【実施例】
【0039】
合成例1:純粋銅ナノ粒子の合成
金属前駆体として銅前駆体CuCl
230gを水450mlに溶解させた水溶液に、トリエチルアミン22.3gを添加し、緑色の混合溶液がゲル相の薄緑色物質に変わるまで強制攪拌を実施した。その後、ヒドラジン27.5gを徐々に投入して溶液が暗紅色または濃い赤色に変わるまで強制攪拌を実施した。この時、反応温度は45℃で維持した。
【0040】
遠心分離および沈殿を通じて暗紅色の粉末を回収しメタノールで数回洗浄および回収を繰り返した後、大気圧雰囲気で保管した。
【0041】
前記で製造された銅ナノ粒子を観察した結果、
図1に示されているように、製造された銅ナノ粒子は100−120nmの球状であった。また、EDAX表面分析結果、
図2に示されているように、銅酸化物が殆どない銅粒子であるのを確認した。
【0042】
また、空気を吹き込みながら熱分析を通じて表面の有機物含量を測定した結果、
図3に示されているように、有機物含量はほぼ2%程度に測定され、200℃以下では酸化が抑制されるが、200℃以上では酸化が進行することを確認した。
【0043】
合成例2:銅−亜鉛ナノ粒子の合成
金属前駆体として銅前駆体CuCl
230gの代わりに銅前駆体CuCl
227gと亜鉛前駆体3gを使用したことを除いては、前記合成例1と同様な方法で銅−亜鉛ナノ粒子を合成した。
【0044】
合成例3:銅−アルミニウムナノ粒子の合成
金属前駆体として銅前駆体CuCl
230gの代わりに銅前駆体CuCl
227gとアルミニウム前駆体3gを使用したことを除いては、前記合成例1と同様な方法で銅−アルミニウムナノ粒子を合成した。
【0045】
実施例1:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
反応器にエチルセルロース重合体10g、溶媒としてテルピネオール72gおよびブチルカルビトール18gを入れ、樹脂が完全に溶けるまで65℃で攪拌した。樹脂が完全に溶けると、前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gにバインダー樹脂8gを入れ完全に混じるまでペーストミキサーを用いて一定以上の速度で攪拌した。このように製造された銅ペーストに3官能基以上のアクリル系単量体のうちのジペンタアリールスリトールヒドロキシペンタアクリレート(DPHA)2.6g程度を添加した後、200℃未満の温度でラジカルを発生して熱硬化が可能な硬化剤で0.2gを添加して完成した。約1分間追加攪拌を行ってペースト組成物を完成した。
【0046】
実施例2:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子30gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0047】
実施例3:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0048】
実施例4:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例3で製造された銅−アルミニウムナノ粒子15gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0049】
実施例5:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
アクリル系単量体の代わりに分子量が2,000以上である多官能基のウレタンアクリレート系のオリゴマーを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0050】
実施例6:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
アクリル系単量体の代わりに分子量500以上であるビスフェノール系のエポキシオリゴマーを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0051】
実施例7:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0052】
実施例8:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用し、アクリル系単量体の代わりにウレタン系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0053】
実施例9:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用し、アクリル系単量体の代わりにエポキシ系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0054】
実施例10:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用し、アクリル系単量体の代わりにウレタン系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0055】
実施例11:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用し、アクリル系単量体の代わりにエポキシ系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0056】
実施例12:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用し、前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0057】
実施例13:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用し、前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用し、アクリル系単量体の代わりにウレタン系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0058】
実施例14:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
エチルセルロース重合体10gの代わりにエチルセルロース重合体8gおよびエポキシ樹脂2gを使用し、前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりに前記合成例1で製造された銅ナノ粒子15gおよび合成例2で製造された銅−亜鉛ナノ粒子15gを使用し、アクリル系単量体の代わりにエポキシ系単量体を使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0059】
比較例1:プリンテッドエレクトロニクス用銅ペースト組成物の製造
前記合成例1で製造された銅ナノ粒子30gの代わりにアルドリッチ社から購入した銅粒子30gを使用したことを除いては、前記実施例1と同様な方法でペースト組成物を製造した。
【0060】
試験例1
前記実施例1乃至14および比較例1で製造された銅ペースト組成物の物性評価のために、各組成物をパターンが形成されている290メッシュスクリーン網を通してポリイミドフィルムの上に印刷し、形成された塗膜を50℃で乾燥後、200℃で3分間熱風で焼成した後(
図4)、マルチテスターで印刷されたパターンに直接測定して伝導度を測定し、印刷されたパターンをASTM D3359の方法で接着力評価を行い、その結果を下記表1に示した。
【0061】
また、各50/50、70/70、90/90、110/110(線幅/空いた空間)で印刷性を評価し、その結果を下記表1および
図5(実施例1の組成物)に示した。断線がないものは“o”、断線があるものは“x”と示した。
【0062】
【表1】
【0063】
上記表1に示されているように、本発明による実施例1乃至14の銅ペースト組成物は、市販される一般の銅ナノ粒子を用いた組成物に比べて伝導度、接着力および印刷性が優れていることを確認した。
【0064】
特に、同一な組成物で銅−異種金属ナノ粒子を用いた場合、接着力が大きく増加することを確認し、銅−亜鉛ナノ粒子が下部接着力に最も大きい効果を示した。