種別のパラメータ(P
11〜P
14のいずれか)×探索対象リンクの該当する車線数のパラメータ(P
21〜P
24のいずれか)×探索対象リンクの該当する幅員のパラメータ(P
31〜P
33のいずれか)+探索対象リンクの該当する信号機数のパラメータ(P
41〜P
42のいずれか)+探索対象リンクの該当する差路数のパラメータ(P
51〜P
54のいずれか)+探索対象リンクの該当するPOI数のパラメータ(P
61〜P
64のいずれか)・・・・(1)
尚、上記式(1)は前記S14で道路属性に対するパラメータとして
図8に示すパラメータP
11〜P
64を規定した場合の算出式である。尚、各パラメータPをリンク長に対して積算するか加算するかについては適宜変更可能である。例えば、リンク長の長さに応じて考慮すべきパラメータは積算し、リンク長に独立なパラメータは加算するように構成する。
更に、CPU21は、上記式(1)で算出されたリンクコスト以外の探索コスト、例えば交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化した交差点コストや、走行に必要な費用の程度を数値化した料金コスト等についても算出する。そして、算出された各探索コストの合計が最小となる経路を推奨経路とする。
【0060】
続いて、S18においてCPU21は、前記S16で取得された基準データの走行軌跡と、前記S17で探索された推奨経路とを比較し、その一致度合いをスコアとして算出する。具体的には、走行軌跡の内、推奨経路と一致した経路範囲にある評価地点に設定された評価点の合計をスコアとして算出する。例えば、
図11に示す例では、走行軌跡と推奨経路がリンクaとリンクdにおいて一致しており、リンクaとリンクdの計2か所の評価地点に設定された評価点の合計である50点がスコアとして算出される。尚、スコアが大きいほどパラメータPに基づいて算出された推奨経路が、自車両が過去に実際に走行した経路と近い、即ちパラメータPがより適当な値であることを示す。
【0061】
その後、S19においてCPU21は、前記S16〜S18において基準データ毎に算出されたスコアの合計値を算出し、前記S15でパラメータPを変更する前に算出された合計値(即ち、前回実行されたS19の処理で算出された合計値)よりも大きくなったか否か判定する。尚、合計値ではなく平均値、中央値、最大値を比較する構成としても良い。尚、初回実行時、即ち前記S17でパラメータPの初期値のみを用いて推奨経路が特定された場合には、S19以降の処理は行わずにS15へと戻る。
【0062】
そして、スコアの合計値が前回算出された値よりも大きくなったと判定された場合(S19:YES)には、S20へと移行する。それに対して、スコアの合計値が前回算出された値と同値又は小さくなったと判定された場合(S19:NO)には、S21へと移行する。
【0063】
S20においてCPU21は、前記S15で変更された新たなパラメータPの値が変更前よりも適当な値であると認定し、パラメータPを変更後の値に更新する。例えば、
図10に示す例では道路種別「都市高速」のパラメータP
13が「0.9」へと更新される。その後、S22へと移行する。
【0064】
一方、S21においてCPU21は、前記S15で変更された新たなパラメータPの値が変更前よりも不適な値であると認定する。そして、現在の温度パラメータTの値に基づく確率で、パラメータPを不適と判定された変更後の値に更新する。例えば本実施形態では温度パラメータTを100度から0度まで1度単位で変更する。そして、100度であれば100%、50度であれば50%の確率で前記S21のパラメータの更新を行う。尚、更新を行わないと判定された場合には、前記S15で変更されたパラメータPの値を変更前の値に戻す。例えば、
図10に示す例において前記S21で更新しないと判定された場合には、道路種別「都市高速」のパラメータP
13は変更前の「1」へと戻される。その後、S22へと移行する。
【0065】
S22においてCPU21は、現在の温度パラメータTをメモリから読み出し、新たな値に更新する。本実施形態では初期値を100度とし、1度ずつ減算する。
【0066】
次に、S23においてCPU21は、現在の温度パラメータTをメモリから読み出し、温度パラメータTが0度となったか否かを判定する。
【0067】
そして、温度パラメータTが0度となったと判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、温度パラメータTが0度となっていないと判定された場合(S23:NO)には、S15へと戻る。その後、いずれかのパラメータPについて再び新たな値へとランダムに変更し、S16以降の処理を実行する。そして、温度パラメータTが0度となるまでS15〜S22の処理を繰り返した結果、最終的に
図12に示すようにパラメータP(コスト係数)の最適値が特定される。尚、パラメータP(コスト係数)の最適値は、経路探索処理によって探索される経路が、過去に同一の出発地から目的地までを実際に自車両が走行した経路に最も近づくようにする為のコスト値の算出基準である。
【0068】
その後、S24においてCPU21は、上記S11〜S23の処理を実行した結果、最終的に特定された最適値のパラメータP(コスト係数)を、経路探索処理におけるコスト値の算出基準として設定し、対象となるナビゲーション装置2(前記S11で出発地と目的地を取得したナビゲーション装置)へと送信する。そして、ナビゲーション装置2では後述のようにプローブセンタ4から送信された最適値のパラメータP(コスト係数)を用いて推奨経路を探索する経路探索処理が実行される。
【0069】
続いて、本実施形態に係る経路探索システム1を構成するナビゲーション装置2においてCPU51が実行する経路探索処理プログラムについて
図13に基づき説明する。
図13は本実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。ここで、経路探索処理プログラムはナビゲーション装置2において経路探索を実施する為の所定の操作を受け付けた場合に実行され、出発地から目的地へと到る推奨経路を探索するプログラムである。尚、以下の
図13にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0070】
先ず、経路探索処理プログラムではS31において、CPU51は、出発地及び目的地を取得する。尚、出発地は車両の現在位置としても良いし、ユーザにより指定された任意の地点(例えば自宅)としても良い。また、目的地は操作部34において受け付けたユーザの操作(例えば施設の検索や選択操作)に基づいて取得する。
【0071】
次に、S32においてCPU51は、前記S31で取得された出発地及び目的地をプローブセンタ4へと送信する。その結果、プローブセンタ4において上述した基準算出処理プログラム(
図7)が実行される。
【0072】
その後、S33においてCPU51は、プローブセンタ4において上述した基準算出処理プログラム(
図7)が実行された結果、最終的に特定された最適値のパラメータP(コスト係数)をプローブセンタ4から通信により取得する。
【0073】
続いて、S34においてCPU51は、前記S33で取得した最適値のパラメータP(コスト係数)を用いて前記S31で取得された出発地から目的地までの経路探索処理を行う。具体的には、公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を推奨経路とする。また、推奨経路以外に探索条件を変えた他の候補経路(例えば距離優先、一般道優先、有料道優先で探索された経路)についても探索するように構成しても良い。
【0074】
具体的には、以下の処理により推奨経路が特定される。
先ず、CPU51は、リンクのリンク長とパラメータPを用いて探索対象となる各リンクのリンクコストを算出する。尚、リンクコストは以下の式(2)により統計情報が算出される。
リンクコスト=探索対象リンクのリンク長L×探索対象リンクの該当する道路種別のパラメータ(P
11〜P
14のいずれか)×探索対象リンクの該当する車線数のパラメータ(P
21〜P
24のいずれか)×探索対象リンクの該当する幅員のパラメータ(P
31〜P
33のいずれか)+探索対象リンクの該当する信号機数のパラメータ(P
41〜P
42のいずれか)+探索対象リンクの該当する差路数のパラメータ(P
51〜P
54のいずれか)+探索対象リンクの該当するPOI数のパラメータ(P
61〜P
64のいずれか)・・・・(2)
尚、上記式(2)は前記S14で道路属性に対するパラメータとして
図8に示すパラメータP
11〜P
64を規定した場合の算出式である。尚、各パラメータPをリンク長に対して積算するか加算するかについては式(1)と同じ態様とする。
更に、CPU51は、上記式(2)で算出されたリンクコスト以外の探索コスト、例えば交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化した交差点コストや、走行に必要な費用の程度を数値化した料金コスト等についても算出する。そして、算出された各探索コストの合計が最小となる経路を推奨経路とする。
【0075】
その後、S35においてCPU51は、前記S34で探索された推奨経路を、液晶ディスプレイ35等を介してユーザに案内する。そして、その後のユーザの操作に基づいて案内された推奨経路がナビゲーション装置2の案内経路として設定され、設定された案内経路に基づく走行案内が行われる。
【0076】
尚、ナビゲーション装置2ではなくプローブセンタ4において、最適値のパラメータP(コスト係数)を用いた経路探索処理(S34)を実行させ、探索された推奨経路をナビゲーション装置2に対して配信する構成としても良い。その場合には、最適値のパラメータPのナビゲーション装置2への配信は不要となる。
【0077】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る経路探索システム1、経路探索システム1による経路探索方法及び経路探索システム1で実行されるコンピュータプログラムでは、プローブセンタ4において全国を走行する各車両3からプローブ情報として走行した経路を特定する経路情報を収集する一方で、ナビゲーション装置2の経路探索処理において設定された出発地及び目的地を取得し(S11)、収集したプローブ情報から経路探索処理を行う車両が過去に同じ出発地から目的地までを走行した際の経路情報を抽出し(S12)、出発地から目的地までの経路探索処理によって探索される経路が、経路情報によって特定される経路に最も近づくように経路探索処理におけるコスト値の算出基準を設定する(S13〜S24)ので、過去に自車両が同一の出発地から目的地までを実際に走行した経路に近い経路が探索されるようにコスト値の算出基準を設定することが可能となる。その結果、リンク単位ではなく経路単位でユーザの嗜好を反映し、出発地や目的地についても考慮した、よりユーザの嗜好に沿った適切な経路を探索することが可能となる。
【0078】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、最適値を算出するパラメータPとしてリンクコストを算出する為のコスト係数を規定しているが、交差点コストを算出する為のコスト係数を規定しても良い。その場合には、道路属性ではなく交差点属性(例えば差路数、信号機の有無、接続する道路の道路種別、右折レーンの有無等)に対してパラメータPを規定し、同様の方法でパラメータP(コスト係数)の最適値を算出するように構成する。そして、経路探索処理(
図13)では、算出された最適値のパラメータP(コスト係数)を用いて交差点コストを特定し、推奨経路の探索を行う。
【0079】
また、本実施形態では、パラメータPの最適値を導くアルゴリズムとして焼きなまし法を用いているが、山登り方、タブーサーチ等のその他のアルゴリズムを用いても良い。
【0080】
また、本実施形態では、パラメータPを規定する道路属性として“道路種別”、“車線数”、“幅員”、“設置された信号機の数”、“隣接する交差点の差路数”、“隣接する特定種類の施設の数”の計6種を設定しているが、6種すべてについてパラメータを規定する必要はなく、いずれか1種又は2種〜5種のみとしても良い。
【0081】
また、本実施形態では、車両の走行軌跡を取得する情報としてプローブ情報を例に挙げて説明したが、プローブ情報以外の情報であっても良い。例えば、各車両が過去の走行履歴を自車両が備えるDBに記憶する構成とし、経路探索を行う際に自車両の過去の走行履歴をDBから取得し、取得した走行履歴から最適値のパラメータP(コスト係数)を算出する構成としても良い。また、その場合には経路探索システム1においてプローブセンタ4は不要となり、経路探索システム1をナビゲーション装置2のみから構成することも可能である。
【0082】
また、本実施形態では
図5に示すプローブ情報整備プログラム及び
図7に示す基準算出処理プログラムの実行主体は、プローブセンタ4のサーバ11であったが、ナビゲーション装置2が一部又は全部を実行する構成としても良い。また、ナビゲーション装置2の代わりに、経路探索機能を有する他の装置で経路探索システム1を構成することも可能である。例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等が可能である。
【0083】
また、本発明に係る経路探索システムを具体化した実施例について上記に説明したが、経路探索システムは以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
【0084】
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両の出発地及び目的地を設定する地点設定手段と、過去に前記車両が前記地点設定手段により設定された前記出発地から前記目的地までを走行した経路を特定する経路情報を取得する経路情報取得手段と、前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報に基づいて、前記出発地から前記目的地までの経路探索処理によって探索される経路が、前記経路情報によって特定される経路に最も近づくように前記経路探索処理におけるコスト値の算出基準を設定する探索基準設定手段と、を有
し、前記コスト値の算出基準は、道路属性毎に規定されたコスト係数であり、前記出発地から前記目的地までの経路探索処理は、前記出発地から前記目的地までの経路探索処理によって探索対象となるリンクである探索対象リンクのコスト値を、前記探索対象リンクの道路属性に対応するコスト係数を用いて算出し、算出されたコスト値に基づいて経路を特定し、前記探索基準設定手段は、道路属性毎にコスト係数をパラメータとして規定し、パラメータを変化させるとともに変化させたパラメータに基づいて探索された経路と前記経路情報により特定される経路との比較評価によって道路属性毎の前記パラメータの最適値を特定し、特定された道路属性毎の前記パラメータの最適値を前記コスト値の算出基準として設定することを特徴とする。
上記構成を有する経路探索システムによれば、過去に自車両が同一の出発地から目的地までを実際に走行した経路に近い経路が探索されるようにコスト値の算出基準を設定するので、リンク単位ではなく経路単位でユーザの嗜好を反映することが可能となる。従って、出発地や目的地を考慮した、よりユーザの嗜好に沿った適切な経路を探索することが可能となる。
【0085】
また
、上記構成を有する経路探索システムによれば、過去に自車両が同一の出発地から目的地までを実際に走行した経路に近い経路が探索されるようにリンクのコスト値を補正する為のコスト係数を特定することが可能となる。その結果、コスト係数を用いて様々な道路属性のリンクに対応した適切な経路探索を行うことが可能となる。
【0086】
また、第
2の構成は以下のとおりである。
前記探索基準設定手段は
、焼きなまし法を用いて
道路属性毎の前記パラメータの最適値を特定することを特徴とする。
上記構成を有する経路探索システムによれば、焼きなまし法によって道路属性毎に規定したパラメータの最適値を特定することが可能となり、道路属性を考慮した適切な経路探索を行うことが可能となる。
【0087】
また、第
3の構成は以下のとおりである。
前記探索基準設定手段は、前記経路情報により特定される経路に対して評価地点を複数設定し
、前記パラメータの値を変化させつつ変化させたパラメータ毎に該パラメータを用いて経路探索処理により探索された経路と前記経路情報により特定される経路との一致した区間に含まれる評価地点の数に応じて評価点を算出し、前記評価点の合計が最も高くなる前記パラメータの値を前記パラメータの最適値として特定することを特徴とする。
上記構成を有する経路探索システムによれば、評価点を用いて複数の経路の一致度合いを適切に評価することが可能であり、過去に自車両が同一の出発地から目的地までを実際に走行した経路に近い経路が探索される為のコスト係数の最適値をより正確に特定することが可能となる。
【0088】
また、第
4の構成は以下のとおりである。
前記探索基準設定手段は、道路種別、車線数、幅員、設置された信号機の数、隣接する交差点の差路数、隣接する特定種類の施設の数の少なくとも一以上を前記道路属性として規定することを特徴とする。
上記構成を有する経路探索システムによれば、リンクの様々な道路属性を考慮することによって、過去に自車両が同一の出発地から目的地までを実際に走行した経路に近い経路が探索される為のコスト係数をより正確に推定することが可能となる。
【0089】
また、第
5の構成は以下のとおりである。
前記経路情報取得手段は、設定された経路に沿って走行するように案内を行う経路案内機能を用いずに前記出発地から前記目的地までを走行した際の前記経路情報を取得することを特徴とする。
上記構成を有する経路探索システムによれば、ユーザの嗜好を反映した経路の経路情報を取得することが可能となる。従って、ユーザの嗜好に沿った適切な経路を探索する為のコスト値の算出基準を設定することが可能となる。